JPH1035110A - 熱転写記録材料および熱転写記録媒体 - Google Patents

熱転写記録材料および熱転写記録媒体

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JPH1035110A
JPH1035110A JP8199177A JP19917796A JPH1035110A JP H1035110 A JPH1035110 A JP H1035110A JP 8199177 A JP8199177 A JP 8199177A JP 19917796 A JP19917796 A JP 19917796A JP H1035110 A JPH1035110 A JP H1035110A
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JP
Japan
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thermal transfer
transfer recording
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monomer
recording medium
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JP8199177A
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English (en)
Inventor
Masahito Fujii
雅人 藤井
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単にインク層の形成および再生ができると
ともに良好な記録品質の得られる熱転写記録材料および
熱転写記録媒体を提供すること。 【解決手段】 光によりラジカル重合するとともにその
重合物のガラス転移温度が記録可能な温度以下である単
官能モノマーと記録可能な温度範囲内に融点を有する熱
溶融物質とにより構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写記録媒体のイ
ンク層を形成する熱転写記録材料およびこれを塗布した
熱転写記録媒体に係り、特に、紫外線硬化樹脂を含む熱
転写記録材料およびこれをインク層として形成されてい
る熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ワープロ、ファクシミリ、コンピ
ュータ等の情報処理装置の出力用端末機器として、各種
プリンタが用いられており、その記録方式として、熱転
写方式、電子写真方式、インクジェット方式、ワイヤド
ット方式など各種の方式が提案されている。
【0003】これらの中で、その静寂性、低コスト性、
小型化適応能力、簡易操作性、高信頼性の各点に鑑み
て、サーマルヘッドと称される発熱抵抗素子アレイを用
いた熱転写方式が従来から広く用いられており、近年で
はその用途が業務用からホームユース、さらにはホビー
用へと拡大している。
【0004】また、この熱転写方式は、熱転写記録媒体
のインクをサーマルヘッドの熱により溶融して普通紙か
らなる記録用紙に転写する溶融熱転写方式と、設定温度
以上の熱により発色する感熱紙を使用し、この感熱紙を
サーマルヘッドの熱により発色する昇華熱転写方式の2
種類に大別できるが、価格の面から溶融熱転写記録方式
が主流となっているのが現状である。
【0005】図5は、前述した溶融型熱転写方式の基本
原理およびこの溶融型熱転写方式に使用される熱転写記
録媒体1の基本的な構成を示したものであり、一般にイ
ンクリボン、インクシートなどと称される熱転写記録媒
体1は、基材2にインク層7を積層させた構造となって
いる。
【0006】前記熱転写記録媒体1の基材2には、通常
1〜12μmの膜厚を有する高分子樹脂フィルムが用い
られており、基材2の材料としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、
ポリエーテルエーテルケトン、アラミドなどの汎用樹脂
が利用されている。
【0007】また、基材2の背面2aには、摺接による
サーマルヘッドの摩耗の低減、熱転写記録媒体1たるイ
ンクリボンの走行の安定化、インクリボンの巻取り時の
インク面との融着防止などの目的で潤滑層5を塗布する
のが一般的である。
【0008】前記熱転写記録媒体1のインク層7は、記
録用紙との密着性の良好なワックスや樹脂の熱溶融物質
を主成分とし、着色剤として各種顔料および各種の可塑
剤、分散剤、酸化防止剤等を微量添加することにより構
成されている。このインク層7に用いられるワックスと
しては、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ラ
イスワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタ
リンワックス、ポリエチレンワックスなどを挙げること
ができ、これらが単独あるいは混合されて使用される。
【0009】また、インク層7に用いられる熱溶融性樹
脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体などのエチレン系共重合体、ポリラウリルメタ
クリレート、ポリヘキシルアクリレート等のポリ(メ
タ)アクリル酸エステル類、ポリ塩化ビニル、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体などの塩化ビニル系共重合体などを挙げるこ
とができ、これらの樹脂が単独あるいは混合されて使用
される。
【0010】そして、この熱転写記録媒体1を形成する
際には、ホットメルト法、すなわち前記ワックス等の熱
溶融物質を主成分としたインクを加熱して溶融状態で前
記基材2に塗布した後、冷却固化させて形成するか、あ
るいは、ソルベント法、すなわち基材2を樹脂溶液又は
その分散液中に浸し、付着した膜を残すために溶剤を蒸
発させて取り除くことにより形成されていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱転写記録媒体1では、ホットメルト法により形成する
場合には、インクを常に溶融しておく必要があり、装置
も大型化し消費電力が大きくなってしまうという問題が
あった。一方、ソルベント法により形成する場合には、
溶剤の廃棄処理の問題や、溶剤を取り除く蒸発熱を与え
るために加熱しなければならず、この加熱に必要な電気
炉などの装置や空気の加熱のために相当なエネルギを消
費してしまうという問題があった。
【0012】一方、近年、無公害や省エネルギという特
徴をもつ樹脂として、紫外線硬化樹脂が塗料や印刷イン
クなどの分野で注目されてきており、これを熱転写記録
媒体1に利用しようという試みがなされている。
【0013】この紫外線硬化樹脂は、公害問題が少ない
とともに、通常、硬化の際に加熱の必要はなく紫外線を
照射すればよいので消費エネルギが少なくて済むし、さ
らに短時間で硬化するので生産効率が向上するという長
所を有している。
【0014】一般に市販されている紫外線硬化樹脂とし
ては光重合性プレポリマーが使用される。これは、予め
重合物となっているため紫外線を照射すると高速で硬化
し、紫外線照射ランプの極小化、エネルギの節約、生産
性の向上等のコストの節減を図ることができるからであ
る。
【0015】しかしながら、一般的な光重合性プレポリ
マーに熱転写リボンに使われる熱溶融物質を添加し基材
2に塗工して熱転写記録媒体1を形成したとしても熱転
写されない場合がある。これは、前記プレポリマーが重
合度は小さいが重合物として網目状の、いわゆる架橋構
造を有しており、紫外線硬化反応が進行すると更に緻密
な架橋構造を形成するためサーマルヘッドの発熱により
熱を供給しても溶融しないからである。これはガラス転
移温度にも現われており、一般の紫外線硬化樹脂はガラ
ス転移温度が高いものが多く、前記熱転写記録媒体1に
より得られる記録は、ガラス転移温度が高い場合ではイ
