JPS6340805B2 - - Google Patents
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- JPS6340805B2 JPS6340805B2 JP55053597A JP5359780A JPS6340805B2 JP S6340805 B2 JPS6340805 B2 JP S6340805B2 JP 55053597 A JP55053597 A JP 55053597A JP 5359780 A JP5359780 A JP 5359780A JP S6340805 B2 JPS6340805 B2 JP S6340805B2
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Description
〔A〕 発明の目的
本発明は新規な触媒系を用いてエチレンを単独
重合またはエチレンとα−オレフインとを共重合
させることを特徴とするエチレン系重合体の製造
方法に関する。さらにくわしくは、(A)少なくとも
マグネシウム原子、ハロゲン原子およびチタン原
子を含有する固体成分を(1)アルキルアルミニウム
化合物および(2)環状有機化合物を使用して処理す
ることにより得られる固体触媒成分ならびに(B)有
機アルミニウム化合物から得られる触媒系を用い
てエチレンを単独重合またはエチレンとα−オレ
フインとを共重合させることを特徴とするエチレ
ン系重合体の製造方法に関するものであり、該触
媒系が、エチレン系重合体の製造後において重合
体中に残存する触媒残渣の除去工程が不要である
程に高活性であり、分子量分布が狭く、射出成形
に適し、かつ粉体性状がすぐれているエチレン系
重合体を製造することを目的とするものである。 〔〕 発明の背景 従来より、マグネシウム原子、ハロゲン原子お
よびチタン原子を含有する固体触媒成分と有機ア
ルミニウム化合物とから得られる触媒系は高活性
なオレフイン重合触媒であることは知られてい
る。 上記の触媒系を用いてエチレンを単独重合また
はエチレンとα−オレフインとを共重合した場
合、得られるエチレン系重合体は、その分子量分
布が狭いと報告されており、一般的には分子量分
布を拡げる努力が多くなされている。しかしなが
ら、分子量分布が狭いとされている触媒系を用い
てエチレンを単独重合することによつて得られる
重合体においても、溶媒(たとえば、シクロヘキ
サン)を用いて溶媒抽出を行なつた場合、相当量
の抽出分(極低分子量重合体)が存在する。これ
らの極低分子量重合体の存在は、重合体を成形す
るさい、発煙、メヤニまたは悪臭の発生となると
ともに、重合体を製造する時にフアウリング(器
壁との付着現象)やブリツジングの原因となる。 上記のごとき現象はエチレンとα−オレフイン
とを共重合させて得られる共重合体においてさら
に顕著となる。とりわけ、エチレンと比較的に多
量のα−オレフインとを共重合することによつて
得られる中密度ポリエチレンおよび低密度ポリエ
チレンおいては、シクロヘキサンまたはn−ヘキ
サンなどの溶媒による抽出分が増大する。該抽出
分は極低分子量重合体と極低密度重合体とから構
成されており、共重合時に生ずる密度分布(分枝
度分布)の広さにより極低密度部の存在量が決定
される。 〔〕 発明の構成 以上のことから、本発明者は、上記のような問
題点がなくエチレン系重合体を製造することが可
能であり、かつ前記のごとき問題(該重合体の成
形時も含めて)を有さない重合体を得ることにつ
いて種々探索した結果、 (A) 「少なくともマグネシウム原子、ハロゲン原
子およびチタン原子を含有する固体成分」(以
下「固体成分」と云う)を (1) アルキルアルミニウム化合物および (2) 酸素原子および/または窒素原子を環に含
む四員環ないし八員環の環状有機化合物」
(以下「環状有機化合物」と云う) を使用して処理することにより得られる固体触
媒成分 ならびに (B) 有機アルミニウム化合物 から得られる触媒系を用いてエチレンを単独重合
またはエチレンとα−オレフインとを共重合させ
ることにより、 これらの問題点がすべて改良されたエチレン系
重合体が得られることを見出し、本発明に到達す
ることができた。 〔〕 発明の効果 本発明のもたらす効果のうち、最も特徴のある
効果は、得られる重合体の分子量分布が著しく狭
く〔w/nおよびHLMI/M.I.(HLMIおよ
びM.I.の測定方法は後に述べる)が非常に小さ
い)、その結果、得られる重合体中の一般に“ロ
ーポリマー”と呼ばれる極低分子量重合体の含有
量を著しく減少させることである。たとえば、比
較例1において示されているごとく、固体成分と
有機アルミニウム化合物とから得られる触媒系を
用いて製造された重合体のHLMI/M.I.の比は41
であるが、後記の実施例1に示されているように
該触媒成分のかわりに、この固体成分をアルキル
アルミニウム化合物および環状有機化合物を用い
て処理することによつて得られる固体触媒成分を
用いることにより、得られる重合体のHLMI/
M.Iの比は24と著しく減少する。その結果、重合
体中の極低分子量重合体の量を示すシクロヘキサ
ン抽出量は0.28%まで低下する。この効果は、エ
チレンとα−オレフインとの共重合の場合におい
て、さらに絶大な効果を発揮する。後記の実施例
と比較例との比較から、エチレンとα−オレフイ
ンとの共重合体の溶媒抽出の結果は、本発明の方
法において使われる固体触媒成分を用いた場合、
得られる共重合体中のn−ヘキサン抽出物の量が
著しく減少していることが認められる。エチレン
とα−オレフインとの共重合体中の溶媒抽出物の
量は該共重合体の密度の低下(すなわち、α−オ
レフインの共重合割合の増加)にともない増大す
るため、従来の重合方法においては、重合溶媒へ
極低分子量重合体および極低密度重合体(溶媒抽
出物)の溶出量が増大し、その結果使用したモノ
マーに対して得られる重合体の生成量が低下す
る。その上、低密度のエチレン系重合体を製造す
ることが困難となる。 後記の実施例および比較例において、生成され
たエチレン系重合体のM.I.および密度がほぼ同じ
であるサンプルについて溶媒抽出物の量の差を示
したが、エチレン単独重合体の溶媒抽出物は極低
分子量重合体から成り立つているが、エチレンと
α−オレフインとの共重合体の抽出物は主として
極低密度重合体であり、本発明の方法を適用する
ことによつてn−ヘキサン抽出物の量を減少する
ことができることは、本発明の方法が得られる共
重合体の密度分布を狭くしたためと思われ、従来
において見られなかつた著しい効果を見出したの
である。 この効果は、本発明において使用される触媒系
がプロピレンのごときα−オレフインの単独重合
において、重合活性をほとんど有しないのにもか
かわらず、エチレンの単独重合またはエチレンと
α−オレフインとの共重合において、高い重合活
性を発現する特異的な性能を有する触媒系を見出
したことに基づくものである。 以上のことは、エチレンとα−オレフインとの
共重合において、α−オレフインが選択的に規則
正しく入るため、従来の重合方法と比較して、著
しく密度分布の狭い共重合体が得られているもの
と考えられる。 また、本発明の第二の特徴的な効果は、マグネ
シウム化合物を含まないチタン化合物(たとえ
ば、四塩化チタン)を同様に処理すると、得られ
る触媒系の重合活性が消滅してしまうにもかかわ
らず、本発明において使用される触媒系を用いて
エチレンを単独重合またはエチレンとα−オレフ
インとを共重合した場合、該触媒系は高い重合活
性を示している。 さらに、本発明の付随的な効果として、重合粉
体の性状がすぐれ、特にかさ密度が高い。この原
因については明らかではないが、重合溶媒中で生
成重合体の膨潤度が小さいために粉体性状が改善
され、かさ密度の向上をもたらすためではないか
と思われる。 以上の本発明の特徴的な効果を総合すれば、本
発明による重合方法は、得られるエチレン系重合
体の分子量分布が狭く、極低分子量重合体および
極低密度重合体の含有量が極めて僅かである。し
たがつて、射出成形に最も適しており、その成形
時においても、発煙、メヤニまたは悪臭の発生が
ほとんどない。さらに、該重合体の製造において
も、フアウリングやブリツジングなどの現象がほ
とんど発生しないため、支障なく重合を行なうこ
とができる。また、触媒系の重合活性が高いた
め、重合後得られる重合体に残存する触媒残渣の
除去および触媒残渣の不活性化のごとき後処理を
省略するか、あるいは極めて簡単な後処理を行な
うことによつて通常の使用に供しうる重合体を得
ることができる。 〔〕 発明の具体的説明 (A) 固体成分 本発明の固体触媒成分を製造するために使わ
れる固体成分はマグネシウム原子、ハロゲン原
子およびチタン原子を含有するものである。該
固体成分はマグネシウムを含有する化合物とチ
タンの三価および/または四価のチタン化合物
とを処理することによつて得られるものであ
る。この処理のさい、マグネシウム化合物とチ
タン化合物のみを処理してもよいが、マグネシ
ウム系化合物と電子供与性有機化合物などの化
合物とをあらかじめ処理し、得られる処理物と
チタン系化合物とを処理してもよい。また、マ
グネシウム系化合物とチタン系化合物および電
子供与性有機化合物などの化合物とを処理して
もよい(同時に処理してもよく、別々に処理し
てもよい)。さらに、マグネシウム系化合物と
電子供与性有機化合物などの化合物とをあらか
じめ処理し、得られる処理物とチタン系化合物
および電子供与性有機化合物などの化合物とを
処理してもよい。 (1) マグネシウム系化合物 該固体成分を製造するために用いられるマ
グネシウム系化合物の好ましいものとして
は、下式〔()式および()式〕で示さ
れるマグネシウム系化合物ならびに酸化マグ
ネシウムおよび水酸化マグネシウムがあげら
れる。 Mg(OR1)nX1 2-n () MgR2 oX2 2-o () ()式および()式において、mは
0、1または2であり、nは1または2であ
る。R1およびR2は水素原子または炭素数が
多くとも16個の脂肪族炭化水素基、脂環族炭
化水素基および芳香炭化水素基からなる群か
らえらばれた炭化水素基であり、X1および
X2はハロゲン原子である。()式および
()式において、R1およびR2は水素原子ま
たは炭素数が多くとも12個のアルキルおよび
フエニル基が好適であり、X1およびX2は塩
素原子、臭素原子およびよう素原子が望まし
く、とりわけ塩素原子および臭素原子が好適
である。 ()式で示されるマグネシウム系化合物
のうち、好適なものの代表例としては、塩化
マグネシウム、臭化マグネシウム、マグネシ
ウムエチラート、マグネシウムブチラートお
よびヒドロキシマグネシウムクロライドがあ
げられる。また()式で示されるマグネシ
ウム系化合物のうち、好適なものの代表例と
しては、ブチルエチルマグネシウム、ジブチ
ルマグネシウム、エチルマグネシウムクロラ
イド、ブチルマグネシウムクロライド、フエ
ニルマグネシウムクロライド、エチルマグネ
シウムプロマイド、ブチルマグネシウムブロ
マイドおよびフエニルマグネシウムブロマイ
ドがあげられる。 (2) チタン系化合物 また、固体触媒を製造するために使用され
るチタン系化合物は三価および/または四価
のチタンを含有する化合物である。その代表
例としては、()式で示される四価のチタ
ン系化合物ならびに四塩化チタンを金属(た
とえば、金属チタン、金属アルミニウム)、
水素または有機金属(たとえば、アルミニウ
ム、マグネシウム、亜鉛)化合物を用いて還
元することによつて得られる三塩化チタンお
よび三塩化チタンの共晶体があげられる。 Ti(OR3)lX3 4-l () ()式において、lは0または1ないし
4であり、R3は炭素数が多くとも12個の脂
肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基および芳
香族炭化水素基からなる群からえらばれた炭
化水素基である。()式において、R3は炭
素数が多くとも6個のアルキル基が好適であ
り、X3は塩素原子または臭素原子が好まし
く、特に塩素原子が好適である。 ()式で示される四価のチタン系化合物
のうち、好適なものの代表例としては、四塩
化チタン、メトキシチタントリクロライド、
エトキシチタントリクロライド、ブトキシチ
タントリクロライド、ジメトキシチタンジク
ロライド、ジエトキシチタンジクロライド、
トリエトキシチタントリクロライド、テトラ
エトキシおよびテトラブトキシチタンがあげ
られる。 (3) 電子供与性有機化合物など 本発明において用いられる固体成分を製造
するにあたり、電子供与性有機化合物ならび
に後記の無機化合物および有機化合物のごと
き化合物はかならずしも必要とはしないが、
さらに、固体成分を製造するさいに電子供与
性有機化合物は少なくとも一個の極性基を有
する有機化合物であり、一般にはルイス塩基
と呼ばれているものを使用してもよい。この
電子供与性有機化合物はオレフイン系重合用
触媒を得るために重合活性、結晶性などの改
質剤としてよく知られているものである。該
電子供与性有機化合物の代表例としては、飽
和または不飽和の脂肪族、脂環族もしくは芳
香族の下記の化合物があげられる。なお、そ
の化合物としては、鎖状または環状のエーテ
ル系化合物〔炭素数が多くとも24個のものが
好適である(たとえば、ジエチルエーテル、
ジ−n−ブチルエーテル、ジ−イソアミルエ
ーテル、ジヘキシルエーテル、エトキシベン
ゼン、ジフエニルエーテル)〕、カルボン酸系
化合物〔炭素数が多くとも18個のものが好適
である(たとえば、安息香酸、ラク酸、酢
酸、ステアリン酸)〕、一価または多価のアル
