【発明の詳細な説明】
印刷回路板の製造における結合性の内部層発明の分野
本発明は多層印刷回路板(PCB)の製造に関するものである。発明の背景
印刷回路板(PCB)の製造においては、第一の(多段階)工程で“裸基板(bareboar
d)”を製造し、次いで第二の(多段階)工程で種々の構成要素(component)を該基
板上に取り付ける。該裸基板は多層板であって、一般的には第一の内部層(inner
layer)を有してなる多層板である場合が多く、該第一の内部層は通常はエポキ
シで結合された(epoxy-bonded)ガラス繊維の副層(sub-layer)であってその片面
又はより通常的には両面が導電性の副層で覆われているエポキシ結合ガラス繊維
の副層である。前記の導電性の副層は通常は導電性材料からなるものであり、該
導電性材料は金属箔、大抵の場合は銅である。該導電性材料は一般に回路パター
ン(circuit pattern)の形状の不連続の副層である。前記の内部層の少なくとも
一方の面、一般的には両方の面には、外部層(又は別の層)が取り付けられる。外
部層は絶縁材料の少なくとも一つの層を含有してなるものであり、これもまた一
般的にはエポキシで結合されたガラス繊維であって前記内部層の導電性の副層に
結合されるエポキシ結合ガラス繊維の少なくとも一つの層を含有してなるもので
ある。外部層はさらに導電性の副層を少なくとも一つ含有していてもよい。一つ
又は複数の外部層は絶縁層であるか、あるいは前記外部層は前記の第一の内部層
の導電性の副層に対して前記第一の層に対し一番内側の絶縁性の層又は副層と共
に接着される。
従って、多層板は、複数の導電性の副層が複数の絶縁性の層又は副層によって
分けられている積層(laminate)からなる。積層は複数の層を一緒に接着すること
によって形成される。積層を形成する複数の層は単に導電性又は絶縁性であって
もよいし、あるいはより通常的には複数の副層:すなわち少なくとも一つの絶縁
性の副層と少なくとも一つの導電性の副層とから構成される。一般に導電性の副
層はそれらが微細で脆い性質であるために絶縁性の副
層の上に付与されるのみである。
銅回路パターン表面と絶縁性の有機支持体とを一緒に永続的に結合させる試み
において種々の困難性が認められている。銅表面は大気に暴露されると酸化され
てその表面に曇った層(tarnished layer)を形成する傾向がある。この銅の曇っ
た層に次の層を直接に接着すると、その結合が弱く、結局は破損してしまうであ
ろう。
この問題を克服するのに最も普通に使用されている方法は、上記の曇った層を
除去し、強力に接着された酸化銅の層を形成することである。
この型の多層板を製造する方法の慣用のネガティブワーキング形式(negative
working type)を示すために、一つの方法を添付の図1A〜1Gを参照して以下
に説明する。この例では、内部層(すなわち第一の層)は、絶縁性の副層であって
そのそれぞれの面に導電性の副層を有する絶縁性の副層を有してなるものであり
、しかも外部層(すなわち第二の層)は単に絶縁性である。この型の方法には他の
導電性材料を使用し得るが、この例の導電性の副層は銅箔からなる。この例の絶
縁性の層はエポキシで結合されたガラス繊維である。外部層の材料はプレプレグ
として知られており、一般にガラス繊維に対してエポキシ樹脂を中間層の副層よ
りも高い割合で含有する。
内部層1(図1Aに例示)は絶縁性の副層2と複数の銅箔層3とを有してなり、
内部層1のそれぞれの面は感光性被膜(film)4(図1Bに示される)で被覆される
。該感光性被膜4は予め選択された領域において光に暴露される。次いで、光に
暴露されなかった薄膜は、現像することによって除去されて図1に例示されるよ
うに予め選択されたパターンの露出した銅5を残す。前記の露出した銅の領域は
、一般的には銅の所望の回路パターンを、硬化されたフォトレジストに対応する
パターンで残すためにエッチングして除かれるべきである領域である。次いで、
不要な銅の領域は化学エッチング剤を使用してエッチングされ、図1Dに例示し
た配置をもたらす。この段階では、残っているフォトレジストは化学的に除去さ
れて図1Eに例示した配置をもたらし、しかも露出した銅表面は該銅表面から曇
り(tarnishing)を除去するために洗浄される。次いで、洗浄された銅表面(図1
Fに示される)に黒色又は褐
色酸化物の層6が形成され、次いで図1Gに示されるように内部層のそれぞれの
面の上の黒色又は褐色酸化物の皮膜上に二つの外部層8がそれぞれ配置される。
次いで、これらの層を一緒にプレスし、外部層8の絶縁性の副層(プレプレグ材)
が流動し、黒色又は褐色酸化物の被膜に接着性を付与するように熱を加えること
によって積層(laminate)が形成される。
得られた積層にはさらに別の導電性の副層〔又はキャップ層(cap layers)〕も
加え得る。そのようにするためには、導電性の副層からなる追加の層、一般的に
は銅であって、パシベーション(passivation)工程、例えば亜鉛、錫、クロム又
はモリブデンパシベーション工程により前処理されている銅が、圧力と熱を加え
る前にプレプレグの外側の面に配置される。圧力と熱を加えると、プレプレグ(
外部層)が内部層に接着し、実質的に同時に追加層がプレプレグに接着する。
従って、上記の説明からわかるように、一般的にはエッチングし次いでフォト
レジスト層を除去した後には、回路パターンの形状の露出した銅表面は洗浄され
て曇り層を除去され、次いで銅表面は、加熱強アルカリ性次亜塩素酸塩溶液に一
般的に40〜110℃程度の温度で浸される。これにより、“黒色又は褐色酸化物”
の層の形成がもたらされる。この“黒色又は褐色酸化物”の層は銅表面と強い結
合を形成するばかりではなく、多層回路板において複数の層を積層するための接
着剤のような有機被膜を強い結合で結合させることができるように大きな表面積
ももつ。
しかしながら、この方法は問題がある。その理由は、黒色酸化物の層の形成を
注意深く制御して行い積層後に良好な接着性を付与する被膜の形成を確実にしな
ければならないからである。さらに、これらの黒色酸化物層は、酸化銅を溶解す
る溶液、例えば酸性である場合が多い無電解めっき法用の前処理溶液による侵食
を受ける。酸化銅の溶解は層剥離をもたらし得る。この問題は、銅のピンク色の
リングが銅面の黒色酸化物の被膜中に認められ得ることから、“ピンクリング(p
ink ring)”として知られている。
前記の酸化物被膜を改造する(adapt)ことによってこれらの問題を克服する試
みがなされてきている。最も一般に使用されている方法は、追加の還元
工程を組み込むことであり、さらにこの方法を複雑にしている。
欧州特許出願公開第0,275,071A号明細書には別の被覆方法が記載されており、