ンク層7が硬化した状態のままで全く記録できないとい
う問題があった。
【0016】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たもので、簡単にインク層の形成および再生ができると
ともに良好な記録品質の得られる熱転写記録材料および
熱転写記録媒体を提供することを目的とするものであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の請求項1に記載の熱転写記録材料の特徴は、光
によりラジカル重合するとともにその重合物のガラス転
移温度が記録可能な温度以下である単官能モノマーと記
録可能な温度範囲内に融点または軟化点を有する熱溶融
物質とにより構成した点にある。そして、このような構
成を採用したことにより、硬化速度が大きく、かつ、イ
ンク層として形成された場合に記録品質の高い記録が得
られる。
【0018】また、請求項2に記載の熱転写記録材料の
特徴は、前記単官能モノマーの配合量を10〜80重量
部とし、前記熱溶融物質の配合量を10〜80重量部と
し、前記着色材の配合量を1〜25重量部とした点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、よ
り確実に硬化速度が大きく、かつ、インク層として形成
された場合に記録品質の高い記録が得られる。
【0019】また、請求項3に記載の熱転写記録材料の
特徴は、前記単官能モノマーをアクリルモノマーまたは
メタクリルモノマーとした点にある。そして、このよう
な構成を採用したことにより、硬化速度が大きく、か
つ、インク層として形成された場合に記録品質の高い記
録が得られる。
【0020】また、請求項4に記載の熱転写記録材料の
特徴は、光によりラジカル重合するとともにその重合物
のガラス転移温度が記録可能な温度以下である単官能モ
ノマーと、光によりラジカル重合する多官能モノマー
と、記録可能な温度範囲内に融点または軟化点を有する
熱溶融物質とを有する点にある。そして、このような構
成を採用したことにより、硬化速度も大きく、かつ、熱
溶融性も優れている熱転写記録媒体のインク層を形成す
ることができる。
【0021】また、請求項5に記載の熱転写記録材料の
特徴は、前記単官能モノマーの配合量を10〜80重量
部とし、前記多官能モノマーの配合量を1〜50重量部
とし、前記熱溶融物質の配合量を10〜80重量部と
し、前記着色材の配合量を1〜25重量部とした点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、よ
り確実に、硬化速度が大きくて熱溶融性にも優れている
インク層を有する熱転写記録媒体を提供できる。
【0022】また、請求項6に記載の熱転写記録材料の
特徴は、前記単官能モノマーおよび前記多官能モノマー
をアクリルモノマーまたはメタクリルモノマーとした点
にある。そして、このような構成を採用したことによ
り、硬化速度が大きく、かつ、インク層として形成され
た場合に記録品質の高い記録が得られる。
【0023】また、請求項7に記載の熱転写記録材料の
特徴は、前記単官能モノマーをガラス転移温度が0℃以
下のものとした点にある。そして、このような構成を採
用したことにより、熱転写記録媒体のインク層としてよ
り確実に記録品質の高い記録を行なうことができる。
【0024】また、請求項8に記載の熱転写記録材料の
特徴は、前記熱溶融物質を50℃以上100℃以下の温
度範囲内に融点または軟化点を有するワックスあるいは
熱溶融性樹脂の少なくとも一方を含むものとした点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、前
記熱溶融物質の有する優れた溶融性をより適切に発揮さ
せることができる。
【0025】また、請求項9に記載の熱転写記録材料の
特徴は、前記熱溶融物質を前記単官能モノマーに対して
均一に分散し、あるいは相溶する性質を有するワックス
あるいは熱溶融性樹脂の少なくとも一方を含むものとし
た点にある。そして、このような構成を採用したことに
より、前記熱溶融物質の有する優れた溶融性を最大限に
発揮させることができる。
【0026】また、請求項10に記載の熱転写記録媒体
の特徴は、前記インク層を、請求項1乃至請求項9のい
ずれか1項に記載の熱転写記録材料の単官能モノマー、
あるいは単官能モノマーおよび多官能モノマーを光によ
りラジカル重合して重合物を形成することにより構成し
た点にある。そして、このような構成を採用したことに
より、簡単にインク層の形成および再生ができるととも
に良好な記録品質が得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の熱転写記録材料お
よび熱転写記録媒体を図面に示す各実施の形態により説
明する。
【0028】図1に示すように本発明の熱転写記録媒体
1は、基材2上に熱転写記録材料3からなるインク層4
が積層された構成とされており、前記基材2の背面2a
には潤滑層5が成膜されている。前記インク層4を構成
する熱転写記録材料3は、光としての紫外線を照射する
ことにより硬化する紫外線硬化樹脂を主成分とし、必要
に応じて熱溶融物質、着色剤、その他の微量添加剤が0
〜10重量部程度配合された組成とされている。
【0029】前記熱転写記録媒体1の基材2には、0.
5〜20μm、好ましくは2〜10μmの膜厚を有する
高分子樹脂フィルムが用いられている。もし、この基材
2の膜厚が0.5μm以下に形成されると強度が不足し
てしまうし、20μm以上に形成されると感度が不足し
てしまい好ましくない。そして、前記高分子樹脂フィル
ムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリエチレンナ
フタレート、ポリカーボネート、アラミドなどが好適で
ある。
【0030】また、基材2の背面2aには、1μm以
下、好ましくは0.5μm以下の膜厚を有する潤滑層5
がフッ素系またはシリコン系コーティング剤により成膜
されている。もし、この膜厚が1μm以上に成膜されて
いると感度不足となるため好ましくない。この潤滑層5
による背面処理が施されることにより摺接によるサーマ
ルヘッドの摩耗の低減、熱転写記録媒体1たるインクリ
ボンの走行の安定化、インクリボンの巻取り時のインク
面との融着防止が図れる。
【0031】つぎに、前記熱転写記録材料3の主成分た
る紫外線硬化樹脂について説明する。
【0032】まず、一般的な前記紫外線硬化樹脂は、光
重合性プレポリマー、光重合性モノマー、光開始剤の3
つの成分を主体として構成されており、この中の光重合
性プレポリマーは通常は0〜99重量部の範囲で添加さ
れ、樹脂の骨格をなす重要な成分である。
【0033】この光重合性プレポリマーは光化学的作用
によってさらに重合するポリマーであり、光重合性不飽
和ポリマー、光重合性オリゴマーと呼ばれることもあ
る。
【0034】また、光重合性モノマーは前記光重合性プ
レポリマーの希釈剤の役割を担い、通常は0〜99重量
部の範囲で添加することによりインクの実用上の作業性
を確保するとともに、紫外線照射時に末端官能基の作用
により、自らが重合反応に関与するものである。この光
重合性モノマーは、官能基の数により単官能性モノマ
ー、多官能性モノマーに分類できる。また、特に多官能
性モノマーは高分子間の橋かけをなす架橋剤の役割を果
すものである。
【0035】また、光開始剤は紫外線を吸収して重合反
応のトリガーになるものである。
【0036】以上のような構成をなす一般的な紫外線硬
化樹脂のうち、本発明の第1実施形態における紫外線硬
化樹脂は、特に、前記光重合性モノマーと前記光重合性
プレポリマーの役割を担うものとして、紫外線が照射さ
れるとラジカル重合反応を行ない、その重合物のガラス
転移温度が0℃以下である単官能アクリルモノマーまた
は単官能メタクリルモノマー(メチルアクリルモノマー
ともいう)を使用している。
【0037】そして、これらのモノマーの前記熱転写用
記録材料中の配合量は、10〜80重量部、好ましくは
