JPH0855722A - 耐食性高飽和磁束密度磁性膜及びこれを用いた磁気ヘッド - Google Patents

耐食性高飽和磁束密度磁性膜及びこれを用いた磁気ヘッド

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JPH0855722A
JPH0855722A JP6190694A JP19069494A JPH0855722A JP H0855722 A JPH0855722 A JP H0855722A JP 6190694 A JP6190694 A JP 6190694A JP 19069494 A JP19069494 A JP 19069494A JP H0855722 A JPH0855722 A JP H0855722A
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JP6190694A
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Moichi Otomo
茂一 大友
Fumiyoshi Kirino
文良 桐野
Yoshitsugu Koiso
良嗣 小礒
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/08Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers
    • H01F10/10Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition
    • H01F10/12Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure characterised by magnetic layers characterised by the composition being metals or alloys
    • H01F10/13Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F10/131Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals containing iron or nickel

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を有
し、耐食性、耐摩耗性に優れた磁性膜を得る。 【構成】 組成式:FeaSicdeg で表される組
成を有する磁性膜。但し、TはTi,Zr,Hf,N
b,Ta,Mo,Wの群から選ばれる元素の少なくとも
一種、XはRu,Rh,Os,Ir,Pd,Ptの群か
ら選ばれる元素の少なくとも一種、ZはC,Nの群から
選ばれる元素の少なくとも一種であって、a,c,d,
e,gは原子%を表し、5≦c≦20,2≦d≦20,
0.5≦e≦15,1≦g≦20、かつ、a+c+d+
e+g=100、である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高飽和磁束密度、高透
磁率、低磁歪定数を有し、しかも耐食性、耐摩耗性に優
れた磁性膜に関し、特に磁気ディスク装置やVTR用の
ヘッドコア材料に好適な磁性膜に関する。さらに、この
磁性膜を使用した信頼性の高い磁気ヘッドならびに磁気
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度磁気記録の進歩は著しく、
記録密度の増加により装置の小型化、高性能化が進んで
いる。さらに記録の高密度化を進めるためには高保磁力
の媒体を用い、これに充分記録可能な磁界を発生させる
ために磁気ヘッドのコア材料に高い飽和磁束密度を有す
る磁性材料を使用する必要がある。このような磁性材料
として、Co系非晶質合金、FeAlSi系(センダス
ト)合金等が用いられてきた。さらには、特開平3−2
0444号公報に記載された、Fe(Ti,Zr,H
f,Nb,Ta,Mo,W)Cの組成式で示されるよう
な炭素を比較的大量に含む磁性合金、あるいは特開平3
−275605号公報に記載された、Fe(Zr,H
f,Ti,Nb,Ta,V,Mo,W)Nの組成式で示
されるような窒素を比較的多量に含む磁性合金が提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Co系非晶質合金及び
FeAlSi系合金磁性膜は飽和磁束密度が1.1〜