該方法ではエッチングし、次いでフォトレジストを除去した後に、銅表面は通常
の方法のように洗浄されて微量の曇りが除去されるが、黒色酸化物の層を形成さ
せないで洗浄した後に、接着剤用のプライマーが銅に直接に塗布される。このプ
ライマーはポリ(ビニルアセタール)−フェノール樹脂の層からなる。この方法は
その大部分が慣用の製造方法に従うものであり、しかも単に黒色酸化物の別法を
提供するのみである。
従って、黒色酸化物型の方法については、上記の方法は工程が長く、しかも多
くの製造工程を必要とする。
フォトレジストを形成するためにアクリル酸又はメタアクリル酸基材の樹脂を
使用することが知られている、例えば英国特許出願公開第2193730A号公報参照の
こと。しかしながら、この文献に記載されているフォトレジスト組成物は、銅表
面を洗浄し、積層を調製する前にフォトレジストを除去する慣用の方法において
使用するためのものである。
ソルダーマスク(solder mask)形成用のエポキシ−アクリル酸又はアクリル酸
基材の樹脂を使用することも知られている。裸基板がほとんど完成し且つ外面が
次の構成材料の取り付け工程に回すために調製されるつつある場合には、ソルダ
ーマスクが裸基板の製造において後の工程で使用される。これらの型のソルダー
マスクは、EIPC冬季会議議事録(PCB Applications: New Processes,OEM and Fa
r East Challenges)、チューリッヒ、1991年11月12日、p.3-4-1〜p.3-4-7に公表
されたS.RodriquezとK.CheethanによるFine Line Resolution Solder Mask”
に記載されている。
また、欧州特許出願公開第51,630A号明細書にはエポキシ−アクリレートソル
ダーマスク組成物が記載されており、欧州特許出願公開第515,861A号明細書には
回路板上の保護被膜を形成するのに使用されるエポキシ基材のインキが記載され
ている。
しかしながら、これらの文献の全てにおいては、前記のフォトレジスト又はソ
ルダーマスクは保護機能を提供するのみであり、特にその保護機能を十
分に満たした後にフォトレジストは除去される。
従って、従来のシステム(system)の問題を克服し且つ積層された多層PCB内の
良好な接着性を確実にするための単純化された方法を形成する試みにおいて、銅
のエッチングの後に除去する必要がないが、所定の場所に(in place)残しておく
ことができるフォトレジストが開発されている。この場合には、プレプレグは接
着工程で残存フォトレジストに接着される。
かかる多層回路板の製造方法は、W.Kloseによる論文、“Elektronik”第29巻
、第25号、1980年12月、第96〜98頁、“Fotoresist-Basismaterialien vereinfa
chen Fertigung von Mehrlagen-Leiterplatten”、米国特許第4074008号明細書
及び米国特許第3956043号明細書(仏国特許出願公開第2197301号明細書に相当す
る)に記載されている。Kloseの論文には、チバガイギー(Ciba Geigy)社製のエポ
キシ樹脂“Probimer 48”の使用が記載されており、該樹脂は、第一の工程にお
いて該樹脂を光硬化用の紫外線に暴露させることができ、事後の工程で熱硬化反
応を使用して多層板を形成させるような光架橋性の基をもつものとして記載され
ている。米国特許第3956043号明細書及び米国特許第4074008号明細書には、化学
線(actionic radiation)に暴露されると重合ししかも次後にエポキシ樹脂用の加
熱硬化剤で架橋させることができる光重合性エポキシ樹脂が記載されている。こ
れらのエポキシ樹脂は多層回路板の形成に使用し得ること及びこれらエポキシ樹
脂は除去する必要がないが、その場に残すことができることが記載されている。
米国特許第4074008号明細書に記載の樹脂は、これらが高いエポキシ基含有率を
有するのでより良い接着を提供することから、従来技術のエポキシ樹脂よりも改
良されていると言われている。
かかるフォトレジストは永続性又は結合性のレジストとして知られている。し
かしながら、これらの文献のそれぞれに記載されている結合性レジストには重要
な制限がある。これらのフォトレジストは層剥離する傾向のある印刷回路板を与
えることが認められている。これは大部分は使用時の“ガス発生”によるもので
あり、それによってガス、一般的には水蒸気が、レジスト層と金属層との間の境
界に又は特に湿潤条件におけるレジストそれ自体の内部か
いずれかで積層の間に閉じ込められてしまうと考えられる。積層したPCBの事後
の熱処理、例えばはんだ付け工程においてガス発生が起こり、その結果として回
路板の層剥離及び/又は回路板内のめっきスル−ホ−ルに対する損傷がもたらさ
れる。
さらにまた、公知の永続性(又は結合性)レジストは、樹脂を紫外線硬化させた
後の現像工程で樹脂の非定着領域を除去するために有機溶剤現像処理を必要とす
る。有機溶剤現像処理を使用すると、付随する安全性の問題と関係する環境費用
の点で不都合がある。
本発明は多層板を製造するための従来のシステムの問題を克服することを目的
とする。発明の概要
本発明は、多層回路板の製造方法であって、
少なくとも1つの絶縁性の副層と少なくとも1つの導電性の副層とを含んでな
る第一の層を製造し;
前記導電性の副層の表面に樹脂組成物の層を塗着し;
定着(fixing)工程において、該樹脂組成物を予め選択したパターンで定着させ
て耐エッチング性の樹脂組成物の定着パターンと、樹脂組成物の非定着(non-fix
ed)パターンとを選択的に形成させ;
次いで、現像工程において、前記の樹脂組成物の非定着パターンを水性現像液
と接触させて非定着領域の除去を行い、それによってエッチングするための導電
性の副層の領域を露出させ;
導電性の副層の露出した領域をエッチング液と接触させることによりエッチン
グし;
前記の定着した耐エッチング性樹脂組成物を絶縁性の第二の層と接触させ;
次いで
最終接着工程において、前記の第一の層と第二の層とを互いに接着させること
からなる多層回路板の製造方法を提供するものである。
本発明によればまた、第一の層と、耐エッチング性樹脂と、絶縁性の第二の層
とを有してなる多層回路板であって、前記の第一の層が絶縁性の副層と
導電性の副層とを有してなるものであり、該第一の層は絶縁性の第二の層に前記
耐エッチング性樹脂組成物が前記導電性の副層と前記絶縁性の第二の副層の両方
と直接に接触するように接着しているものであり、且つ前記の耐エッチング性樹
脂組成物が第一の樹脂成分と第二の樹脂成分とからなるものであり、該第一の樹
