JPH0696809B2 - 熱融着性複合繊維 - Google Patents

熱融着性複合繊維

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JPH0696809B2
JPH0696809B2 JP1205510A JP20551089A JPH0696809B2 JP H0696809 B2 JPH0696809 B2 JP H0696809B2 JP 1205510 A JP1205510 A JP 1205510A JP 20551089 A JP20551089 A JP 20551089A JP H0696809 B2 JPH0696809 B2 JP H0696809B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリオレフィンと融点150℃以上で結晶性の
ポリエステル又はポリアミドの2種のポリマーの複合形
状が繊維の長さ方向には実質的に同一形状でありなが
ら、単繊維間でランダムに異なり、該単繊維は一方の成
分が層状分割層を形成している複合形状のものと、一方
の成分が一独立島状成分を形成している複合形状のもの
と、更に二成分が偏在化して貼り合せ構造を形成した複
合形状のものが混在化した状態である、天然繊維に似た
自然な斑と柔らかいソフトな風合を有する新規な熱融着
性複合繊維ならびにその製造方法に関するものである。
(従来技術) 繊維間熱融着により不織布等を製造するための熱接着性
繊維は知られている。例えばポリエチレンを接着成分と
するポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、共重合ナ
イロンを接着成分とするポリプロピレンとの複合繊維、
あるいはエチレン−ビニルアルコール共重合体を接着成
分とするポリエチレンテレフタレートとの複合繊維等が
ある。
特に最近ベビーおむつやおむつライナー、生理用品など
の衛生材料分野や外食産業向けのカウンタークロス、台
所用品の流し台の水切り袋などの非衛生材料分野や、シ
ツプ薬の基布や固定用シート、病院用手術衣、マスク等
のメデイカル分野などに、不織布が広く使用されてきて
いる。
それと同時に、本来の取りあつかい性などの機能性とと
もに、柔らかさや感触などの風合に対する要求も大きく
なつてきた。特に最近では、不織布分野でのポリエチレ
ンテレフタレートを代表とする合成繊維の役割が大きく
なり、広く使用されるようになつてきた。しかしなが
ら、生産効率及び種々の消費性能に対する耐久性等の点
ではある程度満足できるレベルにきているが、風合とい
う点ではまだまだ不十分で、使用している過程でのある
程度の柔らかい、人間の肌になじみやすい風合が要望さ
れるようになつてきた。熱融着性繊維による不織布につ
いても、機能性のみならず、柔らかさ等の風合良好なも
のが強く望まれるようになつてきたが十分なものは、な
いのが現状であつた。
(本発明が解決しようとする問題点) 従つて本発明は、従来の熱融着性繊維による不織布に対
して、天然繊維に似たソフト感を有する風合と単繊維間
にランダムな自然な斑を付与させ良好な風合の熱融着性
繊維による不織布を得ることを目的として鋭意検討した
結果、本発明に到達したものである。すなわち本発明
は、上記繊維を得るためにはいかなる物を用い、いかな
る構成、条件としたらよいかという点を究明したもので
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明はポリオレフィン(Aポリマー)と融点150℃以
上で結晶性のポリエステル又はポリアミド(Bポリマー
の2種の重合体成分からなり、A成分とB成分の複合形
状が繊維の長さ方向には実質的に同一形状でありながら
単繊維間でランダムに異なり、一方の成分が層状分割層
を形成している複合形状のものと、一方の成分が独立島
状成分を形成している複合形状のものと、更に二成分が
偏在化した一種の貼り合せ構造に似た複合形状のものの
繊維が混在化した状態でランダムに形成され、しかもA