1.3Tであるのに対して、上記炭素系あるいは窒素系
合金磁性膜は1.5〜1.6Tと高い飽和磁束密度を有
する。しかし、耐食性を評価した結果、上記炭素系及び
窒素系合金磁性膜は耐食性に問題があり、磁気ヘッド作
製プロセス中に腐食を生じたり、磁気ヘッド表面に結露
を生じた場合あるいは塩素イオンが存在する環境下にお
いて腐食を生じやすい場合があることが明らかになっ
た。
【0004】これらの磁性膜をVTRヘッドに適用する
場合、記録特性を向上するための高飽和磁束密度のほか
に、優れた再生特性を実現するために、高透磁率、低保
磁力、軟磁気特性が要求される。さらに、ヘッド基板上
にスパッタリング法などの薄膜作製法により形成した場
合の内部応力や、磁気ヘッド加工中に受ける加工応力、
熱応力によって磁気特性が劣化しないように、磁歪定数
の絶対値が小さいことが必要である。さらに磁気ヘッド
は磁気テープで摺動するために耐摩耗性も必要である。
【0005】本発明の目的は、上記のように高飽和磁束
密度、高透磁率、低保磁力、低磁歪定数で耐食性、耐摩
耗性に優れた磁性膜及びこれを用いた磁気ヘッドを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記炭素
系及び窒素系合金磁性膜の耐食性を向上するために鋭意
検討した結果、Crを添加することによりこれらの合金
の耐食性を向上させ得ることを見出した。しかし、Cr
を多量に添加した場合には、飽和磁束密度が低下してし
まうという問題が生じた。この問題を解決するために、
さらに耐食性を向上する添加元素について検討した結
果、Ru,Rhなどの白金族元素の添加が、耐食性向上
に大きい効果があることを見出した。このように、R
u,Rh等の白金属元素の添加は、上記の炭素系及び窒
素系合金の耐食性を大きく向上させる。しかし、これら
の白金族元素を添加した場合、またCrを添加した場合
にも、磁歪定数が著しく増加するという問題を生じた。
この問題を解決するために、本発明者等は、磁歪定数を
低減できる元素について鋭意検討した結果、Feを主成
分とし、Ti,Zr,Hf,Ta,Nb等の遷移金属元
素と炭素、窒素及び白金族元素を含む合金膜にSiを添
加することにより、磁歪定数の低減が図れることを見出
した。
【0007】本発明では、上記のように飽和磁束密度が
高く、高透磁率、低保磁力の特性を有し、耐食性、耐摩
耗性に優れた磁性膜及びこれを用いた磁気ヘッドを得る
ために、以下の(1)〜(4)に示す組成の磁性膜を使
用する。
【0008】(1)組成式:FeaSicdeg で表
される組成を有する磁性膜。但し、TはTi,Zr,H
f,Nb,Ta,Mo,Wの群から選ばれる元素の少な
くとも一種、XはRu,Rh,Os,Ir,Pd,Pt
の群から選ばれる元素の少なくとも一種、ZはC,Nの
群から選ばれる元素の少なくとも一種であって、a,
c,d,e,gは原子%を表し、5≦c≦20,2≦d
≦20,0.5≦e≦15,1≦g≦20、かつ、a+
c+d+e+g=100、である。
【0009】(2)組成式:FeaSicdefg
で表される組成を有する磁性膜。但し、TはTi,Z
r,Hf,Nb,Ta,Mo,Wの群から選ばれる元素
の少なくとも一種、XはRu,Rh,Os,Ir,P
d,Ptの群から選ばれる元素の少なくとも一種、Yは
Cr,Alから選ばれる元素の少なくとも一種、Zは
C,Nの群から選ばれる元素の少なくとも一種であっ
て、a,c,d,e,f,gは原子%を表し、5≦c≦
20,2≦d≦20,0.5≦e≦15,f≦15,1
≦g≦20、かつ、a+c+d+e+f+g=100、
である。
【0010】(3)組成式:FeabSicdeg
で表される組成を有する磁性膜。但し、MはCo,Ni
の群から選ばれる元素の少なくとも一種、TはTi,Z
r,Hf,Nb,Ta,Mo,Wの群から選ばれる元素
の少なくとも一種、XはRu,Rh,Os,Ir,P
d,Ptの群から選ばれる元素の少なくとも一種、Zは
C,Nの群から選ばれる元素の少なくとも一種であっ
て、a,b,c,d,e,gは原子%を表し、b≦1
5,5≦c≦20,2≦d≦20,0.5≦e≦15,
1≦g≦20、かつ、a+b+c+d+e+g=10
0、である。
【0011】(4)組成式:FeabSicdef
g で表される組成を有する磁性膜。但し、MはCo,N
iの群から選ばれる元素の少なくとも一種、TはTi,
Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wの群から選ばれる元
