JPH1130793A - ブレ検出装置及びブレ補正カメラ - Google Patents

ブレ検出装置及びブレ補正カメラ

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JPH1130793A
JPH1130793A JP9174294A JP17429497A JPH1130793A JP H1130793 A JPH1130793 A JP H1130793A JP 9174294 A JP9174294 A JP 9174294A JP 17429497 A JP17429497 A JP 17429497A JP H1130793 A JPH1130793 A JP H1130793A
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Hiroyuki Tomita
博之 富田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静止安定時だけではなく画角変更時において
も、ブレ補正を高精度に行うことができるブレ検出装置
及びブレ補正カメラを提供する。 【解決手段】 基準値演算部35は、増幅部20により
増幅された角速度センサ10の出力信号に基づいて、静
止安定時におけるブレ補正制御の基準値と画角変更時に
おけるブレ補正制御の基準値とを演算する。判定部30
は、増幅部20からの出力信号に基づいて、カメラボデ
ィ70及びレンズ鏡筒80に画角変更による大きな動き
があったか否かを判定し、判定結果に応じた判定信号を
基準値選択部55に出力する。基準値選択部は、この判
定信号に基づいて、静止安定時又は画角変更時における
基準値のいずれか一方を選択する。その結果、静止安定
時及び画角変更時のいずれにおいてもブレ補正を精度よ
く行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撮影装置などにお
ける手ブレなどによる振動を検出するブレ検出装置及び
ブレ補正カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のブレ検出装置の利用
例として、スチルカメラなどの撮影装置や双眼鏡などの
光学装置に内蔵する例が提案されている。このような撮
影装置などは、カメラのブレをブレ検出装置が検出し、
撮影レンズの一部のレンズ(以下、ブレ補正レンズとい
う)を光軸と直交又は略直交する方向に、その検出信号
に基づいて移動している。そして、カメラが撮影時に振
動することにより生ずるブレを、ブレ補正レンズが補正
している。
【0003】従来のブレ補正を行う光学系の構造につい
ては、特開平4−76525号公報の第3図に開示され
ている。特開平4−76525号公報の防振手段を有す
るカメラは、光軸と直角方向の平面内で平行移動可能な
ブレ補正レンズと、このブレ補正レンズを保持する枠部
材と、この枠部材を保持する板部材と、この板部材に取
り付けられた4本のワイヤと、このワイヤを支持する本
体と、巻線コイル,ヨーク及び永久磁石からなり、ブレ
補正レンズを上下及び左右方向に駆動するアクチュエー
タと、発光素子と受光素子からなり、ブレ補正レンズの
位置を検出する位置検出装置などを備えている。
【0004】以下に、図14を参照して、従来のブレ補
正装置の動作について説明する。図14は、従来のブレ
補正装置のブロック線図である。角速度センサ10は、
例えば、コリオリ力を検出するための圧電振動式角速度
センサであり、カメラの振動をモニタするためのセンサ
である。角速度センサ10の出力信号は、積分部40に
入力し、積分部40は、この出力信号を時間積分する。
積分部40は、角速度センサ10の出力信号をカメラの
ブレ角度に変換した後に、ブレ補正レンズの目標駆動位
置情報に変換し出力する。サーボ回路100は、この目
標駆動位置情報に応じてブレ補正レンズを駆動するため
に、目標駆動位置情報とブレ補正レンズの位置情報との
差を演算し、アクチュエータ110に信号を出力する。
アクチュエータ110は、光軸と直交又は略直交する面
内において、この信号に基づいてブレ補正レンズを駆動
する。位置検出装置120は、ブレ補正レンズの動きを
モニタしサーボ回路100にフィードバックする。
【0005】従来のブレ補正装置では、角速度センサ1
0の出力信号を積分部40が一度積分し、角変位情報に
変換してから処理している。このために、角速度センサ
10の出力信号を積分部が時間積分するときに、制御の
基準値となる積分定数(以下、基準値という)を決定す
る必要がある。例えば、特開平4−211230号公報
の第17図及び第18図には、この基準値の演算方法が
開示されている。
【0006】特開平4−211230号公報に開示され
ている手振れ補正装置のブレセンサは、コリオリ力を検
出する角速度センサと、中央演算処理装置(CPU)と
メモリとからなり、現時点から所定の時間前までの間に
サンプリングした角速度センサの出力信号の平均値を移
動平均法により算出するドリフト成分検出部と、角速度
センサの出力信号から平均値を減算することによりドリ
フト成分を除去し、その減算値を出力する減算器とを備
えている。
【0007】ドリフト成分検出部には、角速度センサの
出力信号が10ms毎に入力され、0.5秒(10ms
×50)毎に50個分の出力信号が入力される。そし
て、ドリフト成分検出部のメモリには、算出された50
個分の平均値(以下、平均1とする)が格納され、10
秒(0.5秒×20)経過後には、さらに20個分の平
均1が入力される。したがって、スタートから10秒経
過後には、1000個分(50×20)の角速度センサ
の出力信号の平均値を算出することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のブレ補
正装置は、一般的に、カメラが静止した状態の角速度セ
ンサ10の出力信号(以下、オメガゼロという)を、こ
の出力信号を積分するときの積分定数として用いてい
る。しかし、カメラなどの撮影装置を手持ちで撮影する
ときには、カメラは、撮影者の手ブレにより通常振動し
ている。このような状況下では、振動センサの静止時の
出力を直接測ることができないために、手ブレによる振
動がのった角速度センサの出力信号から、オメガゼロを
演算により求める必要がある。
【0009】以下に、図15及び図16を参照して、オ
メガゼロの演算に成功した場合と失敗した場合とについ
て説明する。図15は、従来のブレ補正装置によるオメ
ガゼロの演算に成功した例を示す図である。図16は、
従来のブレ補正装置によるオメガゼロの演算に失敗した
例を示す図である。図15(A)及び図16(A)は、
角速度センサが出力した出力信号を示したものであり、
図15(B)及び図16(B)は、角速度センサの出力
信号から求めた角変位信号を示したものである。なお、
説明を簡単とするために手ブレ波形として正弦波が入力
されたものとし、オメガゼロはゼロとした。
【0010】図15(A)に示すように、角速度信号の
振幅の中心は、ゼロであり、オメガゼロがゼロの値に正
確に求められたとする。このオメガゼロを積分定数とし
て角速度信号の積分演算を行うと、図15(B)に示す
ような角変位信号を求めることができる。このように、
正確に求めらたオメガゼロを積分定数として角速度信号
を積分すると、角変位信号を正確に算出することができ
る。したがって、正確に算出された角変位信号を用いて
ブレ補正レンズを制御すると、ブレ補正を高精度に行う
ことができる。
【0011】一方、図16(A)においては、角速度信
号の振幅の中心はゼロではなく、演算したオメガゼロが
ゼロの値に正確に求められておらず、オフセット値がの
っている。このような間違ったオメガゼロ値を積分定数
として積分演算すると、図16(B)に示すように、1
次の傾き成分がのった角変位信号が算出され、角変位信
号を正確に算出することができない。このような角変位
信号を用いてブレ補正レンズを制御すると、ブレ補正レ
ンズは、振動しながらドリフトし、ブレ補正を高精度に
行うことができないだけではなく、かえってブレを悪化
させてしまう可能性がある。したがって、オメガゼロの
演算を精度良く行うことが、ブレ補正においては重要な
因子となる。
【0012】図17は、静止安定時において演算区間を
長くとったときの移動平均法による演算結果及び演算誤
差を示す図であり、図17(A)は、角速度センサの出
力信号及び移動平均法による演算結果を示し、図17
(B)は、移動平均法による演算結果と真のオメガゼロ
値との演算誤差を絶対値として示す図である。なお、説
明を簡単とするために、手ブレ波形として正弦波が入力
されたものと仮定し、真のオメガゼロ値は、ゼロであ
る。
【0013】図17(A)に示すオメガゼロ値は、以下
の数1により表される移動平均法により演算したもので
ある。
【0014】
【数1】
【0015】ここで、K1は、移動平均法による演算デ
ータ数である。
【0016】図18は、静止安定時において演算区間を
短くとったときの移動平均法による演算結果及び演算誤
差を示す図であり、図18(A)は、角速度センサの出
力信号及び移動平均法による演算結果を示し、図18
(B)は、移動平均法による演算結果と真のオメガゼロ
値との演算誤差を絶対値として示す図である。なお、図
17と同様に、手ブレ波形として正弦波が入力されたも
のと仮定し、真のオメガゼロ値は、ゼロである。
【0017】図18(A)に示すオメガゼロ値は、以下
の数2により表される移動平均法により演算したもので
ある。
【0018】
【数2】
【0019】ここで、K2は、移動平均法による演算デ
ータ数である。数1と数2の相違は、数1による演算デ
ータ数K1が数2による演算データ数K2よりも大きい
点である。図17(B)と図18(B)とを比較する
と、図17(B)のほうがオメガゼロ値の演算誤差が小
さい。その結果、カメラは、ほぼ静止状態であるが、撮
影者の手ブレがのっているために、角速度センサ10が
若干振動しているとき(以下、静止安定時という)に
