JPH0716603B2 - 改良された水蒸気の吸収・放出剤 - Google Patents

改良された水蒸気の吸収・放出剤

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JPH0716603B2
JPH0716603B2 JP10396585A JP10396585A JPH0716603B2 JP H0716603 B2 JPH0716603 B2 JP H0716603B2 JP 10396585 A JP10396585 A JP 10396585A JP 10396585 A JP10396585 A JP 10396585A JP H0716603 B2 JPH0716603 B2 JP H0716603B2
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伊藤  博
敦彦 新田
富夫 田中
秀雄 神尾
賢次 坪井
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は改良された水蒸気の吸収・放出剤に関する。
更に詳しくは特定された(メタ)アクリルアミド誘導体
の水に不溶化してなる重合体と吸湿性有機化合物を一体
化してなる改良された水蒸気の吸収・放出剤に関する。
従来技術とその問題点 従来、気体中の温度を調節する調湿方法は、除湿と加湿
という二種の機能を有する装置を別固に作動させて行う
のが主であり、温度調節に比べると極めて面倒な装置及
び作業が要求されている。従つて、温室、ビニールハウ
ス、ビル等の外気の流入が少い密閉された空間において
は室温の変化に伴つて起る結露等の問題が根本的に解決
されておらず、温室内では結露による病害の発生、ある
いはビル内のオフィスではコンピューター等の電子機器
の故障等の様々な面で問題となつている。一方、乾燥地
または保水性の悪い土壌での作物栽培等においては、土
壌中の加湿が問題となり、土壌保水剤等の種々の加湿材
の検討がなされている。
最近になつて上記した問題に対して、従来の空気調節と
いう考え方とは別に、吸水能を有する親水性樹脂を調湿
に活用しようという考えがあり、種々のものが試作検討
されている。
本発明者らは上記した目的のために検討を行い、本発明
にも適用している特定された(メタ)アクリルアミド誘
導体の重合体を水に不溶化してなる重合体が水蒸気の吸
収及び放出剤として好適であることを見い出し、既にそ
の使用を提案している。具体的には該剤は低温/高湿の
状態ではよく水蒸気を吸収し、高温/低湿の状態では水
蒸気を放湿するという水蒸気の吸収及び放出剤として極
めて好都合な性質を有している。ただし、1つの欠点と
して吸湿量の小さい点があり、比較的狭い空間での使用
または低湿度条件を強く要求されない用途等では十分問
題なく使用できるが、広い空間での使用または低湿度が
必須条件となる用途等では十分にその機能を発揮できな
いことになる。
問題点を解決するための手段: 本発明者らは上記した問題点に鑑み鋭意検討したとこ
ろ、特定された(メタ)アクリルアミド誘導体の重合体
を水に不溶化してなる重合体と吸湿性有機化合物を一体
化したところ、吸湿量が大巾に増大するとともに、更に
驚くことに放湿能力の低下も少なく、多量の水蒸気を吸
収・放出できることを見い出し、本発明に到つた。
即ち、本発明は 一般式(I)または(II)で表わされる (上式でR1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子、
メチル基またはエチル基、R3はメチル基、エチル基また
はプロピル基である。) (上式でR1は水素原子またはメチル基、AはCH2 n
nは4〜6またはCH2 2OCH2 2である。) N−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリ
ルアミドの単独または共重合体、もしくは他の共重合し
うる単量体との共重合体を水に不溶化してなる重合体と
吸湿性有機化合物を一体化してなる改良された水蒸気の
吸収・放出剤である。
本発明に用いられる単量体としては、たとえばN−n−
プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリル
アミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプ
ロピルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド、N−エチルメタクリル
アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチル
メタクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−
メタクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジ
ン、N−メタクリロイルピペリジン、N−アクリロイル
モルホリン等をあげることができる。
また、上記した単量体と共重合可能な単量体としては、
親水性単量体、イオン性単量体、親油性単量体等があげ
られ、それらの一種以上の単量体が適用できるが、なか
でも親水性単量体及びイオン性単量体の使用が好まし
い。
具体的には親水性単量体としては、たとえばアクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
ジアセトンアクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、各種のメトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート、各種のメトキシポリエチレングリコールアクリレ
ート、N−ビニル−2−ピロリドン等をあげることがで
きるし、また、酢酸ビニル、グリシジルメタクリレート
等を共重合により導入して、それを加水分解して親水性
を賦与することもできる。イオン性単量体としては、た
とえばアクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスル
ホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンス
ルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパン
スルホン酸等の酸及びそれらの塩、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
メタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等の
アミン及びそれらの塩等をあげることができる。また、
各種アクリレート、メタクリレート、アクリルアミド、
メタクリルアミド、アクリロニトリル等を共重合により
導入して、それを加水分解してイオン性を賦与すること
もできる。
親水性単量体としては、たとえばN−n−ブチルアクリ
ルアミド、N−tert.−ブチルアクリルアミド、N−n
−ヘキシルアクリルアミド、N−n−オクチルメタクリ
ルアミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド誘導
体、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、ブチ
ルアクリレート等の(メタ)アクリレート誘導体、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル,酢酸ビニル、スチ
レン、α−メチルスチレン、ブタジエン、イソプレン等
をあげることができる。
上記した単量体の重合体を水に不溶化する方法として
は、重合時に不溶化する方法と重合後の処理で不溶化す
る方法があるが、具体的な不溶化方法として、分子中に
少くとも二個以上の二重結合を有する架橋性モノマーと
上記した(メタ)アクリルアミド誘導体と共重合する方
法、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド誘導
体を共重合する方法、上記した親油性モノマーと(メ
タ)アクリルアミド誘導体を共重合する方法、塊状で重
合する方法、重合体を加熱処理する方法、セルロース等
の水に不溶の繊維状物質等と重合体を一体化する方法等
を採用できる。
より具体的には第1の方法では架橋性モノマーとして、
たとえばN,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−
ジアリルアクリルアミド、トリアクリルホルマール、N,
N−ジアクリロイルイミド、エチレングリコールアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピ
レングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコ
ールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタ
クリレート、グリセロールジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフ
タレート等を使用できる。
第2の方法でのN−アルコキシメチル(メタ)アクリル
アミド誘導体としてはN−ヒドロキシメチル(メタ)ア
