JPH073032B2 - 繊維構造物およびその製造法 - Google Patents

繊維構造物およびその製造法

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JPH073032B2
JPH073032B2 JP62247608A JP24760887A JPH073032B2 JP H073032 B2 JPH073032 B2 JP H073032B2 JP 62247608 A JP62247608 A JP 62247608A JP 24760887 A JP24760887 A JP 24760887A JP H073032 B2 JPH073032 B2 JP H073032B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、染色された繊維構造物の濃色化技術に関する
ものである。
(従来の技術) 繊維構造物の染色物を濃色化する技術は各種検討されて
きた。特に濃色の出にくいポリエステル系の分野ではあ
らゆる技術が検討されてきた。
一つの技術の流れとしては染色された繊維構造物に屈折
率の低いポリマーを樹脂加工あるいは放電重合する方法
であり、もう一つの技術の流れとしては繊維構造物の繊
維表面をアルカリ溶液あるいはプラズマエツチングによ
り粗面化する方法である。これらの内、濃色化繊維構造
物として上場されているものもあるが、この分野におけ
る濃色化レベルは日進月歩しているため、それらの濃色
化レベルは現在では不満足なものとなつてきた。今この
上記従来技術について概説する。
繊維構造物に屈折率の低いポリマーを樹脂加工して濃染
化する技術としては特公昭58−51557号、特開昭58−144
189号等がある。これらの技術によりある程度の濃色化
効果が得られることは事実である。例えば黒色布帛で濃
色度の指標となるL*値でみるとL*=15のものが、この手
法によつてL*=14程度にすることは可能である。しかし
さらに濃色度を上げようとして樹脂付着量を上げても単
繊維表面に樹脂が均一に付着せず、繊維間空隙にのみ樹
脂が付着し濃色度があがらず、その他の性能、例えば芯
地との接着性低下、コスレによる変色、ドライクリーニ
ングによる色落ち、風合変化、染色のブリードアウトに
よる汚染、色変化等々といつた不都合が生じ、濃色度の
向上には限界があつた。
また屈折率の低いポリマーを、繊維間空隙ではなく単繊
維表面に均一に付着させ濃色度を上げる手法として特公
昭61−35309号がある。この手法はプラズマ重合あるい
は放電グラフト重合により繊維構造物の表面に存在する
単繊維表面に均一に樹脂を付着させる技術としては有効
である。この手法によればL*=15のものをL*=10以下に
することも試験的には不可能ではなく濃色効果を上げる
手法としては有効なものである。しかしこの手法におい
てもL*で13.5〜14.0以下の濃色度にしたものは、コスレ
による変色(フロステイング)が著しく大きく、さらに
風合変化も大となり、実用に供せられる範囲は、やはり
L*=13.5〜14.0の範囲のものであつた。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記従来技術における種々の消費性能上での
問題点がない上で、L*値が11〜13にも到達できる濃色化
技術を提供せんとするものである。
ΔL*値において0.3の差があると、肉眼で濃い、うすい
の判定が十分できることとなる。したがつて従来の実用
化技術で得られたものよりΔL*で0.5〜2.5も低いものが
得られる本発明は、まさしく究極の濃色化技術と言え
る。
(問題点を解決するための手段) 本発明は染色された繊維構造物が樹脂層で被覆されその
樹脂層が、被覆形成樹脂(A)および/または無機微粒
子(B)と、屈折率1.55以下の低屈折率ポリマー(C)
とからなり、さらに前記樹脂層の少なくとも片面にフッ
素系化合物の薄膜(D)が形成され、その薄膜の厚みが
100〜2000Åであり、0.2≦α=F/C≦1.8を満足するもの
である繊維構造物およびその製造方法に関する。
以下、本発明について詳説する。
本発明における繊維構造物とは、天然繊維、合成繊維、
半合成繊維、再生繊維よりなる編物、織物、不織布等を
言う。本発明は特に濃色性の悪いポリエステル系繊維構
造物に有効である。
繊維構造物が被覆される樹脂は、被膜形成樹脂(A)お
よび/または無機微粒子(B)と、屈折率1.55以下の低
屈折率ポリマー(C)とからなる。即ち、(A)と
(B)と(C)とからなる場合、または(B)と(C)
