JPS647740B2 - - Google Patents
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- Cookers (AREA)
- Cereal-Derived Products (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、米の炊飯方法およびその装置に関
し、更に詳細には、すでに確立されている伝統的
の炊飯方法とは異なる簡単な工程によつて米飯を
炊く簡易炊飯方法に関するものである。 従来の技術 米の炊飯方法、すなわち米飯を炊くことは、日
本古来の伝統の一つであつて、経験的にも、また
研究的にも、ほとんど確立された周知の技術であ
るので、またそれだけに米の炊飯に関する著書は
数多く出版されている。比較的最近の代表的著書
を紹介すれば、川島四郎著「炊飯の科学」1976年
6月光生館発行および倉澤文夫著「米とその加
工」(最新食品加工構座)1982年11月建帛社発行
を挙げることができる。 いま前掲の著書「米とその加工」第66頁乃至第
71頁を参照し、「炊飯」の基本的理念および基本
的炊飯方法の要点を引用すると次のような記載が
見られる。 (1) 炊飯の意味。 「うまい飯を炊く」ということは私共日本人
にとつては大切なことである。普通「飯は炊
く」といい、「芋は煮る」という。「煮る」とい
うのは、調理の最後まで鍋の底に水分が残つて
いてじくじくしている現象をいう。 「炊く」というのは鍋の底に水分がなくなつ
て、むしろ、煎る(いる)形である。つまり火
にて汁を去る、につめるのである。正しく飯を
炊くのはこの点が大切である。 炊飯の過程は、基本的に次の4段階がある。 イ はじめに、米と水が分離していて、釜の底
からの熱の伝導で熱せられた湯が、米粒の間
隙を対流して米粒の加熱が行なわれる時期。 ロ 米の澱粉がコロイド状になり、ために湯の
対流が止まり、米粒の中で澱粉の糊化が進む
時期。 ハ いわゆる「蒸らす」ため、米粒間と釜底に
残留する水分の蒸散、米粒の中心部への吸収
と同時に飯の膨軟が行なわれる時期。 ニ 釜底の水分がかれて加熱し、飯は底一面狐
色に軽く色づいて、真にうまい飯に完成され
る時期。 以上の炊飯の意味は倉澤氏の著書から引用し
たのであつて、さらに簡潔に要約すれば「飯を
炊く」過程は、原則として次の4段階から成つ
ていることを示している。 イ 米粒を熱湯で加熱する時期。 ロ 熱湯が減少するとともに、米粒の澱粉が糊
化する時期。 ハ 熱湯がなくなり、残留する水分の蒸散によ
り飯を蒸らす時期。 ニ 釜底を若干過熱して飯粒表面の水分を除去
する時期。 (2) 炊飯方法。 更に同著書は、上記のような意味の炊飯を行
なうための具体的方法について「水洗と水浸」
「水加減と火加減」および「炊く(蒸し)」の3
項目につい詳しく説明しているが、ここにはそ
の要点を参照するに止める。 イ 水洗と水浸。 炊飯釜で米を加熱する準備工程として米を
十分な水で洗い、米粒に十分吸水させるため
に水浸を行なう。米粒は最初の30分で大部分
の水分を吸収する。 ロ 水加減。 前述の「飯を炊く」過程でも分かるよう
に、炊飯中に米粒を加熱糊化するときには熱
湯がほぼなくなる必要があるので米の量に応
じて適当に水加減をすることが必要である。
通常の例では、米に対して重量比で約1.5倍
の水を入れる。(ここでは米の品種や貯蔵期
間による変化には触れない。) これは、普通の米では、容積比で約1.2倍
である。 ハ 火加減。 加熱の仕方は、沸騰までは強火にし、沸騰
し始めたら少し火を弱めて約20分間加熱し、
終りごろ約30秒強火にしてから火をとめる。 ニ 蒸らし 蒸らすというのは高温にて一定時間おくこ
とでこの間に米粒間に残留する水分の吸収と
米粒の膨張が期待される。 このように従来の炊飯方法として基本的に確立
されている工程は、自動炊飯器の場合にも必須の