コール系化合物もしくはフエノール系化合物
〔炭素数が多くとも18個のものが好適である
(たとえば、エチルアルコール、n−ブチル
アルコールフエノール、P−メチルフエノー
ル、エチレングリコール)〕、前記カルボン酸
系化合物の無水物(たとえば、無水酢酸、無
水フタル酸、無水安息香酸)〕、前記カルボン
酸系化合物とアルコール系化合物もしくはフ
エノール系化合物とから得られるエステル系
化合物(たとえば、安息香酸エチル、γ−ブ
チロラクトン、酢酸フエニル、酢酸エチル、
安息香酸ブチル)、アルデヒド系化合物〔炭
素数が多くとも18個のものが好適である(た
とえば、ベンズアルデヒド、ブチルアルデヒ
ド、アクリルアルデヒド、シンナムアルデヒ
ド)〕、ケトン系化合物〔全炭素数が多くとも
24個のものが好適である(たとえば、アセト
ン、ベンゾフエノン、アセトンフエノン、シ
クロヘキサノン)〕、前記カルボン酸のハライ
ド系化合物(たとえば、塩化アセチル、塩化
ベンゾイル、臭化ベンゾイル、塩化シクロヘ
キサンカルボニル)、炭素原子を多くとも24
個のケイ酸エステル系化合物(たとえば、テ
トラメチルシリケート、テトラエチルシリケ
ート、テトラクレジルシリケート、トリクロ
ルメチルシリケート)〕モノまたはポリシロ
キサン〔全ケイ素が多くとも1000個のものが
好適である〕、アミン系化合物〔全炭素数が
多くとも36個のものが好適である(たとえ
ば、トリブチルアミン、ジブチルアミン、ア
ニリン、N,N−ジメチルアニリン)〕、アミ
ド系化合物〔全炭素数が多くとも36個のもの
が好適である(たとえば、N,N−ジメチル
ベンズアミド、アセトアミド、NN−ジメチ
ルヘキサンアミド)〕、りん酸エステル系化合
物または亜りん酸エステル系化合物〔炭素数
が多くとも24個のものが好適である(たとえ
ば、亜りん酸トリエチル、亜りん酸トリブチ
ル、亜りん酸トリフエル、ジフエニルりん酸
クロライド、りん酸トリエチル、りん酸トリ
フエニル)〕などがあげられる。 また、固体成分を製造するために用いられ
る電子供与性有機化合物以外の化合物は該固
体成分の触媒毒ではないものであれば、いず
れの化合物を使用してもよい。 これらの化合物のうち、無機化合物として
は、周期律表の第族ないし第族のハロゲ
ン化物(たとえば、アルミニウム、ケイ素、
亜鉛のハロゲン化物)硫酸塩、硝酸塩、亜硫
酸塩、亜硝酸塩などがあげられる。 (4) 処理方法 前記固体成分を製造するために、前記マグ
ネシウム系化合物とチタン系化合物あるいは
これらの化合物と電子供与性有機化合物など
の化合物を処理する方法としてはこれらの化
合物を機械的に粉砕する方法(以下「共粉砕
方法」と云う)および不活性溶媒中でまたは
不活性溶媒の不存在下(処理物が液状の場
合)にて接触させる方法などがあげられる。 共粉砕方法はオレフイン重合用固体触媒成
分を製造するためにマゲネシウム系化合物と
チタン系化合物あるいはこれらの化合物と電
子供与性有機化合物とを共粉砕させる通常行
なわれている方法を適用すればよい。一般に
は、ボールミル、振動ボールミル、衝撃式粉
砕機およびコロイドミルのごとき粉砕機を使
用し、不活性ガス(たとえば、窒素、アルゴ
ン)の雰囲気下で室温付近において共粉砕す
ればよい。通常、冷却などの処置などを行な
わなくてもよいが、この共粉砕によつて発熱
が著しい場合には、操作の便宜上のために冷
却してもよい。共粉砕に要する時間は粉砕機
の性能などによつて一概に規定することはで
きないが、少なくとも被粉砕物が使用に耐え
得るまで細くすることが必要である。得られ
る被粉砕物はほとんど完全に均一な状態でな
くても使用することができるが、均一な状態
であることが好ましい。したがつて、共粉砕
時間は一般には5分ないし24時間である。 また、接触方法のうち、共粉砕方法以外の
方法は、不活性溶媒の存在下または不存在下
(処理物のうち一種が液状物であり、液状と
して撹拌が可能な場合)で処理する方法であ
る。この処理において使われる不活性溶媒は
乾燥した(水分を含まない)ものであり、そ
の代表例としては、沸点が10〜300℃の脂肪
族炭化水素(たとえば、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、n−オクタン)、脂環族炭化水素
(たとえば、シクロヘキサン、ジメチルシク
ロヘキサン)、芳香族炭化水素(たとえば、
ベンゼン、トルエン、キシレン)およびこれ
らの炭化水素のハロゲン化物(たとえば、四
塩化炭化水素、トリクロルエチレン、クロル
ベンゼン)があげられる。 この処理において、以上のように不活性溶
媒中にて処理することができるけれども、前
記した電子供与性化合物、チタン系化合物お
よびマグネシウム系化合物のうち、少なくと
も一種が液状物であり、液状として撹拌が可
能な場合には、不活性溶媒の不存在下で処理
することもできる。 この接触方法において、処理系中の1の
液状物に対する固体物の割合は多くとも500
gである。 また、接触温度は接触物の種類および割
合、接触時間ならびにその他の条件によつて
異なるが、通常室温(20℃)ないし250℃で
ある。接触時間は接触物の種類および割合、
接触温度ならびにその他の条件によつて異な
るが、一般に5分ないし24時間である。 以上の共粉砕方法および接触方法のいずれ
の場合でも、1モルのマグネシウム系化合物
に対するチタン系化合物の割合は、一般には
0.02〜20モルである。また、電子供与性有機
化合物を用いる場合、1モルのマグネシウム
系化合物に対する電子供与性有機化合物の割
合は、通常多くとも50モルである。 (5) 精製(後処理) 以上のようにして得られる固体成分は処理
方法において使用される不活性溶媒を用い、
固体成分中に残存するチタン系化合物、マグ
ネシウム系化合物および電子供与性有機化合
物(使用した場合)が洗浄液中に認められな
くなるまで洗浄し、使用した不活性溶媒を除
去することによつて精製される。この洗浄方
法を実施するには上澄液を傾瀉法また過法
により除去する方法のいずれを採用してもよ
い。 以上のようにして得られる固体成分中のチ
タン原子の含有量は、一般には001〜30重量
%である。また、マグネシウム原子の含有量
は0.1〜30重量%であり、ハロゲン原子の含
有量は多くとも90重量%である。 (B) アルキルアルミニウム化合物 アルキルアルミニウム化合物のうち、好適な
ものとしては、その一般式が下式〔()式〕
で示されるものがあげられる。 R4 aAl(OR5)bHcX4 d () ()式において、R4は炭素数が多くとも
15個のアルキル基であり(特に炭素数が多くと
も8個のアルキル基が好ましい)、R5は炭素数
が多くとも15個の脂肪族または芳香族の炭化水
素基であり(とりわけ炭素数が多くとも8個の
炭化水素基が望ましい)、X6はハロゲン原子で
ある。aは0<a≦3であり、bは0≦b<3
であり、cは0≦c<3であり、dは0≦d<
3であり、かつa+b+c+dは3である。 ()式で表わされるアルキルアルミニウム
化合物としては、トリエチルアルミニウム、ト
リブチルアルミニウム、トリイソプロピルアル
ミニウムおよびトリヘキシルアルミニウムのご
ときトリアルキルアルミニウム化合物、トリイ
ソプレニルアルミニウムのごときトリアルケニ
ルアルミニウム化合物、ジエチルアルミニウム
エトキシドおよびジブチルアルミニウムのごと
きジアルキルアルミニウムアルコキシド、エチ
ルアルミニウムセスキエトキシドおよびブチル
アルミニウムブトキシドのごときアルキルアル
ミニウムセスキアルコキシドのほかに、R4 2.5Al
(OR5)0.5などで表わされる平均組成を有する部
分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウ
ム化合物、ジエチルアルミニウムクロライド、
ジブチルアルミニウムクロライドおよびジエチ
ルアルミニウムブロマイドのごときジアルキル
アルミニウムハロゲナイド、エチルアルミニウ
ムセスキクロライド、ブチルアルミニウムセス
キクロライドおよびエチルアルミニウムセスキ
ブロマイドのごときアルキルアルミニウムセス
キハロゲナイド、エチルアルミニウムジクロラ
イド、プロピルアルミニウムジクロライド、ブ
チルアルミニウムジクロライドおよびブチルア
ルミニウムジブロマイドのごときアルキルアル
ミニウムジハロゲナイドなどのように部分的に
ハロゲン化されたアルキルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムヒドリドおよびジブチルアル
ミニウムヒドリドのごときジアルキルアルミニ
ウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリ
ド、プロピルアルミニウムヒドリドおよびブチ
ルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素
化されたアルキルアルミニウムならびにエチル
アルミニウムエトキシクロライド、ブチルアル
ミニウムブトシクロライドおよびエチルアルミ
ニウムエトキシブロマイドのごとき部分的にア
ルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルア
ルミニウムがあげられる。 (C) 環状有機化合物 本発明の固体触媒成分を製造するために使わ
れる環状、有機化合物は環に酸素原子および/
または窒素原子を有する有機化合物および置換
基を有する該環状有機化合物である。この置換
基は炭素数が多くとも16個の脂肪族炭化水素基
および芳香族炭化水素基からえらばれた炭化水
素基およびハロゲン原子があげられる。しか
し、全炭化水素基の炭素数は多くとも32個であ
る。該環状有機化合物のうち、望ましいものの
代表例としては、オキセタン、フラン、テトラ
ヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、2−メ
チルオキソラン、2,5−ジメチルオキソラ
ン、3−メチルオキソラン、ピラン、オキサ
ン、2−メチルオキサン、2,6−ジメチルオ
キサン、モルホリン、2,4,6−トリメチル
オキサン、1,4−ジオキサン、2−メチル−
1,4−ジオキサン、ベンゾフラン、クマラ
ン、ベンゾピラン、クロマン、イソクロメンお
よびイソクロマンのごとき含酸素環状有機化合
物ならびにピリジン、ピリダジン、ピリミジ
ン、ピラジン、トリアジンキノリン、イソキノ
リン、アクリジンおよびベンゾオキサゾールの
ごとき含窒素環状有機化合物があげられる。こ
れらの環状有機化合物は一種のみを用いてもよ
く、また二種以上を併用してもよい。 (D) 固体触媒成分の製造 本発明において使われる固体触媒成分は前記
の固体成分をアルキルアルミニウム化合物およ
び環状有機化合物を使用して処理することによ
つて製造することができる。 (1) 処理割合 該固体触媒成分を製造するにあたり、アル
キルアルミニウム化合物は本発明の触媒系の
重合活性を上昇させる効果を与える。この原
因は明らかではないが、この固体触媒成分中
に多量にとり込まれる環状有機化合物は重合
時に共触媒成分として使用される有機アルミ
ニウム化合物による固体触媒成分の効果的な
活性化を阻害しているものと思われるが、前
記の固体触媒成分の製造のために行なわれる
処理において、アルキルアルミニウム化合物
を使用することにより、効果的に活性化され
た状態の触媒系が構成されているものと考え
られる。 以上のことから、アルキルアルミニウム化
合物の使用は、固体触媒成分の十分な活性化
が得られるだけの量を使用すればよく、該ア
ルキルアルミニウム化合物の使用量は、前記
固体成分中に存在するチタン原子に対してア
ルキルアルミニウム化合物が有する金属−ア
ルキル基結合の比は、一般には等量ないし
500等量であり、特に等量ないし50等量が好
ましい。 また、環状有機化合物は得られる重合体の
分子量分布を狭くする効果をもたらす。特
に、エチレンとα−オレフインとの製造にお
いて、前記したごとく得られる共重合体の密
度分布を狭くする著しい効果を与える。従
来、強い電子供与性有機化合物を用いて処理
した場合、得られる触媒系の重合活性を阻害
すると思われており、特に多量の強い電子供
与性有機化合物による処理は触媒を完全に失
活させるものと考えられていた。しかし、本
発明において使われる固体触媒成分の製造す
る場合では、環状有機化合物が従来の予想と
は全く異なり、触媒系の重合活性を完全には
失活させることなく、上記の著しい効果をも
たらすことを見出したのである。特に、アル
キルアルミニウム化合物を併用することによ
り、多量の環状有機化合物を用いた場合にお
いても、十分に高い活性を示すことを見出し
たのである。 以上のことから、1グラム当量のチタン原
子に対する環状有機化合物の割合は、一般に
は1ないし10000モルであり、1〜1000モル
が望ましく、とりわけ6〜1000モルが好適で
ある。 さらに、アルキルアルミニウム化合物に対
する環状有機化合物の割合は、アルキル金属
が有する金属−アルキル基合に対する環状有
機化合物の比は、一般には1〜10000モルで
あり、1〜1000モルが望ましく、とりわけ6
〜1000モルが好適である。 (2) 処理方法 固体成分をアルキルアルミニウム化合物お
よび環状有機化合物を用いる処理は、一般に
は不活性溶媒中にて実施されるが、処理系が
充分に撹拌することができる状態であれば、
不活性溶媒が存在しない条件下で実施するこ
とも可能である。 また、この処理において、処理物である固
体成分、アルキルアルミニウム化合物および
環状有機化合物は同時に処理してもよく、こ
れらのうちいずれかを処理した後、他の処理
