JPH0739385A - L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法 - Google Patents
L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法Info
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- JPH0739385A JPH0739385A JP5190583A JP19058393A JPH0739385A JP H0739385 A JPH0739385 A JP H0739385A JP 5190583 A JP5190583 A JP 5190583A JP 19058393 A JP19058393 A JP 19058393A JP H0739385 A JPH0739385 A JP H0739385A
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Abstract
をカテコール、ピルビン酸及びアンモニウムイオン、ま
たはカテコール及びL−セリンに接触反応させてL−
3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを製造する方法
において、反応液中にL−3,4−ジヒドロキシフェニ
ルアラニンの無水結晶を存在せしめた状態で25℃より
低い温度にて反応を継続し、生成するL−3,4−ジヒ
ドロキシフェニルアラニンを無水結晶として反応液中に
析出せしめ、これを採取する。 【効果】 本発明の方法によれば、容易な手段により純
度の高いL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの
粗結晶を高い回収率で得ることができる。
Description
シフェニルアラニン(以下L−DOPAと略す)の製造
方法に関する。L−DOPAはパーキンソン氏病の治療
薬として多用されている。
は、バニリンを原料とする合成法が知られている。他
方、微生物の有する酵素系を用いたL−DOPAの製造
法も検討されており、例えば、β−チロシナーゼを利用
してカテコール、ピルビン酸及びアンモニウムイオンか
ら製造する方法(特公昭48−34237号公報)、同
じくβ−チロシナーゼを利用してカテコール及びL−セ
リンその他のアミノ酸類から製造する方法(特公昭47
−22275号公報)、アンモニアリアーゼを利用して
ジヒドロキシ桂皮酸及びアンモニウムイオンから製造す
る方法(特公昭62−24076号公報)、オキシゲナ
ーゼを利用してL−フェニルアラニンもしくはL−チロ
シンから製造する方法(特公昭47−19033号公
報、同47−14915号公報)、トランスアミナーゼ
を利用して3,4−ジヒドロキシフェニルピルビン酸か
ら製造する方法(特公昭58−18475号公報)等が
知られている。
晶と無水結晶の2種類が存在することが知られている。
その結晶形状は、一水和物結晶が針状晶であるのに対し
て、無水結晶は正方晶である。L−DOPAの精製方法
として、30℃以下の低温において不純物を含むL−D
OPA水溶液からL−DOPAを針状晶として晶出さ
せ、これを30℃以上の温度に加熱して正方晶に転移さ
せて分離する方法が知られている(特公昭49−411
88号公報)。この方法によれば、L−DOPAを針状
晶として析出させることにより着色物質及び製造工程か
ら随伴する不純物除去が効果的に行われ、さらにこれを
分離した後、正方晶に転移させることにより純粋な形の
ものを得ることができる。
ゼを利用したL−DOPAの製造方法を改良しL−DO
PAを極めて高い濃度で生成蓄積せしめることに成功し
た(特開平5−123177号公報)。この方法によれ
ば、L−DOPAが反応液中に溶解度以上の濃度に生成
蓄積するが、低い温度で反応を行うと析出する結晶は一
水和物結晶であり結晶の分離・回収性に問題があり、ま
た高い温度で反応を行うと析出する結晶は無水結晶であ
るが、副生物の副生が著しいとの問題点があった。
物のβ−チロシナーゼを利用したL−DOPAの製造方