とからなる場合、または(A)と(C)とからなる場合
を包含する。
被膜形成樹脂(A)は、無機微粒子、低屈折率ポリマー
を繊維構造物につなぎとめるバインダー的役割をはたす
もので、(A)がない場合に比較して洗濯、ドライクリ
ーニング、コスレによる変色色落ちに対抗して非常に効
果的であると同時に、風合調節の役目を行なう。また濃
色効果を発揮させる意味からも重要で比較的屈折率の低
いポリマーが望ましい。例えばポリアミド、ポリアクリ
ルアミド、ポリウレタン、ポリウレタンアクリル等が望
ましいが、被膜形成性があれば他のポリマーも使用可能
である。
無機微粒子(B)は、平均粒子径が0.1μ以下の微粒子
であればよく、望ましくは濃色化を疎害しないために屈
折率の低い平均粒子径0.05μ以下の微粒子が望ましい。
コロイド状のもの、ゾル状のものが分散性もよく凝集し
ないために使用しやすく、例えばコロイダルシリカ、ア
ルミナゾル等がある。
無機微粒子(B)は、(C)と、あるいは(A)と
(C)との混合系に加えて繊維構造物に一度に付着させ
てもよいが、繊維構造物にあらかじめ無機微粒子を付着
させ、その後(C)、あるいは(A)と(C)とを付着
させる方が好ましい。後者の場合、微粒子を核として樹
脂成分が繊維表面に比較的均一に付着すること、さらに
微粒子の凹凸に添つて樹脂(A)が付着し、樹脂(A)
の凹凸構造による濃色度の増大となるからである。
屈折率1.55以下の低屈折率ポリマー(C)は、(A)あ
るいは(A)と(B)との樹脂加工では濃色効果が不足
のときに特に有効である。代表的なポリマーとしてはシ
リコン系あるいはフツ素系のポリマーがあり、ジメチル
シリコン、アミノ変性シリコンが特に好ましい。しかし
(C)ポリマーの重量比率が樹脂総量の80重量%を越え
ると風合変化、芯地との接着性低下、耐ドライクリーニ
ング性から問題が生じるために80重量%以下にするのが
望ましい。
また総樹脂量としては繊維構造物に対して0.5〜3重量
%が望ましい。0.5重量%未満では樹脂加工後での濃色
効果少なく、最終製品の濃色度を十分にもたせるために
は薄膜形成処理に必要な時間がかかりすぎて経済的でな
い。逆に3重量%を越えても風合の点から好ましくな
い。この樹脂加工の方法は通常の樹脂加工法が適用でき
るがデイツプ、ニツプの方式が簡単で望ましい。
さらに上記(A)成分および/または(B)成分と、
(C)成分とを混合し、一浴で付着させる場合には、混
合系の分散状態をそこなわないような組合せが必要であ
り、(A)、(B)、(C)として使用できる成分に制
約が生じる場合がある。そのために前述したが、例えば
(B)を先に付着させ、その後(A)と(C)を付着さ
せるような多段処理が望ましい。またこの多段処理は樹
脂を繊維表面に均一に付着させる意味からも重要であ
る。2〜4回にわけて付着させる場合は濃色度がそのつ
ど向上するが、5回以上になつてもその効果は少ない。
この樹脂加工後の濃色度は、樹脂加工前でL*値=15.0
(黒色織物)位のものをL*値=13.5〜14.0程度にする加
工であることが望ましい。もちろん樹脂中に帯電防止
剤、浸透剤、消泡剤、架橋剤、シランカツプリング剤等
通常使用される薬剤を含んでもよい。
この樹脂加工された繊維構造物の両面または片面にフツ
素化合物の薄膜層を形成させる。片面に薄膜をつけるか
両面につけるかは商品によつて選択されるべきものであ
り、片面にのみ薄膜をつけても十分濃色可能であり実用
上も問題ない。
フツ素化合物の薄膜層を低温プラズマ重合法によつて形
成させる場合、その低温プラズマ化での重合に際し、系
内に導入されたフツ素化合物モノマーは、各種の状態に
励起、分解して、重合反応を引き起こし、主鎖を形成し
たり、枝分かれ構造や架橋構造を形成する。これらの反
応には、フツ素の脱離が非常に大事な役割を果している
と考えられる。
フツ素の脱離によつて得られる活性化炭素は、系内の残
存空気をとりこんだり、重合後試料を系外にとり出す際
空気と接触することにより酸素と反応する。
本発明者等はX線光電子分光法(X−ray Photoelectro
n Spectroscopy;以後XPSと略記する)での分析により各
種の薄膜について検討した結果0.2≦α≦1.8のフツ素系
ポリマーが最つとも濃色効果の点から有効であることを
見い出した。ここでαとは、XPSにより測定されるフツ
素FISのピーク面積から計算されるフツ素原子数を同様
に測定される炭素CIS原子数で割つた値である。α<0.2
では炭素に対するフツ素原子比が小さすぎて屈折率が大
きいポリマーとなりやすく濃色の効果が少ない。α>1.
