JPH0791428B2 - 難帯電性塩素含有樹脂組成物 - Google Patents

難帯電性塩素含有樹脂組成物

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JPH0791428B2
JPH0791428B2 JP22168787A JP22168787A JPH0791428B2 JP H0791428 B2 JPH0791428 B2 JP H0791428B2 JP 22168787 A JP22168787 A JP 22168787A JP 22168787 A JP22168787 A JP 22168787A JP H0791428 B2 JPH0791428 B2 JP H0791428B2
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、難帯電性塩素含有樹脂組成物に関するもの
である。
(従来の技術) 一般に、合成樹脂は電気絶縁性が高いので、静電気を帯
びやすい。合成樹脂が静電気を帯びると、ゴミを吸着し
やすくなり、種々の弊害を生ずる。例えば、合成樹脂の
加工工程では、ゴミが吸着されて製品の品質を低下させ
ることとなり、製品としたあとでは、ゴミが吸着されて
表面を汚し、製品の価値を低下させる。従って、合成樹
脂を帯電しないようにすることは、合成樹脂製品の価値
を高める上で、重要な意義を持つことである。合成樹脂
を帯電しないようにするためには、一般に帯電防止剤が
添加される。
塩素含有樹脂とくに塩化ビニル樹脂は、耐侯姓が良好で
あって寸法安定性がよく、また硬質樹脂にすることも軟
質樹脂にすることもでき、さらに難燃性であるという特
性を持っているので、広く利用されている。塩素含有樹
脂も帯電し易いという点では、他の合成樹脂と同じであ
る。その上に、塩素含有樹脂は、これを成形しようとし
て加熱したとき、分解し易いという欠点を持つている。
分解が起ると、製品が着色し無色透明にならない。しか
も、分解し易いという性質は、種々の材料の混入、例え
ば帯電防止剤の混入によっても促進されることが多かっ
た。従って、塩素含有樹脂を帯電し難くすることは、と
くに困難とされた。
合成樹脂を帯電しにくくするために、古くはカーボンブ
ラックや金属粉が配含された。しかし、カーボンブラッ
クや金属粉を配合したのでは、製品が不透明となり、ま
た任意の美麗な色を現出させることができない。そこ
で、塩化ビニル樹脂を帯電し難くするとともに、無色透
明の製品とすることが要望された。
この要望に応じるものとして、有機化合物から成る帯電
防止剤が用いられた。帯電防止剤としては既に色々な系
統の化合物が提案されている。例えば、特公昭40−7366
号公報は、帯電防止剤として 一般式 で表わされる第4級アンモニウム塩を提案している。こ
こで、R1は炭素数8−22のアルキル基、アルケニル基、
アルキルアミドエチル基、またはアルキルアミドプロピ
ル基で、R2、R3及びR4は、炭素数1−4のアルキル基ま
たはヒドロキシアルキル基を表わし、Xは過ハロゲン
酸、ベンゼン系スルホン酸、またはアルキルベンゼン系
スルホン酸のアニオンを表わすものとされている。
この公報の提案によれば、一応は帯電し難く、また従来
のものよりも着色の少ない樹脂製品を得ることができ
る。しかし、この発明者が追試した結果では、製品は難
帯電性も無色透明性も満足なものではなかった。なぜな
らば、得られた樹脂製品について電気抵抗性を測定する
と、この公報に記載するような値が得られないからであ
り、また着色度を測定すると、全く無色透明ではなくて
若干着色が見られ、従って樹脂が分解されていると見え
るからである。そこで、難帯電性と無色透明性とが、と
もにさらに良好な帯電防止剤の開発が必要とされた。
(発明が解決しようとする問題点) この発明は、塩素含有樹脂の熱分解を防ぐとともに、そ
の電気抵抗性を低下させて、無色透明性と難帯電性との
両面で、一層すぐれ更に、自動車用静電気レス表皮材と
して用いて好適な加熱減量の少ない塩素含有樹脂組成物
を提供しようとするものである。
(問題を解決するための手段) この発明者は、特公昭40−7366号公報に提唱する帯電防
止剤並びにこれに類似した化合物の諸特性、とくに塩化
ビニル樹脂に対して示す性質を広汎に検討した。その結
果、この発明者は、上記公報の提唱する帯電防止剤の中
から特定の第4級アンモニウム化合物の選び、これを特
定の過塩素酸塩とともに塩化ビニル樹脂に添加すると、
熱安定性がよくて着色が少なく、また帯電し難い樹脂組
成物が得られることを見出した。また、この発明者は、