法をさらに改良することにより、従来から知られている
L−DOPAの各種製造法よりも安価かつ効率的なL−
DOPAの製造方法を提供することである。
β−チロシナーゼを利用したL−DOPAの製造方法に
ついて鋭意研究を重ねた結果、反応液中にL−DOPA
の無水結晶を存在せしめた状態で25℃よりも低い温度
にて反応を継続することにより、生成するL−DOPA
を無水結晶として反応液中に析出させることができ、こ
の結晶は沈降性に優れ容易に分離・回収することができ
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
有菌体またはその処理物をカテコール、ピルビン酸及び
アンモニウムイオン、またはカテコール及びL−セリン
に接触反応させてL−3,4−ジヒドロキシフェニルア
ラニンを製造する方法において、反応液中にL−3,4
−ジヒドロキシフェニルアラニンの無水結晶を存在せし
めた状態で25℃よりも低い温度にて反応を継続し、生
成するL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを無
水結晶として反応液中に析出せしめ、これを採取するこ
とを特徴とするL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラ
ニンの製造方法を提供するものである。
ーゼ(チロシンフェノールリアーゼ、EC4.1.9
9.2)活性を有する微生物であればいずれでも使用で
きるが、具体的に例示するとエルビニア属に属する以下
の菌株が高い活性を有しており好適である。 エルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433 エルビニア・ヘルビコーラ ATCC21434
たり、あるいは遺伝子組換え技術等により育種すること
によってL−DOPA生産能を向上させた微生物も使用
することができる。
素源、窒素源、無機塩類、その他の栄養物質を含有する
培地に培養すればよい。炭素源としては、グリセロー
ル、フマル酸、糖類等が用いられ、また窒素源として
は、硫酸アンモニウム、アミノ酸等が用いられる。無機
塩類としてはリン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
第一鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛等が適宜使用される。
その他の栄養物質としては大豆蛋白加水分解物、アミノ
酸類等が挙げられる。なお、β−チロシナーゼは適応酵
素と考えられ、上記微生物を培養する際には、チロシン
又はチロシン代替物質を培地に添加することにより、β
−チロシナーゼ活性の発現が大きくなり好ましい結果が
得られる。また、β−チロシナーゼ活性を高めるために
培地中にビタミンB6 類を添加することが有効である。
5℃が適当である。培養pH及び培養時間については、
微酸性〜微アルカリ性に保ちつつ10ないし72時間培
養が行えばよいが、菌の生育が定常期に達した後、pH
を7.0ないし8.3に制御しつつ6ないし24時間培
養を続け、培養物を得ることにより、高いβ−チロシナ
ーゼ活性を有する菌体を得ることができる(特開平5−
123177号公報)。
ピルビン酸及びアンモニウムイオン、またはカテコール
及びL−セリンに接触反応させる反応においては、かく
して得られる培養物をそのまま反応に用いてもよく、培
養物から分離・回収した微生物菌体を使用してもよい。
また、微生物菌体の処理物として、菌体摩砕物、アセト
ン処理菌体、固定化菌体、菌体抽出物もしくはこれから
精製して得られるβ−チロシナーゼを使用することもで
きる。
応液中にL−DOPAの無水結晶を存在せしめた状態で
25℃よりも低い温度にて反応を継続し、生成するL−
DOPAを無水結晶として反応液中に析出せしめ、これ
を採取する。
ーゼ含有菌体またはその処理物を用いてL−DOPAを
生産する際に、L−DOPAが過飽和溶解度以上の濃度
に生成蓄積する結果析出するL−DOPAの結晶は、反
応液の組成、pH等にもよるが、およそ25℃付近を境