8の場合、帯電しやすいポリマーとなり、摩擦帯電圧を
下げるのが非常にむずかしく、芯地との接着性も低下し
てくる。
薄膜を形成させる手段としては、プラズマ重合法に限ら
ずいわゆる樹脂加工法や放電グラフト法があるが、繊維
表面に有効に薄膜を形成させるという観点からプラズマ
重合法あるいは放電グリフト法が有効である。
プラズマ重合法に使用されるフッ素系化合物モノマーと
は、C2F4、C3F6で代表される CnHmClpF2n−m−pタイプ(n≧2、m≧0、p≧0、
2n−m−p≧1の整数)、CF4、C2F6、C3F8で代表され
るCnHmClpBrqF2n+2−m−p−qタイプ(n≧1、m
≧0、p≧0、q≧0、2n+2−m−p−q≧1の整
数)、C4F8で代表されるCnHmClpF2n−m−pの環状タイ
プ(n≧3、m≧0、p≧0、2n−m−p≧1の整
数)、C4F6で代表されるCnHmClpF2n−2−m−pの二重
結合を有する環状タイプ(n≧4、m≧0、p≧0、2n
−2−m−p≧1の整数)、C3F6Oで代表されるタイプN
F3、SF6、WF6で代表されるタイプ等、各種のものが存在
する。
これらの中で成膜速度が大きく工業的に好ましいものと
してはC2F4、C3F6、C3F8、C4F8、C3F6O、C2H4F2等であ
るが、運搬上の安全性、成膜速度などからさらに好まし
くは、C3F6、C4F8、C3F6Oである。
またこれらのフツ素系化合物の中には単独では成膜能力
の低い物も、少量の水素ガスまたは非重合性ガスと混合
してプラズマ重合させると成膜速度の著しく向上するも
のがある。水素ガスとの混合で成膜速度が著しく向上す
るものとして、CF4、C2F6、C3F8、C2H4F2が代表的であ
り、非重合性ガスと混合して成膜速度が向上するものと
して、C2F4、C3F6、C4F8、C3F6O等が代表的である。
非重合性ガスの内効果の大きいのは不活性ガス類であ
り、アルゴンガスは特に効果的である。フツ素系化合物
は水素、塩素、臭素等の原子を含んでもさしつかえな
い。
また放電グラフト法に使用させるフツ素系化合物モノマ
ーとは、炭素一炭素二重結合を有し、フツ素原子を有す
る化合物が望ましく、例えばC2F4、C3F6で代表されるCn
HmClpF2n−m−pタイプ(n≧2、m≧0、p≧0、2n
−m−p≧1の整数)、 (m=1,2、n=1〜4の整数、R1:H or CH3、R2:H or
Fなどがある。
本発明で言うプラズマ重合とは、低温プラズマ放電を利
用した重合法をいい、放電時にモノマーを1種以上供給
し、非重合性ガスの存在下又は非存在下で1段重合させ
る場合を言う。
また放電グラフト法とは樹脂加工された繊維構造物を非
重合ガスの存在下低温プラズマ放電しラジカルを発生さ
せ、酸素にあまりふれさせることなく1種以上の重合性
モノマーを含む雰囲気中に導き重合させる場合、又は樹
脂加工された繊維構造物を酸素ガス又は非重合性ガスの
存在下低温プラズマ放電させ酸素を含む雰囲気中にさら
しラジカルをパーオキサイド類に変化させ、1種以上の
重合性モノマーを含む雰囲気中に導き、重合させる場合
等のパーオキサイド法等を含む。
低温プラズマとは、放電中で生成されるプラズマが平均
電子エネルギー10eV(104〜105K)、電子密度109〜12
12cm13で特徴づけられると同時に、電子温度とガス温度
との間に平衡が成立しない由に、非平衡プラズマとも言
われる。放電では生成されるプラズマ中には電子、イオ
ン、原子、分子等が混在している。
電在をかける電源としては任意の周波数のものが使用で
きる。放電の持続性及び均一性から言うと1KHz〜10GHz
が望ましい。また電極の巾方向のプラズマ均一性から言
うと1KHz〜1MHzが好ましく、1MHz以上になると電極の長
さが1mをこえると長さ方向に処理斑が生じやすい。また
100Hz以下は電極のエツヂ効果が生じやすく、エツヂ部
分でアーク放電が生じやすい。また電流としては交流、
直流、バイアスをかけた交流、パルス波等が使用でき
る。電極は真空系内に配置された内部電極方式と真空系
外に配置された外部電極方式とにわかれるが、外部電極
方式は装置が大型化すると、特に被処理物表面にプラズ
マが移動している間に活性を失なつたり、プラズマが散
乱しプラズマ濃度が希釈されるため処理効果が少ない。
一方内部電極方式は被処理物の近くに放電電極を設置さ
せることが可能なため、外部電極方式に比較すると処理
効果は大きい。