物を処理してもよい。 この処理を不活性溶媒中で実施する場合、
不活性溶媒は前記の固体成分の製造のうち、
接触方法において使用したのと同様の不活性
溶媒を用いればよいし接触方法において使つ
た不活性溶媒と同一でもよく、異性でもよ
い)。 固体成分の製造において使われるマグネシ
ウム系化合物、チタン系化合物および電子供
与性化合物(使用した場合)ならびに接触方
法において用いられる不活性溶媒そして固体
触媒成分の製造において使用される固体成
分、アルキルアルミニウム化合物および環状
有機化合物ならびに不活性溶媒(用いた場
合)はそれぞれ一種のみで使用してもよく、
二種以上併用してもよい。 環状有機化合物と固体成分を接触させるさ
い、粘稠な固着物が生成し、処理系の撹拌が
不可能な状態になる場合には、不活性溶媒と
して芳香族炭化水素を使用することによつて
固着物の生成をさけることができる。 処理温度は、使用する固体成分、アルキル
アルミニウム化合物および環状有機化合物の
種類ならびにそれらの割合、不活性溶媒に対
するこれらの濃度によつて異なるが、一般に
は−20ないし140℃の温度範囲であり、特に
0ないし100℃の温度範囲が好ましい。 また、不活性溶媒を使用する場合、処理濃
度は、1の不活性溶媒に対して環状有機化
合物については、一般には0.01モル以上であ
り、とりわけ0.1モル以上が望ましい。 さらに、処理時間は、前記の処理物の種類
およびそれらの処理割合および不活性溶媒に
対するこれらの割合ならびに処理時間によつ
て異なるが、一般には30分ないし24時間で充
分である。 (3) 精製(後処理) 以上のようにして得られる固体触媒成分は
一般には不活性溶媒を使用して上澄液を傾瀉
する方法または過する方法により、稀釈率
が1/100以上まで洗浄することによつて得る
ことができる。 このようにして精製された固体触媒成分中
のチタン原子の含有量は一般には0.01〜20重
量%である。 この固体触媒成分と後記の有機アルミニウ
ム化合物とから得られる触媒系を用いてエチ
レンを単独重合またはエチレンとα−オレフ
インとを共重合することにより、すぐれた重
合活性を発揮する。さらに、得られる重合体
の分子量分布および密度分布が極めて狭く、
射出成形用として非常に有望である。 (E) 有機アルミニウム化合物 本発明のエチレンの単独重合またはエチレン
とα−オレフインとの共重合において使用され
る有機アルミニウム化合物のうち、代表的なも
のの一般式は下式〔()式、()式および
()式〕で表わされる。 AlR8R9R10 () R11R12Al−O−AlR13R14 () AlR15 1.5X5 1.5 () ()式、()式および()式において、
R8、R9およびR10は同一でも異種でもよく、炭
素数が多くとも12個の脂肪族、脂環族もしくは
芳香族の炭化水素基、ハロゲン原子または水素
原子であるが、それらのうち少なくとも1個は
前記炭化水素基であり、R11、R12、R13および
R14は同一でも異種でもよく、前記炭化水素基
であり、R15は前記炭化水素基であり、X5はハ
ロゲン原子である。 ()式で示される有機アルミニウム化合物
のうち、代表的なものとしては、トリエチルア
ルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ
ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウ
ムおよびトリオクチルアルミニウムのごときト
リアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムハイドライドおよびジイソブチルアルミニウ
ムハイドライドのごときアルキルアルミニウム
ハイドライドならびにジエチルアルミニウムク
ロライド、ジエチルアルミニウムブロマイドが
あげられる。 また、()式で示される有機アルミニウム
化合物のうち、代表的なものとしては、テトラ
エチルジアルモキサンおよびテトラブチルジア
ルモキサンのごときアルキルアルモキサン類が
あげられる。 さらに()で示される有機アルミニウム化
合物のうち、代表的なものとしてはエチルアル
ミニウムセスキクロライドがあげられる。 これらの有機アルミニウム化合物と前記固体
触媒成分とから本発明において使用される触媒
系が得られるけれども、さらにこれらの有機ア
ルミニウム化合物と電子供与性化合物との反応
物または混合物を使用して触媒系を製造しても
よい。 本発明を実施するにあたり、前記固体成分お
よび有機アルミニウム化合物あるいはこれらと
電子供与性有機化合物との反応物または混合物
は反応器(重合器)に別個に導入してもよい
が、それらのうち二種類または全部を事前に混
合してもよい。また、後記の重合のさいの溶媒
として使われる不活性溶媒であらかじめ稀釈し
て使用してもよい。 (F) 重 合 (1) 固体触媒成分および有機アルミニウム化合
物の使用量 本発明の重合を実施するにあたり、前記の
ようにして得られる固体触媒成分および有機
アルミニウム化合物の使用量については制限
はないが、重合に使用される不活性有機溶媒
1あたり、1mg〜1gの固体触媒成分およ
び0.1〜10ミリモルの有機アルミニウム化合
物の使用割合が好ましい。また、有機アルミ
ニウム化合物の使用量は、固体触媒成分に含
まれるチタン金属1原子当量につき、一般に
は1〜1000モルの範囲である。 (2) α−オレフイン 本発明を実施するにさいしてはエチレンを
単独重合してもよく、またエチレンとα−オ
レフインとを共重合してもよい。α−オレフ
インは、末端に二重結合を有する炭化水素で
あり、その炭素数は多くとも12個である。そ
の代表例としては、プロピレン、ブテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1
およびオクテン−1があげられる。本発明に
使用されるブテン−1として、ナフサ分解に
よつて得られる、いわゆるスペントB−B留
分を用いることができる。得られるエチレン
系重合体中に占める上記のα−オレフインの
共重合割合は一般には多くとも30モル%であ
り、20モル%以下が好ましく、特に、15モル
%以下が好適である。 (3) その他の重合条件 重合はエチレン単独またはエチレンとα−
オレフインを不活性溶媒に溶解させて実施さ
れるが、必要に応じて分子量調節剤(一般に
は、水素)を共存させてもよい。 重合温度は、一般には、−10℃ないし200℃
であり、実用的には、室温(20℃)ないし
170℃である。 そのほか、重合溶媒の種類およびエチレン
単独またはエチレンとα−オレフインとに対
する使用割合については、一般のエチレン系
重合体の製造において実施されている条件を
適用すればよい。 さらに、重合反応器の形態、重合の制御
法、後処理方法、重合に使用される不活性有
機溶媒に対する単量体(エチレンまたはエチ
レンことα−オレフイン)の割合および有機
アルミニウム化合物の割合、不活性有機溶媒
の種類ならびに重合終了後の後処理方法など
については、本触媒系固有の制限はなく、公
知のすべての方法を適用することができる。 〔〕 実施例および比較例 以下、実施例によつて本発明をさらにくわしく
説明する。 なお、実施例および比較例において、メルト・
インデツクス(以下「M.I.」と云う)は、JIS K
−6760にしたがい、温度が190℃および荷重が
2.16Kgの条件で測定した。また、ハイ・ロード・
メルト・インデツクス(以下「HLMI」と云う)
はJIS K−6760にしたがい、温度が190℃および
荷重が21.6Kgの条件で測定した。さらに、密度は
JIS K−6760にしたがつて測定した。また、可溶
分は得られた重合体を沸騰している溶媒を用いて
6時間抽出して求められる割合(%)である。 各実施例および比較例において、固体成分およ
び固体触媒成分の製造および重合に使用した各化
合物など(たとえば、不活性溶媒、エチレン、α
−オレフイン、チタン系化合物、マグネシウム系
化合物、アルキルアルミニウム化合物、環状有機
化合物、固体成分、有機アルミニウム化合物)は
あらかじめ実質的に水分を除去したものを使つ
た。また、固体成分および固体触媒成分ならびに
重合は本質的に水分が存在せず、かつ窒素の雰囲
気下で行なつた。 実施例1〜8、比較例1〜8 〔(A)各固体成分および固体触媒成分の製造〕 無水塩化マグネシウム(市販の無水塩化マグネ
シウムを乾燥した窒素気流中で約500℃において
15時間加熱乾燥することによつて得られたもの)
20.0gと4.0gの四塩化チタンとを振動ボールミ
ル用の容器(ステンレス製、円筒型、内容積1
、直径が10mmの磁製ボールミルを見かけ容積で
50%充填)に入れた。これを振幅が6mm、振動数
が30Hzの振動ボールミルに取付け、8時間共粉砕
を行ない、均一状の共粉砕物〔チタン原子含有量
4.25重量%、マグネシウム原子含有量21.0重量
%、塩素原子含有量74.6重量%、以下「固体成分
(1)」と云う〕が得られた。 この固体成分(1)のうち、15.0gを500mlのフラ
スコに入れた後、100mlのトルエンを加えて懸濁
させ、室温(約25℃)において十分に撹拌しなが
ら32mlのピリジン(環状有機化合物として)を2
時間かけて滴下した。滴下終了後、処理系を80℃
に昇温し、この温度において2時間撹拌した。つ
いで、処理系を再び室温に冷却し、13.2mlのジエ
チルアルミニウムヒドライド(アルキルアルミニ
ウム化合物として)のトルエン溶液(濃度1.0モ
ル/)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、
処理系を60℃に昇温し、この温度において2時間
十分に撹拌した。ついで、生成物を含む液を室温
まで冷却し、生成物をn−ヘキサンを用いて十分
に洗浄した(洗浄液中にチタン原子がほぼ認めら
れなくなるまで)後、60℃の温度において減圧下
で3時間乾燥を行なつた。その結果、固体物〔以
下「固体触媒成分(A)」と云う〕が得られた(実施
例1)。 500mlのフラスコに200mlのトルエンを入れた
後、5.0mlの四塩化チタンを加えた。撹拌しなが
ら室温において80.0mlのテトラヒドロフラン(環
状有機化合物として)を3時間かけて滴下した。
滴下終了後、処理系を80℃に昇温した。この温度
において2時間撹拌した後、処理系をほぼ室温ま
で放冷した。45.6mlのトリエチルアルミニウムの
トルエン溶液(濃度1モル/)を2時間かけて
滴下した。滴下終了後、処理系を60℃に昇温し、
2時間撹拌を行なつた。ついで、得られた生成物
の洗浄および乾燥を実施例1と同様に行なつた。
その結果、固体の生成物〔以下「固体触媒成分
(B)」と云う〕が得られた(比較例2)。 実施例1の固体成分(1)の製造において使つた四
塩化チタンのかわりに、2.0gの四塩化ケイ素を
用いたほかは、実施例1と全く同じ条件で共粉砕
を行なつた。得られた共粉砕物のうち、15.0gを
500mlをフラスコに入れ、ついで100mlのn−ヘプ
タンを加え、懸濁させた。この懸濁物を撹拌しな
がら20.0mlの四塩化チタンを添加し、処理系を60
℃に昇温した。この温度において撹拌しながら3
時間反応させた後、ほぼ室温まで放冷した。得ら
れた生成物の一部をn−ヘキサンを用いて十分洗
浄した後、この生成物を60℃において減圧下で3
時間乾燥を行なつた。その結果、固体〔チタン含
有量2.1重量%、以下「固体成分(2)」と云う〕が
得られた。 前記の生成物の残部のうち、10.0gをとり、こ
れに200mlのテトラヒドロフラン(環状有機化合
物として)を室温において4時間かけて適下し
た。滴下終了後、処理系を50℃に昇温し、2時間
撹拌を行なつた。処理系をほぼ室温までに放冷し
た。ついで、42.0mlのトリイソブチルアルミニウ
ム(アルキルアルミニウム化合物として)のトル
エン溶液(濃度1モル/)を2時間にかけて滴
下した後、処理系を50℃に昇温した。この温度に
おいて2時間撹拌を行なつた後、ほぼ室温まで放
冷した。得られた生成物をn−ヘキサンを用いて
十分に洗浄した後、この生成物を実施例1と同様
に洗浄および乾燥を行ない、固体の生成物(以下
「固体触媒成分(C)」と云う〕が得られた(実施例
2)。 500mlのフラスコに50mlのトルエンを入れた後、
実施例1の共粉砕によつて得られたと同様にして
得られた固体成分(1)15.0gを加え。撹拌しながら
50.0mlのテトラヒドロフラン(環状有機化合物と
して)を室温下にて4時間かけて滴下した後、2
時間撹拌を行なつた。ついで、13.0mlのn−ブチ
ルエチルマグネシウム(アルキルアルミニウム化
合物として)のヘプタン溶液(濃度2.0モル/)
を2時間かけて室温にて滴下した。この処理系に
約300mlのn−ヘキサンを加え、よく撹拌した後、
静置し、固体生成物を沈澱させた。上澄液の大部
分を抜き取つた。この操作を5回行なうことによ
つて、抜き取つた液中には、チタン原子が存在し
ないことが認められた。得られた固体生成物を60
℃の温度において減圧下で3時間乾燥を行なうこ
とによつて固体〔以下「固体触媒成分(D)」と云
う〕が得られた(実施例3)。 実施例1の固体触媒成分の製造においてアルキ
ルアルミニウム化合物として使つたジエチルアル
ミニウムヒドライドのトルエン溶液のかわりに、
13.2mlのジエチルアルミニウムクロライドのトル
エン溶液(濃度1.0モル/)を用いたほかは、
実施例1と同様に処理した。得られた生成分を実
施例1と同様に洗浄および乾燥を行なうことによ
つて固体生成物〔以下「固体触媒成分(E)」と云
う〕が得られた(実施例4)。 500mlのフラスコに11.4gのマグネシウムエチ
ラートを入れ、ついで17.0gのチタンテトラブチ