界として、より低い温度では一水和物結晶であり、より
高い温度では無水結晶である。L−DOPAの一水和物
結晶は、結晶粒径が小さく、反応液中における沈降性及
び脱水性が著しく悪いため、このまま粗結晶として反応
液からろ過、振り切り等の操作によって分離・回収した
場合、回収率が低く、多くの付着母液を含んでいる。こ
れに対し、無水結晶は、結晶粒径が大きく、反応液中の
沈降性及び脱水性の良い結晶であり、このままろ過、振
り切り等の簡単な操作により高い回収率で粗結晶として
得ることができ、かつ付着母液も少ないために、イオン
交換樹脂処理、晶析等の通常の方法により更に精製する
ことができる。このため、25℃以上の温度において反
応を行うことにより生成するL−DOPAを無水結晶と
して反応液中に析出せしめ、これを分離・回収する方法
が考えられるが、25℃以上の温度で反応を行えば副反
応が進行し、L−DOPAの収率が低下してしまうた
め、工業生産上やはり好ましくない。
にL−DOPAの無水結晶を存在せしめた状態で25℃
よりも低い温度にて反応を継続することにより、生成す
るL−DOPAが無水結晶として反応液中に析出され、
かつ高い収率でL−DOPAを生産することができる。
せしめた状態を形成させる一つの方法として、生成する
L−DOPAが反応液中に一水和物結晶として析出する
温度で反応を行い、反応液にL−DOPAの無水結晶を
添加する方法がある。
物結晶として析出する温度は、反応液の組成、pH等に
より左右されるが、通常25℃より低い温度であり、適
宜実験により容易にその上限を求めることができる。当
然ながら、このような温度において何の手だてもとらず
に反応を継続していくと、やがて反応液中にL−DOP
Aの一水和物結晶が析出する。そこで、一水和物結晶が
析出する以前にL−DOPAの無水結晶を種晶として添
加し反応を継続することにより、以後生成するL−DO
PAを無水結晶として反応液中に析出させることができ
る。なお、無水結晶を添加する時期は反応開始後一水和
物結晶が析出するまでの間であるのが好ましいが、一水
和物結晶が析出した後であっても多量の無水結晶が存在
すれば反応中に一水和物結晶の無水結晶への転移が起こ
るため差し支えない場合もある。添加する無水結晶の量
は添加した無水結晶が反応液中に種晶として存在する量
であればよく、適宜実験により求めることができる。具
体的に添加方法を例示すると、反応開始後L−DOPA
が0.3g/dl蓄積した時点で0.03g/dlの量
の無水結晶を添加する方法がある。
せしめた状態を形成させる他の方法として、生成するL
−DOPAが無水結晶として析出する温度で反応を行
い、反応液中にL−DOPAの無水結晶を析出せしめる
方法がある。この場合、無水結晶が析出した後に反応温
度を25℃よりも低い温度、好ましくは20℃以下の、
通常L−DOPAが一水和物結晶として析出する温度に
低下させて反応を継続しても、以後生成するL−DOP
Aは無水結晶として反応液中に析出される。
出する温度も、反応液の組成、pH等により左右される
が、通常25℃以上の温度であり、適宜実験により容易
にその下限を求めることができる。ここで反応温度を変
えずにそのまま反応を継続した場合、生成するL−DO
PAは無水結晶として析出されるが、L−DOPA以外
の副生物の生成が顕著となりL−DOPAの収率が低下
してしまう。これに対して、L−DOPAの無水結晶を
析出させた後に、反応温度を25℃より低い温度、好ま
しくは20℃以下に低下させて反応を継続した場合、析
出した無水結晶が種晶となり、以後生成するL−DOP
Aは無水結晶として析出され、かつ副生物の生成も抑え
ることができ、高い収率でL−DOPAを得ることがで
きる。
る反応阻害を避けるためにカテコールを含む水溶液を反
応系にカテコール濃度が1.0%以下となるように連続
的もしくは断続的に添加しつつ反応させることにより、
L−DOPAの生成速度及び蓄積量が著しく向上し、好
ましい結果が得られる(特開平5−123177号公
報)。
システイン等の還元剤、EDTAやクエン酸等のキレー
ト剤を添加してもよい。反応液pHは7.7ないし8.