成分とB成分の界面での接触長が一定条件を満たすこと
を特徴とする熱融着性複合繊維である。
本発明で言うA成分ポリマーのポリオレフインとして
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチル
ペンテン−1及びこれらを主成分とするポリオレフイン
又は、各種共重合変性ポリエチレン及び各種共重合変性
ポリプロピレン等が挙げられ、例えば、エチレン−酢酸
ビニル共重合体なども本発明の目的繊維を得るためのポ
リマーとしては好適なポリマーの一つである。A成分で
あるポリオレフインが熱融着性成分として働く役割を担
つていることから、目的とする接着温度及び接着強力等
に合わせて、ポリオレフインの種類を融点、流れ性等考
慮して選択する必要がある。例えば、ポリエチレンを用
いる場合でも、目的に応じて低密度ポリエチレン(LDP
E)、高密度ポリエチレン(HDPE)、又はエチレンとブ
テン−1、オクテン−1等のα−オレフイン共重合の線
状低密度ポリエチレン(LLDPE)を適宜、選択する必要
がある。
本発明で言う融点150℃以上で結晶性のポリエステル又
はポリアミドとしては、繊維形成性良好なポリマーであ
ればどれでもよいが、好ましくは、ポリエチレンテレフ
タレート又はポリブチレンテレフタレートを主成分とす
るポリエチレンか、ナイロン6又はナイロン66を主成分
とするポリアミドであることが望ましい。
ポリエチレンとしては、例えばテレフタール酸、イソフ
タール酸、ナフタリン2,6−ジカルボン酸、フタール
酸、α,β−(4−カルボキシフエノキシ)エタン、4,
4−ジカルボキシフエニール、5ナトリウムスルホイソ
フタル酸などの芳香族ジカルボン酸もしくはアジピン
酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸又はこれらの
エステル類と、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
シクロヘキサン1,4−ジメタノール、ポリエチレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオール
化合物とから合成される繊維形成性ポリエステルであ
り、構成単位の80モル%以上が、特には90モル%以上が
ポリエチレンテレフタレート単位又はポリブチレンテレ
フタレート単位であるポリエステルが好ましい。又、ポ
リエステル中には、少量の添加剤、螢光増白剤、安定剤
あるいは紫外線吸収剤などを含んでいても良い。
またポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12を主成分とするポリアミドであり、少量の第3
成分を割むポリアミドでもよい。これらに少量の添加
剤、螢光増白剤、安定剤等を含んでいても良い。
また、言うまでもないが、接着繊維の形態安定剤を重視
する場合には、B成分ポリマーは接着処理温度より融点
が高い熱可塑性ポリマーを使用する必要があるのは当然
の事である。
次に本発明の繊維の特徴を、実際の写真を示しながら説
明する。第1図に本発明繊維の断面構造を示す写真の一
例を示す。第2図は典型的な断面形状の代表的なものの
モデル図を一例として示した。
第1図に示したものは、A成分として高密度ポリエチレ
ン、B成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、
重量比50対50で紡糸したものである。A成分とB成分の
複合形状が単繊維間でランダムに異なり、A成分が層状
分割層を形成している場合もあれば、独立の島状成分を
形成している場合があり、また第2図(イ)の如く、A
成分とB成分が極端に編在化して貼り合せ構造に似た複
合形状を形成している場合もあり、それらが混在化した
状態でマルチフイラメントを形成していることがわか
る。この各種の複合形状が混在化しているために、ある
ものはA成分とB成分の歪差により収縮歪差を生じ、例
えば第2図(イ)の場合潜在捲縮性を有し、最終繊維製
品にした場合他の単繊維と位相の異なる集団化しないコ
