JPH0821499B2 - マグネットロールの製造方法 - Google Patents

マグネットロールの製造方法

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JPH0821499B2
JPH0821499B2 JP15134290A JP15134290A JPH0821499B2 JP H0821499 B2 JPH0821499 B2 JP H0821499B2 JP 15134290 A JP15134290 A JP 15134290A JP 15134290 A JP15134290 A JP 15134290A JP H0821499 B2 JPH0821499 B2 JP H0821499B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はマグネットロールの製造方法に関し、更に詳
しくは、機械的強度に優れるとともに磁極の配置角度の
バラツキや長手方向の磁気特性のバラツキが小さく、且
つ生産性も高いマグネットロールの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、この種のマグネットロールの製造方法としては
例えば、第9図に示す如く2個以上のマグネット片
a′,a′…をシャフトbに接着してマグネットロールに
する方法、第8図に示す如く円筒状に成形した円筒状
マグネットa内にシャフトbを密嵌挿入して一体化する
方法,シャフトも含め一体成形する方法等が実用化さ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、のマグネット片を接着する方法で
は、4極以上になると使用マグネット片磁気特性,形状
等の管理,接着条件の管理が複雑となり、磁力の大きさ
や磁極の配置角度等の品質面や生産性面で問題が多い。
又、の円筒状マグネットにシャフトを挿入する場合、
マグネット内径及びシャフト外径のバラツキに起因する
長手方向の磁気特性のバラツキやマグネットとシャフト
の接着強度のバラツキ等が発生し、品質が安定せず、
又、品質を安定させようとすると加工精度を上げるしか
なくコスト上の問題が発生する結果となっていた。又、
シャフトbはマグネットaに密嵌する必要があることか
ら、密嵌時にシャフトが円筒状マグネット内壁を削って
削り屑が発生する問題があり、又、密嵌時にはみ出した
接着剤の処理等の厄介な問題もある。の射出成形によ
るシャフトを含めた一体成形では、成形金型が複雑で,
高価である上、冷却条件のバラツキによる長手方向の磁
力のバラツキが発生し、これを避けようとすれば生産性
が悪くなり、又、高価な磁石材料をシャフト材として使
用するので不経済である等の問題を内包している。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはかかる実情に鑑み、上記問題点を解消す
べく鋭意研究した結果、本発明に到達した。即ち、本発
明は、ボンデッドマグネット製の円筒状マグネットとシ
ャフトから構成されるマグネットロールを製造するに際
し、該円筒状マグネットの内径に、その深さが0.2〜0.6
mmに設定された複数条の溝を該円筒状マグネットの長手
方向に設けるとともに、該マグネットの一端より圧縮ガ
スを導入し、その圧力により該マグネットの内径を拡開
膨張させながら、他端よりシャフトを挿入し、さらに、
他端より真空吸引しつつ、マグネットの前記溝の粘度が
2〜300CPSの接着剤を流入し、接着剤を溝全長にわたっ
て均一分散させることによって円筒状マグネットとシャ
フトを接着固定することを特徴とするマグネットロール
の製造方法を内容とするものである。圧縮ガスとしては
金属やボンデッドマグネットと反応しないものであれば
任意のものが採用される空気を用いることが作業性並び
に経済性の観点から好ましい。
〔作用〕
円筒状マグネットは所定の長さに切断された後、一
端、即ち、シャフトを挿入する側の反対側より圧縮ガス
を導入して円筒状マグネットの内径を押し拡げながらシ
ャフトを挿入する。
上記の如くしてシャフトが挿入された後、圧縮ガスの
導入を停止すると、圧縮ガスにより膨張していた円筒状
マグネットは収縮し、シャフトに固定される。
次ぎに、円筒状マグネットとシャフト間の一端を真空
吸引しつつ他端より接着剤を流入せしめ接着剤を溝内に