7の範囲が適当であり、反応時間は用いるβ−チロシナ
ーゼ源の力価、濃度及び基質の濃度に応じ適宜決めれば
よい。
性及び脱水性が良く、ろ過、振り切り等の操作により容
易に粗結晶として採取することができ、粗結晶はイオン
交換樹脂処理、晶析等の通常の方法により更に精製する
ことができる。
する。
ルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433の菌体一
白金耳量を、500ml容振とうフラスコ内の表1の組
成の培地(以下、シード培養培地という)50mlに接
種し、31℃で12時間振とう培養した。この培養液1
50mlを、5l容ジャー・ファーメンター内の表2の
組成の培地(以下、メイン培養培地という)3lに植菌
し、アンモニアガス及びグルコースによりpHを7.5
に制御しつつ28℃にて36時間培養を行った。培養終
了後、培養液を400mlずつに分け、遠心分離機を用
いて菌体を回収した。ついで表3に示す組成のL−DO
PA生産用反応液(以下、単に反応液という)300m
lに回収した菌体を添加し10℃、15℃、20℃、2
5℃、30℃にて反応を行った。反応中、カテコールと
ピルビン酸ナトリウムをそれぞれ20%含有する水溶液
を反応系のカテコール濃度が0.5%以下となるように
連続的に添加した。反応16時間で得られたL−DOP
Aの生成量及び析出した結晶の結晶形は表4に示す通り
であった。
ルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433の菌体一
白金耳量を、500ml容振とうフラスコ内のシード培
養培地50mlに接種し、31℃で12時間振とう培養
した。この培養液150mlを5l容ジャー・ファーメ
ンター内のメイン培養培地3lに植菌し、アンモニアガ
ス及びグルコースによりpHを7.5に制御しつつ28
℃にて36時間培養を行った。培養終了後、培養液を4
00mlずつに分け、遠心分離機を用いて菌体を回収し
た。ついで反応液300mlに回収した菌体を添加し、
15℃にて反応を行い、それぞれ反応開始時、反応開始
後0.5、1、2、4、6時間後にL−DOPAの無水
結晶を0.3g/dlになるように添加した。また、反
応中、カテコールとピルビン酸ナトリウムをそれぞれ2
0%含有する水溶液を反応系のカテコール濃度が0.5
%以下となるように連続的に添加した。反応16時間で
得られたL−DOPAの生成量はいずれも10g/dl
であった。L−DOPAの無水結晶の各添加時期におけ
るL−DOPAの蓄積量及び反応終了液中の結晶形は表
5に示す通りであった。
ルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433の菌体一
白金耳量を、500ml容振とうフラスコ内のシード培
養培地50mlに接種し、31℃で12時間振とう培養
した。この培養液150mlを、5l容ジャー・ファー
メンター内のメイン培養培地3lに植菌し、アンモニア
ガス及びグルコースによりpH7.5に制御しつつ28
℃にて36時間培養を行った。培養終了後、培養液40
0mlずつ2つに分け、遠心分離機を用いて菌体を回収
した。ついで反応液300mlに回収した菌体を添加し
25℃にて反応を行った。反応中、カテコールとピルビ
ン酸ナトリウムをそれぞれ20%含有する水溶液を反応
系のカテコール濃度が0.5%以下となるように連続的
に添加した。反応の進行に伴い、L−DOPAが無水結
晶の形で析出した。一方においては、無水結晶が起晶し
た後反応温度を15℃に低下させて反応を継続した。他
方においては、無水結晶が起晶した後も25℃に保った
まままま反応を継続した。その結果、反応16時間で得
られたL−DOPAの結晶形はいずれも無水結晶であ
り、生成量は反応温度を低下させた場合には9.5g/
dl、変更しなかった場合には7.0g/dlであっ
た。また、対カテコールモル収率については、それぞ
れ、80%、60%であった。
シフェニルアラニン(以下L−DOPAと略す)の製造
方法に関する。L−DOPAはパーキンソン氏病の治療
薬として多用されている。
は、バニリンを原料とする合成法が知られている。他
方、微生物の有する酵素系を用いたL−DOPAの製造
法も検討されており、例えば、β−チロシナーゼを利用
してカテコール、ピルビン酸及びアンモニウムイオンか
ら製造する方法(特公昭48−34237号公報)、同
じくβ−チロシナーゼを利用してカテコール及びL−セ
リンその他のアミノ酸類から製造する方法(特公昭47
−22275号公報)、アンモニアリアーゼを利用して
ジヒドロキシ桂皮酸及びアンモニウムイオンから製造す
る方法(特公昭62−24076号公報)、オキシゲナ
ーゼを利用してL−フェニルアラニンもしくはL−チロ
シンから製造する方法(特公昭47−19033号公