クリルアミドも含み、たとえばN−メチロール(メタ)
アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−
tert.−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等を使
用できる。
第3の方法での親水性モノマーのアンフィフィリックな
性質を有する(メタ)アクリルアミド誘導体に対する比
率は(メタ)アクリルアミド誘導体と親水性モノマーと
の組み合せにより変化し、一概に断定できないが、一般
的には、1%以上好ましくは3%以上である。
第4の方法による塊状で重合する方法としては、溶媒で
稀釈せずにそのまま重合して重合体ブロックを得る方法
或いは溶媒に懸濁させながらモノマー中で重合を行い、
粒子状重合体を得る方法等を採用できる。
第5の方法である重合体を加熱処理する方法において加
熱条件は重合体により異なり一様ではないが、一般的に
は、60〜250℃、好ましくは80〜200℃の温度で、塊状重
合、懸濁重合、溶液重合等で得た重合体を加熱処理す
る。その際、溶液重合においては、乾燥或いは溶媒の留
去と加熱処理を兼ねて行つてもよい。
第6の方法である繊維状物質等と一体化する方法として
は、セルロース、ナイロン、ポリエステル、アクリル等
の繊維またはポリプロピレン、エチレン−プロピレン共
重合体等でできた不織布等の水に不溶の繊維状物質ある
いはシリカ、アルミナ、ゼオライト等の水不溶の多孔質
無機物質に上記した(メタ)アクリルアミド誘導体を含
浸重合或いはグラフト重合する方法、及び重合体を含浸
させる方法等を採用できる。
上記した6つの方法を各々単独で採用してもよいし、併
せて採用してもよい。概ね併用したほうがより効果的な
結果を得ることができる。
上記した方法に従つて、本発明の水蒸気の吸収・放出剤
を製造するに当つて採用できる重合のより具体的方法と
しては、たとえば(1)モノマーを溶剤で稀釈せずにそ
のまま重合して重合体ブロックを製造する方法、(2)
溶剤中で重合して重合後乾燥或いは貧溶剤中に重合体を
析出させ、重合体を得る方法、(3)懸濁重合により粒
子状重合体として得る方法、(4)乳化重合により重合
体ラテックスとして得る方法、(5)水に不溶な繊維状
物質または多孔質無機物質に重合体溶液の含浸あるいは
グラフト重合等の方法で重合体を一体化する方法等を採
用することができる。また、上記した製造工程におい
て、10mm以下に細断した繊維状物質を添加して重合もし
くはその後の処理を行い、繊維状物質の分散した重合体
を製造することもできる。
その際、重合を開始する方法としては、加熱のみによつ
ても行いうるが、通常重合開始剤を使用したほうが良好
な結果が得られる。
重合開始剤としてはラジカル重合を開始する能力を有す
るものであれば制限はなく、たとえば無機過酸化物、有
機過酸化物、それらの過酸化物と還元剤との組合せおよ
びアゾ化合物などがある。具体的には過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリ、過酸化水素、tert−ブチルパ−オキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロキシパ−オ
キシド、tert−ブチルパ−オキシ−2−エチルヘキサノ
エート、過安息香酸ブチル等があり、それらと組合せる
還元剤としては亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、鉄、銅、コバ
ルトなどの低次のイオン価の塩、アニリン等の有機アミ
ン更にはアルドース、ケトース等の還元糖等を挙ること
ができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸
塩、2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、
4,4′−アゾビス−4−シアノバレイン酸などを使用す
ることができる。また、上記した重合開始剤の2種以上
を併用することも可能である。この場合の重合開始剤の
添加量は通常採用される量的範囲で充分であり、たとえ
ば単量体当り0.01〜5重合%、好ましくは0.05〜2重合
%の範囲である。
このようにして得られる重合体のうち、ブロック状のも
の、または溶剤を留去して得られる重合体は、粉砕によ
り粉状に、または融解して粒状、フレーク状、繊維状ま
たはフイルム状に成型し、粒子状重合体はそのままの形
で、またラテックス状重合体は布および紙のような繊維
状物質に含浸コーティングしたり、またはフィルム化し
て提供することができる。
一方吸湿性有機化合物としては、吸湿性を有するもので
