JPH0679369B2 - 磁気記録材料およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録材料およびその製造方法

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JPH0679369B2
JPH0679369B2 JP59091552A JP9155284A JPH0679369B2 JP H0679369 B2 JPH0679369 B2 JP H0679369B2 JP 59091552 A JP59091552 A JP 59091552A JP 9155284 A JP9155284 A JP 9155284A JP H0679369 B2 JPH0679369 B2 JP H0679369B2
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和夫 梅田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、耐腐食性に優れしかも磁気特性に優れたFe系
磁気記録材料およびその製造方法に関する。
〔発明の技術的背景ならびにその問題点〕
近年、高密度磁気記録に対する要求が高まりつつあり、
これに対応して、非磁性基材上に強磁性金属からなる薄
膜をスパッタリング、イオンプレーティングなどの方法
により被着させてなる薄膜型の磁気記録材料が開発され
ている。このうち、Co系磁性材料を斜方蒸着法により基
材上に薄膜として被着させてなる磁気記録材料は、その
磁気特性が優れているため、たとえばマイクロカセット
テープなどに利用されている。
しかしながらCo系磁気記録材料は、その材料コストが高
く、しかも斜方蒸着法により記録材料を作成しておりそ
の蒸着効率が低くなるため、磁気記録材料としては価格
が高くなりすぎるという欠点があり、他の安価な磁性材
料の利用が望まれていた。
一方、Fe系磁性材料を用いて形成されたFe系磁気記録材
料は、その材料コストが低いため価格的に大巾な低下が
図れる可能性はあるが、耐腐食性が不充分であるととも
に、高い保磁力が得られないという問題点があり、従来
種々の試みがなされているにもかかわらず、実用化には
到っていないのが実情である。
本発明者らは、上記のようなFe系磁気材料に伴なう問題
点を解決すべく鋭意研究した結果、以下のような事実を
見出した。
(a) N2、NH3などの含窒素ガス中で、Fe系磁性材料
をイオンプレーティングあるいはスパッタリングなどの
方法により基材上に成膜すると、Fe4N、Fe8Nなどの窒化
鉄を含むFe系薄膜が得られること。
(b) このような窒化鉄を含むFe系薄膜は、Feをアル
ゴンなどの不活性ガス中での真空蒸着法などにより基材
上に成膜した窒化鉄を含まないFe系薄膜と比べて、耐腐
食性が大幅に向上していること。
(c) 基材上にFe系磁性材料をイオンプレーティング
あるいはスパッタリングなどの方法により基材上に成膜
するに際して、基材面に立てた垂線とFe系蒸気気流との
なす角すなわち入射角を20度好ましくは45度以上とする
射方蒸着法を採用することにより、得られるFe系薄膜の
保磁力Hcが増加し、磁気記録材料として使用しうるこ
と。
(d) 上記のFe系磁気記録材料を基材上に成膜するに
際して、N2、NH3などの含窒素ガスの圧力に応じて、得
られるFe系薄膜の組成が著しく変化し、それに応じてそ
の磁気特性も著しく変化すること。
〔発明の目的ならびにその概要〕
本発明は、上記のような知見に基いて完成されたもので
あって、Fe系薄膜でありながら、優れた耐腐食性を有す
るとともに優れた磁気特性をも有するFe系磁気記録材料
およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る磁気記録材料は、基材と、この基材上に斜
方反応性イオンプレーティングまたは反応性スパッタリ
ングにより被着されたFe系薄膜とからなり、このFe系薄
膜はFexN(式中xは2〜8である)で示される窒化鉄を
5%以上好ましくは50%以上含んでおり、しかも Fe2〜3Nで示される窒化鉄の量が、50%以下であるこ
とを特徴としている。
また、本発明に係る磁気記録材料の製造方法は、チャン
バー内でFeまたはFe系合金を蒸着源またはターゲットと
して、反応性イオンプレーティング法または反応性スパ
ッタリング法により、以下の条件(a)〜(c)下で、
FexN(式中xは2〜8である)で示される窒化鉄を5%