ラートを加えた。処理系を170℃の温度までに加
熱し、この温度において3時間撹拌を行なつた。
処理系をほぼ室温まで放冷し、200mlのヘキサン
を加え、3時間かけて63.5gのエチルアルミニウ
ムジクロライドを滴下した。滴下終了後、処理系
を50℃に上昇させ、この温度において2時間撹拌
を行なつた。処理系をほぼ室温まで放冷し、n−
ヘキサンを用いて生成物を洗浄液中にチタン原子
が認められなくなるまで十分に洗浄した後、実施
例1の固体成分(1)の場合と同様に乾燥した。その
結果、固体の生成物〔以下「固体成分(3)」と云
う〕が得られた。 以上のようにして得られた固体成分(3)のうち、
15.0gを500mlのフラスコに入れた後、100mlのト
ルエンを加えた。処理系を懸濁させ、撹拌しなが
ら50mlのテトラヒドロフランを2時間かけて室温
にて滴下した。滴下終了後、処理系を80℃に昇温
し、この温度にて2時間撹拌を行ない、ほぼ室温
まで放冷したついで、9.0mlのトリイソブチルア
ルミニウム(アルキルアルミニウム化合物とし
て)のトルエン溶液(濃度1.0モル/)を1時
間かけて滴下した。滴下終了後、処理系を60℃に
昇温し、この温度において2時間撹拌を行なつ
た。ついで、処理系をほぼ室温まで放冷した後、
得られた生成物の洗浄および乾燥を行なつた。そ
の結果、固体の生成物〔以下「固体触媒成分(F)」
と云う〕が得られた(実施例5)。 500mlのフラスコに100mlのn−ヘキサンを入
れ、ついで2.0gの実施例1の共粉砕において使
つた塩化マグネシウムを加へ、懸濁させた。撹拌
しながら7.4mlのエチルアルコールを2時間かけ
て滴下した。滴下終了後、室温にて1時間撹拌し
た。この懸濁液に7.1mlのジエチルアルミニウム
クロライドを室温にて時間かけて滴下した後、室
温にて1時間撹拌した。つづいて、23.1mlの四塩
化チタンを加えた後、処理系を70℃に昇温し、こ
の温度において3時間撹拌を行なつた。得られた
固体の生成分を実施例1の固体成分(1)の場合と同
様に洗浄および乾燥を行ない、固体の生成物〔以
下「固体成分(4)」と云う〕が得られた。 以上のようにして得られた固体成分(4)のうち、
2.0gをさらに500mlのフラスコに入れ、100mlの
トルエンを加えて懸濁させた。この懸濁液に50.0
mlのジオキサン(環状有機化合物として)を2時
間かけて滴下した。 滴下終了後、処理系を80℃に昇温し、この温度
において2時間撹拌した。ついで、ほぼ室温まで
放冷し、9.0mlのジエチルアルミニウムクロライ
ドのトルエン溶液(濃度1.0モル/)を1時間
かけて滴下した。滴下終了後、処理系を60℃に昇
温し、この温度にて2時間撹拌した後、ほぼ室温
まで放冷した。得られた生成物の洗浄および乾燥
を実施例1と同様に行ない、固体の生成物〔以下
「固体触媒成分(G)」と云う〕が得られた(実施例
6)。 実施例1において使用した塩化マグネシウム
18.1g、1.9gの三塩化チタンおよび2.9の四塩化
ケイ素を実施例1の共粉砕と同様に8時間共粉砕
を行なつた。得られた共粉砕物をn−ヘキサンを
用いて洗浄液中にチタン原子が認められなくなる
まで洗浄した後、固体の生成物を60℃の温度にお
いて減圧下で3時間乾燥を行なつた。その結果、
固体が得られた〔以下「固体成分(5)」と云う〕が
得られた。 以上のようにして得られた固体成分(5)のうち、
15.0gを500mlのフラスコに入れた後、50mlのテ
トラヒドロフランを撹拌しながら室温にて2時間
かけて滴下した。滴下終了後、処理系を80℃に昇
温させ、この温度において2時間撹拌を行なつ
た。処理系をほぼ室温まで放冷した後、7.0mlの
ジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液
(濃度1.0モル/)を1時間かけて滴下した。滴
下終了後、処理系を60℃に昇温させ、この温度に
おいて2時間撹拌を行なつた。ついで、処理系を
ほぼ室温まで放冷させ、得られる固体の洗浄およ
び乾燥を実施例1と同様に行なつた。その結果、
固体の生成物〔以下「固体触媒成分(H)」と云う〕
が得られた(実施例7)。 実施例1と共粉砕と同様にして得られた固体成
分(1)10.0gを500mlのフラスコに入れ、30mlのト
ルエンを加えて懸濁させた。撹拌しながら30.0ml
のテトラヒドロフランを室温にて2時間かけて滴
下した。滴下終了後、処理系を80℃に昇温させ、
この温度において2時間撹拌を行なつた。つい
で、ほぼ室温まで放冷させ、12.7mlのn−ブチル
マグネシウムクロライドのエチルエーテル溶液
(濃度1.0モル/)を1時間かけて滴下した。滴
下終了後、処理系を60℃に昇温させ、2時間撹拌
を行なつた。ついで、ほぼ室温まで処理物を放冷
させた。ついで、実施例1と同様に洗浄および乾
燥を行ない、固体の生成物〔以下「固体触媒成分
(J)」と云う〕が得られた(実施例8)。 実施例1の固体触媒成分(A)の製造においてアル
キルアルミニウム化合物として使つたジエチルア
ルミニウムヒドライドを使用しなかつたほかは、
実施例1と同様に触媒成分〔以下「固体触媒成分
(K)」と云う〕を製造した(比較例7)。 実施例1の固体触媒成分(A)の製造において環状
有機化合物として使つたピリジンを用いず、また
アルキルアルミニウム化合物として使用したジエ
チルアルミニウムヒドライドのトルエン溶液のか
わりに、13.2mlのトリエチルアルミニウムのトル
エン溶液(濃度1.0モル/)を使つたほかは、
実施例1と同じ条件で触媒成分〔以下「固体触媒
成分(L)」と云う〕を製造した(比較例8)。 実施例1の固体成分(1)の製造に用いた無水塩化
マグネシウムを18.1g、1.9gのAA型三塩化チタ
ンおよび1.9gの四塩化チタンを使用し、実施例
1の固体成分(1)の製造の場合と同様に8時間共粉
砕を行なつた。得られた共粉砕物をn−ヘキサン
を使つて洗浄液中にチタン原子が認められなくな
るまで洗浄した。この共粉砕物を60℃において減
圧下で3時間乾燥を行なつた。 この乾燥した共粉砕物のうち、15gを500mlの
フラスコに入れ、撹拌しながら25℃の温度におい
て1000mlのジエチルエーテルを2時間かけて滴下
した。この温度において2時間撹拌した後、14.0
mlのトリエチルアルミニウムにトルエン溶液(濃
度1.0モル/)を2時間かけて滴下した。さら
に、この温度において2時間撹拌を行なつた。以
上のようにして得られた固体の生成物の洗浄およ
び乾燥を実施例1と同様に行ない、固体の生成物
〔以下「固体触媒成分(M)」と云う〕が得られた
(比較例12)。 〔(B)エチレンの単独重合〕 3.0のステンレス製の各オートクレーブに主
触媒として以上のようにして得られた固体触媒成
分(A)ないし(L)または固体成分(1)ないし(5)をそれぞ
れ第1−1表に示す量を入れ、さらにそれぞれ
0.54gのトリエチルアルミニウム(有機アルミニ
ウム化合物として助触媒)を加え、不活性溶媒と
して1Kgのイソブタンをさらに添加した。つい
で、各オートクレーブを閉じ、内温を第1−1表
に示す温度に昇温した。つぎに、第1−1表に示
す量の水素を加え、さらにそれぞれ3.5Kg/cm2
(ゲージ圧)のエチレンを送入し、エチレン分圧
が3.5Kg/cm2となるように保ちながら第1−1表
に示す温度にてそれぞれ2時間エチレンの単独重
合を行なつた。ついで、内容ガスを系外に放出し
て重合を終結した。得られた各エチレンの単独重
合体を60℃にて減圧下で12時間乾燥を行ななつ
た。各単独重合体の収量および計算によつて求め
た重合活性を第1−1表に示す。また、各単独重
合体のM.I.、HLMI、w、n、かさ密度およ
び可溶分(溶媒としてシクロヘキサンを使用)を
測定した。それらの結果ならびに計算によつて求
めたHLMI/M.I.およびw/Mnを第1−2表
に示す。
重合またはエチレンとα−オレフインとを共重合
させることを特徴とするエチレン系重合体の製造
方法に関する。さらにくわしくは、(A)少なくとも
マグネシウム原子、ハロゲン原子およびチタン原
子を含有する固体成分を(1)アルキルアルミニウム
化合物および(2)環状有機化合物を使用して処理す
ることにより得られる固体触媒成分ならびに(B)有
機アルミニウム化合物から得られる触媒系を用い
てエチレンを単独重合またはエチレンとα−オレ
フインとを共重合させることを特徴とするエチレ
ン系重合体の製造方法に関するものであり、該触
媒系が、エチレン系重合体の製造後において重合
体中に残存する触媒残渣の除去工程が不要である
程に高活性であり、分子量分布が狭く、射出成形
に適し、かつ粉体性状がすぐれているエチレン系
重合体を製造することを目的とするものである。 〔〕 発明の背景 従来より、マグネシウム原子、ハロゲン原子お
よびチタン原子を含有する固体触媒成分と有機ア
ルミニウム化合物とから得られる触媒系は高活性
なオレフイン重合触媒であることは知られてい
る。 上記の触媒系を用いてエチレンを単独重合また
はエチレンとα−オレフインとを共重合した場
合、得られるエチレン系重合体は、その分子量分
布が狭いと報告されており、一般的には分子量分
布を拡げる努力が多くなされている。しかしなが
ら、分子量分布が狭いとされている触媒系を用い
てエチレンを単独重合することによつて得られる
重合体においても、溶媒(たとえば、シクロヘキ
サン)を用いて溶媒抽出を行なつた場合、相当量
の抽出分(極低分子量重合体)が存在する。これ
らの極低分子量重合体の存在は、重合体を成形す
るさい、発煙、メヤニまたは悪臭の発生となると
ともに、重合体を製造する時にフアウリング(器
壁との付着現象)やブリツジングの原因となる。 上記のごとき現象はエチレンとα−オレフイン
とを共重合させて得られる共重合体においてさら
に顕著となる。とりわけ、エチレンと比較的に多
量のα−オレフインとを共重合することによつて
得られる中密度ポリエチレンおよび低密度ポリエ
チレンおいては、シクロヘキサンまたはn−ヘキ
サンなどの溶媒による抽出分が増大する。該抽出
分は極低分子量重合体と極低密度重合体とから構
成されており、共重合時に生ずる密度分布(分枝
度分布)の広さにより極低密度部の存在量が決定
される。 〔〕 発明の構成 以上のことから、本発明者は、上記のような問
題点がなくエチレン系重合体を製造することが可
能であり、かつ前記のごとき問題(該重合体の成
形時も含めて)を有さない重合体を得ることにつ
いて種々探索した結果、 (A) 「少なくともマグネシウム原子、ハロゲン原
子およびチタン原子を含有する固体成分」(以
下「固体成分」と云う)を (1) アルキルアルミニウム化合物および (2) 酸素原子および/または窒素原子を環に含
む四員環ないし八員環の環状有機化合物」
(以下「環状有機化合物」と云う) を使用して処理することにより得られる固体触
媒成分 ならびに (B) 有機アルミニウム化合物 から得られる触媒系を用いてエチレンを単独重合
またはエチレンとα−オレフインとを共重合させ
ることにより、 これらの問題点がすべて改良されたエチレン系
重合体が得られることを見出し、本発明に到達す
ることができた。 〔〕 発明の効果 本発明のもたらす効果のうち、最も特徴のある
効果は、得られる重合体の分子量分布が著しく狭
く〔w/nおよびHLMI/M.I.(HLMIおよ
びM.I.の測定方法は後に述べる)が非常に小さ
い)、その結果、得られる重合体中の一般に“ロ
ーポリマー”と呼ばれる極低分子量重合体の含有
量を著しく減少させることである。たとえば、比
較例1において示されているごとく、固体成分と
有機アルミニウム化合物とから得られる触媒系を
用いて製造された重合体のHLMI/M.I.の比は41
であるが、後記の実施例1に示されているように
該触媒成分のかわりに、この固体成分をアルキル
アルミニウム化合物および環状有機化合物を用い
て処理することによつて得られる固体触媒成分を
用いることにより、得られる重合体のHLMI/
M.Iの比は24と著しく減少する。その結果、重合
体中の極低分子量重合体の量を示すシクロヘキサ
ン抽出量は0.28%まで低下する。この効果は、エ
チレンとα−オレフインとの共重合の場合におい
て、さらに絶大な効果を発揮する。後記の実施例
と比較例との比較から、エチレンとα−オレフイ
ンとの共重合体の溶媒抽出の結果は、本発明の方
法において使われる固体触媒成分を用いた場合、
得られる共重合体中のn−ヘキサン抽出物の量が
著しく減少していることが認められる。エチレン
とα−オレフインとの共重合体中の溶媒抽出物の
量は該共重合体の密度の低下(すなわち、α−オ
レフインの共重合割合の増加)にともない増大す
るため、従来の重合方法においては、重合溶媒へ
極低分子量重合体および極低密度重合体(溶媒抽
出物)の溶出量が増大し、その結果使用したモノ
マーに対して得られる重合体の生成量が低下す
る。その上、低密度のエチレン系重合体を製造す
ることが困難となる。 後記の実施例および比較例において、生成され
たエチレン系重合体のM.I.および密度がほぼ同じ
であるサンプルについて溶媒抽出物の量の差を示
したが、エチレン単独重合体の溶媒抽出物は極低
分子量重合体から成り立つているが、エチレンと
α−オレフインとの共重合体の抽出物は主として
極低密度重合体であり、本発明の方法を適用する
ことによつてn−ヘキサン抽出物の量を減少する
ことができることは、本発明の方法が得られる共
重合体の密度分布を狭くしたためと思われ、従来
において見られなかつた著しい効果を見出したの
である。 この効果は、本発明において使用される触媒系
がプロピレンのごときα−オレフインの単独重合
において、重合活性をほとんど有しないのにもか