40〜80重量部とされている。
【0038】ここで、ガラス転移温度とは、粘性域ある
いは弾性域の状態から硬い非晶質領域の状態へ変化する
温度であり、この温度は、紫外線硬化組成物の配合比や
硬化温度等により決定される温度である。
【0039】また、単官能モノマーとしたのは、光を照
射して重合物とした場合にその構造が簡単であって熱溶
融性が優れている点に鑑みたからであ。これに対して、
多官能モノマーの重合物は緻密な架橋構造を有し、サー
マルヘッドの発熱量では容易に熱溶融しない。
【0040】さらに、単官能モノマーの種類としてアク
リルモノマーおよびメタクリルモノマーを使用するの
は、一般に安価に入手できるとともに、重合速度(硬化
速度)が速い点で他のモノマーに比べ優れているからで
ある。
【0041】そして、種々のアクリルモノマーおよびメ
タクリルモノマーについて、そのガラス転移温度が記録
品質にどのような影響を及ぼすかの実験を行なった。そ
の実験結果を表1に示す。
【0042】 この表1は、種々のガラス転移温度を有するモノマーの
重合物をインク層に含む熱転写記録媒体1により記録を
行なった場合の記録品質の状態を示している。表1中の
2−エチルヘキシルアクリレート、メトキシプロピレン
グリコールアクリレート、エチルカルビトールアクリレ
ート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、
ラウリルメタクリレート、3−メトキシブチルアクリレ
ート、2−メトキシエチルアクリレート、ヒドロキシエ
チルアクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、ラウ
リルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、イソプロピルメタクリレートは単官能アクリル
モノマーあるいは単官能メタクリルモノマーである。こ
の表1によれば、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル
モノマーを紫外線硬化樹脂としてインク層を形成した場
合の記録品質は、いずれも良好な状態であることがわか
る。この実験結果はガラス転移温度が0℃以下のメタク
リルモノマーについてもほぼ同様の結果が得られた。
【0043】しかし、ガラス転移温度が0℃以上のアク
リルモノマーおよびメタクリルモノマーを紫外線硬化樹
脂としてインク層を形成した場合の記録品質は、かすれ
てしまったり、記録不可能となってしまった。
【0044】したがって、重合物のガラス転移温度が0
℃以下となるアクリルモノマーおよびメタクリルモノマ
ーは、熱転写記録媒体1として好適なインク層4を形成
することとなり、さらに約−10℃以下のガラス転移温
度を有する場合には、より良好な記録を施せるインク層
4が形成できることがわかる。もし、前記重合物が0℃
以上のガラス転移温度を有する場合には、熱転写性が劣
ってしまい、前記熱溶融物質として低融点のワックスあ
るいは低軟化点の樹脂を使用しなければならないため、
記録状態が汚れ、潰れ等を生じやすくなってしまう。
【0045】また、前述のラジカル重合反応とは、紫外
線硬化反応の1つをいい、この反応は光開始剤を必要と
するとともに、通常、開始反応、成長反応、連鎖移動反
応および停止反応の各反応に分けられる。このうち、前
記開始反応は、紫外線硬化組成物に紫外線を照射したと
きに、光開始剤が活性化しラジカルが生成されて前記光
重合性モノマーを活性化させる反応である。なお、光開
始剤が活性化する主な方法としては、光開裂、水素引き
抜き、電子移動がある。また、前記成長反応は、前記開
始反応で生成されたラジカルの重合度が次第に大きくな
っていく反応のことをいい、前記連鎖移動反応は、ラジ
カルが他の分子に移る反応のことをいう。そして、前記
停止反応は、ラジカルが消滅してラジカル反応が終了す
る反応をいう。
【0046】一方、本第1実施形態における紫外線硬化
樹脂においては、前記単官能アクリルモノマーまたは単
官能メタクリルモノマーが使用されており、前記光重合
性プレポリマーは配合されていない。しかし、これらの
単官能モノマーだけであっても十分所望の効果を得るこ
とができる。なお、前記単官能モノマーの種類によって
は、重合速度を向上させるために前記光重合性プレポリ
マーを微少量使用してもよい。
【0047】また、光開始剤としては、ビアセチル、ア
セトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベン
ジル、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、テトラメチルチウラムスルフ
ィド、アゾビスイソブチルニトリル、ベンゾイルパーオ
キサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1
−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2
−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサント
ン、メチルベンゾイルフォーメイトなどを好適なものと
して挙げることができる。
【0048】つぎに、前記熱転写記録材料3の他の成分
として熱溶融物質について説明する。
【0049】熱溶融物質はワックスと樹脂とに分類され
る。一般的なワックスとしては、パラフィン等の石油系
ワックス、カルナウバ、キャンデリラ等の植物系ワック
ス、ビーズ等の動物系ワックス、モンタン等の石炭系ワ
ックスおよびフィッシャー・トロプシュ等の合成系ワッ
クスがある。また、一般的な樹脂としては、低分子量ポ
リエチレン、エチレン−ビニルアセテート、エチレン−
エチルアクリレート等の熱溶融性または軟化性樹脂があ
る。
【0050】ここで、熱転写記録材料3として好適な熱
溶融物質を決定するために、前記熱溶融物質の融点が記
録品質に及ぼす影響、単官能モノマーに対する熱溶融物
質の分散性または相溶性実験、アクリルモノマーとの分
散性・相溶性がインク硬化時間へ及ぼす影響の実験をそ
れぞれ行なった。これらの実験結果を表2乃至表7に示
す。
【0051】これらの実験結果のうち、熱溶融物質の融
点と記録品質との関係を表2および表3に示す。熱溶融
物質のうちワックスについては表2に示し、樹脂につい
ては表3に示している。
【0052】 表2からわかるように、融点が常温である脱臭ホホバオ
イルおよび融点が47℃であるパラフィンワックスをイ
ンク層4に含む場合には、インクが軟らかくなり過ぎる
ため記録用紙と擦れただけで転写され汚れとなってしま
う。
【0053】また、融点が106℃または116℃の酸
化マイクロクリスタリンワックスおよび融点が105℃
のユニリンアルコール誘導体若しくは融点が121℃の
α−オレフィン誘導体をインク層4に含む場合には、記
録がかすれたり全く記録ができなかった。これは、イン
クの熱容量が大きくなり過ぎるため通常のサーマルヘッ
ドの発熱量では溶融できないからである。
【0054】こらに対して、融点が85℃の酸化マイク
ロクリスタリンワックスおよび融点が78℃のユニリン
アルコール誘導体をインク層4に含む場合には、きわめ
て良好な記録状態が得られた。そして、融点が99℃の
ユニリンアルコール誘導体の場合であっても良好な記録
状態が得られた。これは、サーマルヘッドの発熱量が基
材2を介して伝達されたとしても十分溶融されうるから
である。
【0055】したがって、熱転写記録材料3を構成する
熱溶融物質としては約50〜100℃の融点を有するワ
ックスが好適である。
【0056】一方、表3に示した樹脂系の熱溶融物質の
軟化点と記録品質との関係も表2の結果と同様の傾向を
示している。
【0057】すなわち、軟化点が18℃のグリセリンお
よび軟化点が44度のラウリン酸をインク層4に含む場
合には、記録用紙を汚してしまう結果となった。
【0058】また、軟化点が100以上のポリエステル
樹脂をインク層4に含む場合には、記録がかすれたり記
録できない状態となった。