以上含み、しかもFe2〜3Nで示される窒化鉄の量が50
%以下であるFe系薄膜を基材上に被着させることを特徴
としている。
(a) 反応性イオンプレーティング法でFe系薄膜を基
材上に被着させる場合には、基材面に立てた垂線とFe系
蒸気流とのなす角度すなわち入斜角を20度好ましくは45
度以上に保って、基材上にFe系薄膜を被着させること。
(b) チャンバー内の含窒素ガス圧を、反応性イオン
プレーティング法の場合には1×1-4〜1.0×10-3Torrの
範囲に、また反応スパッタリング法の場合には1×10-3
〜1×10-1Torrの範囲に保つこと。
(c) Fe系薄膜の成膜速度を1〜200Å/secの範囲に
保つこと。
〔発明の具体的説明〕
以下本発明を図面により説明する。
本発明に係る磁気記録材料1は、基材2と、この基材2
上に被着されたFe系薄膜3とからなっている。
Fe系薄膜3は、FexN(式中xは2〜8である)で示され
る窒化鉄を5%以上、好ましくは20%以上、さらに好ま
しくは50%以上で含み、しかもFe2〜3Nで示される窒
化鉄の量は50%以下であることが好ましい。
このFe系薄膜3中には、上記のような窒化鉄に加えて、
純鉄(α−Fe)も含まれており、この量は一般に5〜50
%であることが好ましい。
Fe系薄膜3におけるFexN(xは2〜8である)で示され
る窒化鉄の量が5%未満であると、得られる磁気記録材
料の耐腐食性が不充分であるため好ましくない。またFe
2〜3Nで示される窒化鉄の量が50%を超えると、磁気
記録材料の保磁力Hcおよび飽和磁化αsが急激に減少す
るため好ましくない。
なおFe系薄膜3におけるFexNで示される窒化鉄の量が、
5〜20%である場合には、40℃、湿度90%の室内に1週
間放置しても腐食が認められない程度の耐腐食性を有し
ており、また前記窒化鉄の量が20〜50%である場合に
は、NaClを含む水分に1週間接触させても腐食が認めら
れない程度の耐腐食性を有しており、さらに前記窒化鉄
の量が50%以上である場合には、5%NaCl水溶液に1週
間浸漬しても腐食が認められない程度の耐腐食性を有し
ている。
理論に拘束されることは望まないが、Fe2〜3Nで示さ
れる窒化鉄は磁性を有しておらず、一方Fe4〜8Nで示
される窒化鉄ならびに純鉄は磁性を有していると考えら
れる。したがって本発明に係る磁気記録材料において
は、FexN(xは2〜8である)で示される窒化鉄は5%
以上含ませることによって耐腐食性を付与し、またFe
2〜3Nで示される窒化鉄の量を50%以下とすることに
よって保磁力Hcおよび飽和磁化σsの低下を抑えている
のであろうと推定される。保磁力Hcに関しては、Fe系薄
膜中にFe2〜3Nを少量含ませることによって、むしろ
保磁力Hcは増加するが、Fe2〜3Nの量が50%を超える
と保磁力は急激に減少することが見出されている。この
ようなFe系薄膜中における非磁性窒化鉄(Fe2〜3N)
の含有率と、飽和磁化σsおよび保磁力Hcとの関係を第
2図に示す。
基材2としては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミドな
どの合成樹脂のフィルムあるいはシート、アルミニウム
箔、非磁性ニッケル箔、ステンレス箔などの非磁性金属
の箔またはシート、ガラス、セラミック板などの従来公
知の材料が広く用いられうる。
次に本発明に係るFe系磁気記録材料1の形成方法につい
て説明する。
本発明に係るFe系磁気記録材料1は、基材2上にFe系薄
膜3を被着させて形成されているが、従来のイオンプレ
ーティング装置またはスパッタリング装置を用い、この
装置内にアルゴンなどの不活性ガスの代わりに窒素、ア
ンモニアなどの含窒素ガスを導入し、FeまたはFe系合金
を蒸着源またはターゲットとして、反応性イオンプレー
ティング法または反応性スパッタリング法によりFe系薄
膜を基材上に被着させればよい。
あるいはまた、第3図に示されるようなイオンプレーテ
ィング装置を用いてもよい。このイオンプレーティング
装置4は、底部にバルブ6を有する真空ライン5を具備
しており、また側部にバルブ8を有する含窒素ガスの導
入ライン7を具備している。イオンプレーティング装置
4の内部すなわちチャンバー9の下部には、ターゲット
であるFeまたはFe系合金10を入れるためのルツボ11が設
けられておりこのルツボ11の下部には、電子銃または抵
抗加熱装置を含んで構成される電子ビーム加熱装置12が
