JPH0776365B2 - 強磁性金属粒子の製造方法 - Google Patents

強磁性金属粒子の製造方法

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JPH0776365B2
JPH0776365B2 JP2232767A JP23276790A JPH0776365B2 JP H0776365 B2 JPH0776365 B2 JP H0776365B2 JP 2232767 A JP2232767 A JP 2232767A JP 23276790 A JP23276790 A JP 23276790A JP H0776365 B2 JPH0776365 B2 JP H0776365B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は強磁性金属粒子の製造方法に関し、さらに詳し
くは分散性に優れ、高密度磁気記録媒体の原料として好
適な強磁性金属粒子の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、磁気記録媒体用磁性粉として、針状酸化鉄粒子が
主として使用されていたが、デジタル・オーディオテー
プ(DAT)、8ミリビデオテープ、高密度フロッピーデ
ィスク等の商品化に伴い、高保磁力(Hc)、高飽和磁化
量(σs)および高角型比(σr/σs)を有する強磁性
金属鉄粒子が用いられるようになった。該強磁性金属鉄
粒子は一般にα−オキシ水酸化鉄または酸化鉄を主体と
する針状微粒子を水素等の還元性ガス気流中で加熱還元
して得られるが、磁気記録の高密度化に対応するため、
強磁性金属鉄粒子は年々微粒子化が要請されている。し
かしながら、微粒子化すればするほど、加熱還元時に粒
子の焼結が起こり易く、磁性粉の磁気特性が低下すると
いう問題が生じる。また、磁性粉の表面に存在する異種
金属の種類や量によつて、塗料化時に用いられるバイン
ダーや潤滑剤との相性が異なつてくるため、保磁力(H
c)や飽和磁化量(σs)等の基本的磁気特性を維持し
ながら、かつ磁性粉の表面にある異種金属の種類や量を
コントロールする技術が求められている。
これらの問題を解決するために、α−オキシ水酸化鉄に
アルミニウム等の金属を固溶させる方法、α−オキシ水
酸化鉄にアルミニウム、けい素等の異種金属を被着する
方法等が種々提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
特公昭59−17161号公報には、FeOOHまたはFe2O3の少な
くとも一方を主成分とする鉄化合物にアルミニウム(A
l)化合物を固溶させた後、還元する方法が示されてい
る。この方法は、針状粒子に焼結防止剤を付着させるこ
となく、粒子間の焼結のない強磁性金属粒子を得るのに
効果があるとされている。しかしながら、固溶されるAl
化合物の量が少ないと焼結防止に対する効果が低下し、
還元の際に焼結を起こし、磁気特性を劣化させる。また
固溶させるAl化合物の量が多いとAlを固溶させたFeOOH
またはFe2O3粒子の針状性が崩れるという重大な欠点を
有する。すなわち、Al固溶量が、Alを固溶したα−オキ
シ水酸化鉄粒子の鉄原子に対し、Al原子として0.5〜3
重量%の範囲では針状性の崩れは顕著には見られない
が、この範囲ではAlの固溶量が少ないため、後の還元の
際の焼結防止効果が充分に得られず、還元して得られる
強磁性金属粒子の磁気特性、特に保磁力および角型比が
低下する。またAlの固溶量が3重量%を超えるとFeOOH
またはFe2O3の針状性が崩れるため、還元して得られる
強磁性金属粒子の針状比が維持できず、保磁力および角