素の少なくとも一種、XはRu,Rh,Os,Ir,P
d,Ptの群から選ばれる元素の少なくとも一種、Yは
Cr,Alの群から選ばれる元素の少なくとも一種、Z
はC,Nの群から選ばれる元素の少なくとも一種であっ
て、a,b,c,d,e,gは原子%を表し、b≦1
5,5≦c≦20,2≦d≦20,0.5≦e≦15,
f≦15,1≦g≦20、かつ、a+b+c+d+e+
f+g=100、である。
【0012】上記(1)〜(4)の磁性膜において、X
はRu,Rh,Ir,Osの群から選ばれる元素の少な
くとも一種とするのが好ましい。また、上記いずれの磁
性膜においても、元素Xの濃度は、3≦e≦15の範囲
がより好ましく、3≦e≦10の範囲がさらに好まし
い。Siの濃度は、10≦c≦15の範囲がより好まし
い。元素Tの濃度は、2≦d≦10の範囲がより好まし
い。元素Zの濃度は、3≦g≦10の範囲がより好まし
い。元素Yの濃度は、f≦10とするのがより好まし
い。元素Mの濃度は、b≦10とするのがより好まし
い。元素Xに加えて元素Yを添加する場合には、その濃
度の和を15%以下とするのが好ましい。元素Xに加え
て元素Mを添加する場合には、その濃度の和を15%以
下とするのが好ましい。元素Xに加えて元素Y及び元素
Mを添加する場合には、その濃度の和を15%以下とす
るのが好ましい。
【0013】本発明の合金磁性膜は、スパッタリング
法、真空蒸着法等の薄膜形成技術により作製される。特
に、2極スパッタリング法、マグネトロンスパッタリン
グ法、イオンビームスパッタリング法等のスパッタリン
グ法により作製することが好ましい。磁性膜の成膜後、
400℃以上の温度で熱処理を行う。磁性膜中の平均結
晶粒径は50nm以下、より好ましくは20nm以下で
ある。
【0014】磁気ヘッドは、上記磁性膜を磁気コアのキ
ャップ近傍の少なくとも一部に用いて形成される。この
磁気ヘッドは、磁気ディスク用の薄膜磁気ヘッドとして
用いることができる。また、磁気ディスク用、VTR用
に用いられる、フェライトヘッドのギャップ面に高飽和
磁束密度磁性膜を形成したMIGヘッドに用いることが
できる。また、フェライトヘッドのギャップ近傍に高飽
和磁束密度磁性膜を形成し、フェライトと磁性膜の界面
がギャップ面と非平行になるように構成したVTR用複
合ヘッド用として用いることができる。また、VTR用
に非磁性基板上に磁性膜を積層形成して磁路とした磁気
ヘッドとして用いることができる。上記磁性膜は1μm
以上の厚膜で好ましい磁気特性を示すので、厚い磁性膜
が必要なVTRヘッド用として好適である。
【0015】磁気記録装置では、上記磁気ヘッドを少な
くとも1個以上使用することにより、特に腐食が問題と
なる環境、例えば高湿度を経験する環境や、塩素イオン
等の腐食性物質が存在する環境において、装置動作の信
頼性を大幅に高めることができる。
【0016】
【作用】Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wから
なる遷移金属Tは磁性膜形成後の熱処理によりC又はN
と結合し、おもにFeの結晶粒界に析出して結晶成長を
抑える。この結果、磁性膜は少なくとも50nm以下、
通常は約20nm以下の微細な結晶粒から構成される構
造となり、高透磁率、低保磁力の軟磁気特性の優れた磁
性膜となり、また高い耐熱性を示すようになる。この効
果を得るために遷移金属Tの総濃度は2%(原子%、以
下同じ)以上とする必要がある。一方、Tの総濃度を高
くした場合には、飽和磁束密度が減少する。また、Tの
総濃度が高く、C又はNと結合しないT成分が増加した
場合には、軟磁気特性の劣化及び耐食性の劣化が見られ
る。従って、Tの総濃度を20%以下、より好ましくは
10%以下とする必要がある。
【0017】C又はNからなる元素群Zは、上記のよう
に遷移金属Tと結合して、結晶粒の微細化に寄与する。
この効果を得るためには、合わせて1%以上、好ましく
は3%以上の濃度が必要である。また濃度を高くしすぎ
た場合には、飽和磁束密度が減少する他、膜形成時の内
部応力が大きくなり磁性膜の剥離、基板クラックの発生
等が生ずるため、濃度を20%以下、より好ましくは1
0%以下にする必要がある。
【0018】Ru,Rh,Os,Ir,Pt,Pdから
なる元素群Xは、Feを主成分とする結晶粒の耐食性を
増加させる。しかも、添加により飽和磁束密度をあまり
低下させず、かえって飽和磁束密度を向上させる場合も
ある。耐食性向上の効果を得るために、Xの濃度は0.