案内流入させて円筒状マグネットとシャフトを強固に固
定させる。
シャフトが接着固定された円筒状マグネットに対して
は、所定の着磁が施され、マグネットロールとされる。
本発明により得られるマグネットロールは複写機,プリ
ンター,ファクシミリ等の電子写真に使用する現像、ク
リーニング用マグネットロールとして好適に使用され
る。
〔実施例〕
次に本発明の詳細を図示した実施例に基づき説明す
る。
第1図は本発明の製造方法によって作成したマグネッ
トロールの1実施例である。マグネットロールAは、ボ
ンディドマグネット製の円筒状マグネット1に金属製又
はプラスチック製のシャフト2を挿通して構成される。
円筒状マグネット1の内径面には該円筒状マグネット1
の長手方向に沿って溝3が複数条刻設されている。
ボンデッドマグネットの材料については、まず結合材
としては公知の合成樹脂やゴムが使用でき、例えばポリ
塩化ビニール,ポリエチレン,ポリプロピレン、塩素化
ポリエチレン,エチレン・酢酸ビニール共重合体等の熱
可塑性樹脂,NBR,SBR等のゴムが単独又は2種以上混合し
て用いられ、又、磁性粉としては例えばマグネトプラン
バイト型のSr又はBaフェライト等のフェライト系、Sm−
Co系合金,Nd−Fe−B等の希土類系,Al−Ni−Co系等が用
いられる。磁性粉の含率は30〜70体積%が好ましい。磁
性粉と結合材との親和性や流動性を高めるためのシラン
処理剤やチタネート処理剤,可塑剤、その他一般に用い
られる添加剤を添加することも可能である。
ボンデッドマグネットは1.5メガガウスエルステッド
(以下メガガウスエルステッドをMGOeと記す。)以上の
最大エネルギー積を有するものが好ましい。これは1.5M
GOe未満では、通常要求されるマグネットロールの表面
磁束密度900ガウス(以下ガウスをGと記す。)を得る
ことが困難である為である。
本発明に用いられるシャフトは、鉄,アルミニウム等
の金属,ボフェニレンオキサイド,ポリアミド等のいわ
ゆるエンジニアリングプラスチックから作られたものが
用いられる。
本発明に用いられる円筒状のボンデッドマグネット
は、上記組成物を磁場配向押出成形することにより容易
に得ることができる。
円筒状マグネットの内径面に刻設される溝3の深さd
は、0.2〜0.6mm程度が好ましく、更に好ましくは0.3〜
0.5mm程度である。0.2mmより小さいと、接着剤の流入が
不十分で、接着剤が均一に分布しない。一方0.6mmより
大きくなると吸引力により接着剤が吸引側に吸い寄せら
れシャフトの汚染,接着強度の低下を生ずる。溝の数
は、円筒状マグネットの内径にもよるが、シャフト径が
5〜8mmでは2個以上、4〜8個が好適である。溝数が
1個では接着力が弱くシャフトの固定が不十分である。
又、10個以上になると内径面に溝部が多くなりすぎ、円
筒状マグネットとシャフトの同軸度がでにくくなった
り、シャフトへの接着面積が減少し接着強度が低下する
という現象が生ずる。
接着剤は、シアノアクリレート系,エポキシ系,の
他、テトラエチレングリコール・ジメタクリレートなど
の嫌気性接着剤が使用できるが、取扱い作業性面から、
粘度が2〜300CPSのシアノアクリレート系接着剤が好適
である。
粘度が300CPS以上になると、吸引による流入に時間が
かかったり、流入が困難になり、全長にわたって接着剤
が均一分布しにくくなる。又、粘度が低すぎると接着を
コントロールすることが困難となり、又、接着剤の横溢
によるシャフトの汚染にも注意が必要となる。
第4図(イ),(ロ)は円筒状マグネット1へのシャ
フト2の取付け方法を示す説明図である。内径面に複数
条の溝3が刻設された連続した長尺状の円筒状マグネッ
トを所定長さに切断して所定形状の円筒状マグネット1
を作成した後、この円筒状マグネット1の一端、即ち、
シャフト2を挿入する側の反対側より圧縮ガス4を導入
し円筒状マグネット1の内径を押し拡げながらシャフト
2を挿入する。圧縮ガスとしては空気、窒素等の不活性
ガスが用いられるが、とくに空気が好ましく、その圧力
は3〜5kg/cm2程度が好適である。圧力が2kg/cm2より小
さいと、マグネットの性質にもよるが、圧縮ガスによる
円筒状マグネット1の拡開膨張が不十分でシャフト2の
挿入が困難となる。一方5kg/cm2より大きくなると円筒
状マグネットの膨張コントロールが難しくなる。