イルクリンプが発現し嵩高性をもたらし、第2図(ロ)
の場合は、A成分とB成分との界面で一部剥離が生じ、
最終繊維製品で単繊維表面層よりランダムにフイブリル
状極細繊維が枝状に発生し、接触した時に柔らかい感触
風合を与えるポイントとなる。また第2図(ハ)の形状
を形成している繊維の場合は一方の成分がやや大きい島
状独立層を数個有しているために、完全芯鞘繊維には得
ることのできない繊維としての自然な柔らかさをもたら
す。このように、単繊維間の複合形状がランダムに異な
り、しかも、その形状が第2図(イ)(ロ)(ハ)のモ
デル形状で代表されるので混在化していることが、天然
繊維に似た自然な斑と風合、特に、嵩高さと触つた時の
柔らかさと繊維集合体としての全体の柔らかさを初めて
発現させうることが可能となつた。このような複合形状
を有する繊維を得る方法については、後で詳細に説明す
るが、上記説明した複合形状を有する繊維集合体をつく
ることにより、初めて従来にない自然な天然繊維ライク
な感触を発現させることが可能となつた。
また、熱融着性繊維としては、不織布作成後の強力が重
要なポイントであることは当然であるので、一例として
第1図にはポリエチレン対ポリエチレンテレフタレート
が50対50の比率のものを示したが、接着強力をより向上
させるためには、熱融着性ポリマーの比率を上げること
が好ましい。目的に応じて複合比率を変更すべきであろ
う。より高強力の不織布が目的であるならポリエチレン
比率を50%以上に設定すべきであることは言うまでもな
い。
また、繊維断面におけるA成分とB成分の界面での接触
長の平均値xが繊維断面の平均周長yに対して下記式
(1)又は(2)に示される関係で表わされることが大きな特
長である。
(a,bはそれぞれAポリマー,Bポリマーの重量パーセン
ト) 単繊維断面の平均周長yとA成分とB成分の界面での平
均接触長xの比が まで非常に分布が大きく複合状態が広範囲に分布してい
る繊維の混合物で存在していることが大きな特徴であ
る。例えば、A成分とB成分の重量比率が1:1の場合、
モデル的なもので説明すると、第6図(ニ)のような貼
り合せ断面では、x/yが0.3〜0.4くらいであり、第6図
(ホ)のようなA成分とB成分が5層を形成している断
面ではx/yが1.08〜1.10くらいであり、第6図(ヘ)の
ようなA成分とB成分が10層を形成している断面ではx/
yが1.8〜2.1ぐらいである。これに対して本発明繊維
は、x/yが小さいものは0.50のものも存在し、x/yが大き
いものは4.0くらいのものもの存在し、二成分の接触界
面が小さいものから大きなものまで非常に広い範囲で種
々の複合形状を有した繊維が混在化していることがわか
つた。x/yが小さいものから、大きいものまで広い範囲
で分布していることが、大きな特徴であり、本発明繊維
が自然な斑と天然繊維に似た柔らかい感触が発現される
ための大きな要因となつていると考えられる。
繊維断面におけるA成分とB成分の接触長の測定は、単
繊維100本をランダムに採取しAとBの接触長を測定
し、その平均値で示した。具体的な接触長の測定は、正
確に測定するにはコンピユーターによる画像解析によつ
て求めることができるが、簡便的には、繊維断面写真を
高倍率に拡大し、方眼を乗せて、2成分境界線のその目
の数を読みとることによつても可能であるし、マツプメ
ジヤーを用い2成分境界線の曲線上を走行ギヤーを回転
走査させることによつても可能である。本発明で述べて
いる実施例中での数値は、マツプメジヤーを用いて測定
した数値で説明している。
次に、本発明の繊維の製造例について説明する。本発明
の複合形状繊維構造を発現させるためには紡糸時にAポ
リマーとBポリマーの2成分のポリマーが一定条件で不
均一混合され、かつ各ノズル孔へ異なつた状態で不均一
混合ポリマー流が分配されることが重要であるが、それ
の紡糸方法の一例を第3図、第4図に示す。第3図、第
4図に示したような複合紡糸口金装置を使用して紡糸す
ればよい。別々の溶融押出機によりそれぞれ押出された
Aポリマー及びBポリマーポリマー溶融流は別々に計量
