JPH09100414A - 熱硬化性樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

熱硬化性樹脂粒子の製造方法

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JPH09100414A JP7279734A JP27973495A JPH09100414A JP H09100414 A JPH09100414 A JP H09100414A JP 7279734 A JP7279734 A JP 7279734A JP 27973495 A JP27973495 A JP 27973495A JP H09100414 A JPH09100414 A JP H09100414A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に粉体塗料に用いるのに適した、狭い粒子
径分布を有する熱硬化性樹脂粒子を製造する方法を提供
する。 【構成】(a)安定剤として曇点を示さない水溶性高分
子および30℃ないし90℃の範囲内に曇点を有する水
溶性高分子を含む水溶液中に、有機溶剤を含む液状熱硬
化性樹脂組成物を個数平均粒子径が10μm以下の一次
粒子として前記曇点以下の温度において懸濁する工程、
(b)得られた懸濁液を前記曇点以上の温度へ昇温する
ことにより前記一次粒子をその約2〜20倍の個数平均
粒子径を有する二次粒子へ凝集融合させる工程、(c)
前記工程(b)の最中または後に、二次粒子に含まれる
有機溶剤を留去する工程よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明の背景 本発明は、狭い粒子径分布を有する熱硬化性樹脂粒子、
特に粉体塗料用の粒子の製造方法に関する。
【0002】従来、粒子径分布の狭いミクロンサイズ樹
脂粒子の製造法に関しては、種々の検討がなされており
数多くの特許が出願されている。その一つは懸濁重合法
と呼ばれるもので、水中で適当な分散安定剤のもとでビ
ニル単量体の液滴を形成させ、適当な油溶性開始剤を用
いて重合体粒子を合成する方法である。しかし、通常の
攪拌条件下で重合を行うと反応槽壁、攪拌翼等に重合体
が付着し、重合体粒子が生成しても、その粒子径分布は
重合中の液滴の分裂、合一の確率的要素に大部分が支配
され、非常にブロードなものしか得られなかった。その
対策として重合条件、例えばいったん塊状重合するか、
又は重合体の一部を単量体に溶解し、ある程度の粘性を
付与してから、懸濁重合を行う方法や、種々の界面活性
の強い懸濁安定剤や水難溶性無機粉末を用いるか、又は
併用して重合を行う方法等が提案されたが、これは攪拌
効率の向上や、凝集防止により、粗大粒子の発生は防止
できるが、微小粒子の個数は減少しない為、重量平均粒
径と個数平均粒径の比率からみた粒径分布はわずかなが
らの改善しかみられなかったのが実状である。一方、特
開昭58−106554号に記載のシード重合膨潤法で
は、重量平均粒径と個数平均粒径がほぼ等しいような極
めて粒径の分布の狭いビニル重合体粒子を形成すること
が可能であり、ジビニルベンゼンのような多官能性モノ
マーを用いて架橋ゲル化することも可能である。
【0003】しかしながら、この方法では多段階にわた
って粒子成長を行うために工程が極めて長く工業化に適
しないのみならず、顔料のような異質物を粒子内に均一
に内包させることが困難である。
【0004】この欠点を改善するために、例えば特開平
3−200976号では非水系(または溶剤/水混合
系)溶媒中での分散重合による着色重合体粒子の形成方
法が提案されている。しかしながら、この方法では大量
の溶剤を使用するので、廃液処理、安全性に問題が生じ
る。
【0005】また、上述した製造方法は全てラジカル重
合を利用したものであり、最終的に生成する樹脂粒子は