電極形状は対称と非対称にわけられる。被処理物の処理
巾が大きく、従つて大きな電極が必要となる大型のプラ
ズマ処理装置の場合は対称電極の方がデメリツトが多
い。例えば、大きな電極間にガスを均一に流すことはほ
とんど不可能に近く、さらに大きな電極の端部が電界が
乱れたりして、処理斑が生じやすい。そのため大型のプ
ラズマ処理装置の場合は、非対称電極が好ましい。被処
理物は前記電極間の任意の位置にセツトし移動させるこ
とができるが、一方の電極に接した方がしわ発生が少な
く処理効果が大きい場合がある。
被処理物が接触しない側の電極の形状としては円柱状の
もの、あるいは鋭角な断面を有する断面多角形の棒状の
もの等を1本以上任意に選定できるが、電極本数によつ
ても処理効果は異なり、少なすぎると処理効果は小さく
なる。形状は円柱状のものが好ましい。また被処理物が
接触する可能性のある側の電極の形状としては、ドラム
状のもの、あるいは板状のもの、あるいはそれら変形形
状のもの等を用いることができるが、その形状もその組
合せもこれらに限定されるものではない。また電極の材
質はステンレス、銅、鉄、アルミニウム等の金属が使用
でき、必要に応じてガラス、セラミツクス等でコーテイ
ングしてもよい。当然必要に応じてこれらの電極は水冷
されてもよく、その冷却温度は被処理物によつて適宜選
ばれる。冷却水は、できる限り不純物の少ない水が望ま
しいが、これら不純物による電気漏洩がさほど問題にな
らない場合には特にこの限りではない。
次に真空系に導入するガスは、真空ポンプにより排気口
より、なるべく遠くに供給口をつけて必要に応じて分配
しながら導入すべきである。また電極間に導入してもよ
い。これは真空系内でのガスのシヨートバスをさける意
味で重要であると同時に、被処理物の処理斑を生じさせ
ないためにも重要である。
真空系に導入するモノマーを含むガスは、モノマーのガ
ス、モノマーのガスと非重合性ガス、モノマーのガスと
重合性ガスのいずれでもよい。モノマーのガスは、常温
ですでにガス状のもの、液体状のものいずれでも良い。
非重合性ガスあるいは重合性ガスとモノマーガスの混合
は、モノマーガスの反応性、形成した薄膜の性能等によ
り任意に選択することが出来る。モノマーガス同志及び
モノマーガスとその他のガスは、真空系に別々に導入し
て系内で混合したり、あらかじめ混合しておいて、同時
に導入してもなんらさしつかえないし、非重合性ガスで
の放電下、モノガーガスを導入してもよい。
低温プラズマを生じさせる真空度としては、通常0.001
〜50Torrが用いられるが、本発明者等の検討結果による
と0.01〜50Torrが望ましい。真空度が0.01Torr以下にな
るとイオン、電子の平均自由工程は大きくなり加速粒子
のエネルギーは増大するが、被処理物へ到達する加速粒
子個数の総数が少なく、処理効率はやや低くなる。しか
も大型の処理室をガスを導入しながら0.01Torr以下に保
つには非常に排気量の大きい真空ポンプが必要となり、
設備コストから考えても望ましいものでない。真空度が
5Torr以上になると、イオン、電子等の平均自由工程は
小さくなり、加速粒子のエネルギーは小さくなり、加速
粒子個数の総数は多いにもかかわらず処理効率は低くな
る。
さらに電極間に配置する繊維状構造物の相対的な位置に
ついては前にも述べたが、一方の電極に接触して配置さ
せるのが一般的には処理効率は良い。また構造物に張力
をあまりかけたくない場合や、構造物にシワを入れたく
ない場合は、構造物と電極が一緒に移動できるタイプの
もの、例えばドラム電極上に構造物を接触させて配置
し、ドラムを回転させながら構造物を移動させるような
ものが望ましい。実際微少なシワが処理斑を引きおこす
ことがよくある。張力やシワにあまり注意をはらわなく
てよい場合には、例えばプレート電極上に構造物を接触
して配置し、構造物を電極上を滑らせて走行移動させて
もよい。当然片面処理後さらに電極を構造物に対して逆
配置した所を通せば両面処理が可能となる。通常の場
合、片面のみの処理効果で十分な場合が多いのでこのタ
イプが処理効率から言つても望ましい。しかしどうして
も両面の処理効果を1対の電極のみで得ようとすれば両
電極間の間の位置に繊維状構造物を配置し、構造物を走
行移動させればよい。この場合は、電極に接して配置し
た場合に比較して処理効果は一般的に小さくなる。
次に処理の均一性の面から言うと、両電極は平行に保持