脂成分が光重合性基を有し且つ15〜75の酸価を有するものであり、該第二の樹脂
成分が未反応エポキシ基と光反応開始剤とを含有してなるものであり、第一の樹
脂成分と第二の樹脂成分との重量比が少なくとも1:1、好ましくは少なくとも
3:2である多層回路板が提供される。
従って、本発明によって、良好な接着性を有する多層回路板が相当に単純化さ
れた方法で製造できることが知見された。製造された多層回路板は、熱衝撃条件
例えば一つ又はそれ以上の事後のはんだ付け工程における熱衝撃条件に暴露され
た場合でも良好な接着性を有する。
従来の方法と比べて、本発明の方法は耐エッチング性樹脂、一般的にはフォト
レジストを所定の場所に残すことを可能にし、しかも多層PCBの製造に関連する
プロセス工程:すなわち耐エッチング性樹脂の除去工程、露出させた銅表面の洗
浄工程;及び複数の層を一緒に積層する前のプライマー(酸化銅又はいくつかの
他の層のいずれか)を塗布する工程を全て省くことができるように二つの層の接
着に関与することを可能にする。現像工程に有機溶剤を必要とすることがなく、
それによって安全性の問題及び廃棄物処理の問題が低減される。
さらにまた、本発明の方法は銅酸化物の層を使用することを必要としないこと
から、接着促進剤がメッキプロセスに耐性であるので方法従来技術方法の“ピン
クリング”の問題を生じない。発明の詳細な説明
前記の第一の層は回路板の内部層であり、しかも一つの絶縁性の副層であって
その一方の面のみに又はそれぞれの面に導電性の副層(一般に銅箔)を有する絶縁
性の副層を含有していてもよい。前記の絶縁性の第二の層は、PCB工業では外部
層と呼ばれる場合が多く、一般的にはプレプレグ層である。前記の内部層が導電
性の副層を二つ有する場合には、前記の結合性レジストは
前記の方法で述べたような両方の導電性の副層に塗布し得、しかも二つの外部層
は導電性の副層のいずれかに対するものに塗布し得る。
必要とされる多数の層を複合品(composite)、すなわち多層に組立て得る。し
かしながら、一般的な原則は複数の導電性の層と複数の絶縁性の層とが交互にな
っているべきであることである。
前記で説明したように、一般的に完成多層板中の導電性の副層は連続した導電
性材料を含有していない。その理由は、該導電性の副層が一般的にエッチング後
に残る導電性材料の回路パターンの形状の不連続パターンであるからである。
本発明の方法では、樹脂組成物は慣用の方法で導電性の副層の表面に塗布され
る。一般的に、樹脂組成物は液状であり、例えば50〜10,000cps、好ましくは100
cpsよりも大きく、最も好ましくは500cpsよりも大きい粘度を有する。樹脂組成
物が液体の形態で供給される場合には、その粘度は一般的に2000cpsよりも低い
ものであり、1500cpsである場合もある。液状樹脂組成物は慣用の塗布方法、例
えばスクリーン印刷、ローラー塗り、静電吹き付け又はフローコーティングによ
り塗布できる。適当な粘度が選択した塗布方法に対して選択できるし、その逆も
また同様である。スクリーン印刷には、例えば噴霧、浸漬塗り又はフローコーテ
ィング法よりも粘稠な液体を使用できる。また、樹脂組成物は乾燥形態で施用し
得、例えばあらかじめ予め形成させた層を支持フィルム上で調製し、次いで例え
ば英国特許第2,193,730号明細書に記載されているようなフォトレジストに慣用
の方法において導電性層に接着し得、次いで支持層は除去される。
一般的に、樹脂組成物を導電性の副層に塗布する前に、導電性の副層は予備処
理清浄化工程を受ける。該洗浄工程は機械的清浄化工程、例えばブラッシング又
は軽石スクラッビング、あるいは化学的工程のいずれであってよい。化学的工程
では導電性の副層が、化学清浄組成物と接触され、該化学清浄組成物は一般に酸
組成物である。
液状樹脂組成物を塗布した後には、一般的に乾燥工程があり、乾燥工程では溶
剤が追い出され、フォトレジスト樹脂組成物の乾燥された層が残る。前
記樹脂組成物の乾燥皮膜の厚みは一般に3μm〜50μm、好ましくは7μm〜20
μmである。7μmよりも薄い乾燥樹脂厚みでは、導電性の副層の上の皮膜は、
導電性の副層が現れ得るように信頼できないものであり得ることが認められた。
20μmよりも大きいレジスト厚みを付与し得るが、それらは付加的利点を何ら与
えることが示されていないし、しかも多層積層を形成させた後には結合破損を引
き起こす傾向があり得る。皮膜の厚みは少なくとも9μmであるのが好ましく、
少なくとも10μmであるのが最も好ましい。樹脂組成物の厚みは18μm以下、好
ましくは15μm以下であるのが好ましい。
乾燥工程は一般的に被覆された第一の層を加熱空気に暴露することによって、
例えば被覆された第一の層を強制空気乾燥機の中を通すことによって又は強制空
気乾燥に暴露させることによって行われる。一般的に、乾燥温度は120℃以下、
好ましくは100℃以下、最も好ましくは90℃以下であり、そのように高いもので
あるべきではなく及び/又は接着工程を早期に活性化するのに長い時間であるべ
きではない。
定着工程では、樹脂組成物を該樹脂組成物用の反応促進剤に選択的に暴露させ
るか又は接触させることによって定着させて非定着耐エッチング性領域と定着さ
せた耐エッチング性領域とを選択的に形成させる。
樹脂組成物が放射線硬化性組成物であり、反応促進剤が放射線、例えば電子ビ
ーム硬化又は化学線、最も好ましくは紫外線であるのが好ましい。定着された耐
エッチング性パターンは、反応促進剤に接触又は暴露された領域が非定着パター
ンを形成するように反応促進剤と接触するか又はそれに暴露される領域中で形成
するのが好ましい。これは慣用のネガティブワーキングプロセス(negative work
ing processs)である。別法として、定着された耐エッチング性パターンは、反
応促進剤と接触又はそれに暴露されない樹脂組成物のから形成し得る。この場合
には、反応促進剤はそれに暴露又は接触されない樹脂組成物の領域で反応を生じ
る。該反応は、非定着パターンを除去するための現像工程で使用される現像液に
可溶性になる樹脂組成物の領域で生じる。この後者のプロセスはポジティブワー
キング(positive working)として知られている。
定着工程はネガティブワーキング工程であり、該工程では反応促進剤が重合反
応を生起するか、あるいは該反応促進剤に暴露されるか又はそれと接触する樹脂
組成物の領域を定着する別の硬化を生起するのが好ましい。
現像工程では、樹脂組成物の非定着領域が除去されて定着された耐エッチング
性樹脂組成物のパターンと露出した導電性の副層のパターンとを残す。アルカリ
現像及び溶剤現像が、多層又はPCBを製造するために種々の層を接着する前に取
り除かれる慣用のフォトレジスト用の周知の現像方法である。アルカリ現像液は
