JPH08277290A - 新規キチナーゼ阻害物質及びその製造法 - Google Patents
新規キチナーゼ阻害物質及びその製造法Info
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Abstract
リン。 【効果】 キチナーゼ阻害活性を有する新規物質シクロ
−L−アルギニル−D−プロリンおよびその製造方法を
提供する。
Description
アルギニル−D−プロリンに関するものである。シクロ
−L−アルギニル−D−プロリンは、その優れたキチナ
ーゼ阻害能力により抗真菌剤、農薬として有用である。
等に幅広く分布している。甲殻類、昆虫類においては、
クチクラの主成分がキチンであり、脱皮、成長の過程
で、キチンの合成と分解が巧みに制御されていることが
知られている。また、カビ、酵母等の真菌類は、分裂及
び増殖の過程でキチンの合成と分解が制御されている。
キチナーゼは、キチンをN−アセチルキトビオースにま
で分解する酵素であり、この酵素が阻害剤によって阻害
されれば、甲殻類、昆虫類の脱皮、成長また、カビ、酵
母等の分裂、増殖に影響を与えることになる。すなわ
ち、キチナーゼは、この代謝系に関わる重要な酵素であ
り、キチナーゼに対する阻害剤は、新しいタイプの抗真
菌剤あるいは昆虫の成長制御剤になることが期待され
る。
アロサミジン及びその誘導体(バイオサイエンスとイン
ダストリー,作田庄平 51巻,18-23 1993年) 知られて
いる。
キチナーゼ活性を有する新規物質を提供することであ
る。
ゼ阻害活性を有する物質を種々の海洋性細菌の生産物よ
り探索した結果、シュードモナス属に属する微生物の生
産する、新規物質シクロ−L−アルギニル−D−プロリ
ンが高いキチナーゼを阻害活性を有することを見出し、
本発明を完成するに至った。
ル−D−プロリンである。また、本発明は、シュードモ
ナス属に属し、シクロ−L−アルギニル−D−プロリン
生産能を有する微生物を培地で培養し、培養物からシク
ロ−L−アルギニル−D−プロリンを採取することを特
徴とするシクロ−L−アルギニル−D−プロリンの製造
方法である。
L−アルギニル−D−プロリンの理化学的性質は以下の
通りである。 1.色性状:無色 2.分子量:253 3.分子式:C11H19N5O2 4.IRスペクトルνmax(KBr, cm-1) : 3424, 1673, 1
458, 1205, 1137 5.水素核磁気共鳴スペクトル(重水中,pD3.0, δpp
m) : 1.77(m,2H),1.92(m,2H), 1.99(m,2H), 2.13(m,1
H), 2.41(m,1H), 3.29(t,2H), 3.62(m,2H), 4.08(t,1
H), 4.43(t,1H) 6.炭素核磁気共鳴スペクトル(重水中,pD3.0, δpp
m) : 24.0, 26.4,30.8, 32.7, 43.0, 48.3, 59.1, 60.
8, 159.4, 170.2, 174.0 7. 高分解能質量分析スペクトル: HR FABMS m/z 254.