は、移動平均法による演算区間は、長くとったほうがよ
いことが分かる。
【0020】図19は、動体追従時における角速度セン
サの出力信号、演算区間を長くとったときの移動平均法
による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量の一例を示
す図である。図20は、動体追従時における角速度セン
サの出力信号、演算区間を短くとったときの移動平均法
による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量の一例を示
す図である。なお、図19(A)及び図20(A)は、
角速度センサの出力信号及び移動平均法による演算結果
を示し、図19(B)及び図20(B)は、ブレ補正レ
ンズの駆動量を示す図である。
【0021】図19(A)及び図20(A)において、
演算結果を表す実線は、それぞれ数1及び数2に示す移
動平均法により演算され、角速度センサの出力値を積分
するための基準となる基準値(オメガゼロ値)である。
また、図19(A)及び図20(A)に示すように、構
図の変更、流し撮り又はアトランダムに動く物体(被写
体)を追っているようなとき(以下、画角変更時とい
う)には、角速度センサ10に大きな動きが生じてい
る。このような画角変更時において、オメガゼロ値(角
速度センサ10の出力値=0)を基準としてブレ補正レ
ンズの駆動量を演算すると、ブレ補正レンズは、その駆
動限界に達してしまう可能性がある。
【0022】図19(A)と図20(A)とを比較する
と、移動平均法による演算区間を長くとったときには、
図19(A)に示すように、遅れが大きいことが分か
る。図19(A)及び図20(A)に示す演算結果(基
準値)を積分定数として、角速度センサ10の出力信号
を積分すると、図19(B)及び図20(B)に示すよ
うに、この出力信号は、ブレ補正レンズの駆動量にそれ
ぞれ変換される。図20(B)では、ブレ補正レンズ
は、その駆動限界に達していないが、図19(B)で
は、ブレ補正レンズは、その駆動限界に達してしまって
いる。その結果、図19(B)に示すような状態では、
ブレ補正レンズによるブレ補正が困難であるだけではな
く、カメラのファインダ内の像の動きが不自然なものと
なり、撮影者に不快感を与えてしまうという問題があっ
た。
【0023】このように、画角変更時には、演算区間は
短いほうが適しているが、演算区間が短いときの基準値
に基づいてブレ補正を行うと、静止安定時におけるブレ
補正の精度を上げることができないという問題があっ
た。一方、静止安定時には、演算区間は長いほうが適し
ているが、演算区間が長いときの基準値に基づいてブレ
補正を行うと、画角変更時におけるブレ補正の精度を上
げることができないという問題があった。
【0024】本発明の課題は、静止安定時だけではなく
画角変更時にもブレ補正を高精度に行うことができるブ
レ検出装置及びブレ補正カメラを提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のような
解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容
易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付
して説明するが、これに限定されるものではない。すな
わち、請求項1の発明は、ブレを検出し、ブレ検出信号
を出力(S400)するブレ検出部(10)と、前記ブ
レ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準値を2
つ以上演算(S600、S700)する基準値演算部
(35,36,37)とを含むことを特徴とするブレ検
出装置である。
【0026】請求項2の発明は、請求項1に記載のブレ
検出装置において、前記基準値演算部は、前記ブレ検出
信号の基準値を同時に又は略同時に2つ以上演算(S6
00、S700)することを特徴とするブレ検出装置で
ある。
【0027】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
に記載のブレ検出装置において、前記ブレ検出部の移動
状態を判定(S900)する移動状態判定部(30)
と、前記移動状態判定部の判定結果に基づいて、前記基
準値演算部が演算した複数のブレ検出信号の基準値(ω
0 (t) ,ω0 '(t))から1つのブレ検出信号の基準値を
選択(S1000,S1100,S1000’,S11
00’)する基準値選択部(55)とを含むことを特徴
としているブレ検出装置である。
【0028】請求項4の発明は、請求項1から請求項3
までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前
記基準値選択部は、この基準値選択部の選択動作以前の
ブレ検出信号の基準値をBとし、前記基準値選択部の選
択動作以後のブレ検出信号の基準値をAとしたときに、
基準値=(1−P(t))*A+P(t)*B〔ただ
し、P(t)は、0≦P(t)≦1の減少関数である〕
により選択動作を行う(S1020,S1120)こと
を特徴とするブレ検出装置である。
【0029】請求項5の発明は、請求項4に記載のブレ
検出装置において、前記減少関数P(t)は、P(t)
=1(t<0)、P(t)=1−t/τ(0≦t<
τ)、P(t)=0(τ≦t)であることを特徴とする
ブレ検出装置である。
【0030】請求項6の発明は、ブレを検出し、ブレ検
出信号を出力(S400)するブレ検出部(10)と、
前記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準
値(ω0 (t))を演算する基準値演算部(36,37)と
を含み、前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号に対す
る前記基準値の遅れを補正(S650,S750)する
ことによって、補正基準値(ω0 '(t))を演算すること
を特徴とするブレ検出装置である。
【0031】請求項7の発明は、請求項1又は請求項2
に記載のブレ検出装置において、前記基準値演算部は、
前記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の第1
の基準値(ω0 (t))を演算するとともに、前記第1の基
準値に基づいて、前記ブレ検出信号の第2の基準値(ω
0 '(t))を演算することを特徴とするブレ検出装置であ
る。
【0032】請求項8の発明は、請求項7に記載のブレ
検出装置において、前記基準値演算部は、前記ブレ検出
信号に対する前記第1の基準値の遅れを補正(S75
2)することによって、前記第2の基準値を演算するこ
とを特徴とするブレ検出装置である。
【0033】請求項9の発明は、請求項6から請求項8
までのいずれか1項に記載のブレ検出装置において、前
記基準値演算部は、時刻tにおける前記基準値又は前記
第1の基準値をω0 (t)とし、所定時間内における前
記基準値又は前記第1の基準値の変化分をδω0 (t)
とするときに、前記補正基準値又は前記第2の基準値ω
0 ’(t)をω0 ’(t)=ω0 (t)+f(δω
0 (t))*δω0 (t)〔ただし、fは、δω
0 (t)の関数である〕により演算(S752)するこ
とを特徴とするブレ検出装置である。
【0034】請求項10の発明は、請求項9に記載のブ
レ検出装置において、前記基準値演算部は、f(δω0
(t))=0(|δω0 (t)|<Th)、f(δω0
(t))=a*δω0 (t)(|δω0 (t)|≧T
h)〔ただし、Thは、定数である〕により前記補正基
準値又は前記第2の基準値ω0 ’(t)を演算(S75
2)することを特徴とするブレ検出装置である。
【0035】請求項11の発明は、請求項1から請求項
10までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記基準値演算部は、前記ブレ検出部が所定時間内
に出力した出力値の少なくとも一部と所定時間経過後に
出力した出力値とに基づいて、前記基準値又は前記第1
の基準値を演算することを特徴とするブレ検出装置であ
る。
【0036】請求項12の発明は、請求項1から請求項
11までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記基準値演算部は、少なくとも、前記ブレ検出部
が移動状態にあるときと静止状態にあるときのブレ検出
信号の基準値(ω0 (t) ,ω0'(t))を演算(S60
0、S700)することを特徴としているブレ検出装置
である。
【0037】請求項13の発明は、請求項12に記載の
ブレ検出装置において、前記ブレ検出部が所定時間内
(t0 〜t10)に出力したブレ検出信号を演算データ
(ω1 〜ω10)として記憶する記憶部(35a)を備
え、前記基準値演算部は、前記演算データの少なくとも
一部(ω5 〜ω10,ω7 〜ω10)に基づいて、前記基準
値又は前記第1の基準値(ω0 (t) ,ω0 '(t))を演算
(S600、S700)し、前記ブレ検出部が移動状態
にあるときの演算データ数(T2)は、このブレ検出部
が静止状態にあるときの演算データ数(T1)に比べて
少ないことを特徴とするブレ検出装置である。
【0038】請求項14の発明は、請求項1から請求項
13までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記基準値演算部は、前記基準値又は前記第1の基
準値を移動平均により演算することを特徴とするブレ検
出装置である。
【0039】請求項15の発明は、請求項1から請求項
14までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記基準値演算部は、遮断周波数を変えた複数の低
域通過フィルタ及び/又は演算方法の異なる複数の低域
通過フィルタにより、前記基準値又は前記第1の基準値
を演算することを特徴とするブレ検出装置である。
【0040】請求項16の発明は、前記基準値演算部
