JPH1036439A - エポキシ化共重合ポリマーおよびその用途 - Google Patents

エポキシ化共重合ポリマーおよびその用途

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JPH1036439A
JPH1036439A JP20917696A JP20917696A JPH1036439A JP H1036439 A JPH1036439 A JP H1036439A JP 20917696 A JP20917696 A JP 20917696A JP 20917696 A JP20917696 A JP 20917696A JP H1036439 A JPH1036439 A JP H1036439A
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acid
epoxidized
copolymer
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epoxidized copolymer
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JP20917696A
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Inventor
Tomoharu Miyashita
知治 宮下
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆剤や接着剤等に添加し、架橋により十分
な可撓性を保持しながら高い強度および耐熱性を持つ共
重合ポリマーを提供する。 【解決手段】 数平均分子量1000以上の鎖状熱可塑
性樹脂分子残基Aに不飽和脂肪酸もしくはその誘導体で
あって下記一般式(1)で表されるものの炭素−炭素二
重結合の完全もしくは部分的エポキシ化物からR1また
はR2を除いた残基に相当する基Dが結合した、下記
(a)〜(e)のいずれかの構造を有するエポキシ化共
重合ポリマーおよびそれを含むコーティング組成物、シ
ーラント組成物または樹脂組成物。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不飽和脂肪酸もし
くはその誘導体のエポキシ化物と熱可塑性樹脂をベース
とするエポキシ化共重合ポリマー並びにその用途に関す
る。
【0002】
【従来の技術】S−I−S(スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体)、S−B−S(スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体)、S−EP−S
(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の
部分水添物)およびS−EB−S(スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体の部分水添物)等の高分
子共役ジエンを基本とするスチレンブロック共重合体
は、熱可塑性エラストマーとして被覆剤や接着剤に広範
囲に利用されている。これらの高分子共役ジエンを基本
成分とするスチレンブロック共重合体の重要な利点は、
熱もしくは放射線で硬化するポリオール/イソシアネー
ト、ポリオール/メラミン、酸無水物/エポキシ化合
物、エポキシ樹脂/アミン化合物、アクリルオリゴマー
/アクリルモノマーなどの高架橋点濃度をもつ材料と異
なり、ポリスチレンセグメントが擬似的な架橋点となる
という点にある。しかし、スチレンブロック共重合体の
重要な制限は、高い耐熱性を提供できないことであっ
た。これは、スチレンブロック共重合体の前記疑似的架
橋がポリマー中のスチレンセグメントの物理的な会合に
起因しているので、ポリスチレンのガラス転移温度付近
またはそれ以上の温度でそれが解消し、凝集強度が失わ
れる為である。この問題を解決するために、UV,EB
などにより共役ジエンに由来する二重結合をラジカル架
橋する方法やドライヤーを添加して酸素架橋する方法な
どが用いられている。しかし、これらの方法を採用して
も、従来のスチレンブロック共重合体を用いた組成物で
は、十分な強度や耐熱性を保持できなかった。これは、
従来のスチレンブロック共重合体は共役ジエン由来の二
重結合の内、架橋に寄与する数が少ないこと、および共
役ジエンブロックセグメントがブロック共重合体分子の
末端に無く、スチレンブロックセグメントで架橋点とな
るべき共役ジエンブロックセグメントが覆われてしまう
ことにより、十分な架橋点を得ることができないことに
よると考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はかかる問題
を解決するために検討を行ったところ、特定構造の不飽
和脂肪酸もしくはその誘導体および熱可塑性樹脂をベー
スとするエポキシ化共重合ポリマーを用いた被覆剤や接
着剤等は、架橋により十分な可撓性を保持しながら高い
強度および耐熱性を持つことを見い出すに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、数平
均分子量1000以上の鎖状熱可塑性樹脂分子残基Aに
不飽和脂肪酸もしくはその誘導体であって下記一般式
(1)で表されるものの炭素−炭素二重結合の完全もし
くは部分的エポキシ化物からR1またはR2を除いた残基
に相当する基Dが結合した、下記(a)〜(e)のいず
れかの構造を有するエポキシ化共重合ポリマーに関す
る。
【化3】
【化4】
【0005】また本発明は、上式中のAがポリエステル
またはポリカーボネートの残基、スチレンを含むポリマ
ーの残基、ポリエーテルの残基、ポリオレフィンの残基
のいずれかであるエポキシ化共重合ポリマーに関する。
さらに本発明はそれらのエポキシ化共重合ポリマーを含
む接着剤組成物、コーティング組成物、シーラント組成
物、樹脂組成物に関する。以下に本発明を詳細に説明す
る。
【0006】本発明のエポキシ化共重合ポリマーの出発
原料の一つである不飽和脂肪酸もしくはその誘導体を表
す一般式(1)において、R1およびR2が各々表す炭素
数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が
挙げられ、中でもR1としては炭素数2〜5のアルキル
基が好ましく、R2としてはエチル基が好ましい。
【0007】一般式(1)で表される不飽和脂肪酸もし
くはその誘導体の好ましいものとしては、不飽和脂肪酸
としての炭素数が16〜22の範囲のものであり、特に
好ましいものとしては炭素数が20〜22のものであ
り、更にはmが4〜6、nが1〜7のものである。不飽