機により所定量計量された後、サンドボツクス1の濾過
部8で濾過された後、フイルター6をそれぞれ経た後、
ミキシングプレート2に設けられた静止混合器5で所定
条件下で混合され、分配板3の分配路7を経て放射線状
に分配した後、円周溝9へポリマーが流れ満たされた
後、口金板10から紡出される。
ここで2成分のポリマーが不均一混合状態とするために
静止型混合器5の混合素子の数を適切に選ぶことが非常
に重要である。現在実用化されている静止型混合器は数
種類あるが、例えばケニツクス(Kenics)社の180゜左
右にねじつた羽根を90゜ずらして配列したnエレメント
通過させると2層分割するタイプのスタチツクミキサ
ーを用いた場合は、エレメント数が3〜8の範囲にする
必要がある。口金板が一周孔配列の場合更に好ましく
は、4〜6の範囲が最適である。8エレメント以上にす
ると、AポリマーとBポリマーの混合性が良くなりすぎ
て均一混合に近くなり、繊維化して目的とする繊維構造
が発現しにくくなる。
適切なエレメント数に設定しても、両成分ポリマーが接
触を開始してから、ノズル孔より吐出するまでの滞留時
間が長すぎると、ポリエステルとポリアミドの反応が進
みやすく紡糸時の粘度低下、繊維の着色が進み好ましく
ない。両成分ポリマーが接触を開始してから5分以内に
吐出することが好ましく、更に好ましくは3分以内に吐
出することが好ましい。滞留時間を少なくするために、
分配板3のポリマー流路は適切な空間にする必要があ
る。
本発明の繊維を得るためにもう一つ重要なことは、分配
板3の構造が非常に重要である。第3図X−X′面から
見た分配板の詳細図面が第4図であるが、この分配板で
重要なことは、静止混合器を経て2成分ポリマーが多層
状態で流出してきた不均一混合流を放射線状の分配路の
数だけ分割して放射線状に不均一混合流を分割すること
である。この分配路の数はノズル孔数より少なくするこ
とが必要である。好ましくは、分配路の数とノズル孔数
の比率は1:1.5〜1:5の範囲にする必要がある。第4図の
例は、24ホールノズに対して12の分配路を設定した例で
ある。
静止混合器から分配路を経てノズル孔より吐出される時
の2成分ポリマーの不均一混合状態の流れをモデル的に
更に詳しく説明すると、例えば4エレメントの静止混合
器を経た2成分のポリマー流は第5図に示す如く、A成
分8層、B成分8層のトータル16層の層状ポリマー流と
なり、該ポリマー流を例えば第4図の如き12分配路を有
する分配板を通過させると各分配路へは(1)〜(12)
のポリマー流の状態で分配され、(1)、(12)
(6)、(7)ブロツクは層数が極端に少なく、
(3)、(4)、(10)、(9)は層数が一番多い状態
で、(2)、(5)、(8)、(11)は中間の状態でノ
ズル上部円周溝へ至る。その後各ブロツクへ、ノズル孔
が2個以上配置されている場合、ブロツクの境界に存在
するノズル孔へは両方のブロツクからポリマー流が流れ
こみ、(1)、(12)、(6)、(7)と(3)、
(4)、(9)、(10)との混合状態の差が更に拡大さ
れて吐出されるために、結果として第2図(イ)(ロ)
(ハ)の単繊維間で複雑に異なつた複合形状が混在化し
た繊維が得られるわけである。
(1)、(6)、(7)、(12)ブロツクからは主に
(イ)あるいは(ロ)に類似の複合形状を形成した繊維
が発現し、(3)、(4)、(9)、(10)ブロツクか
らは主に(ハ)を中心とした複合形状を有した繊維が発
現し、(2)、(5)、(8)、(10)ブロツクからは
主に(ロ)を中心とした複合形状のものと(イ)又は
(ハ)に似た複合形状のものが若干混在化した繊維が得
られることになる。
しかしながら、ポリマー流の時間方向の流れは同じ混合
状態で定常的に流れるため、繊維の長さ方向には、実質
的に同一形状の複合形状を保つている。
ケニツクス社以外の静止型混合器を用いる場合も、2
層分割以上に相当するエレメント数に設定した混合器を
使用する必要があることま言うまでもない。東レ社製ハ
イミキサー(Hi−Mixer)やチヤールス・アンド・ロス