される必要があり、しかも被処理繊維構造物質の進行方
向に直角に配置されなければならない。この条件が満足
されないと、構造物の巾方向に処理斑を生じさせること
になる。
さらに両電極の巾は被処理繊維構造物の巾より少なくと
も5cm以上長くしておく必要がある。これは電極の端部
の電界不均一性を除くためである。この長さが5cm以下
になると構造物の巾方向、特に両サイドが中央付近と比
較して処理効果が異なり好ましくない。
装置は大気にある繊維状構造物の連続的に真空系内に移
動し処理できるもの及び繊維状構造物が予備真空系内に
配置され処理室に移動できるもの、さらには処理室内に
繊維状構造物が間仕切りして配置されているもの等を言
うが、要するに繊維状構造物が連続的に移動できるもの
であればよい。プラズマ出力は放電部分に作用する出力
として0.1〜5ワツト/cm2が望ましい。この場合、放電
部面積としては、放電部に存在する繊維状構造物の面
積、あるいは電極のどちらかの表面積でプラズマ放電部
出力の値を割つた場合にどれかの数値が0.1〜5ワツト
/cm2になればよい。放電部出力は放電部の電圧、電流
を測定すれば容易に算出できるが、一つの目安としてプ
ラズマ電源の出力の30〜70%と考えてもよい。プラズマ
出力が0.1ワット/cm2以下の場合処理に時間がかかる
し、薄膜の厚さも十分ではない。プラズマ出力が5ワツ
ト/cm2以上になるとやや放電が不安定になり、重合以
外にエツチングもおこりやすくなる。フツ素系プラズマ
重合、放電グラフトの長時間放電安定性から言うと0.1
ワツト/cm2以上2ワツト/cm2以下が最も好ましい。
処理時間は5〜600秒程度が望ましいが、この範囲にも
必ずしも限定されるものではない。5秒未満の処理で
は、重合膜の膜厚がやや低く、600秒を越えると重合膜
の膜厚は十分であるが、着色したり、やや表面が硬くな
つたり、もろくなつて繊維本来の性能と違つてくる場合
がある。
本発明で言う非接地式電極は、放電電極及び放電回路が
接地された缶体から絶縁され、非接地状態となつている
ものである。この場合はシート状構造物と接触している
電極電位と缶体の電位(接地してあるので大地電位)は
異なり、缶体が電極として作用することはなく、放電は
両電極間内で主におこる。そのためプラズマは有効に希
釈されることなく繊維構造物に作用し処理効果は著しく
上ると同時に、少ない放電電力で処理効果は従来の接地
方式に比較して著しく大きく、短時間の処理で所定の効
果が得られるため、装置の小型化、言いかえると設備費
用も少なくてよく、しかも放電電力が少なくてすむため
ランニングコストも数分の1程度になる。
薄膜の厚さは100〜2000Åが望ましい。膜は必ずしも均
一なフイルム状でなくてもよく、ドツト状、ブロツク状
でもよい。膜厚の増加とともに濃色度は増大するが最も
高度の濃色化度を得るには、300〜2000Åがより好まし
い。100Å未満では濃色度の改良効果少なく、2000Åを
越える風合いをやや硬くする傾向となり、フロステイン
グ(コスレアタリ変色)性が劣つてくる。また処理速度
の観点からみても300〜1000Åがさらに好ましい。また
染料の移行昇華防止性、撥水性、乾熱、湿熱の摩擦堅牢
度の向上という観点からみても300〜1000Åが最とも好
ましい。膜厚の測定はプラズマ重合雰囲気中にポリエス
テルフイルムを置き、その上にカバーグラスをのせて処
理し、その後カバーグラスを除去し、その段差を多重干
渉顕微鏡又は電子顕微鏡により測定した。また放電グラ
フト重合の場合もこれに準じて行なつたドツト状、ブロ
ツク状の場合の膜厚とは、ドツト状、ブロツク状の凸部
の高さと言いかえることができる。
前述したが、薄膜が、低温プラズマ下で重合されるに際
し、系内に導入されたフツ素化合物モノマーは、各種の
状態に励起、分解して、重合反応を引き起こし、主鎖を
形成したり、枝分かれ構造や架橋構造を形成する。これ
らの反応には、フツ素の脱離が非常に大事な役割を果し
ていると考えられる。
フツ素の脱離によつて得られる活性化炭素は、系内の残
存空気をとりこんだり、重合後試料を系外にとり出す際
空気と接触することにより酸素と反応する。
低温プラズマ下で、フツ素化合物モノマーより合成され
た薄膜は必ず酸素を含有することが容易に推定される。
この現象は接着性を維持し向上させる上に重要な要因で
ある。
XPS分析によりα=F/Cの小さい薄膜、すなわち、フツ素