工程であることは、前記倉澤氏の著書第73頁に自
動炊飯器使用上の注意として「自動炊飯器では加
熱の操作が自動的にいくが、加熱前の洗米、水
浸、水量あるいは加熱後の蒸らしなどは必ずしも
自動的にはいかないので、これらの点についての
操作は十分に注意する必要がある。」と述べてい
ることも理解される。 発明が解決しようとする問題点 米の炊飯方法は、上記のように確立された技術
であり、また近時普及した電気式またはガス式の
自動炊飯器にしても従来の基本的炊飯工程をいか
に忠実に自動化するかを研究した結果得られた装
置であることも周知の事実である。 しかし、以上のようにすでに確立された炊飯方
法が、何人にもその通りに実行できるかという
と、一般主婦にとつても通常の炊飯釜を使用する
場合には必ずしも容易ではなく、自動炊飯器にお
いてもなお計量調整すべき若干の操作を必要とす
ることは避けることができない。 本出願人は、このように研究しつくされた米の
炊飯方法のどのような点を問題点として解決しよ
うとするのであるかについては次の発明の目的の
項において明瞭に示すであろう。 発明の目的 本発明の一般目的は、何人にも簡便かつ上手下
手なく良好な米飯を炊くことができる新規な方法
および装置を提供することである。 本発明の目的を、「飯を炊く」過程に関連して
述べるならば、もちろん米粒を飯に炊くための従
来の原理から外れるものではないけれども、前掲
の4段階(熱湯による加熱、米粒の糊化、飯の蒸
らしおよび飯粒表面の水分除去)を外見的には一
段階の操作「湯煮」(熱湯中で煮る)に短縮する
ことである。そのためには、多孔を有する容器、
代表的には耐熱耐圧性プラスチツク袋が利用され
ることは後に説明する通りである。 更に、本発明の目的を、「炊飯方法の必須項目」
に関連して述べるならば、「水洗と水浸」は、本
発明の容器入り(代表的には袋入り、以下同様)
の米粒であつても炊飯工程の準備として必要であ
るが、それ以後の炊飯釜における熱湯による加熱
工程に関連して従来と異なる点を挙げると、従来
の意味の「水加減」、すなわち米の量に応じて適
量の水を使用することを必要としない炊飯方法を
提供することである。換言すれば、袋の中で熱湯
で加熱された米粒は、自らの体積を膨張すること
によつて袋の内容積を満たし適当の内圧を生じる
ことによつて米粒間の間隙に存在する熱湯を袋の
多孔から排除することによつて袋内の飯はそれ以
上の膨軟化を阻止されるようにした炊飯方法であ
る。 更に、本発明の目的は、従来の必須項目たる
「火加減」を必要としない炊飯方法を提供するこ
とであつて、炊飯釜の水は十分の量であつてかつ
終始沸騰状態に保たれて差支えないものである。 更に、本発明の目的は、例えば「おにぎり」の
ように米飯を或る塊状の単位に分配するために、
手で握り固めることなく一単位量の袋入り飯とし
て「おにぎり」状に衛生的に炊飯されるようにし
た「おにぎり」状の米飯を提供することである。 本発明の更に他の目的は、米飯のみならず、麦
または適当の乾物などの具を混入した「おにぎ
り」状の米飯を提供することである。 問題を解決するための手段 上記の本発明目的を達成し、簡単かつ上手下手
なく袋入り米飯を炊くための本発明の構成につい
て説明する。 イ 袋(または単位容器)の準備。 耐熱性かつ実質的に非膨張性のプラスチツ
ク・フイルムの袋を作り、そのほぼ全表面に米
粒の通過しない程度の多数の小孔をあける。袋
の最大内容積は、袋に充填されるべき米の量に
関連して次項に述べるように決定される。 ロ 米の充填量の決定。 1個の袋に充填する米の量は、袋の中の米が
飯に炊き上つたときに袋の内容積に少なくも一
杯になる程度以下であつてはならない。換言す
れば、前項の袋の最大内容積は袋内の米が炊き
上つたときに米飯の自由膨張を抑制する圧力を
米飯に加えるような制限された容積に設計され
る。 ハ 米の銘柄及び貯蔵年月日等の考慮。 米の量(重量又は体積)と、炊き上つた飯の