1627[(M+H)+](計算値:254.1617) 8.旋光度[α]D 29 +42.0(c0.24, H2O) シクロ−L−アルギニル−D−プロリンを生産する菌株
としては、例えば、IZ208株を挙げることができる。
地は、マリンアガー(Bacto MarineAgar 2216 (Difco社
製) )あるいはマリンブロス(Bacto Marine Broth 221
6 (Difco社製) )を用いた。これらの培地に植菌し30℃
で24から48時間培養し、光学顕微鏡及び透過型電子顕微
鏡を用いて形態観察を行った。 (1)形態(好気的条件下) 細胞の形及び大きさ : 曲がりのない桿菌、大きさ
0.8×2.1 μm 細胞多形成の有無 : なし 運動性 : あり 鞭毛の着生状態 : あり、極毛性 胞子の有無 : なし グラム染色性 : 陰性 (2)各培地における生育状態 マリンアガー平板培養 : 良好に生育、コロニーは、
円形、凸円状、全縁、湿光、不透明乳白色 マリンアガー斜面培養 : 良好に生育、糸状、乳白色 マリンブロス培養 : 良好に生育、培養液は均一に濁
る。
しない。 (3)生理学的性質 硝酸塩の還元 : 還元しない。 硝酸呼吸 : 硝酸呼吸しない。 インドールの生成 : 生成しない。
I培地) でんぷんの分解 : 加水分解する。 クエン酸の利用 : Simmons培地 利用する : Cristensen培地 利用する 無機窒素源の利用 : 利用する。
の生成なし。) ウレアーゼ活性 : 陰性 オキシダーゼ活性 : 陽性 カタラーゼ活性 : 陽性 生育の範囲(温度、pH): 温度4〜50℃、pH5〜
10 酸素に対する態度 : 好気性 O−Fテスト : 酸性化 メチルレッド試験 : 陰性 VP反応 : 陰性 糖類から酸及びガスの生成の有無 30℃、1週間培養後 酸の生成 ガスの生成 L−アラビノース − − D−キシロース − − D−グルコース + − D−マンノース − − D−フラクトース + − 麦芽糖 + − ショ糖 − − 乳糖 − − トレハロース − − D−ソルビット − − D−マンニット + − イノシット − − グリセリン + − デンプン + − −:生成せず, +:生成する エスクリンの分解 : 陰性 アルギニンの分解 : 陰性 DNAの分解 : 分解しない PHBの蓄積 : 蓄積しない 好塩性試験 : 0〜7%の範囲で生育 ONPGテスト : 陰性 Tween80 分解性 : 陰性 レシチナーゼ活性 : 陰性 GC含量 : 65.9mol% イソプレノイドキノン : 主たるキノン ユビ
キノン Q9 マイナーなキノン ユビキノン Q8 以上の菌学的性質からバージーズ・マニュアル・オブ・
デターミネイティブ・バクテリオロジー第8版の分類基
準に従って公知の菌株と比較した結果、本菌株は、シュ
ードモナス属に属すると考えられ、本菌株をシュードモ
ナスsp.IZ208株と同定し、平成7年1月19日付で工業技
術院生命工学工業技術研究所に寄託した(FERM P-1473
8) 。
は、シュードモナス属に属し、シクロ−L−アルギニル
−D−プロリン生産能を有する微生物を培地で培養し、
その培養物から得ることができる。シクロ−L−アルギ
ニル−D−プロリン生産能を有する微生物としては、シ
ュードモナス属に属する微生物であれば、いずれの菌株
でも用いることができる。また、これら微生物の人工的
変異方法、例えば紫外線照射、X線照射、変異誘起剤処
理など、あるいは自然発生による変異株、また遺伝子操
作、細胞融合による変異株でもシクロ−L−アルギニル
−D−プロリンを生産するものであればいずれも本発明
を用いることができる。このようなシクロ−L−アルギ
ニル−D−プロリン生産能を有する菌株を選定するに
は、実施例に示すように菌株の培養物を取り出し、その
キチナーゼ阻害活性を測定することにより行うことがで
きる。シクロ−L−アルギニル−D−プロリン生産株の
うち、代表的な株としては、シュードモナスsp.IZ 208
株を挙げることができる。
れる培地で培養し、生産されるシクロ−L−アルギニル
−D−プロリンを常法により分離、精製することができ
る。まず培養法について述べる。キチナーゼ阻害活性を
もつ微生物の培養には通常の培養方法を用いることがで
きる。培地としては資化可能な炭素源、窒素源、無機物
および必要な生育、生産促進物質を程よく含有する培地
であれば合成培地、天然培地いずれでも使用可能であ
る。炭素源としては、グルコース、澱粉、デキストリ
ン、マンノース、フラクトース、シュークロース、ラク
トース、キシロース、アラビノース、マンニトール、糖
蜜などを単独または組み合わせて用いられる。更に、菌
の資化能によっては炭化水素、アルコール類、有機酸な
ども用いられる。窒素源としては塩化アンモニウム、硝
酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉
エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スチーブ・リ