の脱離が多いものは、架橋や枝分かれが進行すると同時
に、活性化炭素も多く残存するため、系内外で酸素と反
応し酸素含有量が多くなる。
またXPS、あるいはESCAと略称されているX線光電子分
光法によるF/C比の測定に用いた装置は、島津ESCA750
で、解析にはESPAC−100を用いた。
ポリエステルフイルム上に形成させた薄膜をフイルムご
と6mm径に打ち抜き、両面テープにより試料台に貼り付
け分析に供した。線源にはMgKa線(1253.6eV)を用い、
装置内真空度は10-7Torrとした。
測定は、CIS、FISピークに対して行ない各ピークをESPA
C100(J.H.Scofieldによる補正法に基づく)を用い、補
正解析し、各ピーク面積を求める。得られた面積はCIS
については1.00、FISについては4.26の相対強度を乗じ
たものであり、その面積から直接表面(フツ素/炭素、
酸素/炭素)原子数比を算出する。
チヤージ補正は、試料上の金蒸着膜のAu4f7/2スペクト
ル(83.8eV)を基準にして行なつた。
薄膜重合度のサンプルは水溶液中を通過させることで、
理由は明確ではないが、フロステイング性が大幅に改良
できる。又水溶液に風合を調整する柔軟剤、帯電防止
剤、浸透剤等を添加してフロステイング性をさらに改良
することも可能である。
従来、フツ素系樹脂加工剤を繊維構造物に直接付着させ
濃色効果を上げるという試みは一般的には行なわれてい
ない。これは濃色度を向上させるほどフツ素系濃色剤を
付着させると帯電防止性能が著しくそこなわれて、ほこ
りの付着が著しく増すため使用不可となるからである。
しかし本発明のような薄膜の場合は、樹脂加工時に帯電
防止剤の量をやや増しておく程度で十分な帯電防止性が
得られる。
尚また本発明は、いわゆる“コーテツドフアブリツク”
の表面に、フツ素化合物の重合膜を形成して、該コーテ
ツドフアブリツクを構成する繊維の、分散染料の移行昇
華防止を行なうもの(特開昭61−186578号、特開昭62−
45784号)とも技術を異にする。
コーテツドフアブリツクにおける該コーテイング樹脂層
とは、防水性、通気性、透湿性を有するアクリル、ポリ
ウレタン、ゴム、塩ビ等の比較的厚い樹脂層であり、繊
維構造物に対して3重量%以上ラミネート法、コーテイ
ング法、デイツプ、ニツプ法で付着させ、織物の空隙を
樹脂層で覆うか埋めるように付着させるもので、さらに
耐水圧を上げ、透湿性を維持するために樹脂層に微多孔
を有するケースも多々あるが、いずれにしても繊維構造
物の上に樹脂層が厚く載り、この段階での該フアブリツ
クの濃色化効果はほとんどないものであつて、該フアブ
リツクにフツ素系化合物の薄膜を形成させても、冒頭で
の従来技術のところで述べた、薄膜重合のみによる濃色
効果の場合と、同程度の濃色化効果しか得られない。
本発明は、前述した如く、樹脂加工した繊維構造物の段
階でL*値で13.5〜14.0となるようにし、この上にフツ素
樹脂の重合膜を形成させることによつてL*値で11〜13と
いつたものを得るもので、そのために繊維構造物上へ載
せる樹脂は、その付着量が3重量%以下と少なくし、し
たがつて樹脂が、繊維構造物の空隙を覆つたり、埋める
ことがない状態で単繊維表面に均一に載つているように
させるもので、したがつてまたそのためにも、特定の組
合せ成分が必要なもので、樹脂加工された段階ですで
に、いわゆるコーテツドフアブリツクとは異なるもので
ある。
このように本発明は、繊維表面に均一に樹脂加工をほど
こすように2回以上の樹脂加工を行ない、特定の構造の
薄膜を繊維構造物表面に形成させることにより、極めて
高度な濃色性、染料移行昇華防止性、撥水性、接着性の
良好な繊維構造物を、消費性能上での問題なく実現可能
としたものである。
(実施例) 以下実施例にしたがつて説明する。
なお濃色度は日立分光光度計303にてL*a*b*で評価し
た。
染料移行防止性はサンプルのプラズマ重合面とサンプル
と同一種の白地の樹脂加工布とを密着させ水中に浸漬
し、取り出して余分の水分をロ紙で除出後ステンレス板
にはさみこみ、100g/cm2の荷重下120℃の雰囲気中に80
分おき、白地への汚染程度をグレースケールにて判定し
た。
撥水性はJIS L−1092(スプレー法)にて評価した。フ
ロステイングは乾摩擦堅牢度(JIS L−0849)後のサン
プルの濃度変化より級判定した。
接着性は芯地と接着し、ハクリ強度を測定した。接着方
