JPH0885582A - エアゾール用金属缶体及びその製造方法 - Google Patents

エアゾール用金属缶体及びその製造方法

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JPH0885582A
JPH0885582A JP6224358A JP22435894A JPH0885582A JP H0885582 A JPH0885582 A JP H0885582A JP 6224358 A JP6224358 A JP 6224358A JP 22435894 A JP22435894 A JP 22435894A JP H0885582 A JPH0885582 A JP H0885582A
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昌 飯田
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    • B65D83/00Containers or packages with special means for dispensing contents
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    • B65D83/38Details of the container body

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Abstract

(57)【要約】 【目的】ジメチルエーテルを含むエアゾール組成物に対
する耐食性に優れたエアゾール用金属缶体及びその製造
方法を提供する。 【構成】缶胴部4の内面側全面にエポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシエステル樹脂の1
種以上を主成分とし、フェノール樹脂またはアミノ樹脂
の硬化剤を含む熱硬化型樹脂のベースコート層6を設け
る。その上にイソシアネート熱硬化型ポリエステル樹脂
またはエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂のトップコー
ト層7を設ける。トップコート層7は30〜80μmの
厚さである。トップコート層7は前記樹脂の粉体塗料で
形成される。ベースコート層6は3〜10μmの厚さで
ある。エアゾール用金属缶体1は、缶胴部4の内面側全
面にベースコート層6を形成し、その上に前記粉体塗料
により前記厚さのトップコート層7を形成することによ
り製造する。前記粉体塗料の粒子径は25〜50μmで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殺虫剤や整髪料等のエ
アゾール組成物を収容するエアゾール用金属缶体に関す
るものであり、さらに詳しくはスプレーするときに気化
する成分としてジメチルエーテルを含むエアゾール組成
物を収容するエアゾール用金属缶体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、殺虫剤や整髪料等のエアゾール
組成物を収容するエアゾール用金属缶体では、前記エア
ゾール組成物に含まれる殺虫剤や整髪料等の有効成分及
びスプレー時に気化して前記有効成分のエアゾールを形
成する成分(以下、プロペラントと略記する)による基
体金属の腐食を防止するために、合成樹脂の塗膜が設け
られている。
【0003】従来のエアゾール組成物では前記プロペラ
ントとして反応性が極めて低いフロンが使用されてお
り、このようなエアゾール組成物を収容するために缶内
面側にエポキシ・フェノール系樹脂またはエポキシ・ア
クリル系樹脂からなる単独の塗膜を設けたエアゾール用
金属缶体が知られている。ところが、近年、フロンは地
球のオゾン層を破壊する作用があることが指摘され、そ
の使用が禁じられつつある。このため、前記プロペラン
トとしてフロンに変えてLPGやジメチルエーテルが使
用されるようになり、特にヘア・ムース等の整髪料のエ
アゾール組成物にはジメチルエーテルが使用される傾向
がある。
【0004】しかしながら、前記エポキシ・フェノール
系樹脂またはエポキシ・アクリル系樹脂からなる単独の
塗膜はジメチルエーテルのために膨潤するので、前記プ
ロペラントとしてジメチルエーテルを使用すると、基体
金属のエアゾール組成物に対する耐食性が低下するとの
不都合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる不都
合を解消して、プロペラントとしてジメチルエーテルを
含むエアゾール組成物に対して優れた耐食性を有するエ
