JPH0751620B2 - ポリエステル添加用エチレングリコールスラリー - Google Patents

ポリエステル添加用エチレングリコールスラリー

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JPH0751620B2
JPH0751620B2 JP21638290A JP21638290A JPH0751620B2 JP H0751620 B2 JPH0751620 B2 JP H0751620B2 JP 21638290 A JP21638290 A JP 21638290A JP 21638290 A JP21638290 A JP 21638290A JP H0751620 B2 JPH0751620 B2 JP H0751620B2
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一夫 遠藤
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ダイアホイルヘキスト株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ポリエステル添加後、優れた分散性を有する
酸化アルミニウム粒子含有エチレングリコールスラリー
に関する。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
ポリエステルフィルム、なかんずく2軸配向ポリエステ
ルフィルムは、物理的、化学的特性に優れ、磁気記録媒
体のベースフィルムやコンデンサー誘電体を始めとする
各種の用途に使用されている。特に、酸化アルミニウム
粒子を含有するフィルムは耐摩耗性が優れるため、その
適用範囲が拡大している。
しかしながら、かかる優れた耐摩耗性性を有する酸化ア
ルミニウム粒子含有フィルムを安定して得ることは困難
であった。
すなわち、該粒子含有ポリエステルは、その製造工程に
酸化アルミニウムを含むスラリーを添加することにより
得られるが、スラリー中の粒子の分散性は必ずしも充分
ではなく、しばしば粗大な凝集粒子が生成する。かかる
問題点はスラリー中の粒子の粒径が小さくなるほど、ま
たその濃度が高くなるほど顕著となる。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、酸化ア
ルミニウム粒子含有エチレングリコールスラリーを特定
のpH領域に調整することにより、粗大粒子の生成を防ぐ
と共に極めて優れた分散性が得られることを知見し、本
発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、ポリエステル製造工程で添加
されるエチレングリコールスラリーであって、酸化アル
ミニウム粒子を5〜40重量%含有し、pH(水素イオン濃
度)が6以下であることを特徴とするエチレングリコー
ルスラリーに存する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸又
はそのエステルと、エチレングリコールを主たる出発原
料として得られるポリエステルを指すが、他の第三成分
を含有していてもかまわない。この場合、ジカルボン酸
成分としては例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸及びセバシン
酸等の一種以上を用いることができる。またグリコール
成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール及びネオペンチルグリコール等の一種以上を用い
ることができる。いずれにしても、本発明のポリエステ
ルは繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレ
ート単位又はエチレン−2,6−ナフタレン単位を有する
ポリエステルを指す。
かかるポリエステルは2軸延伸フィルムとして利用され
るが、その耐摩耗性を改良するために微細な酸化アルミ
ニウム粒子を存在させておく。本発明で用いる酸化アル
ミニウム粒子としては、最終的に得られるフィルムの耐
摩耗性やフィルムと接触する基材への傷つけを考慮し、
デルタ型もしくはガンマ型、特にデルタ型を70重量%以
上を含むものが好ましく用いられる。酸化アルミニウム
粒子の一部、例えば10重量%未満がSi、Ti、Fe、Naおよ
びK等で置換されていてもよい。また、電子顕微鏡法に
より測定される、酸化アルミニウム粒子の1次粒径は、
通常、0.10μm以下、好ましくは0.05μm以下である。
かかる微細な酸化アルミニウム粒子は、通常、製造段階
で2次凝集して0.5〜2μmの凝集体となっているた
め、必要に応じ、乾式で解砕、分級処理を施した後、エ
チレングリコールスラリーとして湿式で解砕、分級、濾
過処理を行う。
解砕処理には、例えばロッドミル、ボールミル、振動ミ