法は、サンプルと芯地を重ね、150℃(30秒)荷重170g/
cm2にて熱処理して行なつた。ハクリ方法はJIS L−1086
に準じて行なつた。
実施例1 ポリエステル構造加工系よりなるフオーマルブラツク用
バツクサテンアムンゼン織物を作成し、通常の方法によ
り加工し、黒色に染色した。この織物の濃色度はL*=1
5.0であつた。
この織物に花王株式会社の樹脂を2回処理した。1回目
の処理は、シユワツトA−10とシユワツトN−20(架橋
剤)とを、それぞれ10%、0.01%の溶液濃度に調整した
水溶液中に織物をデイツプ、ニツプし、シリンダー乾燥
機、ピンテンターにて乾燥した。2回目の処理は該織物
をシユワツトTB−420(ウレタンアクリル系(A)にシ
リコン(C)が添加されたもの)、シユワツトN−20
(架橋剤)、エレクトロストリツパーTA−267(帯電防
止剤)をそれぞれ4%、0.2%、1.0%の溶液濃度に調整
し酢酸にてpHを5にした液にデイツプ、ニツプ方式にて
処理し、シリンダー乾燥機、ロングループ乾燥機にて乾
燥した。この織物の濃色度はL*=13.8であつた。2回処
理による樹脂付着量は1.5重量%であつた。
この織物をC3F6Oのモノマーにて低温プラズマ重合し
た。プラズマ重合装置は、電源周波数200KHz、電極は棒
状電極とドラム状電極からなり、両電極とも缶体(接
地)より絶縁された非接地式電極よりなつている。真空
ポンプにて缶内を5×10-2Torrまでひき、C3F6Oのガス
を流して0.2Torrにした。この状態で高周波電源の出力
を上げてプラズマ重合を開始し、ドラムを所定の速度に
した。
各処理時間で処理された織物のL*は表1に示す。膜厚の
増加とともに濃色効果が増し撥水性も向上する。また接
着性も樹脂加工後より向上していることがわかる。これ
らの濃色化構造物はドライクリーニング後の色目変化が
なく帯電性も十分に備えており、フロステイングも良好
であつた。
実験No.3は膜厚が100μ以下で濃色効果少なく、No.10は
濃色効果は十分であるがやや風合が硬くなつていた。比
較例として黒染色品に120秒プラズマ重合処理したもの
はL*=13.8と樹脂加工のみの色と同程度であつた。また
180秒処理したものはL*=13.5となつたが、コスレによ
る変色が著しく、衣服として使用できるものではなかつ
た。
実施例2 平均粒子径45muのコロイダルシリカを3重量%添加した
ポリエステル繊維を織物にした後、減量を23重量%おこ
なつた、粗面化繊維よりなるクレポンジヨオーゼツト織
物を作製し通常の加工により黒色に染色した。
この織物に平均粒径15muのコロイダルシリカ(B)と浸
透剤を0.3重量%付着させるように溶液を調整し、デイ
ツプ、ニツプして乾燥した。さらに該織物に、ポリウレ
タンアクリル(A)、ジメチルシリコン(C)、シラン
カツプリング剤、帯電防止剤、架橋剤、消泡剤を混合し
たものを1.5重量%付着させてしぼり、乾燥後ピンテン
ター170℃でセツトした。
次いで実施例1と同様の装置にてC3F6のモノマーにより
同様にして処理時間を変化させプラズマ重合を行なつ
た。実験No.18の織物をさらにシリコン柔軟剤0.1%含む
水中を通してニツプし乾燥した。これはNo.21として結
果を表2にまとめた。なおNo.22はプラズマ重合装置の
ドラム電極を缶体と同電位にした接地式電極により処理
したものである。処理時間の増大とともに膜厚が増し濃
色度が向上する。実験No.13の膜厚100Å以下では濃色
度、撥水性の向上が少ない。実験No.20の膜厚2200Åの
ものは風合変化は少ないがフロステイングによる変色が
2〜3級とやや不良となつた。No.18のウエツト処理品N
o.21は他性能はNo.18と同じでフロステイングが向上し
ていた。また樹脂加工によつて著しく低下した接着性も
プラズマ重合膜により向上した。No.22は接地式電極に
よりプラズマ重合したものであるが、No.17と比較して
成膜能力が著しく悪いことがわかる。
実施例3 ポリエステルとウールの50/50混紡品よりなる学生服用
のカシドス織物を作製し、通常の加工により黒染色し
た。
この織物に、0.1μの平均粒子径を有するシリカ(B)
とアミノ変性シリコン(C)を固形分割合で2/3に混合
し、さらに帯電防止剤で加えた溶液を付着させニツプし
た後120℃で乾燥、160℃で熱キユアーし、固形分として
1.2重量%付着させた。次いで実施例2と同様にしてC3F