は、前記ブレ検出信号から低域周波数成分を抽出する低
域通過フィルタ部を備えることを特徴とするブレ検出装
置である。
【0041】請求項17の発明は、請求項1から請求項
16までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記ブレ検出部は、加速度を検出する加速度検出器
であることを特徴とするブレ検出装置である。
【0042】請求項18の発明は、請求項1から請求項
16までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記ブレ検出部は、速度又は角速度を検出する速度
検出器又は角速度検出器(10)であることを特徴とす
るブレ検出装置である。
【0043】請求項19の発明は、請求項1から請求項
18までのいずれか1項に記載のブレ検出装置におい
て、前記ブレ検出信号を増幅する増幅部(20)を備
え、前記基準値演算部は、前記増幅部により増幅された
ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準値を
演算(S600,S700)することを特徴とするブレ
検出装置である。
【0044】請求項20の発明は、請求項1から請求項
19までのいずれか1項に記載のブレ検出装置と、ブレ
を補正するブレ補正光学系(60)と、前記ブレ補正光
学系を駆動する駆動部(50)と、前記ブレ検出装置か
らの前記ブレ検出信号の基準値に基づいて、前記駆動部
を駆動制御する制御部(50)とを含むことを特徴とす
るブレ補正カメラである。
【0045】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、図面を参照して、本発明の第1
実施形態について、さらに詳しく説明する。まず、本発
明の第1実施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼
レフカメラについて説明し、このブレ検出装置の概要を
説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るブレ検
出装置が搭載された一眼レフカメラを概略的に示す断面
図である。
【0046】角速度センサ10は、カメラの振動を検出
し、このカメラに作用するコリオリ力に比例する電圧値
を出力するセンサである。角速度センサ10は、2軸方
向の角速度を検出するために、X軸まわりの角速度を検
出するピッチ角速度センサと、Y軸まわりの角速度を検
出するヨー角速度センサとからなる2つのセンサを通常
搭載している。図1において、1軸分の角速度センサに
ついては図示することを省略している。角速度センサ1
0は、後述する半押しタイマ90がON動作を維持して
いる間は、角速度の検出が可能であり、検出したブレ検
出信号は、後述する増幅部20に入力する。
【0047】増幅部20は、角速度センサ10の出力値
を増幅するものである。増幅部20は、角速度センサ1
0からの出力電圧を増幅し、増幅した出力信号は、後述
する判定部30と、基準値演算部35と、駆動信号演算
部45とに入力する。
【0048】判定部30は、増幅部20により増幅した
ブレ検出信号の基準値に基づいて、角速度センサ10を
搭載したカメラが画角変更による移動状態にあるか否か
を判定するものである。判定部30は、例えば、角速度
センサ10の出力信号の大きさや、角速度センサ10の
出力信号に基づいて分散値を演算するなどの方法によっ
て、カメラの移動状態を判定する。判定部30は、画角
変更による移動があったか否かに関する判定信号を後述
する基準値選択部55に出力する。
【0049】基準値演算部35は、増幅部20により増
幅したブレ検出信号に基づいて、角速度センサ10の出
力値であるブレ補正制御の基準値(オメガゼロ値)を演
算するものである。本発明の第1実施形態では、基準値
演算部35は、角速度センサ10の画角変更時(移動状
態時)における基準値と、静止安定時(静止状態時)に
おける基準値の2種類の基準値を演算する。基準値演算
部35は、2種類の基準値を同時又は略同時に演算する
機能を有する。基準値演算部35は、演算した2種類の
基準値を基準値選択部55に出力する。
【0050】図2は、本発明の第1実施形態に係るブレ
検出装置における基準値演算部のメモリ部を示す図であ
る。基準値演算部35は、図2に示すように、所定時間
である時刻t0 から時刻tn までの間に角速度センサ1
0が出力した出力値ω1 から出力値ωn までを演算デー
タとして記憶するメモリ部35aを備えている。
【0051】基準値選択部55は、判定部30から出力
された判定信号に基づいて、基準値演算部35から出力
された2種類の基準値のうち、いずれか一方の基準値を
選択するものである。基準値選択部55は、選択した基
準値を駆動信号演算部45に出力する。
【0052】駆動信号演算部45は、増幅部20により
増幅したブレ検出信号から基準値演算部35により演算
された基準値を減算し、積分演算するものである。駆動
信号演算部45は、積分演算により、角速度信号を角変
位信号に変換し、さらに、この角変位信号に応じた駆動
信号に変換する。駆動信号演算部45は、この駆動信号
を駆動部50に出力する。
【0053】駆動部50は、駆動信号演算部45からの
角変位信号に基づいて、後述するブレ補正レンズ60を
駆動するための駆動信号を出力し、この駆動信号に基づ
いてブレ補正レンズ60を駆動制御するものである。駆
動部50は、制御用のサーボ回路と、ブレ補正レンズ6
0を駆動するアクチュエータと、ブレ補正レンズ60の
駆動位置を検出するための位置検出装置などを備えてい
る。
【0054】ブレ補正レンズ60は、光軸I方向に対し
て直交又は略直交する方向(図中矢印方向)に駆動し、
ブレを補正するレンズである。ブレ補正レンズ60は、
撮影装置の結像光学系に内蔵されている。ブレ補正レン
ズ60は、駆動部50からの駆動信号に基づいて、光軸
Iと交差する方向に駆動し、撮影装置の結像光学系の光
軸を偏心してブレを補正する。
【0055】レンズ鏡筒80は、ブレ補正レンズ60を
含む撮影光学系を収納する。レンズ鏡筒80は、カメラ
ボディ70に着脱自在に取り付けられており、交換可能
である。
【0056】電源供給部130は、角速度センサ10に
電源を供給するための供給部である。電源供給部130
は、後述する半押しスイッチSW1のON動作と同時に
角速度センサ10に電源を供給する。電源供給部130
は、半押しタイマ90がON状態にある間は、角速度セ
ンサ10に電源を供給し続け、半押しタイマ90のOF
F動作により、角速度センサ10への電源の供給を停止
する。
【0057】半押しタイマ90は、半押しスイッチSW
1のON動作と同時にON動作するタイマである。半押
しタイマ90は、半押しスイッチSW1が押されている
間はON状態を維持し、半押しスイッチSW1がOFF
動作となってからも一定時間はON状態を維持する。
【0058】半押しスイッチSW1は、一連の撮影準備
動作を開始するためのスイッチである。半押しスイッチ
SW1は、図示しないレリーズボタンの半押し動作に連
動してON動作する。
【0059】全押しスイッチSW2は、カメラの露光動
作などの撮影動作を開始させるためのスイッチである。
全押しスイッチSW2は、レリーズボタンの全押し動作
に連動してON動作する。
【0060】つぎに、基準値演算部の動作を中心にし
て、本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置の動作を
説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係るブレ検
出装置が使用される一眼レフカメラの動作を説明するフ
ローチャートである。図示しないカメラボディの電源ス
イッチがON動作されることにより、本フローがスター
トする。
【0061】ステップ(以下、Sとする)100におい
て、半押しスイッチSW1がON動作しているか否かが
判断される。半押しスイッチSW1がON動作している
ときには、S200に進み、半押しスイッチSW1がO
N動作していないときには、半押しスイッチSW1がO
N動作されるまで繰り返し判断が続けられる。
【0062】S200において、半押しタイマ90がタ
イマリセット(t=0)する。半押しスイッチSW1の
ON動作と同時に、半押しタイマ90は、タイマの時間
tをゼロにリセットする。
【0063】S300において、半押しタイマ90がO
N動作する。半押しスイッチSW1がON動作し、半押
しタイマ90がタイマリセットするのと同時に、半押し
タイマ90がON動作する。
【0064】S400において、角速度センサ10がO
N動作する。電源供給部130は、半押しタイマ90の
ON動作に同期して、角速度センサ10に電源を供給
し、角速度センサ10は、ON動作する。角速度センサ
10は、カメラボディ70及びレンズ鏡筒80に生じる
振動を検出し、ブレ検出信号を出力する。基準値演算部
35は、増幅部20により増幅されたブレ検出信号(出
力値)をメモリ部35aに記憶する。
【0065】S500において、半押しタイマ90が計
時をスタートする。半押しタイマ90は、半押しスイッ
チSW1のON動作と同時に、計時を開始する。
【0066】S600において、基準値演算部35は、
数3により基準値の演算を開始する。基準値演算部35
は、図2に示すメモリ部35aに記憶された時刻t0 か
ら時刻t10までの角速度センサ10の出力値ω1 から出
力値ω10のうち、例えば、演算区間T1内における出力
値ω5 から出力値ω10までを読み出す。基準値演算部3
5は、移動平均法の一例として示す以下の数3により、
静止安定時における基準値を演算し、基準値選択部55
にこの基準値を出力する。
【0067】
【数3】
【0068】S700において、基準値演算部35は、
数4により基準値の演算を開始する。基準値演算部35
は、メモリ部35aに記憶された時刻t0 から時刻t10
までの角速度センサ10の出力値ω1 から出力値ω10の