型比が低下し、またAlの固溶量が多くなるため還元性が
抑制され、高い飽和磁化量が得にくいという欠点があ
る。
特開昭59−19163号公報には、ニツケル(Ni)を固溶し
たα−オキシ水酸化鉄を作成し、還元処理を行う前にけ
い素化合物またはアルミニウム化合物もしくは両者を含
む溶液中に浸漬して焼結防止処理をした後、加熱還元す
る方法が示されている。この方法ではNiを固溶させる目
的は枝分かれ粒子の発生防止に効果があるとされてい
る。しかしながらNiを固溶させると、Niを固溶したα−
オキシ水酸化鉄の長軸が大きくなり、結果として針状比
の大きいα−オキシ水酸化鉄ができてしまう。したがつ
て続く還元処理において作られる強磁性金属粒子の保磁
力が大きくなり過ぎ、その調整が困難であるという欠点
を有する。また還元して得られる強磁性金属粒子の針状
比が大きいため、この強磁性金属粒子を用いてテープ化
を行うとき高分散が得にくいという欠点も有する。
特公昭59−19169号公報には、pH11以上に調整した水酸
化第1鉄のアルカリ性懸濁液中に亜鉛、アルミニウムお
よびけい素化合物の3種より選ばれる少なくとも1種の
化合物と水酸化ニツケルとを含有させ、酸素含有ガスを
導入してα−オキシ水酸化鉄を生成させ、続く加熱脱水
および加熱還元の少なくとも1つの工程の前処理として
前記α−オキシ水酸化鉄もしくは酸化鉄の粒子表面にけ
い素化合物を被着させる方法が示されている。この方法
では亜鉛、アルミニウムおよびけい素化合物はα−オキ
シ水酸化鉄が生成する過程でその粒子中にイオン状態で
捕捉されたり(固溶)あるいは粒子表面に強固に付着し
ているので加熱脱水および加熱還元において粒子間の焼
結や粒子の形崩れを大きく抑制する作用があるとされて
いる。しかしながらpH11以上のアルカリ性懸濁液中でα
−オキシ水酸化鉄を生成させるので、ニツケル以外の亜
鉛、アルミニウムおよびけい素化合物でα−オキシ水酸
化鉄粒子中にイオン状態で固溶したもの以外は懸濁液中
に溶解して存在し、続く過水洗によつてα−オキシ水
酸化鉄粒子から分離されてしまうために、新たにα−オ
キシ水酸化鉄粒子表面に焼結防止剤を被着することなし
に加熱脱水および加熱還元を行えば粒子間の焼結や粒子
の形崩れが起こり、還元して得られる強磁性金属粒子の
磁気特性が劣化するという欠点を有している。またこの
方法には加熱脱水および加熱還元の少なくとも1つの工
程の前処理として前記α−オキシ水酸化鉄もしくは酸化
鉄の粒子表面にけい素化合物を被着する方法が示されて
いる。けい素化合物を被着処理した粒子を加熱還元すれ
ば粒子間の焼結や形崩れが抑制され確かに保磁力等の基
本的磁気特性は向上する。しかしながら還元して得られ
る強磁性金属粒子は束状に凝集しやすく、また粒子表面
に主としてけい素化合物が存在しているのでテープ化の
際に一般的に添加される潤滑剤としての高級脂肪酸やバ
インダーを吸着しにくく、そのためテープ化時の高分散
が得られず、テープの磁気特性が劣化するという欠点を
有している。
本発明の目的は、上記従来技術の欠点をなくし、優れた
分散性および磁気特性を有するとともに、その表面に存
在する異種金属の量をコントロールし、且つ高級脂肪酸
やバインダーの吸着力の優れた強磁性金属粒子の製造方
法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、(1)第一鉄塩、アルカリ化合物、ニツケル
化合物及びアルミニウム化合物を含む水懸濁液に酸素含
有ガスを通じて該懸濁液内で酸化反応を行、ニツケル及
びアルミニウムを固溶したα−オキシ水酸化鉄粒子を合
成し、これを過水洗した後、再び水に懸濁させて水懸