6のモノマーを10l/時間、真空度0.4Torrに調整後プラズ
マ重合を行なつた。また黒染色樹脂加工された織物を実
施例2で使用したプラズマ放電装置を用い、アルゴンガ
ス20l/時間、真空度0.5Torrで60秒間照射した後、C3F6
のモノマー10l/時間、真空度0.4Torrにて放電グラフト
を行なつた。
表3に、プラズマ重合薄膜の場合を実験No.25〜29に、
放電グラフト薄膜の場合を実験No.31〜34に示した。
これらの本発明によるものは濃色効果にすぐれ、その他
の消費性能においても実用に耐える品質であり、耐ドラ
イクリーニング性も十分有していた。比較に黒染後のサ
ンプルをアルゴン照射し、C3F6モノマーにて240秒間放
電グラフト処理したものを実験No.35に示したが、濃色
効果L*=13.5でもはやフロステイング性が2級と実用に
耐えるものではなかつた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 啓司 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (56)参考文献 特開 昭58−144189(JP,A) 特開 昭60−17190(JP,A) 特開 昭62−45784(JP,A) 特開 昭59−216978(JP,A)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】染色された繊維構造物が樹脂層で被覆され
    その樹脂層が、被覆形成樹脂(A)および/または無機
    微粒子(B)と、屈折率1.55以下の低屈折率ポリマー
    (C)とからなり、さらに前記樹脂層の少なくとも片面
    にフッ素系化合物の薄膜(D)が形成され、その薄膜の
    厚みが100〜2000Åであり、0.2≦α=F/C≦1.8を満足す
    るものであることを特徴とする繊維構造物。 但し、αはX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Sp
    ectroscopy)により測定されるフッ素FISのピーク面積
    から計算されるフッ素原子数を同様に測定される炭素C
    ISのピーク面積から計算される炭素原子数で割った値で
    ある。
  2. 【請求項2】被覆形成樹脂(A)が、ポリアミド、ポリ
    アクリルアミド、ポリウレタン、ポリウレタンアクリル
    から選ばれた1種であり、無機微粒子(B)が、0.1μ
    以下の平均粒子径を有するシリカまたはアルミナであ
    り、屈折率1.55以下の低屈折率ポリマー(C)が、シリ
    コン系またはフッ素系のポリマーであり、総樹脂量が繊
    維構造物に対して0.5重量%〜3重量%である特許請求
    の範囲第1項記載の繊維構造物。
  3. 【請求項3】染色された繊維構造物に、被覆形成樹脂
    (A)および/または無機微粒子(B)と、屈折率1.55
    以下の低屈折率ポリマー(C)とを、繊維構造物に対し
    て0.5重量%〜3重量%付着硬化させ、その付着硬化物
    の少なくとも片面にフッ素系化合物の薄膜をプラズマ重
    合法あるいは放電グラフト法により100〜2000Åの膜厚
    で形成させることを特徴とする繊維構造物の製造方法。
  4. 【請求項4】被覆形成樹脂(A)が、ポリアミド、ポリ
    アクリルアミド、ポリウレタン、ポリウレタンアクリル
    から選ばれた1種であり、無機微粒子(B)が、0.1μ
    以下の平均粒子径を有するコロイダルシリカまたはアル
    ミナゾルであり、屈折率1.55以下の低屈折率ポリマー
    (C)が、シリコン系またはフッ素系のポリマーである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第3項記載の繊維構造
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】被覆形成樹脂(A)および/または無機微
    粒子(B)と、屈折率1.55以下の低屈折率ポリマー
    (C)とを、2〜4回に別けて樹脂加工することを特徴
    とする特許請求の範囲第3項または第4項記載の繊維構
    造物の製造方法。
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