和脂肪酸で具体例を示すと、炭素数16のヘキサデカト
リエン酸(6,10,14−ヘキサデカトリエン酸、
6,9,12−ヘキサデカトリエン酸、7,10,13
−ヘキサデカトリエン酸)、ヘキサデカテトラエン酸、
炭素数18のオクタデカテトラエン酸(4,8,12,
15−オクタデカテトラエン酸)炭素数21のヘンエイ
コサペンタエン酸(6,9,12,15,18−ヘンエ
イコサペンタエン酸 )、炭素数20のエイコサテトラ
エン酸(5,8,11,14−エイコサテトラエン酸、
4,8,12,16−エイコサテトラエン酸)、エイコ
サペンタエン酸(5,8,11,14,17−エイコサ
ペンタエン酸、4,8,12,15,18−エイコサペ
ンタエン酸)、炭素数22のドコサテトラエン酸(1
0,13,16,19−ドコサテトラエン酸)、ドコサ
ペンタエン酸(7,10,13,16,19−ドコサペ
ンタエン酸)、ドコサヘキサエン酸(4,7,10,
13,16,19−ドコサヘキサエン酸、4,8,1
2,15,18,21−ドコサヘキサエン酸、4,8,
11,14,17,20−ドコサヘキサエン酸)が挙げ
られる。これらは、魚油等の天然油脂から得られ、高純
度品、これらの混合物、あるいはこれらの不飽和脂肪酸
やその誘導体を含有する蒸留残留物のいずれにおいても
用いることができる。
【0008】これらの不飽和脂肪酸やその誘導体は従来
用いられているスチレンブロック共重合体の共役二重結
合ブロックよりも二重結合の濃度が高い為に、その二重
結合がエポキシ化された形で本発明のエポキシ化共重合
ポリマーを構成し、接着剤、シーラントおよび被覆剤組
成物等とした場合に、架橋密度が高くなり、強度および
耐熱性を向上させることができる。
【0009】本発明のエポキシ化共重合ポリマーにおい
ては、前記一般式(1)で表される不飽和脂肪酸もしく
はその誘導体のエポキシ化物からR1またはR2を除いた
残基に相当する基Dとして、特にR2を除いた基が鎖状
熱可塑性樹脂分子残基に結合していることが好ましい。
【0010】本発明のエポキシ化共重合ポリマーを形成
する数平均分子量1000以上の熱可塑性樹脂は、加熱
により溶融し、任意の形状に成形し得るものを総称す
る。ここで鎖状とは、分子全体からみて実質的に鎖状で
あればよく、短鎖分岐のあるものや他の重合体が本来の
鎖状である熱可塑性樹脂にグラフトしていても構わな
い。以下、実質的に鎖状であり、本発明のエポキシ化共
重合ポリマーの製造に使用する熱可塑性樹脂を単に熱可
塑性樹脂と称する。この熱可塑性樹脂の具体例として
は、ポリオレフィン樹脂、ナイロン46、ナイロン6、
ナイロン66などのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル樹脂、あるいはポリアミドエラストマー、ポリエ
ステルエラストマーなどの結晶性熱可塑性重合体、AB
S樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂などのゴ
ム変性重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、
スチレン−メチルメタクリレート共重合体、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンオキサイドなどの非晶性熱可塑性重合体、
あるいは炭素数2〜8のα−モノオレフィンを主たる繰
り返し構造単位とする重合単位に他の重合体がグラフト
重合したグラフト重合体、例えばエチレン−プロピレン
共重合体にアクリロニトリル−スチレン共重合体がグラ
フト重合したグラフト重合体、エチレン−ブテン共重合
体にアクリロニトリル−スチレン共重合体がグラフト重
合したグラフト重合体、エチレン−ブテン共重合体にブ
チルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体がグ
ラフト重合したグラフト重合体、エチレン−ブテン共重
合体にメチルメタクリレート共重合体がグラフト重合し
たグラフト重合体などが挙げられ、好ましい熱可塑性樹
脂としては、ポリエステル樹脂、スチレンを構造単位と
して含むポリマー、ポリエーテル、ポリオレフィン樹脂
が挙げられる。
【0011】本発明のエポキシ化共重合ポリマーの製造
に使用する熱可塑性樹脂はその数平均分子量が1000
以上、好ましくは1000以上、200000以下であ
る。数平均分子量が1000未満では、得られるエポキ
シ化共重合ポリマー中のエポキシ基数が多すぎて硬化物
が硬くなり、良好な加工性を得られない。一方、数平均
分子量が200000以上では後記する製法において、
前記一般式(1)で表される不飽和脂肪酸もしくはその
誘導体と熱可塑性樹脂と結合(カップリングともいう)
が困難になるので望ましくない。なお、本発明において
「数平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーを利用し、標準ポリスチレンの検量線を使用
して算出したものである。
【0012】前記ポリエステル樹脂としては、カルボン
酸成分とグリコール成分を反応させて製造されたポリエ
ステル、およびラクトン類を重合して製造されたポリカ
プロラクトンが挙げられる。カルボン酸成分としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジ
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セ
バシン酸、アゼライン酸、コハク酸、フマル酸、マレイ
ン酸、ハイミック酸、1,6−シクロヘキシルジカルボ
ン酸などの脂肪族カルボン酸、トリメリット酸、ピロメ
リット酸などの三価以上の酸またはこれらの低級アルキ
ルエステル、酸無水物が挙げられ、これらの一種以上を
使用することができる。グリコール成分としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロ
パンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、
2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、
キシリレングリコール、水添ビスフェノールA、ビスフ
ェノールA、これらのエチレンオキサイドまたはプロピ
レンオキサイド付加物、トリメチロールエタン、トリメ
チロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール
等があり、これらの一種以上を用いることができる。ま
た、ジメチロールプロピオン酸のようなヒドロキシ酸
を、上記のカルボン酸、グリコール成分と同時に用いる
ことも可能である。ラクトン類としてはε−カプロラク