【0059】しかし、軟化点が78℃または85℃のケ
トン樹脂および軟化点が64℃または87℃のエチレン
・アクリル酸樹脂、軟化点が86℃のポリエステル樹
脂、軟化点が75℃のロジン誘導体、軟化点が80℃の
テルペン誘導体をインク層4に含む場合には、記録品質
が良好あるいはきわめて良好な状態を得ることができ
た。
【0060】したがって、熱転写記録材料3を構成する
熱溶融物質としては約50〜100℃の温度範囲内に軟
化点を有する熱溶融物質が好適であることがわかった。
【0061】以上の表2および表3によれば、熱転写記
録材料3を構成する熱溶融物質としては、前記熱転写記
録材料3が熱転写記録媒体1のインク層4として熱転写
記録された場合に、良好な記録品質となるような融点ま
たは軟化点を有する熱溶融物質が好適である。具体的に
は、50〜100℃の融点あるいは軟化点を有する熱溶
融性樹脂が好適である。この場合において、前記熱溶融
物質は、ワックス系および樹脂系のそれぞれ単独系のも
のにかぎらず、両者を混合した混合系の熱溶融物質であ
ってもよい。
【0062】つぎに、単官能モノマーに対する熱溶融物
質の分散性または相溶性実験の結果について説明する。
【0063】ここで分散性・相溶性の実験方法について
説明する。単官能モノマーとしてはアクリルモノマーを
使用し、熱溶融物質としては種々のワックスと熱溶融性
樹脂を使用した。アクリルモノマーと各熱溶融物質との
重量比は80:20(重量部)としてビーカに入れ、ワ
ックスの場合には融点以上まで、熱溶融性樹脂の場合に
は軟化点以上まで昇温する。その後、スライダックとマ
ントルヒータとを備えたモータ攪拌機により、30分間
熱時攪拌して溶解させる。その後室温になるまで攪拌を
続けて分散性あるいは相溶性の状態を観察した。ワック
スについての実験結果を表4に示し、熱溶融性樹脂につ
いての実験結果を表5は示す。
【0064】 表4に示すように、パラフィンワックス、カルナバワッ
クス、キャンデリラワックス、ビーズワックス、ライス
ワックス、モンタンワックスおよびホホバ油等の石油
系、植物系、動物系、石炭系のワックスの場合には、ア
クリルモノマーとの分散性が悪くそれぞれ分離状態とな
った。
【0065】これに対して、酸化マイクロクリスタリン
ワックス、酸化ポリエチレンワックス、ユニリンアルコ
ール誘導体、α−オレフィン誘導体およびマイレン酸誘
導体等の合成系ワックスの場合には、アクリルモノマー
との分散性が良く均一に分散した状態となった。
【0066】一方、表5により熱溶融性樹脂の実験結果
を見ると、塩化ビニル樹脂、石油樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂およびポリ
スチレン樹脂の場合には、アクリルモノマーと相溶性が
悪く相溶しなかった。
【0067】これに対して、ポリエステル樹脂、ケトン
樹脂、エチレン・アクリル酸エチル樹脂、エチレン・酢
酸ビニル樹脂およびロジン誘導体の場合にはアクリルモ
ノマーとの相溶性が良く相溶した状態を呈した。
【0068】つぎに、表4および表5に示した分散性あ
るいは相溶性の結果が前記熱転写記録材料3の硬化時間
にどのような影響を及ぼすかについて実験した。実験条
件は、好気雰囲気状態下で8mw/cm2 の紫外線を照
射した。
【0069】表6はアクリルモノマーに対するワックス
の分散性の相違と熱転写記録材料3の硬化時間との関係
を示しており、表7はアクリルモノマーに対する熱溶融
性樹脂の相溶性の相違と熱転写記録材料3の硬化時間と
の関係を示している。
【0070】 表6より明らかなように、アクリルモノマーとの分散性
が悪いパラフィンワックス、カルナバワックス、キャン
デリラワックス、ビーズワックスを含む熱転写記録材料
3は紫外線を照射して硬化するまでに少なくとも5分以
上、場合によっては20〜30分要するものもあった。
【0071】これに対して、アクリルモノマーとの分散
性が良好な酸化マイクロクリスタリンワックス、酸化ポ
リエチレンワックス、ユニリンアルコール誘導体、α−
オレフィン誘導体を含む熱転写記録材料3は、紫外線を
照射してから2〜3分以内に硬化する結果が得られた。
【0072】以上の表6に示す実験結果より、単官能モ
ノマーとの分散性が良好なワックスは、分散性の悪いワ
ックスに比べて熱転写記録材料3の硬化速度の遅延に及
ぼす影響が少ないことがわかった。
【0073】一方、表7に示す熱溶融樹脂の実験結果を
観察すると、表6のワックスの実験結果と同様の傾向が
見られた。すなわち、アクリルモノマーとの相溶性が悪
い塩化ビニル樹脂、石油樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
チレン樹脂を含む熱転写記録材料3は、紫外線を照射し
て硬化するまでに3〜4分以上かかり、場合によっては
10分以上かかる樹脂もあった。
【0074】これに対して、アクリルモノマーとの相溶
性が良好なポリエステル樹脂、ケトン樹脂、エチレン・
アクリル酸エチル樹脂およびロジン誘導体を含む熱転写
記録材料3は、紫外線を照射してから1〜2分以内に硬
化を終えることがわかった。
【0075】以上の表7に示す実験結果より、単官能モ
ノマーとの相溶性が良好な樹脂は、相溶性の悪い樹脂に
比べて熱転写記録材料3の硬化速度の遅延に及ぼす影響
が少ないことがわかった。
【0076】すなわち、表4乃至表7の実験結果によれ
ば、通常、熱溶融物質は重合反応に関与せず重合反応の
妨げとなり、硬化を阻害するおそれがあるが、モノマー
と均一に分散し、あるいは相溶する性質を有する熱溶融
物質であれば、硬化阻害の問題がなく紫外線硬化樹脂の
特徴である高速硬化性を維持できる。
【0077】以上の熱溶融物質に関する実験結果より、
熱転写記録材料3として好適な熱溶融物質は、熱転写記
録材料3が熱転写記録媒体1のインク層4として熱転写
記録された場合に良好な記録品質となるような融点ある
いは軟化点を有する熱溶融物質であって、単官能モノマ
ーと均一に分散し、あるいは相溶する性質を有する熱溶
融物質である。そして、前記熱溶融物質の融点あるいは
軟化点としては、具体的には、50〜100℃が好適で
ある。この場合において、前記熱溶融物質は前記ワック
スあるいは熱溶融性樹脂の単独系の熱溶融物質に限ら
ず、前記ワックスと前記熱溶融性樹脂の両方を混合した
混合系の熱溶融物質としてもよい。
【0078】また、熱溶融物質の配合量としては、10
〜80重量部、好ましくは10〜50重量部とされてい
る。
【0079】つぎに、前記熱転写記録材料3を構成する
着色材について説明する。前記着色剤としては、カーボ
ンブラック、アセチレンブラック、オイルブラック等の
黒色顔料ならびにチタニア、炭酸カルシウム等の白色顔
料のほかに、イエロー、マゼンタ、シアンなどの公知の
染料を挙げることができ、これらの顔料あるいは染料の
添加量を適宜変化させることにより色調などが所望の状
態に調整されるものである。具体的には、1〜25重量
部、好ましくは5〜20重量部であり、1重量部以下で
は着色力不足となり、25重量部以上では塗工剤が粉体
状になりそのままでは塗工できなくなってしまう。
【0080】また、前記熱転写記録材料3に添加する微
量添加剤としては、シリコンオイル等のオイル、ホホバ
油等の液状ワックス、分散剤等が挙げられる。その配合
量は、0〜20重量部、好ましくは0〜10重量部とさ
れている。もし、前記オイルが20重量部以上添加され
ると記録の際に汚れが生じやすく好ましくない。
【0081】なお、前記熱転写記録材料3には、その他
必要に応じて、増感剤、充填剤、レベリング剤等の添加
剤が配合される。
【0082】つぎに、前記熱転写記録材料3を基材2に
塗工して前記熱転写記録媒体1を製造する製造装置10
および製造方法について図2を参照しつつ説明する。
【0083】図2は熱転写記録媒体1の製造装置10の
内部を示しており、この製造装置10内の両端には、前
記熱転写記録媒体1の基材2を供給する基材供給リール
11とインク層4が形成された熱転写記録媒体1を保持
するリボンリール12とが配設されている。そして、図
示しない駆動機構により前記熱転写記録媒体1が一定速