アゾール用金属缶体及びその製造方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のエアゾール用金
属缶体は、かかる目的を達成するために、スプレーする
ときに気化する成分としてジメチルエーテルを含むエア
ゾール組成物を収容するエアゾール用金属缶体であっ
て、少なくとも缶胴部の内面側全面にエポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシエステル樹脂
からなる群から選択される1種以上の樹脂を主成分と
し、硬化剤としてフェノール樹脂またはアミノ樹脂を含
む熱硬化型樹脂からなるベースコート層を設け、該ベー
スコート層の上にイソシアネート熱硬化型ポリエステル
樹脂またはエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂からなる
トップコート層を設けてなることを特徴とする。
【0007】前記トップコート層のイソシアネート熱硬
化型ポリエステル樹脂またはエステル変成熱硬化型エポ
キシ樹脂は、それ自体ジメチルエーテルに膨潤しにくい
樹脂であるが、前記エアゾール用金属缶体に収容された
エアゾール組成物中に含まれるジメチルエーテルと長期
間接触したときに基体金属の耐食性を確保するためには
30〜80μmの範囲の厚さに塗装することが望まし
い。前記トップコート層の厚さが30μm未満では塗装
の際にピンホールが生じる虞れがあり、80μmより厚
くすると加工性が低下する。
【0008】前記トップコート層は、前記の範囲の厚さ
に塗装するために、前記イソシアネート熱硬化型ポリエ
ステル樹脂またはエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂の
粉体塗料により形成される。溶剤系塗料を用いて前記ト
ップコート層を前記の範囲の厚さに塗装しようとする
と、例えばロールコート等により重ね塗りを行わなけれ
ばならず、また前記の範囲の厚さでは、焼付けの際に溶
剤が気化、発泡し、形成される塗膜(トップコート層)
に欠陥が生じる虞れがある。これに対して、粉体塗料に
よるときには、1回の塗装で前記範囲の厚さとすること
ができ、また塗膜に欠陥が生じる虞れがないので好まし
い。
【0009】前記イソシアネート熱硬化型ポリエステル
樹脂またはエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂は基体金
属に対する密着性が低いので、十分な密着性を確保する
ために、前記トップコート層は前記基体金属との間に前
記熱硬化型樹脂からなるベースコート層を介在させて3
〜10μmの範囲の厚さに形成する。前記ベースコート
層を形成する熱硬化型樹脂として、例えば、エポキシ・
フェノール系熱硬化型樹脂、エポキシ・アミノ樹脂、ポ
リエステル・アミノ樹脂、ポリエステル・アクリル・ア
ミノ樹脂等を挙げることができる。
【0010】本発明のエアゾール用金属缶体は、少なく
とも金属缶胴部の内面側全面にエポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、エポキシエステル樹脂からな
る群から選択される1種以上の樹脂を主成分とし、硬化
剤としてフェノール樹脂またはアミノ樹脂を含む熱硬化
型樹脂からなる塗料によりベースコート層を形成するベ
ースコート層形成工程と、前記ベースコート層の上にイ
ソシアネート熱硬化型ポリエステル樹脂またはエステル
変成熱硬化型エポキシ樹脂の粉体塗料により30〜80
μmの範囲の厚さのトップコート層を形成するトップコ
ート層形成工程とを有する製造方法により製造すること
ができる。
【0011】前記粉体塗料はその粒子の直径が25〜5
0μmの範囲にあるものが用いられる。
【0012】
【作用】前記構成を有する本発明のエアゾール用金属缶
体によれば、トップコート層がイソシアネート熱硬化型
ポリエステル樹脂またはエステル変成熱硬化型エポキシ
樹脂からなるので、ジメチルエーテルを含むエアゾール
組成物により膨潤されることがなく、該エアゾール組成
物による基体金属の腐食が防止される。また、前記トッ
プコート層と、基体金属との間には、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシエステル樹脂
からなる群から選択される1種以上の樹脂を主成分と
し、硬化剤としてフェノール樹脂またはアミノ樹脂を含
む熱硬化型樹脂からなるベースコート層を有するので、
該ベースコート層を介して前記トップコート層と前記基
体金属との密着性が確保される。
【0013】前記トップコート層は、30〜80μmの
範囲の厚さを有することにより、エアゾール組成物中に