トン、バレロラクトンなどが好ましく、これらの一種以
上を用いることができる。ポリエステル樹脂は、カルボ
ン酸成分とグリコール成分およびまたはラクトン類を配
合し、公知の製造方法、例えば溶融法、溶剤法等により
エステル化反応またはエステル交換反応を行うことによ
り製造される。
【0013】本発明に用いられるポリカーボネートは、
公知の方法、例えばビスフェノール類とホスゲンの直接
反応(ホスゲン法、界面重合法)、ビスフェノール類ま
たはジオール成分とジアリルカーボネートとのエステル
交換反応(エステル交換法)、あるいは環状カーボネー
ト化合物の開環重合法などの方法により得られる。好ま
しくはビスフェノールA型ポリカーボネート、1,6−
ヘキサンジオールのカーボネート付加体が挙げられる。
【0014】スチレンを構造単位として含むポリマーと
しては、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、AAS
樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂、HIP
S、スチレン−ブタジエン樹脂等が挙げられる。後記す
る製法において、一般式(1)で表される不飽和脂肪酸
もしくはその誘導体とカップリングするためには、スチ
レンを含むポリマーが水酸基を有することが望ましい。
スチレンを含むポリマーに水酸基を付与する方法は公知
の方法を用いることができる。例えば、製造の際に分子
内にSH基と水酸基を含有する化合物を開始剤として用
いる方法や、分子内にパーオキサイド結合を有する高分
子ラジカル開始剤を用いる方法などがあり、前者の商品
例としては東亞合成(株)のマクロモノマーシリーズ
が、後者の商品例としては日本油脂(株)のモディパー
シリーズが挙げられる。
【0015】ポリエーテルとしては、例えばエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラ
ン、グリシドールなどのエポキシ基を持つ化合物の一種
もしくは二種を、二個以上の活性水素を有する化合物、
例えばジオール類、ジアミン類に付加重合せしめた生成
物、例えばポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロ
ピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレングリコ
ール等や、ポリエステルポリオール、ポリシリコングリ
コール等にアルキレンオキサイドを付加せしめたものが
使用できる。特に好ましくは、ポリテトラメチレン鎖を
有するエーテル系ジオール、ポリグリセリンである。
【0016】ポリオレフィンとしては、例えば低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1な
どのホモポリマー、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエ
ンゴムなどの共重合体が挙げられる。後記する製法にお
いて、一般式(1)で表される不飽和脂肪酸もしくはそ
の誘導体とカップリングするためには、ポリオレフィン
が水酸基を有することが望ましい。ポリオレフィンに水
酸基を付与する方法は、公知の方法を用いることができ
る。例えば、ポリオレフィンを酸化する方法、水酸基末
端のポリジエンを水添する方法で製造するなどがある。
【0017】一般式(1)で表される不飽和脂肪酸もし
くはその誘導体と熱可塑性樹脂とのカップリング方法は
特に限定されないが、エステル交換法、不飽和脂肪酸誘
導体と熱可塑性樹脂のモノマーを配合し、不飽和脂肪酸
誘導体を熱可塑性樹脂にグラフト重合する方法、ジイソ
シネートなどのカップリング剤を用いる方法などが挙げ
られる。後者の場合は、最終的には熱可塑性樹脂残基と
不飽和脂肪酸もしくはその誘導体のエポキシ化物に相当
する残基Dが直接に結合した形のエポキシ化共重合ポリ
マーは得られないが、本発明のエポキシ化共重合ポリマ
ーは、このようなポリマーも含まれる。これらの製法の
中では、不飽和脂肪酸誘導体と熱可塑性樹脂およびエス
テル交換触媒とを溶融混練し、不飽和脂肪酸誘導体のエ
ステル基と熱可塑性樹脂の水酸基とをエステル交換し、
副生成する低分子量のアルコールを溜去する方法が最も
好ましく用いられる。
【0018】溶融混練および副成低分子成分溜去を実施
する装置としては公知のものが使用できる。例えばベン
トポート付きの押出機、スタティックミキサー型重合装
置、分液ロート付きのバッチ型反応器などが挙げられ、
単独であるいは組み合わせて用いることができる。
【0019】不飽和脂肪酸誘導体のエステル基と熱可塑
性樹脂の水酸基とをエステル交換するエステル交換触媒
としては、スズ化合物、アンチモン化合物、チタン化合
物、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、モリブデン化合
物およびジルコニウム化合物などが例示できるが、取り
扱い易さ、低毒性、反応性、無着色性、熱安定性などの
バランスからスズ化合物、チタン化合物、アンチモン化
合物が好ましく用いられる。スズ化合物としては具体的
には、例えば塩化第一スズ、オクチル酸第一スズ、モノ
ブチルスズオキシド、モノブチルスズトリス(2−エチ
ルヘキシルヘキサネート)等のモノブチルスズ化合物、
ジブチルスズオキシド等のジブチルスズ化合物が挙げら
れる。また、チタン化合物としては、テトラブチルチタ
ネート、テトライソプロピルチタネートが、アンチモン
化合物としては三酸価アンチモン等が挙げられる。これ
らを各単独であるいは混合した触媒存在下に100mm
Hg以下、好ましくは10mmHg以下の減圧下で、1
00℃〜300℃、好ましくは150℃〜200℃でエ
ステル交換反応を行うことにより、エポキシ化原料であ
る一般式(1)で表される不飽和脂肪酸誘導体と熱可塑
性樹脂をベースとする共重合ポリマーを得ることができ
る。
【0020】本発明のエポキシ化共重合ポリマーは、前
記の前段階の共重合ポリマーに含まれる不飽和脂肪酸も
しくはその誘導体由来の二重結合を酸化剤によりエポキ
シ化することによって容易に得ることができる。用いる
酸化剤としては、前記二重結合をエポキシ化でき、工業
的に製造可能なものであれば特に制限は無く、過酢酸、
過ギ酸、過プロピオン酸、過安息香酸等の有機過酸、t
−ブチルハイドロパーオキシド、クミルハイドロパーオ
キシド、テトラリルハイドロパーオキシド、ジイソプロ
ピルベンゼンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオ
キシド類、過酸化水素等を例として挙げることができ
る。