カー、大豆粉、カザミノ酸などが単独または組み合わせ
て用いられる。そのほか、食塩、塩化カリウム、硫酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素カリウム、
リン酸水素二カリウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、
硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅などの無機塩類や海水
を必要に応じて加える。更に使用菌の生育やシクロ−L
−アルギニル−D−プロリンの生産を促進する微量成分
を適当に添加することができる。
れるが、液体培養法、とくに深部攪拌培養法がもっとも
適している。培養温度は16〜37℃、特に22〜30℃が適当
であり、培養中の培地のpHはアンモニア水や炭酸アン
モニウム溶液、塩酸溶液などを添加して、4〜10、特に
6〜8に維持することが望ましい。液体培地で通常1〜
8日培養をおこなうと、目的物質のシクロ−L−アルギ
ニル−D−プロリンが菌体外に生成される。培養物中の
生成量が最大に達したときに培養を停止する。
プロリンの分離、精製は、微生物代謝産物をその培養物
から単離精製するために常用される方法に従っておこな
われる。例えば培養物を濾過により培養濾液と菌体に分
け、培養ろ液の脂溶性画分を有機溶剤(例えば、ヘキサ
ン、ベンゼン、クロロホルム、アセトン、エーテル、酢
酸エチルなど)で取り除く。ついで、活性炭、イオン交
換クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相カラムクロマト
グラフィー等でシクロ−L−アルギニル−D−プロリン
を分離、精製する。
は、合成法によっても製造することができる。すなわ
ち、保護基を有するL−アルギニンとD−プロリンをD
CC法等によって縮合し、脱保護、環化反応を行うこと
で製造することができる。キチナーゼの阻害活性は、シ
ャーレー変法等の既知の方法(キチン、キトサン実験マ
ニュアル、キチン、キトサン研究会編, p109-120) 又
は、キチナーゼ阻害物質の検定法(特願平6-237650号明
細書) により測定することができる。
ロリンは、例えばカンジダ症治療剤として利用できる。
カンジダ アルビカンスは、酵母型と糸状型の二つの形
態をとり、酵母型は病原性がないのに対し、糸状型は病
原性があることから、糸状型への形態の変化を阻害すれ
ばカンジダ症治療剤としての効果が期待できる。本発明
化合物へのカンジダ アルビカンスへの影響は、カンジ
ダ アルビカンスを本発明化合物を含む培地中で培養
し、その形態変化を顕微鏡で観察することで判定でき
る。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。 [実施例1]ペプトン5g/L、酵母エキス1g/L、
グルコース5g/L、りん酸第二鉄0.01g/L、天然海
水1000mlの組成を有する培養培地(殺菌前pH7.5) 150
mlを500ml フラスコに加え、これにシュードモナスsp.I
Z 208 株を種菌として植菌し、25℃, 72時間振盪培養し
た。
し、培養上清を得た。上清を酢酸エチル(1000ml) で二
層分配し、酢酸エチル層と水層を得た。水層を活性炭
(和光純薬製)を充填したカラムに付し、水洗後、2N
酢酸を用いて溶出した。得られた溶出画分を減圧濃縮し
て10mlとし、HP-20 カラム(三菱化成社製)に付し、分
画を行った。活性画分を減圧濃縮して10mlとし、HW-40
(東ソー製) カラムに付し、分画を行った。活性画分を
2mlに減圧濃縮し、ODSカラム(ナカライテスク社
製) を用いたHPLCで、水(0.1%TFA含有)から
10%アセトニトリル水溶液(0.1%TFA含有)のグラ
ジェント溶出(30分間)によって展開した結果、28分に
活性画分が認められ分取した。分取画分を減圧濃縮して
シクロ−L−アルギニル−D−プロリン5mgを得た。 [実施例2]塩化メチレン溶液4ml中にN−α−t−ブ
トキシカルボニル−N−ω−メトキシ−2,3,6−ト
リメチルベンゼンスルフォニル−L−アルギニン487mg
を溶解後、D−プロリンベンジルエステル塩酸塩242mg
とトリエチルアミン0.17mlを加え攪拌後、N,Nジクロ
ロヘキシルカルボジイミド227mg を加え室温で2時間攪
拌した。反応液は減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル0.1ml
を加え、固形物をろ過により除去後、減圧濃縮し、エー
テル−石油エーテル2mlから結晶化することで、N−α
−t−ブトキシカルボニル−N−ω−メトキシ−2,
3,6−トリメチルベンゼンスルフォニル−L−アルギ
ニル−D−プロリンベンジルエステルを572 mgを得た。
−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルフォ
ニル−L−アルギニル−D−プロリンベンジルエステル
404mgをトリフルオロ酢酸とアニソールの9対1混合溶