あれば特に限定はなく、水溶性でも水不溶性でもよい。
具体的には水酸基置換化合物、カルボン酸、スルホン酸
またはそれらの塩、1級、2級及び3級アミンまたはそ
れらの塩、更には4級アンモニウム塩等があげられる
が、それらの中でも水酸基置換化合物、特に多価アルコ
ール化合物が一体化すべき重合体との相溶性に優れてお
り好ましい。
多価アルコール化合物としては2価、3価、4価アルコ
ール及びそれらの多量体ならびにポリビニルアルコール
がある。2価アルコールとしてはエチレングリコール及
びその重合体とプロピレングリコール及びその重合体の
2種がある。エチレングリコールの重合体としては2量
体のジエチレングリコールから分子量数十万の高分子量
ポリエチレングリコールまで適用できるが、分子量数千
以下の低分子量のものが好ましい。
プロピレングリコールについても同様であり、プロピレ
ングリコール及びその低分子量ポリプロピレングリコー
ルが好ましい。
またポリエチレングリコールとポリプロピレングリコー
ルの共重合体でもよい。3価アルコールとしてはグルセ
リン、トリメチロールプロパンなどがあり、また4価ア
ルコールとしてはペンタエリスレトール等がある。また
上記した多価アルコールの多量体とは3価及び4価アル
コールが脱水縮合して重合体になつたものでありポリグ
リセリン等がある。更に上記した化合物で水酸基の1部
がエーテル基またはエステル基になつたものでもよい。
上記した多価アルコール化合物以外の水酸基置換化合物
として単糖類、多糖類等の炭化水素があげられる。具体
的にはグルコース、フルクトース、マンニット、マルト
ース、ラクトース、ラフィノース、ショ糖、デキストラ
ン、シクロアミロース等があげられる。
ポリビニルアルコールも加水分解度及び分子量等の異な
る種々のものがあるが、本発明では完全加水分解に近い
もので低分子量のものが好ましい。それら有機化合物の
添加量は使用目的により異なり一様には規定できない
が、添加量が少ないとその効果が明確にならず、逆に多
すぎると吸湿能は増加するが、本発明の特徴である放湿
能が損われてしまうので、概ね該剤組成中の3〜97重量
%、好ましくは5〜75重量%である。しかし、いづれに
してもこのように大量の吸湿性有機化合物を添加して
も、該剤の放湿能力の低下が少ないということは本発明
の大きな特徴であり、吸湿性有機化合物と該剤との間で
吸収した水分の授受が行われているものと考えられる。
次にそれら吸湿性有機化合物を重合体に一体化して水蒸
気の吸収および放湿剤を製造する方法であるが、重合体
製造時にそれら有機化合物を共存させて重合して一体化
する方法、重合後有機化合物を混練等により一体化する
方法、重合体と有機化合物とを一体成形する方法等があ
る。より具体的には一体化する方法は重合体の形状とも
関連する。その形状は該剤をどのようにして使用するか
によつて、その形態は適宜きまつてくるので、一様には
規定できない。しかし、一般的にはそれらの重合体は粉
末状もしくは粒状更には布地または不織布等の繊維状物
質に含浸もしくはコーティングした形で使用される場合
が多い。粉末状品は前記したように水溶液中でゲル重合
を行い、その後乾燥粉砕して得る等種々の方法をとりう
る。その時、一体化すべき有機化合物を重合液中に溶解
もしくは分散して重合することにより一体化できるし、
更には粉末状品に一体化すべき有機化合物の水溶液もし
くは分散液を含浸もしくは噴霧することにより一体化で
きる。
一方、粉状品は一般的には懸濁重合法により容易に製造
されるのであるが、本発明で使用されるアクリルアミド
もしくはメタクリルアミド誘導体は一般に水溶性が高い
ので、懸濁重合法としては、単量体またはその水溶液等
を油中に分散した逆相懸濁重合、水溶液中に多量の電解
質等を溶解して単量体の溶解度を抑制して行う塩析懸濁
重合、更には重合体の曇点以上の高温で重合を行い重合
体を析出させる析出懸濁重合等の方法が採用される。逆
相懸濁重合の場合には単量体水溶液に有機化合物を溶解
もしくは分散して重合を行えば一体化できるし、いづれ
の場合にも粉状品に有機化合物の水溶液もしくは分散液
を含浸もしくは噴霧すればよい。また、繊維状物質に含
浸もしくはコーティングした形で使用する場合には含浸
もしくはコーティングする水溶液に有機化合物を溶解も
しくは分散させておいてもよいし、含浸もしくはコーテ
ィング後の繊維状物質に有機化合物の水溶液もしくは分
散液を含浸もしくは噴霧してもよいが、前者のほうが工
程が一段ですみ好都合である。またその時コーティング
する物質として繊維状物質以外にもシリカ、アルミナ、
ゼオライトのような多孔性物質も使用できる。
以上のようにして製造した水蒸気の吸収及び放出剤は固
体状であり、気体状の水たとえば大気中の水分との接触