このようにして塩化ビニル樹脂に難帯電性と耐熱性とを
付与する場合に、可塑剤としてトリ−2−エチルヘキシ
ルトリメリテートを共存させると、永く難帯電性が保有
され、従って好都合となることを見出した。さらに、こ
の発明者は、研究を続けた結果、上記公報の提唱してい
ない特定のアンモニウム塩を調整して、これを特定の過
塩素酸塩及び上記の可塑剤とともに塩化ビニル樹脂に添
加すると、ここに加熱減量が少なく、無色透明性と難帯
電性の良好な樹脂組成物が得られることを見出した。こ
の発明は、このような知見に基づいて完成されたもので
ある。
この発明は、塩素含有樹脂に対して3種類の化合物を添
加することを骨子とするものである。
3種類の化合物のうちの1つは、N−(ポリ)オキシア
ルキレン−N、N、N−トリアルキルアンモニウム塩で
あって、これは一般式 で表わされる化合物である。第2は、過塩素酸塩であっ
て、一般式M(ClO4)m (式2) で表わされる化合物である。残る第3のものは、トリ−
2−エチルヘキシルトリメリテートであって、式 で表わされる化合物である。ここで、R1、R2及びR3は、
そのうち1個が炭素数5−24のアルキル基であり、他の
2個が炭素数1−5のアルキル基であり、R4は炭素数2
−4のアルキレン基であり、nは1−15の整数であり、
Xは塩酸、塩素酸又は過塩素酸のアニオンであり、Mは
周期律表中の1A又は2Aに属する金属イオンまたはアンモ
ニウムイオンNH4 +であり、mは1又は2の整数である。
すなわち、この発明は (a) 上記の式1で表わされるアンモニウム塩と、 (b) 上記の式2で表わされる過塩素酸塩と、 (c) 上記の式4で表わされるトリメリット酸エステ
ルと、 (d) 塩素含有樹脂とが含有されていることを特徴と
する、難帯電性塩素含有樹脂組成物を提供するものであ
る。
(先行技術との関係) 上記の式1で表わされるアンモニウム塩は、特公昭40−
7366号公報の提唱するアンモニウム塩と一部で重複する
だけで、大部分は別異のものとなっている。詳述すれ
ば、上記公報の提唱するアンモニウム塩は、上述のよう
に一般式、 で表わされているから、一見したところこの発明で用い
られる式1の化合物に似ている。ところが、式1では、
Xが塩酸、塩素酸又は過塩素酸のアニオンに限定されて
おり、他方、式3では、Xが過ハロゲン酸、ベンゼン系
スルホン酸又はアルキルベンゼン系スルホン酸のアニオ
ンに限定されているから、両者が同じものとなるのは、
Xとして過塩素酸のアニオンが使用された場合だけであ
る。すなわち、式1において、Xが塩素及び塩素酸のア
ニオンである場合には式1の化合物は式3のものとは全
く異なることになる。また、式3では、R4が炭素数1−
4のヒドロキシアルキル基であるとされ、他方、式1で
はこれに相当するものが(R4O)nHとされ、R4は炭素数
2−4のアルキレン基で、nは1−15の整数であるとさ
れるから、これらが一致するのは、式3のnが1の場合
の1部だけである。すなわち、nが2以上の整数である
場合には、式1のアンモニウム塩は式3のアンモニウム
塩と全く異なるものとなる。そのほか、R1、R2、R3は、
何れもその一部が重複するだけである。従って、この発
明が用いられる式1のアンモニウム塩は、大部分が特公
昭40−7366号公報の提唱するアンモニウム塩とは異なっ
ている。
また、この発明は、式1のアンモニウム塩を式2で表わ
される過塩素酸塩と一緒に用いることとしている点で、
特公昭40−7366号公報の開示するところと異なってい
る。すなわち、上記公報は、式3で表わされるアンモニ
ウム塩を単独で帯電防止剤として働かせることとしてお
り、他の化合物と協同して働かせることを全く教えてい
ない。ところが、この発明は、過塩素酸塩を式1のアン
モニウム塩と共存させて帯電防止作用を高め、且つ殆ん
どの場合樹脂を無色透明に保持できることとしているか
ら、全く目新しいものである。
また、この発明は、可塑剤としてトリ−2−エチルヘキ
シルトリメリテートを用いることを必要とする。この可
塑剤は、塩化ビニル樹脂用の可塑剤として公知のもので
あるが、この可塑剤を帯電防止剤として働らくアンモニ
ウム塩及び過塩素酸塩とともに使用することは知られて
いない。
(アンモニウム塩の説明) この発明で用いられる式1のアンモニウム塩は、上述の
ように、R1、R2及びR3の何れか1つが炭素数5−24のア
ルキル基であることを必要としているが、そのうちで普
通に用いられるのは炭素数が8−18のアルキル基であ
る。また、R1、R2及びR3のうちの残りの2つは、炭素数