うち、例えば、演算区間T2内における出力値ω7 から
出力値ω10までを読み出す。基準値演算部35は、移動
平均法の一例として示す以下の数4により、静止安定時
における基準値の演算と同時又は略同時に画角変更時に
おける基準値を演算し、基準値選択部55にこの基準値
を出力する。
【0069】
【数4】
【0070】数4に示す移動平均法による演算区間T2
は、数3に示す移動平均法による演算区間T1とその長
さが異なる。
【0071】S800において、半押しタイマ90がO
N動作しているか否かが判断される。半押しタイマ90
がON動作しているときには、S900に進み、半押し
タイマ90がON動作していないときには、S1500
に進む。
【0072】S900において、判定部30は、画角変
更中であるか否かを判定する。判定部30は、カメラが
静止安定状態であるか、画角変更状態であるかを判定
し、その判定結果に応じた判定信号を基準値選択部55
に出力する。カメラが完全に静止した状態にはなく、撮
影者がカメラを静止させようとしているが、撮影者の意
図しない手ブレによりカメラが振動している静止安定状
態であるときには、S1000に進む。カメラが大きな
動きをしている画角変更状態であるときには、S110
0に進む。
【0073】S1000において、駆動信号演算部45
は、数3の演算結果に基づいて、駆動信号を演算する。
基準値選択部55は、判定部30の判定信号に基づい
て、基準値演算部35が数3により演算した静止安定時
における基準値を選択する。駆動信号演算部45は、こ
の基準値に基づいて積分演算し、ブレ補正レンズ60の
駆動量に応じた駆動信号を演算する。
【0074】S1100において、駆動信号演算部45
は、数4の演算結果に基づいて、駆動信号を演算する。
基準値選択部55は、判定部30の判定信号に基づい
て、基準値演算部35が数4により演算した画角変更時
における基準値を選択する。駆動信号演算部45は、こ
の基準値に基づいて、ブレ補正レンズ60の駆動量に応
じた駆動信号を演算する。
【0075】S1200において、ブレ補正レンズ60
が駆動を開始する。駆動部50は、S1000又はS1
100において駆動信号演算部45が出力した駆動信号
に基づいて、ブレ補正レンズ60を駆動制御する。な
お、S1200に進む時点において、ブレ補正レンズ6
0が駆動されていないときには、駆動部50は、S12
00においてブレ補正レンズ60の駆動を開始する。
【0076】S1300において、全押しスイッチSW
2がON動作しているか否かが判断される。全押しスイ
ッチSW2がON動作しているときには、S1400に
進み、全押しスイッチSW2がON動作していないとき
には、S100に戻り、半押しスイッチSW1がON動
作しているか否かが判断される。
【0077】S1400において、撮影動作が行われ
る。図示しないシャッタ機構によりシャッタの開閉、フ
ィルム巻き上げ機構によるフィルムの巻き上げなどの一
連の撮影動作が行われ、一連の動作が終了される。
【0078】S1500において、ブレ補正レンズ60
が駆動を停止する。S1500に進む時点において、ブ
レ補正レンズ60が駆動しているときには、駆動部50
は、S1500においてブレ補正レンズ60の駆動を停
止する。S1500に進む時点において、ブレ補正レン
ズ60が駆動していないときには、S1500を飛ば
し、S1600に進む。
【0079】S1600において、基準値演算部35
は、数3及び数4による基準値の演算を停止する。
【0080】S1700において、角速度センサ10が
OFF動作する。S1700において、半押しタイマ9
0がON動作していないと判断されたときには、電源供
給部130は、半押しタイマ90のOFF動作に同期し
て、角速度センサ10への電源の供給を停止する。
【0081】S1800において、半押しタイマ90が
計時をストップする。半押しタイマ90は、半押しスイ
ッチSW1のOFF動作と同時に計時を停止し、一連の
動作を終了する。
【0082】図4は、本発明の第1実施形態に係るブレ
検出装置における角速度センサの出力信号、移動平均法
による演算結果及びブレ補正レンズの駆動量を一例とし
て示す図であり、図4(A)は、角速度センサの出力信
号及び移動平均法による演算結果を示し、図4(B)
は、ブレ補正レンズの駆動量を示す図である。なお、説
明を簡単にするために、手ブレ波形として正弦波が入力
され、オメガゼロは、ゼロとした。
【0083】図4(A)において、カメラは、静止安定
状態から大きく動く状態(画角変更状態)を経て、再
び、静止安定状態となっている。図4(A)において、
変動する角速度センサ10の出力信号を示す実線に対し
て、演算結果を示す実線は、本発明の第1実施形態にお
ける数3又は数4により演算された基準値(オメガゼロ
値)の変動を表したものである。図4(A)に示すよう
に、最初の静止安定状態では、演算区間の長い数3によ
る演算結果が選択され、基準値の精度が上げられてい
る。次に、画角変更状態では、演算区間の短い数4によ
る演算結果が選択され、応答性が上げられている。再び
静止安定状態に戻ったときには、演算区間の長い数3に
よる演算結果が選択され、基準値の精度を向上させてい
る。その結果、図4(B)に示すように、この演算結果
(基準値)に基づいて、ブレ補正レンズ60の駆動量が
演算されると、ブレ補正レンズ60は、その駆動限界に
達することなく駆動される。
【0084】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置
は、カメラが静止安定時にある場合には、演算区間の長
い数3の移動平均法により演算した基準値を選択し、静
止安定時における基準値の演算精度を上げている。一
方、何か動いている被写体を追っているような画角変更
時には、基準値演算の応答が速くなることが要求される
ために、演算区間の短い数4の移動平均法により演算し
た基準値を選択している。このように、本発明の第1実
施形態に係るブレ検出装置は、2つの基準値を同時又は
略同時に演算し、状況に応じて最適な基準値を選択して
いる。このために、移動平均法による演算区間を長く
し、静止安定時におけるブレ補正の精度を上げたとき
に、応答性が悪くなってしまうという従来のブレ検出装
置の問題点を解決することができる。また、移動平均法
による演算区間を短くし、画角変更などの大きな動きが
あったときの応答性を高めた場合に、静止安定時におけ
る基準値の演算精度が犠牲になるという問題点も解決す
ることができる。その結果、静止安定時におけるブレ補
正の精度を向上することができる。また、撮影者が画角
変更したときに、ブレ補正レンズ60が駆動限界に達し
てしまうという使い勝手の悪さや撮影者に与える不快感
を解消することができる。
【0085】(第2実施形態)図5は、本発明の第2実
施形態に係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラ
の動作を説明するフローチャートである。なお、以下の
説明において、図3に示したフローチャートにおけるス
テップと同一のステップは、同一の番号を付して説明
し、特に必要のない限り説明を省略する。
【0086】S1900において、ブレ補正レンズ60
が駆動を開始する。基準値選択部55は、S600にお
いて基準値演算部35が数3により演算した基準値又は
S700において基準値演算部35が数4により演算し
た基準値のいずれか一方を選択する。そして、駆動信号
演算部45は、選択された基準値に基づいて、駆動信号
を演算し、駆動部50は、この駆動信号に基づいて、ブ
レ補正レンズ60を駆動制御する。
【0087】S1000’において、駆動信号演算部4
5は、数3の演算結果に基づいて、駆動信号を演算す
る。基準値選択部55は、S900における判定部30
の判定信号に基づいて、S600において基準値演算部
35が演算した基準値を選択し、駆動信号演算部45
は、この基準値に基づいて駆動信号を演算する。なお、
S1900において、数3により演算した基準値に基づ
いて、駆動信号演算部45が駆動信号を演算していると
きには、このS1000’は飛ばし、S1200に進ん
でもよい。
【0088】S1100’において、駆動信号演算部4
5は、数4の演算結果に基づいて、駆動信号を演算す
る。基準値選択部55は、S900における判定部30
の判定信号に基づいて、S700において基準値演算部
35が演算した基準値を選択し、駆動信号演算部45
は、この基準値に基づいて駆動信号を演算する。なお、
S1900において、数4により演算した基準値に基づ
いて、駆動信号演算部45が駆動信号を演算していると
きには、このS1100’は飛ばし、S1200に進ん
でもよい。
【0089】本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置
は、半押しスイッチSW1がON動作しており、全押し
スイッチSW2がON動作していないとき(図示しない
レリーズボタンが半押し動作中)には、数3又は数4の
いずれか一方の演算式に基づいて、ブレ補正レンズ60
の駆動信号を演算している。また、全押しスイッチSW
2がON動作しているとき(レリーズボタンが全押し動
作中)には、数3又は数4のいずれか一方により演算さ
れた基準値が選択されている。このために、撮影準備動
作中(半押し動作中)であっても、静止安定時又は画角
変更時における基準値に基づいて、ブレ補正レンズ60
を駆動することができる。また、本発明の第2実施形態
に係るブレ検出装置は、数3及び数4による演算の開始
及び終了が同じタイミング(同時)であり、演算中は、
演算結果が常に出力され続けている。その結果、数3又
は数4のいずれか一方により演算された基準値(解)を
選択するときに、演算結果を瞬時に得ることができるた
めに、カメラボディ70及びレンズ鏡筒80の急激な姿
勢変更に素早く対応することができる。
【0090】(第3実施形態)図6は、本発明の第3実
施形態に係るブレ検出装置における基準値選択部の動作
を説明するフローチャートである。図7は、本発明の第