濁液とし、該懸濁中で前記ニツケル及びアルミニウムを
固溶したα−オキシ水酸化鉄粒子の表面にアルミナ水和
物を被着させ、またはけい素化合物およびアルミナ水和
物を被着させ、得られた粒子を別、乾燥し、その後非
還元性のガス雰囲気中で400℃以上で加熱焼成し、次い
で還元することを特徴とする強磁性金属粒子の製造方法
に関する。
本発明の他の特徴を示せば下記のようである。
(2) 前記ニツケル化合物が、ニツケルの無機塩、ニ
ツケルの有機酸塩等の第一ニツケル塩のうち少なくとも
1種であることを特徴とする(1)に記載の強磁性金属
粒子の製造方法。
(3) 前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの無
機塩、アルミニウムの有機酸塩及びアルミナゾルのうち
少なくとも1種であることを特徴とする(1)又は
(2)に記載の強磁性金属粒子の製造方法。
(4) 前記ニツケル化合物の固溶量が、前記ニツケル
及びアルミニウムを固溶したα−オキシ水酸化鉄粒子の
鉄原子に対し、ニツケル原子として0.2〜7重量%であ
ることを特徴とする(1)、(2)または(3)に記載
の強磁性金属粒子の製造方法。
(5) 前記アルミニウム化合物の固溶量が、前記ニツ
ケル及びアルミニウムを固溶したα−オキシ水酸化鉄粒
子の鉄原子に対し、アルミニウム原子として0.5〜3重
量%であることを特徴とする(1)、(2)、(3)ま
たは(4)に記載の強磁性金属粒子の製造方法。
(6) 前記ニツケル及びアルミニウムを固溶したα−
オキシ水酸化鉄粒子の表面にアルミナ水和物、またはけ
い素化合物およびアルミナ水和物を被着させるに当た
り、該粒子の水懸濁液に必要に応じて塩基性物質を加え
て該懸濁液のpHを7以上に保ちつつ、アルミニウム塩の
水溶液またはアルミナゾルを加える、又はけい酸もしく
はけい酸塩およびアルミニウムの塩の水溶液もしくはア
ルミナゾルを同時もしくは順次加えることを特徴とする
(1)〜(5)のいずれかに記載の強磁性金属粒子の製
造方法。
(7) 前記けい酸またはけい酸塩の水溶液がオルトけ
い酸の水溶液、メタけい酸の水溶液、水溶液状シリカゲ
ル、アンモニアで安定化された水溶液状シリカゾル、ア
ルミニウムで変性された水溶液状シリカゾル及びけい酸
ナトリウム水溶液のうち少なくとも1種であることを特
徴とする(6)記載の強磁性金属粒子の製造方法。
本発明に用いられるニツケル化合物としては、硫酸ニツ
ケル、硝酸ニツケル、塩化ニツケル、酢酸ニツケル、シ
ユウ酸ニツケル等の第一ニツケル塩を使用できるが、特
に硫酸ニツケルが好ましい。
前記ニツケルの固溶量は、ニツケル及びアルミニウムを
固溶したα−オキシ水酸化鉄粒子(以下Ni−Al固溶α−
オキシ水酸化鉄粒子と称する)の鉄原子に対し、Ni原子
として0.2〜7重量%とするのが好ましい。より好まし
くは0.5〜5重量%が好ましい。Ni固溶量が0.2重量%未
満ではNiの還元促進効果が十分に得られないため高い還
元温度が必要になり還元して得られる強磁性金属粒子に
焼結が生じやすく、また7重量%を超えるとNi−Al固溶
α−オキシ水酸化鉄粒子を合成する際、該Ni−Al固溶α
−オキシ水酸化鉄粒子の他に水酸化ニツケルの浮遊物が
生成し好ましくない。
本発明に用いられるアルミニウム化合物としては、硫酸
アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、
リン酸アルミニウム、アルミン酸塩等のアルミニウムの
無機塩、乳酸アルミニウム等のアルミニウムの有機酸塩
およびアルミナゾルの少なくとも1種を用いることがで
きるが、これらのうち硫酸アルニウム及びアルミン酸ナ