ビニル樹脂もしくはビニル樹脂を主体とするものである
ため用途に制限があり、さらに重合反応に影響を与える
顔料や染料、あるいは自動車上塗り塗料に用いられるよ
うな紫外線吸収剤、酸化防止剤等は使用が制限される等
の問題があった。
【0006】また近年自動車、自動車部品、家電製品、
建材等の分野に用いられる塗料として粉体塗料が、有機
溶剤を使用しないので環境汚染の心配がないことから、
汎用されるようになっている。このような粉体塗料は、
バインダー樹脂と、硬化剤、必要に応じて顔料、その他
の添加剤を混合した後、混合物を溶融混練し、その後粉
砕分級して製造される。
【0007】このようにして製造された粉体塗料は、静
電スプレー塗装法、流動層浸漬塗装法等の手段によって
被塗物に塗布され、その後焼付け工程を経て塗膜が形成
されることとなる。
【0008】しかしながら従来の粉体塗料では製造から
塗装までの早期硬化が起こり易く、比較的低温で化学反
応を起こす化合物等は使用が制限されるなどの問題があ
った。
【0009】また重量平均粒径が通常30μm程度であ
ることから、塗膜の平滑性、光沢、ツヤ等において満足
できるものは少なかった。
【0010】塗膜の平滑性を改善することを目的として
ジェットミル等の気流粉砕機を用いて微粉砕することで
粉体塗料の重量平均粒径を10μm以下にする試みが行
われている。このようにして得られた粉体塗料は確かに
従来に比べ薄膜で平滑な塗膜が得られる一方、粉砕によ
って得られた粉体塗料は不定形であるばかりか、粒径分
布がひろく微小粒子を数多く有する為粉体流動性が著し
く悪く、空気流等によって移送される途中でパイプがつ
まる等の支障が生じ易く、搬送性等作業性に問題があっ
た。
【0011】また粉体塗装の際は、過剰にスプレーされ
た塗料を順次回収し、循環して使用するのが普通である
が、上記微粉が回収塗料中に含まれると作業性や塗着効
果をさらに悪化させる。
【0012】そこで本発明は、上記の欠点を持たない熱
硬化性樹脂粒子を製造するための新しい方法を提供す
る。
【0013】本発明の開示 本発明は、(a)安定剤として曇点を示さない水溶性高
分子および30℃ないし90℃の範囲内に曇点を有する
水溶性高分子を含む水溶液中に、有機溶剤を含む液状熱
硬化性樹脂組成物を個数平均粒子径が10μm以下の一
次粒子として前記曇点以下の温度において懸濁する工
程、(b)得られた懸濁液を前記曇点以上の温度へ昇温
することにより前記一次粒子をその約2〜20倍の個数
平均粒子径を有する二次粒子へ凝集融合させる工程、
(c)前記工程(b)の最中または後に、二次粒子に含
まれる有機溶剤を留去する工程、を含むことを特徴とす
る狭い粒子径分布を有する熱硬化性樹脂粒子の製造方法
を提供する。
【0014】好ましい実施態様の説明 本発明は、分散安定剤として曇点を有する水溶性高分子
水溶液中に安定に分散している懸濁油滴粒子が、曇点以
上の温度への加熱に伴って安定性が低下し、より大きな
二次粒子に凝集融合する界面化学的現象を利用する。し
かしながら巨大な二次粒子への成長あるいは相分離を避
け、二次粒子の粒径を適切に制御するために曇点を示さ
ない分散安定剤を組合せて使用する必要がある。
【0015】本発明において使用される曇点を示さない
水溶性高分子としては、完全けん化ポリビニルアルコー
ル、けん化度が85%以上の部分けん化ポリビニルアル
コールや、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリエチレングリコール等、その水溶液を加温し
ても曇点現象を示さないものが用いられる。
【0016】本発明において使用される30℃〜90℃
の範囲に曇点を有する水溶性高分子としては、けん化度
が85%以下のポリビニルアルコール部分けん化物、部
分ホルマー化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体