が1−5のアルキル基であることを必要とするが、その
うちで普通に用いられるのは炭素数が1−2のアルキル
基である。また、R4は炭素数2−4のアルキレン基であ
ることを必要とするが、そのうちで普通に用いられるの
は炭素数が2−3のアルキレン基である。nは1−15の
整数であることを必要とするが、普通に用いられるのは
1−5である。また、Xは塩酸又は過塩素酸のアニオン
が普通に用いられる。
式1のアンモニウム塩は、重量で樹脂100部に対して0.5
−5部の割合で用いられる。そのうちでも、好ましいの
は3部以下である。その理由は、アンモニウム塩が0.5
部より少ないときは、その効果が充分に現われないし、
逆に5部より多いときは、アンモニウム塩が樹脂と相溶
しないで、製品の表面へ浸出するに至り、製品の外観を
悪くするばかりでなく、耐熱性及び耐水性までも低下さ
せることになるからである。
(過塩素酸塩の説明) 式2の過塩素酸塩としては、一般式におけるMが、周期
律表の1A、2Aに属する金属イオン又はアンモニウム基で
あることが必要とされる。すなわち、Mは例えばリチュ
ウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、ベリリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウム及びアンモニウムである。そのうちでも好ましいの
は、リチュウム、バリウム、マグネシウム及びアンモニ
ウムである。
式2の過塩素酸塩は、式1のアンモニウム塩の量を基準
にして、その添加量を定める。すなわち、式2の化合物
は、重量で式1の化合物1部に対し0.02−0.5部とする
が、そのうちでも好ましいのは0.05部−0.3部の割合で
ある。その理由は、式1の過塩素酸塩が0.02以下では、
充分な帯電防止の効果が得られないからであり、逆に0.
5部以上となると、式1のアンモニウム塩と協同して発
揮される帯電防止の効果が、増量分に見合うほど向上し
ないだけでなく、却って樹脂の熱安定性を損ない、また
耐水性を低下するなどの弊害が現われるからである。
(トリ−2−エチルヘキシルトリメリテートの説明) トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(以下、これ
をTMという)は、前述のように塩化ビニル樹脂の可塑剤
として公知のものである。これを塩化ビニル樹脂に対し
て少量加えただけでは、製品は硬質樹脂の性質を示す
が、TMを大量に加えると、製品は軟質樹脂の性質を示す
に至る。TMが式1のアンモニウム塩及び式2の過塩素酸
塩とともに樹脂に加えられると、これを加熱したときの
加熱減量が少なくなり、かつ樹脂に対するTMの相溶性も
すぐれているので永く難帯電性を保有させることにな
り、また、無色透明もしくは着色の僅少な製品が得られ
ることとなる。TMの樹脂への添加量は、樹脂100部に対
して30部ないし100部である。
(その他の配合物) 塩素含有樹脂、とりわけ塩化ビニル樹脂は、これを加工
して製品とする場合に、そのほか色々なものが加えられ
る。例えば、安定剤、充填材、染料及び顔料等が加えら
れる。この発明に係る組成物には、このような一般に樹
脂の加工にあたって加えられる種々の添加物が加えられ
てもよい。
(配合順序の影響) この発明に係る組成物は、配合すべきものの添加順序に
よって、僅かではあるが性質を異にする。組成物につい
ての通常の常識では、組成物を作るための配合物はこれ
をどのような順序で加えても、得られる製品の性質は余
り変りがないのが一般である。ところが、この発明の組
成物は、配合物の添加順序を変えると、得られた組成物
の電気抵抗性、すなわち、難帯電性が僅かではあるが変
わることとなる。この点で、この組成物は甚だ奇異に感
ぜられる。
例えば、式1のアンモニウム塩と式2の過塩素酸塩とを
別々に塩化ビニル樹脂に加えるよりも、式1のアンモニ
ウム塩と式2の過塩素酸塩とを予じめよく混合しておい
て、その混合物をTM及び塩化ビニル樹脂に加える方が、
一層帯電しにくい酸化ビニル樹脂を得ることができる。
また、アンモニウム塩と過塩素酸塩とを別々にTMに添加
しよく混合してのち、この混合物同志をまぜ合わせ、そ
の後に樹脂と混合してもよいが、それよりも初めにアン
モニウム塩と過塩素酸塩とをよく混合しておき、とくに
加熱下(例えば40−100℃)に1〜2時間混合し冷却し
てのち、これをTMに添加してよく混合し、この混合物を
樹脂に添加すると、より帯電しにくい塩化ビニル樹脂を
得ることができる。難帯電性のほかに、熱安定性や耐水
性も一層良好となる。