報、同47−14915号公報)、トランスアミナーゼ
を利用して3,4−ジヒドロキシフェニルピルビン酸か
ら製造する方法(特公昭58−18475号公報)等が
知られている。
晶と無水結晶の2種類が存在することが知られている。
その結晶形状は、一水和物結晶が針状晶であるのに対し
て、無水結晶は正方晶である。L−DOPAの精製方法
として、30℃以下の低温において不純物を含むL−D
OPA水溶液からL−DOPAを針状晶として晶出さ
せ、これを30℃以上の温度に加熱して正方晶に転移さ
せて分離する方法が知られている(特公昭49−411
88号公報)。この方法によれば、L−DOPAを針状
晶として析出させることにより着色物質及び製造工程か
ら随伴する不純物除去が効果的に行われ、さらにこれを
分離した後、正方晶に転移させることにより純粋な形の
ものを得ることができる。
ゼを利用したL−DOPAの製造方法を改良しL−DO
PAを極めて高い濃度で生成蓄積せしめることに成功し
た(特開平5−123177号公報)。この方法によれ
ば、L−DOPAが反応液中に溶解度以上の濃度に生成
蓄積するが、低い温度で反応を行うと析出する結晶は一
水和物結晶であり結晶の分離・回収性に問題があり、ま
た高い温度で反応を行うと析出する結晶は無水結晶であ
るが、副生物の副生が著しいとの問題点があった。
物のβ−チロシナーゼを利用したL−DOPAの製造方
法をさらに改良することにより、従来から知られている
L−DOPAの各種製造法よりも安価かつ効率的なL−
DOPAの製造方法を提供することである。
β−チロシナーゼを利用したL−DOPAの製造方法に
ついて鋭意研究を重ねた結果、反応液中にL−DOPA
の無水結晶を存在せしめた状態で25℃よりも低い温度
にて反応を継続することにより、生成するL−DOPA
を無水結晶として反応液中に析出させることができ、こ
の結晶は沈降性に優れ容易に分離・回収することができ
ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成す
るに至った。
有菌体またはその処理物をカテコール、ピルビン酸及び
アンモニウムイオン、またはカテコール及びL−セリン
に接触反応させてL−3,4−ジヒドロキシフェニルア
ラニンを製造する方法において、反応液中にL−3,4
−ジヒドロキシフェニルアラニンの無水結晶を存在せし
めた状態で25℃よりも低い温度にて反応を継続し、生
成するL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを無
水結晶として反応液中に析出せしめ、これを採取するこ
とを特徴とするL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラ
ニンの製造方法を提供するものである。
ーゼ(チロシンフェノールリアーゼ、EC4.1.9
9.2)活性を有する微生物であればいずれでも使用で
きるが、具体的に例示するとエルビニア属に属する以下
の菌株が高い活性を有しており好適である。 エルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433 エルビニア・ヘルビコーラ ATCC21434
たり、あるいは遺伝子組換え技術等により育種すること
によってL−DOPA生産能を向上させた微生物も使用
することができる。
素源、窒素源、無機塩類、その他の栄養物質を含有する
培地に培養すればよい。炭素源としては、グリセロー
ル、フマル酸、糖類等が用いられ、また窒素源として
は、硫酸アンモニウム、アミノ酸等が用いられる。無機
塩類としてはリン酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
第一鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛等が適宜使用される。
その他の栄養物質としては大豆蛋白加水分解物、アミノ
酸類等が挙げられる。なお、β−チロシナーゼは適応酵
素と考えられ、上記微生物を培養する際には、チロシン
又はチロシン代替物質を培地に添加することにより、β
−チロシナーゼ活性の発現が大きくなり好ましい結果が
得られる。また、β−チロシナーゼ活性を高めるために
培地中にビタミンB6 類を添加することが有効である。
5℃が適当である。培養pH及び培養時間については、
微酸性〜微アルカリ性に保ちつつ10ないし72時間培
養が行えばよいが、菌の生育が定常期に達した後、pH
を7.0ないし8.3に制御しつつ6ないし24時間培
養を続け、培養物を得ることにより、高いβ−チロシナ
ーゼ活性を有する菌体を得ることができる(特開平5−
123177号公報)。
ピルビン酸及びアンモニウムイオン、またはカテコール
及びL−セリンに接触反応させる反応においては、かく
して得られる培養物をそのまま反応に用いてもよく、培