(Charless & Ross)社製のロスISGミキサーなどは、
nエレメント通過する時の層分割数は4層分割である
ので、エレメント数2エレメント以上、4エレメント以
下にすることが好ましい。
AポリマーとBポリマーの複合比率は15対85〜85対15の
範囲にする必要がある。どちらか一方の成分が15重量%
未満になると、比率の少ない成分の集合状態が小さくな
り、目的の複合形状に近くなつたとしてもあまり特徴が
発現されない繊維となつてしまい好ましくない。A対B
が15対85〜85対15の範囲で、目的とする風合及び工程性
及び糸物性及び熱接着性不織布作成後の強力等で総合的
に判断し、最適の混合比率を選択することが望ましい。
本発明の繊維は、本発明の複合繊維のみよりなる融着処
理繊維集合体としても用いられるが、該繊維を10重量%
以上含む他繊維との混合融着処理繊維集合体としても用
いられる。
繊維集合体として特に20〜100mmに切断したものは乾式
用不織布バインダーとして、又3〜10mmに切断したもの
は湿式用不織布バインダーとして好適であり、今迄にな
り柔らかい風合を有する不織布を得ることができる。
本発明でいる融着処理繊維集合体は種々の用途に対する
広い種類の不織布に有用であるが、具体的な用途として
は、例えば、衛生材用途などが好適である。
以下、本発明を実施例により説明するが、これに限定さ
れるものではない。尚、実施例中の不織布の柔らかさに
ついては、次に述べるJIS L1085−5−7剛軟度45゜カ
ンチレバー法によつた。
即ち、2cm×15cmの試験片を、たて、よく方向にそれぞ
れ5枚採取し、カンチレバー形試験装置で一端が45゜の
途面をもつ表面の滑らかな水平台の上に、短辺をスケー
ルの基線に合わせて置いたのち、試験片を斜面の方向に
ゆるやかに滑らせて、試験片の一端の中央が斜面と接し
たとき、試験片の他端の位置をスケールによつて読む。
剛軟度はブロックの押し出された長さ(mm)で示され、
おのおの5枚の表裏をはかり、たて、よこ方向それぞれ
の平均値で表す。
測定サンプルの作成は、測定試料2デニール51mmの原綿
を作成し、目付30g/m2のウエツブを作成し、その後A成
分ポリマーの融点プラス30℃の温度で熱風処理をして不
織布を作成し測定した。
また、他の繊維を混合する場合は、代表的な例として、
通常のポリエチレンテレフタレート繊維を50%、熱融着
性繊維を50%の混率で混綿し目付30g/m2のウエツブを作
成し、その後熱風処理をして不織布を作成し測定した。
通常のポリエチレンテレフタレート繊維50%と鞘成分が
高密度ポリエチレン芯成分がポリエチレンテレフタレー
トの芯鞘型熱融着性繊維を50%の比率で混綿した不織布
は、カンチレバー値が約95mm位であつた。カンチレバー
値が小さい程、柔らかい不織布と判断できる。
また、不織布のふくらみ性については次に述べるJIS L1
085−5−1法による厚さ測定法によつた。
即ち、試料の異なる5箇所について、厚さ測定機を用い
て20gf/cm2の圧力のもとで一定時間(10秒)放置して厚
さ(mm)をはかり、その平均値で表す。上記で述べた方
法により不織布を作成し、測定したが、通常のポリエチ
レンテレフタレート繊維50%と鞘成分が高密度ポリエチ
レン、芯成分がポリエチレンテレフタレートの芯鞘型熱
融着性繊維を50%の比率で混綿し熱融着処理した目付30
g/m2の不織布の場合は厚さ約0.16mmくらいであつた。厚
さが厚い程ふくらみの大きい、本発明の目的に合つた不
織布であると言える。
〔実施例1〕 Aポリマーとして高密度ポリエチレン(三菱化成(社)
製ユカロンハードJX−10)を用い、Bポリマーとして固
有粘度〔η〕0.68フエノール/テトラクロルエタン1:
1、30℃での測定のポリエチレンテレフタレートを用い
た。それぞれを別々の押出機にて溶融押出し、A対Bの
比率が50対50重量%となるようにそれぞれギアポンプで
計量した後、紡糸パツクへ供給し、その後第3図に示し
た装置により紡糸パツク内でケニツク社製の4エレメン
トスタチツクミキサーでA成分とB成分層状分割ポリマ