含まれるジメチルエーテルと長期間接触しても、ジメチ
ルエーテルにより膨潤しにくく、基体金属の耐食性が確
保される。また、前記トップコート層は、前記イソシア
ネート熱硬化型ポリエステル樹脂またはエステル変成熱
硬化型エポキシ樹脂の粉体塗料から形成されることによ
り、容易に前記範囲の厚さが得られる。
【0014】前記ベースコート層は、3〜10μmの範
囲の厚さを有することにより、前記トップコート層と前
記基体金属との密着性が確保され、また該ベースコート
層自体もジメチルエーテルにより膨潤しにくくなる。即
ち、ベースコート層の厚さが3μm未満では前記トップ
コート層を前記基体金属に密着させる効果が不十分にな
ると共に、該ベースコート層自体がジメチルエーテルに
膨潤し易くなり前記基体金属の前記エアゾール組成物に
対する耐食性が不十分になる。また、前記ベースコート
層の厚さが10μmより厚くなると、加工性が低下す
る。
【0015】本発明の製造方法では、少なくとも缶胴部
の内面側全面に前記ベースコート層を形成したのち、前
記ベースコート層の上にイソシアネート熱硬化型ポリエ
ステル樹脂またはエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂の
トップコート層を形成することにより、該トップコート
層が前記ベースコート層を介して前記缶胴部に確実に密
着する。また、前記トップコート層は前記樹脂の粉体塗
料を塗装することにより、容易に30〜80μmの範囲
の厚さが得られる。前記粉体塗料は、その粒子の直径が
25〜50μmの範囲にあることにより、適正な加工性
が得られ、形成されるトップコート層にピンホールが発
生することがない。即ち、粉体塗料の粒子の直径が25
μm未満ではピンホールが発生する虞れがあり、50μ
mより大きいと加工性が低下する。
【0016】
【実施例1】次に、添付の図面を参照しながら本発明の
エアゾール用金属缶体及びその製造方法についてさらに
詳しく説明する。図1は本発明のエアゾール用金属缶体
の缶胴部の断面図であり、図2は本発明のエアゾール用
金属缶体の製造方法を示す部分斜視図、図3は図2のI
II−III線断面図であり、図4は本発明のエアゾー
ル用金属缶体の製造方法を示す説明的断面図である。
【0017】図1示のように、本発明のエアゾール用金
属缶体1は、板厚0.2mm、錫めっき量1.0g/m
2 の錫めっき鋼板2の両側端縁部3,3を重ね合わせて
溶接接合してなる溶接缶体である。その缶胴部4の内面
側には溶接接合部5を除いて、熱硬化型樹脂からなる塗
膜6aが設けられており、溶接接合部5には塗膜6aと
同じ熱硬化型樹脂からなる被覆補正6bが施され、塗膜
6a及び被覆補正6bにより缶胴部4の内面側全面を被
覆するベースコート層6が形成されている。本実施例で
は、前記ベースコート層6は、エポキシ・フェノール系
熱硬化型樹脂からなり厚さ5μmに形成されている。そ
して、ベースコート層6の上にイソシアネート熱硬化型
ポリエステル樹脂からなるトップコート層7が設けら
れ、ベースコート層6とトップコート層7とにより合計
51μmの厚さの塗膜が形成されている。
【0018】また、缶胴部4の外面側には溶接接合部5
を除いて、アクリル系クリア樹脂からなる外面塗装8が
施され、溶接接合部5には缶内面側と同じ被覆補正6b
が施されている。
【0019】図1示のエアゾール用溶接缶体1は、次の
ようにして製造した。
【0020】まず、図2示のように、前記錫めっき鋼板
2の缶内面となる側に、缶胴ブランク9の両側端縁部3
となる部分3aを除いてエポキシ・フェノール系熱硬化
型樹脂の溶剤型塗料をロールコートし、該錫めっき鋼板
2をオーブンに通して205℃で10分間加熱して焼付
けを行い、厚さ5μmの塗膜6aを形成する。次に、錫
めっき鋼板2の缶外面となる側に塗膜6aと同様にして
アクリル系クリア樹脂を塗装し、焼付けして外面塗装8
を形成する。
【0021】次に、前記錫めっき鋼板2を図2及び図3
に示す仮想線に従って、所定の大きさに裁断し、複数の
缶胴ブランク9を得る。
【0022】次に、図4示のように、缶胴ブランク9を
丸めて、前記塗膜6aが施されていない両側端縁部3,
3を重ね合わせ、公知の溶接機を用いて該重ね合わせ部
分を溶接接合し、円筒状の缶胴部4を形成する。次い
で、図1示のように、前記円筒状の缶胴部4の溶接接合
部5の内外面側に前記エポキシ・フェノール系熱硬化型
樹脂の溶剤型塗料をロールコートまたはスプレーコート
し、該缶胴部4をオーブンに通して200℃で60秒間
加熱して焼付けを行うことにより被覆補正6bを施し、
塗膜6aと被覆補正6bとにより缶胴部4の内面側全面
を被覆するベースコート層6を形成する。
