JPH0813773B2 - 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法 - Google Patents

2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法

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JPH0813773B2
JPH0813773B2 JP62165439A JP16543987A JPH0813773B2 JP H0813773 B2 JPH0813773 B2 JP H0813773B2 JP 62165439 A JP62165439 A JP 62165439A JP 16543987 A JP16543987 A JP 16543987A JP H0813773 B2 JPH0813773 B2 JP H0813773B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、次の反応式(1) CH2=CHCl+CO+H2→CH3−CHCl−CHO (1) に従った塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とす
る2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法に関す
る。
2−クロロプロピオンアルデヒドは化学品および農医
薬等の有用な中間体として用いることができる。
(従来の技術および発明が解決しようとする問題点) 塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とする2−
クロロプロピオンアルデヒドの製造方法は公知で、例え
ば、フランス特許第1,397,779号やヘルベチカ・キミカ
・アクタ(HELVETICA CHIMICA ACTA)、48巻、第5号、
1151頁〜1157頁に示されている。これらの方法はいずれ
もコバルトカルボニルを触媒として用い、例えば、前記
フランス特許第1,397,779号によれば、反応温度110℃、
反応圧力200気圧の条件下において、90分間反応を行わ
せ、塩化ビニルの転化率57.4%、2−クロロプロピオン
アルデヒドの選択率86.2%の反応成績を得ている。しか
し、これらのコバルトカルボニルを触媒として用いる方
法では、コバルト当りの触媒活性は極めて低く、この為
に、多量のコバルトカルボニルと160〜200気圧という高
い反応圧力を必要とする上に、反応温度75〜125℃のも
とで90〜120分間にわたり反応を行わせる方法がとられ
ている。目的生成物である2−クロロプロピオンアルデ
ヒドは熱的に不安定な物質で、このような反応温度と反
応時間のもとではかなりの割合が逐次反応で消費されて
反応収率を低めるために、この方法は再現性に乏しく、
さらにはこの逐次反応または他の副反応により塩化水素
が副生し、これが反応器の材料を激しく腐食する上にコ
バルトカルボニル触媒と反応して塩化コバルトとなるた
めに触媒の再使用にも支障をきたすという問題点を有し
ている。
本発明者等は、これらの改良法として、特開昭61−12
6046号、特開昭62−10038号、特開昭62−22738号及び特
開昭62−96444号に示す様に塩化ビニル、一酸化炭素お
よび水素とを、ロジウム化合物、塩基及び水の存在下に
反応させる方法を見出している。この方法によると、従
来のコバルトカルボニル触媒を用いる方法にくらべ、よ
り低温・低圧下で反応が進行し、かつ、充分な目的生成
物への選択性が得られる。この方法では、塩基として一
般式、P(R1R2R3)(ここに、Pは燐原子を示し、R1
R2、R3はそれぞれアルキル基、アリール基、シクロアル
キル基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはシクロ
アルコキシ基を示す)で表わされる化合物の少なくとも
一種以上と、pKaが3〜11の含窒素化合物との組合せが
好ましく用いられる。これらpKaが3〜11の含窒素化合
物の中でも、ピリジン化合物、キノリン化合物、イミダ
ゾール化合物、トリアゾール化合物及びモルフォリン化