ー流を形成させ、分配路を12個有する分配板を通過させ
た後24ホールの丸孔ノズルより口金温度290℃で吐出
し、捲取速度1000m/minで溶融紡糸した。得られた紡糸
原子を75℃の水浴で3.5倍延伸し、ついで95℃の水浴で
5%の収縮を入れたのち、機械捲縮をかけ、ついで一般
的な油剤を0.1wt%になるように付与し、100℃で30分間
弛緩熱処理し、その後51mmの長さに切断して単糸デニー
ル2の原綿とした。
得られた該原綿50%と通常のポリエチレンテレフタレー
ト原綿(単繊維2デニール、カツト長51mm)50%を混綿
したものと、該原綿100%のものとそれぞれ目付30g/m2
のウエツブを作成し、その後、150℃で熱風処理をして
不織布を作成した。いずれも紡糸から最終の不織布作成
まで工程性は良好で問題なかつた。いずれも不織布の風
合は、自然な柔らかさとタツチがあり良好であつた。
〔比較例1〕 Aポリマーとして高密度ポリエチレン(三菱化成 ユカ
ロンハードJX−10)を用い、Bポリマーとして固有粘度
〔η〕0.68フエノール/テトラクロルエタン1:1、30℃
での測定のポリエチレンテレフタレートを用いた。それ
ぞれを別々の押出機にて溶融押出し、A対Bの比率が50
対50重量%となるようにそれぞれギアポンプで計量した
後、紡糸パツクへ供給し、その後Aポリマーを鞘成分、
Bポリマーを芯成分とする芯鞘型複合形状となるように
常法によりポリマー流をパツク内でコントロールし、24
ホールの丸孔ノズルより口金温度290℃で吐出し、捲取
速度1000m/minで溶融紡糸した。得られた紡糸原子を75
℃の水浴で3.5倍延伸し、ついで95℃の水浴で5%の収
縮を入れたのち、機械捲縮をかけ、ついで一般的な油剤
を0.1wt%になるように付与し、100℃で30分間弛緩熱処
理し、その後51mmの長さに切断して単糸デニール2の原
綿とした。
得られた該原綿50%と通常のポリエチレンテレフタレー
ト原綿(単繊維2デニール、カツト長51mm)50%を混綿
したものと該原綿100%のものとそれぞれ目付30g/m2
ウエツブを作成し、その後、150℃で熱風処理をして不
織布を作成した。いずれも、得られた不織布は、柔らか
さ、嵩高性ともに実施例1より劣るものであつた。
〔実施例2〜7〕 実施例1と同一のポリマーを用い、実施例2は複合比率
がA/Bが30/70、実施例3はA/B 70/30で行ない、他は実
施例1と同一条件で実施した。実施例4,5はそれぞれス
タチツクミキサーのエレメント数を3と7に変更し、他
は実施例1と同一条件で実施した。実施例6は分配板の
分配数を8にし24ホールの一周ノズルで行ない実施例7
は分配板の分配数を8にし36ホールの一周ノズルで行な
い、他は実施例1は同一の条件で実施した。いるれも工
程性良好でかつ良好な不織布が得られた。
〔実施例8,9〕 実施例8はBポリマーとしてポリブチレンテレフタレー
ト(三菱化成(社)製ノバドール500g)を用い、実施例
9はBポリマーとしてナイロン−6(宇部興産(社)製
1013BK)を用い、他は実施例1と同一条件で実施した。
いずれも工程性良好でかつ良好な不織布が得られた。
〔実施例10〕 Aポリマーにポリプロピレン(チツソ(社)製K−100
8)を用い、他は実施例1と同一の条件で、不織布を作
成した。この際熱接着処理温度は200℃の熱風下で実施
した。工程性良好でかつ良好な不織布が得られた。
〔実施例11〕 Aポリマーとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体ポリマ
ー(三井ポリケミカル(社)製エバフレツクスP−140
5)を用い、他は実施例1と同一の条件で不織布を作成
した。工程性良好でかつ良好な不織布が得られた。
〔比較例2,3〕 実施例1と同一のポリマーを用い、比較例1はA/Bの複
合比率を10/90とし、比較例2はA/Bの複合比率を90/10
とし他は実施例1と同一の条件で実施したが、いずれも
ノズル吐出時に斜向、ビス落ちが多く紡糸性が不良であ
つた。得られた繊維の複合形状は、海島構造に近いもの