【0023】次に、缶胴部4の内面側全面にイソシアネ
ート熱硬化型ポリエステル樹脂の粉体塗料(粒子径32
μm)を塗布し、該缶胴部4をオーブンに通して210
℃で2分間加熱して焼付けを行ってトップコート層7を
形成し、図1示の構成の缶胴部4を得る。缶胴部4の内
面側には、ベースコート層6とトップコート層7とによ
り合計51μmの厚さの塗膜が形成されている。
【0024】次に、前記円筒状の缶胴部4の両端にフラ
ンジ加工を施し、一方の端部には内面側がポリエチレン
テレフタレートフィルムでラミネートされた底蓋を二重
巻締めにより取着した。また、他方の端部には内面側が
ポリエチレンテレフタレートフィルムでラミネートされ
たマウンテンキャップを二重巻締めにより取着し、エア
ゾール用溶接缶体(図示せず)を完成した。
【0025】次に、前記溶接缶体に、内容物のモデルと
して、純水100ミリリットル、エタノール10ミリリ
ットル、微量の界面活性剤、プロペラントとしてのジメ
チルエーテル10gからなる組成物を収容して、密封し
た。前記溶接缶体を、45℃で3か月保存したのち開封
し、トップコート層7及びベースコート層6の錫めっき
鋼板2に対する密着性、トップコート層7及びベースコ
ート層6の膨潤状態、ピンホールの発生の有無、耐食性
の程度を目視により評価した。尚、前記ピンホールの有
無は、外観を目視により判定すると共に、エナメルレー
タバリュー値を測定して評価した。結果を表1に示す。
【0026】
【実施例2】実施例1のイソシアネート熱硬化型ポリエ
ステル樹脂に変えてエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂
の粉体塗料(粒子径30μm)によりトップコート層7
を形成し、ベースコート層6とトップコート層7とによ
り合計58μmの厚さの塗膜を形成するようにした以外
は、実施例1と同様にしてエアゾール用溶接缶体を得
た。本実施例の溶接缶体のトップコート層7及びベース
コート層6の錫めっき鋼板2に対する密着性、トップコ
ート層7及びベースコート層6の膨潤状態、ピンホール
の発生の有無、耐食性の程度を実施例1と同様にして評
価した。結果を表1に示す。
【0027】
【実施例3】実施例1のエポキシ・フェノール系熱硬化
型樹脂に変えてポリエステル・アミノ樹脂により厚さ5
μmのベースコート層6を形成し、トップコート層7と
の合計で70μmの厚さの塗膜を形成するようにした以
外は、実施例1と同様にしてエアゾール用溶接缶体を得
た。本実施例の溶接缶体のトップコート層7及びベース
コート層6の錫めっき鋼板2に対する密着性、トップコ
ート層7及びベースコート層6の膨潤状態、ピンホール
の発生の有無、耐食性の程度を実施例1と同様にして評
価した。結果を表1に示す。
【0028】
【実施例4】実施例3のイソシアネート熱硬化型ポリエ
ステル樹脂に変えてエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂
の粉体塗料(粒子径30μm)によりトップコート層7
を形成し、ベースコート層6とトップコート層7とによ
り合計70μmの厚さの塗膜を形成するようにした以外
は、実施例3と同様にしてエアゾール用溶接缶体を得
た。本実施例の溶接缶体のトップコート層7及びベース
コート層6の錫めっき鋼板2に対する密着性、トップコ
ート層7及びベースコート層6の膨潤状態、ピンホール
の発生の有無、耐食性の程度を実施例1と同様にして評
価した。結果を表1に示す。
【0029】
【実施例5】実施例3のポリエステル・アミノ樹脂に変
えてポリエステル・アクリル・アミノ樹脂により厚さ5
μmのベースコート層6を形成し、トップコート層7と
の合計で70μmの厚さの塗膜を形成するようにした以
外は、実施例3と同様にしてエアゾール用溶接缶体を得
た。本実施例の溶接缶体のトップコート層7及びベース
コート層6の錫めっき鋼板2に対する密着性、トップコ
ート層7及びベースコート層6の膨潤状態、ピンホール
の発生の有無、耐食性の程度を実施例1と同様にして評
価した。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1中、実施例2の溶接缶体ではトップコ
ート層7及びベースコート層6にやや膨潤が認められた
が、実用上問題とはならない程度であった。
【0032】
【比較例1】実施例1において、トップコート層7を形
成せず、エポキシ・フェノール系熱硬化型樹脂により厚
さ20μmのベースコート層6に相当する塗膜を単独で
形成した以外は、実施例1と同様にしてエアゾール用溶
接缶体を得た。本比較例の溶接缶体の前記塗膜の錫めっ
き鋼板に対する密着性、膨潤状態、ピンホールの発生の