合物等が反応成績等の面から特に好ましく用いられる。
しかし、詳細な研究の結果、これらの化合物はいずれも
反応性に富む化合物であるために1月以上の長時間にわ
たる使用に際しその一部が変質し、触媒活性が徐々に低
下していくことがわかった。この触媒活性は、これらの
塩基を補給してやればほぼ一定値に保つことは可能であ
るが、これらの化合物の補給は製造コストの増加につな
がる。又、これらの化合物が反応系内において変質した
結果生成する化合物は、構造式は不詳であるが、かなり
沸点が高く、通常の操作では触媒成分を含む反応器内の
液から分離することが難しい為に更に長時間にわたる反
応を継続するのに支障をきたすという問題点をも有して
いる。
本発明の課題は従来技術のこのような問題点を解決し
た2−クロロプロピオンアルデヒドの製造方法を提供す
ることである。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明者等は、これらの課題解決のため詳細な研究を
行った。その結果、塩化ビニル、一酸化炭素および水素
とを、ロジウム化合物及び塩基の存在下に反応させて2
−クロロプロピオンアルデヒドを製造するにあたり、塩
基として三価の有機燐化合物又は三価の有機燐化合物の
オキサイドを用い、反応をpKaが0.5〜5の範囲にある酸
の存在下で行えば効率良く反応が進行する上に先に述べ
たような問題点が解決されることを見い出し本発明を完
成するに至った。
即ち、本発明は、ロジウム化合物及び三価の有機燐化
合物または三価の有機燐化合物のオキサイドの存在下
に、塩化ビニル、一酸化炭素および水素を反応させて2
−クロロプロピオンアルデヒドを製造するにあたり、反
応をpKaが0.5〜5の範囲にある酸の少なくとも一種の共
存下で行うことを特徴とする2−クロロプロピオンアル
デヒドの製造方法である。
本発明の方法において用いるpKaが0.5〜5の酸として
は各種の有機酸や無機の酸が挙げられる。このような酸
を用いることによって前記ロジウム及び塩基よりなる触
媒は高活性を示す上に、且つ、2−クロロプロピオンア
ルデヒドの長時間にわたる製造を継続した際にも反応系
内にはこれらの酸に由来する高沸物の蓄積は見られず、
長時間にわたる安定した操業が可能となる。同時に、触
媒液の再生等の回数も減らすことができるので触媒とし
て用いている高価なロジウムの損失も軽減させることが
できる。本発明の方法においてはこのような酸としては
カルボン酸が好ましく用いられる。カルボン酸の例とし
ては、具体的には蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イ
ソ酪酸、ヘプタン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、ク
ロトン酸、蓚酸、マロン酸、メチルマロン酸、コハク
酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、1,2,3−プロ
パントリカルボン酸等の脂肪族飽和又は不飽和モノまた
はポリカルボン酸、及び、安息香酸、トルイル酸、o−
エチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸、3−メチルフタル酸、ト
リメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゼ
ンペンタカルボン酸、メリット酸等の一価または多価芳
香族カルボン酸等が挙げられる。また、これらのカルボ
ン酸のアルキル基またはアリール基にハロゲン、アミノ
基、水酸基等の置換基のついたカルボン酸類も好まし
く、これらの例としてはモノフルオロ酢酸、ジフルオロ
酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢
酸、トリクロロ酢酸、モノブロモ酢酸、ジブロモ酢酸、
2−クロロプロピオン酸、3−クロロプロピオン酸、2,
2−ジクロロプロピオン酸等のハロゲン置換脂肪族カル
ボン酸や、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香酸、
p−クロロ安息香酸、o−フルオロ安息香酸等のハロゲ
ン置換芳香族カルボン酸、グリシン、サルコシン、アラ