で平凡な複合形状であつた。また得られた不織布も特徴
のないものであつた。
〔比較例4〕 実施例1と同じポリマーを用い、スタチツクミキサーの
エレメントを2で実施した。紡糸性及び後工程性は良好
であつたが、複合形状が本発明の目的とする単繊維間で
ランダムに異なり、一方の成分が独立島状成分を形成し
ているものと、層状分割層を形成しているものと、二成
分が偏在化した貼り合せ構造をしているものの繊維が混
在化した状態でランダムに形成される状態には十分にな
つていなかつた。また、得られた不織布もあまり特徴の
ないものであつた。
〔比較例5〕 実施例1と同じポリマーを用い、スタチツクミキサーの
エレメントを12で実施した。繊維化工程性は良好であつ
たが、複合形状は海島構造に近いものが大部分であつ
た。また、得られた不織布も、あまり特徴のないもので
あつた。
以上の各実施例、比較例の条件並びに結果をまとめて第
2表に記す。
(本発明の効果) 以上、本発明は、特定条件を満たすポリオレフインと融
点150℃以上の結晶性熱可塑性樹脂の2種のポリマー
を、所定の条件を満足する方法で複合紡糸し、複合形状
が繊維の長さ方向には実質的に同一形状でありながら、
単繊維間でランダムに異なる特殊複合繊維を得、天然繊
維に似た自然な斑と柔らかいソフト風合を有する新規な
熱融着性複合繊維を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明繊維の断面構造を示す写真の一例であ
る。第2図は、本発明繊維の典型的な複合形状の一例の
モデル的スケツチ図である。第3図は本発明繊維の紡糸
口金装置の一例を示す断面図で、第4図は紡糸口金装置
の一例の分配板をX−X′面から見た図である。第5図
は分配板へ至つた2成分ポリマー複合流が放射状に分配
されていく時の各ブロツクのポリマー複合流をモデル的
に示したものである。第6図は複合繊維の一般的なもの
の一例として示したものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン(Aポリマー)と融点150
    ℃以上で結晶性のポリエステル又はポリアミド(Bポリ
    マー)からなる複合繊維であり、 AポリマーとBポリマーの重量比率が15:85〜85:15の範
    囲で、AポリマーとBポリマーの複合形状が繊維の長さ
    方向には実質的に同一形状でありながら単繊維間でラン
    ダムに異なり、該単繊維は一方の成分が層状分割層を形
    成している複合形状のものと、一方の成分が独立島状成
    分を形成している複合形状のものと、更に二成分が偏在
    化して貼り合せ構造を形成した複合構造のものが混在し
    た状態であり、 かつ単繊維の繊維断面におけるAポリマーとBポリマー
    の界面での接触長の平均値xが繊維断面の平均の周長y
    に対して下記式(1)又は(2)に示される関係で表わ
    されることを特徴とする熱融着性複合繊維。 1.0×a/100≦x/y≦10.0×a/100 但しa≦bの時 ……
    (1) 1.0×b/100≦x/y≦10.0×b/100 但しb≦aの時 ……
    (2) a、bはそれぞれAポリマー、Bポリマーの重量%を表
    す。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン(Aポリマー)と融点150
    ℃以上で結晶性のポリエステル又はポリアミド(Bポリ
    マー)を別々に溶融押出し、次いでこれら両ポリマーが
    接触を開始してから5分以内に、AポリマーとBポリマ
    ーの重量比率が15:85〜85:15の範囲で、紡糸直前のスタ
    チックミキサーを通して層状複合形態となし、該層状ポ
    リマー流を放射線状にノズル孔数より少ない分割数で分
    割分配しなおし、その後多孔紡糸ノズルより紡糸するこ
    とを特徴とする熱融着性複合繊維の製造方法。
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