JPH10325017A - 潜在捲縮性複合繊維 - Google Patents

潜在捲縮性複合繊維

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JPH10325017A
JPH10325017A JP12948297A JP12948297A JPH10325017A JP H10325017 A JPH10325017 A JP H10325017A JP 12948297 A JP12948297 A JP 12948297A JP 12948297 A JP12948297 A JP 12948297A JP H10325017 A JPH10325017 A JP H10325017A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 260℃以上の高温で溶融紡糸しても重合体
の構造が変わらないポリエステルエステルブロック共重
合体を一成分とする複合繊維であって、潜在捲縮性能を
有する複合繊維を提供する。 【解決手段】芳香族ポリエステルセグメントおよび脂肪
族ポリエステルセグメントからなり、特定の水酸基濃
度、カルボキシル基濃度を有するポリエステルエステル
ブロック共重合体を一成分とする潜在捲縮性複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は潜在捲縮性能を有す
る複合繊維に関するものである。詳細には柔軟で伸縮性
能に優れ、膨らみ感、耐光性を有し、その上ポリエステ
ル繊維でありながら耐加水分解性に優れた複合繊維に関
する。
【0002】
【従来の技術】2種類以上のポリマ−を複合紡糸してな
る複合繊維は各種提案され、それぞれの特性を生かして
各種の用途に使用されている。たとえば、弾性回復性に
優れたポリマ−と、繊維形成性ポリマ−とからなる複合
繊維は捲縮性能に優れ、弾性糸条として汎用されてい
る。そしてかかる複合繊維に用いられる弾性回復性に優
れたポリマ−としては、一般にポリウレタンやポリエ−
テルエステル系ブロック共重合体が使用されている。し
かしながら、これらの弾性回復性に優れたポリマ−は、
繊維表面に露出された使用形態では耐光性が非常に劣
り、複合形態には制限があるのが実情である。
【0003】このような複合繊維の耐光性を改良する目
的で脂肪族ポリエステルをソフトセグメントとするポリ
エステルエステルブロック共重合体を採用することも行
われているが、該ブロック共重合体は紡糸時の押出機内
での溶融滞留により、該ブロック共重合体の重合体構造
のランダム化が生じ、ブロック共重合構造が損なわれ
る。その結果、得られる複合繊維は弾性性能の劣ったも
のとなる。また、このような現象は紡糸温度が260℃
以上の場合に顕著であり、従来のポリエステルエステル
ブロック共重合体では満足な複合繊維を得ることができ
にくかった。
【0004】また、上記の溶融滞留による重合体構造の
ランダム化を抑制するためにリン酸、亜リン酸、それら
のエステル、アンモニウム塩、金属塩等をポリマ−に添
加する方法、チタン系触媒の存在下にリン化合物を添加
する方法などが提案されているが、これらの化合物は得
られる複合繊維の耐久性を著しく低下させるものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、26
0℃以上の高温で溶融紡糸しても重合体の構造が変わら
ないポリエステルエステルブロック共重合体を一成分と
する複合繊維であって、潜在捲縮性能を有する複合繊維
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明者等は鋭意検討を重ねてきた。そして、その
結果、本発明者等は特定の組成で、特定の末端基濃度を
有するポリエステルエステルブロック共重合体が高温で
紡糸してもその重合体の構造が変わらず、かかるポリエ
ステルエステルブロック共重合体を一成分とする複合繊
維が潜在捲縮能を有し、捲縮繊維として有用であること
を見出だした。
【0007】すなわち、本発明は、ポリエステルエステ
ルブロック共重合体を一成分とし、立体スパイラル状捲
縮形態をとっている複合繊維において、該ポリエステル
エステルブロック共重合体が、(i)芳香族ポリエステ
ルセグメント(A)および脂肪族ポリエステルセグメン
ト(B)からなっていて、(a)芳香族ポリエステルセ
グメント(A)がジカルボン酸単位およびジオ−ル単位
から主としてなり、該ジカルボン酸単位の70モル%以
上が芳香族ジカルボン酸単位であって、かつ該ジオ−ル
単位の70モル%以上が炭素数2〜4の脂肪族α,ω−
ジオ−ル単位および1,4−シクロヘキサンジメタノ−
ル単位から選ばれる少なくとも1種のジオ−ル単位であ
り、(b)脂肪族ポリエステルセグメント(B)がジカ
ルボン酸単位およびジオ−ル単位から主としてなる脂肪
族ポリエステルセグメント(B1)およびヒドロキシカ
ルボン酸単位から主としてなる脂肪族ポリエステルセグ
メント(B2)の少なくとも一方からなり、該脂肪族ポ
リエステルセグメント(B1)におけるジカルボン酸単
位の60モル%以上が炭素数6〜14の飽和脂肪族ジカ
ルボン酸単位であってかつジオ−ル単位の70モル%以