3実施形態に係るブレ検出装置における基準値選択部が
基準値を選択及び切り換えたときの演算結果を示す図で
あり、図7(A)は、基準値を選択及び切り換えたとき
に生ずる不連続点を示す図であり、図7(B)は、この
不連続点を解消したときの演算結果を示す図である。な
お、図6は、図3におけるS1000,S1100及び
図5におけるS1000’,S1100’を詳細に説明
したものであり、基準値選択部55は、以下の手順によ
り演算を行う。
【0091】S1010において、選択動作前後の基準
値による不連続点があるか否かを判断する。基準値選択
部55は、S900における判定部30の判定信号に基
づいて、S600において基準値演算部35が演算した
基準値(以下、選択動作後の基準値という)Aを選択す
る。基準値選択部55は、選択動作後の基準値Aと選択
動作前の基準値Bとに差A−Bがあるか否かを判断し、
差A−Bがあるときには、S1020に進み、差A−B
がないときには、S1030に進む。
【0092】S1020において、基準値選択部55
は、不連続点を解消する。図7において、時間tS は、
基準値選択部55により基準値の選択動作(切換動作)
が行われた時刻である。図7(A)に示すように、時間
tS において基準値の不連続点が生じている。本発明の
第3実施形態に係るブレ検出装置における基準値選択部
55は、切換動作時における不連続点を以下の数5によ
り解消している。
【0093】
【数5】
【0094】ここで、数5における関数P(t)は、以
下の数6により表される減少関数である。
【0095】
【数6】
【0096】ここで、時間tは、基準値選択部55が選
択動作を開始した時間tS からの経過時刻であり、変数
τは、選択動作後の基準値の切換時間を設定するための
数である。
【0097】S1030において、駆動信号演算部45
は、数5及び数6の演算結果に基づいて、駆動信号を演
算する。駆動信号演算部45は、S1020において基
準値選択部55が演算した基準値に基づいて駆動信号を
演算する。なお、S1110からS1130までの手順
は、S1010からS1030までの手順と同じである
ために説明を省略する。
【0098】本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置
は、基準値選択部55は、切換動作時における基準値を
数5及び数6により演算している。このために、図7
(B)に示すように、切換動作時における基準値の不連
続点を解消することができる。その結果、ブレ補正レン
ズ60が不連続点によりステップ状に駆動するような不
審な動作を解消することができる。
【0099】(第4実施形態)図8は、本発明の第4実
施形態に係るブレ検出装置が搭載された一眼レフカメラ
を概略的に示す断面図である。なお、以下の説明におい
て、図1に示した部分と同一の部分は、同一の番号を付
して説明し、その部分の詳細な説明については省略す
る。
【0100】増幅部20は、角速度センサ10からの出
力値(出力電圧)を増幅し、後述する第1基準値演算部
36と、駆動信号演算部45とに出力する。
【0101】第1基準値演算部36は、増幅部20によ
り増幅したブレ検出信号に基づいて、角速度センサ10
の出力値であるブレ補正制御の基準値(オメガゼロ値)
を第1の基準値として演算するものである。第1基準値
演算部36は、後述する第2基準値演算部37に演算し
た第1の基準値を出力する。
【0102】第2基準値演算部37は、第1基準値演算
部36が出力した第1の基準値に基づいて、第2の基準
値を演算するものである。第2基準値演算部37は、演
算した第2の基準値を駆動信号演算部45に出力する。
【0103】駆動信号演算部45は、増幅部20により
増幅したブレ検出信号から第2基準値演算部37により
演算した第2の基準値を減算し、積分演算するものであ
る。駆動信号演算部45は、角速度信号を角変位信号に
変換し、さらに、この角変位信号に応じた駆動信号に変
換する。駆動信号演算部45は、この駆動信号を駆動部
50に出力する。
【0104】つぎに、第1及び第2基準値演算部の動作
を中心にして、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装
置の動作を説明する。図9は、本発明の第4実施形態に
係るブレ検出装置が使用される一眼レフカメラの動作を
説明するフローチャートである。なお、以下の説明にお
いて、図3に示したフローチャートにおけるステップと
同一のステップは、同一の番号を付して説明し、特に必
要のない限り説明を省略する。
【0105】S650において、第1基準値演算部36
は、時刻tにおける第1の基準値ω0 (t) の演算を数7
により開始する。第1基準値演算部36は、移動平均法
の一例として示す以下の数7により第1の基準値ω
0 (t) を演算し、第2基準値演算部37にこの第1の基
準値ω0 (t) を出力する。
【0106】
【数7】
【0107】ここで、K0は、静止安定時において、十
分な精度が得られるような大きさに設定された移動平均
法による演算データ数である。なお、S650が2回目
以降のステップであるときには、第1の基準値ω0 (t)
の演算を継続する。
【0108】S750において、第2基準値演算部37
は、時刻tにおける第2の基準値ω0 '(t)の演算を数8
により開始する。第2基準値演算部37は、一例として
示す以下の数8により第2の基準値ω0 '(t)を演算し、
駆動信号演算部45にこの第2の基準値ω0 '(t)を出力
する。
【0109】
【数8】
【0110】ここで、δω0 (t) は、時刻t−1から時
刻tまでの所定時間内における第1の基準値ω0 (t) の
変化分である。第2基準値演算部37は、この変化分δ
ω0(t) を以下の数9により演算する。
【0111】
【数9】
【0112】ここで、時刻t−1は、時刻tの一つ前に
おいてサンプリングをした時刻である。なお、S750
が2回目以降のステップであるときには、第2の基準値
の演算を継続する。
【0113】図10は、本発明の第4実施形態に係るブ
レ検出装置における第2基準値演算部の演算処理を説明
するフローチャートである。図11は、本発明の第4実
施形態に係るブレ検出装置における第2基準値演算部の
演算処理を模式的に示す図である。なお、図11におい
て、破線は、数7により演算した第1の基準値であり、
実線は、数8により演算した第2の基準値である。
【0114】S751において、第2基準値演算部37
は、時刻t−1から時刻tまでの所定時間内における第
1の基準値ω0 (t) の変化分δω0 (t) を数9により演
算する。数7は、移動平均法による演算式であり、演算
区間を長くする(演算データ数K0を多くする)ほうが
静止安定時には精度のよい基準値を得ることができる。
一方、例えば、動く被写体を追っている場合であって、
演算区間を長くしたときには、図19(A)に示すよう
に、基準値の演算結果が遅れ、図19(B)に示すよう
に、ブレ補正レンズ60が駆動限界に達してしまう。そ
こで、第2基準値演算部37は、図11に示すように、
時刻tにおける第1の基準値ω0 (t) の変化分δω
0 (t) をまず最初に演算する。
【0115】S752において、第2基準値演算部37
は、時刻tにおける第2の基準値ω0 '(t)を数8により
演算する。第2基準値演算部37は、時刻tにおける第
1の基準値ω0 (t) の変化分δω0 (t) に関数f(δω
0 (t))を掛けたものを、第1の基準値ω0 (t) に加算
し、第2の基準値ω0 '(t)を求める。その結果、図11
に示すように、第1の基準値ω0 (t) の応答の悪いとこ
ろが持ち上げられて(場合によっては引き下げられ
て)、角速度センサ10の出力信号に対する第1の基準
値ω0 (t) の応答の遅れが補正される。
【0116】S800において、半押しタイマ90がO
N動作しているか否かが判断される。半押しタイマ90
がON動作しているときには、S1200に進み、半押
しタイマ90がON動作していないときには、S150
0に進む。
【0117】S1200において、ブレ補正レンズ60
が駆動を開始する。駆動信号演算部45は、S752に
おいて演算した第2の基準値ω0 '(t)を基準として積分
演算して、ブレ補正レンズ60の駆動量に応じた駆動信
号を求める。駆動部50は、この駆動信号に基づいてブ
レ補正レンズ60を駆動制御する。
【0118】S1600において、第1基準値演算部3
6及び第2基準値演算部37は、それぞれ第1の基準値
ω0 (t) 及び第2の基準値ω0 '(t)の演算を中止する。
第1基準値演算部36及び第2基準値演算部37は、こ
のステップに進む時点において、第1の基準値ω0 (t)
及び第2の基準値ω0 '(t)の演算を行っていたときに
は、これらの基準値の演算を中止する。
【0119】図12は、本発明の第4実施形態に係るブ
レ検出装置における角速度センサの出力信号、第1及び
第2基準値演算部による演算結果並びにブレ補正レンズ
の駆動量を一例として示す図であり、図12(A)は、
角速度センサの出力信号並びに第1及び第2基準値演算
部による演算結果を示し、図12(B)は、ブレ補正レ
ンズの駆動量を示す図である。なお、説明を簡単にする
ために、手ブレ波形として正弦波が入力し、オメガゼロ
は、ゼロとした。
【0120】図12(A)に示すように、本発明の第4
実施形態に係るブレ検出装置は、静止安定時における基
準値の精度を維持しつつ、画角変更時などの大きな動き
があったときにも、角速度センサ10の出力信号に追従
して基準値が素早く応答する。また、図12(B)に示
すように、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置
は、画角変更時などの大きな動きがあったときでも、駆
動限界に到達することなくブレ補正レンズ60を駆動
し、ブレ補正が可能な状態にすることができる。このよ
うに、本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置は、静