液1mlに加え50℃で90分攪拌した。反応液を減圧濃縮
後、生じた油状成分に水3mlを加え、トリエチルアミン
でpH6.0に調整後80℃で16時間攪拌した。反応液を減
圧濃縮後、イソプロパノールと水の3対1溶液から結晶
化することで、シクロ−L−アルギニル−D−プロリン
115mg(収率76%) を得た。 [実施例3]キチナーゼ阻害活性試験は、キチナーゼ阻
害物質の検定法(特願平6-23765)に従って行った。イカ
由来のキチンを含んだ寒天培地に、キチナーゼ産生菌Se
rratia marcescens ATCC990 の菌液を塗布し、その寒天
培地上にシクロ−L−アルギニル−D−プロリンを含む
ペーパーディスクをのせ、24℃、48時間静置した。その
後、ペーパーディスクのまわりに残存するキチンの直径
を測定し、活性を測定した。結果を下表に示す。
h (Difco社製) を用いて培養を行い、シクロ−L−アル
ギニル−D−プロリンを加えた場合と加えない場合との
形態の観察を行った。その結果、シクロ−L−アルギニ
ル−D−プロリンを加えない場合は、培養24時間後に酵
母型から菌糸型への形態変化を起こしたが、シクロ−L
−アルギニル−D−プロリンを6μg/disk以上の濃度に
して培養すると、カンジダ アルビカンスIFO 1060は、
酵母型から、菌糸型への形態変化を起こさなかった。
る新規物質シクロ−L−アルギニル−D−プロリンおよ
びその製造方法が提供される。
Claims (2)
- 【請求項1】 次式(I): 【化1】 で表される新規物質シクロ−L−アルギニル−D−プロ
リン。 - 【請求項2】 シュードモナス属に属し、シクロ−L−
アルギニル−D−プロリン生産能を有する微生物を培地
で培養し、培養物からシクロ−L−アルギニル−D−プ
ロリンを採取することを特徴とするシクロ−L−アルギ
ニル−D−プロリンの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08108095A JP3858061B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | 新規キチナーゼ阻害物質及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08108095A JP3858061B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | 新規キチナーゼ阻害物質及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08277290A true JPH08277290A (ja) | 1996-10-22 |
| JP3858061B2 JP3858061B2 (ja) | 2006-12-13 |
Family
ID=13736421
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08108095A Expired - Lifetime JP3858061B2 (ja) | 1995-04-06 | 1995-04-06 | 新規キチナーゼ阻害物質及びその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3858061B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20130190177A1 (en) * | 2010-07-15 | 2013-07-25 | Kongju National University Industry- University Cooperation Foundation | Agricultural agent containing 2,5-diketopiperazine derivative as active ingredient |
-
1995
- 1995-04-06 JP JP08108095A patent/JP3858061B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20130190177A1 (en) * | 2010-07-15 | 2013-07-25 | Kongju National University Industry- University Cooperation Foundation | Agricultural agent containing 2,5-diketopiperazine derivative as active ingredient |
Also Published As
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|---|---|
| JP3858061B2 (ja) | 2006-12-13 |
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