5%以上にする必要があり、耐食性向上効果を大きくす
るためには3%以上とすることが好ましい。ただし、X
元素群を多くした場合には磁歪定数の増加が著しいた
め、添加量は15%以下、より好ましくは10%以下と
する必要がある。これらの元素の中で、Ru,Rh,I
r又はOsが耐食性向上に特に効果が著しい。
【0019】X元素群に加えて、Y元素群としてAlあ
るいはCrをさらに添加することは、耐食性向上のため
に効果がある。しかしこれらの元素の添加は飽和磁束密
度を低下させ、また磁歪定数を増加させるため、添加量
を15%以下、好ましくは10%以下とする必要があ
る。また、X元素群に加えて、Y元素群を添加する場
合、これらの濃度の和が大きい場合には磁歪定数が増加
するため、X元素群とY元素群の和を15%以下とする
ことが好ましい。
【0020】Co,Niからなる元素群Mは飽和磁束密
度を増加させ、また耐食性も向上させる効果がある。し
かし、これらの元素も添加とともに磁歪定数を増加させ
るため、添加量を15%以下、好ましくは10%以下に
する必要がある。また、元素群Xに加えて元素群Mを添
加する場合、これらの濃度の和が大きい場合には磁歪定
数が増加するため、X元素群とM元素群の和を15%以
下とすることが好ましい。さらに、元素群Xに加えて元
素群Y及びMを添加する場合にも、これらの濃度の和が
大きい場合には磁歪定数が増加するため、X元素群、Y
元素群及びM元素群の総和を15%以下とすることが好
ましい。
【0021】Siは磁歪定数を低減する効果を有する
が、この効果は比較的多量の添加量からその効果を生ず
るため、少なくとも5%以上の添加量が必要であり、1
0%以上とすることが好ましい。ただし、添加量を多く
しすぎると、飽和磁束密度の低下が大きいため、添加量
は20%以下とする必要があり、15%以下とすること
がより好ましい。
【0022】磁性膜の作製後、400℃以上の温度で熱
処理を行うと、それぞれの元素がほぼ均一に分散された
膜構造から、Feを主成分とする少なくとも約50nm
以下、通常は約20nm以下の微細な結晶粒と、その周
囲に元素群TとNあるいは/及びCとの微細な化合物が
存在する構造に変化し、高透磁率、低保磁力の軟磁気特
性と低磁歪定数、高飽和磁束密度、高耐熱性の性質が発
現する。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。 〔実施例1〕高周波2極スパッタ装置を用いて磁性膜を
作製した。スパッタリング条件は以下の通りである。 スパッタガス ArあるいはAr+N2 スパッタ時のガス圧 0.66Pa 高周波電力 400W ターゲット基板間距離 50mm 基板温度 50〜100℃(水冷)
【0024】本実施例では、Feターゲットに添加元素
のチップを貼付た複合ターゲットを用いて種々の組成の
膜を作製した。Nを添加する場合は、Nの濃度はスパッ
タガス中のN2 の比率を制御することにより変化させ
た。基板には直径10mmの結晶化ガラスを用い、磁性
膜の膜厚は約2μmとした。膜作製後、Arガス雰囲気
中で575℃、1時間の熱処理をおこない、磁気特性の
測定と耐食性試験を行った。磁性膜の組成はEPMA
法、飽和磁束密度は試料振動型磁束計(VSM)、保磁
力はB−Hカーブトレサー及びVSM、磁歪定数は光テ
コ法、透磁率は8の字コイル法を用いて測定した。また
耐食性の評価は、1/2規定のNaCl水溶液中に試料
を浸漬し、浸漬してから腐食の発生が開始するまでの時
間を耐食時間として計測することにより行った。なお、
腐食の発生開始は、光学顕微鏡観察により、試料表面積
に対する腐食部分の面積の比率が0.1%を越える時点
で判定した。結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1のように、比較例1〜3のFeTa
C,FeZrN,FeHfC磁性膜は飽和磁束密度が
1.5〜1.6Tと大きく、保磁力、磁歪定数が小さ
く、優れた磁気特性を示す。しかし、1/2規定のNa
Cl溶液に浸漬したときの腐食発生時間がいずれも0.