ニン、β−アラニン、4−アミノ酪酸、バリン、セリ
ン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸、グリ
コール酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、
リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、サリチル酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸等のヒド
ロキシカルボン酸等がある。このほか、フェニル酢酸、
ピルビン酸、アニス酸、o−ニトロ安息香酸、桂皮酸等
の前記以外の置換基のついたカルボン酸も好ましい例と
して挙げられる。本発明の方法においては、これらのカ
ルボン酸の中でもハロゲン置換脂肪族カルボン酸及び一
価または多価芳香族カルボン酸が特に好ましく用いられ
る。
また、本発明の方法においては、酸としてホスホン酸
類、亜ホスホン酸類、ホスフィン酸類、または亜ホスフ
ィン酸類も好ましく用いられる。これらの例としては、
メチルホスホン酸、エチルホスホン酸、フェニルホスホ
ン酸、フェニル亜ホスホン酸、ジメチルホスフィン酸、
ジエチルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ジフ
ェニル亜ホスフィン酸等が挙げられる。
本発明の方法では、後述するように、反応を水の共存
下において行うことが特に好ましく行われる。この時に
は、前記の酸はエステルや、酸クロリドまたは酸無水物
等、水の共存下においてこれらの酸を生成せしめる前駆
体の形で供給することも本発明の方法の好ましい例とし
て挙げられる。例えば、酢酸エチル、安息香酸メチル、
フタル酸ジブチル、フェニルホスホン酸ジエチル、フェ
ニル亜ホスホン酸ジエチル等のエステル類、アセチルク
ロリド、安息香酸クロリド、ジフェニル亜ホスフィン酸
クロリド等の酸クロリド類、及び、無水酢酸、無水マレ
イン酸、無水フタル酸等の酸無水物等が例示される。
一方、本発明の方法において好ましく用いられる三価
の有機燐化合物または三価の有機燐化合物のオキサイド
は次のように例示される。
即ち、三価の有機燐化合物としては、一般式P(R1R2
R3)(ここにPは燐原子を示し、R1、R2はそれぞれ
同一もしくは異種のアルキル、アリール、シクロアルキ
ル、アルコキシ、アリールオキシまたはシクロアルコキ
シ基を示す)で表わされる三価の有機燐化合物が挙げら
れ、具体的には、トリメチルホスフィン、トリエチルホ
スフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフ
ィン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホス
フィンなどのホスフィン類や、トリメチルホスファイ
ト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイ
ト、トリブチルホスファイト、トリオクチルホスファイ
ト、トリフェニルホスファイト、トリシクロヘキシルホ
スファイト、トリベンジルホスファイトなどのホスファ
イト類があげられる。
また、ホスフィン類の特殊なものとして、上記一般式
P(R1R2R3)で表わされるもののほかに、ビスジフェニ
ルホスフィノメタン、ビスジフェニルホスフィノエタン
などのジホスフィン類や、架橋ポリスチレンに結合した
ホスフィン類等も好ましく用いられる。
また、三価の有機燐化合物のオキサイドとしてはトリ
エチルホスフィンオキサイド、トリブチルホスフィンオ
キサイド、トリオクチルホスフィンオキサイド等のアル
キルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオ
キサイド、トリトリルホスフィンオキサイド等のアリー
ルホスフィンオキサイド、もしくはアルキル基とアリー
ル基とを合わせもつアルキルアリールホスフィンオキサ
イド等が例示される。またこのほか、トリエチルホスフ
ァイトオキサイド、トリブチルホスファイトオキサイ
ド、トリフェニルホスファイトオキサイド等のアルキル
もしくはアリールホスファイトオキサイド類や、アルキ
ル基とアリール基とを合わせもつアルキルアリールホス