かわらず、エチレンの単独重合またはエチレンと
α−オレフインとの共重合において、高い重合活
性を発現する特異的な性能を有する触媒系を見出
したことに基づくものである。 以上のことは、エチレンとα−オレフインとの
共重合において、α−オレフインが選択的に規則
正しく入るため、従来の重合方法と比較して、著
しく密度分布の狭い共重合体が得られているもの
と考えられる。 また、本発明の第二の特徴的な効果は、マグネ
シウム化合物を含まないチタン化合物(たとえ
ば、四塩化チタン)を同様に処理すると、得られ
る触媒系の重合活性が消滅してしまうにもかかわ
らず、本発明において使用される触媒系を用いて
エチレンを単独重合またはエチレンとα−オレフ
インとを共重合した場合、該触媒系は高い重合活
性を示している。 さらに、本発明の付随的な効果として、重合粉
体の性状がすぐれ、特にかさ密度が高い。この原
因については明らかではないが、重合溶媒中で生
成重合体の膨潤度が小さいために粉体性状が改善
され、かさ密度の向上をもたらすためではないか
と思われる。 以上の本発明の特徴的な効果を総合すれば、本
発明による重合方法は、得られるエチレン系重合
体の分子量分布が狭く、極低分子量重合体および
極低密度重合体の含有量が極めて僅かである。し
たがつて、射出成形に最も適しており、その成形
時においても、発煙、メヤニまたは悪臭の発生が
ほとんどない。さらに、該重合体の製造において
も、フアウリングやブリツジングなどの現象がほ
とんど発生しないため、支障なく重合を行なうこ
とができる。また、触媒系の重合活性が高いた
め、重合後得られる重合体に残存する触媒残渣の
除去および触媒残渣の不活性化のごとき後処理を
省略するか、あるいは極めて簡単な後処理を行な
うことによつて通常の使用に供しうる重合体を得
ることができる。 〔〕 発明の具体的説明 (A) 固体成分 本発明の固体触媒成分を製造するために使わ
れる固体成分はマグネシウム原子、ハロゲン原
子およびチタン原子を含有するものである。該
固体成分はマグネシウムを含有する化合物とチ
タンの三価および/または四価のチタン化合物
とを処理することによつて得られるものであ
る。この処理のさい、マグネシウム化合物とチ
タン化合物のみを処理してもよいが、マグネシ
ウム系化合物と電子供与性有機化合物などの化
合物とをあらかじめ処理し、得られる処理物と
チタン系化合物とを処理してもよい。また、マ
グネシウム系化合物とチタン系化合物および電
子供与性有機化合物などの化合物とを処理して
もよい(同時に処理してもよく、別々に処理し
てもよい)。さらに、マグネシウム系化合物と
電子供与性有機化合物などの化合物とをあらか
じめ処理し、得られる処理物とチタン系化合物
および電子供与性有機化合物などの化合物とを
処理してもよい。 (1) マグネシウム系化合物 該固体成分を製造するために用いられるマ
グネシウム系化合物の好ましいものとして
は、下式〔()式および()式〕で示さ
れるマグネシウム系化合物ならびに酸化マグ
ネシウムおよび水酸化マグネシウムがあげら
れる。 Mg(OR1)nX1 2-n () MgR2 oX2 2-o () ()式および()式において、mは
0、1または2であり、nは1または2であ
る。R1およびR2は水素原子または炭素数が
多くとも16個の脂肪族炭化水素基、脂環族炭
化水素基および芳香炭化水素基からなる群か
らえらばれた炭化水素基であり、X1および
X2はハロゲン原子である。()式および
()式において、R1およびR2は水素原子ま
たは炭素数が多くとも12個のアルキルおよび
フエニル基が好適であり、X1およびX2は塩
素原子、臭素原子およびよう素原子が望まし
く、とりわけ塩素原子および臭素原子が好適
である。 ()式で示されるマグネシウム系化合物
のうち、好適なものの代表例としては、塩化
マグネシウム、臭化マグネシウム、マグネシ
ウムエチラート、マグネシウムブチラートお
よびヒドロキシマグネシウムクロライドがあ
げられる。また()式で示されるマグネシ
ウム系化合物のうち、好適なものの代表例と
しては、ブチルエチルマグネシウム、ジブチ
ルマグネシウム、エチルマグネシウムクロラ
イド、ブチルマグネシウムクロライド、フエ
ニルマグネシウムクロライド、エチルマグネ
シウムプロマイド、ブチルマグネシウムブロ
マイドおよびフエニルマグネシウムブロマイ
ドがあげられる。 (2) チタン系化合物 また、固体触媒を製造するために使用され
るチタン系化合物は三価および/または四価
のチタンを含有する化合物である。その代表
例としては、()式で示される四価のチタ
ン系化合物ならびに四塩化チタンを金属(た
とえば、金属チタン、金属アルミニウム)、
水素または有機金属(たとえば、アルミニウ
ム、マグネシウム、亜鉛)化合物を用いて還
元することによつて得られる三塩化チタンお
よび三塩化チタンの共晶体があげられる。 Ti(OR3)lX3 4-l () ()式において、lは0または1ないし
4であり、R3は炭素数が多くとも12個の脂
肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基および芳
香族炭化水素基からなる群からえらばれた炭
化水素基である。()式において、R3は炭
素数が多くとも6個のアルキル基が好適であ
り、X3は塩素原子または臭素原子が好まし
く、特に塩素原子が好適である。 ()式で示される四価のチタン系化合物
のうち、好適なものの代表例としては、四塩
化チタン、メトキシチタントリクロライド、
エトキシチタントリクロライド、ブトキシチ
タントリクロライド、ジメトキシチタンジク
ロライド、ジエトキシチタンジクロライド、
トリエトキシチタントリクロライド、テトラ
エトキシおよびテトラブトキシチタンがあげ
られる。 (3) 電子供与性有機化合物など 本発明において用いられる固体成分を製造
するにあたり、電子供与性有機化合物ならび
に後記の無機化合物および有機化合物のごと
き化合物はかならずしも必要とはしないが、
さらに、固体成分を製造するさいに電子供与
性有機化合物は少なくとも一個の極性基を有
する有機化合物であり、一般にはルイス塩基
と呼ばれているものを使用してもよい。この
電子供与性有機化合物はオレフイン系重合用
触媒を得るために重合活性、結晶性などの改
質剤としてよく知られているものである。該
電子供与性有機化合物の代表例としては、飽
和または不飽和の脂肪族、脂環族もしくは芳
香族の下記の化合物があげられる。なお、そ
の化合物としては、鎖状または環状のエーテ
ル系化合物〔炭素数が多くとも24個のものが
好適である(たとえば、ジエチルエーテル、
ジ−n−ブチルエーテル、ジ−イソアミルエ
ーテル、ジヘキシルエーテル、エトキシベン
ゼン、ジフエニルエーテル)〕、カルボン酸系
化合物〔炭素数が多くとも18個のものが好適
である(たとえば、安息香酸、ラク酸、酢
酸、ステアリン酸)〕、一価または多価のアル
コール系化合物もしくはフエノール系化合物
〔炭素数が多くとも18個のものが好適である
(たとえば、エチルアルコール、n−ブチル
アルコールフエノール、P−メチルフエノー
ル、エチレングリコール)〕、前記カルボン酸
系化合物の無水物(たとえば、無水酢酸、無
水フタル酸、無水安息香酸)〕、前記カルボン
酸系化合物とアルコール系化合物もしくはフ
エノール系化合物とから得られるエステル系
化合物(たとえば、安息香酸エチル、γ−ブ
チロラクトン、酢酸フエニル、酢酸エチル、
安息香酸ブチル)、アルデヒド系化合物〔炭
素数が多くとも18個のものが好適である(た
とえば、ベンズアルデヒド、ブチルアルデヒ
ド、アクリルアルデヒド、シンナムアルデヒ
ド)〕、ケトン系化合物〔全炭素数が多くとも
24個のものが好適である(たとえば、アセト
ン、ベンゾフエノン、アセトンフエノン、シ
クロヘキサノン)〕、前記カルボン酸のハライ
ド系化合物(たとえば、塩化アセチル、塩化
ベンゾイル、臭化ベンゾイル、塩化シクロヘ
キサンカルボニル)、炭素原子を多くとも24
個のケイ酸エステル系化合物(たとえば、テ
トラメチルシリケート、テトラエチルシリケ
ート、テトラクレジルシリケート、トリクロ
ルメチルシリケート)〕モノまたはポリシロ
キサン〔全ケイ素が多くとも1000個のものが
好適である〕、アミン系化合物〔全炭素数が
多くとも36個のものが好適である(たとえ
ば、トリブチルアミン、ジブチルアミン、ア
ニリン、N,N−ジメチルアニリン)〕、アミ
ド系化合物〔全炭素数が多くとも36個のもの
が好適である(たとえば、N,N−ジメチル
ベンズアミド、アセトアミド、NN−ジメチ
ルヘキサンアミド)〕、りん酸エステル系化合
物または亜りん酸エステル系化合物〔炭素数
が多くとも24個のものが好適である(たとえ
ば、亜りん酸トリエチル、亜りん酸トリブチ
ル、亜りん酸トリフエル、ジフエニルりん酸
クロライド、りん酸トリエチル、りん酸トリ
フエニル)〕などがあげられる。 また、固体成分を製造するために用いられ
る電子供与性有機化合物以外の化合物は該固
体成分の触媒毒ではないものであれば、いず
れの化合物を使用してもよい。 これらの化合物のうち、無機化合物として
は、周期律表の第族ないし第族のハロゲ
ン化物(たとえば、アルミニウム、ケイ素、
亜鉛のハロゲン化物)硫酸塩、硝酸塩、亜硫
酸塩、亜硝酸塩などがあげられる。 (4) 処理方法 前記固体成分を製造するために、前記マグ
ネシウム系化合物とチタン系化合物あるいは
これらの化合物と電子供与性有機化合物など
の化合物を処理する方法としてはこれらの化
合物を機械的に粉砕する方法(以下「共粉砕
方法」と云う)および不活性溶媒中でまたは
不活性溶媒の不存在下(処理物が液状の場
合)にて接触させる方法などがあげられる。 共粉砕方法はオレフイン重合用固体触媒成
分を製造するためにマゲネシウム系化合物と
チタン系化合物あるいはこれらの化合物と電
子供与性有機化合物とを共粉砕させる通常行
なわれている方法を適用すればよい。一般に
は、ボールミル、振動ボールミル、衝撃式粉
砕機およびコロイドミルのごとき粉砕機を使
用し、不活性ガス(たとえば、窒素、アルゴ
ン)の雰囲気下で室温付近において共粉砕す
ればよい。通常、冷却などの処置などを行な
わなくてもよいが、この共粉砕によつて発熱
が著しい場合には、操作の便宜上のために冷
却してもよい。共粉砕に要する時間は粉砕機
の性能などによつて一概に規定することはで
きないが、少なくとも被粉砕物が使用に耐え
得るまで細くすることが必要である。得られ
る被粉砕物はほとんど完全に均一な状態でな
くても使用することができるが、均一な状態
であることが好ましい。したがつて、共粉砕
時間は一般には5分ないし24時間である。 また、接触方法のうち、共粉砕方法以外の
方法は、不活性溶媒の存在下または不存在下
(処理物のうち一種が液状物であり、液状と
して撹拌が可能な場合)で処理する方法であ
る。この処理において使われる不活性溶媒は
乾燥した(水分を含まない)ものであり、そ
の代表例としては、沸点が10〜300℃の脂肪
族炭化水素(たとえば、n−ヘキサン、n−
ヘプタン、n−オクタン)、脂環族炭化水素
(たとえば、シクロヘキサン、ジメチルシク
ロヘキサン)、芳香族炭化水素(たとえば、
ベンゼン、トルエン、キシレン)およびこれ
らの炭化水素のハロゲン化物(たとえば、四
塩化炭化水素、トリクロルエチレン、クロル
ベンゼン)があげられる。 この処理において、以上のように不活性溶
媒中にて処理することができるけれども、前
記した電子供与性化合物、チタン系化合物お
よびマグネシウム系化合物のうち、少なくと
も一種が液状物であり、液状として撹拌が可
能な場合には、不活性溶媒の不存在下で処理
することもできる。 この接触方法において、処理系中の1の
液状物に対する固体物の割合は多くとも500
gである。 また、接触温度は接触物の種類および割
合、接触時間ならびにその他の条件によつて
異なるが、通常室温(20℃)ないし250℃で
ある。接触時間は接触物の種類および割合、
接触温度ならびにその他の条件によつて異な
るが、一般に5分ないし24時間である。 以上の共粉砕方法および接触方法のいずれ
の場合でも、1モルのマグネシウム系化合物
に対するチタン系化合物の割合は、一般には
0.02〜20モルである。また、電子供与性有機
化合物を用いる場合、1モルのマグネシウム
系化合物に対する電子供与性有機化合物の割
合は、通常多くとも50モルである。 (5) 精製(後処理) 以上のようにして得られる固体成分は処理
方法において使用される不活性溶媒を用い、
固体成分中に残存するチタン系化合物、マグ
ネシウム系化合物および電子供与性有機化合
物(使用した場合)が洗浄液中に認められな
くなるまで洗浄し、使用した不活性溶媒を除
去することによつて精製される。この洗浄方
法を実施するには上澄液を傾瀉法また過法
により除去する方法のいずれを採用してもよ
い。 以上のようにして得られる固体成分中のチ
タン原子の含有量は、一般には001〜30重量
%である。また、マグネシウム原子の含有量
は0.1〜30重量%であり、ハロゲン原子の含
有量は多くとも90重量%である。 (B) アルキルアルミニウム化合物 アルキルアルミニウム化合物のうち、好適な
ものとしては、その一般式が下式〔()式〕
で示されるものがあげられる。 R4 aAl(OR5)bHcX4 d () ()式において、R4は炭素数が多くとも
15個のアルキル基であり(特に炭素数が多くと
も8個のアルキル基が好ましい)、R5は炭素数
が多くとも15個の脂肪族または芳香族の炭化水
素基であり(とりわけ炭素数が多くとも8個の
炭化水素基が望ましい)、X6はハロゲン原子で
ある。aは0<a≦3であり、bは0≦b<3