(発明の効果) この発明に係る組成物は、式1のアンモニウム塩と、式
2の過塩素酸塩と、塩素含有樹脂とを含んでいるので、
組成物として帯電しにくいものとなり、従って加工工程
でゴミを吸着しなくなるから、これを加工して品質のす
ぐれた塩化含有樹脂製品を得ることができる。またこう
して得られた樹脂製品は、帯電し難いからゴミを吸着せ
ず、従って表面を美麗に保つことができる。このこと
は、製品の電気抵抗性を測定すると明らかである。すな
わち、この発明による場合には、従来のものよりも、電
気抵抗値がオーム単位で1桁以上、通常2桁から3桁も
小さくなっていることから明らかである。また、この発
明に係る組成物は、上記アンモニウム塩と過塩素酸塩と
を含んでいるためと、推察されるが、着色が少なく無色
透明の製品を与える。さらに、この発明に係る組成物
は、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテートを含んで
いるから、その含有量が少ないときは組成物が硬質樹脂
の性質を表わし、逆にその含有量が多いときは組成物が
軟質樹脂の性質を表わし、広く製品の性質を変えること
ができ、また無色透明の製品を得ることができる。しか
も、トリ−2−エチルヘキシルトリメリテートを含ませ
たから、組成物からの揮発分が少なくなり、従って帯電
しにくい性質を永く保持させることができる。この発明
は、このように耐熱性と難帯電性とを永く保有させるの
で、実用上の効果が大きい。
例えば自動車の内装材の場合、内装材中の可塑剤等の発
揮によりフロントガラスの光線透過率が低下すると自動
車の安全性が低下することとなるので、この発明の樹脂
組成物は、自動車用内装材に用いて極めて好適なもので
ある。
(実施例) 以下に、実施例及び比較例を挙げて、この発明に係る組
成物のすぐれている所以を具体的に説明する。以下で単
に部というのは、重量部の意味である。また、そこで得
られた製品の物性測定は次のようにして行われた。
引張試験:20℃、ダンベル3号、引張速度200mm/分 相溶性:50℃、95%の相対湿度の下に120時間放置後のブ
リードの有無判定 電気抵抗性: (1) 表面抵抗:30℃、50%の相対湿度下のオーム (2) 体積固有抵抗:30℃、50%の相対湿度下のオー
ム−cm 揮発減量:100℃に6時間加熱した後の減量割合(重量
%)…加熱減量とも言う。
着色性:着色を肉眼で判定して6段階に分け、無色を1
とし黄色の着色を6として評価した。
実施例1 この実施例では、式1のアンモニウム塩としてR1オクチ
ル基、R2とR3とがともにメチル基であり、R4がエチレン
基でnが2であるような過塩素酸アンモニウム塩すなわ
ち、 を用いた。また、式2の過塩素酸塩としては、Mがマグ
ネシウムであるような過塩素酸マグネシウムMg(ClO4
を用いた。
塩化ビニル樹脂100部に上記過塩素酸アンモニウム塩2
部と、過塩素酸マグネシウム0.5部と、TM70とを加え、
さらに安定剤としてバリウム−亜鉛系安定剤(日産フエ
ロ社製、LTL−272)2.5部と、エポキシ系安定剤(アデ
カア−ガス社製、D−178)2部とを配合した。この配
合物を160℃で6分間ロールで混練し、次いで170℃で7
分間プレスして樹脂シートを得た。
このシートについて物性を測定した。物性としては、引
張強度、相溶性、電気抵抗性、着色度、揮発増量を測定
した。その結果、引張試験における伸び率が370%、抗
張力が2.75Kg/mm2、相溶性試験ではブリードを全く認め
ず、表面抵抗が3.1×109オーム、体積固有抵抗が1.8×1
010オーム−cm、完全に無色透明で着色度は1と評価さ
れ、揮発減量は0.03%であった。このことから、このシ
ートは帯電し難く、無色透明で永くその性質を保つ良好
なものであると認められた。
実施例2 この実施例では、式1のアンモニウム塩としてR1がオク
チル基、R2とR3とがエチル基であり、R4がエチレン基で
nが2であるような過塩素酸アンモニウム塩、すなわち の構造式で表わされる化合物を用いた。また、式2の過
塩素酸塩としては、Mがバリウムであるような過塩素酸
バリウムBa(ClO4を用いた。
具体的に述べると、塩化ビニル樹脂100部に上記過塩素
酸アンモニウム1部と、過塩素酸バリウム0.6部と、TM7
0部とを加え、さらに実施例1で用いたのと同じ安定剤
を同量配合した。その後は、この配合物を実施例1と全
く同様に処理しシートを得た。
このシートについて物性を測定したところ引張試験にお
ける伸び率が340%、抗張力が2.50Kg/mm2、相溶性試験
ではブリードを全く認めず、電気抵抗性は表面抵抗が3.