ファイトオキサイド類等も用いることができる。さらに
は、ビス−1,2−ジフェニルホスフィノメタンジオキサ
イドなどの多座ホスフィンのオキサイド等も用いること
ができる。
本発明の方法において用いられるロジウム化合物とし
ては、ロジウムの酸化物、鉱酸塩、有機酸塩またはロジ
ウム錯化合物などがある。これらの各種ロジウム化合物
の中でも、特にハロゲンを含まないロジウム化合物が好
ましい。これらの例としては酸化ロジウム、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、トリアセチルアセト
ナートロジウム、ジカルボニルアセチルアセトナートロ
ジウム、ドデカカルボニルテトラロジウム、ヘキサデカ
カルボニルヘキサロジウム等が挙げられ、また、ロジウ
ム錯化合物としてはこれらのほかに、ロジウムと塩基と
で錯化合物を形成したものも更に好ましく用いられる。
該塩基としては、本発明の方法において好ましく用いら
れる三価の有機燐化合物又は三価の有機燐化合物のオキ
サイド等の塩基であっても良いが、他の塩基でも良い。
これらの例としては、例えば、ヒドリドカルボニルトリ
ストリフェニルホスフィンロジウム〔RhH(CO)(PP
h3〕、ニトロシルトリストリフェニルホスフィンロ
ジウム〔Rh(NO)(PPh3〕、η−シクロペンタジエ
ニルビストリフェニルホスフィンロジウム〔Rh(C5H5
(PPh3〕等が挙げられる。又、塩化ロジウム、臭化
ロジウム、沃化ロジウムまたはジクロロテトラカルボニ
ルジロジウム等のハロゲン含有ロジウム化合物を用い、
反応系内にこれらのハロゲン原子に対し当量以上のアル
カリ性化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸カリウム、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン等を加えることも、ハロゲンを含有しないロジウム
化合物を反応系内において生成させる手段として用いる
ことができる。
本発明の方法では、前記ロジウム化合物は、反応系内
の液相1リットルあたりロジウム原子として、0.0001〜
1000ミリグラム原子、好ましくは0.001〜100ミリグラム
原子の範囲に相当する量で使用される。又、本発明の方
法で使用される三価の有機燐化合物又は三価の有機燐化
合物のオキサイド及びpKaが0.5〜5の範囲にある酸は、
それぞれロジウム1グラム原子に対し0.1〜500モル、好
ましくは0.5〜100モルの範囲で使用される。
本発明の方法においては、反応溶媒を用いなくとも反
応は進行するが、通常は反応溶媒の存在下に反応を行わ
せる。反応溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないも
のであればいずれも用いることが可能である。このよう
な溶媒として特に好ましいのは炭化水素類である。より
具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、
デカン等の飽和炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素などが好ましく用いられ、ま
た、炭化水素類の混合物として工業的に得られるリグロ
イン、ケロシン、軽油、ディーゼル油等もこれらの例に
含まれる。このほか、ジプロピルエーテル、ジブチルエ
ーテルなどのエーテル類、ジイソブチルケトン、ホロン
などのケトン類、酪酸ブチル、安息香酸ブチルなどのエ
ステル類なども好ましい溶媒の例として挙げられる。
本発明の方法においては、反応系内に水を共存させる
方法が更に好ましく行われる。このような方法をとるこ
とにより触媒活性は更に向上する。本発明の方法におい
て反応時に存在させる水の量については特に制限はない
が、極端に少量の場合にはその効果は小さくなり、ま
た、極端に多量用いても反応成績はある程度以上は上が
らない。通常、水の量は原料として反応器へ供給する塩
化ビニルに対して重量比で0.01以上、1000以下の範囲が
好ましい。特に、0.1〜100の範囲が更に好ましく用いら
れる。又、本発明の方法において用いるpKaが0.5〜5の
範囲にある酸が水溶性の場合には、これらの酸を水溶液
の形で反応系内へ導入したり反応系から取り出したりす