により、水を吸収保持し、外気の湿度及び温度により、
水を吸収したり放出したりすることができ、この過程を
繰り返すことができる。一般に低温での吸湿量のほうが
高温での吸湿量よりも大きいので、低温では除湿剤とし
て一方高温では加湿剤として作用させることが可能であ
り、温度変化に伴う相対湿度の変化を軽減し、相対湿度
を一定に維持しようとする機能を有する。水蒸気の吸収
および放出剤の吸湿量はその重合体組成及び温度・湿度
条件により変化するが、概ね自重の0.1倍より5倍程度
の水蒸気を吸収することができる。その際、各々単独で
の吸湿量より、それらを一体化したものの吸湿量のほう
が大きくなる場合があり、一体化により相乗効果が認め
られることもある。
吸湿した剤をより温度の高い環境またはより湿度の低い
環境に置くことにより速やかに放湿させることができ
る。このように吸湿及び放湿は周囲の環境条件を変える
ことにより速やかに行わせることができる。特に本発明
の特徴の1つとして吸湿速度と同等またはそれ以上に放
湿速度を設定できることがあげられ、従来の吸湿剤には
ない性質である。
本発明の水蒸気の吸収および放出剤を繰り返し使用する
にあたつて、吸湿量の大きいものほど、放湿後の該剤中
に残存する水分の量が多くなるが、吸湿時の水分含量と
放湿時の水分含量との差も同時に大きくなるので、くり
返し使用にあたつて大きな問題とはならない。
従つて本発明の水蒸気の吸収・放出剤は吸湿量の制御を
容易に行なえるので、小量の該剤の存在で大容量の気体
の調湿を行うことが可能である。
本発明の水蒸気の吸収・放出剤を使用して調湿する具体
的方法としては該剤を調湿すべき気体と接触させるだけ
でよい。
該剤の形状としては特に制限はなく、粉末状、粉状、フ
レーク状、繊維状、フィルム状或いはそれらを他の繊維
材料などと複合化したものなどを用途に応じて使用でき
る。複合化の具体的方法としては、布地、不織布等の繊
維材料で該剤をはさみ、それらを熱融着、接着等で一体
化する方法等を採用できる。その時、雰囲気の温度及び
湿度により加温したり、除湿したりすることができ、そ
の雰囲気の変化に伴い何度でも繰り返し行うことができ
る。
より具体的な水蒸気の吸収および放出方法として(1)
該剤を雰囲気中に設置しておき、該剤の有する機能に委
ねて水蒸気の吸収および放出を行う方法と(2)該剤の
温度を制御することにより水蒸気の吸収および放出を行
う方法の主に2つの方法が採用できる。粉末状、粉状、
フレーク状の該剤を使用する場合(1)の方法において
は固定床、流動床、移動床等の様式で該剤と気体とを接
触させればよい。また(2)の方法においては上記した
様式を採用して、該剤を外部熱交換あるいは内部熱交換
等の方法で加熱したり、冷却できるようにすればよい。
一方、繊維状、フィルム状或いは該剤を繊維材料または
フィルム等と複合化したものでは、壁紙のように壁に接
着させてもよいし、天幕、カーテンのように室内につる
してもよいし、ともかく気体中の水分と十分接触できる
ようになつていればよい。(2)の方法をこの様式に採
用する場合、(1)の方法のようには簡単にはいかない
が、たとえば上記した該剤を管状に加工してその中にス
チーム、水、温度調節された気体等を流して加熱及び冷
却する方法、また上記した該剤を壁等にカーテン、天
幕、壁紙等として使用した場合には、外部より加熱・冷
却する方法が採用される。
また、該剤の組成及び使用量を適当に選択することによ
り気体中の湿度を高めにも低めにも設定することが可能
であり、吸湿量の低いものを使用した時には高湿度域
に、一方吸湿量の高いものを使用した時には低湿度域に
設定できる。
具体的な用途として温室、ビニールハウス、ビニールフ
ィルムを使用した施設園芸等の密閉空間内での作物栽培
時の湿度調節、コンピューター等多湿に弱い電子機器の
設置されている部屋の湿度調節、一般住宅の壁、窓等で
の結露の防止、土壌内での湿度調節等があげられる。
作用: 上記したように、本発明の水蒸気の吸収・放出剤は第一
に一体化する有機化合物の添加量を変えることにより広
い範囲で吸湿量を制御できるので、多種の目的に応じて
水蒸気の吸収および放出を行うことができる。第二に低
温での吸湿量が大きくかつ高温での放出量も大きいの
で、高い調湿機能を有する。第三に温度による吸湿量の
変化が大きいので、温度により気体中の水分の制御を幅
広い範囲で行える。第四に該剤の吸湿したものは腐食性
が小さいので、鋼板等の金属板と一体化して使用できる
等の効果を有する。
以下本発明を実施例により更に説明する。
実施例1 N−アクリロイルピロリジン507.5gとN,N′−メチレン
ビスアクリルアミド2.6gとを蒸留水1,170gに溶解し、0.