トリウムが好ましい。
前記アルミニウムの固溶量は、Ni−Al固溶α−オキシ水
酸化鉄粒子の鉄原子に対し、Al原子として0.5〜3重量
%とするのが好ましい。Al固溶量が0.5重量%未満では
還元して得られる強磁性金属粒子にちぎれや焼結が生じ
ることがあり、また3重量%を超えると、Ni−Al固溶α
−オキシ水酸化鉄粒子の針状性が崩れるため、還元して
得られる強磁性金属粒子の針状比が維持できず、保磁力
が低下することがある。
本発明でNiおよびAlを固溶させる目的はα−オキシ水酸
化鉄粒子の針状比調整を可能にすることである。強磁性
金属粒子の保磁力は形状異方性によつて発現するので、
その出発原料であるα−オキシ水酸化鉄粒子の形状、特
に針状比の調整は特に重要である。第1図に固溶させる
NiおよびAlを各々変化させたときのα−オキシ水酸化鉄
粒子の針状比の変化を示すが、Niは針状比を大きくする
効果があり、一方Alは針状比を小さくする効果があり、
両者の組み合せによつて針状比が調整できる。またNiに
は還元促進の効果があり、一方Alには還元の際の焼結防
止の効果もある程度である。
本発明に用いられる第一鉄塩としては、例えば硫酸第一
鉄、塩化第一鉄などが挙げられる。
本発明に用いられるアルカリ化合物としては水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。該アルカリ
化合物の使用量は、第一鉄塩に対して1.5g当量以上が好
ましい。
Ni−Al固溶α−オキシ水酸化鉄粒子を合成する際の反応
温度は5〜60℃が好ましい。また酸素含有ガスとしては
空気が好ましい。
本発明において、前記で得られたNi−Al固溶α−オキシ
水酸化鉄粒子へのアルミナ水和物の被着、またはけい素
化合物およびアルミナ水和物の被着は、例えば次のよう
にして行うことができる。
まず、前記合成で得られたNi−Al固溶α−オキシ水酸化
鉄粒子の水懸濁液のpHが10.0以下となるまで該粒子を水
洗する。水洗が不充分な場合、該粒子の表面に付着して
いるナトリウム等のイオンが加熱還元工程で焼結を助長
するため好ましくない。次に該水洗された粒子の水懸濁
液に有機酸、好ましくは酢酸等の水溶性カルボン酸を加
えるかまたは有機酸を加えた水に前記水洗された粒子を
加えてpH4.0以下、好ましくはpH2.0〜3.5の水懸濁液と
し、Ni−Al固溶α−オキシ水酸化鉄粒子を単一粒子まで
均一に分散させる。次にアンモニア、モノエタノールア
ミン等の塩基性物質を加えてpH7.0〜12.0、より好まし
くはpH8.0〜11.0に維持しながらアルミニウム塩の水溶
液またはアルミナゾルを徐々に加える、又はけい酸もし
くはけい酸塩の水溶液及びアルミニウム塩の水溶液もし
くはアルミナゾルを徐々に加える。けい素化合物及びア
ルミナ水和物を被着させる場合は、けい素化合物源を先
に加えても、アルミナ水和物源を先に加えても、あるい
は両者を同時に加えても良い。その後熟成させるが、熟
成時間は1〜2時間が好ましい。
上記けい酸またはけい酸塩の水溶液として、オルトけい
酸、メタケイ酸等の各種けい酸水溶液、シリカゾル、ア
ンモニアで安定化されたシリカゾル、アルミニウムで変
性されたシリカゾル、けい酸塩水溶液等が用いらる。こ
れらの水溶液またはゾルからのけい素の被着量は、けい
素原子としてNi−Al固溶α−オキシ水酸化鉄粒子の鉄原
子に対し、7重量%以内が好ましい。7重量%を超える
と還元が抑制され、所望の高飽和磁化量が得られないこ
とがある。
上記アルミニウム塩の水溶液としては、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、リン酸アル