度で搬送されるようにされている。
【0084】また、前記基材供給リール11の下方に
は、加熱式記録材料タンク13が配設されており、この
中には前記熱転写記録材料3が満たされている。この加
熱式記録材料タンク13には、中の熱転写記録材料3に
浸るようにして記録材料供給ローラ14が配設されてい
る。そして、この記録材料供給ローラ14には前記基材
2が圧接されるようになっている。
【0085】前記記録材料供給ローラ14の近傍であっ
て、前記基材2の搬送軌道上にはブレードまたはナイフ
を備えた膜厚制御装置15が移動可能に配設されてい
る。この膜厚制御装置15のブレード等が基材2と平行
に移動することにより前記基材2に塗布された熱転写記
録材料3の膜厚を均一化するようになっている。
【0086】前記基材2の背面側2aには、紫外線照射
器16が配設されており、これから照射される紫外線に
より前記基材2に塗布された熱転写記録材料3を硬化す
るようになっている。前記紫外線照射器16の光源とし
ては、水銀灯、水銀キセノン、メタルハライドランプ等
が用いられる。
【0087】また、前記紫外線照射器16と前記リボン
ロールとの間には、クリーニングローラ17が配設され
ており、紫外線照射により硬化しない熱転写記録材料3
を拭き取って除去するようになっている。
【0088】つぎに、この熱転写記録媒体1の製造方法
について説明する。
【0089】まず、前述した熱転写記録材料3を構成す
る各材料を熱溶融物質が溶融される温度下で通常の攪拌
機を用いて混合する。そして、これを室温に冷却した
後、3本ロールミル等の通常の分散機によりミーリング
し、前記熱転写記録材料3を作製する。このミーリング
の際には、分散効率を向上させるためにわずかに加熱し
てもよい。
【0090】そして、この熱転写記録材料3を前記加熱
式記録材料タンク13内に入れて加熱しておく。この加
熱式記録材料タンク13内で前記記録材料供給ローラ1
4が回転駆動されると前記熱転写記録材料3を前記記録
材料供給ローラ14の外周面に付着させて汲み上げる。
この汲み上げられた熱転写記録材料3を前記基材2供給
リールにより搬出される基材2の片面全体に塗布する。
前記基材2に塗布された熱転写記録材料3は、前記膜厚
制御装置15のブレードにより一定の膜厚に形成された
後、前記紫外線照射器16が基材2の背面側2aから紫
外線を照射する。これにより、前記熱転写記録材料3が
重合反応より硬化してインク層4を形成することができ
る。そして、紫外線照射により硬化しなかった余分な熱
転写記録材料3をクリーニングローラ17により除去し
た後に、形成された熱転写記録媒体1がリボンロールに
より巻取ることとなる。
【0091】なお、前記熱転写記録媒体1の製造方法に
おいては、前記熱転写記録材料3を基材2に塗布する前
に前記加熱式記録材料タンク13内で加熱しているが、
これに限る必要はなく、紫外線照射時点で加熱された状
態にすればよい。例えば、前記熱転写記録材料3を基材
2に塗布した後に熱風を当てたり、面上発熱体上を通過
させる等の加熱装置を用いてもよい。
【0092】また、前記紫外線照射器16による紫外線
の照射は、基材2の背面側2aから行なっているが、イ
ンク層側から照射してもよい。この方法によれば、熱転
写記録材料3のすべてを硬化させることができて余分な
熱転写記録材料3が残らないため、クリーニング工程は
必要なくなる。
【0093】さらに、前記紫外線照射器16による紫外
線照射の際に、嫌気性装置(図示せず)により前記イン
ク層4の表面を嫌気性雰囲気にして重合反応するように
してもよい。このような方法によれば一層硬化速度の向
上を図ることができる。
【0094】前述した熱転写記録媒体1の製造方法およ
び製造装置10は、使用済みの熱転写記録媒体1を再生
する再生装置18として応用できる。この再生装置18
およびその再生方法について図3および図4を参照しつ
つ説明する。
【0095】図3は本第1実施形態で使用する熱転写記
録媒体1の再生装置18を示した概略構成図である。
【0096】通常、インクリボンのような熱転写記録媒
体1を収納したリボンカセット19においては、その熱
転写記録媒体1はリボンカセット19内を安定的に走行
できるように複数のガイドローラ22により案内されて
その走行が制御されており、このリボンカセット19の
図中Aで示した部位には記録動作時に図示しないサーマ
ルヘッドが位置するための凹部が設けられている。
【0097】前記再生装置18には、1回の使用が終了
し再生する必要のある熱転写記録媒体1を収容したリボ
ンカセット19を載置するための載置部20が形成され
ている。この載置部20にリボンカセット19を載置し
たとき、載置されたリボンカセット19の凹部A内に臨
む部位にはテンションヘッド21が設置されている。こ
のテンションヘッド21は図示しない駆動手段により図
3において上下方向に移動されるようになっている。一
方、図3において前記載置部20に載置されたリボンカ
セット19の凹部Aの直下には記録材料タンク13が配
設されており、この記録材料タンク13内には前述した
液状の熱転写記録材料3が満たされている。また、この
記録材料タンク13内には図示しない駆動手段により回
転駆動される記録材料供給ローラ14が配設されてお
り、この記録材料供給ローラ14は回転駆動されること
により記録材料タンク13内の熱転写記録材料3を外周
面に付着して汲み上げるようになっている。
【0098】そして、リボンカセット19を載置部20
に装着し再生信号を入力すると、前記テンションヘッド
21がリボンカセット19の凹部A内から数ミリメート
ル乃至数センチメートル離間した位置Bに移動する。こ
れにより、熱転写記録媒体1がテンションヘッド21に
引っかけられた状態でリボンカセット19から引出さ
れ、その表面が前記記録材料供給ローラ14に圧接され
る。このとき、熱転写記録媒体1の基材がテンションヘ
ッド21に接触し、熱転写記録媒体1に形成されている
熱転写記録材料3を固化したインク層が記録材料供給ロ
ーラ14に接触されることになる。また、この記録材料
供給ローラ14の近傍には、記録材料供給ローラ14に
より熱転写記録媒体1に塗布された熱転写記録材料3の
膜厚を均一に制御するためのブレードからなる膜厚制御
装置15が設けられている。
【0099】また、前記テンションヘッド21の移動経
路のほぼ中間部位の両側には、前記テンションヘッド2
1に引っかけられた状態でリボンカセット19から引き
出された熱転写記録媒体1に干渉しないように左右に間
隔を隔ててガイドローラ22およびクリーニングローラ
17が配設されている。さらに、これらの両ローラ1
7,9を結ぶ仮想線分と前記テンションヘッド21の移
動経路とが交差する部位には、図示しない駆動手段によ
り紙面に対し垂直な方向に移動することにより進退可能
とされている走行ユニット23が配設されている。この
走行ユニット23は、前記両ローラ17,9と同一鉛直
面上に位置する進出位置に位置したときに前記両ローラ
17,9の一方に弾性的に圧接する1対のテンションロ
ーラ24,24を進退自在に有している。
【0100】前記熱転写記録媒体1は、図3において矢
印方向に走行されるようになっており、熱転写記録媒体
1は、記録材料供給ローラ14に接触した後にクリーニ
ングローラ17に接触されるようになっている。
【0101】さらに、熱転写記録材料3を固化するため
の紫外線照射器16が、前記記録材料供給ローラ14お
よびクリーニングローラ17間の熱転写記録媒体1の基
材に対向するように熱転写記録媒体1の内側に配設され
ている。また、前記熱転写記録媒体1の走行方向におい
て前記クリーニングローラ17の下流側には、熱転写記
録媒体1上の熱転写記録材料3をアニール処理するため
の加熱装置25が熱転写記録媒体1上の熱転写記録材料
3に対向するように配設されている。
【0102】つぎに、前記再生装置18の作用について
説明する。
【0103】リボンカセット19を載置部20に装着
し、テンションヘッド21を図3におけるAからBへと
移動し、熱転写記録媒体1をテンションヘッド21に引