る方法が反応操作を簡易にするために好ましく用いられ
る。
本発明の方法は、通常、反応温度10〜150℃、反応圧
力10〜300Kg/cm2ゲージの範囲、好ましくは30〜150Kg/c
m2ゲージの範囲で行われる。反応温度は生成する2−ク
ロロプロピオンアルデヒドの熱安定性の面から低温ほど
好ましく、このため、20〜80℃が特に好ましい温度範囲
である。また、原料の一酸化炭素および水素の混合モル
比は、通常、10〜0.1の範囲であり、好ましくは4〜0.2
の範囲である。一酸化炭素および水素は前記の組成比で
両成分を含有する混合ガスであればよく、水性ガスや、
水性ガスにメタン、窒素などの反応に不活性なガス、ま
たは二酸化炭素などが含有されたものが用いられる。も
う一方の原料である塩化ビニルは、ガス状、液状、ある
いは反応に用いる溶媒に溶解した溶液の形で使用され
る。本発明の方法は、回分法、半回分法、連続法のいず
れの方法によっても実施できる。例えば、回分法の場合
の例としては、ロジウム化合物、三価の有機燐化合物ま
たは三価の有機燐化合物のオキサイド及びpKaが0.5〜5
の範囲にある酸および必要に応じて反応溶媒および水を
仕込んだオートクレーブに、塩化ビニルをガス、液、あ
るいは溶液状で加え、これに一酸化炭素および水素を含
有するガスを所定の圧力まで導入し、好ましくは攪拌下
で加温することにより反応は進行する。また、連続法の
場合の例としては、ロジウム化合物、三価の有機燐化合
物または三価の有機燐化合物のオキサイドおよびpKaが
0.5〜5の範囲にある酸および必要に応じて反応溶媒お
よび水と、原料の塩化ビニル、一酸化炭素および水素と
を、耐圧の反応器の一方に連続的に供給し、反応温度
下、攪拌条件下に、他方から反応混合物と、未反応塩化
ビニル、一酸化炭素および水素とを連続的に抜出すこと
により反応が行われる。
(実施例) 以下、実施例により本発明の方法を更に具体的に説明
する。
実施例1 攪拌装置を備えた内容積100mlのステンレス製オート
クレーブの内部を窒素ガスで置換した後、ヘキサデカカ
ルボニルヘキサロジウム36mg(Rh0.2ミリグラム原子)
とトリフェニルホスフィン208mg(0.8ミリモル)、ジク
ロロ酢酸194mg(1.5ミリモル)および水20gを入れ、こ
れに塩化ビニル1.88g(30ミリモル)を含む塩化ビニル
のトルエン溶液20mlを加えた。このオートクレーブに、
一酸化炭素および水素のモル比が1:2の混合ガスを室温
で圧力が80Kg/cm2ゲージになるまで圧入した後に55℃ま
で昇温し、40分間反応させた。オートクレーブを室温ま
で冷却してから未反応の原料混合ガスをガスサンプリン
グ用袋に捕集した後オートクレーブを開け、触媒、溶媒
及び反応生成物を含む反応混合液を取り出した。ガスお
よび液をガスクロマトグラフィーで定量した結果、塩化
ビニルの転化率は32.4%、2−クロロプロピオンアルデ
ヒドの生成量は8.8ミリモル(転化した塩化ビニル基準
の選択率は90.5%)であった。
実施例2〜5 実施例1の方法において反応温度、反応圧力、一酸化
炭素と水素のモル比および反応時間を変えて反応を行わ
せた。結果を表1に示す。
実施例6〜9 実施例1の方法において、ロジウム化合物、塩基およ
び酸の種類を変えて反応を行わせた。ロジウム化合物の
量は、いずれもロジウムが0.2ミリグラム原子となるよ
うな量とした。結果を表2に示す。
実施例10〜13 実施例1の方法において、ジクロロ酢酸の代わりに各
種の酸または酸の前駆体を用いて反応を行った。結果を
表3に示す。
実施例14 実施例1において、水の不存在以外は同じ方法で反応
を行わせた。
分析の結果、塩化ビニルの転化率9.8%、2−クロロ
プロピオンアルデヒド選択率89.1%の反応成績を得た。
実施例15 7段の翼の攪拌機および温水ジャケットを備えた耐圧
200Kg/cm2ゲージの反応器(SUS 316製、内径30mm、高さ
450mm、実容積約300cm3)を、温度50℃、圧力80Kg/cm2
ゲージに保ち、該反応器の下部に設けた導入管から、ロ
ジウム触媒液(1あたり、ヒドリドカルボニルトリス
トリフェニルホスフィンロジウム20mmol、トリフェニル
ホスフィン40mmol、2−クロロプロピオンアルデヒド4.