ミニウム、アルミン酸ナトリウム等の無機塩、ギ酸アル
ミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム等の有
機酸塩等の水溶液が用いられる。これらの水溶液または
アルミナゾルからのアルミニウムの被着量は、Ni−Al固
溶α−オキシ水酸化鉄粒子の鉄原子に対し、アルミニウ
ム原子として0.5〜7重量%が好ましく、より好ましく
は1〜5重量%である。0.5重量%未満では還元して得
られる磁性粉粒子表面に存在するAlの量が少なすぎるた
め、焼結防止の効果があまり見られないし、高級脂肪酸
やバインダー吸着量の向上も見られない。また7重量%
を超えると還元が抑制され、所望の高飽和磁化量が得ら
れないことがある。
このようにして得られたアルミナ水和物が被着された、
又はけい素化合物およびアルミナ水和物が被着されたNi
−Al固溶α−オキシ水酸化鉄を含有する懸濁液は、過
等の方法で分別した後、必要に応じて水洗し、その後乾
燥して乾燥α−オキシ水酸化鉄とされる。このときの乾
燥温度は100〜180℃が好ましい。
得られた乾燥α−オキシ水酸化鉄は加熱焼成して一旦針
状晶へマタイトとされた後、還元が施される。加熱焼成
は、通常アルゴン、窒素および空気等の非還元性ガス雰
囲気中、400℃以上、好ましくは400〜800℃の温度で行
う。また還元は通常水素気流中、300〜600℃の温度で行
う。これらの温度は、Ni−Al固溶α−オキシ水酸化鉄粒
子の大きさ、非表面積および各種金属の被着量等によつ
て適宜決定される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。なお、下
記例中、%は特に断らない限り重量%を意味する。
実施例1 27%水酸化ナトリウム水溶液5.6kgにアルミン酸ナトリ
ウム水溶液(Al濃度:10%)21.0gを混合した水溶液に、
硫酸ニツケル水溶液(Ni濃度:1.0%)630gを混合した5
%硫酸第一鉄水溶液11.4kgを添加した後、空気を20/
分の速度で吹き込みながら撹拌し、温度を30℃に保つて
Ni−Al固溶α−オキシ水酸化鉄粒子を合成した。Ni及び
Alの固溶量の目標値は、Ni−Al固溶α−オキシ水酸化鉄
粒子の鉄原子に対し、Ni原子として3.0%、Al原子とし
て1.0%であつたが、実際に測定した固溶量も目標どお
りであつた。
得られたNi−Al固溶α−オキシ水酸化鉄の粒子を過
し、該粒子の水懸濁液のpHが9.0以下になるまで水洗し
た。該Ni−Al固溶α−オキシ水酸化鉄粒子を再び水に分
散させた懸濁液8000g(該粒子濃度:1.5%)に30%酢酸
水溶液を添加して水懸濁液のpHを3.0に調整して30分間
撹拌し、次いで28%アンモニア水を徐々に加え、水懸濁
液のpHを10.1に調整した。これを30分間撹拌した後、け
い酸ソーダ水溶液(Si濃度:1.0%)75.5gを徐々に加え
て30分間撹拌し、次に硫酸アルミニウム水溶液(Al濃
度:1.5%)201.3gを徐々に加えて60分間撹拌した。その
後、過、水洗し、けい素化合物およびアルミナ水和物
が被着されたα−オキシ水酸化鉄粒子のケーキを得た。
このケーキを130℃で一夜乾燥し、第1表に示す固溶量
および被着量を有する乾燥α−オキシ水酸化鉄粒子を得
た。
得られた乾燥α−オキシ水酸化鉄粒子100gを、N2雰囲気
下650℃で30分間加熱焼成した後、H2流量50/分、温
度500℃で4時間還元した。次いで20℃に冷却した後、
酸素濃度0.2%のN2と空気の混合ガスを10/分で吹き
込みながら24時間かけて徐々に表面を酸化させて安定化
した強磁性金属粉末を得た。この粉末のTEM(透過型電