【0021】エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用
いることができる。例えば、過酸の場合、炭酸ソーダな
どのアルカリや硫酸などの酸を触媒として用いる。ま
た、ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸
と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸
を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニル
をt−ブチルハイドロパーオキサイドと併用して触媒効
果を得ることができる。
【0022】前記共重合ポリマーの不飽和脂肪酸または
その誘導体に由来する二重結合に対する酸化剤の使用モ
ル比は、理論的には1であるが、実際には0.01〜1
0の範囲、好ましくは0.05〜2の範囲である。モル
比が10よりも大きい場合は、不飽和脂肪酸およびその
誘導体由来の二重結合の転化率及び反応時間の短縮の点
で好ましいが、過剰の酸化剤による副反応や酸化剤の選
択率及び未反応の酸化剤の回収に多大な費用を要するた
め、好ましくない。逆にモル比が0.05未満の場合、
酸化剤の転化率、選択率、酸化剤による生成物の副反応
を防ぐという点で好ましいが、エポキシ基導入率が低す
ぎる。従って、未エポキシ化の共重合ポリマーが残るこ
とがある。
【0023】また、エポキシ化の際、酸化剤の使用量を
変更あるいは反応時間を変更し過剰の酸化剤を処理する
ことにより、エポキシ化率、エポキシ基数を自由にコン
トロールすることができる。
【0024】エポキシ化の反応温度は、エポキシ化反応
が酸化剤の分解反応に優先するような上限温度以下を選
択し、例えば、過酢酸を使用する場合は70℃以下、t
−ブチルハイドロパーオキシドを使用する場合には、1
50℃以下が好ましい。反応温度が低いと、反応完結に
長時間を要するので、過酢酸あるいはt−ブチルハイド
ロパーオキシドを使用する場合は、20℃以上で行うこ
とが好ましい。
【0025】反応には、溶媒を使用しなくても良いが、
酸化剤の希釈による安定化などのため、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族類、クロロホルム、ジメチル
クロライド、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン
化物、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル化合物、ア
セトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物、
1,2−ジメトキシエタン等のエーテル化合物等の共重
合ポリマーを溶解することのできる溶媒を用いることが
できる。また、反応途中は、原料および製品の着色を防
ぐため、窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0026】反応で得られたエポキシ化共重合ポリマー
は、酸化剤として有機酸を用いる場合、生成物のエポキ
シ基の開環を防ぐために、反応粗液を水洗、あるいは中
和して低沸成分を除去する方が好ましい。中和に用いる
アルカリ水溶液としては、例えば、NaOH、KOH、
2CO3、NaCO3、NaHCO3、NH3等のような
水溶液を使用することができ、その際、その濃度は広い
範囲内で自由に使用することができる。中和した後、水
洗せずに低沸分を除去すると、エポキシ化共重合ポリマ
ー中に中和塩が残存することになるので、中和後に水洗
することが好ましい。中和あるいは水洗を行った反応粗
液から脱低沸分を除去するには、薄膜式蒸発器を用いる
ことが好ましい。
【0027】こうして得られる本発明のエポキシ化共重
合ポリマーは、式(e)のグラフト結合の場合を除き、
熱可塑性樹脂分子中の端部に近い箇所にエポキシ基をも
つ。また式(e)の場合も、熱可塑性樹脂分子の端部に
近い箇所にエポキシ基をもつ場合もある。従来用いられ
ているスチレンブロック共重合体の共役二重結合ブロッ
クは、スチレンブロックセグメントに共役ジエンブロッ
クセグメントが覆われ、分子間の架橋が困難であるが、
本発明のエポキシ化共重合ポリマーはそのような障害が
ないために、分子間のエポキシ基が反応架橋をおこし易
い。更に従来のブロックポリマーは中間セグメントが架
橋する為に未架橋セグメントは拘束されないが、本発明
のエポキシ化共重合ポリマーは、末端セグメントが架橋
するので、これを用いて接着剤、シーラントおよびコー
ティング組成物とした場合に架橋性が高くなり、強度お
よび耐熱性を向上させることができる。
【0028】以上の製法および使用原料の説明で明らか
なように、本発明のエポキシ化共重合ポリマーは、それ
を製造する際の、第一段階である熱可塑性樹脂と一般式
(1)で表される不飽和脂肪酸もしくはその誘導体との
反応において、熱可塑性樹脂分子中の水酸基数やその分
子中の位置および一般式(1)で表される不飽和脂肪酸
もしくはその誘導体の配合比によって、最終的にエポキ
シ化したエポキシ化共重合ポリマーの構造として次のも
のが挙げられる。すなわち、式(a)のD−Aのように
熱可塑性樹脂分子片端に基Dが結合したもの、式(b)
のD−A−Dのように熱可塑性樹脂分子両端に基Dが結
合したもの、式(c)の(D)k−Aのように熱可塑性
樹脂分子の片端にDが箒状にk個結合したもの、式
(d)の(D)k−A−(D)k'のように同じく両端に
基Dがk個およびk’個が箒状に結合したもの、さらに
は式(e)のA〜(D)k"のように基Dのk”個が熱可
塑性樹脂の分子鎖にグラフトしたものなどである。
【0029】以上のように不飽和脂肪酸誘導体と熱可塑
性樹脂とを付加反応させた後にエポキシ化して得られる
本発明のエポキシ化共重合ポリマーは、様々な方法で架
橋することができる。例えば、二液型、一液型、熱硬化
型、光硬化型などのタイプに応じて選択され、種々のも
のを使用することができる。
【0030】このようなエポキシ基を有するエポキシ化
共重合ポリマーの硬化剤としては、アミン系のもので
は、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ジプロピレンジアミン、ジエチルアミノプロピルアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、イソ
ホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサ
ン、N‐アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−
アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ(5.5)ウンデカン、m‐キシリレンジアミン、
ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホ
ン、ジアミノジエチルジフェニルメタンなどの芳香族ポ
リアミン、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルア
ミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、
N,N−ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、
l,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン、ト
リエタノールアミン、ピペラジン、ピロリジン、ポリア
ミドアミン、フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体などの
第2級または第3級アミンなどが挙げられる。
【0031】酸無水物としては、無水メテルナジック
酸、ドデセニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルコンドメチレン
テトラヒドロ無水フタル酸、無水クロトン酸、エチレン
グリコール無水トリメリット酸エステル、メチルテトラ
ヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸
などが挙げられる。
【0032】エポキシ基とカルボキシル基の反応の触媒
として、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライドあ
るいはブロマイド、テトラメチルアンモニウムクロライ
ドあるいはブロマイド等の4級アンモニウム塩、ジメチ
ルスズビス(メチルマレート)、ジメチルスズビス(エ
チルマレート)、ジメチルスズビス(ブチルマレー
ト)、ジブチルスズビス(メチルマレート)等のスズ系
触媒、あるいはトリフェニルホスフイン、テトラフェニ
ルホスホニウムクロライドあるいはプロマイドなどのリ
ン化合物、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2
−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミ
ダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール、l‐ベンジル−2−メチルイミダゾ
ール、l‐シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1
−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シア
ノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−
シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールなどのイミ
ダゾール類を触媒として含有することが好ましい。
【0033】エポキシ基と反応する官能基として水酸基
を有するものについては、例えばブタノール、エタノー
ル、プロパノール、エチレングリコール、トリメチロー
ルプロパンなどのアルコール類、β−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートあるいはβ−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートにカプロラクトンを付加した重合
性単量体(ダイセル化学製「PCLFA‐l」、「PC
LFM‐1」)、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイドある
いはプロピレンオキサイドなどを付加した重合性モノマ
ー(日本油脂製「プレンマーPP」、「ブレンマーP
E」)等のヒドロキシル基含有モノマーのアクリル重合
体を例示することができる。
【0034】また、エポキシ基と反応する水酸基の反応
触媒として、アミン系、アルカリ系及び酸系の触媒が好
適に用い得る。このような触媒として4−メチルイミダ
ゾール等のイミダゾール類、トリス(ジメチルアミノ)
フェノール、N,N‐ジメチルベンジルアミン等の3級
アミン類、KOH、NaOH等の無機アルカリ類、ナト
リウムアルコラート等のアルコラート類が使用できる。
また酸系触媒としては、カチオン重合触媒反応を促進す
るリン酸、リン酸のエステル類、あるいは酸性リン酸基
含有(メタ)アクリレート、シュウ酸、コハク酸、トリ
メリツト酸、p−トルエンスルホン酸等の酸性度の高い
触媒を含有することが望ましい。これらの触媒は、エポ
キシ樹脂および硬化剤の合計に対して0.lppmから
l0%、好ましくは10ppmから2%の範囲が望まし
い。0.lppm以下では硬化促進効果が乏しく、l0
%以上では塗膜物性の低下を招く。
【0035】エポキシ基と反応する官能基としてシラノ
ール基または加水分解性アルコキシシラノール基を有す
るもの、およびこれをアクリル系樹脂に導入した化合物
も硬化剤として挙げられる。具体的にはγ−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メ
タ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポ
キシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフェニル
ジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブチルフ
ェニルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシブ
チルフェニルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−
(メタ)アクリロキシプロピルフェニルメチルメトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルフェニルメ
チルエトキシシランなどを使用することができる。
【0036】エポキシ基とシラノール基、加水分解性ア
ルコキシシラノール基との反応の触媒としてカチオン重
合反応を促進し、好適なポットライフを与える公知のア
ルミニウムキレート、チタンキレート、ジルコニウムキ
レート化合物触媒を含有することができる。これらのキ
レート化合物の中でもケト、エノール互変異性を構成し
得る化合物を安定なキレート環を形成する配位子として