などの部分的に疎水性基を含有するポリビニルアルコー
ル系重合体、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロースの様なセルロース誘導体、ポリエチレングリコ
ールアルキルエーテル、及びエチレングリコールプロピ
レングリコールブロック共重合体などのその水溶液を加
温して30℃〜90℃の範囲で曇点現象を示すものが用
いられる。
【0017】またそれ自身では曇点を示さない水溶性高
分子に電解質を添加して30℃〜90℃の範囲に曇点を
付与することも可能であり、本発明において使用可能で
ある。また上記30℃〜90℃に曇点を有する水溶性高
分子は必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0018】曇点を示さない水溶性高分子と、30℃〜
90℃に曇点を有する水溶性高分子の重量比率は99/
1〜10/90の範囲にあることが好ましい。この範囲
において一般に適切な二次粒子の粒径制御が可能であ
る。
【0019】本発明に用いられる粒子形成成分となる樹
脂としては、硬化反応性基を有し、溶剤に溶解もしくは
膨潤するものであれば特に限定されず、熱硬化性樹脂粒
子に要求される特性、用途に応じて当業者に周知の樹脂
から選択される。
【0020】このような樹脂の例には、ポリエステル、
(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ビニル芳香族化
合物共重合体、あるいはエポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデ
ヒド樹脂等の熱硬化性樹脂及びこれらを含有する樹脂組
成物が挙げられる。ポリエステル、(メタ)アクリル酸
エステル共重合体、ビニル芳香族化合物共重合体、ある
いはエポキシ樹脂等のそれ自体熱硬化性でない樹脂の場
合は、外部硬化剤と組合せて用いる。
【0021】またポリエチレンやポリプロピレンなど通
常の条件では溶剤に溶解しないものも他の樹脂組成物に
分散することで粒子に含有させることが可能である。
【0022】本発明に用いられる溶剤は、実質的に水不
混和性すなわち水に対する溶解度が10%以下のもの
で、沸点が100℃以下もしくは水と共沸混合物を形成
するものから選択される。実質的に水不混和性でなけれ
ば水中で油滴を形成し難いからである。
【0023】本発明の方法により得られる粒子を熱硬化
性の粉体塗料に用いる場合には、樹脂としてエポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等が用いられる。
エポキシ樹脂の場合には硬化剤として無水多価カルボン
酸、ジシアンジアミド、アクリル樹脂等が添加される。
アクリル樹脂の場合には、硬化剤として多価カルボン
酸、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等が添加される。ポリ
エステル樹脂の場合には、多塩基酸、メラミン樹脂、ブ
ロックイソシアネート等が添加される。これら樹脂と硬
化剤の組合せは粉体塗料の分野において周知である。
【0024】上述の粉体塗料は、必要に応じて、二酸化
チタン、弁柄、黄色酸化鉄、カーボンブラック、フタロ
シアニンブルー、キナクリドン系赤色顔料等の顔料、ポ
リシロキサン、アクリル樹脂等の表面調整剤、可塑剤、
紫外線吸収剤、酸化防止剤、ワキ防止剤、顔料分散剤、
アミン化合物、イミダゾール化合物、カチオン重合開始
剤等の硬化触媒、他の種類の樹脂等を含んでもよく、樹
脂溶液に分散もしくは添加される。
【0025】本発明では、工程(a)において、曇点を
示さない水溶性高分子および30℃〜90℃の範囲に曇
点を有する水溶性高分子を含む水溶液中に、粒子形成成
分である溶剤を含む熱硬化性樹脂組成物を水溶性高分子
の曇点以下の温度で分散混合し、個数平均粒子径が10