5wt%のN,N′−メチレンビスアクリルアミドを含むN−
アクリロイルピロリジンの水溶液を調製した。該水溶液
を10℃に冷却した後、2lのステンレス製ジュワー瓶に移
液し、1/minの流量でポールフィルターを用いて窒素
ガスを1時間バブリングした。ついで該水溶液に過硫酸
アンモニウム225gを蒸留水10gに溶解した液と亜硫酸水
素ナトリウム1.16gを蒸留水10gに溶解した液とを同時に
添加し、該水溶液を断熱的に重合した。得られたゲルを
細断して乾燥した後、更に粉砕して20〜100メッシュ留
分を採取し、サンプル粉末とした。該サンプル粉末を同
じ量のグリセリンと十分に混合して得られたグリセリン
含有サンプル粉末2gを15cm×15cmの大きさのポリエステ
ル製不織布(重量1.27g)の表面上に均一に散布し、更
にその上に同じ不織布を重ね、1.5cm角の碁盤目状に上
下の不織布を熱融着する事により、グリセリン含有サン
プル粉末をはさみ込んだ不織布のサンプルを作製した。
該サンプルを、温度10℃、相対湿度98%に調整した恒温
恒湿槽内に吊り下げ、サンプル1g当りの吸湿量を測定し
たところ1時間後で0.21g、2時間後で0.29g、3時間後
で0.35g、4時間後で0.39g、そして10時間後で0.71gの
水分を吸湿していた。ついでこの吸湿したサンプルを、
温度40℃、相対湿度40%に調整した恒温恒湿槽内に吊り
下げておいたところ、1時間後にはサンプル1g当りの水
分量は0.14gとなり、サンプル1g当り0.57gの水分を放湿
しており、2時間後では0.64g、3時間後では0.68gの水
分を放湿していた。該サンプルを用いて、吸湿・放湿を
10回繰り返したが、サンプルの形状・外観・吸湿量・放
湿量等は、試験前と何ら変化が無かつた。
実施例2〜7 実施例1で得られたサンプル粉末と同じ量の表−1に示
した多価アルコールとを用いて、実施例1と同様の方法
により得られた多価アルコール含有サンプル粉末2gをは
さみ込んだ不織布のサンプルを用いて、実施例1と同様
の方法でサンプル1g当りの吸湿量及び放湿量を測定し、
表−1に示す結果を得た。
比較例1 実施例1で得られたサンプル粉末2gを用いて実施例1と
同様の方法により得られたサンプル粉末をはさみ込んだ
不織布のサンプルを用いて、実施例1と同様の方法で吸
湿量及び放湿量を求めたところ、サンプル1g当りの吸湿
量は10時間後で0.41gであり、また放湿量は1時間後で
0.35gであつた。
実施例8〜9 長さ1mm、太さ3デニールのナイロン繊維76.5gを添加し
た以外は実施例1と同様の方法によりサンプル粉末を得
た。該サンプル粉末1gと表−2に記載した多価アルコー
ル1gとを用いて、実施例1と同様の方法により得られた
多価アルコール含有サンプル粉末をはさみ込んだ不織布
のサンプルを用いて、実施例1と同様の方法でサンプル
1g当りの吸湿量及び放湿量を測定し、表−2に示す結果
を得た。該サンプルを用いて吸湿・放湿を10回繰り返し
たが、サンプルの形状・外観・吸湿量・放湿量等は試験
前と何ら変化が無かつた。
実施例10 実施例3で得られたジエチレングリコール含有サンプル
粉末10gを200メッシュのステンレス製金網上に散布し、
恒温恒湿槽内に静置した以外は実施例1と同様の方法で
該サンプル粉末の吸湿量及び放湿量を測定したところ、
サンプル粉末1g当りの吸湿量は10時間後で1.48gであ
り、また放湿量は1時間後で1.42gであつた。
実施例11 蒸留水1700gにN−アクリロイルピロリジン100g及び2
−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸ナ
トリウム3gを添加し、反応器内をチッ素で置換した後、
60℃に加温した。ついで反応液に過硫酸カリウム0.6gを
添加し重合を開始し、3時間重合させた。反応液は重合
が進行するにつれて、徐々に白濁し、エマルジョンとな
つた。ついで該反応液にアクリロニトリル50gをポンプ
を用いて30分間かけて添加した。添加終了後、該反応液
を更に3時間、60℃で反応させた。得られたエマジョン
溶液は温度が50℃以下になると水溶液となつた。該ポリ
マー水溶液にトリエチレングリコールを溶解した液を15
cm×15cmの大きさのポリプロピレン−レーヨン製不織布
(重量1.33g)の表裏両面に塗布した後、80℃で4時間
乾燥させる事により、0.3gのポリマーと0.3gのトリエチ
レングリコールとでコーティングした不織布のサンプル
を作製した。該サンプルを用いて、実施例1と同様の方
法で、サンプル1g当りの吸湿量及び放湿量を測定したと