であり、cは0≦c<3であり、dは0≦d<
3であり、かつa+b+c+dは3である。 ()式で表わされるアルキルアルミニウム
化合物としては、トリエチルアルミニウム、ト
リブチルアルミニウム、トリイソプロピルアル
ミニウムおよびトリヘキシルアルミニウムのご
ときトリアルキルアルミニウム化合物、トリイ
ソプレニルアルミニウムのごときトリアルケニ
ルアルミニウム化合物、ジエチルアルミニウム
エトキシドおよびジブチルアルミニウムのごと
きジアルキルアルミニウムアルコキシド、エチ
ルアルミニウムセスキエトキシドおよびブチル
アルミニウムブトキシドのごときアルキルアル
ミニウムセスキアルコキシドのほかに、R4 2.5Al
(OR5)0.5などで表わされる平均組成を有する部
分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウ
ム化合物、ジエチルアルミニウムクロライド、
ジブチルアルミニウムクロライドおよびジエチ
ルアルミニウムブロマイドのごときジアルキル
アルミニウムハロゲナイド、エチルアルミニウ
ムセスキクロライド、ブチルアルミニウムセス
キクロライドおよびエチルアルミニウムセスキ
ブロマイドのごときアルキルアルミニウムセス
キハロゲナイド、エチルアルミニウムジクロラ
イド、プロピルアルミニウムジクロライド、ブ
チルアルミニウムジクロライドおよびブチルア
ルミニウムジブロマイドのごときアルキルアル
ミニウムジハロゲナイドなどのように部分的に
ハロゲン化されたアルキルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムヒドリドおよびジブチルアル
ミニウムヒドリドのごときジアルキルアルミニ
ウムヒドリド、エチルアルミニウムジヒドリ
ド、プロピルアルミニウムヒドリドおよびブチ
ルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素
化されたアルキルアルミニウムならびにエチル
アルミニウムエトキシクロライド、ブチルアル
ミニウムブトシクロライドおよびエチルアルミ
ニウムエトキシブロマイドのごとき部分的にア
ルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルア
ルミニウムがあげられる。 (C) 環状有機化合物 本発明の固体触媒成分を製造するために使わ
れる環状、有機化合物は環に酸素原子および/
または窒素原子を有する有機化合物および置換
基を有する該環状有機化合物である。この置換
基は炭素数が多くとも16個の脂肪族炭化水素基
および芳香族炭化水素基からえらばれた炭化水
素基およびハロゲン原子があげられる。しか
し、全炭化水素基の炭素数は多くとも32個であ
る。該環状有機化合物のうち、望ましいものの
代表例としては、オキセタン、フラン、テトラ
ヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、2−メ
チルオキソラン、2,5−ジメチルオキソラ
ン、3−メチルオキソラン、ピラン、オキサ
ン、2−メチルオキサン、2,6−ジメチルオ
キサン、モルホリン、2,4,6−トリメチル
オキサン、1,4−ジオキサン、2−メチル−
1,4−ジオキサン、ベンゾフラン、クマラ
ン、ベンゾピラン、クロマン、イソクロメンお
よびイソクロマンのごとき含酸素環状有機化合
物ならびにピリジン、ピリダジン、ピリミジ
ン、ピラジン、トリアジンキノリン、イソキノ
リン、アクリジンおよびベンゾオキサゾールの
ごとき含窒素環状有機化合物があげられる。こ
れらの環状有機化合物は一種のみを用いてもよ
く、また二種以上を併用してもよい。 (D) 固体触媒成分の製造 本発明において使われる固体触媒成分は前記
の固体成分をアルキルアルミニウム化合物およ
び環状有機化合物を使用して処理することによ
つて製造することができる。 (1) 処理割合 該固体触媒成分を製造するにあたり、アル
キルアルミニウム化合物は本発明の触媒系の
重合活性を上昇させる効果を与える。この原
因は明らかではないが、この固体触媒成分中
に多量にとり込まれる環状有機化合物は重合
時に共触媒成分として使用される有機アルミ
ニウム化合物による固体触媒成分の効果的な
活性化を阻害しているものと思われるが、前
記の固体触媒成分の製造のために行なわれる
処理において、アルキルアルミニウム化合物
を使用することにより、効果的に活性化され
た状態の触媒系が構成されているものと考え
られる。 以上のことから、アルキルアルミニウム化
合物の使用は、固体触媒成分の十分な活性化
が得られるだけの量を使用すればよく、該ア
ルキルアルミニウム化合物の使用量は、前記
固体成分中に存在するチタン原子に対してア
ルキルアルミニウム化合物が有する金属−ア
ルキル基結合の比は、一般には等量ないし
500等量であり、特に等量ないし50等量が好
ましい。 また、環状有機化合物は得られる重合体の
分子量分布を狭くする効果をもたらす。特
に、エチレンとα−オレフインとの製造にお
いて、前記したごとく得られる共重合体の密
度分布を狭くする著しい効果を与える。従
来、強い電子供与性有機化合物を用いて処理
した場合、得られる触媒系の重合活性を阻害
すると思われており、特に多量の強い電子供
与性有機化合物による処理は触媒を完全に失
活させるものと考えられていた。しかし、本
発明において使われる固体触媒成分の製造す
る場合では、環状有機化合物が従来の予想と
は全く異なり、触媒系の重合活性を完全には
失活させることなく、上記の著しい効果をも
たらすことを見出したのである。特に、アル
キルアルミニウム化合物を併用することによ
り、多量の環状有機化合物を用いた場合にお
いても、十分に高い活性を示すことを見出し
たのである。 以上のことから、1グラム当量のチタン原
子に対する環状有機化合物の割合は、一般に
は1ないし10000モルであり、1〜1000モル
が望ましく、とりわけ6〜1000モルが好適で
ある。 さらに、アルキルアルミニウム化合物に対
する環状有機化合物の割合は、アルキル金属
が有する金属−アルキル基合に対する環状有
機化合物の比は、一般には1〜10000モルで
あり、1〜1000モルが望ましく、とりわけ6
〜1000モルが好適である。 (2) 処理方法 固体成分をアルキルアルミニウム化合物お
よび環状有機化合物を用いる処理は、一般に
は不活性溶媒中にて実施されるが、処理系が
充分に撹拌することができる状態であれば、
不活性溶媒が存在しない条件下で実施するこ
とも可能である。 また、この処理において、処理物である固
体成分、アルキルアルミニウム化合物および
環状有機化合物は同時に処理してもよく、こ
れらのうちいずれかを処理した後、他の処理
物を処理してもよい。 この処理を不活性溶媒中で実施する場合、
不活性溶媒は前記の固体成分の製造のうち、
接触方法において使用したのと同様の不活性
溶媒を用いればよいし接触方法において使つ
た不活性溶媒と同一でもよく、異性でもよ
い)。 固体成分の製造において使われるマグネシ
ウム系化合物、チタン系化合物および電子供
与性化合物(使用した場合)ならびに接触方
法において用いられる不活性溶媒そして固体
触媒成分の製造において使用される固体成
分、アルキルアルミニウム化合物および環状
有機化合物ならびに不活性溶媒(用いた場
合)はそれぞれ一種のみで使用してもよく、
二種以上併用してもよい。 環状有機化合物と固体成分を接触させるさ
い、粘稠な固着物が生成し、処理系の撹拌が
不可能な状態になる場合には、不活性溶媒と
して芳香族炭化水素を使用することによつて
固着物の生成をさけることができる。 処理温度は、使用する固体成分、アルキル
アルミニウム化合物および環状有機化合物の
種類ならびにそれらの割合、不活性溶媒に対
するこれらの濃度によつて異なるが、一般に
は−20ないし140℃の温度範囲であり、特に
0ないし100℃の温度範囲が好ましい。 また、不活性溶媒を使用する場合、処理濃
度は、1の不活性溶媒に対して環状有機化
合物については、一般には0.01モル以上であ
り、とりわけ0.1モル以上が望ましい。 さらに、処理時間は、前記の処理物の種類
およびそれらの処理割合および不活性溶媒に
対するこれらの割合ならびに処理時間によつ
て異なるが、一般には30分ないし24時間で充
分である。 (3) 精製(後処理) 以上のようにして得られる固体触媒成分は
一般には不活性溶媒を使用して上澄液を傾瀉
する方法または過する方法により、稀釈率
が1/100以上まで洗浄することによつて得る
ことができる。 このようにして精製された固体触媒成分中
のチタン原子の含有量は一般には0.01〜20重
量%である。 この固体触媒成分と後記の有機アルミニウ
ム化合物とから得られる触媒系を用いてエチ
レンを単独重合またはエチレンとα−オレフ
インとを共重合することにより、すぐれた重
合活性を発揮する。さらに、得られる重合体
の分子量分布および密度分布が極めて狭く、
射出成形用として非常に有望である。 (E) 有機アルミニウム化合物 本発明のエチレンの単独重合またはエチレン
とα−オレフインとの共重合において使用され
る有機アルミニウム化合物のうち、代表的なも
のの一般式は下式〔()式、()式および
()式〕で表わされる。 AlR8R9R10 () R11R12Al−O−AlR13R14 () AlR15 1.5X5 1.5 () ()式、()式および()式において、
R8、R9およびR10は同一でも異種でもよく、炭
素数が多くとも12個の脂肪族、脂環族もしくは
芳香族の炭化水素基、ハロゲン原子または水素
原子であるが、それらのうち少なくとも1個は
前記炭化水素基であり、R11、R12、R13および
R14は同一でも異種でもよく、前記炭化水素基
であり、R15は前記炭化水素基であり、X5はハ
ロゲン原子である。 ()式で示される有機アルミニウム化合物
のうち、代表的なものとしては、トリエチルア
ルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ
ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウ
ムおよびトリオクチルアルミニウムのごときト
リアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウ
ムハイドライドおよびジイソブチルアルミニウ
ムハイドライドのごときアルキルアルミニウム
ハイドライドならびにジエチルアルミニウムク
ロライド、ジエチルアルミニウムブロマイドが
あげられる。 また、()式で示される有機アルミニウム
化合物のうち、代表的なものとしては、テトラ
エチルジアルモキサンおよびテトラブチルジア
ルモキサンのごときアルキルアルモキサン類が
あげられる。 さらに()で示される有機アルミニウム化
合物のうち、代表的なものとしてはエチルアル
ミニウムセスキクロライドがあげられる。 これらの有機アルミニウム化合物と前記固体
触媒成分とから本発明において使用される触媒
系が得られるけれども、さらにこれらの有機ア
ルミニウム化合物と電子供与性化合物との反応
物または混合物を使用して触媒系を製造しても
よい。 本発明を実施するにあたり、前記固体成分お
よび有機アルミニウム化合物あるいはこれらと
電子供与性有機化合物との反応物または混合物
は反応器(重合器)に別個に導入してもよい
が、それらのうち二種類または全部を事前に混
合してもよい。また、後記の重合のさいの溶媒
として使われる不活性溶媒であらかじめ稀釈し
て使用してもよい。 (F) 重 合 (1) 固体触媒成分および有機アルミニウム化合
物の使用量 本発明の重合を実施するにあたり、前記の
ようにして得られる固体触媒成分および有機
アルミニウム化合物の使用量については制限
はないが、重合に使用される不活性有機溶媒
1あたり、1mg〜1gの固体触媒成分およ
び0.1〜10ミリモルの有機アルミニウム化合
物の使用割合が好ましい。また、有機アルミ
ニウム化合物の使用量は、固体触媒成分に含
まれるチタン金属1原子当量につき、一般に
は1〜1000モルの範囲である。 (2) α−オレフイン 本発明を実施するにさいしてはエチレンを
単独重合してもよく、またエチレンとα−オ
レフインとを共重合してもよい。α−オレフ
インは、末端に二重結合を有する炭化水素で
あり、その炭素数は多くとも12個である。そ
の代表例としては、プロピレン、ブテン−
1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1
およびオクテン−1があげられる。本発明に
使用されるブテン−1として、ナフサ分解に
よつて得られる、いわゆるスペントB−B留
分を用いることができる。得られるエチレン
系重合体中に占める上記のα−オレフインの
共重合割合は一般には多くとも30モル%であ
り、20モル%以下が好ましく、特に、15モル
%以下が好適である。 (3) その他の重合条件 重合はエチレン単独またはエチレンとα−
オレフインを不活性溶媒に溶解させて実施さ
れるが、必要に応じて分子量調節剤(一般に
は、水素)を共存させてもよい。 重合温度は、一般には、−10℃ないし200℃
であり、実用的には、室温(20℃)ないし
170℃である。 そのほか、重合溶媒の種類およびエチレン
単独またはエチレンとα−オレフインとに対
する使用割合については、一般のエチレン系
重合体の製造において実施されている条件を
適用すればよい。 さらに、重合反応器の形態、重合の制御
法、後処理方法、重合に使用される不活性有
機溶媒に対する単量体(エチレンまたはエチ
レンことα−オレフイン)の割合および有機
アルミニウム化合物の割合、不活性有機溶媒