μm以下の一次粒子として熱硬化性組成物の懸濁液を得
る。粒子形成成分に対する曇点を示さない水溶性高分子
および30℃〜90℃の範囲に曇点を有する水溶性高分
子の量比は、上記したように粒子形成成分の内容及び目
的とする粒径に応じて適宜調節することができるが、混
合性の観点からは、上記水溶性高分子の水溶液中の濃度
は0.02〜20%の範囲が好ましく、また粒子形成成
分と水溶性高分子水溶液の混合比は1/0.5〜1/3
であることが好ましい。
【0026】混合操作には、粒子形成成分及び水溶性高
分子水溶液の粘度が比較的低い場合はホモジナイザーの
ような高速せん断を利用した攪拌機が使用できる。また
粒子形成成分及び水溶性高分子の粘度が高い場合は、万
能ミキサー、プラネタリーのような混合機を用いること
ができる。
【0027】熱硬化性組成物に用いる材料によって30
℃〜90℃に曇点を有する水溶性高分子を含む水溶液中
に当初懸濁化出来ない場合は、曇点を示さない水溶性高
分子のみまたはそれと界面活性剤を含む水溶液を用いて
懸濁液を作成した後、上記30℃〜90℃に曇点を有す
る水溶性高分子を添加してもよい。
【0028】このようにして得られた懸濁液は必要に応
じてイオン交換水によって希釈され、最終的に溶剤を含
む熱硬化性組成物を10〜50重量%含む懸濁液とされ
る。
【0029】次いで工程(b)において、懸濁液は水溶
性高分子の曇点を上回る凝集温度に昇温される。この凝
集温度は用いられる水溶性高分子の種類や粒子形成成分
の性質に依存する。熱硬化性組成物に含まれる溶剤は懸
濁液の昇温過程もしくはその後の水溶性高分子の曇点を
上回る温度での加熱による工程(c)において二次粒子
から留去される。
【0030】通常水溶性高分子の曇点以上では懸濁液の
温度が上昇するに従い、経時的に油滴が凝集して二次粒
子を形成し、粒径が増大するので、所望の粒径にする為
には、前記したように曇点を示さない水溶性高分子と3
0℃〜90℃に曇点を有する水溶性高分子の重量比率を
調整する他に、溶剤の留去を完結させて油滴の粘弾性を
高めて粒径の増大を停止させるか、油滴が所望の粒径に
形成された時点で懸濁液を水溶性高分子の曇点を下回る
温度に冷却し油滴の成長を停止すればよい。
【0031】工程(c)により溶剤を留去する温度は、
減圧によって容易にコントロールすることができる。従
って、得られる粒子を熱硬化性の粉体塗料等に用いる場
合のように粒子形成成分が低温で化学反応を起こす物質
を含む場合などは、反応温度より低い曇点を有する水溶
性高分子を用い、減圧調整により反応温度以下の温度で
溶剤留去を行うことができる。
【0032】このように水溶性高分子の曇点を利用して
懸濁液中に含有する油滴の粒径を従来の懸濁液と比較し
て著しく均一な粒径に調節することができる。このメカ
ニズムは定かではないが、曇点以下の温度で粒子形成成
分の油滴の安定剤として存在していた水溶性高分子が、
その曇点以上で水に不溶化し安定剤としての機能が低下
するに伴い分散相の表面積が縮小し、その結果、粒子形
成成分の油滴が凝集、融合し、二次粒子を形成するため
と思われる。この際、水溶性高分子の曇点以下で調整し
た一次粒子の粒度分布が広い場合でも、単位重量あたり
の表面積の大きい微粒子が優先的に凝集し、粒径分布が
狭くなるものと考えられる。
【0033】得られた粒子を粉体として用いる場合は、
粒子形成成分に含まれる溶剤の留去が終了した後、濾過
または遠心分離のような周知の方法により形成された樹
脂粒子が分離され、乾燥される。このようにして、重量
平均粒子径と個数平均粒子径の比率が2以下である樹脂
粒子が得られる。
【0034】得られた樹脂粒子は、上述の粒径分布が狭
いことの他に、溶融温度調節、顔料分散性調節、粒子構
造制御(マイクロカプセル化等)及び表面修飾(粒子表
面に官能基をもたせること)が容易に可能であるという
種々の特徴を有する。