っかけてリボンカセット19から引出し、その基材と反
対側の表面を前記記録材料供給ローラ14に圧接する。
ついで、退避位置にある走行ユニット23を紙面と垂直
方向に移動して進出位置において停止させたうえで、こ
の走行ユニット23に支持されている1対のテンション
ローラ24,24をガイドローラ22およびクリーニン
グローラ17に圧接する。これにより、テンションロー
ラ24およびガイドローラ22間ならびにテンションロ
ーラ24およびクリーニングローラ17間にそれぞれ熱
転写媒体1を挟持するようにして、熱転写記録媒体1の
走行系の準備を完了する。
【0104】この状態において、リボンカセット19の
巻取りボビン26を再生装置18に設けられた図示しな
い駆動手段により回転駆動することにより、熱転写記録
媒体1が図中矢印Cで示す方向に走行される。そして、
熱転写記録媒体1の走行に伴ってインク供給ローラ12
により熱転写記録媒体1の表面に熱転写記録材料3が全
面的に塗布され、膜厚制御装置15により熱転写記録媒
体1上に塗布された熱転写記録材料3の膜厚が均一に制
御された後、紫外線照射器16により熱転写記録媒体1
の背面側2aから紫外線を照射することによりインク欠
損部4aに塗布された熱転写記録材料3のみを固化させ
てインク欠損部4aとなった部分にインク層を再生す
る。
【0105】その後、熱転写記録媒体1の表面に塗布さ
れた熱転写記録材料3のうちインク欠損部4a以外、す
なわちインク層が残存している場所に塗布されて紫外線
照射によって固化しなかった余分なものをクリーニング
ローラ17により除去する。その後、加熱装置25によ
るアニール処理により再生された熱転写記録媒体1上の
インク層と熱転写記録媒体1に残存していたインク層と
の境界部6を消失させることにより、一連の熱転写記録
媒体1の再生工程が完了する。
【0106】なお、本実施例においてはインク層が単層
の熱転写記録媒体1を例にとり説明を行なったが、本発
明の再生方法における紫外線の照射条件を調整すること
により、マルチタイムリボンなどの積層構成の熱転写記
録媒体1の再生にも適用可能であることは言うまでもな
い。
【0107】つぎに、熱転写記録媒体1の再生方法につ
いて図4を参照しつつ説明する。
【0108】前記熱転写記録媒体1の再生方法は、図4
(A)に示すような使用済みのインクリボンを再度使用
できる状態に再生するために、前述した構成の熱転写記
録材料3を熱転写記録媒体1上にインク欠損部4aを含
めて全面塗布する工程(図4(B))、紫外線照射を熱
転写記録媒体1の背面側2a、すなわち基材1a側から
行なうことによりインク欠損部4a内に塗布された熱転
写記録材料3を硬化させる工程(図4(C))、その
後、インク欠損部4a以外に塗布された余分な熱転写記
録材料3を除去するクリーニング工程(図4(D))の
3工程からなっている。特に、高精細な印字を行なうた
めの熱転写記録媒体1を再生する場合には、再生したイ
ンク層2aと残存しているインク層1bとの境界部6を
インクを溶融させることにより消失させるアニール工程
(図4(E))をさらに追加する。
【0109】より具体的に説明すると、図4(A)にお
いて、使用済みインクリボン、インクシートなどの熱転
写記録媒体1は基材1a上に残置されている印字に供し
なかったインク層1bを有している。これらの1対のイ
ンク層1b,1b間の基材1a上には、記録用紙にイン
ク層が転写記録されたためインク欠損部4aが形成され
る。
【0110】使用後の熱転写記録媒体1を再生するに
は、まず、図4(B)に示す工程において、記録材料供
給ローラ14により熱転写記録材料3からなる塗布イン
ク2をインク欠損部4aを含めた熱転写記録媒体1の表
面の全面に塗布する。その後、ナイフ、ブレードなどの
膜厚制御装置15を移動させることにより塗布インク2
の膜厚を均一化する。ここで、塗布する塗布インク2の
膜厚はインク欠損部4aの膜厚と同等であれば理想的で
あるが、本実施形態のように塗布量を過多としても、未
転写のインク層1bの表面上に付着したインクは後述す
るクリーニング工程により除去できるので問題はない。
【0111】つぎに、図4(C)に示す工程において、
塗布インク2が全面塗布された熱転写記録媒体1の基材
1a側、すなわち背面側2aより、紫外線照射器16に
より紫外線を全面照射する。
【0112】この紫外線照射によっても、未転写の残存
インク層1bは既に固化しているため何等変化しない
し、また、この未転写のインク層1b上に塗布された塗
布インク2は、照射される紫外線が未転写のインク層1
bによって遮られて表面まで透過しないので紫外線によ
る重合反応を生ぜず、液体のままの状態が保持される。
【0113】一方、インク欠損部4aに塗布された塗布
インク2には透光性のある基材1aを透過した紫外線が
照射されるため重合反応が生じて硬化し、インク層2a
として再生される。
【0114】このように、本実施例の熱転写記録媒体1
の再生方法によれば、インク欠損部4aに存在する塗布
インク2の硬化のみを行うことが可能になる。
【0115】なお、再生されるインク層2aの膜厚は、
紫外線照射時間、パワー、波長などの硬化条件と使用す
る材料の特性により適宜制御することが可能である。
【0116】つぎに、図4(D)のクリーニング工程に
おいて、図4(C)に示した紫外線照射工程において反
応せずに硬化しなかった余分な塗布インク2b(図4
(C)参照)がクリーニングローラ17により拭き取ら
れて除去され、これにより1サイクルの再生工程が終了
する。
【0117】なお、高精細な印字を行なうための熱転写
記録媒体1を再生する場合など、残存しているインク層
1bと新たに再生したインク層2aとの境界部6をさら
に修復させておく必要がある場合には、図4(E)に示
すようにハロゲンランプ等の加熱装置25を用いてイン
ク層1bの表面側から加熱アニール処理を施すアニール
工程を更に追加することにより、境界部6のインク層を
相溶させて境界部6を消失させるようにすればよい。こ
の加熱アニール処理を行なうための手段としては、前述
したハロゲンランプ光源を用いた非接触加熱方式のほか
に、サーマルヘッドを用いた接触加熱方式などを利用す
ることができる。
【0118】このアニール工程は、写真画像などの極め
て高精細な印字を要求する場合に併用する手段として有
効であり、通常の文字印字などの場合は省略しても支障
はない。
【0119】つぎに、本発明の熱転写記録材料3および
熱転写記録媒体1の第1実施形態について具体的な実施
例を挙げて説明する。
【0120】本実施例の前記基材2の高分子樹脂フィル
ムとしては、膜厚が7.5μmのポリイミドフィルムを
使用し、前記熱転写記録材料3の主成分である単官能ア
クリルモノマーとしてはガラス転移温度が−67℃の2
−エチルカルビトールアクリレートを65重量部使用
し、光開始材剤としてはアセトフェノン系の化合物を1
0重量部使用し、前記熱溶融物質としては融点が86℃
のポリエステル樹脂を10重量部と融点が75℃のロジ
ン誘導体を5重量部使用し、前記着色剤としてはカーボ
ンブラックを10重量部使用することとした。
【0121】そして、熱転写記録材料3を作製するため
に、前述した熱転写記録材料3の各成分となる材料のう
ち、単官能モノマーたる2−エチルカルビトールアクリ
レートと光開始材剤とをビーカに入れて、マントルヒー
タとスライダックとを備えたモータ攪拌機で攪拌して溶
融させる。次に前記熱溶融物質たるポリエステル樹脂と
ロジン誘導体とを入れて熱時攪拌して溶融させた後、更
にカーボンブラックを入れて30分間熱時攪拌により混
合させる。これを攪拌しながら室温になるまで冷却した
後に、3本ロールミルによりミーリングして所望の熱転
写記録材料3を作製した。
【0122】そして、熱転写記録媒体1であるインクリ
ボンを形成するために、前記作製した熱転写記録材料3
を記録材料タンク13たる塗料パンに投入し、サイマッ
クUS350(メチルエチルケトン溶液)により背面処
理をした膜厚7.5μmのポリイミドフィルム(宇部興
産株式会社製)上にオフセットグラビア塗工機を用いて