上記の如くしてシャフト2が挿入された後、圧縮ガス
4の導入を停止すると、圧縮ガス4により膨張していた
円筒状マグネット1は収縮し、シャフト2に固定され
る。
次ぎに、第4図(ロ)に示す如く円筒状マグネット1
とシャフト2間の一端を真空吸引しつつ他端より接着剤
5を流入せしめ真空吸引力によって接着剤5を溝3内に
案内流入させて円筒状マグネット1とシャフト2を強固
に接着固定させる。接着剤5は真空吸引されていること
から溝3内に迅速に導入され、接着剤5は溝全長にわた
って均一分布される。
シャフトが接着固定された円筒状マグネットに対して
は、所定の着磁が施され、マグネットロールとされる。
以下、本発明の成果を検証する為に行った試験につい
て、比較例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこ
れらにより何ら制限を受けるものではない。
試験1 ストロンチウムフェライト65体積%と軟質塩化ビニー
ル系樹脂35体積%からなるマグネット樹脂組成物のペレ
ットを押出機(池貝鉄工製65ミリ、L/D=22)により磁
場配向押出成形して外径13.6φ、内径5.4φの外形を有
する円筒状マグネットを作成し、この円筒状マグネット
をベースにして溝数及び溝深さを変化させた4極円筒状
マグネットを各種作成した。次に、このようにして作成
した各円筒状マグネットにシャフトを挿入する反対側よ
り4kg/cm2の圧縮空気を導入しながらシャフトを挿入し
た上で、圧縮空気導入側より350mmHg以下の真空吸引力
を達成できる吸引装置で円筒状マグネットとシャフト間
の溝を吸引しつつ、シャフト挿入側の溝に粘度40CPSの
シアノアクリレート系接着剤(東亜合成化学製アロンア
ルファー#241)を流入させシャフトを接着固定した。
そしてこのようにして作成した各マグネットロールに対
し、その円筒状マグネットの外面を保持具で固定した上
でシャフトに軸方向の引張り力を作用させ、シャフト固
定力を測定した。試験はそれぞれのマグネットロールを
10個ずつ作成しその平均値を算出した。結果を第1表に
示す。
同様に、溝数4個で溝深さ0.2mm,0.4mm,0.6mm,0.8mm
の円筒状マグネットにシャフトを挿入した後、粘度がそ
れぞれ2,40,100,200,300,500,800CPSのシアノアクリレ
ート系接着剤(東亜合成化学製アロンアルファー)を流
入固定し、粘度を変えた場合のシャフトの固定力を測定
した。結果を第2表に示す。又、他の条件を同一にして
吸引装置を使用しない状態で比較的粘度の低い接着剤を
流入固化させて比較用のマグネットロールを作成し、こ
のマグネットロールのシャフト固定力を測定した。測定
は各マグネットロールを10個ずつ作成し、その平均値を
算出した。結果を第3表に示す。
第1,2,3表から明らかなごとく、溝深さが0.2〜0.6mm,
溝個数が4〜8個,接着剤の粘度が2〜300CPSの場合
に、接着剤の流入もスムーズであり、且つ充分な接着固
定力が得られることがわかった。そして第3表に示す如
く、真空吸引しないものでは接着剤の流入は一応可能で
あるものの接着剤が溝全長に完全に流入するまでに多く
の時間を要することから、生産性に問題があり、量産に
は適さないこともわかった。
試験2 試験1に於いて作成した溝数4個、溝深さ0.4mm、接
着剤粘度40CPSのものに後着磁を行い、第5図に示すご
とき磁極配置となした4極のマグネットローラーを作成
して、表面磁束密度及び長手方向の磁束密度のバラツキ
並びに磁極の配置角度のバラツキを測定した。又、比較
の為に従来の製造方法により作成した2種類のマグネッ
トロールの表面磁束密度、長手方向の磁束密度のバラツ
キ、磁極の配置角度のバラツキも同時に測定した。従来
法1としては第6図に示す如く、4個のマグネット片を
接着剤を用いてシャフトに接着したものを採用し、又、
従来法2としては溝を有しない円筒状マグネットにシャ
フトを密嵌させたものを採用した。測定は各マグネット
ロールを10個ずつ作成し、その平均値を算出した。結果
第4表に示す。
第4表から明らかな如く、従来法1及び従来法2に比
べて本発明により得られたマグネットロールは長手方向
の磁力のバラツキが小さく、且つ、磁極の配置角度のバ
ラツキも小さいことがわかる。従来法1によって作成さ
れたマグネットロールに磁気特性のバラツキが多いの