止安定時における基準値の精度の向上を図るとともに、
画角変更時における基準値の遅れを解決することができ
る。その結果、高精度なブレ補正が可能であり、かつ、
画角変更時などにおけるブレ補正にも対処可能であるた
めに、使い心地が非常によいブレ補正装置を提供するこ
とができる。本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置
は、数7、数8及び数9による演算の開始及び終了のタ
イミングが略同時(若干異なる)である。しかし、同時
処理のできない第1基準値演算部36及び第2基準値演
算部37であっても、これらの処理能力及び演算速度が
ある程度のものであれば、静止安定時における基準値の
精度の向上と、画角変更時における基準値の遅れの解消
とを十分に図ることができる。
【0121】(第5実施形態)図13は、本発明の第5
実施形態に係るブレ検出装置における第2基準値演算部
が演算する関数f(δω0 (t))の形状を一例として示す
図である。第2基準値演算部37は、以下の数10及び
数11に示す関数f(δω0 (t))により、第2の基準値
ω0 '(t)を演算することができる。
【0122】
【数10】
【0123】
【数11】
【0124】ここで、Thは、定数である。関数f(δ
ω0 (t))は、数10に示すように、変化分δω0 (t) の
絶対値が定数Thよりも小さいときには、ゼロである。
また、関数f(δω0 (t))は、数11に示すように、変
化分δω0 (t) の絶対値が定数Th以上であるときに
は、変化分δω0 (t) に比例する。一般に、変化分δω
0 (t) の値は、静止安定時の場合には小さくなり、画角
変更時のように角速度センサ10の出力信号が大きくな
るような場合には大きくなる。静止安定時のように変化
分δω0 (t) が小さいときには、変化分δω0 (t) は数
10に従ってゼロとなり、第2の基準値ω0 '(t)は、第
1の基準値ω0 (t) に等しくなる。一方、画角変更時の
ように変化分δω0 (t) が大きいときには、基準値の応
答の遅れを補正し改善するために、第2基準値演算部3
7は、第2の基準値ω0 '(t)を数11に従って演算す
る。
【0125】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置
は、関数f(δω0 (t))の形状を数11に示す形状に限
定することもできる。この場合に、関数f(δω0 (t))
の形状が全ての変化分δω0 (t)の値に比例するように
なると、静止安定時において、第2の基準値δω0 '(t)
は、第1の基準値ω0 (t)に比べて揺らぎが大きくなっ
てしまう。その結果、図18に示すように、静止安定時
における基準値の演算精度が低下して好ましくない。本
発明の第4実施形態に係るブレ検出装置は、数10を採
用することによって、静止安定時の揺らぎを大きくする
ことなく、かつ、画角変更時のように素早い応答が必要
なときには、基準値の素早い応答が可能となる。
【0126】なお、定数Thは、静止安定時には第1の
基準値ω0 (t) に影響を及ぼさず、かつ、画角変更時に
は角速度センサ10の出力信号に素早く応答できるよう
な値にすることが好ましい。定数Thは、実験により決
定してもよいし理論的に決定してもよく、例えば、静止
安定時と画角変更時の傾き量を、波形を解析することに
よって決定してもよい。
【0127】(第6実施形態)第1基準値演算部36
は、以下の数12によって第1の基準値ω0 (t) を演算
することができる。
【0128】
【数12】
【0129】数12は、第1の基準値ω0 (t) を算出す
る際に、前回のサンプリング時に演算した基準値を用い
る形式となっている。例えば、第1基準値演算部36
は、角速度センサ10のON時(t=0)からt=1s
までの間における角速度センサ10の出力信号の平均値
を演算する。第1基準値演算部36は、演算した平均値
から最も古いデータ(この例では、t=0における出力
値)を引き、それにt=1.001sでのデータを加え
ることによって、次のサンプリング時t=1.001s
における出力信号の平均値を演算する。
【0130】本発明の第6実施形態に係るブレ検出装置
は、角速度センサ10が所定時間内に出力した出力値の
一部と所定時間経過後に出力した出力値とに基づいて、
第1の基準値ω0 (t) を算出している。このために、演
算区間内における全データを演算処理する形式に比べ
て、演算量を極端に少なくすることができ、演算処理の
高速化を実現することができる。
【0131】(他の実施形態)以上説明した実施形態に
限定されることはなく、種々の変形や変更が可能であっ
て、それらも本発明の均等の範囲内である。例えば、本
発明の第1実施形態に係るブレ検出装置では、基準値演
算部35は、静止安定時及び画角変更時における基準値
を同時又は略同時に演算しているが、カメラが静止安定
状態にあるときには、画角変更時における基準値を演算
しなくてもよい。また、基準値演算部35は、図2に示
した演算区間T1と演算区間T2とに共通する出力値か
ら画角変更時における基準値を演算し、その後に、時刻
t4 から時刻t6 までの出力値から演算区間T1内の静
止安定時における基準値を演算することもできる。この
場合には、数3及び数4を独立して演算するのに比べ
て、演算速度を速くすることができる。さらに、本発明
の第1実施形態では、演算区間T1,T2は、時刻t0
から時刻t10までの出力値の一部に基づいて基準値を演
算しているが、出力値の全部に基づいて基準値を演算す
ることもできる。基準値演算部35は、演算した静止安
定時及び画角変更時における基準値をメモリ部35aに
予め記憶し、基準値選択部55は、いずれか一方の基準
値を判定信号に基づいて選択することもできる。
【0132】本発明の第1実施形態では、2種類の演算
方式により演算した2つの基準値から1つの基準値を選
択しているが、基準値演算部35が演算する基準値は、
静止安定時と画角変更時における基準値の2種類に限定
するものではない。また、演算方式の異なる2種類以上
の演算式によって基準値を演算したり、演算方式や演算
式を選択し、基準値を演算することもできる。CPUに
余裕があるときには、3種類以上の演算方式により演算
した基準値から1つの基準値を選択することもできる。
例えば、基準値の種類は、演算区間が長い静止安定時用
の基準値及び演算区間が短い画角変更時用の基準値に加
えて、演算区間の長さが中間である撮影準備動作(半押
し動作)中における基準値の3種類であってもよい。ま
た、撮影準備動作中は、半押し動作用の基準値に基づい
てブレ補正レンズ60を駆動し、撮影動作(全押し動
作)中は、全押し動作用のアルゴリズムに切り換えて、
2種類の基準値から1つの基準値を選択してもよい。こ
の場合には、全押し動作用のアルゴリズムは、半押し動
作中におけるブレ補正レンズ60の駆動に関与せず、基
準値の演算のみを行う。
【0133】本発明の第1実施形態では、基準値演算部
35は、演算区間の長さを変えた2つの移動平均法によ
って基準値を演算しているが、例えば、遮断周波数を変
えた複数のディジタルフィルタによって基準値を演算す
ることもできる。また、ディジタルフィルタと移動平均
法などの異なる演算方式のものを複数用意して、基準値
を演算することもできる。さらに、遮断周波数及び/又
は演算方法の異なる複数の低域通過フィルタにより基準
値を演算したり、これらの低域通過フィルタは、移動平
均法により基準値を演算することもできる。基準値演算
部35は、基準値の演算をCPUによってディジタル処
理してもよいし、アナログ回路によってアナログ処理し
てもよい。
【0134】基準値選択部55は、画角変更があったか
否かを基準として、基準値を選択しているが、これに限
定するものではない。基準値選択部55は、例えば、半
押しタイマ90の時間を選択基準としてもよく、半押し
タイマ90の時間と画角変更があったか否かの両方を選
択基準としてもよい。また、本発明の第1実施形態にお
ける関数P(t)は、減少関数であればよく、その形状
はこれに限定するものではない。さらに、変数τは、定
数であってもよく、例えば、選択動作後の基準値Aと選
択動作前の基準値Bとの差A−Bに比例する変数であっ
てもよい。
【0135】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置
では、第1基準値演算部36の演算方法は、数7及び数
12に示す移動平均法に限るものではない。例えば、角
速度センサ10から低域周波数成分を抽出する低周波透
過型のディジタルフィルタや最小自乗法などを使用する
ことができるが、一般的には、低周波透過型の演算式を
使用する。また、関数f(δω0 (t))の形状は、数10
及び数11に示す形状に限定するものではなく、実験に
より又は理論的に求めた任意の形状であってもよく、例
えば、2次式や3次式であってもよい。さらに、第2基
準値演算部37は、以下の数13に示す数値演算方法に
よって、変化分δω0 (t)を求めることができる。
【0136】
【数13】
【0137】なお、数13に示す関数f(δω0 (t))の
形状は、数10及び数11に示す形状であってもよく、
その他の実験により又は理論的に求めた任意の形状であ
ってもよい。
【0138】本発明の第4実施形態では、第1の基準値
ω0 (t)から第2の基準値ω0 '(t)を求める形式であれ
ば、数9及び数13に示す形式に限定されず、その他の
全ての形式が本発明に含まれる。また、本発明の第4実
施形態では、基準値の演算は、第2の基準値ω0 '(t)ま
でであるがこれに限定するものではなく、CPUの計算
能力が許すならば、さらに第3、第4の基準値のように
多段に演算してもよい。さらに、本発明の第4実施形態
では、第1基準値演算部36及び第1基準値演算部37
は、CPUによりディジタル処理で基準値を演算しても
よいし、実装状態によってはアナログ回路で処理しても
よい。第1基準値演算部36は、図2に示すようなメモ
リ部35aによって演算データを記憶し、この演算デー