有無、耐食性の程度を実施例1と同様にして評価した。
結果を表2に示す。
【0033】
【比較例2】実施例3において、トップコート層7を形
成せず、ポリエステル・アミノ樹脂により厚さ20μm
のベースコート層6に相当する塗膜を単独で形成した以
外は、実施例3と同様にしてエアゾール用溶接缶体を得
た。本比較例の溶接缶体の前記塗膜の錫めっき鋼板に対
する密着性、膨潤状態、ピンホールの発生の有無、耐食
性の程度を実施例1と同様にして評価した。結果を表2
に示す。
【0034】
【比較例3】実施例5において、トップコート層7を形
成せず、ポリエステル・アクリル・アミノ樹脂により厚
さ20μmのベースコート層6に相当する塗膜を単独で
形成した以外は、実施例5と同様にしてエアゾール用溶
接缶体を得た。本比較例の溶接缶体の前記塗膜の錫めっ
き鋼板に対する密着性、膨潤状態、ピンホールの発生の
有無、耐食性の程度を実施例1と同様にして評価した。
結果を表2に示す。
【0035】
【比較例4】実施例1において、ベースコート層6を形
成せず、イソシアネート熱硬化型ポリエステル樹脂によ
り厚さ30μmのトップコート層7に相当する塗膜を単
独で形成した以外は、実施例1と同様にしてエアゾール
用溶接缶体を得た。本比較例の溶接缶体の前記塗膜の錫
めっき鋼板に対する密着性、膨潤状態、ピンホールの発
生の有無、耐食性の程度を実施例1と同様にして評価し
た。結果を表2に示す。
【0036】
【比較例5】実施例2において、ベースコート層6を形
成せず、エステル変成熱硬化型エポキシ樹脂により厚さ
30μmのトップコート層7に相当する塗膜を単独で形
成した以外は、実施例2と同様にしてエアゾール用溶接
缶体を得た。本比較例の溶接缶体の前記塗膜の錫めっき
鋼板に対する密着性、膨潤状態、ピンホールの発生の有
無、耐食性の程度を実施例1と同様にして評価した。結
果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】表1から、本発明の各実施例のエアゾール
用金属缶体によれば、優れた密着性を有するトップコー
ト層7が得られ、前記エアゾールのモデル組成物にジメ
チルエーテルを10gまで添加してもトップコート層7
及びベースコート層6が全く膨潤しないか、膨潤しても
極く僅かで実用上問題なく、ピンホール及び基体金属の
腐食がなく優れた耐食性を有することが明らかである。
【0039】一方、表2から、ベースコート層6に相当
する塗膜のみを単独で設けた比較例1〜3のエアゾール
用金属缶体では、該塗膜は密着性に優れ、ピンホールは
認められないか極く僅かであるものの、前記エアゾール
のモデル組成物に10gのジメチルエーテルを添加した
だけで前記塗膜が著しく膨潤し、基体金属である錫めっ
き鋼板に十分な耐食性が得られないことが明らかであ
る。また、トップコート層7に相当する塗膜のみを単独
で設けた比較例4または比較例5のエアゾール用金属缶
体では、該塗膜は、ピンホールは認められないか極く僅
かであるものの、十分な密着性が得られない上、前記エ
アゾールのモデル組成物に10gのジメチルエーテルを
添加しただけで前記塗膜が著しく膨潤し、基体金属であ
る錫めっき鋼板に十分な耐食性が得られないことが明ら
かである。
【0040】尚、前記各実施例では、エアゾール用金属
缶体として溶接缶体を用いているが、本発明のエアゾー
ル用金属缶体は内面塗装を必要とする金属缶体であれば
どのようなものであってもよい。また、溶接缶体を形成
するときに用いる基体鋼板は、溶接性及び耐食性に優れ
ている点から錫めっき鋼板が好ましく、板厚0.15〜
0.30mmのものが適している。
【0041】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
のエアゾール用金属缶体によれば、トップコート層がイ
ソシアネート熱硬化型ポリエステル樹脂またはエステル
変成熱硬化型エポキシ樹脂からなるのでジメチルエーテ
ルを含むエアゾール組成物による膨潤を防止することが
でき、また該トップコート層がエポキシ樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリル樹脂、エポキシエステル樹脂からな
る群から選択される1種以上の樹脂を主成分とし、硬化
剤としてフェノール樹脂またはアミノ樹脂を含む熱硬化
型樹脂からなるベースコート層上に設けられているの
で、該ベースコート層により前記トップコート層と前記
基体金属との密着性を確保することができる。
【0042】前記トップコート層は、30〜80μmの
範囲の厚さを有することにより、ジメチルエーテルによ
る膨潤を確実に防止することができる。また、前記トッ
プコート層は、前記イソシアネート熱硬化型ポリエステ