上が炭素数5〜12の脂肪族ジオ−ル単位であり、そし
て該脂肪族ポリエステルセグメント(B2)におけるヒ
ドロキシカルボン酸単位の60モル%以上が炭素数6〜
10の飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位であり、
(ii)前記芳香族ポリエステルセグメント(A)/脂肪
族ポリエステルセグメント(B)が重量比で95/5〜
30/70であり、(iii)水酸基濃度が10μ当量/g
以下であり、そして、(iv)カルボキシル基濃度が20
μ当量/g以下であることを特徴とする潜在捲縮性複合
繊維である。
【0008】
【発明の実施形態】以下、本発明に係わるポリエステル
エステルブロック共重合体について説明する。該共重合
体を構成する芳香族ポリエステルセグメント(A)にお
いて、芳香族ジカルボン酸単位の割合が、芳香族ポリエ
ステルセグメント(A)を構成する全ジカルボン酸単位
に基づいて70モル%未満であると、ポリエステルエス
テルブロック共重合体の耐熱性が低下して物性の良好な
ポリエステルエステルブロック共重合体を得ることがで
きず、ひいては該ポリエステルエステルブロック共重合
体を一成分とする複合繊維を溶融紡糸することができに
くくなる。該ポリエステルエステルブロック共重合体の
耐熱性を良好なものとし、該共重合体を一成分とする複
合繊維を満足に溶融紡糸するためには、ジカルボン酸単
位の80モル%以上が芳香族ジカルボン酸単位であるこ
とが好ましく、90モル%以上が芳香族ジカルボン酸単
位であることがより好ましい。
【0009】かかる芳香族ジカルボン酸単位としては、
分子量が400以下の芳香族ジカルボン酸に由来する芳
香族ジカルボン酸単位であればいずれでもよく、とくに
制限されるものではない。具体的にはフタル酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフ
ェニルジカルボン酸、ジフェニルエ−テルジカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルケト
ンジカルボン酸、スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳
香族ジカルボン酸に由来する単位を挙げることができ
る。これらの芳香族ジカルボン酸は1種または2種以上
を併用することもできる。上述の芳香族ポリエステルセ
グメント(A)は、必要に応じて、30モル%未満、好
ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以
下の他のジカルボン酸単位、たとえば1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸単位等の脂環式ジカルボン酸単位、
琥珀酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸等の脂肪族ジカルボン酸よりなる脂肪族ジカルボ
ン酸単位の1種または2種以上を併用することもでき
る。
【0010】また、芳香族ポリエステルセグメント
(A)において、炭素数2〜4の脂肪族α,ω−ジオ−
ル単位および1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル単位
から選択される少なくとも1種のジオ−ル単位の割合
が、芳香族ポリエステルセグメント(A)を構成する全
ジオ−ル単位に基づいて、70モル%未満であると、ポ
リエステルエステルブロック共重合体の耐熱性が低下す
るとともに、複合繊維の強度、伸縮性等が低下すること
になる。かかる点において、炭素数2〜4の脂肪族α,
ω−ジオ−ル単位および1,4−シクロヘキサンジメタ
ノ−ル単位から選択される少なくとも1種のジオ−ル単
位の割合が芳香族ポリエステルセグメント(A)を構成
する全ジオ−ル単位の80モル%以上であることが好ま
しく、とくに90モル%以上であることが好ましい。
【0011】炭素数2〜4の脂肪族α,ω−ジオ−ル単
位としては、1,4−ブタンジオ−ル、1,3−プロパ
ンジオ−ル、1,2−エチレングリコ−ルからなる単位
を挙げることができる。芳香族ポリエステルセグメント
(A)はこれらのジオ−ル単位および1,4−シクロヘ
キサンジメタノ−ル単位のうちの1種のみを有していて
も、2種以上を有していてもよい。
【0012】さらに、芳香族ポリエステルセグメント
(A)は必要に応じて、30モル%未満、好ましくは2
0モル%以下、より好ましくは10モル%以下の他のジ
オ−ル単位、たとえば1,5−ペンタンジオ−ル、1,
6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、3−
メチル−1,5−ペンタンジオ−ル、2−メチル−1,
8オクタンジオ−ル、1,9−ノナンジオ−ル、1,1
0−デカンジオ−ル等の脂肪族ジオ−ル;シクロヘキサ
ンジオ−ル等の脂環式ジオ−ル;1,4−ビス(β−ヒ
ドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシレングリコ−ル
等の芳香族ジオ−ルなどからなるジオ−ル単位の1種ま
たは2種以上を併用してもよい。また芳香族ポリエステ