水性であり、弱アルカリ例えば炭酸カリウムを含有してなるものであり、また溶
剤現像液は溶媒例えばブチルジグリコールを含有してなるものであり得る。溶剤
現像の例は欧州特許出願公開第514,630A号明細書に示されている。水性アルカリ
現像の例は、RodriguezとCheetham(前記に挙げたもの)によって保護ソルダーマ
スクについて具体的に記載されている。
前記に説明したように、有機溶剤は問題になりやすい。しかしながら、公知の結合性
レジストであって且つ熱衝撃条件に暴露されると特別に不適切な積層を与
える傾向があるレジストは、全て有機溶剤現像に依存している。しかしながら、
レジストを結合するための本発明においては、この問題は克服できるし、また現
像液は1種又はそれ以上の弱アルカリ塩例えばアルカリ金属炭酸塩、好ましくは
炭酸カリウム又はナトリウムを含有する水性アルカリ現像液であってもよい。一
般的に、前記の弱アルカリ塩の濃度は水性現像液において0.5〜20重量%、一般
的には約0.5〜5重量%である。
現像工程では、現像液は一般的に乾燥樹脂組成物の少なくとも非定着領域と接
触する。接触は慣用の方法であり得るが、一般的には浸漬によって又は現像液を
用いた吹き付けよって、一般的には噴霧によるものである。現像工程は樹脂組成
物の非定着領域を導電性の副層から除去することを可能にするのに十分な時間行
われ、エッチング用の導電性の副層の領域と、耐エッチング性樹脂組成物の定着
(硬化)パターンとを露出させる。
前記で説明したように、本発明の好ましい方法では、反応促進剤は光、特に紫
外線であり、しかも該方法はネガティブワーキングプロセスである。すなわち、
本発明の好ましい方法によれば、多層印刷回路板が製造され、該方
法は、少なくとも1つの絶縁性の副層と少なくとも1つの導電性の副層とを含ん
でなる第一の層を製造し;前記導電性の副層の表面に樹脂組成物の層を塗着し;
定着工程において、前記樹脂組成物を予め選択したパターンで光、好ましくは紫
外線に暴露させて、光に暴露された領域で樹脂組成物の定着パターンを形成し且
つ光に暴露されなかった樹脂組成物の領域に残る樹脂組成物の非定着パターンを
形成する樹脂組成物中で反応を生じさせ;次いで現像工程において、前記の樹脂
組成物の非定着パターンの樹脂組成物を水性現像液と接触させて非定着パターン
をもつ樹脂の除去を行い、それによってエッチングするための導電性性副層の領
域を露出させ;導電性性副層の露出した領域をエッチング液と接触させることに
よりエッチングし;前記の定着した樹脂組成物を絶縁性の第二の層と接触させ;
次いで最終接着工程において前記の第一の層と第二の層とを互いに接着させるこ
とからなる。
現像工程が樹脂の露出部分を軟化させる傾向がある場合には、場合によっては
現像後焼き付け工程を本方法に含めて、フォトレジスト樹脂の定着領域の硬度を
増大させてもよい。これは組み立て品(assembly)をエッチング剤と接触させて導
電性の副層の望まない領域を除去する前に、樹脂の耐エッチング性を増大させる
のに必要であり得る。
しかしながら、この工程が必要な場合には、現像後焼き付けは、接着工程用の
樹脂組成物中に存在させ得る潜触媒を実質的に活性化させるか、あるいは事後の
接着工程で接着しないように早期に樹脂組成物を活性化させる温度に達しないこ
とが重要である。従って、必要な場合には、現像後焼き付けは100℃よりも高い
温度を越えないことが好ましく、80℃よりも高い温度を越えないことが最も好ま
しい。
エッチング剤と接触させる前に、樹脂組成物の定着領域は、少なくとも導電性
の副層の所望しない領域をエッチングして第一の層の回路パターンを形成させる
のに要する時間中はエッチング剤に耐性であるように耐エッチング性である。数
種類の化学的に異なるエッチング剤が知られており、使用されている。耐エッチ
ング性樹脂組成物は2種類以上のエッチング剤又はあらゆる型のッチング剤にさ
え耐性であるのが好ましい。好ましいエッチング剤は、
酸性エッチング剤に耐性である。酸性エッチング剤は例えば塩化第二鉄又は塩化
銅を含有していてもよい。別の好ましい組成物はアルカリエッチング剤に耐性で
ある。該アルカリエッチング剤は例えばアンモニウム化合物、例えば水性アンモ
ニア中の銅塩化アンモニウム錯体を基剤とするものであり得る。
露出したパターンの導電性材料をエッチングした後に、一つ又は複数の第二の
層、一般的には一つ又はそれ以上のプレプレグ層を、導電性の副層の残存パター
ンの上の所定の場所に(in place)残っている耐エッチング性組成物の隣に置き、
次いで上記二つの層は接着工程で互いに接着される。一般的に上記複合品(compo
site)は接着反応を開始する接着工程で熱に暴露される。
接着工程では、銅又は他の導電性副層の間の結合強度は一般的に樹脂内での架
橋を高めることにより高められる。樹脂組成物中での反応、一般的には架橋によ
り樹脂組成物と絶縁性の第二の層の両者の間で結合が形成され、且つ接着工程で
加えられた熱により樹脂組成物と絶縁性の第二の層の混合により機械的結合が形
成される。
一般的には、少なくとも第一の層と第二の層の多層ラミネート中に形成すべき
複数の層をプレス機(press)中に置くことによって圧力も加えられる。圧力を加
える場合には、一般的には100〜400psi、好ましくは150〜300psiである。この接
着工程の温度は一般的には100℃〜250℃、好ましくは120℃〜200℃である。接着
工程は一般的には5分〜3時間、最も普通には20分〜1時間行われるが、第一の
層と第二の層の良好な接着を確実にするのに十分な時間と圧力と十分に高い温度
で行われる。
この接着工程の間に、絶縁性の副層の樹脂(一般的にはエポキシ樹脂)は流動し
て,第一の層の絶縁性の副層を露出する導電性金属の副層の導電性領域を満たす
ことを確実にする傾向をもつ。これは、導電性の副層材料が絶縁層同志の間で実
質的にシールされ、次後の水又は空気の浸透を回避することを確実にする。
さらにこれに加えて、この接着工程の間に、例えば架橋反応又は重合反応によ
って樹脂のさらなる硬化が樹脂組成物中で生じるように、潜触媒が活性化される
。これにより導電性の副層の導電性材料とそれに隣り合った絶縁層
との間の良好な接着が確実になり、隣り合った層同士の間で強い結合が形成され
る。
所望ならば、数個の層を最終接着工程で一緒に配置して単一の工程で数個の層
の積層を行って多層板を形成し得る。認められるように、本発明によって公知の
方法よりも相当に単純化された方法が提供され、しかも銅又は別の導電性材料の
良好な保護と良好な接着が提供され、一方ではピンクリングの従来技術の問題が
濃くされる。
また、本発明は結合性レジスト形成用の樹脂組成物であって、本発明の方法に
使用するのが好ましい樹脂組成物も包含するものであり、該樹脂組成物は第一の