【0035】また本製法では従来の重合反応を利用した
製法と異なり、重合反応に影響を与える着色剤や添加剤
を用いることが可能であるし、また樹脂成分に種々のも
のを用いることが可能であるという特徴を有する。
【0036】例えば粒子形成成分にエポキシ樹脂、アク
リル樹脂、ポリエステル樹脂や目的に応じて多価カルボ
ン酸、ブロックイソシアネート等の硬化剤、顔料や表面
調整剤、紫外線吸収剤等の添加剤を配合することも可能
である。
【0037】粉体塗料の場合、このようにして得られた
樹脂粒子は既に所定の粒径分布を有しているばかりか、
従来法に比べ形状が球形もしくは微粉の量が極めて少な
く流動性にすぐれることから、塗装作業性に優れ従来の
粉体塗料では困難であった薄膜で外観の良好な塗膜を得
ることができる。また、本発明方法は熱可塑性の樹脂粒
子の製造にも適用可能である。例えば樹脂としてエチレ
ン/アクリル系、ポリエステル系などの熱可塑性樹脂を
選び、カーボンブラックのような着色材と、電荷制御材
としてアゾ系、ニグロシン系などの染料を混合し、電子
写真用のトナーを製造することができる。
【0038】以下実施例にて、本発明を具体的に説明す
るが、本発明はそれらに限定されるものではない。また
「部」は重量基準による。
【0039】製造例1 樹脂溶液Aの製造 攪拌装置、温度調節器、還流管を備えた反応容器にキシ
レン63部を仕込み、130℃に加温し、窒素雰囲気下
で、3時間かけて以下の混合物を滴下した。 グリシジルメタクリレート 40部 スチレン 25部 メチルメタクリレート 25部 イソブチルメタクリレート 10部 t−ブチルパーオクトエート 3部 滴下後30分保温した後、t−ブチルパーオクトエート
1重量部を30分かけて滴下し、ついで1時間保温し室
温まで冷却して樹脂溶液Aを得た。
【0040】製造例2 樹脂溶液Bの製造 攪拌装置、温度調節器、還流管を備えた反応容器に下記
原料を仕込み190℃まで加熱した。 イソフタル酸 35部 無水フタル酸 31部 ネオペンチルグリコール 41部 ジエチレングリコール 5部 ジブチル錫オキシド 0.06部 その後3時間かけて240℃まで昇温させつつ脱水し、
酸価5まで脱水縮合反応を行った。100℃まで冷却し
た後、キシレン100重量部を加えて樹脂溶液Bを得
た。
【0041】実施例1 以下に示す組成物をサンドグラインドミルを用いて分散
し、熱硬化性組成物を調整した。 成 分 混合量(部) 樹脂溶液A 84.7 硬化剤 12.7 1、10−デカンジカルボン酸(宇部興産社製) ポリシロキサン系表面調整剤 0.10 YF−3919(東芝シリコーン社製) ベンゾイン 0.30 紫外線吸収剤 1.20 ヒンダードアミン系酸化防止剤 1.00 合 計 100.00
【0042】次に、ゴーセノールGH−20(日本合成
化学社製ポリビニルアルコール、けん化度88%)6
部、及びゴーセノールKL−05(日本合成化学社製ポ
リビニルアルコール、けん化度80%)4部、イオン交
換水90部からなる高分子水溶液を上記溶剤を含む熱硬
化性組成物に加えた。得られた混合物をホモジナイザー
を用いて回転数104 rpmで混合することにより懸濁
物を調整した。懸濁液中の樹脂組成物の粒径をコールタ
ーカウンターで測定したところ、重量平均粒径4.6μ
m、個数平均粒径2.1μmであった。ついで、得られ
た懸濁液にイオン交換水300部を加えて希釈し、これ
を攪拌装置、温度調節器、還流管、減圧装置を備えた容
器に移した。
【0043】この懸濁液を160Torrまで減圧した
後、70℃まで昇温して分散相中の溶剤を完全に留去し
た。
【0044】その後懸濁液を冷却し、遠心分離により固
液分離し、乾燥した。得られた樹脂粒子の粒径をコール
ターカウンターによって測定したところ重量平均粒径が
8.6μmであり、個数平均粒子径が6.2μmである
極めて粒径分布のシャープなものであった。