設けられている。またチャンバー9内の前記ガス導入ラ
イン7とほぼ水平位置であり、しかもルツボ11の上方
に、イオン化電極13およびフィラメント14が設けられて
いる。さらに、チャンバー9内のイオン化電極13のほぼ
真上位置には、ホルダー15が設けられており、このホル
ダー15は耐腐食性薄膜が被着される基材2を傾けて保持
できるようになっている。すなわちホルダー15は、基材
2に立てた垂線とFe系蒸気流とのなす角度αすなわち入
射角αを20度好ましくは45度以上に保つことができるよ
うに、基材2を傾けて保持できるようになっている。
このようなイオンプレーティング装置においては、ルツ
ボ11内のFeまたはFe系合金10は、電子ビーム加熱装置12
から放出されるとともに加速集束された電子ビーム16に
加熱され、FeまたはFe系合金の蒸気流17が上方に向けて
発生する。一方前記イオン化電極13は、フィラメント14
に対して正電位にバイアスされており、このイオン化電
極13とフィラメント14との間には、フィラメント14から
イオン化電極13に向けて熱電子流18が発生する。また、
前記の含窒素ガスの導入ライン7からは、含窒素ガス19
がチャンバー9内に導入される。そしてFeまたはFe系合
金の蒸気流17および含窒素ガス19は、前記の熱電子流18
と衝突してイオン化され、FeまたはFe系合金の蒸気流17
と含窒素ガス19とは反応して、FeまたはFe系合金の一部
は窒化鉄となり、基材2上に被着させる。
上記の操作の手順ならびに条件について説明すると、ま
ずチャンバー9内を10-6Torr程度の高真空にまで排気す
る。次に含窒素ガス19をガス導入ライン6から数10Torr
まで導入してチャンバー9内を含窒素ガスで満たし、こ
の含窒素ガスの流量をバルブ8によりコントロールしな
がら再び排気を行なって、チャンバー内の含窒素ガス圧
を1×10-4〜1.0×10-3Torrの範囲に保つ。チャンバー
9内の含窒素ガス圧は、得られるFe系薄膜中での窒化鉄
の組成ならびに量に対して大きな影響を与える。チャン
バー内の含窒素ガス圧が1×10-4Torr未満では、窒化鉄
の生成が不充分となり、耐腐食性に優れた薄膜が得られ
ないため好ましくない。また含窒素ガス圧が1.0×10-3T
orrを超えると、Fe2N、Fe3Nなどの非磁性窒化鉄の量が5
0%を超えて生成して得られるFe系薄膜の磁気特性が低
下するため好ましくない。
ルツボ11内のFeまたはFe系合金10に照射される電子ビー
ム16の量は、電子銃を含んで構成される電子ビーム加熱
装置12に加えられる電力によりコントロールされるが、
この電子ビーム加熱装置12に加えられる電力に応じてFe
系薄膜の成膜速度が決定される。Fe系薄膜の成膜速度は
1.0〜200Å/secの範囲に保つことが好ましい。成膜速度
もまた得られるFe系薄膜中での窒化鉄の組成ならびに量
に対して大きな影響を与え、この成膜速度が200Å/sec
を超えると、FeまたはFe系合金の窒化が充分に行なえな
いため好ましくない。また成膜速度が1.0Å/sec未満で
あると、成膜が安定化しないため好ましくない。
前述のようにフィラメント14に電圧が印加されて熱電子
流18が発生するが、この印加電圧はフィラメント14の大
きさによって変化するが、一般にフィラメント14が白色
光を放つ程度に加熱すれば充分である。この際フィラメ
ント14の一方端は接地しておくことが好ましい。またイ
オン電極13に印加する電圧は、FeまたはFe系合金の蒸気
流17および含窒素ガス19のイオン化状態を良好に保つた
め、フィラメント14に対して正に数10V程度印加するこ
とが好ましい。
なお、ルツボ11およびホルダー15は、一般には接地する
ことが好ましいが、ホルダー15に関しては大地に対して
負の電圧を印加してもよい。
蒸着源であるFe系合金としては、Feを主体とした合金た
とえばFe−Ni、Fe−Co、Fe−Ni−Co、Fe−Rh、Fe−Cr、
Fe−Sm、Fe−Cr、Fe−SiのFe系強磁材料などが用いられ
うる。
一方、スパッタリング法によりFe系薄膜1を基材2上に
被着するには、チャンバー内の圧力を1×10-3〜1×10
-1Torrの範囲に保ち、成膜速度を0.1〜200Å/secの保つ
ことが好ましい。
含窒素ガスとしては、窒素ガス、アンモニアガス、また
はこれらの混合物あるいはこれらのガスとヘリウム、ネ
オン、アルゴンなどの不活性ガスとの混合物が用いられ
るが、特に窒素ガスが好ましい。