ルセグメント(A)は少量(好ましくは全ポリオ−ルの
1モル%以下)であれば、必要に応じて、トリメチロ−
ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、1,
2−ヘキサントリオ−ル、ペンタエリスリト−ル等の多
価アルコ−ルからなる単位を含んでいてもよい。
【0013】本発明に係わるポリエステルエステルブロ
ック共重合体は、その芳香族ポリエステルセグメント
(A)がポリ(テトラメチレンテレフタレ−ト)セグメ
ント、ポリ(テトラメチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレ−ト)セグメントおよびポリ(1,4−シク
ロヘキサンジメチレンテレフタレ−ト)セグメントのう
ちの1種または2種以上から構成されていることが、該
共重合体の紡糸性の点で好ましい。
【0014】そして、該共重合体では、その脂肪族ポリ
エステルセグメント(B)がジカルボン酸単位およびジ
オ−ル単位から主としてなる脂肪族ポリエステルセグメ
ント(B1)、およびヒドロキシカルボン酸単位から主
としてなる脂肪族ポリエステルセグメント(B2)の少
なくとも一方からなることにも特徴を有する。
【0015】該脂肪族ポリエステルセグメント(B1)
において、炭素数6〜14の飽和脂肪族ジカルボン酸の
割合が、脂肪族ポリエステルセグメント(B1)を構成
する全ジカルボン酸単位に基づいて60モル%未満であ
ると、ポリエステルエステルブロック共重合体の弾性回
復性、耐寒性、伸度等が低下するとともに、該共重合体
を一成分とする複合繊維の捲縮発現性および伸長回復性
が不良となる。270℃以上での高温下での溶融滞留時
におけるブロック共重合構造のランダム構造化の抑制効
果の点、該共重合体の弾性回復性、耐寒性、伸度等の
点、複合繊維の捲縮性等の点で、炭素数6〜14の飽和
脂肪族ジカルボン酸単位の割合は70モル%以上である
ことが好ましく、80モル%以上であることがより好ま
しい。
【0016】また、脂肪族ポリエステルセグメント(B
1)における炭素数6〜14の飽和脂肪族ジカルボン酸
単位としては、たとえばアジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、モノデカン二酸、
ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸等の
飽和脂肪族ジカルボン酸からなる単位を挙げることがで
き、脂肪族ポリエステルセグメント(B1)はこれらの
飽和脂肪族ジカルボン酸単位の1種または2種以上を併
用することができる。
【0017】また、脂肪族ポリエステルセグメント(B
1)は、必要に応じて40モル%未満、好ましくは30
モル%以下、より好ましくは20モル%以下の他のジカ
ルボン酸単位、たとえばシクロヘキサンジカルボン酸等
の飽和脂環式ジカルボン酸;フタル酸、テレフタル酸、
イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;マレイン酸、フ
ナ−ル酸、イタコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;
テトラブロモフタル酸等のハロゲン含有ジカルボン酸な
どからなるジカルボン酸単位の1種または2種以上を有
していることができる。該脂肪族ポリエステルセグメン
ト(B1)は、上記したジカルボン酸単位と共に少量
(好ましくは全酸単位の1モル%以下)であればトリメ
リット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバ
リル酸等の多価カルボン酸からなる単位を含んでいても
よい。
【0018】さらに該脂肪族ポリエステルセグメント
(B1)において、炭素数5〜12の脂肪族ジオ−ル単
位の割合が、脂肪族ポリエステルセグメント(B1)を
構成する全ジオ−ル単位に基づいて70モル%未満であ
ると、270℃以上の高温下での溶融滞留時におけるブ
ロック共重合構造のランダム構造化の抑制効果が低下
し、しかもポリエステルブロック共重合体の弾性回復
性、強伸度、耐寒性などが低下するとともに、該共重合
体を一成分とする複合繊維の強伸度、捲縮発現性、伸長
回復性が低下するとともに、高温時の溶融粘度低下が大
きくなり、複合紡糸工程性が低下することになる。かか
る点より、炭素数5〜12の脂肪族ジオ−ル単位の割合
が80モル%以上であることが好ましく、90モル%以
上であることがより好ましい。
【0019】該炭素数5〜12の脂肪族ジオ−ル単位と
しては、たとえば1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−
ヘキサンジオ−ル、1,7−ヘプタンジオ−ル、1,8
−オクタンジオ−ル、1,9−ノナンジオ−ル、1,1
0−デカンジ−ル、1,11−モノデカンジオ−ル、
1,12−ドデカンジオ−ルからなる直鎖状の脂肪族ジ
オ−ル単位;ネオペンチルグリコ−ル、2,2−ジエチ
ル−1,3−プロパンジオ−ル、2−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオ−ル、3−メチル−1,5−