樹脂成分であって光重合性基を含有し且つ15〜75の酸価を有する第一の樹脂成分
と、未反応エポキシ基を有する第二の樹脂成分と、光反応開始剤(photoinitiato
r)とを含有するものであり、第一の樹脂成分と第二の樹脂成分との重量比は少な
くとも1:1、好ましくは少なくとも3:2である。
前記組成物は場合によっては潜触媒を含有していてもよい。
前記の第一の樹脂成分の酸価は、好ましくは少なくとも25、さらに好ましくは
少なくとも30である。上記の酸価は好ましくは65以下、最も好ましくは60以下で
ある。
所望の酸価を付与する酸基はカルボン酸末端基(分岐した基又は末端基のいず
れかである)であるのが好ましく、エチレン性不飽和基は-C(R3)=C(R3)2(式中、
R3はそれぞれ独立してH、C1-4アルキル基及びハロゲン原子の中から選択され
るものであるが、ハロゲン原子は好ましくない)であるのが好ましい。3個の基
R3は全てが例えばアクリレート末端基においては水素原子であるか、又は1個
の基R3は例えばメタクリレート末端基におけるようにCH3である。アルキル基は
場合によっては例えばハロゲン原子例えば塩素又は臭素で置換されていてもよい
。
光重合性の基を含有する前記の第一の樹脂成分はエポキシアクリレート又はエ
ポキシ(C1-4)アクリレート(好ましくはエポキシメタクリレート)を含有するか
あるいはエポキシ樹脂であって下記の構造式I:
〔式中、Arは置換されていてもよい芳香族基であってフェニル環を1〜4個有す
る芳香族基であり;
Rは二価の炭化水素基であって、好ましくは1〜10個の炭素原子、最も好まし
くは1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基であるか、又は-O-もしくは-N-(R2
)-(但し、R2はH又はC1-4炭化水素基であり、好ましくはR2は-CH3である)で
あるか、又はこれらの基の組み合わせであり;且つ
R1はH、酸官能基及びエチレン性不飽和基の組み合わせであり(但し、R1は
Hであり、基R1の総数の30%以下であり、R1は15〜75、最も好ましくは25〜6
5の酸価又は場合によっては30〜60の酸価を付与するのに十分な割合の酸官能基
であり、残りの基R1基はエチレン性不飽和基である);且つ
Xは好ましくは2〜10である〕を有する芳香族ポリグリシジルエーテルである
エポキシ樹脂である。
光重合性の基を含有する前記の第一の樹脂成分が前記の構造式Iを有するもの
である場合には、複数個の基R1の30%まではHであり;基R1の4〜95%は酸官
能基であり且つ基R1の4〜95%はエチレン性不飽和基である。基R1の25〜90%
は酸性官能基及びエチレン性不飽和基それぞれであるのが好ましい。酸性官能基
R1は-C(O)-OHであり、且つエチレン性不飽和基は-CH又はCH3、好ましくは-CH=C
H2である。
第一の樹脂成分は実質的に未反応エポキシ基を含有していない。第一の樹脂組
成物が利用し得るエポキシ基の実質的に全部がその形成中に反応するようなエポ
キシ化合物の反応生成物であるのが好ましい。
前記の光重合性樹脂の分子量は、特別にはそれが前記の式Iの芳香族ポリグリ
シジルエーテルから製造されるものである場合には、好ましくは10,000
以下、最も好ましくは少なくとも500〜5000であるか、あるいは場合によっては3
000以下である(GPCで測定される)。
適当なアクリル酸又はメタクリル酸樹脂が慣用のフォトレジスト又はソルダ−
マスクを形成するのに慣用される。
適当な例としては、不飽和酸がアクリル酸又はメタタクリル酸、ハロゲン化ア
クリル酸又はメタクリル酸、二酸のヒドロキシアルキルアクリレート又はメタク
リレート半エステルである場合のエポキシノボラック樹脂の不飽和エステルが挙
げられる。
光反応開始剤(photo-initiator)が、光開始反応工程でエチレン性不飽和基の
反応を促進するために組成物中に配合される。好ましい光反応開始剤は、光照射
されるとフリーラジカルの生成を生起する励起状態を与えるものであり、該フリ
ーラジカルは次いで単量体、例えば有機過酸化物、過酸化水素、α‐置換アセト
フェノン類例えば2,2-トリクロロ-4-t-ブチルアセトフェノン、ベンゾイルフェ
ニルカルビノール類及びそのアルキルエーテル、例えばベンゾン(benzone)及び
そのアルキルエーテル、ベンゾフェノン類、ベンジル、アセタール類、並びにフ
ェノチアジン染料又はキノキサリンと電子供与体との混合物の光重合を開始する
。好ましい光反応開始剤はベンゾフェノン類及び/又はアシルホスフィン類であ
る。
光反応開始剤は一般的に組成物中に樹脂組成物全体の0.5〜15重量%、より通
常的には1〜10重量%の量で配合される。
第二の樹脂成分は未反応エポキシ基を有するエポキシ樹脂を含有してなる。該
未反応エポキシ基は、接着工程において高温の条件で反応して導電性の副層(一
般に銅)の表面に対する接着性を増大させ且つ絶縁性の第二の層に対して良好な
接着性を付与する。
前記エポキシ樹脂は未反応エポキシ基を含有する樹脂であり、例えばエポキシ
ーノボラック樹脂、ビスフェニルAグレシジルエーテルプレポリマー、ビスフェ
ノールFジグリシジルエーテルプレポリマー又はビスフェノールHジグリシジル
エーテルプレポリマー、あるいは欧州特許出願公開第514630A号明細書に記載さ
れているようなエポキシ−ノボラック樹脂のうちの1種で
あるか又はその2種以上の混合物であってもよい。
第二の樹脂組成物の軟化点は60〜90℃であるのが好ましい。
本発明で使用する樹脂組成物は、複数の層を一緒に接着することによって生成
させた最終積層中で絶縁性の層と化学的に適合性であるべきである。
エポキシ基は接着工程において反応し且つ第一の樹脂成分における主鎖を形成
する好ましい官能基である。その理由は、第二の絶縁の層(プレプレグ)及び場合
によっては副層中に含有される樹脂は一般的にエポキシ基材のものであるので、
エポキシ官能性を使用すると結合プロセスセス中に化学的適合性(compatibility
)を確実にするからである。また、エポキシ樹脂は良好な熱安定性及び電気絶縁
性を持つことが知られている。
第一の樹脂成分と第二の樹脂成分は一般的に、2:1〜6:1、好ましくは2
:1〜4:1、最も好ましくは3:1程度の重量比で本発明の組成物に配合され
る。
前記の特定の第一の樹脂成分及び第二の樹脂成分のほかに、本発明の組成物は
、場合によっては接着工程中に樹脂組成物中の架橋密度を増大させるために追加
の光重合性成分の一種又はその二種以上の混合物を含有し得る。上記の追加の光
重合性成分は樹脂組成物中に組成物全体の25重量%までの量、好ましくは20重量
%以下の量、最も好ましくは15重量未満の量で配合し得る。光重合性の単量体、