ル、振動ボールミル、ローラーミル、インパクトミル、
撹拌摩砕ミル、流体エネルギーミル等を採用することが
できる。分級処理には、例えば半自由うず式、強制うず
式、ハイドロサイクロン式、遠心分離法等を採用するこ
とができる。濾過処理には、例えば金鋼式、カートリッ
ジ式等を採用することができる。
本発明においては、かかる酸化アルミニウム粒子をエチ
レングリコール中で2次凝集の平均粒径が、通常、0.03
μm以下、好ましくは0.15μm以下となるように解砕す
る。解砕処理の間、エチレングリコールスラリーのpH
(水素イオン濃度)を6以下、好ましくは3〜5に調整
するならば該スラリー中の粒子分散性を高め、かつスラ
リーの高濃度化も容易に達成し得ることができ、また該
スラリーの保存安定性も極めて良好となる。
本発明においてはリン酸およびそのエステルでスラリー
のpHを調整することが好ましく、かかるリン化合物はポ
リエステルの熱安定剤を兼ねるものであってもよい。リ
ン化合物以外にも、一般の酸性化合物である塩酸、硫
酸、酢酸および炭酸等の化合物も用いることができる。
スラリーのpHが6を越えるとエチレングリコール中での
粒子の分散が不充分となりスラリーの高濃度化も困難と
なり、さらに、スラリーを長期間保存した際、エチレン
グリコール中に溶解した微量の酸化アルミニウムが再析
出し、1〜30μmの針状の粗大粒子となってしまうので
好ましくない。スラリー解砕時のpHが6以下となるよう
な条件下で調製した、酸化アルミニウム粒子を含むエチ
レングリコールスラリーの分散性および長期間保存時の
安定性が著しく改良される理由は定かでないが、粒子表
面に存在する安定な陽イオンにより粒子間の反発力が増
し、その結果、スラリー中での分散性が改良されるとと
もに、酸化アルミニウム粒子のエチレングリコールへの
溶解度が低下したためと推定される。
このことは該粒子のゼータ電位が+20〜+50mVという高
い値を示すことに対応しているように思われる。
本発明の効果は、2次凝集した粒子の解砕過程で新たに
生成したより小さい粒子同士の再凝集の防止、酸化アル
ミニウム粒子のエチレングリコールへの溶解度を低下さ
せ長期間保存安定性を著しく高める点にあるが、必ずし
も完全に1次粒子にまで分散させる必要はない。
本発明のスラリーは、酸化アルミニウム粒子の含有率が
5〜40重量%の範囲のものであり、好ましくは10〜30重
量%の酸化アルミニウム粒子を含有するスラリーであ
る。
スラリー中の粒子濃度が5重量%未満ではエチレングリ
コールの使用量が増しエチレングリコールの原単位が大
きくなり過ぎ好ましくない。また粒子濃度が40重量%を
越えると、スラリー中で粒子の凝集傾向で認められ、ま
たポリマー中における分散性も悪化してしまう。
なお、本発明でいうエチレングリコールスラリー中には
本発明の趣旨を損なわない範囲で、20重量%以下の水、
メタノール、ジエチレングリコール等、また少量のシリ
カ、カオリン、炭酸カルシウム等の微粒子が含まれてい
てもよい。
スラリーはポリエステルの合成反応工程に添加される
が、特にエステル交換反応、エステル化反応終了後また
は重縮合反応開始前に添加することが操作上および分散
性の点から好ましい。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例を挙げて更に詳細に説明するが、
本発明は、その要旨を越えない限り以下の実施例によっ
て限定されるものではない。なお実施例における種々の
物性および特性を測定方法、定義は下記の通りである。
実施例及び比較例中「部」とあるは「重量部」を示す。
(1)電子顕微鏡法による一次粒子径の測定 電子顕微鏡にて粒子の一次粒径を測定し、等価球換算値
の積算体積分率50%の粒径を求めた。
(2)二次粒子径の測定 スラリー中の粒子の粒度分布を島津製作所製遠心沈降式
粒度分布測定装置(SA−CP3型)で測定し、等価球形分
布における積算体積分率50%の粒径を二次粒子の平均粒
径とした。
(3)粘度の測定 E型粘度計(東京計器製 VISCONIC−EMD型)を用い
て、30℃−20rpmの条件下で測定した。
(4)pHの測定 pHメータ(東亜電波工業製 HM−10P型)を用いて、酸
化アルミニウム含有エチレングリコールスラリーを直接
測定した。
(5)濾過性 金鋼タイプのフィルター(メッシュ#3600)を用いて、
以下に示す一定条件下で酸化アルミニウム粒子含有エチ
レングリコールスラリーを吸引濾過し、濾過速度あるい
はフィルターの閉塞の程度から濾過性を評価した。
濾過スラリー量:500ml、フィルター面積:10cm2、吸引濾
過時の真空度:100mmHg。
(6)ポリマー中の分散性 酸化アルミニウム粒子を含むポリエステルをフィルム化
し、その最大高さを測定することによって評価を行っ
た。その測定法は次の通りである。
(株)小坂研究所製の表面粗さ測定器(SE−3F)によっ
て得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜き
取った部分(以下、抜き取り部分という)を平均線に平
行な2直線で挟み、この2直線の間隔を測定してその値
をマイクロメートル(μm)単位で表したものを抜き取
り部分の最大高さとした。突起の最大高さは、試料フィ
ルム表面から10本の断面曲線を求め、これらの断面曲線
から求めた抜き取り部分の最大高さの平均値で表した。
なお、測定に使用した触針の半径は2.0μm、荷重は30m
g、カットオフ値は0.08mmとした。
実施例1 〔スラリーの調製〕 一次粒径0.02μmの一次粒子の凝集体である酸化アルミ
ニウム粒子10部をエチレングリコール90部に分散させ
た。
次いでホモミキサー(特殊機化工業製 TKホモミキサ
ー)を用い、回転数10000rpm、撹拌時間30分間として分
散させた。スラリーのpHは7.3、粘度は55cp、見かけの
平均粒径(2次粒子径)は0.85μmであった。次いでエ
チルアシッドホスフェート0.2部を添加してpHを4.0に調
製した後、サンドグラインダー(五十嵐機械製 SGL−1
/2G)を用いて解砕処理を施した。解砕処理条件は以下
のとおりである。
メディア:直径2mmのガラスビーズ、メディア量:1、
スラリー容量:1、回転数:2000rpm、解砕時間:40分。
解砕処理後のスラリーのpHは4.1、粘度は21cp,平均粒径
は0.07μmであった。またスラリーの濾過性も良好であ
った。
〔ポリエステルの製造〕
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール60
部および酢酸マグネシウム4水塩0.09部を反応器にとり
加熱昇温するとともにメタノールを留去してエステル交
換反応を行い、反応開始から4時間を要して230℃まで
昇温し実質的にエステル交換反応を終了した。
次いで上記スラリーを3部を添加した後、エチルアシッ
ドホスフェート0.04部を添加し、更に三酸化アンチモン
0.04部を加えて5時間重縮合反応を行い、極限粘度0.65
のポリエチレンテレフタレートを得た。
得られたポリエステルを乾燥後290℃で溶融押出し、無
定形シートとした後、縦方向に90℃で3.5倍、横方向に1
10℃で3.7倍延伸し、210℃で3秒間熱処理を行い、厚さ
15μmのフィルムを得た。得られたフィルムの最大突起
高さ(Rmax)は0.014μmであり、均一微細な表面を有
していた。
実施例2 酸化アルミニウム粒子濃度を20%、調製時のpHを5.0と
し、ポリエステル重合時のスラリー添加量を1.5部とす
る他は実施例1と同様にしてその特性を評価した。スラ
リー中の粒子は優れた分散性を示し、ポリマー中におけ
る分散状態も良好であった。
実施例3 酸化アルミニウム粒子濃度を30%、調整時のpHを4.5と
し、ポリエステル重合時のスラリー添加量を0.8部とす
る他は実施例1と同様にしてその特性を評価した。スラ
リー中の粒子は優れた分散性を示し、ポリマー中におけ
る分散状態も良好であった。
比較例1 実施例1においてスラリー調製時にエチルアシッドホス
フェートによるpH調製を行わない他は実施例1と同様に
してその特性を評価した。スラリー調製直後のスラリー
中の粒子は優れた分散性を示し、ポリマー中における分
散状態も良好であった。しかし、一ケ月保存後のスラリ
ー中には粗大粒子が発生し濾過性は不十分であった。
比較例2 実施例2においてスラリー調製時にエチルアシッドホス
フェートによるpH調製を行わない他は実施例2と同様に
してその特性を評価した。得られたスラリーは凝集傾向
が認められ、それを添加して得たポリマー中の粒子の分
散性も不十分であった。また、1ヶ月保存後のスラリー
中には粗大粒子が多量に発生し濾過性は更に悪化した。
比較例3 実施例3においてスラリー調製時にエチルアシッドホス
フェートによるpH調製を行わない他は実施例3と同様に
してその特性を評価した。得られたスラリーは凝集が激
しく、全く濾過できなかった。
以上、得られた結果をまとめて下記表1に示す。
〔発明の効果〕 本発明のスラリーは優れた分散性を有し、長期保存して
も品質の低下しないものであり、その工業的価値は高
い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステル製造工程で添加されるエチレ
    ングリコールスラリーであって、酸化アルミニウム粒子
    を5〜40重量%含有し、pH(水素イオン濃度)が6以下
    であることを特徴とするエチレングリコールスラリー。
JP21638290A 1990-08-16 1990-08-16 ポリエステル添加用エチレングリコールスラリー Expired - Lifetime JPH0751620B2 (ja)

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