ころ、吸湿量は10時間後で0.67gであり、また放湿量は
0.65gであつた。
実施例12 分子量600のポリエチレングリコール255gを添加した以
外は実施例1と同様の方法により重合、細断、乾燥、粉
砕を行ない、ポリエチレングリコール含有サンプル粉末
を得た。該粉末10gを用いて、実施例10と同様の方法で
該粉末の吸湿量及び放湿量を測定したところ、サンプル
粉末1g当りの吸湿量は10時間後で1.16gであり、また放
湿量は1時間後で1.13gであつた。
実施例13 実施例1で得られたサンプル粉末5gにプロピレングリコ
ールの10wt%水溶液50gを噴霧器を用いて均一に噴霧し
て吸収させた。該サンプル粉末を200メッシュのステン
レス製金網上に散布し、温度40℃、相対湿度40%に調整
した恒温恒湿槽内に静置しておいたところ、1時間後に
は44.5gの水分を放湿していた。ついでこのサンプル粉
末を温度10℃、相対湿度98%に調整した恒温恒湿槽内に
静置しておいたところ、10時間後には該サンプル粉末1g
当り1.33gの水分を吸湿していた。
実施例14 N−アクリロイルピロリジン355.2gとN,N′−メチレン
ビスアクリルアミド1.8g、グルコース153.0gを水1170g
に溶解し、グルコースを含むN−アクリロイルピロリジ
ンの水溶液を調整した。該水溶を10℃に冷却した後、2l
のステンレス製ジュワー瓶に移液し、1/minの流量で
ボールフィルターを用いて窒素ガスを1時間バブリング
した。ついで該水溶液に過硫酸アンモニウム1.79gを水1
0gに溶解した液と亜硫酸水素ナトリウム0.81gを水10gに
溶解した液とを同時に添加し、該水溶液を断熱的に重合
した。得られたゲルを細断して乾燥した後、更に粉砕し
て20〜100メッシュ留分を採取し、サンプルとした。10g
の該サンプル粉末を200メッシュのステンレス製金網上
に散布し、温度10℃、相対湿度98%に調整した恒温恒湿
槽中に10時間放置し、サンプル粉末1g当たりの吸湿量を
測定したところ、0.49gであった。ついでこの吸湿した
サンプル粉末を、温度40℃、相対湿度40%に調整した恒
温恒湿槽に1時間放置しておいたところ、サンプル1g当
たりの水分量は0.02gであり、0.47gの水分を放湿してい
た。
実施例15〜17 N−アクリロイルピロリジン355.2gとN,N′−メチレン
ビスアクリルアミド1.8gを水1170gに溶解し、該水溶液
に長さ1mm、太さ3デニールのナイロン繊維107.1gを懸
濁させて、実施例14と全く同様にして過硫酸アンモニウ
ム及び亜硫酸水素ナトリウムを重合開始剤として重合を
行い、実施例14と全く同様にして重合体粉末を得、篩分
けして100メッシュより大きい留分を採取した。
該重合体粉末を同じ量の分子量1000のポリエチレングリ
コール(以下PEGと略す)と十分に混合して得たPEG含有
サンプル粉末2gを15cm×15cmの大きさのポリエステル製
不織布(重量1.27g)の表面上に均一に散布し、更にそ
の上に同じ不織布を重ね、1.5cm角の碁盤目状に上下の
不織布を熱融着することにより、PEG含有サンプルをは
さみ込んだ不織布のサンプルを作成した。該サンプルを
用いて、表3に示す温度及び湿度条件で順次、12時間放
置後のPEG含有重合体1g当たりの吸湿量を測定し、結果
を表3に示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)または(II)で表わされる (上式でR1は水素原子またはメチル基、R2は水素原子、
    メチル基またはエチル基、R3はメチル基、エチル基また
    はプロピル基である。) (上式でR1は水素原子またはメチル基、AはCH2 n
    nは4〜6またはCH2 2OCH2 2である。) N−アルキルまたはN−アルキレン置換(メタ)アクリ
    ルアミドの単独または共重合体、もしくは他の共重合し
    うる単量体との共重合体を水に不溶化してなる重合体と
    吸湿性有機化合物を一体化してなる改良された水蒸気の
    吸収・放出剤。
  2. 【請求項2】吸湿性有機化合物が多価アルコール化合物
    である特許請求の範囲第一項記載の改良された水蒸気の
    吸収・放出剤。
JP10396585A 1985-05-17 1985-05-17 改良された水蒸気の吸収・放出剤 Expired - Lifetime JPH0716603B2 (ja)

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