子顕微鏡、30000倍)写真を第2図に示す。またこの粉
末の比表面積および10kOeの磁界での磁気特性を測定し
た。その結果を第1表に示す。
次に50%メチルエチルケトン及び50%トルエンの混合溶
媒80g中に高級脂肪酸(ミリスチン酸)を0.5%の濃度に
なるように調整し、上記の強磁性粉末1.6gを入れてミリ
スチン酸を24時間かけて吸着させ、吸着前後のミリスチ
ン酸の濃度差から吸着量を測定した。またバインダー
(MR−110:日本ゼオン製)についても同様の方法で96時
間かけて吸着させて、その吸着量を測定した。その結果
を第1表に示す。
さらに該粉末55gに塩化酢酸ビニルとポリウレタンから
なるバインダー12.4g、硬化剤0.7g、研磨剤3.8g、分散
剤2.8gおよびトルエン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノンからなる溶剤171gを
サンドミルに一括して仕込み、毎分1850回転で2時間撹
拌して塗料を得た。これをポリエステルフイルム上に、
磁場3000Gの中で配向し、テープを作成した。5kOeの磁
界でこのテープの磁気特性を測定した。その結果を第1
表に示す。
第1図および第1表から、得られた強磁性金属粒子は優
れた形状保持性、分散性および磁気特性を有し、また高
級脂肪酸やバインダーの吸着量が大きいことがわかる。
実施例2 実施例1の被着処理において、けい酸ソーダ水溶液(Si
濃度:1.0%)75.5gを加えることなしに硫酸アルミニウ
ム水溶液(Al濃度:1.5%)201.3g加えたこと、および還
元温度を460℃に変更したこと以外は実施例1と全く同
様の処理をして、強磁性金属粉末の磁気特性、吸着量、
テープの磁気特性等を測定した。その結果を第1表に示
す。
第1表から、得られた強磁性金属粒子は優れた磁気特性
を有し、また高級脂肪酸やバインダーの吸着量が大きい
ことがわかる。
実施例3 実施例1で硫酸ニツケル水溶液(Ni濃度:1.0%)630gを
混合した5%硫酸第一鉄水溶液11.4kgを、硫酸ニツケル
水溶液(Ni濃度:1.0%)210gを混合した5%硫酸第一鉄
水溶液11.4gに変更したこと以外は実施例1と全く同様
の処理をして、強磁性金属粉末の磁気特性、吸着量、テ
ープの磁気特性等を測定した。その結果を第1表に示
す。
第1表から、得られた強磁性金属粒子は優れた磁気特性
を有し、また高級脂肪酸やバインダーの吸着量の大きい
ことがわかる。
比較例1 実施例1で合成したNi−Al固溶α−オキシ水酸化鉄粒子
を過、水洗した後、得られたケーキを被着処理するこ
となしに130℃で一夜乾燥し、乾燥α−オキシ水酸化鉄
粒子を得た。得られた乾燥α−オキシ水酸化鉄粒子100g
を、N2雰囲気下600℃で30分間加熱焼成した後、H2流量5
0/分、温度380℃で4時間還元した。次いで実施例1
と同様に表面酸化を行い、安定化した強磁性金属粉末を
得た。この粒子のTEM写真を第3図から明らかなよう
に、還元温度が低いにもかかわらず、この粉末は焼結し
ていた。この粉末を用いて実施例1と同様にして強磁性
金属粉末の磁気特性、吸着量、テープの磁気特性等を測
定した。その結果を第1表に示す。第1表から明らかな
ように、保磁力、角型比等の磁気特性が実施例よりはる
かに劣り、また高級脂肪酸及びバインダーの吸着量が小
さいことがわかる。この比較例1はNi−Al固溶α−オキ
シ水酸化鉄粒子を被着処理することなしに還元すれば、
焼結防止に何ら効果がないことを示している。
比較例2 実施例1の被着処理において、けい酸ソーダ水溶液(Si
濃度:1.0%)75.5gを188.8gに変更したこと、および硫