ペンタンジオ−ル、2−メチル−1,8−オクタンジオ
−ル等の分岐を有する脂肪族ジオ−ル単位を挙げること
ができ、脂肪族ポリエステルセグメント(B1)は前記
した脂肪族ジオ−ル単位の1種のみを有していても、ま
たは2種以上を有していてもよい。ポリエステルエステ
ルブロック共重合体の弾性回復性、耐寒性、伸度等の性
質を良好なものとし、該共重合体を一成分とする複合繊
維の捲縮発現性、伸長回復性等をより良好なものとする
ために、該炭素数5〜12の脂肪族ジオ−ル単位のう
ち、分岐を有する炭素数5〜12の脂肪族ジオ−ル単位
の割合が30モル%以上であることが好ましく、40モ
ル%以上、とくに50モル%以上であることが好まし
い。
【0020】また、脂肪族ポリエステルセグメント(B
1)は必要に応じて、30モル%未満、好ましくは20
モル%以下、とくに10モル%以下の他のジオ−ル単位
の1種または2種以上を有していてもよい。他にジオ−
ル単位としてはシクロヘキサンジオ−ル、シクロヘキサ
ンジメタノ−ル等の脂環式ジオ−ル;1,4−ビス(β
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、p−キシレングリコ
−ル等の芳香族ジオ−ルなどからなるジオ−ル単位を挙
げることができる。
【0021】脂肪族ポリエステルセグメント(B2)に
おいては、炭素数6〜10の飽和脂肪族ヒドロキシカル
ボン酸単位の割合が、脂肪族ポリエステルセグメント
(B2)を構成する全ヒドロキシカルボン酸単位に基づ
いて60モル%未満であると、ポリエステルエステルブ
ロック共重合体の弾性回復性、耐寒性、伸度が低下する
とともに、該共重合体を一成分とする複合繊維の捲縮発
現性、伸長回復性等も低下する。270℃以上の高温下
での溶融滞留時におけるブロック共重合体構造のランダ
ム構造化の抑制効果の点、上述の該共重合体および複合
繊維の諸物性の改良の点において、炭素数6〜10の飽
和脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位の割合が80モル%
以上、とくに90モル%以上であることが好ましい。
【0022】脂肪族ポリエステルセグメント(B2)に
おける炭素数6〜10の飽和脂肪族ヒドロキシカルボン
酸単位としては、ε−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒド
ロキシエナント酸、7−ヒドロキシカプリル酸等の飽和
脂肪族ヒドロキシカルボン酸から誘導される単位を挙げ
ることができ、脂肪族ポリエステルセグメント(B2)
はこれらの飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位の1種
または2種以上を有していることができる。
【0023】そして、本発明に係わる脂肪族ポリエステ
ルセグメント(B)は、上述した脂肪族ポリエステルセ
グメント(B1)のみであっても、脂肪族ポリエステル
セグメント(B2)のみであっても、または脂肪族ポリ
エステルセグメント(B1)と脂肪族ポリエステルセグ
メント(B2)の両方から構成されていてもよく、脂肪
族ポリエステルセグメント(B1)を有していることが
高温下での熱分解しにくい点で好ましい。
【0024】また、脂肪族ポリエステルセグメント
(B)は少量(好ましくは全ポリオ−ルの1モル%以
下)であれば必要に応じて、トリメチロ−ルエタン、ト
リメチロ−ルプロパン、グリセリン、1,2−ヘキサン
トリオ−ル、ペンタエリスリト−ル等の多価アルコ−ル
からなる単位を含んでいてもよい。
【0025】そして、本発明に係わるポリエステルエス
テルブロック共重合体は、上述した芳香族ポリエステル
セグメント(A)/脂肪族ポリエステルセグメント
(B)の割合が重量比で、前者/後者=95/5〜30
/70であることが必要である。芳香族ポリエステルセ
グメント(A)の割合が95重量%を越えると、該共重
合体の弾性回復性が劣る上に、該共重合体を一成分とす
る複合繊維の伸長回復性が劣ったものとなる。一方、芳
香族ポリエステルセグメント(A)の割合が30重量%
未満になると、該共重合体の耐熱性が劣ったものとな
り、ひいては該共重合体を一成分とする複合繊維の繊維
化工程性が劣ったものとなる。かかる点より芳香族ポリ
エステルセグメント(A)/脂肪族ポリエステルセグメ
ント(B)の割合は、前者/後者=90/10〜40/
60(重量比)であることが好ましく、とくに80/2
0〜40/60(重量比)であることが好ましい。
【0026】さらに、本発明の複合繊維の強伸度、弾性
回復性、捲縮性の発現等の点を良好なものとするため
に、該共重合体を構成する芳香族ポリエステルセグメン
ト(A)の数平均分子量が約500〜10000、脂肪
族ポリエステルセグメント(B)の数平均分子量が約5
00〜10000であることが好ましい。
【0027】また、該共重合体の固有粘度は、フェノ−
ル/テトラクロロエタン混合溶媒(等重量比)中、30
℃で測定したときに、1.0dl/g以上であることが
好ましく、1.2dl/g以上、とくに1.4dl/g
以上であることが好ましい。
【0028】本発明に係わるポリエステルエステルブロ