養物から分離・回収した微生物菌体を使用してもよい。
また、微生物菌体の処理物として、菌体摩砕物、アセト
ン処理菌体、固定化菌体、菌体抽出物もしくはこれから
精製して得られるβ−チロシナーゼを使用することもで
きる。
応液中にL−DOPAの無水結晶を存在せしめた状態で
25℃よりも低い温度にて反応を継続し、生成するL−
DOPAを無水結晶として反応液中に析出せしめ、これ
を採取する。
ーゼ含有菌体またはその処理物を用いてL−DOPAを
生産する際に、L−DOPAが過飽和溶解度以上の濃度
に生成蓄積する結果析出するL−DOPAの結晶は、反
応液の組成、pH等にもよるが、およそ25℃付近を境
界として、より低い温度では一水和物結晶であり、より
高い温度では無水結晶である。L−DOPAの一水和物
結晶は、結晶粒径が小さく、反応液中における沈降性及
び脱水性が著しく悪いため、このまま粗結晶として反応
液からろ過、振り切り等の操作によって分離・回収した
場合、回収率が低く、多くの付着母液を含んでいる。こ
れに対し、無水結晶は、結晶粒径が大きく、反応液中の
沈降性及び脱水性の良い結晶であり、このままろ過、振
り切り等の簡単な操作により高い回収率で粗結晶として
得ることができ、かつ付着母液も少ないために、イオン
交換樹脂処理、晶析等の通常の方法により更に精製する
ことができる。このため、25℃以上の温度において反
応を行うことにより生成するL−DOPAを無水結晶と
して反応液中に析出せしめ、これを分離・回収する方法
が考えられるが、25℃以上の温度で反応を行えば副反
応が進行し、L−DOPAの収率が低下してしまうた
め、工業生産上やはり好ましくない。
にL−DOPAの無水結晶を存在せしめた状態で25℃
よりも低い温度にて反応を継続することにより、生成す
るL−DOPAが無水結晶として反応液中に析出され、
かつ高い収率でL−DOPAを生産することができる。
せしめた状態を形成させる一つの方法として、生成する
L−DOPAが反応液中に一水和物結晶として析出する
温度で反応を行い、反応液にL−DOPAの無水結晶を
添加する方法がある。
物結晶として析出する温度は、反応液の組成、pH等に
より左右されるが、通常25℃より低い温度であり、適
宜実験により容易にその上限を求めることができる。当
然ながら、このような温度において何の手だてもとらず
に反応を継続していくと、やがて反応液中にL−DOP
Aの一水和物結晶が析出する。そこで、一水和物結晶が
析出する以前にL−DOPAの無水結晶を種晶として添
加し反応を継続することにより、以後生成するL−DO
PAを無水結晶として反応液中に析出させることができ
る。なお、無水結晶を添加する時期は反応開始後一水和
物結晶が析出するまでの間であるのが好ましいが、一水
和物結晶が析出した後であっても多量の無水結晶が存在
すれば反応中に一水和物結晶の無水結晶への転移が起こ
るため差し支えない場合もある。添加する無水結晶の量
は添加した無水結晶が反応液中に種晶として存在する量
であればよく、適宜実験により求めることができる。具
体的に添加方法を例示すると、反応開始後L−DOPA
が0.3g/dl蓄積した時点で0.03g/dlの量
の無水結晶を添加する方法がある。
せしめた状態を形成させる他の方法として、生成するL
−DOPAが無水結晶として析出する温度で反応を行
い、反応液中にL−DOPAの無水結晶を析出せしめる
方法がある。この場合、無水結晶が析出した後に反応温
度を25℃よりも低い温度、好ましくは20℃以下の、
通常L−DOPAが一水和物結晶として析出する温度に
低下させて反応を継続しても、以後生成するL−DOP
Aは無水結晶として反応液中に析出される。
出する温度も、反応液の組成、pH等により左右される
が、通常25℃以上の温度であり、適宜実験により容易
にその下限を求めることができる。ここで反応温度を変
えずにそのまま反応を継続した場合、生成するL−DO
PAは無水結晶として析出されるが、L−DOPA以外
の副生物の生成が顕著となりL−DOPAの収率が低下
してしまう。これに対して、L−DOPAの無水結晶を
析出させた後に、反応温度を25℃より低い温度、好ま
しくは20℃以下に低下させて反応を継続した場合、析
出した無水結晶が種晶となり、以後生成するL−DOP
Aは無水結晶として析出され、かつ副生物の生成も抑え
ることができ、高い収率でL−DOPAを得ることがで
きる。
る反応阻害を避けるためにカテコールを含む水溶液を反
応系にカテコール濃度が1.0%以下となるように連続
的もしくは断続的に添加しつつ反応させることにより、
L−DOPAの生成速度及び蓄積量が著しく向上し、好
ましい結果が得られる(特開平5−123177号公
報)。
システイン等の還元剤、EDTAやクエン酸等のキレー
ト剤を添加してもよい。反応液pHは7.7ないし8.