タの少なくとも一部に基づいて、第1の基準値ω0 (t)
を演算することもできる。
【0139】本発明の実施形態に係るブレ検出装置で
は、ブレ検出部は、角速度センサ10などの角速度検出
器に限らず、速度検出器や、加速度センサなどの加速度
検出器やその他のセンサであっても本発明を適用するこ
とができる。また、判定部30、基準値演算部35、基
準値選択部55及び駆動信号演算部45は、一体型のワ
ンチップマイクロコンピュータ内に搭載することもでき
る。同様に、第1基準値演算部36及び第2基準値演算
部37は、一つの基準値演算部であってもよく、第1基
準値演算部36、第2基準値演算部37及び駆動信号演
算部45は、一体型のワンチップマイクロコンピュータ
内に搭載することもできる。本発明の実施形態では、一
眼レフのスチルカメラにブレ検出装置を搭載した例を挙
げて説明したが、これに限らず、ディジタルスチルカメ
ラ、ビデオカメラなどの撮影装置や、双眼鏡、望遠鏡な
どの光学装置に対しても本発明を適用することができ
る。また、レンズ鏡筒の交換が不可能なコンパクトカメ
ラについても本発明を適用することができる。
【0140】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1記
載の発明によれば、基準値演算部は、ブレ検出部が出力
するブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準
値を2つ以上演算するので、状況に応じて複数の基準値
を準備することができる。
【0141】請求項2記載の発明によれば、基準値演算
部は、ブレ検出信号の基準値を同時に又は略同時に2つ
以上演算するので、複数の基準値を演算して、演算結果
を瞬時に得ることができる。
【0142】請求項3記載の発明によれば、移動状態判
定部は、ブレ検出部の移動状態を判定し、基準値選択部
は、移動状態判定部の判定結果に基づいて、基準値演算
部が演算した複数のブレ検出信号の基準値から1つのブ
レ検出信号の基準値を選択するので、移動状態に応じて
最適な基準値を選択することができる。
【0143】請求項4記載の発明によれば、基準値選択
部は、その選択動作以前のブレ検出信号の基準値B、選
択動作以後のブレ検出信号の基準値Aとしたときに、基
準値=(1−P(t))*A+P(t)*B〔ただし、
P(t)は、0≦P(t)≦1の減少関数〕により選択
動作を行うので、基準値選択部の選択動作時における基
準値の不連続点を確実に解消することができる。
【0144】請求項5記載の発明によれば、減少関数P
(t)は、P(t)=1(t<0)、P(t)=1−t
/τ(0≦t<τ)、P(t)=0(τ≦t)であるの
で、基準値選択部の選択動作時における基準値の不連続
点を切り換え時間に応じて解消することができる。
【0145】請求項6記載の発明によれば、基準値演算
部は、ブレ検出信号に対する基準値の遅れを補正するこ
とによって、補正基準値を演算するので、この補正基準
値に基づいて高精度にブレを補正することができる。
【0146】請求項7記載の発明によれば、基準値演算
部は、角速度センサが出力するブレ検出信号に基づい
て、このブレ検出信号の第1の基準値を演算するととも
に、この第1の基準値に基づいて、ブレ検出信号の第2
の基準値を演算するので、この第2の基準値に基づいて
高精度にブレを補正することができる。
【0147】請求項8記載の発明によれば、基準値演算
部は、ブレ検出信号に対する第1の基準値の遅れを補正
することによって、第2の基準値を演算するので、画角
変更時における基準値の遅れを解決し高精度にブレを補
正することができる。
【0148】請求項9記載の発明によれば、基準値演算
部は、時刻tにおけるブレ検出信号の基準値又は第1の
基準値をω0 (t)とし、所定時間内におけるこの基準
値又は第1の基準値の変化分をδω0 (t)とするとき
に、補正基準値又は第2の基準値ω0 ’(t)をω0 ’
(t)=ω0 (t)+f(δω0 (t))*δω
0 (t)〔ただし、fは、δω0 (t)の関数である〕
により演算するので、ブレ検出信号に対して応答性の悪
い第1の基準値を補正して、このブレ検出信号に対する
第1の基準値の応答の遅れを解決することができる。
【0149】請求項10記載の発明によれば、基準値演
算部は、f(δω0 (t))=0(|δω0 (t)|<
Th)、f(δω0 (t))=a*δω0 (t)(|δ
ω0(t)|≧Th)〔ただし、Thは、定数である〕
により補正基準値又は第2の基準値ω0 ’(t)を演算
するので、静止安定時においては、補正基準値又は第2
の基準値の揺らぎを防止するとともに、画角変更時にお
いては、補正基準値又は第2の基準値の素早い応答を可
能とすることができる。
【0150】請求項11記載の発明によれば、基準値演
算部は、ブレ検出部が所定時間内に出力した出力値の少
なくとも一部と所定時間経過後に出力した出力値とに基
づいて、ブレ検出信号の基準値又は第1の基準値を演算
するので、演算量を低減することができるとともに、演
算処理の高速化を図ることができる。
【0151】請求項12記載の発明によれば、基準値演
算部は、少なくとも、ブレ検出部が移動状態にあるとき
と静止状態にあるときのブレ検出信号の基準値を演算す
るので、ブレ検出部の状態に応じて複数の基準値を演算
することができる。
【0152】請求項13記載の発明によれば、記憶部
は、ブレ検出部が所定時間内に出力したブレ検出信号を
演算データとして記憶し、基準値演算部は、この演算デ
ータの少なくとも一部に基づいて、ブレ検出信号の基準
値又は第1の基準値を演算し、ブレ検出部が移動状態に
あるときの演算データ数は、このブレ検出部が静止状態
にあるときの演算データ数に比べて少ないので、移動状
態にあるときと静止状態にあるときときのそれぞれにつ
いて、誤差の少ない基準値を演算することができる。
【0153】請求項14記載の発明によれば、基準値演
算部は、ブレ検出信号の基準値又は第1の基準値を移動
平均により演算するので、誤差の少ない基準値を演算す
ることができる。
【0154】請求項15記載の発明によれば、基準値演
算部は、遮断周波数を変えた複数の低域通過フィルタ及
び/又は演算方法の異なる複数の低域通過フィルタによ
り、ブレ検出信号の基準値又は第1の基準値を演算する
ので、基準値を精度よく演算することができる。
【0155】請求項16記載の発明によれば、基準値演
算部は、ブレ検出信号から低域周波数成分を抽出する低
域通過フィルタ部を備えるので、基準値の演算に必要な
周波数成分のみを取り出すことができる。
【0156】請求項17記載の発明によれば、ブレ検出
部は、加速度を検出する加速度検出器であるので、加速
度検出器の出力信号に基づいて、基準値を演算すること
ができる。
【0157】請求項18記載の発明によれば、ブレ検出
部は、速度又は角速度を検出する速度検出器であるの
で、速度検出器又は角速度検出器の出力信号に基づい
て、基準値を演算することができる。
【0158】請求項19記載の発明によれば、基準値演
算部は、増幅部により増幅されたブレ検出信号に基づい
て、このブレ検出信号の基準値を演算するので、この基
準値を精度よく演算することができる。
【0159】請求項20記載の発明によれば、制御部
は、ブレ検出装置からのブレ検出信号の基準値に基づい
て、ブレ補正光学系を駆動する駆動部を駆動制御するの
で、ブレ補正の精度を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が搭
載された一眼レフカメラを概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置にお
ける基準値演算部のメモリ部を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置が使
用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャー
トである。
【図4】本発明の第1実施形態に係るブレ検出装置にお
ける角速度センサの出力信号、移動平均法による演算結
果及びブレ補正レンズの駆動量を一例として示す図であ
る。
【図5】本発明の第2実施形態に係るブレ検出装置が使
用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャー
トである。
【図6】本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置にお
ける基準値選択部の動作を説明するフローチャートであ
る。
【図7】本発明の第3実施形態に係るブレ検出装置にお
ける基準値選択部が基準値を選択及び切り換えたときの
演算結果を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置が搭
載された一眼レフカメラを概略的に示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置が使
用される一眼レフカメラの動作を説明するフローチャー
トである。
【図10】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置に
おける第2基準値演算部の演算処理を説明するフローチ
ャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置に
おける第2基準値演算部の演算処理を模式的に示す図で
ある。
【図12】本発明の第4実施形態に係るブレ検出装置に
おける角速度センサの出力信号、第1及び第2基準値演
算部による演算結果並びにブレ補正レンズの駆動量を一
例として示す図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るブレ検出装置に
おける第2基準値演算部が演算する関数f(δω
0 (t))の形状を一例として示す図である。
【図14】従来のブレ補正装置のブロック線図である。
【図15】従来のブレ補正装置によるオメガゼロの演算
に成功した例を示す図である。