【0045】実施例2 ゴーセノールGH−20(日本合成化学社製ポリビニル
アルコール、けん化度88%)10部及びメトローズ6
5SH(信越化学社製メチルセルロース)2部、イオン
交換水82部からなる高分子水溶液と実施例1の溶剤を
含む熱硬化性組成物とを、実施例1と同様の方法で混合
することにより、重量平均粒径5.1μm、個数平均粒
2.3μmの油滴を含有する懸濁物を調整した。
【0046】ついで、得られた懸濁物にイオン交換水3
00部を加えて希釈し、これを攪拌装置、温度調節計
器、減圧装置を備えた容器に移した。
【0047】この懸濁液を20Torrまで減圧し油滴
に含まれる溶剤の90%を留去した後、減圧度を160
Torrに調整し、70℃まで昇温して分散相中の溶剤
を完全に留去した。
【0048】その後懸濁液を冷却し、遠心分離により固
液分離し、乾燥した。得られた樹脂粒子の重量平均粒径
は8.0μm、個数平均粒径は6.8μmの極めて粒径
分布のシャープなものであった。
【0049】実施例3 10部のゴーセノールGH−20(日本合成化学社製ポ
リビニルアルコール、けん化度88%)及びメトローズ
65SH(信越化学社製メチルセルロース)0.5部、
イオン交換水82部からなる高分子水溶液と実施例1の
溶剤を含む熱硬化性組成物とを、実施例1と同様の方法
で混合することにより、重量平均粒径4.7μm、個数
平均粒径2.2μmの油滴を含有する懸濁物を調整し
た。
【0050】ついで、得られた懸濁物にイオン交換水3
00部を加えて希釈し、これを攪拌装置、温度調節計、
還流管、減圧装置を備えた容器に移した。この懸濁液を
20Torrまで減圧し油滴に含まれる溶剤の90%を
留去した後、減圧度を160Torrに調整し、70℃
まで昇温して分散相中の溶剤を完全に留去した。
【0051】その後懸濁液を冷却し、遠心分離により固
液分離し、乾燥した。得られた樹脂粒子の重量平均粒径
は8.6μm、個数平均粒径は4.4μmで微小粒子の
少ない粒径分布のシャープなものであった。
【0052】比較例1 10部のゴーセノールGH−20(日本合成化学社製ポ
リビニルアルコール、けん化度88%)、イオン交換水
82部からなる高分子水溶液と実施例1の溶剤を含む熱
硬化性組成物とを、ホモジナイザーを用い5000rp
mで混合することにより、重量平均粒径8.6μm、個
数平均粒径3.3μmの油滴を含有する懸濁物を調整し
た。
【0053】ついで、得られた懸濁物にイオン交換水3
00部を加えて希釈し、これを攪拌装置、温度調節計、
還流管、減圧装置を備えた容器に移した。
【0054】この懸濁液を20Torrまで減圧し油滴
に含まれる溶剤の90%を留去した後、減圧度を160
Torrに調整し、70℃まて昇温して分散相中の溶剤
を完全に留去した。
【0055】その後懸濁液を冷却し、遠心分離により固
液分離し、乾燥した。得られた粉体塗料の重量平均粒径
は8.9μm、個数平均粒径3.4μmであり、殆どが
初期の油滴の一次粒子径を保持した粒径分布の広いもの
であった。
【0056】実施例4 以下に示す組成物をサンドグラインドミルを用いて分散
し、熱硬化性組成物を調整した。
【0057】 成 分 混合量(部) 樹脂溶液B(ポリエステル) 80 エポキシ樹脂 5 エポトートYD−014(東都化成社製) メチルイソブチルケトン 10 硬化剤 10 ブロックイソシアネート ベンゾイン 0.3 ポリシロキサン系表面調整剤 0.1 酸化チタン 20 合 計 125.4
【0058】次に、ゴーセノールGH−20(日本合成
化学社製ポリビニルアルコール、けん化度88%)4
部、ゴーセノールKL−05(日本合成化学社製ポリビ
ニルアルコール、けん化度80%)3部、イオン交換水
93部からなる高分子水溶液を上記溶剤を含む熱硬化性
組成物に加えた。得られた混合物をプラネタリーミキサ
ーを用いて混合し、重量平均粒径4.2μm、個数平均
粒径2.0μmの油滴を有する懸濁液を調整した。