なお、Fe系薄膜3の膜厚は、広い範囲で変化しうるが、
一般に500〜5000Å好ましくは500〜3000Åであることが
望ましい。
なお、本明細書においてFe系薄膜中の窒化鉄の%は、メ
スバウァー法に基いて決定された値である。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。
実施例1 基材として厚さ50μmのポリイミドフィルムを用い、そ
の表面にFeを蒸着源として第3図に示したイオンプレー
ティング装置により以下の条件でFe系薄膜を形成した。
比較例1 実施例1において、N2ガスを導入せず真空度を5×10-5
Torrに保った以外は、実施例1と同様にしてFe金属薄膜
を形成した。
上記実施例1および比較例1で得られたFe系金属薄膜の
組成および耐腐食性を表に示す。なお膜の組成はメスバ
ウアーを分光法により分析した。
実施例2 実施例1において、N2ガスを導入しながら真空度をそれ
ぞれ4×10-4Torr、6×10-4Torr、8×10-4Torrに保っ
た以外は実施例1と同様にしてFe系金属薄膜を形成し
た。得られたFe系金属薄膜におけるFe2〜3Nの含量は
それぞれ25%、25%、47%であった。また5%NaCl水溶
液中に4日間放置しても、腐食は全く認められなかっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る磁気記録材料の断面図であり、第
2図は磁気記録材料を構成するFe系薄膜中での非磁性窒
化鉄(Fe2〜3N)の含有率と、飽和磁化σsおよび保
磁力Hcとの関係を示す図であり、第3図はFe系薄膜を形
成する際に用いられるイオンプレーティング装置の断面
図である。 1……磁気記録材料、2……基材、3……Fe系薄膜、4
……イオンプレーティング装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材と、この基材上にあってこの基材の法
    線に対して斜方より蒸着物質を入射して堆積してなるFe
    系薄膜とからなる磁気記録材料であって、 前記Fe系薄膜がFexN(式中xは2〜8である)で示され
    る窒化鉄を5%以上含んでおり、しかもFe2〜3Nで示
    される窒化鉄の量が20〜50%であることを特徴とする、
    磁気記録材料。
  2. 【請求項2】チャンバー内でFeまたはFe系合金を蒸着源
    として、反応性イオンプレーティング法により、以下の
    条件(a)〜(c)下で、FexN(式中xは2〜8であ
    る)で示される窒化鉄を5%以上含み、しかもFe2〜3
    Nで示される窒化鉄の量が20〜50%であるFe系薄膜を、
    基材上に被着させることを特徴とする、磁気記録材料の
    製造方法: (a) 基材面に立てた垂線とFe系蒸気流とのなす角度
    すなわち入射角を20度以上に保って、基材上にFe系薄膜
    を被着させること、 (b) チャンバー内の含窒素ガスの圧力を1×10-4
    1.0×10-3Torrの範囲に保つこと、 (c) Fe系薄膜の成膜速度を1〜200Å/secの範囲に
    保つこと。
  3. 【請求項3】含窒素ガスが、窒素ガスまたはアンモニア
    ガスあるいはこれらの混合物もしくはこれらとヘリウ
    ム、ネオンまたはアルゴンとの混合物である、特許請求
    の範囲第2項に記載の磁気記録材料の製造方法。
  4. 【請求項4】チャンバー内でFeまたはFe系合金をターゲ
    ットとして、反応性スパッタリング法により、以下の条
    件(a)〜(b)下で、FexN(式中xは2〜8である)
    で示される窒化鉄を5%以上含み、しかもFe2〜3Nで
    示される窒化鉄の量が20〜50%であるFe系薄膜を、基材
    上に被着させることを特徴とする、磁気記録材料の製造
    方法: (a) チャンバー内の含窒素ガスの圧力を1×10-3
    1.0×10-1Torrの範囲に保つこと、 (b) Fe系薄膜の成膜速度を0.5〜200Å/secの範囲に
    保つこと。
  5. 【請求項5】含窒素ガスが、窒素ガスまたはアンモニア
    ガスあるいはこれらの混合物もしくはこれらとヘリウ
    ム、ネオンまたはアルゴンとの混合物である、特許請求
    の範囲第4項に記載の磁気記録材料の製造方法。
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