1hと腐食が発生しやすく、耐食性に問題があった。ま
た、これらの磁性膜の耐食性を向上するために、Crを
添加した比較例4の試料では耐食性向上に効果があるが
十分ではなく、Cr又はAlを多量に添加した比較例5
及び6の試料は、耐食性が大幅に向上し、100時間の
浸漬でも腐食の発生はなかったが、飽和磁束密度が1.
3T未満に大きく低下し、磁歪定数も5〜8×10-6
大幅に増加した。
【0027】本実施例の磁性膜では、試料番号1〜12
のようにRu,Rh,Ir,Os,Pd,Ptを添加す
ることにより、耐食時間が10時間以上と耐食性を大幅
に向上し、さらにSiを添加することにより、磁歪定数
の絶対値が4×10-6以下で、ほとんどの場合に2×1
-6以下の小さい値を有し、さらに1.3T以上飽和磁
束密度を有する磁性膜を得ることができた。
【0028】また、表1に示すように、Ru,Rh,I
r,Os,Pd,Ptの群の中では、Pd,Ptよりも
Ru,Rh,Ir,Osが耐食性向上の効果がより大き
いことが判った。一方、試料番号13〜15のようにS
i濃度が5%未満の場合は磁歪定数の低減効果が小さ
く、Si濃度が20%を越える場合は飽和磁束密度が
1.3T未満に小さくなり、Ruを15%を越えて添加
した場合には磁歪定数が4×10-6を越えて大きく、ま
た飽和磁束密度が1.3T未満に低下した。
【0029】〔実施例2〕実施例1と同様の方法によ
り、Ru,Rh,Ir,Os,Pd,Ptの群から選ば
れる元素の一種以上、及びCr,Alの一種以上及びS
iを同時に添加した試料を作製し、磁気特性及び耐食性
を調べた。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2のように、試料番号16〜20の試料
において、Ru,Rh,Ir,Os,Pd,Ptの群か
ら選ばれる元素の一種以上、Cr,Alの一種以上、及
びSiを同時に添加することにより、耐食時間が10時
間以上と耐食性を大幅に向上し、磁歪定数の絶対値が4
×10-6以下で、ほとんどの場合に2×10-6以下の小
さい値を有し、さらに1.3T以上飽和磁束密度を有す
る磁性膜を得ることができた。一方、Cr又はAlが1
5%を越える試料番号21及び22の試料では、飽和磁
束密度が1.3T未満となり、さらに磁歪定数も4×1
-6を越えて大きくなった。
【0032】〔実施例3〕実施例1と同様の方法によ
り、Ru,Rh,Ir,Os,Pd,Ptの群から選ば
れる元素の一種以上、Ni,Coの一種以上、及びSi
を同時に添加した試料を作製し、磁気特性及び耐食性を
調べた。結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3のように、試料番号23〜27の試料
において、Ru,Rh,Ir,Os,Pd,Ptの群か
ら選ばれる元素の一種以上、Ni,Coの一種以上、及
びSiを同時に添加することにより、耐食時間が10時
間以上と耐食性を大幅に向上し、磁歪定数の絶対値が4
×10-6以下で、ほとんどの場合に2×10-6以下の小
さい値を有し、さらに1.3T以上飽和磁束密度を有す
る磁性膜を得ることができた。一方、Co又はNiが1
5%を越える試料番号28及び29の試料では、磁歪定
数が4×10-6を越えて極めて大きくなった。
【0035】〔実施例4〕実施例1と同様の方法によ
り、Ru,Rh,Ir,Os,Pd,Ptの群から選ば
れる元素の一種以上、Ni,Coの一種以上、Cr,A
lの一種以上、及びSiを同時に添加した試料を作製
し、磁気特性及び耐食性を調べた。結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】表4のように、試料番号30〜34の試料
において、Ru,Rh,Ir,Os,Pd,Ptの群か
ら選ばれる元素の一種以上、Ni,Coの一種以上、A
l,Crの一種以上、及びSiを同時に添加することに
より、耐食時間が10時間以上と耐食性を大幅に向上
し、磁歪定数の絶対値が4×10-6以下で、ほとんどの
場合に2×10-6以下の小さい値を有し、さらに1.3
T以上飽和磁束密度を有する磁性膜を得ることができ
た。
【0038】一方、元素群XのPd、元素群YのAl、
及び元素群MのNiの濃度の和が15%を越える試料番
号35の試料では、磁歪定数が4×10-6を越えて極め
て大きくなった。前記試料番号1〜12,16〜20,