ック共重合体はその水酸基濃度が10μ当量/g以下で
あることが極めて重要な特徴である。該共重合体の水酸
基濃度が10μ当量/gを越えると、270℃以上の高
温で溶融滞留させた際に、芳香族ポリエステルセグメン
ト(A)と脂肪族ポリエステルセグメント(B)との間
のエステル交換反応が生じて、そのブロック共重合構造
が失われてランダム構造化し、ポリエステルエステルブ
ロック共重合体本来の特性が失われ、該共重合体を一成
分とする複合繊維の潜在捲縮性が失われる。高温で溶融
状態に滞留させた際のブロック共重合構造の消失を一層
効果的に抑制するためには該共重合体の水酸基濃度が5
μ当量/g以下であることが好ましく、とくに3μ当量
/g以下であることが好ましい。なお、本発明でいう
「水酸基濃度」とは下記に示す実施例に記載した方法に
よって測定した水酸基濃度をいう。
【0029】さらに、上述の共重合体はそのカルボキシ
ル基濃度が20μ当量/g以下であることも重要な特徴
である。該共重合体のカルボキシル基濃度が20μ当量
/gを越えると、高温で溶融状態に滞留させた際に、芳
香族ポリエステルセグメント(A)と脂肪族ポリエステ
ルセグメント(B)との間のエステル交換反応が助長さ
れる傾向にあり、該共重合体の本来の特性が失われ、該
共重合体を一成分とする複合繊維の潜在捲縮性が失われ
る。しかも、カルボキシル基濃度が20μ当量/gを越
えると、該共重合体の耐加水分解性等の耐久性も低下す
る。かかる点より該共重合体のカルボキシル基濃度は1
0μ当量/g以下、とくに5μ当量/g以下であること
が好ましい。なお、本発明でいう「カルボキシル基濃
度」とは下記に示す実施例に記載した方法によって測定
したカルボキシル基濃度をいう。
【0030】本発明に係わるポリエステルエステルブロ
ック共重合体は上述したように(i)〜(iv)の要件を
満足していることが重要であり、かかる要件を満足する
ことによって該共重合体を一成分とする複合繊維、とく
にポリエステルと高温下で複合紡糸しても、ブロック共
重合構造が保持されてランダム構造化せず、したがって
該複合繊維は良好な潜在捲縮性を有するのである。
【0031】本発明に係わるポリエステルエステルブロ
ック共重合体は芳香族ポリエステルおよび脂肪族ポリエ
ステルをエステル交換反応させることにより得られる
が、芳香族ポリエステルおよび脂肪族ポリエステルの少
なくとも一方にシュウ酸チタンカリウムを触媒として用
いて製造されたポリエステルを使用すると、耐加水分解
性等の耐久性や色調に優れたポリエステルエステルブロ
ック共重合体が得られる。ひいては耐久性の向上した、
該共重合体を一成分とする複合繊維を得ることができる
のである。とくに、芳香族ポリエステルとしてポリブチ
レンテレフタレ−トを用いる場合には、シュウ酸チタン
カリウムを触媒として用いて製造されたものを使用する
ことにより、より一層の効果に優れたポリエステルエス
テルブロック共重合体、該共重合体を一成分とする複合
繊維を得ることができるのである。
【0032】ここでいうシュウ酸チタンカリウムとは、
シュウ酸のカルボキシル基がチタンおよびカリウムによ
って塩の形態になっているものをいい、一般にシュウ酸
1モル当たり、チタン原子が約0.5モルおよびカリウ
ム原子が約1モル結合しており、典型的には化学式:K
2 Ti(C2 O4 )・nH2 Oで表される。そのような
シュウ酸チタンカリウムは、たとえばシュウ酸を十分に
加水分解させたチタン酸カリウムと反応させることによ
り製造することができるが、もちろんその製造法は限定
されるものではなく、前記した化学式で表されるシュウ
酸チタンカリウムがいずれも使用できる。
【0033】本発明の複合繊維とは、合成繊維の製造方
法において2種類以上のポリマ−を同一の口金孔から同
時に押し出す、公知の方法により得られるもので、その
ポリマ−の配置は繊維に潜在捲縮性を付与することがで
きるような複合形態であればとくに制限はない。潜在捲
縮性を付与することができる複合形態の例として、繊維
断面周長の70%以下、特に30〜70%が上述のポリ
エステルエステルブロック共重合体であることが好まし
い。具体的には偏心的な芯鞘構造またはサイドバイサイ
ド構造を挙げることができ、紡糸・延伸後の熱セットで
スパイラル状の立体捲縮が発現する。複合形態を偏心的
な芯鞘構造とした場合は芯部のポリマ−に上述のポリエ
ステルエステルブロック共重合体を使用するが、この場
合、該芯部が繊維表面に露出してもしなくても、偏心芯
鞘構造であれば潜在捲縮性が繊維に付与されるが、繊維
表面に該芯部が露出している複合形態が潜在捲縮能の発
現程度が高いので好ましい。熱セットにより捲縮を十分
に発現させるためには、繊維表面へのポリエステルエス
テルブロック共重合体の露出頻度が高い、たとえばサイ
ドバイサイド構造とすることが好ましい。また、繊維断
面形状は通常の丸断面に限らず、偏平断面等の異形断面
形状でもよい。偏平断面形状の場合は偏平度が1〜15
の範囲、とくに2.5〜15の範囲であることが好まし
い。「偏平度」とは、繊維断面形状を顕微鏡観察し、そ
の最大長さを最大幅で除した値であり、20回測定値の
平均値で示す。
【0034】上述のポリエステルエステルブロック共重