二量体又はオリゴマーを使用し得るが、特に好ましいものは多官能性化合物、例
えばアクリレート又はメタクリレート、例えばTMPEOTA(トリメチロールプロパン
エトキシレートトリアクリレート)及び/又はTPGDA(トリプロピレングリコール
トリアクリレート)及び/又はRCS88´999(ウレタンアクリレート樹脂)及び/又
はSantolink AM 1150(メラミンアクリレート)である。
本発明の組成物は一般的に諸成分を含有し、光重合性基と接着反応性エポキシ
基の比率が2:1〜10:1、好ましくは2.1〜5:1、最も好ましくは約3:1の比率を与え
る。
本発明の組成物は第一の樹脂成分を50〜94重量%と、第二樹脂成分を5〜49重
量%含有するのが好ましい。さらに好ましくは、該組成物は第一の樹脂
成分を50〜89重量%と、第二の樹脂成分を10〜49重量%含有すべきである。
従って、耐エッチング性樹脂組成物は、有機樹脂であって重合工程及び架橋工
程で反応し且つ重合又は架橋の少なくとも一部分が光放射(radiation)に暴露さ
れることによって開始される有機樹脂を含有するのが好ましい。特に好ましい耐
エッチング性樹脂組成物は、樹脂の架橋がエポキシアクリレート(又はメタクリ
レート)樹脂の酸基と第二の樹脂成分上のエポキシ基との反応に起因する樹脂組
成物である。
本発明の方法のおいてかかる好ましい組成物を使用すると、光重合開始反応工
程において、エチレン性不飽和基が反応して、定着された領域を生成する樹脂組
成物の平均分子量を増大させる。
樹脂組成物中の酸性基は水性現像能(developability)を付与するので、現像工
程では、より低い分子量の非定着領域が現像除去されて(developed way)導電性
の副層の所定の場所に定着領域を残す。熱接着工程において、第一の樹脂成分の
酸基と第二の樹脂成分のエポキシ基との間で反応が行われて層間に強い結合を形
成する。樹脂組成物中の酸性基は導電性金属の副層に対する良好な接触を確実に
すること認められた。
生成した積層は熱衝撃条件下においても耐層剥離性であり、従来のシステムと
比較して、問題となる水準でガス発生の問題を招かない。特に良好な特性は、均
質に混合している2種類の特定の樹脂成分同志の間で反応が起こり、従って組成
物全体の反応を確実にし且つレジスト中の弱点を低減し、しかも未反応エポキシ
基が結合性レジスト中に実質的に残らないことを確実にするということによるも
のであると仮定される。これは樹脂組成物の酸性の性質と組み合わされて、導電
性の副層の表面と組成物との間の特に良好な接触(それは吸湿量を最小にすると
思われる)を確実し、それによってガス発生の問題を減少させる。
従来の結合性レジスト中のガス発生は、少なくとも部分的には、水に対して親
和性をもつ樹脂組成物中の未反応エポキシ基によるものであると仮定される。
従って、好ましい組成物は、定着工程において反応促進剤(これは紫外線
であるのが好ましい)に暴露された際に光化学的に反応するのに有効な官能基と
、現像工程で水性現像能を付与するのに有効な酸性基とを有する第一の樹脂成分
と;光開始反応用の光反応開始剤と;接着工程において第一の樹脂成分上の酸基
と反応するのに有効な未反応エポキシ基を含有する第二の樹脂成分と;場合によ
っては接着工程で反応速度を増大させる潜触媒とを含有してなる。
また前記組成物は、接着工程で反応速度を増大させるために接着工程用の潜触
媒を含有するのが好ましい。
任意の潜触媒は5重量%まで、最も好ましくは0.5〜4重量%の量で配合する
のが好ましい。適当な潜触媒は、第二の樹脂成分のエポキシ基と第一の樹脂成分
の酸基との間の反応用の触媒である。その具体例は、ブロック触媒(blocked cat
alyst)例えばスルホン酸のアミン塩、例えばp-スルホン酸のモルホリン塩である
。
“潜”触媒は、第一の光開始反応工程中は実質的に不活性の状態であり、しか
も接着工程における反応用の官能基の重合用触媒として接着工程まで活性化しな
い触媒である。一般的に第二の重合工程における潜触媒の活性化は、120℃より
も高い温度又は場合によっては140℃よりも高い温度で加熱することによって行
われる。
本発明において使用し得る樹脂組成物は一般的に、前記の樹脂成分と、光開始
剤と、実質的に均一な組成物を形成するための別の任意の成分とを、一般的に溶
媒、例えばグリコールエーテル類又は酢酸グリコールエーテルアセテート類と混
合することによって製造される。必要な場合には、充填剤及び別の成分を、混合
物中に配合する前に(これが好ましい)又は添加後に、最終組成物を混練りする(m
illing)ことによって混練りし得る。
場合によっては、樹脂組成物はまた、結合剤、顔料、脱泡剤、及び別の妨害し
ない添加剤又は充填剤を含有し得る。
本発明の実施例を以下に示す。実施例1
第1表に記載の重量部で下記の諸成分の混合物を形成することによって組
成物を製造した。
前記の諸成分を撹拌して実質的に均一な組成物を形成させた。
次いで、得られた組成物を、回路板用の内部層の予備洗浄された銅箔シート上
にスクリーン印刷によって塗布し、得られた被膜を循環空気中で80℃の温度で約
10分間溶剤を追い出して乾燥し、14μmの厚みをもつ乾燥被膜を得た。前記組成
物の予め選択された領域を、ネガで覆い次いで前記被膜の予め選択したパターン
のみが5KWの強さの紫外線に30秒間暴露されるように紫外線オーブン中を通すこ
とにより紫外線に暴露させた。次いで、得られた被膜(film)の紫外線に暴露され
なかった領域を、炭酸ナトリウムの2%水溶液中に30℃の温度で30秒間浸すこと
によりアルカリ現像することによって、除去
した。次いで、露出した銅の領域を塩化第二鉄の標準エッチング組成物を使用し
てエッチングし、そしてエッチングンされた内部層を水洗し、乾燥させた。
次いで、上記内部層を強制空気乾燥することにより乾燥させ、残っているフォ
トレジスト上に、最も内側の絶縁性の層と一緒に多層板の隣接層を配置した。次
いで、二つの隣り合った層を加圧機中に置き、250psiの圧力をかけ、次いで熱を
150℃で1時間加えた。得られた複合材料は良好な接着性を有しており、絶縁層
中の樹脂が流動して二つの層同志の間にシールを形成した。
IPC試験法2.4.6に従って接着性を試験し、得られた結果は従来の積層品と実質
的に同じか又はそれよりも良好であった。実施例2
30重量部のTMPEOTAを30重量部のTPGDA紫外線硬化性単量体に代えたこと以外は
、実施例1の第1表に挙げた諸成分の混合物を形成することによって、結合性レ
ジスト組成物を製造した。使用においては、実施例1に記載したように、得られ
た組成物は、TPGDAが三官能性(TMPEDTA)よりもむしろ二官能性であるので、実施