3μmの厚さとなるように塗工してインク層4を形成す
る。この塗工面に厚さ100μmのフッ素樹脂フィルム
を貼り合わせて密着する。さらに、このフッ素樹脂フィ
ルム面に対して熱溶融物質の融点である80℃以上に加
熱したホットプレートを当てて、前記ポリイミドフィル
ムの背面側2aから高圧水銀灯により8mw/cm2
紫外線を10秒間全面照射する。この照射により前記熱
転写記録材料3を重合反応させて硬化し、熱転写記録媒
体1としてのインクリボンを作製した。
【0123】このインクリボンをSJ−144の熱転写
プリンタ(解像度400dpi、スター精密社製)に装
着して熱転写用のワープロ用紙(ユニオンケミカー株式
会社製)に記録を行なったところ、画像濃度が1.5と
なりエッジ再現性の良好な画像が得られた。
【0124】その後、この使用済みのインクリボンを図
3に示した熱転写記録媒体1の再生装置18にセット
し、前述した再生方法により熱転写記録材料3の塗布と
紫外線照射を行なってインク欠損部4aを再生した。ま
た、不要な未反応インクはナイフまたはブレードにより
除去した。なお、このクリーニングは乾式クリーニング
方法によってもよい。
【0125】このように再生したインクリボンを前記熱
転写プリンタに装着して再度記録を行なったところ、画
像濃度が1.4となり、前回の記録画像と比較してもな
んら遜色のない良好なエッジ再現性が得られた。
【0126】以上の本発明の熱転写記録材料3および熱
転写記録媒体1の第1実施形態によれば、熱転写記録材
料3として紫外線硬化樹脂を使用しているため、前記熱
転写記録媒体1の形成の際に紫外線光を照射するだけで
よく、簡単にインク層が形成できるし、さらに再生も容
易である。また、再生後の記録状態も良好品質のものが
得られる。
【0127】つぎに、本発明の第2実施形態について説
明する。
【0128】なお、本第2実施形態の構成のうち、前述
の第1実施形態の構成と同一の構成については、再度の
説明を省略することとし、第1実施例と異なる構成につ
いて詳細に説明することとする。
【0129】本第2実施形態における熱転写記録材料3
および熱転写記録媒体1は、前記熱転写記録材料3を構
成する組成物のうち主要組成物である紫外線硬化樹脂と
して、光によりラジカル重合するとともに、ガラス転移
温度が0℃以下である単官能モノマーと光によりラジカ
ル重合する多官能モノマーとを使用している。前記単官
能モノマーの前記熱転写用記録材料中の配合量は、10
〜80重量部、好ましくは40〜80重量部とされてお
り、多官能モノマー配合量は、1〜50重量部、好まし
くは5〜30重量部とされている。
【0130】そして、この紫外線硬化樹脂をラジカル重
合させることにより前記熱転写記録媒体1のインク層4
を形成する。
【0131】単官能モノマーは、重合しても緻密な架橋
構造とはならず熱溶融し易いため熱転写性には優れてい
るが、単官能モノマー単独では硬化性が悪いため高速硬
化に反する性質を有している。
【0132】一方、多官能モノマーは、重合すると緻密
な架橋構造を有するため熱溶融性が悪く、サーマルヘッ
ドの発熱量では転写できない場合があるが、硬化性が良
好であり高速で硬化する。
【0133】そこで、本発明では紫外線硬化樹脂として
単官能モノマーと多官能モノマーのうちでも重合物の構
造が緻密な架橋構造とならない2官能または3官能モノ
マーを微量添加することとし、熱溶融性と硬化性の特性
を生かした熱転写記録材料3を作製することとした。
【0134】ここで、熱転写記録材料3に対する多官能
モノマーの添加率と熱転写記録材料3の硬化性および熱
転写性との関係について実験を行なった。この実験で
は、単官能モノマーとして2−エチルヘキシルカルビト
ールアクリレートを使用し、多官能モノマーとして2官
能モノマーであるジエチレングリコールジアクリレート
あるいは3官能モノマーであるトリメチロールプロパン
トリアクリレートを熱転写記録材料3の全重量に対して
5、10、20、50重量部と変化させて添加した。各
添加率ごとに作製した熱転写記録材料3の硬化時間と硬
化後のインクにより得られた記録の品質状態を表8に示
す。
【0135】 前記表8によれば、単官能モノマーである2−エチルヘ
キシルカルビトールアクリレート単独の場合には、熱転
写記録材料3の硬化時間は5分であり、この熱転写記録
材料3をインク層4とする熱転写記録媒体1により記録
した結果は良好な記録品質が得られた。
【0136】そして、前記2−エチルヘキシルカルビト
ールアクリレートと2官能モノマーであるジエチレング
リコールジアクリレートを5重量部、10重量部使用し
た熱転写記録材料3の硬化時間はそれぞれ3分、2分と
短くなり、この範囲での記録品質は良好な品質を得るこ
とができた。
【0137】しかし、ジエチレングリコールジアクリレ
ートの添加率を20重量部、50重量部と増加させる
と、熱転写記録材料3の硬化速度は増大し、それぞれ3
0秒、5秒で硬化する。しかし、記録状態はかすれてし
まったり、インクが溶融せず記録できなくなった。
【0138】また、前記2−エチルヘキシルカルビトー
ルアクリレートと3官能モノマーであるトリメチロール
プロパントリアクリレートを5重量部使用した熱転写記
録材料3の硬化時間は、それぞれ3分となりこの範囲で
の記録状態は良好な品質を得ることができた。
【0139】しかし、トリメチロールプロパントリアク
リレートの添加率を10重量部とすると、硬化時間は1
分となり硬化速度は大きくなるが、記録状態はかすれて
しまい、さらに20重量部、50重量部と添加量を増加
させると、熱転写記録材料3の硬化時間はそれぞれ15
秒、5秒と硬化速度が一層大きくなるが、全く記録でき
ない状態となった。
【0140】したがって、熱転写記録材料3の紫外線硬
化樹脂としては、単官能モノマーと多官能モノマーを数
重量部使用したものが硬化速度も大きく、かつ、熱溶融
性の優れた性質を有しており好適である。この際、前記
多官能モノマーとしては重合物の構造が緻密な架橋構造
でなく溶融しやすいモノマーを使用するとよい。
【0141】なお、本発明の本第2実施形態における前
記熱転写記録材料3の他の組成物、例えば、熱溶融物質
や着色剤等については第1実施形態と同様であるため再
度の説明を省略する。さらに、熱転写記録材料3および
熱転写記録媒体1の製造装置10およびその製造方法、
あるいは熱転写記録媒体1の再生装置18およびその再
生方法についても第1実施形態と同様であるため再度の
説明を省略する。
【0142】つぎに、本発明の熱転写記録材料3および
熱転写記録媒体1の第2実施形態について具体的な実施
例を挙げて説明する。
【0143】本実施例における前記基材2の高分子樹脂
フィルムとしては、膜厚が7.5μmのポリイミドフィ
ルムを使用し、前記熱転写記録材料3の主成分である紫
外線硬化モノマーとして単官能モノマーであってガラス
転移温度が−65℃の2−エチルヘキシルカルビトール
アクリレートを60重量部と、2官能モノマーであるジ
エチレングリコールジアクリレートを5重量部とを使用
し、光開始材剤としてはアセトフェノン系の化合物を1
0重量部使用し、前記熱溶融物質としては融点が85℃
の酸化マイクロクリスタリンワックスを10重量部と融
点が75℃のロジン誘導体を5重量部使用し、前記着色
剤としてはカーボンブラックを10重量部使用すること
とした。
【0144】そして、熱転写記録材料3を作製するため
に、前述した熱転写記録材料3の各成分となる材料のう
ち、単官能モノマーたる2−エチルヘキシルカルビトー
ルアクリレートと2官能モノマーであるジエチレングリ
コールジアクリレートと光開始材剤とをビーカに入れ
て、マントルヒータとスライダックとを備えたモータ攪
拌機で攪拌して溶融させる。次に前記熱溶融物質たる酸
化マイクロクリスタリンワックスとロジン誘導体とを入
れて熱時攪拌して溶融させた後、更にカーボンブラック
を入れて30分間熱時攪拌により混合させる。これを攪
拌しながら室温になるまで冷却した後に、3本ロールミ
ルによりミーリングして所望の熱転写記録材料3を作製
した。
【0145】そして、熱転写記録媒体1であるインクリ
ボンを形成するために、前記作製した熱転写記録材料3
を記録材料タンク13たる塗料パンに投入し、サイマッ
クUS350(メチルエチルケトン溶液)により背面処
理をした膜厚7.5μmのポリイミドフィルム(宇部興
産株式会社製)上にオフセットグラビア塗工機を用いて
3μmの厚さとなるように塗工してインク層4を形成す
る。この塗工面に厚さ100μmのフッ素樹脂フィルム
を貼り合わせて密着する。さらに、このフッ素樹脂フィ
ルム面に対して熱溶融物質の融点である80℃以上に加
熱したホットプレートを当てて、前記ポリイミドフィル
ムの背面側2aから高圧水銀灯により8mw/cm2
紫外線を10秒間全面照射する。この照射により前記熱
転写記録材料3を重合反応させて硬化し、熱転写記録媒
体1としてのインクリボンを作製した。
【0146】このインクリボンをSJ−144の熱転写
プリンタ(解像度400dpi、スター精密社製)に装
着して熱転写用のワープロ用紙(ユニオンケミカー株式
会社製)に記録を行なったところ、画像濃度が1.5と
なりエッジ再現性の良好な画像が得られた。
【0147】その後、この使用済みのインクリボンを図
3に示した熱転写記録媒体1の再生装置18にセット
し、前述した再生方法により熱転写記録材料3の塗布と
紫外線照射を行なってインク欠損部4aを再生した。ま
た、不要な未反応インクはブレードまたはナイフにより
除去した。なお、このクリーニングは乾式クリーニング
方法によってもよい。
【0148】このように再生したインクリボンを前記熱
転写プリンタに装着して再度記録を行なったところ、画
像濃度が1.4となり、前回の記録画像と比較してもな
んら遜色のない良好なエッジ再現性が得られた。
【0149】以上の本発明の熱転写記録材料3および熱
転写記録媒体1の第2実施形態によれば、熱転写記録材
料3として単官能モノマーに多官能モノマーを少量添加
した紫外線硬化樹脂を使用しているため、硬化速度が大
きく硬化性の優れた熱転写記録材料3が得られるととも
に、サーマルヘッドの発熱量によって容易に溶融でき熱
溶融性の優れた前記熱転写記録媒体1を形成することが
できる。
【0150】また、簡単に熱転写記録媒体1のインク層
が形成できるし、さらに再生も容易であって再生後も品
質の高い記録が得られる。
【0151】なお、本発明は前記各実施形態のものに限
定されるものではなく、必要に応じて種々変更すること
が可能である。
【0152】たとえば、単官能アクリルモノマーおよび
単官能メタクリルモノマーは前記実施形態において挙げ
た各モノマーに限定されるものではなく、ガラス転移温
度が0℃以下のアクリルモノマーあるいはメタクリルモ
ノマーであればよい。
【0153】また、多官能モノマーも前記実施形態にお
いて挙げたモノマーに限定されず、重合物の構造が緻密
な架橋構造でなく、熱溶融性の優れているものまーであ
ればよい。
【0154】さらに、熱溶融物質についても融点が約5
0〜100℃の範囲にあってモノマーとの分散性・相溶
性が優れている熱溶融物質であれば、実施形態のものに
限る必要はない。
【0155】
【発明の効果】以上述べたように本発明に係る熱転写記
録材料および熱転写記録媒体によれば、良好な記録を施
すことができる熱転写記録媒体を紫外線光を照射するだ
けという簡単な方法で形成および再生することができ
る。このため、熱転写記録媒体の形成の際に要する消費
電力やコストの低減を図ることができる。
【0156】また、熱転写記録材料の硬化速度が大き
く、かつ、品質の良好な記録を得ることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱転写記録媒体の実施の一形態を
示す側面断面図
【図2】本発明に係る熱転写記録媒体の製造装置の内部
を示す説明図
【図3】本発明に係る熱転写記録媒体の再生装置の内部
を示す説明図
【図4】本発明に係る熱転写記録媒体の再生方法を示す
説明図
【図5】従来の熱転写記録媒体を示す側面断面図
【符号の説明】
1 熱転写記録媒体 2 基材 3 熱転写記録材料 4 インク層 5 潤滑層 10 製造装置 13 加熱式記録材料タンク 15 膜厚制御装置 16 紫外線照射器 18 再生装置 23 走行ユニット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱転写記録媒体のインク層を形成する熱
    転写記録材料であって、光によりラジカル重合するとと
    もにその重合物のガラス転移温度が記録可能な温度以下
    である単官能モノマーと、記録可能な温度範囲内に融点
    または軟化点を有する熱溶融物質と、着色剤とを少なく
    とも含むことを特徴とする熱転写記録材料。
  2. 【請求項2】 前記単官能モノマーの配合量を10〜8
    0重量部とし、前記熱溶融物質の配合量を10〜80重
    量部とし、前記着色材の配合量を1〜25重量部とした
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱転写記録材料。
  3. 【請求項3】 前記単官能モノマーを単官能アクリルモ
    ノマーまたは単官能メタクリルモノマーとしたことを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写記録材
    料。
  4. 【請求項4】 熱転写記録媒体のインク層を形成する熱
    転写記録材料であって、光によりラジカル重合するとと
    もにその重合物のガラス転移温度が記録可能な温度以下
    である単官能モノマーと、光によりラジカル重合する多
    官能モノマーと、記録可能な温度範囲内に融点または軟
    化点を有する熱溶融物質と、着色剤とを少なくとも含む
    ことを特徴とする熱転写記録材料。
  5. 【請求項5】 前記単官能モノマーの配合量を10〜8
    0重量部とし、前記多官能モノマーの配合量を1〜50
    重量部とし、前記熱溶融物質の配合量を10〜80重量
    部とし、前記着色材の配合量を1〜25重量部としたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の熱転写記録材料。
  6. 【請求項6】 前記単官能モノマーおよび前記多官能モ
    ノマーをそれぞれアクリルモノマーまたはメタクリルモ
    ノマーとしたことを特徴とする請求項4または請求項5
    に記載の熱転写記録材料。
  7. 【請求項7】 前記単官能モノマーをその重合物のガラ
    ス転移温度が0℃以下のものとしたことを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の熱転写記録
    材料。
  8. 【請求項8】 前記熱溶融物質をその融点あるいは軟化
    点が50℃以上100℃以下の温度範囲内にあるワック
    スあるいは熱溶融性樹脂の少なくとも一方を含むものと
    したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか
    1項に記載の熱転写記録材料。
  9. 【請求項9】 前記熱溶融物質を前記単官能モノマーに
    対して均一に分散し、あるいは相溶する性質を有するワ
    ックスあるいは熱溶融性樹脂の少なくとも一方を含むも
    のとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいず
    れか1項に記載の熱転写記録材料。
  10. 【請求項10】 フィルム基材にインク層を積層してな
    る熱転写記録媒体であって、前記インク層を、請求項1
    乃至請求項9のいずれか1項に記載の熱転写記録材料の
    単官能モノマー、あるいは多官能モノマーを含む場合に
    は単官能モノマーおよび多官能モノマーを光によりラジ
    カル重合して重合物を形成することにより構成したこと
    を特徴とする熱転写記録媒体。
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