合体と複合され得るポリマ−としては、繊維形成性のポ
リマ−であればとくに限定されるものではないが、具体
的にはポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレ
フタレ−ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト等の
線状ポリエステルまたはこれらの共重合体;ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等
のポリアミドまたはこれらの共重合体;ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等のポリオレフィンなどを挙げること
ができる。汎用ポリマ−としてポリエチレンテレフタレ
−ト、ナイロン6、ナイロン66を挙げることができ
る。これらのポリマ−には、本発明の効果を損なわない
範囲内で熱安定剤、艶消剤、制電剤、紫外線吸収剤等の
添加剤を含有させてもよい。またこれらのポリマ−は2
種類以上をブレンドしたものを使用してもよい。
【0035】本発明の複合繊維は潜在捲縮能を有する必
要がある。しかし、かかる潜在捲縮能はすべてが発現し
得ることが望ましいが、未発現の場合も本発明では含む
ものである。立体捲縮を発現させるために必要な複合繊
維の潜在捲縮能は、90℃、30分間のウエット処理を
施した後に10個/25mm以上、とくに15個/25
mm以上のスパイラル捲縮を発現し得ることが好まし
い。
【0036】また本発明の複合繊維は上述のように潜在
捲縮能を有するが、これとは別にスタッフィングボック
スあるいは加熱ギアを用いて5〜20個/25mmの機
械捲縮を付与することもできる。
【0037】該複合繊維において、上述のポリエステル
エステルブロック共重合体と他の繊維形成性ポリマ−と
の複合割合は、前者/後者=30/70〜70/30、
とくに40/60〜60/40の範囲であることが好ま
しい。また、該複合繊維の単糸繊度は用途によって適宜
変更でき得るものであるが、通常1〜5デニ−ルである
ことが好ましい。
【0038】該複合繊維は上述のように公知の方法で得
られる。紡糸口金孔からの紡出糸は冷却された後、紡糸
油剤が付与されて引き取られるか、あるいは引き続いて
3〜5倍に延伸されて巻き取られることもできる。この
場合3000m/分以上の紡糸速度で複合紡糸を行う高
速紡糸法を採用することもでき、また溶融紡出糸条を紡
糸口金直下で一旦50℃以下に冷却し、ついで加熱帯域
を通過させて糸条温度を50℃以上で熱延伸した後、直
ちに2000m/分以上、好ましくは3000m/分以
上の速度で引き取る直接紡糸延伸法を採用することもで
きる。延伸された複合糸条はそのまま、あるいは弛緩状
態で加熱された空気、熱水、スチ−ム等で熱処理され使
用される。
【0039】本発明の複合繊維を使用してなる布帛は、
かかる複合繊維の捲縮に起因する風合の著しい改善と、
該複合繊維を構成するポリエステルエステルブロック共
重合体に起因する良好な弾性回復性(伸長回復性)を有
し、弱い力でも伸長し、また伸長回復性にも優れ、従来
の弾性繊維とはひと味違った風合を醸し出すものであ
る。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれら実施例により何等限定されるものではな
い。なお、実施例中の各測定値は以下の方法により測定
・算出されたものである。 (1)ポリエステルエステルブロック共重合体の固有粘
度 該共重合体をフェノ−ル/テトラクロロエタンの等重量
混合溶媒に溶解し、30℃で測定した。 (2)水酸基濃度 該共重合体の水酸基濃度を、プロトンNMR[日本電子
社製、JEOLGX−500NMR]の測定により求め
た。 (3)カルボキシル基濃度 該共重合体のペレットを乾燥し、ベンジルアルコ−ルに
215℃の温度で3分間かけて溶解させ、溶解後にクロ
ロホルムを溶解液に投入した後、水酸化カリウムのメタ
ノ−ル溶液を用いてフェノ−ルレッドを指示薬として滴
定を行って中和点を求め、カルボキシル基濃度を算出し
た。
【0041】(4)糸条の伸縮性 延伸糸を長さ10cmに切断し、引取り速度200mm
/分で100%伸張し、伸張後3秒間保持した後、応力
を解舒し、応力を解舒した瞬間の糸条の長さL2(c
m)を測定し、下記式により弾性回復率を算出した。 弾性回復率(%)=[{10−(L2−10)}/1
0]×100 (5)織物の風合、柔軟性 触感を10人のパネラ−により官能評価し、結果を平均
点で示す。評価基準を以下に示す。 3点:膨らみ感を有し、非常に柔軟性に富んでいる。 2点:膨らみ感に欠け、柔軟性においてもやや劣る。 1点:ゴワゴワした感じで、柔軟であるとは言い難い。
【0042】(6)耐光性 分散染料にて染色された試料をフェ−ドメ−タ(カ−ボ
ンア−ク、63℃)を用い20時間光照射した後の退色
をグレ−スケ−ルで評価した。 (7)耐加水分解性 延伸糸条を自然長の状態で70℃、95%の相対湿度下
に35日間放置した。放置前後における糸条の引張破断
強度を測定し、放置前の強度に対する放置後の強度の保
持率により加水分解性を評価した。 (8)潜在捲縮性能 90℃30分間ウエット処理後自然乾燥した時に発現す