7の範囲が適当であり、反応時間は用いるβ−チロシナ
ーゼ源の力価、濃度及び基質の濃度に応じ適宜決めれば
よい。
性及び脱水性が良く、ろ過、振り切り等の操作により容
易に粗結晶として採取することができ、粗結晶はイオン
交換樹脂処理、晶析等の通常の方法により更に精製する
ことができる。
する。
ルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433の菌体一
白金耳量を、500ml容振とうフラスコ内の表1の組
成の培地(以下、シード培養培地という)50mlに接
種し、31℃で12時間振とう培養した。この培養液1
50mlを、5l容ジャー・ファーメンター内の表2の
組成の培地(以下、メイン培養培地という)3lに植菌
し、アンモニアガス及びグルコースによりpHを7.5
に制御しつつ28℃にて36時間培養を行った。培養終
了後、培養液を400mlずつに分け、遠心分離機を用
いて菌体を回収した。ついで表3に示す組成のL−DO
PA生産用反応液(以下、単に反応液という)300m
lに回収した菌体を添加し10℃、15℃、20℃、2
5℃、30℃にて反応を行った。反応中、カテコールと
ピルビン酸ナトリウムをそれぞれ20%含有する水溶液
を反応系のカテコール濃度が0.5%以下となるように
連続的に添加した。反応16時間で得られたL−DOP
Aの生成量及び析出した結晶の結晶形は表4に示す通り
であった。
ルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433の菌体一
白金耳量を、500ml容振とうフラスコ内のシード培
養培地50mlに接種し、31℃で12時間振とう培養
した。この培養液150mlを5l容ジャー・ファーメ
ンター内のメイン培養培地3lに植菌し、アンモニアガ
ス及びグルコースによりpHを7.5に制御しつつ28
℃にて36時間培養を行った。培養終了後、培養液を4
00mlずつに分け、遠心分離機を用いて菌体を回収し
た。ついで反応液300mlに回収した菌体を添加し、
15℃にて反応を行い、それぞれ反応開始時、反応開始
後0.5、1、2、4、6時間後にL−DOPAの無水
結晶を0.3g/dlになるように添加した。また、反
応中、カテコールとピルビン酸ナトリウムをそれぞれ2
0%含有する水溶液を反応系のカテコール濃度が0.5
%以下となるように連続的に添加した。反応16時間で
得られたL−DOPAの生成量はいずれも10g/dl
であった。L−DOPAの無水結晶の各添加時期におけ
るL−DOPAの蓄積量及び反応終了液中の結晶形は表
5に示す通りであった。
ルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433の菌体一
白金耳量を、500ml容振とうフラスコ内のシード培
養培地50mlに接種し、31℃で12時間振とう培養
した。この培養液150mlを、5l容ジャー・ファー
メンター内のメイン培養培地3lに植菌し、アンモニア
ガス及びグルコースによりpH7.5に制御しつつ28
℃にて36時間培養を行った。培養終了後、培養液40
0mlずつ2つに分け、遠心分離機を用いて菌体を回収
した。ついで反応液300mlに回収した菌体を添加し
25℃にて反応を行った。反応中、カテコールとピルビ
ン酸ナトリウムをそれぞれ20%含有する水溶液を反応
系のカテコール濃度が0.5%以下となるように連続的
に添加した。反応の進行に伴い、L−DOPAが無水結
晶の形で析出した。一方においては、無水結晶が起晶し
た後反応温度を15℃に低下させて反応を継続した。他
方においては、無水結晶が起晶した後も25℃に保った
まままま反応を継続した。その結果、反応16時間で得
られたL−DOPAの結晶形はいずれも無水結晶であ
り、生成量は反応温度を低下させた場合には9.5g/
dl、変更しなかった場合には7.0g/dlであっ
た。また、対カテコールモル収率については、それぞ
れ、80%、60%であった。
ルビニア・ヘルビコーラ ATCC21433の菌体一
白金耳量を、500ml容振とうフラスコ内のシード培
養培地50mlに接種し、31℃で12時間振とう培養
した。この培養液25mlを、50l容ジャー・ファー
メンター内のシード培養培地25lに植菌し、31℃で
16時間培養後、800l容ジャー・ファーメンター内
のメイン培養培地500lに植菌し、アンモニアガス及
びグルコースによりpH7.5に制御しつつ28℃にて