【図16】従来のブレ補正装置によるオメガゼロの演算
に失敗した例を示す図である。
【図17】静止安定時において演算区間を長くとったと
きの移動平均法による演算結果及び演算誤差を示す図で
ある。
【図18】静止安定時において演算区間を短くとったと
きの移動平均法による演算結果及び演算誤差を示す図で
ある。
【図19】動体追従時における角速度センサの出力信
号、演算区間を長くとったときの移動平均法による演算
結果及びブレ補正レンズの駆動量の一例を示す図であ
る。
【図20】動体追従時における角速度センサの出力信
号、演算区間を短くとったときの移動平均法による演算
結果及びブレ補正レンズの駆動量の一例を示す図であ
る。
【符号の説明】
10 角速度センサ 20 増幅部 30 移動状態判定部 35 基準値演算部 35a メモリ部 36 第1基準値演算部 37 第2基準値演算部 45 駆動信号演算部 50 駆動部 55 基準値選択部 60 ブレ補正レンズ 70 カメラボディ 80 レンズ鏡筒 90 半押しタイマ 130 電源供給部 SW1 半押しスイッチ SW2 全押しスイッチ I 光軸

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレを検出し、ブレ検出信号を出力する
    ブレ検出部と、 前記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準
    値を2つ以上演算する基準値演算部と、 を含むことを特徴とするブレ検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のブレ検出装置におい
    て、 前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号の基準値を同時
    に又は略同時に2つ以上演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載のブレ検出
    装置において、 前記ブレ検出部の移動状態を判定する移動状態判定部
    と、 前記移動状態判定部の判定結果に基づいて、前記基準値
    演算部が演算した複数のブレ検出信号の基準値から1つ
    のブレ検出信号の基準値を選択する基準値選択部と、 を含むことを特徴とするブレ検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項に記載のブレ検出装置において、 前記基準値選択部は、この基準値選択部の選択動作以前
    のブレ検出信号の基準値をBとし、前記基準値選択部の
    選択動作以後のブレ検出信号の基準値をAとしたとき
    に、基準値=(1−P(t))*A+P(t)*B〔た
    だし、P(t)は、0≦P(t)≦1の減少関数であ
    る〕により選択動作を行うこと、 を特徴とするブレ検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のブレ検出装置におい
    て、 前記減少関数P(t)は、P(t)=1(t<0)、P
    (t)=1−t/τ(0≦t<τ)、P(t)=0(τ
    ≦t)であること、 を特徴とするブレ検出装置。
  6. 【請求項6】 ブレを検出し、ブレ検出信号を出力する
    ブレ検出部と、 前記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準
    値を演算する基準値演算部とを含み、 前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号に対する前記基
    準値の遅れを補正することによって、補正基準値を演算
    すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1又は請求項2に記載のブレ検出
    装置において、 前記基準値演算部は、 前記ブレ検出信号に基づいて、このブレ検出信号の第1
    の基準値を演算するとともに、 前記第1の基準値に基づいて、前記ブレ検出信号の第2
    の基準値を演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のブレ検出装置におい
    て、 前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号に対する前記第
    1の基準値の遅れを補正することによって、前記第2の
    基準値を演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項6から請求項8までのいずれか1
    項に記載のブレ検出装置において、 前記基準値演算部は、時刻tにおける前記基準値又は前
    記第1の基準値をω0(t)とし、所定時間内における
    前記基準値又は前記第1の基準値の変化分をδω
    0 (t)とするときに、前記補正基準値又は前記第2の
    基準値ω0 ’(t)をω0 ’(t)=ω0 (t)+f
    (δω0 (t))*δω0 (t)〔ただし、fは、δω
    0 (t)の関数である〕により演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のブレ検出装置におい
    て、 前記基準値演算部は、f(δω0 (t))=0(|δω
    0 (t)|<Th)、f(δω0 (t))=a*δω0
    (t)(|δω0 (t)|≧Th)〔ただし、Thは、
    定数である〕により前記補正基準値又は前記第2の基準
    値ω0 ’(t)を演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項10までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記基準値演算部は、前記ブレ検出部が所定時間内に出
    力した出力値の少なくとも一部と所定時間経過後に出力
    した出力値とに基づいて、前記基準値又は前記第1の基
    準値を演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  12. 【請求項12】 請求項1から請求項11までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記基準値演算部は、少なくとも、前記ブレ検出部が移
    動状態にあるときと静止状態にあるときのブレ検出信号
    の基準値を演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のブレ検出装置にお
    いて、 前記ブレ検出部が所定時間内に出力したブレ検出信号を
    演算データとして記憶する記憶部を備え、 前記基準値演算部は、前記演算データの少なくとも一部
    に基づいて、前記基準値又は前記第1の基準値を演算
    し、 前記ブレ検出部が移動状態にあるときの演算データ数
    は、このブレ検出部が静止状態にあるときの演算データ
    数に比べて少ないこと、 を特徴とするブレ検出装置。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項13までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記基準値演算部は、前記基準値又は前記第1の基準値
    を移動平均により演算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  15. 【請求項15】 請求項1から請求項14までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記基準値演算部は、遮断周波数を変えた複数の低域通
    過フィルタ及び/又は演算方法の異なる複数の低域通過
    フィルタにより、前記基準値又は前記第1の基準値を演
    算すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  16. 【請求項16】 請求項1から請求項15までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記基準値演算部は、前記ブレ検出信号から低域周波数
    成分を抽出する低域通過フィルタ部を備えること、 を特徴とするブレ検出装置。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項16までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記ブレ検出部は、加速度を検出する加速度検出器であ
    ること、 を特徴とするブレ検出装置。
  18. 【請求項18】 請求項1から請求項16までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記ブレ検出部は、速度又は角速度を検出する速度検出
    器又は角速度検出器であること、 を特徴とするブレ検出装置。
  19. 【請求項19】 請求項1から請求項18までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置において、 前記ブレ検出信号を増幅する増幅部を備え、 前記基準値演算部は、前記増幅部により増幅されたブレ
    検出信号に基づいて、このブレ検出信号の基準値を演算
    すること、 を特徴とするブレ検出装置。
  20. 【請求項20】 請求項1から請求項19までのいずれ
    か1項に記載のブレ検出装置と、 ブレを補正するブレ補正光学系と、 前記ブレ補正光学系を駆動する駆動部と、 前記ブレ検出装置からの前記ブレ検出信号の基準値に基
    づいて、前記駆動部を駆動制御する制御部と、 を含むことを特徴とするブレ補正カメラ。
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