る捲縮数を測定した。試料10本の平均値で示した。 (9)捲縮伸長率 総繊度数5000デニ−ルに500gの重りを吊り下
げ、30秒間保持した後の伸びを元の長さで除した値で
示す。
【0043】参考例1 窒素気流下に、炭素数が10であるセバシン酸(Sb
A)20.2kgおよび炭素数が6である3−メチル−
1,5ペンタンジオ−ル(MPD)14.2kgを反応
器に仕込み、常圧下に200℃の温度で生成する水を系
外に留去しながらエステル化反応を行った。反応物の酸
価が10以下になった時点で、シュウ酸チタンカリウム
触媒11gを加えて250℃の温度で、200mmHg
から100mmHgまで徐々に減圧しながら反応を続け
た。反応物の酸価が1.0になった時点で真空ポンプで
徐々に真空度を上げて反応を完結させた(ポリエステル
Bと略称する)。固有粘度0.80のポリブチレンテレ
フタレ−ト6000gと上述のポリエステルB4000
gおよびセバシン酸(SbA)20gを用いて240℃
の温度で0.3mmHgの減圧下に150分間反応さ
せ、次いで固相重合を行った。その結果、表1に示され
るように、固有粘度1.9dl/g、水酸基濃度3μ当
量/g、カルボキシル基濃度5μ当量/gのポリエステ
ルエステルブロック共重合体を得た。
【0044】参考例2〜5 表1に示す酸成分およびジオ−ル成分ならびに触媒を用
いた以外は参考例1と同様にしてポリエステルエステル
ブロック共重合体を得た。得られた共重合体の固有粘
度、水酸基濃度、カルボキシル基濃度を表1に示す。た
だし、参考例2においてはポリエステルBとしてポリエ
チレンテレフタレートを使用しているので、共重合体を
重合する温度を265℃とし、反応時間を適宜変更して
表1に示す物性のブロック共重合体を得た。
【0045】実施例1 参考例1で得られたポリエステルエステルブロック共重
合体(TPEE−1と略称する)と、固有粘度0.65
のポリエチレンタレフタレ−ト(PETと略称する)を
別々の押出機で溶融押出し、TPEE−1/PET=5
0/50(重量比)となるようにそれぞれギアポンプで
計量した後、紡糸パック内に供給し、口金温度290℃
で吐出し、1000m/分の速度で巻き取った。ついで
3.5倍で75℃ロ−ラヒ−タで熱セットして75デニ
−ル/24フィラメントの延伸糸を得た。糸の断面は、
サイドバイサイド型(L/W=1)断面構造とした。紡
糸性、延伸性は良好で問題はなかった。得られた複合繊
維を経糸および緯糸として使用し、経糸密度85本/イ
ンチ、緯糸密度81本/インチの平織物を作製した。つ
いで常法により乾燥プレセットした後、下記に示す分散
染料で染色を施し、乾燥仕上げセットした。120℃で
の染色にも拘らず、染色性は非常に良好であった。染色
された織物は伸縮性に優れ、非常に柔軟でふっくらとし
た感触を呈していた。また耐加水分解性、耐光性にも優
れていた。結果を表2に示す。さらに複合繊維を構成す
るTPEE−1について、NMRで構造解析を行ったと
ころ、ポリマ−のランダム化はほとんど起っておらず、
この点も織物の風合に寄与しているものと思われる。
【0046】染色条件 染 料: Diamix Red BN-SE(CI Disperse Red 127) 2% owf 分散助剤: Disper TL (明成化学工業社製) 1g/リットル pH調整剤: 硫酸アンモニウム 1g/リットル 酢酸(48%) 1cc/リットル 浴比 1:30 温度 120℃ 時間 60分還元洗浄 ハイドロサルファイト 1g/リットル アミラジン 1g/リットル 水酸化ナトリウム 1g/リットル 浴比 1:30 温度 80℃ 時間 20分
【0047】実施例2 ポリエステルエステルブロック共重合体として表1に示
されるTPEE−2を使用した以外は、実施例1と同様
にして紡糸、延伸を施し、平織物を作製した。紡糸性、
延伸性は問題はなかった。得られた平織物は伸縮性に優
れ、非常に柔軟でふっくらとした感触を呈していた。ま
た耐加水分解性、耐光性にも優れていた。結果を表2に
示す。さらに複合繊維を構成するTPEE−2につい
て、NMRで構造解析を行ったところ、ポリマ−のラン
ダム化はほとんど起っておらず、この点も織物の風合に
寄与しているものと思われる。
【0048】実施例3 ポリエステルエステルブロック共重合体として表1に示
されるTPEE−3を使用した以外は、実施例1と同様
にして紡糸、延伸を施し、平織物を作製した。紡糸性、
延伸性は問題はなかったが、連続紡糸性は実施例1およ
び2に比較すると多少劣ってはいたが、実際的な問題は
なかった。得られた平織物は伸縮性に優れ、非常に柔軟
でふっくらとした感触を呈していた。また耐加水分解
性、耐光性にも優れていた。結果を表2に示す。さらに
複合繊維を構成するTPEE−2について、NMRで構
造解析を行ったところ、ポリマ−のランダム化はほとん
ど起っておらず、この点も織物の風合に寄与しているも
のと思われる。
【0049】実施例4 糸条の断面をサイドバイサイド型(L/W=4)断面構
造とした以外は実施例1と同様にして紡糸、延伸を施
し、平織物を作製した。紡糸性、延伸性は問題はなかっ
たが、連続紡糸性は実施例1および2に比較すると多少