は、分離したマグネット片を複数個用いていることか
ら、これら各マグネット片の磁気特性を一致させること
が困難であるとともに接合部における磁界分布を所定の
分布にすることが困難であるからであり、又、従来法2
によって作成したマグネットロールに磁気特性のバラツ
キが多いのは、円筒状マグネットにシャフトが密嵌され
ている為に、シャフト外面並びに円筒状マグネット内径
面の加工精度のバラツキがそのまま磁気特性のバラツキ
として反映し、しかも密嵌時にシャフトが円筒状マグネ
ットの内径面を削るからであると推測される。これらに
対し、本願発明の製造方法では円筒状マグネットは一体
である為、磁界分布の制御は容易であり、しかも円筒状
マグネットとシャフトとの固定は溝を通じて供給される
充分な量の接着剤によってなされる為、従来法2のよう
に円筒状マグネットにシャフトを密嵌状態で無理に押し
込んで固定する必要もなく、この結果、シャフト外面や
円筒状マグネット内径面の加工精度が多少劣っていても
このバラツキが磁気特性のバラツキとして直接反映する
こともなく、更にシャフトが円筒状マグネット内径面を
切削することもないから磁気特性に悪影響がでることは
ないのである。
〔発明の効果〕
叙上の通り、本発明によれば機械的強度に優れるとと
もに磁力の長手方向のバラツキや磁極の配置角度のバラ
ツキが共に小さい高品質のマグネットロールを提供する
ことができる。又、本発明は圧縮ガスにより円筒状マグ
ネットを押し拡げながらシャフトを挿入し、後から接着
固定するので、従来法のごとき削り屑や接着剤の食み出
しによる端部処理等の問題もなく、生産性を大巾に向上
させる。しかも、シャフトと円筒状マグネットは溝を通
じて供給される充分な量の接着剤によって確実に固定さ
れるものであるから、シャフト外形面並びに円筒状マグ
ネット内径面の加工精度は高度なものである必要はな
く、生産性を一層高めることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の製造方法により作成されたマグネット
ロールの1実施例の説明図、第2図は同実施例に用いら
れる円筒状マグネットの正面図、第3図は同円筒状マグ
ネットの部分拡大説明図、第4図(イ),(ロ)は円筒
状マグネットへのシャフトの挿入方法を示す説明図、第
5図は試験2において使用した本発明のマグネットロー
ルの正面図、第6図及び第7図は試験2において使用し
た従来法により製造したマグネットロールの正面図、第
8図及び第9図は従来のマグネットロールの説明図であ
る。 A:マグネットロール、 1:円筒状マグネット、 2:シャフト、3:溝、 4:圧縮ガス、5:接着剤、 a:円筒状マグネット、 a′:マグネット片、 b:シャフト。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボンデッドマグネット製の円筒状マグネッ
    トとシャフトから構成されるマグネットロールを製造す
    るに際し、円筒状マグネットの内径面における長手方向
    にその深さが0.2〜0.6mmに設定された溝を複数条刻設す
    るとともに、該円筒状マグネットの一端より圧縮ガスを
    導入し、その圧力により該マグネットの内径を拡開膨張
    させながら他端よりシャフトを挿入した後、一端より溝
    に沿って、流入時の粘度が2〜300CPSの接着剤を流入さ
    せつつ、他端よりこれを吸引し、接着剤を溝全長にわた
    って均一に分散させることでマグネットとシャフトを接
    着させることを特徴とするマグネットロールの製造方
    法。
  2. 【請求項2】シャフトが金属又はプラスチックからなる
    請求項1記載のマグネットロールの製造方法。
  3. 【請求項3】圧縮ガスが空気である請求項1又は請求項
    2記載のマグネットロールの製造方法。
  4. 【請求項4】円筒状ボンデッドマグネットが1.5メガガ
    ウスエルステッド以上の最大エネルギー積を有する請求
    項1〜請求項3のいずれかに記載のマグネットロールの
    製造方法。
  5. 【請求項5】接着剤がシアノアクリレート系からなる請
    求項1〜請求項4記載のいずれかに記載のマグネットロ
    ールの製造方法。
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