0×109オーム、体積固有抵抗が9.5×109オーム−cm、無
色透明であって着色度は1と評価され、加熱減量は0.05
%であった。従って、このシートは帯電し難く、無色透
明で、加熱減量が少ないために、永くその性質を保持で
きる良好なものと認められた。
実施例3 この実施例では、式1のアンモニウム塩として を用い、式2の過塩素酸塩として実施例2と同じく過塩
素酸バリウムを用いた。
詳述すると、塩化ビニル樹脂100部に上部のアンモニウ
ム塩3部と、過塩素酸バリウム0.3部とTM60部とを加
え、さらに実施例1で用いたのと同じ安定剤を同量配合
した。
その後は、この配合物を実施例1と全く同様に処理して
シートを得た。
このシートについて物性を測定したところ、引張試験の
伸び率が290%、抗張力が2.65Kg/mm2、相溶性試験では
ブリードを全く認めず、電気抵抗性は表面抵抗が1.0×1
09オーム、体積固有抵抗が6.0×109オーム−cm、無色透
明であって着色度は1と評価され、加熱減量は0.055で
あった。従って、シートは帯電し難く、無色透明であっ
て、加熱減量が少ないために、永くその特性を保持でき
る良質のものと認められた。
実施例4 この実施例は、帯電防止剤を添加する順序の影響を検討
したものである。
この実施例では、式1のアンモニウム塩として を用いた。また式2の過塩素酸塩としては、過塩素酸マ
グネシウムMg(ClO4を用いた。
添加順序は次のようにした。まず、TM100gに上記アンモ
ニウム塩3gと、過塩素酸マグネシウム0.1gとを加え、こ
れを50℃で2時間よく混合して混合物とした。この混合
物70部を塩化ビニル樹脂100部に配合し、次いで実施例
1で用いた安定剤を同量加え、常温でよく混合したの
ち、この混合物を170℃で6分間ロールで混練し、次い
で170℃で7分間プレスして厚さ1mmの樹脂シートを得
た。
このシートについて物性を測定したところ、引張試験の
伸び率が360%、抗張力が2.6Kg/mm2、相溶性試験ではブ
リードを全く認めず、電気抵抗性は表面抵抗が2.0×109
オーム、体積固有抵抗が4.9×109オーム−cmで、着色度
は1と評価され、加熱減量は0.03であった。従って、こ
のシートは、帯電し難く、無色透明で加熱減量が少ない
ために永くその特性を保持できる良好なものと認められ
た。
実施例5 この実施例は、実施例4と同じ材料を用いて、添加を同
時にした例である。
塩化ビニル樹脂100部に、可塑剤としてのTM68部と、実
施例4で用いたと同じアンモニウム塩2.1部と、過塩素
酸マグネシウム0.07部とを同時に加え、さらに実施例1
で用いたのと同じ安定剤を同量加え、常温でよく混合し
た。その後は、実施例4と全く同様に処理してシートを
得た。
このシートについて物性を測定したところ、引張試験の
伸び率が355%、抗張力が2.7Kg/mm2、相溶性試験ではブ
リードが全く認められず、電気抵抗性は表面抵抗が5.5
×109オーム、体積固有抵抗が1.8×1010オーム−cmで、
着色度は1と評価され、加熱減量は0.035であった。従
って、このシートは、帯電し難く、無色透明で加熱減量
が少ないために、永くその性質を保有する良好なものと
認められた。
実施例5の電気抵抗性を実施例4の電気抵抗性に比べる
と、実施例4の方が抵抗値が小さくなっているので、難
帯電性は実施例4のものの方がすぐれていると考えられ
る。このことは添加方法の影響であると考えられる。
比較例1 この比較例は、過塩素酸塩を用いないで、ただアンモニ
ウム塩だけを帯電防止剤として加えた例である。帯電防
止剤としては、 を用いた。また、可塑剤としてはジオクチルフタレート
を用いた。
塩化ビニル100部に上記帯電防止剤5部と可塑剤50部と