劣ってはいたが、実際的な問題はなかった。得られた平
織物は伸縮性に優れ、非常に柔軟でふっくらとした感触
を呈していた。また耐加水分解性、耐光性にも優れてい
た。結果を表2に示す。さらに複合繊維を構成するTP
EE−2について、NMRで構造解析を行ったところ、
ポリマ−のランダム化はほとんど起っておらず、この点
も織物の風合に寄与しているものと思われる。
【0050】実施例5 糸条の断面を偏心芯鞘型(繊維表面は100%PET使
い)断面構造とした以外は実施例1と同様にして紡糸、
延伸を施し、平織物を作製した。紡糸性、延伸性は問題
はなかったが、連続紡糸性は実施例1および2に比較す
ると多少劣ってはいたが、実際的な問題はなかった。得
られた平織物は伸縮性に優れ、非常に柔軟でふっくらと
した感触を呈していた。また耐加水分解性、耐光性にも
優れていた。結果を表2に示す。さらに複合繊維を構成
するTPEE−2について、NMRで構造解析を行った
ところ、ポリマ−のランダム化はほとんど起っておら
ず、この点も織物の風合に寄与しているものと思われ
る。
【0051】比較例1 ポリエステルエステルブロック共重合体として表1に示
されるTPEE−4を使用した以外は、実施例1と同様
にして紡糸を行ったところ、断糸が頻繁に生じ、満足な
糸条を得ることができなかった。また糸条が得られたと
しても繊維間の膠着が激しかった。複合繊維を構成する
TPEE−4について、NMRで構造解析を行ったとこ
ろ、ポリマ−のランダム化がかなり進行しており、ラン
ダムポリマ−に近い構造に変化しており、また熱分析に
よる結晶化ピ−クはほとんど存在しなかった。
【0052】比較例2 ポリエステルエステルブロック共重合体として表1に示
されるTPEE−5を使用した以外は、実施例1と同様
にして紡糸、延伸を行い、平織物を作製した。紡糸性は
短時間では問題はなかったが、長時間になると紡糸性は
悪いものであった。延伸性は問題はなかった。得られた
平織物は伸縮性、柔軟性は優れているものの、実施例1
〜5で得られた平織物に比較すると劣っていた。また耐
加水分解性は優れてはいたが耐光性はかなり劣ってい
た。
【0053】比較例3 実施例5において、糸条の断面を同心芯鞘型断面構造と
した以外は同様にして紡糸、延伸を行い、平織物を作製
した。紡糸性、延伸性は問題はなかったが、得られた平
織物は捲縮が発現しておらず、伸縮性はあるものの膨ら
み感はないものであった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明の複合繊維からなる布帛は弱い力
でも簡単に伸びることができ、伸張回復性も良好である
上に、潜在捲縮性能を有しているので膨らみ感をも有す
るものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルエステルブロック共重合体を
    一成分とし、立体的なスパイラル状捲縮形態をとってい
    る複合繊維において、該ポリエステルエステルブロック
    共重合体が、(i)芳香族ポリエステルセグメント
    (A)および脂肪族ポリエステルセグメント(B)から
    なっていて、 (a)芳香族ポリエステルセグメント(A)がジカルボ
    ン酸単位およびジオ−ル単位から主としてなり、該ジカ
    ルボン酸単位の70モル%以上が芳香族ジカルボン酸単
    位であって、かつ該ジオ−ル単位の70モル%以上が炭
    素数2〜4の脂肪族α,ω−ジオ−ル単位および1,4
    −シクロヘキサンジメタノ−ル単位から選ばれる少なく
    とも1種のジオ−ル単位であり、 (b)脂肪族ポリエステルセグメント(B)がジカルボ
    ン酸単位およびジオ−ル単位から主としてなる脂肪族ポ
    リエステルセグメント(B1)およびヒドロキシカルボ
    ン酸単位から主としてなる脂肪族ポリエステルセグメン
    ト(B2)の少なくとも一方からなり、該脂肪族ポリエ
    ステルセグメント(B1)におけるジカルボン酸単位の
    60モル%以上が炭素数6〜14の飽和脂肪族ジカルボ
    ン酸単位であってかつジオ−ル単位の70モル%以上が
    炭素数5〜12の脂肪族ジオ−ル単位であり、そして該
    脂肪族ポリエステルセグメント(B2)におけるヒドロ
    キシカルボン酸単位の60モル%以上が炭素数6〜10
    の飽和脂肪族ヒドロキシカルボン酸単位であり、(ii)
    前記芳香族ポリエステルセグメント(A)/脂肪族ポリ
    エステルセグメント(B)が重量比で95/5〜30/
    70であり、(iii)水酸基濃度が10μ当量/g以下で
    あり、そして、(iv)カルボキシル基濃度が20μ当量
    /g以下であることを特徴とする潜在捲縮性複合繊維。
  2. 【請求項2】複合繊維が偏心的な芯鞘構造であることを
    特徴とする請求項1記載の潜在捲縮性複合繊維。
  3. 【請求項3】複合繊維がサイドバイサイド構造であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の潜在捲縮性複合繊維。
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