23〜27,30〜34の試料をX線回折及び透過電子
顕微鏡により観察した結果、各磁性膜はいずれもFeを
主成分とする微細な結晶粒と、その結晶粒の周囲に存在
するZr,Hf,Ta,Nb等の元素群Tと、C,Nの
元素群Zの化合物で構成されており、Feを主成分とす
る結晶粒の平均粒径はいずれも10〜20nm、窒化
物、炭化物の結晶粒径は3〜8nmであった。
【0039】以上の各実施例に示されるように、本発明
による磁性膜は飽和磁束密度、保磁力等の磁気特性及び
耐食性に優れており、VTR用及び磁気ディスク用磁気
ヘッドのコア材料として好適である。
【0040】〔実施例5〕本発明の磁性膜を用いて、図
1に示すように、フェライト基板1を用いるフェライト
ヘッドのギャップ2の近傍に磁性膜3を形成した、いわ
ゆるMIGヘッドを作製した。磁性膜3の膜厚は5μm
とした。4,5は、低融点のボンディングガラスであ
る。磁気ヘッドの使用時に磁気テープでヘッドを摺動す
ると、図2に示すように、材料による摩耗速度の差によ
りフェライト1と磁性膜3との間に段差dを生ずる。こ
の結果、スペーシング損失を生じて高周波領域で出力の
低下を生ずる。これらのヘッドを、保磁力1500Oe
のメタルテープを用い、相対速度3.75m/sで1時
間走行した後のフェライト基板1と磁性膜3の段差d、
及び7MHzにおける記録再生出力を測定した。結果を
表5に示した。
【0041】
【表5】
【0042】表5から分かるように、本発明の磁性膜を
使用した磁気ヘッドは従来例と比較してフェライト1と
磁性膜3の段差dが小さく、この結果、記録再生出力が
大きく向上している。これは、本発明の磁性膜が耐食性
に優れるため、耐摩耗性が大幅に向上したためと考えら
れる。上記のように耐食性、耐摩耗性に優れ、使用中の
記録再生出力の劣化が小さい磁気ヘッドを磁気記録装置
に使用すると、信頼性の高い装置を実現することができ
る。また、特に腐食が問題となる環境、例えば高湿度を
経験する環境や、塩素などの腐食性物質が存在する環境
で使用する場合に、信頼性を向上した装置として優れて
いる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明による磁性
膜は高い飽和磁束密度と低保磁力及び低磁歪定数の優れ
た軟磁気特性を有しており、さらに高耐食性、耐摩耗性
を有している。これを磁気ヘッドコアに用いることによ
り、優れた記録再生特性、信頼性を有する磁気ヘッド及
び磁気記録装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヘッドの構造を示す図。
【図2】テープ摺動面でのフェライト基板と磁性膜の段
差を示す図。
【符号の説明】
1…フェライト基板、2…ギャップ、3…磁性膜、4,
5…低融点ガラス

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式:FeaSicdeg 、但し、
    TはTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wの群から
    選ばれる元素の少なくとも一種、XはRu,Rh,O
    s,Ir,Pd,Ptの群から選ばれる元素の少なくと
    も一種、ZはC,Nの群から選ばれる元素の少なくとも
    一種であって、a,c,d,e,gは原子%を表し、5
    ≦c≦20,2≦d≦20,0.5≦e≦15,1≦g
    ≦20、かつ、a+c+d+e+g=100、で表され
    る組成を有することを特徴とする磁性膜。
  2. 【請求項2】 組成式:FeaSicdefg 、但
    し、TはTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wの群
    から選ばれる元素の少なくとも一種、XはRu,Rh,
    Os,Ir,Pd,Ptの群から選ばれる元素の少なく
    とも一種、YはCr,Alの群から選ばれる元素の少な
    くとも一種、ZはC,Nの群から選ばれる元素の少なく
    とも一種であって、a,c,d,e,f,gは原子%を
    表し、5≦c≦20,2≦d≦20,0.5≦e≦1
    5,f≦15,1≦g≦20、かつ、a+c+d+e+
    f+g=100、で表される組成を有することを特徴と
    する磁性膜。