例1の組成物よりも遅い紫外線応答を示した。しかしながら、それにもかかわら
ず5KWの強さの紫外線に40秒間暴露することによって硬化が達成された。良好な
結合性レジスト特性が得られた。実施例3
Novapint Violett A511顔料を2.0重量部のSavinyl Violett(登録商標)顔料(Sa
ndoz社製)に代え且つ充填剤であるSyloid ED20(登録商標)の量を15重量部から30
重量部に増やした以外は、実施例1に記載したようにして結合性レジスト組成物
を製造した。実施例1に記載したように、得られた組成物を使用して多層板を形
成させると、ここでもまた良好な結合性レジスト特性が得られた。充填剤の増量
のために、レジストを現像している間に銅の領域上に顔料が吸着され、しかもレ
ジストの表面は充填剤の増量により実施例1及び2それぞれに記載のようにして
形成させたレジストの外観よりも光沢のない外観を有していることが認められた
。実施例4
Albiset B202をAlbiset XP 9/14に代えた以外は、実施例1に記載のようにし
て結合性レジスト組成物を製造した。ここでもまた、得られた組成物は有効な結
合性レジストを形成した。形成された組成物は乾燥すると幾分硬い被膜(film)を
生成し、しかも実施例1の組成物について必要とされる現像時間よりもわずかに
長い現像時間(10〜15%だけ)を必要とすることが認められた。実施例5
実施例1の480重量部のエポキシアクリレート樹脂〔Albiset A210(65%活性)
〕を450重量部のCray Valley社製のエポキシメタクリレート樹脂〔PRO1200(70%
活性)〕に代えた以外は、実施例1に記載のようにして組成物を製造した。得ら
れた組成物は実施例1の組成物よりもわずかに遅い紫外線応答を与えることが認
められた。しかしながら、それにもかかわらず5KWの強さの紫外線に30秒間暴露
することにより硬化が得られた。良好な結合性レジスト特性が得られた。実施例6
実施例1の第1表に記載の組成物に対して、下記の性能試験を行った。前処理
3組の内部層パネルに、下記の異なる表面調製を行った。
a組)ブラッシング
b組)過硫酸ナトリウムの100g/l水溶液中で(1分間)ミクロエッチングし、
その後に5%硫酸中に1分間酸浸漬し、次いで洗浄し、乾燥した
c組)軽石スクラッビング印刷
次いで、得られた前記3組のパネルを120Tスクリーンを使用して実施例の組成
物を用いて印刷した。印刷後にパネルを乾燥炉に直接移した。パネルは80℃(空
気循環炉)で第一の面を5分間、次いで逆の面について10分間乾燥させた。パネ
ルは完全に不粘着性であった。光硬化
露光は3KW光源をもつ真空フレーム構造装置(vacuum frame equipment)を使用
して行った。
Dynachemの階段工学くさび(step wedge)を使用して最適露光時間を測定し、約
30光量単位(light unit)(1分間に相当)であることがわかった。これは約5/6の
現像後に階段工学くさびに破断(a break)を与えた。広範囲の露光時間により階
段光学くさび上の破断点にほんの小さな変化が存在することが認められた。パネ
ルを1%炭酸塩中で30℃でスプレー現像した。エッチングング
MacDermidAc-Cu Guard(登録商標)アルカリ性エッチング剤中で前記のパネルを
エッチングした。結合
次いで、下記のようにしてに回路板を積層した。
基板A)
基板B)
所定の場所に結合性レジストを有する内部層のいくつかを、これが有用な効果
を有するかどうか見るために、プレス(pressing)する前に50℃で10分間“焼き付
け”した。
多層プレス機は真空なしの標準Burkle型であった。プレス温度は71バールル(
パネル上で250psiに相当する)のラム(ram)圧で171℃であった。プレスサイクル
全体は約1.5時間であり、最大温度及び圧力時は1時間であった。結合させた後
に、下記の熱衝撃試験用の2種類のパネルについては外側の銅をエッチングング
して除いた。残りのパネルは孔あけ及びめっき用に送った。熱衝撃
1枚の焼き付けしたパネルと、1枚の焼き付けしなかったパネルとを、垂直熱
風型レベラー(leveller)(はんだ槽温度240℃)中で循環を反復することによって
試験を行った。30秒間のレベリング(levelling)の後に、どちらのパネルも層剥
離の兆候を示さなかった。焼き付けしたパネルはさらに30秒間循環させたが、層
剥離の兆候を示さなかった。実施例7
組成物A(Albiset A210を相当する重量のAlbiset XP 9/126に代えた以外は、
実施例4に記載のようにして製造したもの)と、組成物B(実施例4に記載のよう
にして製造したもの)とを用いて性能試験を行った。
それぞれの面に銅箔を有する種々の異なる複数の層を製造した。それぞれの銅
箔は1平方フィート当たり1オンスであった。0.7mm、0.36mm及び0.2mmそれぞれ
の絶縁層厚みをもつ内部層について試験を行った。その他に、0.2mmの厚さの絶
縁層をもつ内部層も試験した。それは1平方フィート当たり2オンスまでの銅表
面を付与するために1オンスの銅又はめっき銅の上にあった。使用した内部層材
料は全てB.B Electronics社製であった。前処理
0.7mmの絶縁層内部層を機械的にブラッシングすることにより前処理した。0.3
6mmの絶縁層内部層と、0.2mmの絶縁層内部層とを軽石でスクラッビングした。印刷
組成物A及びBそれぞれを使用して、100Tポリエステル製の網を使用してスク
リーン印刷することにより、前記パネルを印刷した。それそれの場合において、
組成物A又はBのいずれかを用いて印刷する前に、スクリーンを二重に流した(f
looded)。パネルは65〜70℃(空気循環炉)で第一の面について10分間、次いで第
二の面について8分間乾燥した。光硬化
Circographic 5000でパネルを露光した。次いで、内部層を1分間に相当する3
0光量単位露光した。これは銅8/9のStuofflerの階段光学くさびを与えた。現像
1%炭酸ナトリウム溶液を使用して32℃でパネルを現像した。次いで、320mm/
分のコンベヤー速度でパネルを現像した。エッチング
次いで、パネルをMacDermidamnoniacalエッチング溶液中でpH8.2及び45℃でエ
ッチングした。組成物Aについて特に良好な結果が得られた。結合
次いで、処理した内部層をBurkle開放プレス機中で次のサイクル:すなわち17
0℃及び10バールのラム圧でゲル化時間が4分間;170℃及び71バールのラム圧で
結合時間が70分間;及び冷却時間が30分間のサイクルで結合させた。最終的多層
板を下記に示すようにして組み立てた。
4層からなる多層板
6層からなる多層板
比較例