酸アルミニウム水溶液(Al濃度:1.5%)201.3gを加えな
かつたこと以外は実施例1と全く同様の処理をして強磁
性金属粉末を得た。この粒子のTEM写真を第4図に示
す。第4図からこの粒子は束状に凝集していることがわ
かる。この強磁性金属粉末の磁気特性、吸着量、テープ
の磁気特性等を実施例1と同様にして測定した。その結
果を第1表に示す。第1表から明らかなようにこの粉末
の磁気特性は優れているが、高級脂肪酸およびバインダ
ーの吸着量が小さく、またテープの残留磁束密度、角型
比が実施例に比べて劣つていることが明らかである。こ
の比較例2は強磁性金属粉末の基本的磁気特性が優れて
いても、高級脂肪酸やバインダーとのマツチングが良好
でないと、テープ化した場合に特性が劣化することを示
している。
比較例3 27%水酸化ナトリウム水溶液5.6kgにアルミン酸ナトリ
ウム水溶液(Al濃度:10%)21.0gを混合した水溶液に、
5%硫酸第一鉄11.4kgを添加した後、実施例1と同様の
方法で、Al固溶α−オキシ水酸化鉄粒子を合成した。こ
のAl固溶α−オキシ水酸化鉄粒子を過、水洗した後、
得られたケーキを被着処理することなしに130℃で一夜
乾燥し、乾燥α−オキシ水酸化鉄粒子を得た。得られた
乾燥α−オキシ水酸化鉄粒子100gをH2流量50/分、温
度400℃で4時間還元した。次いで実施例1と同様にし
て表面酸化を行い、安定化した強磁性金属粉末を得た。
この粒子のTEM写真を第5図に示す。第5図から明らか
なように、還元温度が低いにもかかわらず、この粉末は
焼結していた。この粉末を用いて実施例1と同様にして
強磁性金属粉末の磁気特性、吸着量、テープの磁気特性
等を測定した。その結果を第1表に示す。第1表から明
らかなように、この粉末は保磁力、角型比等の磁気特性
が実施例の粉末およびはるかに劣り、また高級脂肪酸及
びバインダーの吸着量が小さいことがわかる。この比較
例3はAl固溶α−オキシ水酸化鉄粒子を被着処理するこ
となしに還元すれば、焼結防止に何ら効果がないことを
示している。
比較例4 27%水酸化ナトリウム水溶液5.6kgに、硫酸ニツケル水
溶液(Ni濃度:1.0%)630gを混合した5%硫酸第一鉄1
1.4kgを添加した後、実施例1と同様の方法で、Ni固溶
α−オキシ水酸化鉄粒子を合成した。このNi固溶α−オ
キシ水酸化鉄粒子を用いて実施例1と全く同様の被着、
加熱焼成、還元、酸化安定化処理をして強磁性金属粒子
を得た。この粒子のTEM写真を第6図に示す。第6図か
らわかるように、この粉末は長軸が大きく、また束状に
凝集してTEM写真上の分散性が第1図に比べ劣つている
ことが明らかである。この粉末を用いて実施例1と同様
に強磁性金属粉末の磁気特性、吸着量、テープの磁気特
性等を測定した。その結果を第1表に示す。第1表から
明らかなように、この強磁性金属粉末は保磁力が実施例
に比べかなり大きく、また高級脂肪酸及びバインダーの
吸着量がかなり低い。またテープの角型比が劣つてい
る。この比較例4はNi固溶α−オキシ水酸化鉄粒子を合
成すると、粒子の針状比が大きくなるために、続く被
着、還元処理において作られる強磁性金属粒子の保磁力
が大きくなり、その調整が困難であること、また針状比
が大きくなるために、テープ化時の高分散が得られず、
角型比等の磁気特性が劣化することを示している。
比較例5 27%水酸化ナトリウム水溶液5.6kgに5%硫酸第一鉄水
溶液11.4kgを添加した後、空気を20/分の速度で吹き
込みながら撹拌し、温度を30℃に保つてα−オキシ水酸
化鉄粒子を合成した。得られたα−オキシ水酸化鉄粒子
を用いて実施例1と同様の被着、加熱焼成、還元、酸化