8gおよびジクロロ酢酸15mmolを含有する、トルエン溶
液)800cm3/時、ジクロロ酢酸水溶液(1あたりジク
ロロ酢酸1molを含有)900ml/時、塩化ビニル2.2mol/
時、およびモル比1:2の、一酸化炭素および水素の混合
ガス320/時を連続的に供給し、同時に、反応器上部
に設けた取り出し管から、水層と有機層とを含む反応混
合液と、未反応の塩化ビニル、一酸化炭素および水素と
を、35℃で反応器と同じ圧力で操作されている気液分離
器に連続的に取り出した。該気液分離器において、未反
応の塩化ビニルの大部分と未反応の一酸化炭素及び水素
が該気液分離器の上部に設けたガス取り出し口から取り
出され、圧力調節弁を経て大気圧に保たれた未反応ガス
ホルダーに送られた。一方、反応混合液は該気液分離器
の下部に設けた液取り出し口から取り出され、液面調節
弁を経て大気圧で操作されている静置分離槽に送られ
た。ここで、反応混合液は上層の有機層(トルエン層)
と下層の水層とに分けられた。この有機層の中には22g
の2−クロロプロピオンアルデヒドが含有されており、
これを水で洗滌することにより2−クロロプロピオンア
ルデヒドの含有量を4.8gまで下げた。この液は、先に述
べたロジウム触媒液と実質的に同一組成であり、反応器
へ供給するロジウム触媒液に混合して再使用に供した。
一方、水層を回分蒸留にかけて2−クロロプロピオンア
ルデヒドを分離するとともに、ジクロロ酢酸は回収して
再使用に供した。この様な方法で96時間にわたって連続
運転を行った。2−クロロプロピオンアルデヒドの1時
間あたりの生成量は運転開始後約6時間目当りから約±
5%程度の範囲内でほぼ一定となり,その後96時間目ま
でほぼ一定の値を保った。反応開始後、80時間目から84
時間目までの4時間の平均では、1時間当り約85gの2
−クロロプロピオンアルデヒドが生成していることが水
層のガスクロマトグラフによる分析からわかった。
この連続反応の開始直後及び96時間後にトルエン層の
一部を取り出し、ガスクロマトグラフによって高沸点成
分の蓄積の有無を調べた。ガスクロマトグラフにはSE−
30を充填した1mのガラスカラムを用いた。カラム温度は
180℃(恒温)とし、キャリアーガスとして窒素を用
い、検出器としてFID検出器を用いた。分析の結果、該
トルエン層中にはガスクロマトグラフの検出範囲内で高
沸点成分の蓄積は認められなかった。
比較例1 実施例15の方法において、ジクロロ酢酸のかわりに同
じモル数のイミダゾールを用いて実験を行った。反応開
始後約72時間あたりから若干の活性低下が見られたので
イミダゾールを水1あたり約15g補給したところ、活
性はほぼ同じレベルまで回復した。しかし、96時間後の
トルエン層のガスクロマトグラフによる分析では、実施
例11において認められなかった高沸点成分が検出され
た。この成分はガスクロマトグラフによる分析から沸点
はおおよそ350℃程度と推定された。更に、この成分に
ついてガスクロマトグラフ−質量分析計で調べたとこ
ろ、構造は不詳であるが窒素を含有する化合物で、分子
量は349であることがわかった。この化合物は該トルエ
ン層からは蒸留では留出させることができない為に、触
媒を新触媒と同じ組成に戻すには、例えば、トルエン層
を燃やしてから王水で処理してロジウムを回収し、これ
を一旦塩化ロジウムの形とした後にロジウムカルボニル
に転化後、ホスフィン等の他の触媒成分を添加する等の
手段を必要とした。
(発明の効果) 本発明の方法により、塩化ビニル、一酸化炭素および
水素を原料として、低温・低圧下において高選択率で2
−クロロプロピオンアルデヒドを製造することができ
る。特に、本発明の方法によれば、反応系内に副生物の
蓄積なしに長時間にわたって安定して高活性を維持する
ことが可能となる。又、本発明の方法によると、触媒の
再生等を頻繁に行う必要性が少なくなるために、これに
伴うロジウムの損失を軽減させることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジウム化合物及び三価の有機燐化合物ま
    たは三価の有機燐化合物のオキサイドの存在下に、塩化
    ビニル、一酸化炭素および水素を反応させて2−クロロ
    プロピオンアルデヒドを製造するにあたり、反応をpKa
    が0.5〜5の範囲にある酸の少なくとも一種の共存下で
    行うことを特徴とする2−クロロプロピオンアルデヒド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】酸がカルボン酸である特許請求の範囲第1
    項に記載の方法。
  3. 【請求項3】酸がホスホン酸、亜ホスホン酸、ホスフィ
    ン酸、又は亜ホスフィン酸である特許請求の範囲第1項
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】酸がハロゲン置換脂肪族カルボン酸である
    特許請求の範囲第2項に記載の方法。
  5. 【請求項5】酸が一価または多価芳香族カルボン酸であ
    る特許請求の範囲第2項に記載の方法。
  6. 【請求項6】反応を水の存在下で行う特許請求の範囲第
    1項ないし第5項に記載の方法。
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