【0059】ついで得られた懸濁液にイオン交換水25
0部を加えて希釈したのち、さらにヒドロキシプロピル
セルロースの5%水溶液を50部加え温度調節計、還流
管、減圧装置を備えた容器に移した。
【0060】この懸濁液を20Torrまで減圧し油滴
に含まれる溶剤の90%を留去した後、減圧度を160
Torrに調整し、70℃まで昇温して分散相中の溶剤
を完全に留去した。
【0061】その後懸濁液を冷却し、遠心分離により固
液分離し、乾燥した。得られた樹脂粒子の重量平均粒径
は9.6μm、個数平均粒径は7.1μmの極めて粒径
分布のシャープなものであった。
【0062】実施例5 ゴーセノールGH−20(日本合成化学社製ポリビニル
アルコール、けん化度88%)2部、ゴーセノールKL
−05(日本合成化学社製ポリビニルアルコール、けん
化度80%)8部、イオン交換水93部からなる高分子
水溶液と実施例4の溶剤を含む熱硬化性組成物とをプラ
ネタリーミキサーを用いて混合し、重量平均粒径4.5
μm、個数平均粒径2.1μmの油滴を有する懸濁液を
調整した。
【0063】ついで得られた懸濁液にイオン交換水25
0部を加えて希釈したのち、さらにヒドロキシプロピル
セルロースの5%水溶液を50部加え温度調節計、還流
管、減圧装置を備えた容器に移した。
【0064】この懸濁液を20Torrまで減圧し油滴
に含まれる溶剤の90%を留去した後、減圧度を160
Torrに調整し、70℃まで昇温して分散相中の溶剤
を完全に留去した。
【0065】その後懸濁液を冷却し、遠心分離により固
液分離し、乾燥した。得られた樹脂粒子の重量平均粒径
は15.3μm、個数平均粒径は7.9μmの微小粒子
の少ない粒径分布のシャープなものであった。
【0066】比較例2 10部のゴーセノールGH−20(日本合成化学社製ポ
リビニルアルコール、けん化度88%)、イオン交換水
82部からなる高分子水溶液と実施例4の溶剤を含む熱
硬化性組成物とを、プラネタリーミキサーで混合するこ
とにより、重量平均粒径10.9μm、個数平均粒径
3.2μmの油滴を含有する懸濁物を調整した。
【0067】ついで、得られた懸濁物にイオン交換水3
00部を加えて希釈し、これを攪拌装置、温度調節計、
還流管、減圧装置を備えた容器に移した。
【0068】この懸濁液を20Torrまで減圧し油滴
に含まれる溶剤の90%を留去した後、減圧度を160
Torrに調整し、70℃まて昇温して分散相中の溶剤
を完全に留去した。
【0069】その後懸濁液を冷却し、遠心分離により固
液分離し、乾燥した。得られた粉体塗料の重量平均粒径
は11.3μm、個数平均粒径3.2μmであり、殆ど
が初期の油滴の一次粒子径を保持した粒径分布の広いも
のであった。
【0070】比較例3 8部のゴーセノールKL−05(日本合成化学社製ポリ
ビニルアルコール、けん化度80%)及びメトローズ6
5SH(信越化学社製メチルセルロース)2部、イオン
交換水82部からなる高分子水溶液と実施例4の溶剤を
含む熱硬化性組成物とを、プラネタリーミキサーで混合
することにより、重量平均粒径4.2μm、個数平均粒
径1.7μmの油滴を含有する懸濁物を調整した。
【0071】ついで、得られた懸濁物にイオン交換水3
00部を加えて希釈し、これを攪拌装置、温度調節計、
還流管、減圧装置を備えた容器に移した。
【0072】この懸濁液を20Torrまで減圧し油滴
に含まれる溶剤の90%を留去した後、減圧度を160
Torrに調整し、70℃まて昇温して分散相中の溶剤
を完全に留去したが凝集塊が多く粉体塗料として用いる
ことはできなかった。
【0073】試験例 実施例1〜5、及び比較例1、2で得られた各粉体塗料
を下記の項目について評価した。結果を表1に示す。 1.外観評価 実施例と比較例の各粉体塗料を静電塗装により鉄板に塗
布し、160℃で30分焼き付けて膜圧50μmの塗膜
を形成した。得られた塗膜の外観は写像鮮明度測定器