安定化処理をして強磁性金属粒子を得た。この粉末を用
いて実施例1と同様にして強磁性金属粉末の磁気特性、
吸着量、テープの磁気特性等を測定した。その結果を第
1表に示す。この粉末は難還元性のために、飽和磁化量
が実施例に比べかなり小さく、また保磁力、残留磁束密
度および角型比が実施例に比べ劣つていた。この比較例
5はNi等の還元促進効果のある異種元素を添加しない限
り、特に還元処理において充分な特性を持つた強磁性金
属を得ることができないが、Niを添加するだけでは本発
明の目的は達せられないということを示している。
比較例6 比較例5で合成したα−オキシ水酸化鉄を用いて、実施
例2と同様の被着、加熱焼成、還元、酸化安定化処理を
して強磁性金属粒子を得た。この粉末を用いて実施例1
と同様にして強磁性金属粉末の磁気特性、吸着量、テー
プの磁気特性等を測定した。その結果を第1表に示す。
この粉末も難還元性のために、飽和磁化量が実施例に比
べかなり小さく、また保磁力、残留磁束密度および角型
比並びに高級脂肪酸及びバインダーの吸着性が実施例の
粉末に比べ劣つている。
〔発明の効果〕 本発明によれば、α−オキシ水酸化鉄粒子に均一にNiお
よびAlを固溶させることによりα−オキシ水酸化粒子の
針状比調整を行え、また該Ni−Al固溶αオキシ水酸化鉄
粒子の表面にアルミナ水和物を被着させ、またはけい素
化合物及びアルミナ水和物を被着させ、焼成及び加熱還
元することにより、形状保持及び分散性が優れ、高級脂
肪酸やバインダーの吸着力が優れ、同時に優れた磁気特
性を有する強磁性金属鉄粒子が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はNi及びAl固溶量を各々変化させたときのα−オ
キシ水酸化鉄粒子の平均針状比を示した図である。第2
図は実施例1で得られた強磁性金属粒子の構造のTEM
(透過型電子顕微鏡)写真図、第3図は比較例1で得ら
れた強磁性金属粒子の構造のTEM写真図、第4図は比較
例2で得られた強磁性金属粒子の構造のTEM写真図、第
5図は比較例3で得られた強磁性金属粒子の構造のTEM
写真図、第6図は比較例4で得られた強磁性金属粒子の
構造のTEM写真図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一鉄塩、アルカリ化合物、ニッケル化合
    物及びアルミニウム化合物を含む懸濁液に酸素含有ガス
    を通じて該懸濁液内で酸化反応を行い、ニッケル及びア
    ルミニウムを固溶したα−オキシ水酸化鉄粒子を合成
    し、これを濾過水洗した後、再び水に懸濁させて水懸濁
    液とし、該懸濁液のpHを7以上に保ちつつ前記ニッケル
    及びアルミニウムを固溶したα−オキシ水酸化鉄粒子の
    表面にアルミナ水和物を被着させ、、またはけい素化合
    物及びアルミナ水和物をを被着させ、得られた粒子を濾
    別、乾燥し、その後非還元性のガス雰囲気中で400℃以
    上で加熱焼成し、次いで還元する強磁性金属粒子の製造
    方法であって、α−オキシ水酸化鉄に固溶させるニッケ
    ルとアルミニウムの量が、α−オキシ水酸化鉄の鉄原子
    に対してニッケル原子として0.5〜5重量%及びアルミ
    ニウム原子として0.5〜3重量%であり、被着させるア
    ルミニウム及びけい素の量が、鉄原子に対してアルミニ
    ウム原子として1〜5重量%のアルミニウム、けい素原
    子として7重量%以下のけい素であることを特徴とする
    強磁性金属粒子の製造方法。
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