  3. 【請求項3】 組成式:FeabSicdeg 、但
    し、MはCo,Niの群から選ばれる元素の少なくとも
    一種、TはTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,Wの
    群から選ばれる元素の少なくとも一種、XはRu,R
    h,Os,Ir,Pd,Ptの群から選ばれる元素の少
    なくとも一種、ZはC,Nの群から選ばれる元素の少な
    くとも一種であって、a,b,c,d,e,gは原子%
    を表し、b≦15,5≦c≦20,2≦d≦20,0.
    5≦e≦15,1≦g≦20、かつ、a+b+c+d+
    e+g=100、で表される組成を有することを特徴と
    する磁性膜。
  4. 【請求項4】 組成式:FeabSicdefg
    但し、MはCo,Niの群から選ばれる元素の少なくと
    も一種、TはTi,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W
    の群から選ばれる元素の少なくとも一種、XはRu,R
    h,Os,Ir,Pd,Ptの群から選ばれる元素の少
    なくとも一種、YはCr,Alの群から選ばれる元素の
    少なくとも一種、ZはC,Nの群から選ばれる元素の少
    なくとも一種であって、a,b,c,d,e,gは原子
    %を表し、b≦15,5≦c≦20,2≦d≦20,
    0.5≦e≦15,f≦15,1≦g≦20、かつ、a
    +b+c+d+e+f+g=100、で表される組成を
    有することを特徴とする磁性膜。
  5. 【請求項5】 XはRu,Rh,Ir,Osの群から選
    ばれる元素の少なくとも一種からなることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項記載の磁性膜。
  6. 【請求項6】 元素Xの濃度が、3≦e≦15の範囲に
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載
    の磁性膜。
  7. 【請求項7】 Siの濃度が、10≦c≦15の範囲に
    あることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載
    の磁性膜。
  8. 【請求項8】 元素T,X,Zの濃度が、2≦d≦1
    0,3≦e≦10,3≦g≦10であることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1項記載の磁性膜。
  9. 【請求項9】 元素Yの濃度が、f≦10であることを
    特徴とする請求項2又は4記載の磁性膜。
  10. 【請求項10】 元素Mの濃度が、b≦10であること
    を特徴とする請求項3又は4記載の磁性膜。
  11. 【請求項11】 元素Xと元素Yの濃度の和が、e+f
    ≦15であることを特徴とする請求項請求項2、4又は
    9記載の磁性膜。
  12. 【請求項12】 元素Mと元素Xの濃度の和が、b+e
    ≦15であることを特徴とする請求項3、4又は10記
    載の磁性膜。
  13. 【請求項13】 元素Mと元素Xと元素Yの濃度の和
    が、b+e+f≦15であることを特徴とする請求項4
    記載の磁性膜。
  14. 【請求項14】 平均結晶粒径が50nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載の磁
    性膜。
  15. 【請求項15】 平均結晶粒径が20nm以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載の磁
    性膜。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項記載の
    磁性膜を磁気コアの少なくとも一部に用いたことを特徴
    とする磁気ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載した磁気ヘッド少な
    くとも1個備えることを特徴とする磁気記録装置。
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