36時間培養を行った。培養終了後、遠心分離機を用い
て菌体を回収し、これを2つに分けてそれぞれ反応液2
00lに添加し、15℃にて反応を行った。反応中、カ
テコールとピルビン酸ナトリウムをそれぞれ20%含有
する水溶液を反応系のカテコール濃度が0.5%以下と
なるように連続的に添加した。一方の反応系において
は、反応開始後L−DOPAの蓄積濃度が0.3g/d
lに達した時点でL−DOPAの無水結晶を0.5g/
dlとなるように添加して反応を継続し、他方の反応系
においては結晶の添加を行わずにそのまま反応を継続し
た。20時間の反応で得られたL−DOPAの生成量は
いずれも10.0g/dlであった。また、反応液中に
析出したL−DOPAの結晶形は、前者においては無水
結晶であり、後者においては一水和物結晶であった。次
に各反応液200lより巴工業製シャープレス・スーパ
ーデカンターP660を用いて結晶の分離を行い、スラ
リー状粗結晶として回収した。L−DOPAが無水結晶
として析出している前者の反応液からは、L−DOPA
の回収率は96%であり、回収されたスラリー状粗結晶
の水分は26%であった。一方、L−DOPAが一水和
物結晶として析出している後者の反応液からは、L−D
OPAの回収率は28%と低く、回収されたスラリー状
粗結晶は63%もの水分を含んでいた。 無水結晶とし
て回収したL−DOPAスラリー状粗結晶1kgを常法
に従い酸に溶解させ、除菌した後、活性炭カラムに吸着
させ、0.2%亜硫酸ナトリウムを含む希アンモニア水
で溶離させた。中和、濃縮した後、更に水より再結を3
回行った結果、L−DOPAの精製結晶350gを得
た。 ─────────────────────────────────────────────────────
Claims (3)
- 【請求項1】 β−チロシナーゼ含有菌体またはその処
理物をカテコール、ピルビン酸及びアンモニウムイオ
ン、またはカテコール及びL−セリンに接触反応させて
L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンを製造する
方法において、反応液中にL−3,4−ジヒドロキシフ
ェニルアラニンの無水結晶を存在せしめた状態で25℃
より低い温度にて反応を継続し、生成するL−3,4−
ジヒドロキシフェニルアラニンを無水結晶として反応液
中に析出せしめ、これを採取することを特徴とするL−
3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法。 - 【請求項2】 反応液中にL−3,4−ジヒドロキシフ
ェニルアラニン無水結晶を存在せしめた状態が、L−
3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが反応液中に一
水和物結晶として析出する温度にて反応を行い、反応液
にL−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの無水結
晶を添加することにより形成される請求項1記載のL−
3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法。 - 【請求項3】 反応液中にL−3,4−ジヒドロキシフ
ェニルアラニン無水結晶を存在せしめた状態が、L−
3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンが反応液中に無
水結晶として析出する温度にて反応を行い、反応液中に
L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの無水結晶
を析出せしめることにより形成される請求項1記載のL
−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニンの製造方法。
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-
1994
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- 1994-07-21 EP EP94111423A patent/EP0636695B1/en not_active Expired - Lifetime
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