の種類ならびに重合終了後の後処理方法など
については、本触媒系固有の制限はなく、公
知のすべての方法を適用することができる。 〔〕 実施例および比較例 以下、実施例によつて本発明をさらにくわしく
説明する。 なお、実施例および比較例において、メルト・
インデツクス(以下「M.I.」と云う)は、JIS K
−6760にしたがい、温度が190℃および荷重が
2.16Kgの条件で測定した。また、ハイ・ロード・
メルト・インデツクス(以下「HLMI」と云う)
はJIS K−6760にしたがい、温度が190℃および
荷重が21.6Kgの条件で測定した。さらに、密度は
JIS K−6760にしたがつて測定した。また、可溶
分は得られた重合体を沸騰している溶媒を用いて
6時間抽出して求められる割合(%)である。 各実施例および比較例において、固体成分およ
び固体触媒成分の製造および重合に使用した各化
合物など(たとえば、不活性溶媒、エチレン、α
−オレフイン、チタン系化合物、マグネシウム系
化合物、アルキルアルミニウム化合物、環状有機
化合物、固体成分、有機アルミニウム化合物)は
あらかじめ実質的に水分を除去したものを使つ
た。また、固体成分および固体触媒成分ならびに
重合は本質的に水分が存在せず、かつ窒素の雰囲
気下で行なつた。 実施例1〜8、比較例1〜8 〔(A)各固体成分および固体触媒成分の製造〕 無水塩化マグネシウム(市販の無水塩化マグネ
シウムを乾燥した窒素気流中で約500℃において
15時間加熱乾燥することによつて得られたもの)
20.0gと4.0gの四塩化チタンとを振動ボールミ
ル用の容器(ステンレス製、円筒型、内容積1
、直径が10mmの磁製ボールミルを見かけ容積で
50%充填)に入れた。これを振幅が6mm、振動数
が30Hzの振動ボールミルに取付け、8時間共粉砕
を行ない、均一状の共粉砕物〔チタン原子含有量
4.25重量%、マグネシウム原子含有量21.0重量
%、塩素原子含有量74.6重量%、以下「固体成分
(1)」と云う〕が得られた。 この固体成分(1)のうち、15.0gを500mlのフラ
スコに入れた後、100mlのトルエンを加えて懸濁
させ、室温(約25℃)において十分に撹拌しなが
ら32mlのピリジン(環状有機化合物として)を2
時間かけて滴下した。滴下終了後、処理系を80℃
に昇温し、この温度において2時間撹拌した。つ
いで、処理系を再び室温に冷却し、13.2mlのジエ
チルアルミニウムヒドライド(アルキルアルミニ
ウム化合物として)のトルエン溶液(濃度1.0モ
ル/)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、
処理系を60℃に昇温し、この温度において2時間
十分に撹拌した。ついで、生成物を含む液を室温
まで冷却し、生成物をn−ヘキサンを用いて十分
に洗浄した(洗浄液中にチタン原子がほぼ認めら
れなくなるまで)後、60℃の温度において減圧下
で3時間乾燥を行なつた。その結果、固体物〔以
下「固体触媒成分(A)」と云う〕が得られた(実施
例1)。 500mlのフラスコに200mlのトルエンを入れた
後、5.0mlの四塩化チタンを加えた。撹拌しなが
ら室温において80.0mlのテトラヒドロフラン(環
状有機化合物として)を3時間かけて滴下した。
滴下終了後、処理系を80℃に昇温した。この温度
において2時間撹拌した後、処理系をほぼ室温ま
で放冷した。45.6mlのトリエチルアルミニウムの
トルエン溶液(濃度1モル/)を2時間かけて
滴下した。滴下終了後、処理系を60℃に昇温し、
2時間撹拌を行なつた。ついで、得られた生成物
の洗浄および乾燥を実施例1と同様に行なつた。
その結果、固体の生成物〔以下「固体触媒成分
(B)」と云う〕が得られた(比較例2)。 実施例1の固体成分(1)の製造において使つた四
塩化チタンのかわりに、2.0gの四塩化ケイ素を
用いたほかは、実施例1と全く同じ条件で共粉砕
を行なつた。得られた共粉砕物のうち、15.0gを
500mlをフラスコに入れ、ついで100mlのn−ヘプ
タンを加え、懸濁させた。この懸濁物を撹拌しな
がら20.0mlの四塩化チタンを添加し、処理系を60
℃に昇温した。この温度において撹拌しながら3
時間反応させた後、ほぼ室温まで放冷した。得ら
れた生成物の一部をn−ヘキサンを用いて十分洗
浄した後、この生成物を60℃において減圧下で3
時間乾燥を行なつた。その結果、固体〔チタン含
有量2.1重量%、以下「固体成分(2)」と云う〕が
得られた。 前記の生成物の残部のうち、10.0gをとり、こ
れに200mlのテトラヒドロフラン(環状有機化合
物として)を室温において4時間かけて適下し
た。滴下終了後、処理系を50℃に昇温し、2時間
撹拌を行なつた。処理系をほぼ室温までに放冷し
た。ついで、42.0mlのトリイソブチルアルミニウ
ム(アルキルアルミニウム化合物として)のトル
エン溶液(濃度1モル/)を2時間にかけて滴
下した後、処理系を50℃に昇温した。この温度に
おいて2時間撹拌を行なつた後、ほぼ室温まで放
冷した。得られた生成物をn−ヘキサンを用いて
十分に洗浄した後、この生成物を実施例1と同様
に洗浄および乾燥を行ない、固体の生成物(以下
「固体触媒成分(C)」と云う〕が得られた(実施例
2)。 500mlのフラスコに50mlのトルエンを入れた後、
実施例1の共粉砕によつて得られたと同様にして
得られた固体成分(1)15.0gを加え。撹拌しながら
50.0mlのテトラヒドロフラン(環状有機化合物と
して)を室温下にて4時間かけて滴下した後、2
時間撹拌を行なつた。ついで、13.0mlのn−ブチ
ルエチルマグネシウム(アルキルアルミニウム化
合物として)のヘプタン溶液(濃度2.0モル/)
を2時間かけて室温にて滴下した。この処理系に
約300mlのn−ヘキサンを加え、よく撹拌した後、
静置し、固体生成物を沈澱させた。上澄液の大部
分を抜き取つた。この操作を5回行なうことによ
つて、抜き取つた液中には、チタン原子が存在し
ないことが認められた。得られた固体生成物を60
℃の温度において減圧下で3時間乾燥を行なうこ
とによつて固体〔以下「固体触媒成分(D)」と云
う〕が得られた(実施例3)。 実施例1の固体触媒成分の製造においてアルキ
ルアルミニウム化合物として使つたジエチルアル
ミニウムヒドライドのトルエン溶液のかわりに、
13.2mlのジエチルアルミニウムクロライドのトル
エン溶液(濃度1.0モル/)を用いたほかは、
実施例1と同様に処理した。得られた生成分を実
施例1と同様に洗浄および乾燥を行なうことによ
つて固体生成物〔以下「固体触媒成分(E)」と云
う〕が得られた(実施例4)。 500mlのフラスコに11.4gのマグネシウムエチ
ラートを入れ、ついで17.0gのチタンテトラブチ
ラートを加えた。処理系を170℃の温度までに加
熱し、この温度において3時間撹拌を行なつた。
処理系をほぼ室温まで放冷し、200mlのヘキサン
を加え、3時間かけて63.5gのエチルアルミニウ
ムジクロライドを滴下した。滴下終了後、処理系
を50℃に上昇させ、この温度において2時間撹拌
を行なつた。処理系をほぼ室温まで放冷し、n−
ヘキサンを用いて生成物を洗浄液中にチタン原子
が認められなくなるまで十分に洗浄した後、実施
例1の固体成分(1)の場合と同様に乾燥した。その
結果、固体の生成物〔以下「固体成分(3)」と云
う〕が得られた。 以上のようにして得られた固体成分(3)のうち、
15.0gを500mlのフラスコに入れた後、100mlのト
ルエンを加えた。処理系を懸濁させ、撹拌しなが
ら50mlのテトラヒドロフランを2時間かけて室温
にて滴下した。滴下終了後、処理系を80℃に昇温
し、この温度にて2時間撹拌を行ない、ほぼ室温
まで放冷したついで、9.0mlのトリイソブチルア
ルミニウム(アルキルアルミニウム化合物とし
て)のトルエン溶液(濃度1.0モル/)を1時
間かけて滴下した。滴下終了後、処理系を60℃に
昇温し、この温度において2時間撹拌を行なつ
た。ついで、処理系をほぼ室温まで放冷した後、
得られた生成物の洗浄および乾燥を行なつた。そ
の結果、固体の生成物〔以下「固体触媒成分(F)」
と云う〕が得られた(実施例5)。 500mlのフラスコに100mlのn−ヘキサンを入
れ、ついで2.0gの実施例1の共粉砕において使
つた塩化マグネシウムを加へ、懸濁させた。撹拌
しながら7.4mlのエチルアルコールを2時間かけ
て滴下した。滴下終了後、室温にて1時間撹拌し
た。この懸濁液に7.1mlのジエチルアルミニウム
クロライドを室温にて時間かけて滴下した後、室
温にて1時間撹拌した。つづいて、23.1mlの四塩
化チタンを加えた後、処理系を70℃に昇温し、こ
の温度において3時間撹拌を行なつた。得られた
固体の生成分を実施例1の固体成分(1)の場合と同
様に洗浄および乾燥を行ない、固体の生成物〔以
下「固体成分(4)」と云う〕が得られた。 以上のようにして得られた固体成分(4)のうち、
2.0gをさらに500mlのフラスコに入れ、100mlの
トルエンを加えて懸濁させた。この懸濁液に50.0
mlのジオキサン(環状有機化合物として)を2時
間かけて滴下した。 滴下終了後、処理系を80℃に昇温し、この温度
において2時間撹拌した。ついで、ほぼ室温まで
放冷し、9.0mlのジエチルアルミニウムクロライ
ドのトルエン溶液(濃度1.0モル/)を1時間
かけて滴下した。滴下終了後、処理系を60℃に昇
温し、この温度にて2時間撹拌した後、ほぼ室温
まで放冷した。得られた生成物の洗浄および乾燥
を実施例1と同様に行ない、固体の生成物〔以下
「固体触媒成分(G)」と云う〕が得られた(実施例
6)。 実施例1において使用した塩化マグネシウム
18.1g、1.9gの三塩化チタンおよび2.9の四塩化
ケイ素を実施例1の共粉砕と同様に8時間共粉砕
を行なつた。得られた共粉砕物をn−ヘキサンを
用いて洗浄液中にチタン原子が認められなくなる
まで洗浄した後、固体の生成物を60℃の温度にお
いて減圧下で3時間乾燥を行なつた。その結果、
固体が得られた〔以下「固体成分(5)」と云う〕が
得られた。 以上のようにして得られた固体成分(5)のうち、
15.0gを500mlのフラスコに入れた後、50mlのテ
トラヒドロフランを撹拌しながら室温にて2時間
かけて滴下した。滴下終了後、処理系を80℃に昇
温させ、この温度において2時間撹拌を行なつ
た。処理系をほぼ室温まで放冷した後、7.0mlの
ジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液
(濃度1.0モル/)を1時間かけて滴下した。滴
下終了後、処理系を60℃に昇温させ、この温度に
おいて2時間撹拌を行なつた。ついで、処理系を
ほぼ室温まで放冷させ、得られる固体の洗浄およ
び乾燥を実施例1と同様に行なつた。その結果、
固体の生成物〔以下「固体触媒成分(H)」と云う〕
が得られた(実施例7)。 実施例1と共粉砕と同様にして得られた固体成
分(1)10.0gを500mlのフラスコに入れ、30mlのト
ルエンを加えて懸濁させた。撹拌しながら30.0ml
のテトラヒドロフランを室温にて2時間かけて滴
下した。滴下終了後、処理系を80℃に昇温させ、
この温度において2時間撹拌を行なつた。つい
で、ほぼ室温まで放冷させ、12.7mlのn−ブチル
マグネシウムクロライドのエチルエーテル溶液
(濃度1.0モル/)を1時間かけて滴下した。滴
下終了後、処理系を60℃に昇温させ、2時間撹拌
を行なつた。ついで、ほぼ室温まで処理物を放冷
させた。ついで、実施例1と同様に洗浄および乾
燥を行ない、固体の生成物〔以下「固体触媒成分
(J)」と云う〕が得られた(実施例8)。 実施例1の固体触媒成分(A)の製造においてアル
キルアルミニウム化合物として使つたジエチルア
ルミニウムヒドライドを使用しなかつたほかは、
実施例1と同様に触媒成分〔以下「固体触媒成分
(K)」と云う〕を製造した(比較例7)。 実施例1の固体触媒成分(A)の製造において環状
有機化合物として使つたピリジンを用いず、また
アルキルアルミニウム化合物として使用したジエ
チルアルミニウムヒドライドのトルエン溶液のか
わりに、13.2mlのトリエチルアルミニウムのトル
エン溶液(濃度1.0モル/)を使つたほかは、
実施例1と同じ条件で触媒成分〔以下「固体触媒
成分(L)」と云う〕を製造した(比較例8)。 実施例1の固体成分(1)の製造に用いた無水塩化
マグネシウムを18.1g、1.9gのAA型三塩化チタ
ンおよび1.9gの四塩化チタンを使用し、実施例
1の固体成分(1)の製造の場合と同様に8時間共粉
砕を行なつた。得られた共粉砕物をn−ヘキサン
を使つて洗浄液中にチタン原子が認められなくな
るまで洗浄した。この共粉砕物を60℃において減
圧下で3時間乾燥を行なつた。 この乾燥した共粉砕物のうち、15gを500mlの
フラスコに入れ、撹拌しながら25℃の温度におい
て1000mlのジエチルエーテルを2時間かけて滴下
した。この温度において2時間撹拌した後、14.0
mlのトリエチルアルミニウムにトルエン溶液(濃
度1.0モル/)を2時間かけて滴下した。さら
に、この温度において2時間撹拌を行なつた。以
上のようにして得られた固体の生成物の洗浄およ
び乾燥を実施例1と同様に行ない、固体の生成物
〔以下「固体触媒成分(M)」と云う〕が得られた
(比較例12)。 〔(B)エチレンの単独重合〕 3.0のステンレス製の各オートクレーブに主
触媒として以上のようにして得られた固体触媒成
分(A)ないし(L)または固体成分(1)ないし(5)をそれぞ
れ第1−1表に示す量を入れ、さらにそれぞれ
0.54gのトリエチルアルミニウム(有機アルミニ