ル樹脂またはエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂の粉体
塗料から形成されることにより、容易に前記範囲の厚さ
とすることができる。
【0043】前記ベースコート層は、3〜10μmの範
囲の厚さを有することにより、前記トップコート層と前
記基体金属との密着性を確保することができ、また該ベ
ースコート層自体をジメチルエーテルにより膨潤しにく
くすることができる。
【0044】本発明の製造方法によれば、少なくとも缶
胴部の内面側全面に前記ベースコート層を形成したの
ち、前記ベースコート層の上にイソシアネート熱硬化型
ポリエステル樹脂またはエステル変成熱硬化型エポキシ
樹脂の粉体塗料を塗装することにより、密着性に優れ、
30〜80μmの範囲の厚さを有するトップコート層が
容易に得られ、前記構成のエアゾール用金属缶体を得る
ことができる。前記粉体塗料は、その粒子の直径が25
〜50μmの範囲にあることにより、適正な加工性を得
ることができ、形成されるトップコート層のピンホール
発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアゾール用金属缶体の缶胴部の断面
図。
【図2】本発明のエアゾール用金属缶体の製造方法を示
す部分斜視図。
【図3】図2のIII−III線断面図。
【図4】本発明のエアゾール用金属缶体の製造方法を示
す説明的断面図。
【符号の説明】
1…エアゾール用金属缶体、2…錫めっき鋼板、3…両
側端縁部、4…缶胴部、5…溶接接合部、6…ベースコ
ート層、7…トップコート層、9…缶胴ブランク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/22 R 7415−4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スプレーするときに気化する成分としてジ
    メチルエーテルを含むエアゾール組成物を収容するエア
    ゾール用金属缶体であって、 少なくとも缶胴部の内面側全面にエポキシ樹脂、ポリエ
    ステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシエステル樹脂から
    なる群から選択される1種以上の樹脂を主成分とし、硬
    化剤としてフェノール樹脂またはアミノ樹脂を含む熱硬
    化型樹脂からなるベースコート層を設け、該ベースコー
    ト層の上にイソシアネート熱硬化型ポリエステル樹脂ま
    たはエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂からなるトップ
    コート層を設けてなることを特徴とするエアゾール用金
    属缶体。
  2. 【請求項2】前記トップコート層が30〜80μmの範
    囲の厚さを有することを特徴とする請求項1記載のエア
    ゾール用金属缶体。
  3. 【請求項3】前記トップコート層が前記樹脂の粉体塗料
    により形成されていることを特徴とする請求項1または
    請求項2記載のエアゾール用金属缶体。
  4. 【請求項4】前記ベースコート層が3〜10μmの範囲
    の厚さであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の
    いずれか1項記載のエアゾール用金属缶体。
  5. 【請求項5】少なくとも金属缶胴部の内面側全面にエポ
    キシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ
    エステル樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂
    を主成分とし、硬化剤としてフェノール樹脂またはアミ
    ノ樹脂を含む熱硬化型樹脂からなる塗料によりベースコ
    ート層を形成するベースコート層形成工程と、 前記ベースコート層の上にイソシアネート熱硬化型ポリ
    エステル樹脂またはエステル変成熱硬化型エポキシ樹脂
    の粉体塗料により30〜80μmの範囲の厚さのトップ
    コート層を形成するトップコート層形成工程とを有する
    ことを特徴とするエアゾール用金属缶体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記粉体塗料の粒子が直径25〜50μm
    の範囲にあることを特徴とする請求項5記載のエアゾー
    ル用金属缶体の製造方法。
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