(スガ試験機社製)で測定されたNSIC値(%)で評
価した。 2.搬送性評価 粉体塗料の塗装システムは、通常、粉体フィーダー(流
動層)からインジェクターを経由してホースにより塗装
ガンに至る。上記塗装システムで各粉体塗料を1時間連
続的に搬送した後、インジェクターおよびホース内での
粉体塗料の堆積状態を目視し、搬送性を評価した。評価
基準は次のとおり。 ◎:粉体が全く堆積しなかった。 ○:粉体がほとんど堆積しなかった。 ×:粉体が堆積してインジェクターまたはホースを閉塞
した。
【0074】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 LGS C08L 29/04 LGS 71/02 LQE 71/02 LQE C09D 5/03 PNC C09D 5/03 PNC

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)安定剤として曇点を示さない水溶性
    高分子および30℃ないし90℃の範囲内に曇点を有す
    る水溶性高分子を含む水溶液中に、有機溶剤を含む液状
    熱硬化性樹脂組成物を個数平均粒子径が10μm以下の
    一次粒子として前記曇点以下の温度において懸濁する工
    程、 (b)得られた懸濁液を前記曇点以上の温度へ昇温する
    ことにより前記一次粒子をその約2〜20倍の個数平均
    粒子径を有する二次粒子へ凝集融合させる工程、 (c)前記工程(b)の最中または後に、二次粒子に含
    まれる有機溶剤を留去する工程を含むことを特徴とする
    狭い粒子径分布を有する熱硬化性樹脂粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】前記水溶性高分子溶液中の曇点を示さない
    高分子と曇点を示す高分子の比は、重量で99:1〜1
    0:90である請求項1の熱硬化性樹脂粒子の製造方
    法。
  3. 【請求項3】曇点を示さない水溶性高分子は、鹸化度が
    85%以上のポリビニルアルコール、エチルセルロー
    ス、ヒドロキシエチルセルロース、またはポリエチレン
    グリコールから選ばれる請求項1または2の熱硬化性樹
    脂粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】30℃ないし90℃に曇点を有する水溶性
    高分子は、鹸化度85%未満のポリビニルアルコール、
    部分的にホルマール化したポリビニルアルコール、エチ
    レン−ビニルアルコール共重合体、メチルセルロース、
    ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコー
    ルアルキルエーテル、およびエチレングリコール−プロ
    ピレングリコールブロック共重合体から選ばれる請求項
    1または2の熱硬化性樹脂粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記有機溶剤は沸点が100℃以下である
    か、または水と共沸蒸留可能である請求項1ないし4の
    いずれかの熱硬化樹脂粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】前記液状熱硬化性樹脂組成物は、バインダ
    ー樹脂、硬化剤および必要に応じ顔料その他の添加剤を
    含んでいる請求項1ないし5のいずれかの熱硬化性樹脂
    粒子の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6の方法によって製造された熱硬化
    性樹脂粒子を含んでいる粉体塗料。
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