含むキレート化合物が望ましい。ケト、エノール互変異
性を構成し得る化合物としては、β−ジケトン類(アセ
チルアセトン等)、アセト酢酸エステル類(アセト酢酸
メチル等)、マロン酸エステル類(マロン酸エテル
等)、およびβ位に水酸基を有するケトン類(ダイアセ
トンアルコール等)、β位に水酸基を有するアルテヒド
類(サリチルアルデヒド等)、β位に水酸基を有するエ
ステル類(サリチル酸メチル)等を使用することができ
る。特にアセト酢酸エステル類、β−ジケトン類を使用
するのが好適である。アルミニウムキレート化合物、ジ
ルコニウムキレート化合物、およびチタニウムキレート
化合物のいずれか一種類あるいは数種類を混合してもよ
い。キレート化合物の配合量は、エポキシ化共重合ポリ
マーおよび硬化剤の合計をl00重量部とした場合に、
0.0l〜30重量部の範囲か好ましく、より好ましく
は0.05〜l5重量部の範囲であり、さらに好ましく
は0.5〜10重量部の範囲である。キレート化合物の
配合量が0.01重量部より少ないと架橋硬化性が低下
する傾向にあり、逆に30重量部より多いと硬化物中に
残存するキレート化合物が塗膜の吸水性や耐候性を悪化
させる原因になり得る。
【0037】その他、尿素誘導体、ポリメルカプタン系
硬化剤、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂な
どのメチロール基含有化合物、ポリイソシアネート、さ
らに紫外線硬化触媒である芳香族ジアゾニウム塩などを
使用することができる。なお、エポキシ基と反応し得る
官能基は、同時に2種類以上用いてもよい。エポキシ基
を有する化合物の硬化剤を使用する場合、その使用量は
通常、これらの硬化剤が有する活性水素基が、エポキシ
基とほぼ等モル量となる量である。また、エポキシ化共
重合ポリマーの硬化促進剤は、その極類、硬化条件など
に応じ適性量が使用される。なお、エポキシ化共重合ポ
リマーのエポキシ基と反応し得る官能基は、同時に2種
類以上用いてもよい。
【0038】不飽和脂肪酸誘導体と熱可塑性樹脂とを反
応させ、次いで酸化して得られる前記エポキシ化共重合
ポリマーは、様々な方法で架橋することができる。例え
ば、有機過酸化物とスチレンモノマーを用いたスチレン
モノマーの付加架橋、コバルト、マンガンの有機酸塩等
の金属ドライヤーによる酸化還元反応による自動酸化架
橋、硫黄系加硫剤を用いた架橋、UV・電子線およびγ
線による放射線架橋などが挙げられる。
【0039】本発明のエポキシ化共重合ポリマーには、
その他の熱可塑性樹脂、任意の硬化剤、硬化助剤、粘着
性付与剤、可塑剤、溶媒、安定剤などの成分を様々に加
えたり混合してもよい。組み合わせた組成物は接着剤、
シーラント、コーティング剤、インキ、繊維、FRP、
SMC、アスファルトまたはポリマーアロイとして有用
である。
【0040】このような本発明の各用途の組成物は、公
知の方法で混合・調製することができる。通常は25℃
〜125℃で3時間程度混練することで、均一な混合が
得られる。得られた組成物を様々な応用品に使用しても
よい。代わりに、成分を溶媒または水に混合してもよ
い。
【0041】本発明の接着性組成物は前記エポキシ化共
重合ポリマーを含むことを特徴とする。このエポキシ化
共重合ポリマーは、接着性組成物中において可撓性付与
剤および強度付与剤として作用するものである。接着性
組成物は単にエポキシ化共重合ポリマーから成ることも
でき、あるいはもっと一般的には、接着性付与樹脂や柔
軟性付与剤等の公知の接着剤組成成分と一緒にエポキシ
化共重合ポリマーを配合した組成から成る。接着性を上
げるために接着の前後に接着剤を加熱することにより硬
化を促進してもよい。また、接着の前後に放射線を照射
することによって硬化を促進してもよい。本発明の接着
性組成物はホットメルト接着剤、溶剤溶解型接着剤、積
層接着剤、感圧タイプ接着剤などの多くの異なる種類の
接着剤として使用してもよい。
【0042】本発明のコーティング組成物は、前記エポ
キシ化共重合ポリマーを含むことを特徴とする。このエ
ポキシ化共重合ポリマーは、コーティング組成物中にお
いて塗膜の可撓性付与剤および強度付与剤として作用す
るものである。本発明のコーティング組成物は、エポキ
シ化共重合ポリマー、その他の塗料用樹脂、任意の硬化
剤、硬化助剤、顔料、溶媒、安定剤などの成分を様々に
混合した成分から成る。得られた組成物は公知の方法で
塗布することができる。塗布後に硬化性を上げるため加
熱焼き付けをおこなってもよい。また、塗布後放射線を
照射することによって硬化を促進してもよい。
【0043】本発明のシーラント組成物は前記エポキシ
化共重合ポリマーを含むことを特徴とする。このエポキ
シ化共重合ポリマーは、シーラント組成物中において可
撓性付与剤、強度付与剤および相容化剤として作用する
ものである。本発明のシーラント組成物は、前記エポキ
シ化共重合ポリマー、アスファルトなどの瀝青質、亜麻
仁油、魚油などの脂肪油、天然ゴム、クロロプレンゴ
ム、ブチルゴム、ポリブタジエンなどのゴム、ポリ酢酸
ビニル、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂などの合成樹脂、ポリウレタン、ポリサルフ
ァイド、シリコンラバー、SBSなどのエラストマー等
のシーラント主剤、更には有機または及び無機質の充填
剤を含むものである。
【0044】本発明の樹脂組成物は、エポキシ化共重合
ポリマーを含むことを特徴とする。このエポキシ化共重
合ポリマーは、樹脂組成物中において可撓性付与剤、強
度付与剤および相容化剤として作用するものである。本
発明の樹脂組成物は、エポキシ化共重合ポリマー、その
他の熱可塑性樹脂、エラストマー、熱硬化性樹脂、硬化
剤、硬化助剤、顔料、可塑剤、安定剤などの成分を様々
に混合した成分から成る。得られた組成物は公知の方法
で成形することができる。得られた組成物は熱硬化をお
こなってもよい。また、放射線を照射することによって
硬化を促進してもよい。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、例中の記載において(部)は重量部を表す。以下に
おいてNMRは日本電子(株)製「GXS270WB」
を、IRは、JASCO製「FT/IRー5300」
を、GPCは、島津製作所製「HPLC LC−6AS
YSTEM」(カラム:ポリスチレンカラム,溶媒:T
HF)を用いた。
【0046】[合成実施例1]2リットルの脱水管を備
えたセパラブルフラスコにドコサヘキサエン酸エチルエ
ステル(GC純度70%;魚油より有効成分蒸留後の残
査、ヨウ素価373)60g、ポリカプロラクトン(プ
ラクセルH1:ダイセル化学工業製)650gを仕込
み、窒素ガスを吹き込みながら、反応系内の温度を17
0℃に昇温・撹拌し、2時間後に脱水管にエタノールが
約6g溜出した。反応物の分子量分布をGPCで測定す
るとスチレン換算で分子量が450付近のピークが消失
しており、ドコサヘキサエン酸のポリカプロラクトン付
加物を630g得ることができた。次いで、酢酸エチル
300gを仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、反応系
内の温度を40℃になるように約3時間かけて過酢酸の
酢酸エチル溶液253g(過酢酸濃度;29.1重量
%)を滴下した。同溶液の滴下終了後、40℃で2時間
熟成し、反応を終了した。40℃で粗液を水洗し、70
℃/10mmHgで脱低沸を行い、ポリカプロラクトン
の両末端にヘキサエポキシドコサエン酸が付加した化合
物D−1を700g得た。得られた製品の性状は、オキ
シラン酸素濃度1.3重量%、融点60℃であり、1
NMRからδ5.3〜5.7付近の二重結合に由来する
ピークが消失し、δ2.9〜3.1付近にエポキシ基に
由来するプロトンのピークの生成が確認された。
【0047】[合成実施例2]ドコサヘキサエン酸に付
加する熱可塑性樹脂を、片末端に2個の水酸基を持つポ
リスチレン(マクロモノマーHS−6:東亞合成製)3
90gにした以外は合成実施例1と同様に行い、ポリス
チレンの片末端に2個のヘキサエポキシドコサエン酸が
付加した化合物D−2を450g得た。得られた製品の
性状は、オキシラン酸素濃度2.0重量%、融点90℃
であり、1HNMRからδ5.3〜5.7付近の二重結
合に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.1付近に
エポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認さ
れた。
【0048】[合成実施例3]ドコサヘキサエン酸に付
加する熱可塑性樹脂として、テトラヒドロフランから得
られる平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテ
ルジオールを3官能のイソホロンイソシアヌレート(I
PDIT1890:Huls社製)で付加した3官能の
水酸基を持つポリエーテルにした以外は合成実施例2と
同様に行い、ポリテトラメチレンエーテルジオールの両
末端にヘキサエポキシドコサエン酸が付加した化合物D
−3を420g得た。得られた製品の性状は、オキシラ
ン酸素濃度2.0重量%、ガラス転移温度が−20℃で
あり、1HNMRからδ5.3〜5.7付近の二重結合
に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.1付近にエ
ポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され
た。
【0049】[合成実施例4]ドコサヘキサエン酸に付
加する熱可塑性樹脂を、酸化変性を行い水酸基を導入し
た数平均分子量約4000のポリエチレン(三井ハイワ
ックス320MP:三井石油化学工業製)260gにし
た以外は合成実施例1と同様に行い、ポリエチレンの側
鎖にヘキサエポキシドコサエン酸が付加した化合物D−
4を300g得た。得られた製品の性状は、オキシラン
酸素濃度2.8%、融点80℃であり、1HNMRから
δ5.3〜5.7付近の二重結合に由来するピークが消
失し、δ2.9〜3.1付近にエポキシ基に由来するプ
ロトンのピークの生成が確認された。
【0050】[合成比較例1]2リットルのジャケット
付フラスコにドコサヘキサエン酸エチルエステル(GC
純度70%;魚油より有効成分蒸留後の残査、ヨウ素
価;373)300g、酢酸エチル300gを仕込み、
窒素ガスを吹き込みながら、反応系内の温度を40℃に
なるように約3時間かけて過酢酸の酢酸エチル溶液12
67g(過酢酸濃度;29.1重量%)を滴下した。同
溶液の滴下終了後、40℃で2時間熟成し、反応を終了
した。40℃で粗液を水洗し、70℃/10mmHgで
脱低沸を行い、ヘキサエポキシドコサン酸エチルエステ
ルD−5を340g得た。得られた製品の性状は、オキ
シラン酸素濃度15重量%、粘度600cP/25℃で
あり、1HNMRからδ5.3〜5.7付近の二重結合
に由来するピークが消失し、δ2.9〜3.1付近にエ
ポキシ基に由来するプロトンのピークの生成が確認され
た。
【0051】(実施例1,比較例1)合成実施例1で得
られたエポキシ化共重合ポリマーD−1を80部、ビス
フェノ−ルA型エポキシ樹脂(油化シェル(株)製:
「EP828」)、フェノール樹脂(群栄化学工業
(株)製:「PS−2980」)10部を混合し接着剤
を得た。接着剤の特性を測定した。結果を表−1に示
す。比較としてD−1を除いた組成物を配合し、上と同
様に評価した。結果を表−1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】剪断接着強度:ホットメルト接着剤を15
0℃×30秒溶融し、被着材として巾25mm、長さ7
5mm、厚さ0.5mmのステンレスに塗布・圧着し、
一時間後および14日後の接着強さを剪断接着強さで測
定した。接着面積は25×25mmとし、接着厚みは1
mm、引っ張りスピードは50mm/minとした。 屈曲性:上記の接着したステンレスを90゜に折り曲
げ、接着面の剥離が認められないものを○、剥離が認め
られるものを×とした。 熱安定性(貯蔵安定性の促進試験):(80℃×96時
間および100℃×24時間後の粘度)÷(初期粘度)
×100(%) 耐熱接着性:上記の剪断接着強さの場合と同様に試料を
作製し、雰囲気60℃および80℃で一時間放置後の接
着強さを測定した。
【0054】(実施例2,比較例2)アクリルエマルジ
ョン(大日本インキ工業(株)製「HW−311」)1
00部、合成実施例3で得られたエポキシ化共重合ポリ
マーD−3の50部、メラミン樹脂(三井サイアナミド
(株)製「サイメル303」)5部、パラトルエンスル
フォン酸0.01部を混合し、水溶性塗料組成物を得
た。得られた組成物はABS樹脂に塗布し80℃で20
分間焼き付け、得られた塗布板は一週間後に塗膜評価を
おこなった。結果を表−2に示す。比較例2としてD−
3を除いた組成物を配合し、上と同様に評価した。結果
を表−2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】表−2の諸性状値の評価判定試験の項目と
要領は、次の通りである。 鉛筆硬度:JIS K 5400 8.4に従い、三菱
ユニ(三菱鉛筆(株)製)を用いての、塗膜が傷付き始
める時点の鉛筆の硬度を以て表示した。 光沢:JIS K 5400 7.6に従い、60度鏡
面反射率(%)を以て表示した。 屈曲性:JIS K 5400 8.1に準じて、心棒
の直径が2mmとして、塗膜を折り曲げたときの塗膜外
観を目視で観察し、割れ・はがれを認めない場合は○、
認められる場合は×と表示した。 密着性:JIS K 5400 8.5の碁盤目テープ
法に準じて、隙間間隔1mmの切り傷を碁盤目状に付
け、この碁盤目の上に粘着テープをはり、はがした後の
塗膜の付着状態を目視で観察し10段階の評価を行っ
た。
【0057】(実施例3,比較例3)合成実施例4で得
られたエポキシ化共重合ポリマーD−4の30部、天然
ゴム100部、炭酸カルシウム150部、テルペン樹脂
60部、n−ヘキサン50部、ガソリン50部を配合
し、シーラント組成物を製造した。シーラント組成物の
特性を測定した。結果を表−3に示す。比較例3として
上の組成からD−4を除いたものを配合し、実施例3と
同様にシーラントの特性を測定した。結果を表−3に示
す。
【0058】
【表3】
【0059】表−3の諸性状値の評価判定試験の項目と
要領は、次の通りである。 ゴム物性:JIS A5758に準拠して、モルタルを
被着体として、H型引っ張り接着性により試験した。 耐久性:JIS A5758の耐久性試験方法に準拠し
て、アルミニウム板を被着体として、耐久性区分802
0により、試験を行い、規格に合致するか否かを調べ
た。 作業性:5人の作業者がシーリング作業時の作業性を二
段階評価を行い、3人以上良好となった時は○、それ以
外は×とした。
【0060】(実施例4)合成実施例2で得られたエポ
キシ化共重合ポリマーD−2の5部、ポリフェニレンエ
ーテル(ジェネラルエレクトニクス(株)製「ノリ
ル」)40部、ポリプロピレンテレフタレート(ポリプ
ラスチックス(株)製「ジェラネックス400FP」)
60部、エポキシ化スチレンブタジエン共重合体(ダイ
セル化学工業(株)製「エポフレンド」)10部をドラ
イブレンドし、押出機に供給し300℃で溶融混練、ペ
レット化した後に射出成形機を用いて試験片にした。得
られた試験片は試験片はJIS K6911に準じて切
削・成形した後に、JIS K6911に準じて引っ張
り強度、引っ張り伸び率、曲げ弾性率、およびアイゾッ
ト衝撃強度を測定した。結果を表−4に示す。
【0061】(比較例4)実施例4のエポキシ化共重合
ポリマーD−2を合成比較例1で得られたエポキシ化共
重合ポリマーD−5に変更した以外は実施例4と同様に
試験片を作製し、機械物性を測定した。結果を表−4に
示す。
【0062】(比較例5)実施例4のエポキシ化エポキ
シ化共重合ポリマーD−2を除いた以外は実施例4と同
様に試験片を作製し、機械物性を測定した。結果を表−
4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、特定構造の不飽和脂肪
酸誘導体をベースとするエポキシ化共重合ポリマーを用
いることにより、十分な可撓性を保持しながら高い強度
および耐熱性を持つ接着剤組成物、コーティング組成
物、シーラント組成物および樹脂組成物を得ることがで
きる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 数平均分子量1000以上の鎖状熱可塑
    性樹脂分子残基Aに不飽和脂肪酸もしくはその誘導体で
    あって下記一般式(1)で表されるものの炭素−炭素二
    重結合の完全もしくは部分的エポキシ化物からR1また
    はR2を除いた残基に相当する基Dが結合した、下記
    (a)〜(e)のいずれかの構造を有するエポキシ化共
    重合ポリマー。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 Aがポリエステルまたはポリカーボネー
    トの残基であることを特徴とする、請求項1記載のエポ
    キシ化共重合ポリマー。
  3. 【請求項3】 Aがスチレンを含むポリマーの残基であ
    ることを特徴とする、請求項1記載のエポキシ化共重合
    ポリマー。
  4. 【請求項4】 Aがポリエーテルの残基であることを特
    徴とする、請求項1記載のエポキシ化共重合ポリマー。
  5. 【請求項5】 Aがポリオレフィンの残基であることを
    特徴とする、請求項1記載のエポキシ化共重合ポリマ
    ー。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載のエポ
    キシ化共重合ポリマーを含む接着性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれかに記載のエポ
    キシ化共重合ポリマーを含むコーティング組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から5のいずれかに記載のエポ
    キシ化共重合ポリマーを含むシーラント組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1から5のいずれかに記載のエポ
    キシ化共重合ポリマーを含む樹脂組成物。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000037529A1 (fr) * 1998-12-18 2000-06-29 Nippon Steel Chemical Co., Ltd. Resine copolymere et resine liante renfermant celle-ci pour photorecepteur electrophotographique
JP2005200632A (ja) * 2003-12-17 2005-07-28 Mitsui Chemicals Inc エポキシ基含有低分子量エチレン系重合体、電子写真トナー用離型剤及び静電荷像現像用電子写真トナー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000037529A1 (fr) * 1998-12-18 2000-06-29 Nippon Steel Chemical Co., Ltd. Resine copolymere et resine liante renfermant celle-ci pour photorecepteur electrophotographique
JP2005200632A (ja) * 2003-12-17 2005-07-28 Mitsui Chemicals Inc エポキシ基含有低分子量エチレン系重合体、電子写真トナー用離型剤及び静電荷像現像用電子写真トナー

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