BB Electronics社製のPerstorp TM GE313 UT内部層を使用した4層多層板
熱衝撃試験
前記の本発明の4層多層板を、組成物A及びBのそれぞれから形成されたフォ
トレジストを有する内部層を使用して製造した。次いで、得られた4層板につい
て252℃でCemco Quick Silver machine中で熱風はんだレベリング
を反復した。37秒間はんだ浴に浸漬した後に、どちらの基板も層剥離の兆候を示
さなかった。比較用の4層多層板を使用して得られた結果との比較から、銅−結
合性レジスト−プレプレグ結合は、比較例の銅−プレプレグ結合と同等の強度で
あり得る非常に良好な接着性を与えると結論された。組成物Aを使用して得られ
た結合が比較例での銅とプレプレグとの間の結合よりも強いかどうかを決定する
ためにさらなる試験を行わなかったが、組成物Aを使用して得られた結合は特に
良好であった。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1995年11月8日
【補正内容】
請求の範囲
1.多層回路板の製造方法であって、
少なくとも1つの絶縁性の副層と少なくとも1つの導電性の副層とを含んでな
る第一の層を製造し;
樹脂組成物であって光重合性の基と酸基とを酸価が15〜75の範囲にあるように
含有する第一の樹脂成分と、未反応エポキシ基を含有する第二のエポキシ樹脂成
分と、光反応開始剤とを含有してなる樹脂組成物の層を前記導電性の副層の表面
に塗着し;
前記樹脂組成物を照射することによって、該樹脂組成物れを予め選択したパタ
ーンで定着させて耐エッチング性樹脂組成物の定着パターンと樹脂組成物の非定
着パターンとを選択的に形成させ;
現像工程において、前記の樹脂組成物の非定着パターンを水性現像組成物中で
接触させて非定着領域の除去を行って、エッチングするための導電性の副層の領
域を露出させ;
導電性の副層の露出した領域をエッチング液と接触させることによりエッチン
グし;
前記の定着した耐エッチング性樹脂組成物を絶縁性の第二の層と接触させ;次
いで
最終接着工程において、前記の定着した樹脂を少なくとも100℃のまで温度で
加熱することによって前記の第一の層と第二の層とを互いに接着させることから
なる多層回路板の製造方法。
2.前記の樹脂組成物が潜触媒を含有するものであり、該潜触媒は活性化され
て接着工程を触媒する接着工程の前では実質的に不活性であるものである請求項
1記載の方法。
3.前記の光重合性の基がエチレン性不飽和基である前記請求項1又は2に記
載の方法。
4.前記の第一の樹脂成分が少なくとも25、好ましくは少なくとも30から65以
下、さらに好ましくは60以下までの酸価を有するものである前記請求項4記載の
方法。
5.前記の酸基がカルボン酸末端基であり且つ前記の光重合性の基が-C(R3)=C
(R3)2(式中、それぞれのR3は独立してH又はC1-4アルキル基である)から選択
されるエチレン性不飽和基であり、好ましくは該エチレン性不飽和基はアクリル
酸又はメタクリル酸末端基の一部分である前記請求項のいずれかに記載の方法。
6.前記の第一の樹脂成分がエポキシアクリレート又はエポキシ(C1-4)アク
リレート(好ましくはエポキシメタクリレート)を含有するかあるいはエポキシ樹
脂であって下記の構造式I:
〔式中、Arは置換されていてもよい芳香族基であって1〜4個のフェニル環を有
する芳香族基であり;
Rは二価の炭化水素基であって、好ましくは1〜10個の炭素原子、最も好まし
くは1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基であるか又は-O-もしくは-N-(R2)-
(但し、R2はH又はC1-4炭化水素基であり、好ましくはR2は-CH3である)であ
り;且つ
R1はH、酸官能基及びエチレン性不飽和基の組み合わせであり(但し、R1は
Hであり基R1の総数の30%以下であり、R1は15〜75、好ましくは25〜65、さら
に好ましくは30〜60の酸価を付与するのに十分な割合の酸性官能基であり、そし
て残りの基R1はエチレン性不飽和基である);且つ
Xは好ましくは2〜10である〕を有する芳香族ポリグリシジルエーテルである
エポキシ樹脂を含有するものである前記請求項のいずれかに記載の方法。
7.前記の第一の樹脂成分は前記の構造式(I)を有する芳香族ポリグリシジル
エーテルであって、式中の基R1の30%まではHであり;基R1の4〜95%は式-C
(O)-OHを有する酸官能基であり且つ基エチレン性不飽和基R1の4
〜95%は式-C(HR)CH3=CH2の基である請求項6記載の樹脂組成物。
8.前記の第一の樹脂成分は500〜10,000の範囲の分子量をもつものである前
記請求項のいずれかに記載の方法。
9.前記の第二の樹脂成分はエポキシノボラック樹脂、ビスフェノールAグリ
シジルプレポリマー、ビスフェノールFジグリシジルエーテルプレポリマー及び
ビスフェノールHジグリシジルプレポリマーのうちの1種又はその2種以上の混
合物の中から選択されるものである前記請求項のいずれかに記載の方法。
10.前記の第二の樹脂成分は60〜90℃の軟化点を有するものである前記請求項
のいずれかに記載の樹脂組成物。
11.第一の樹脂成分と第二の樹脂成分との重量比が1:1〜6:1であり、好
ましくは少なくとも3:2である前記請求項のいずれかに記載の方法。
12.現像工程の後で且つエッチング工程の前に、前記の定着された樹脂を焼き
付け工程で100℃までの温度、好ましくは80℃までの温度に加熱する前記請求項
のいずれかに記載の方法。
13.接着工程において、前記の定着された樹脂を100〜250℃の範囲の温度、好
ましくは120〜200℃の範囲の温度に加熱する前記請求項のいずれかに記載の方法
。
14.前記の水性現像組成物が0.5〜20重量%の弱アルカリ性塩、好ましくは炭
酸ナトリウム又はカリウムを含有するものである前記請求項のいずれかに記載の
方法。
15.第一の層と、耐エッチング性樹脂と、絶縁性の第二の層とを有してなる多
層回路板であって、前記の第一の層が絶縁性の副層と導電性の副層とを有してな
るものであり、該第一の層は絶縁性の第二の層に前記耐エッチング性樹脂組成物
が前記導電性の副層と前記絶縁性の第二の副層の両方と直接に接触するように接
着されるものであり、且つ前記の耐エッチング性樹脂組成物が請求項4〜11のい
ずれかに記載の樹脂組成物から形成されるものである多層回路板。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
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,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN