JPH0765265B2 - 皺を有するスエ−ド調織物の製造方法 - Google Patents

皺を有するスエ−ド調織物の製造方法

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JPH0765265B2
JPH0765265B2 JP61288399A JP28839986A JPH0765265B2 JP H0765265 B2 JPH0765265 B2 JP H0765265B2 JP 61288399 A JP61288399 A JP 61288399A JP 28839986 A JP28839986 A JP 28839986A JP H0765265 B2 JPH0765265 B2 JP H0765265B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,皺を有する風合の柔軟なスエード調織物の製
造方法に関するものである。
(従来の技術) 最近,皺加工,減量加工,染色加工の組合わせによる商
品は市場に多く見られるようになり,さらに,起毛加工
を加えた風合の柔軟な商品が消費者から望まれていたに
も拘らず,このような商品は未だ開発されていない。こ
の理由は,加工中の皺の消失や,減量処理と起毛処理の
組合わせによる強度低下等に問題があったからである。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は,このような現状に鑑みて行われたもので,皺
付与後の後工程(減量工程,染色工程,起毛工程等)で
皺加工効果の消失が少なく,しかも,減量や起毛による
強度低下も少なく,さらに,起毛後の感触が良く,減量
加工による柔軟な風合をも合わせもつ,皺を有するスエ
ード調織物を製造することを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は,上記目的を達成するもので,次の構成を有す
るものである。
すなわち,本発明は,合成繊維長繊維の太繊度原糸と細
繊度原糸を用いて,各々のオーバーフイードを前者1に
対して後者1.01〜1.5として仮撚加工後,エアージエツ
ト混繊してなる総繊度50〜300デニールの合成繊維異繊
度混繊嵩高加工糸を,経糸と緯糸の両方又は緯糸に用い
て織物を製織し,次に,皺を加えて熱固定する皺付け加
工を行い,しかる後に3〜40%の減量処理及び織物表面
の起毛処理を行うことを特徴とする皺を有するスエード
調織物の製造方法を要旨とするものである。
以下,本発明を詳細に説明する。
本発明では,まず始めに,合成繊維長繊維の太繊度原糸
と細繊度原糸を用いて,各々のオーバーフイードを前者
1に対して後者1.01〜1.5として仮撚加工後,エアージ
エツト混繊してなる総繊度50〜300デニールの合成繊維
異繊度混繊嵩高加工糸を,経糸と緯糸の両方又は緯糸を
用いて織物を製織する。
本発明で用いる合成繊維としては,ポリエステル系,ポ
リアミド系等の合成繊維が挙げられるが,減量加工の容
易なポリエステル系合成繊維を用いるのが好適である。
また,本発明で太繊度原糸と細繊度原糸を用いるのは,
太繊度原糸が皺加工を行う場合の型付けの保持性を良く
するため,並びに減量加工や起毛加工での極端な強度低
下の防止のためである。太繊度原糸としての単フイラメ
ント繊度としては,1デニール以上,好ましくは2〜4デ
ニールであり,太繊度原糸のみの総繊度は30〜250デニ
ールが良い。細繊度原糸を用いるのは,風合を柔軟にす
るとともに,感触,すなわち手ざわりを良くするためで
あり,細繊度原糸としての単フイラメント繊度として
は,1デニール以下で,0.1〜0.7デニールが好ましく,0.1
デニール以下となると,風合や感触は良いが,減量によ
る強度低下を加味した減量率の調整が難しくなるので好
ましくない。細繊度原糸のみの総繊度は20〜150デニー
ル程度が良い。この細繊度原糸による製品表面の柔軟な
感触を得るためには,製織後に細繊度原糸を構成する繊
維ができるだけ織物表面にあり,太繊度原糸を構成する
繊維が内部に沈んだ状態にあるのが好ましく,このた
め,合成繊維長繊維の太繊度原糸と細繊度原糸を用い
て,各々のオーバーフイードを前者1に対して後者1.01
〜1.5として仮撚(仮撚数1500〜3000回/m)後,エアー
ジエツト混繊する。かくして、太繊度繊維が芯に,細繊
度繊維が太繊度繊維に交絡しながら,そのオーバーフイ
ード分がループとなって外側に多く出て浮いた状態の異
繊度混繊嵩高加工糸となる。この糸条の総繊度は50〜30
0デニール程度が適当である。
太繊度原糸と細繊度原糸の各々のオーバーフイードを前
者1に対して後者1.01〜1.5で仮撚後,エアージエツト
混繊するのは,後者1.01以下では,細繊度原糸が太繊度
原糸の外側にくるのが少なく,感触も悪くなり,また,
後者1.5以上になると,細繊度原糸のループが大きくな
って,製織性が悪くなるためである。好ましくは,仮撚
時のオーバーフイードは前者1に対して後者1.03〜1.10
の範囲である。撚については,必要に応じて掛けてもよ
いが,撚が多くなると浮いた状態にある細繊度原糸が沈
み,感触が悪くなるとともに,後で行う起毛加工もやり
にくくなるため,撚数としては0〜300回/m程度であ
る。
上述の製織工程の後,本発明では織物に皺を加えて熱固
定する皺付け加工工程を行う。この皺付け加工の方法と
しては,織物をロープ状にして袋詰めにし,常圧又は高
圧ワツシヤーにて,60〜120℃の温水にて30〜60分間処理
する方法,ロープ状でオーバーマイヤーに詰め,同上の
条件で処理する方法,収縮可能な筒にロープ状で巻きつ
け,スチームセツターで蒸熱処理する方法等があり,織
物をロープ状にする場合には,必要に応じてさらにねじ
りを与えて皺をより多くするようにしてもよい。この皺
付けは,製織直後の織物に行うと皺付け効果が大きく,
皺の耐久性も良くなる。熱水処理やヒートセツト等を拡
布状で行った後で皺付け加工を行ったのでは,皺付け効
果が少ない。
この皺付け加工工程の後,本発明では風合を柔軟にする
ために3〜40%の減量加工を行う。減量加工方法として
は,ポリエステル系の合成繊維ではアルカリによる減量
が望ましく,通常,水酸化ナトリウムの水溶液を加熱し
た浴中で処理を行うか,アルカリ液を付与した後,スチ
ーミング処理を行う方法を用いる。拡布連続処理よりバ
ツチ式の方が皺保持の点で望ましい。この減量処理は,
吊又はロープ状で行うと良い。ポリアミド系合成繊維の
減量は,ギ酸等の酸性浴で行う。
減量加工の後,必要に応じて染色する工程を行う。ポリ
エステル系合成繊維を染色する場合には,分散染料を用
い,液流型の高圧染色機にて130〜140℃で30〜60分間染
色し,続いて還元洗浄を行う。ポリアミド系合成繊維の
場合には,酸性染料又は分散染料を用い,常圧にて液流
染色を行う。拡布状で染色するよりロープ状で染色する
方が,皺保持,風合面で望ましい。
染色,洗浄,乾燥等の後は,通常,幅固定のためにヒー
トセツト等を行うが,織物の長さ方向や幅方向に無理に
幅出しをしないようにすることが重要である。無理な張
力を掛けると,細繊度繊維を浮かした状態でループ状と
して太繊度繊維の外側に出した効果がなくなり,細繊度
繊維による感触がなくなるとともに,皺付け効果も消失
するので注意を要する。ヒートセツトは必要に応じて行
い,温度も160〜180℃の低温で行うのが望ましい。
この後,本発明では起毛を行う。起毛に先立って,必要
に応じて起毛剤等の前処理を行ってもよい。起毛に際し
ては,針布ロール,サンドロール,サンドベルト等を使
用した起毛機を使用することができる。起毛の程度につ
いては,細繊度繊維の感触を生かすために,表面を軽く
起毛する程度にとどめておくのがスエード調表面を得る
うえで望ましいことである。サンドロールやサンドベル
トで起毛する場合は,皺の角の部分の強度が低下しない
ように,張力に注意する必要があり,また,皺付け加工
時に形成された皺の程度に応じて,最も適した起毛機の
選択を行うようにすると良い。なお,目的とする起毛の
程度に応じて,織物の製織時に織組織を緯朱子等として
製織すること等は,必要に応じて適宜設計すればよい。
本発明は,以上の構成を有するものであり,本発明によ
れば,強力低下の問題もなく,皺を有するスエード調織
物を製造することができる。
(作 用) 本発明方法では,合成繊維長繊維の太繊度原糸と細繊度
原糸を用いて,各々のオーバーフイードを前者1に対し
て後者1.01〜1.5として仮撚嵩高加工後,エアージエツ
ト混繊してなる糸条を織糸として用いる。かかる糸条を
用いた織物においては,オーバーフイードの大きい細繊
度繊維がその表面に,オーバーフイードの小さい太繊度
繊維がその内部に配置されているので,このような織物
に皺を加えて熱固定すると,織物の内部に位置する太繊
度繊維がその太さに比例した力で皺の形状を保持し,続
く減量処理によって繊維間隙が形成されて柔軟な風合と
なるとともに,起毛処理に際しては,表面に位置する細
繊度繊維がもっぱら起毛されてスエード調の表面を形成
するようになる。従って,本発明によれば,風合が柔軟
で,しかも皺を有するスエード調の織物を製造すること
ができる。
(実施例) 次に,実施例によって本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 ポリエステルマルチフイラメント糸50d/24f(単糸繊度
約2.1dの太繊度糸)と,ポリエステルマルチフイラメン
ト糸55d/196f(単糸繊度約0.3dの細繊度糸)を用いて仮
撚嵩高加工(仮撚数2,400回/m)を行うに際し,オーバ
ーフイードを前者1に対して後者1.03の条件にて仮撚嵩
高加工を行い,続いてエアージエツト混繊した。エアー
ジエツト混繊後の加工糸は,総繊度が約105デニール
で,その形態は太繊度繊維の外層部に細繊度繊維がまと
わりつくような状態で混繊されており,しかも,太繊度
繊維が直線に近い状態であるのに対して,細繊度繊維は
S字状に波打った状態で微小の凹凸形態を示していた。
この混繊加工糸を経糸及び緯糸に用いて,織密度が経糸
131本/吋,緯糸72本/吋,織上幅160cmの平織物の製織
した。得られた生機を内径10cmの円形のスリツトに通し
てロープ状とし,さらに,1m当り3回程度のねじりを付
与しながら,収縮可能なステンレス製の綱筒に巻きつ
け,これをスチームセツターに投入して,120℃で30分間
の高圧飽和蒸気処理を行った。皺加工後,織物をスチー
ムセツターより取り出して水により急冷し,ねじりを戻
しながら拡布状とし,次に,非イオン界面活性剤を含む
アルカリ浴で通常のリラツクス精錬を行った。次に,減
量加工を拡布状で行える密閉,滞留式の加工機を用い
て,水酸化ナトリウム濃度8%の水溶液に拡布状で浸漬
後,絞り率38%にて均一にマングルで絞り,続いて,108
℃で2分間及び103℃で8分間の過熱気味の蒸気にて処
理後,水洗,中和,水洗,乾燥を順次行った。
得られた織物の減量率は約11%であった。この織物は,
皺を保持しながら,減量による柔軟な風合を感じさせる
ものであった。
続いて,液流型染色機を用い,下記処方1にて135℃,30
分間の染色を行い,ブルーに染色した。
処方1 ダイアニツクス レツドU−SE(三菱化成工業社製,分
散染料) 0.14%o.w.f. ダイアニツクス ブルーU−SE( 同 上
) 2.8%o.w.f. ダイアニツクス バイオレツト5RSE( 同
上 ) 0.75%o.w.f. サンソルト RZ−8(日華化学工業社製,分散均洗剤)
0.5g/ ギ酸(98%) 0.1cc/ ここで,通常の還元洗浄,脱水,乾燥後,皺が消失しな
い程度の幅140cm,オーバーフイード率3%,温度170
℃,時間40秒間のプレセツトに続いて,次に示す条件で
起毛を行った。直径200mmの5本のロール表面に,各々
粒度150番のサンドペーパー(理研ノートン社製)を巻
きつけ,回転数1500RPMでこれに軽く織物を接触させて
起毛した。
得られた織物の表面には短い毛羽が多数出ており,この
毛羽はほとんどが細繊度繊維で,この細繊度繊維によっ
て感触は染色後よりさらに良好な状態となっており,し
かも,これに皺加工と減量加工による効果が相俟って,
皺を有する風合の柔軟な高品位のスエード調織物であっ
た。さらに,帯電防止剤,柔軟剤,撥水剤を少量付与し
て仕上げたものは,一層品位が向上していた。また,強
力についてJIS−L−1096のペンジユラム法で測定した
結果,経2.1kg,緯1.2kgあり,衣料用途として特に問題
ない結果を得た。
(発明の効果) 本発明は,太繊度繊維の外層部に細繊度繊維を配置した
合成繊維混繊嵩高加工糸を用いて織物を形成し,これに
屈曲,熱処理による皺加工と,減量処理,起毛処理を組
合わせて行う構成を有し,かかる構成の本発明によれ
ば,形成された皺がその後の加工時にも消失することも
なく,風合が柔軟で、皺を有してなるスエード調の織物
を製造することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 1/02 D03D 25/00 102 Z D06M 11/32 11/84

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成繊維長繊維の太繊度原糸と細繊度原糸
    を用いて,各々のオーバーフイードを前者1に対して後
    者1.01〜1.5として仮撚加工後,エアージエツト混繊し
    てなる総繊度50〜300デニールの合成繊維異繊度混繊嵩
    高加工糸を,経糸と緯糸の両方又は緯糸に用いて織物を
    製織し,次に,皺を加えて熱固定する皺付け加工を行
    い,しかる後に3〜40%の減量処理及び織物表面の起毛
    処理を行うことを特徴とする皺を有するスエード調織物
    の製造方法。
JP61288399A 1986-12-02 1986-12-02 皺を有するスエ−ド調織物の製造方法 Expired - Lifetime JPH0765265B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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