ウム化合物として助触媒)を加え、不活性溶媒と
して1Kgのイソブタンをさらに添加した。つい
で、各オートクレーブを閉じ、内温を第1−1表
に示す温度に昇温した。つぎに、第1−1表に示
す量の水素を加え、さらにそれぞれ3.5Kg/cm2
(ゲージ圧)のエチレンを送入し、エチレン分圧
が3.5Kg/cm2となるように保ちながら第1−1表
に示す温度にてそれぞれ2時間エチレンの単独重
合を行なつた。ついで、内容ガスを系外に放出し
て重合を終結した。得られた各エチレンの単独重
合体を60℃にて減圧下で12時間乾燥を行ななつ
た。各単独重合体の収量および計算によつて求め
た重合活性を第1−1表に示す。また、各単独重
合体のM.I.、HLMI、w、n、かさ密度およ
び可溶分(溶媒としてシクロヘキサンを使用)を
測定した。それらの結果ならびに計算によつて求
めたHLMI/M.I.およびw/Mnを第1−2表
に示す。
【表】
【表】
【表】
実施例9〜12、比較例9〜12
前記の各オートクレーブに主触媒として前記の
固体触媒成分(A)、(C)、(F)、(K)もしくは(M)また
は固体成分(1)、(2)もしくは(3)をそれぞれ第2−1
表に示す量を入れ、さらにそれぞれ0.54gのトリ
エチルアルミニウムを加え、不活性溶媒として
1.0Kgのイソブタンを仕込んだ。ついで、各オー
トクレーブを閉じ、内温を80℃に昇温した。つぎ
に、各オートクレーブに1.5Kg/cm2(ゲージ圧)
の水素を加え、さらにエチレン分圧が3.5Kg/cm2
(ゲージ圧)になるようにエチレンを圧入した。
そのエチレン分圧に保つようにエチレンを圧入
し、かつα−オレフイン(種類および供給量を第
2−1表に示す)を重合の開始時に圧入し、エチ
レンとα−オレフインとの共重合を2時間を行な
つた。ついで、実施例1と同様に内容ガスの放出
および乾燥を行なつた。得られた各共重合体の収
量および重合活性を第2−1表に示す。また、得
られた共重合体のM.I.、HLMI、w、n、真
密度、かさ密度および可溶分(溶媒としてn−ヘ
キサンを測定した。それらの結果ならびに
HLMI/M.I.およびw/nを第2−2表に示
す。
固体触媒成分(A)、(C)、(F)、(K)もしくは(M)また
は固体成分(1)、(2)もしくは(3)をそれぞれ第2−1
表に示す量を入れ、さらにそれぞれ0.54gのトリ
エチルアルミニウムを加え、不活性溶媒として
1.0Kgのイソブタンを仕込んだ。ついで、各オー
トクレーブを閉じ、内温を80℃に昇温した。つぎ
に、各オートクレーブに1.5Kg/cm2(ゲージ圧)
の水素を加え、さらにエチレン分圧が3.5Kg/cm2
(ゲージ圧)になるようにエチレンを圧入した。
そのエチレン分圧に保つようにエチレンを圧入
し、かつα−オレフイン(種類および供給量を第
2−1表に示す)を重合の開始時に圧入し、エチ
レンとα−オレフインとの共重合を2時間を行な
つた。ついで、実施例1と同様に内容ガスの放出
および乾燥を行なつた。得られた各共重合体の収
量および重合活性を第2−1表に示す。また、得
られた共重合体のM.I.、HLMI、w、n、真
密度、かさ密度および可溶分(溶媒としてn−ヘ
キサンを測定した。それらの結果ならびに
HLMI/M.I.およびw/nを第2−2表に示
す。
【表】
【表】
実施例 12
〔(A)固体触媒成分(N)の製造〕
前記の固体成分(1)のうち15.0gを500mlのフラ
スコに入れた後、100mlのトルエンおよび50mlの
n−ヘキサンを加えて懸濁させた。室温(約25
℃)において十分に撹拌させながら80mlのテトラ
ヒドロフラン(環状有機化合物として)を2時間
かけて滴下した。滴下終了後、室温において10分
間撹拌した後、13.2mlのトリエチルアルミニウム
(アルキル金属化合物として)のトルエン溶液
(濃度1.0モル/)を1時間かけて滴下した。滴
下終了後、処理系を30℃に保ち、2時間撹拌し
た。ついで、室温まで放冷した後、n−ヘキサン
を用いて十分に洗浄した(洗浄液中にチタン原子
がほぼ認められなくなるまで)後、60℃において
減圧下で3時間乾燥を行なつた。その結果、固体
の生成物〔以下「固体触媒成分(N)」という〕
が得られた。 〔(B)エチレンとブテン−1との共重合〕 実施例1において用いたオートクレーブに17.3
mgの固体触媒成分(N)を入れ、0.54gのトリエ
チルアルミニウムを加えた。ついで、実質的に水
分およびブタジエンを除去した、いわゆるスペン
トB−B留分(ブテン−1の含有量 20.5重量
%)を1.0Kg仕込んだ。オートクレーブを閉じ、
内温を80℃まで昇温した。つぎに、オートクレー
ブに3.5Kg/cm2(ゲージ圧)の水素を加え、さら
にエチレンの分圧が7.0Kg/cm2(ゲージ圧)にな
るように圧入した。前記の温度においてエチレン
の分圧を一定になるようにエチレンを供給しなが
らエチレンとブテン−1との共重合を1時間実施
した。ついで、実施例1と同様に内容ガスの放出
および乾燥を行なつた。その結果、260gの重合
体が得られた。すなわち、重合活性は2150g/g
−主触媒・時間・エチレン圧〔Kg/cm2(ゲージ
圧)〕である。得られた重合体のM.I.は1.7g/10
分であり、HLMIは45.1g/10分であつた。ま
た、真密度は0.921g/cm3であり、かさ密度は
0.33g/cm3であつた。さらに、w/nは3.3
であつた。 以上の実施例および比較例の結果から、本発明
において使用される固体触媒成分および有機アル
ミニウム化合物から得られる触媒系を用いてエチ
レンの単独重合またはエチレンとα−オレフイン
との共重合を行なつた場合、得られる重合体の分
子量分布が狭いため、射出成形用として適してい
るばかりでなく、かさ密度も高い。さらにこの触
媒系の重合活性が高いことも明白である。 本発明のエチレン系重合体の製造方法で用いる
触媒の調製工程を第1図に示す。
スコに入れた後、100mlのトルエンおよび50mlの
n−ヘキサンを加えて懸濁させた。室温(約25
℃)において十分に撹拌させながら80mlのテトラ
ヒドロフラン(環状有機化合物として)を2時間
かけて滴下した。滴下終了後、室温において10分
間撹拌した後、13.2mlのトリエチルアルミニウム
(アルキル金属化合物として)のトルエン溶液
(濃度1.0モル/)を1時間かけて滴下した。滴
下終了後、処理系を30℃に保ち、2時間撹拌し
た。ついで、室温まで放冷した後、n−ヘキサン
を用いて十分に洗浄した(洗浄液中にチタン原子
がほぼ認められなくなるまで)後、60℃において
減圧下で3時間乾燥を行なつた。その結果、固体
の生成物〔以下「固体触媒成分(N)」という〕
が得られた。 〔(B)エチレンとブテン−1との共重合〕 実施例1において用いたオートクレーブに17.3
mgの固体触媒成分(N)を入れ、0.54gのトリエ
チルアルミニウムを加えた。ついで、実質的に水
分およびブタジエンを除去した、いわゆるスペン
トB−B留分(ブテン−1の含有量 20.5重量
%)を1.0Kg仕込んだ。オートクレーブを閉じ、
内温を80℃まで昇温した。つぎに、オートクレー
ブに3.5Kg/cm2(ゲージ圧)の水素を加え、さら
にエチレンの分圧が7.0Kg/cm2(ゲージ圧)にな
るように圧入した。前記の温度においてエチレン
の分圧を一定になるようにエチレンを供給しなが
らエチレンとブテン−1との共重合を1時間実施
した。ついで、実施例1と同様に内容ガスの放出
および乾燥を行なつた。その結果、260gの重合
体が得られた。すなわち、重合活性は2150g/g
−主触媒・時間・エチレン圧〔Kg/cm2(ゲージ
圧)〕である。得られた重合体のM.I.は1.7g/10
分であり、HLMIは45.1g/10分であつた。ま
た、真密度は0.921g/cm3であり、かさ密度は
0.33g/cm3であつた。さらに、w/nは3.3
であつた。 以上の実施例および比較例の結果から、本発明
において使用される固体触媒成分および有機アル
ミニウム化合物から得られる触媒系を用いてエチ
レンの単独重合またはエチレンとα−オレフイン
との共重合を行なつた場合、得られる重合体の分
子量分布が狭いため、射出成形用として適してい
るばかりでなく、かさ密度も高い。さらにこの触
媒系の重合活性が高いことも明白である。 本発明のエチレン系重合体の製造方法で用いる
触媒の調製工程を第1図に示す。
第1図は本発明のエチレン系重合体の製造方法
で用いる触媒の調製工程のフローチヤート図であ
る。
で用いる触媒の調製工程のフローチヤート図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (A) マグネシウム系化合物および三価およ
び/または四価のチタンを含有する化合物ある
いはこれらの化合物と電子供与性有機化合物と
を処理することによつて得られる少なくともマ
グネシウム原子、ハロゲン原子およびチタン原
子を含有する固体成分を (1) ()式で示されるアルキルアルミニウム
化合物 R4 aAl(OR5)bHcX4 d () [R4は炭素数が多くとも15個のアルキル基
であり、R5は炭素数が多くとも15個の脂肪
族または芳香族の炭化水素基であり、X4は
ハロゲン原子であり、aは0<a≦3であ
り、bは0≦b<3であり、cは0≦c<3
であり、dは0≦d<3であり、かつa+b
+c+dは3である。〕 (2) 酸素原子および/または窒素原子を環に含
む四員環ないし八員環の環状有機化合物 を使用して処理することにより得られる固体触
媒成分 ならびに (B) 有機アルミニウム化合物 から得られる触媒系を用いてエチレンを単独重合
またはエチレンとα−オレフインとを共重合させ
ることを特徴とするエチレン系重合体の製造方
法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5359780A JPS56151707A (en) | 1980-04-24 | 1980-04-24 | Preparation of ethylene type polymer |
| US06/256,186 US4410672A (en) | 1980-04-23 | 1981-04-21 | Polymerization catalysts and process for the production of ethylenic polymers by use thereof |
| DE3116234A DE3116234A1 (de) | 1980-04-23 | 1981-04-23 | Polymerisationskatalysator und verfahren zur herstellung von ethylenpolymeren unter verwendung des polymerisationskatalysators |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5359780A JPS56151707A (en) | 1980-04-24 | 1980-04-24 | Preparation of ethylene type polymer |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS56151707A JPS56151707A (en) | 1981-11-24 |
| JPS6340805B2 true JPS6340805B2 (ja) | 1988-08-12 |
Family
ID=12947281
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5359780A Granted JPS56151707A (en) | 1980-04-23 | 1980-04-24 | Preparation of ethylene type polymer |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS56151707A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS58180507A (ja) * | 1982-04-16 | 1983-10-22 | Showa Denko Kk | エチレン系重合体の製造方法 |
| JPH0725831B2 (ja) * | 1985-07-02 | 1995-03-22 | 三菱油化株式会社 | プロピレン重合用触媒成分 |
| EP1626996B1 (en) * | 2003-05-29 | 2017-04-26 | Basell Poliolefine Italia S.r.l. | Process for the preparation of a catalyst component and components therefrom obtained |
| US8575283B1 (en) * | 2012-06-28 | 2013-11-05 | Formosa Plastics Corporation, U.S.A. | Heterocyclic organic compounds as electron donors for polyolefin catalysts |
-
1980
- 1980-04-24 JP JP5359780A patent/JPS56151707A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS56151707A (en) | 1981-11-24 |
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