を加え、これに実施例1と同じ安定剤を同量加えた。そ
の後は、実施例1と全く同様にしてシートを得た。
このシートについて物性を測定したところ、引張試験の
伸び率は330%、抗張力は2.50Kg/mm2、相溶性試験では
ブリードを全く認めず、電気抵抗性は表面抵抗が6.0×1
09オーム、体積固有抵抗が1.0×1011オーム−cm、着色
性は相当に着色して4と評価され、揮発減量は0.46%で
あった。従って、全体としては比較的帯電し易く、相当
に着色していたので、不良と認められた。
比較例2 この比較例は、塩化ビニル樹脂に可塑剤だけを加えて、
帯電防止剤を全く用いなかった例である。
塩化ビニル樹脂100部に可塑剤としてジオクチルフタレ
ート50部を加え、これに実施例1と同じ安定剤を同量加
えた。その後、実施例1と全く同様にしてシートを得
た。
このシートについて物性を測定したところ、引張試験の
伸び率は310%、抗張力は2.55Kg/mm2、相溶性試験では
ブリードを全く認めず、電気抵抗性は表面抵抗が1.0×1
012オーム、体積固有抵抗が9.0×1012オーム−cm、着色
性は無色透明で1と評価され、揮発減量は0.77%であっ
た。従って、全体としては帯電し易い欠点を持つが、無
色透明性は良好であると認められた。
比較例3 この比較例は、式2の過塩素酸塩を使用しない例であ
る。帯電防止剤としては を用いた。また、可塑剤としてはTMを用いた。
塩化ビニル樹脂100部に、上記帯電防止剤1部と、TM70
部とを加え、これに実施例1と同じ安定剤を同量加え
た。その後は、実施例1と全く同様にしてシートを得
た。
このシートについて物性を測定したところ、引張試験に
おける伸び率が340%、抗張力が2.6Kg/mm2、相溶性試験
ではブリードを認めず、電気抵抗性は表面抵抗が8×10
10オーム、体積固有抵抗が8×1011オーム−cm、着色性
は無色透明であって1と評価され、揮発減量は0.03%で
あった。従って、全体としては帯電し易いために不良と
認められた。
比較例4 この比較例は、帯電防止剤として式1のアンモニウム塩
を用いないで、式2の過塩素酸塩のみを用いた例であ
る。過塩素酸塩としては過塩素酸マグネシウムを用い
た。
塩化ビニル樹脂100部に、過塩素酸マグネシウム1.3部
と、TM45部を加え、これに実施例1と同じ安定剤を同量
加えた。その後は、実施例1と全く同様に処理してシー
トを得た。
このシートについて物性を測定したところ、引張試験に
おける伸び率が240%、抗張力が2.90Kg/mm2、相溶性試
験ではブリードを認めず、電気抵抗性は表面抵抗が5.0
×1012オーム、体積固有抵抗が2×1013オーム−cm、着
色性はやや着色が認められて2と評価され、揮発減量は
0.02%であった。従って、全体としては帯電し易いため
に不良と認められた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 一般式 で表わされるアンモニウム塩と、 (b) 一般式M(ClO4)mで表わされる過塩素酸塩
    と、 (c) トリ−2−エチルヘキシルトリメリテートと、 (d) 塩素含有樹脂とが含まれていることを特徴とす
    る、難帯電性塩素含有樹脂組成物。但し、R1、R2及びR3
    のうち1個は炭素数が5−24のアルキル基、他は炭素数
    1−5のアルキル基、R4は炭素数2−4のアルキレン
    基、nは1−15の整数、Xは塩酸、塩素酸又は過塩素酸
    のアニオン、Mは周期律表中1A又は2Aに属する金属イオ
    ン又はアンモニウムイオン、mは1又は2である。
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