量(重量又は体積)との関係は、一定の袋に対
しても、米の品質によつても相当に相違するの
で、袋に充填する米の量は計算のみで決定せ
ず、或る生産ロツトごとに予備試験(試し炊
き)を行なうことが必要である。 ニ 袋入り(または容器入り)米の炊飯工程。 炊飯の準備工程として水浸は、30分以上を必
要とするが、この工程は実際には販売業者が予
め行なつておく場合もあり、或いは最終消費者
が実施する場合でも時間的余裕をもつて水浸を
行ない或いは更にいつたん水を切つて冷蔵庫内
に保存することもできるので、所謂、水加減、
火加減および蒸らしの工程を要する従来の「飯
を炊く」工程に相当する加熱炊飯操作は、本発
明の場合には「水浸ずみの袋入米を単に熱湯中
でゆでる」だけで完了することができる。 作 用 本発明の実施例について後述するように、例え
ば約40gの米を袋に入れたときの袋内の米粒層の
厚さは最大が約3cm程度であるので、水浸ずみの
袋入米を熱湯中に投入した場合に熱湯が袋の孔を
通つて米粒層の内部に侵入する深さは約1.5cm以
下である。これは一般の炊飯釜の場合に釜全体に
収容された米粒の集団を常温から加熱して沸騰点
に達する場合よりも米粒の加熱はかなり急速に進
行すると考えられる。袋入米は、このように熱湯
中で茹でられることによつて15分間程度で糊化
し、膨軟されて袋の内容積に一杯になる。袋は耐
熱性かつ実質的に非膨張性の材料(実施例におい
て説明する)で作られているので、米粒はそれ以
上の自由膨張を阻止される結果、米粒間の間隙に
存在する熱湯は、米粒の膨張力によつて多数の小
孔から袋の外の熱湯中に押し出される。従つて、
袋の中の米粒は、すでに飯の状態になつていると
同時に、飯をそれ以上軟かくする熱湯は米粒に接
触しては存在しないので、飯は自動的に「蒸ら
し」の状態に移行することになる。このことは、
従来の炊飯工程において必須とされた「水加減」
は必要でなこと、換言すれば熱湯中で袋内の米が
「飯に炊かれる」と同時に、予め設計された袋の
内容積と米の膨張率との関係に基づく「熱湯押出
し」作用により、従来の「水加減」効果を達成す
ることが理解される。 この「熱湯押出し」作用の強弱は、炊き上る袋
内の米飯の吸水率を調整することを意味するの
で、炊き上りの飯の固さまたは軟かさを任意に調
整する手段として利用できること、換言すれば袋
の最大内容積に対する米の充填量(前述のように
米の品質によつても異なる)を適当に設計するこ
とによつて炊き上る飯の品質を任意の好みの固さ
に調整することができることを意味している。 また一方において、従来の炊飯工程で最も重要
とされた「火加減」(詳細は前述の通り)も、本
発明ではその必要はなく、また加熱は必ずしもそ
の都度常温から行なう必要はなく、いつたん沸騰
状態となつた熱湯は、そのままの煮沸状態を継続
して差支なく、多数の袋入米はそれぞれ約15分間
づつ茹でられ(所謂、湯煮状態)たならば穴杓子
などで順次すくい上げることによつて全く「火加
減」を要せずに多数の袋入米飯を炊き上げること
ができる。 沸騰する熱湯から引き上げられた袋入飯は、特
にそれ以上の加熱をしないでも自己の余熱によつ
て外面の水分を乾燥するので十分良好な「おにぎ
り」状の飯となることが分る。 なお、本発明の袋入米には、任意量の麦を混合
し、或は任意の具を雑ぜることも可能であり、ま
たその場合には米だけの場合と異なる膨張率とな
るでの袋容積と充填量との関係は、「試し炊き」
によつて決定されるべきであることはもちろんで
ある。 以上で、本発明による急速簡易炊飯方法とその
装置に関する概説を述べたけれども、更に十分に
本発明を理解するために以下にその好ましい実施
例について具体的にその詳細を説明する。 実施例 以上の説明によつても理解されるように、本発
明の実施例を具体的に説明するに当つては、単に
すでに調整ずみの袋入米の炊飯成績を示すだけで
はなく、或る購入ロツトの米について袋充填量の
適当量を決定するための「試し炊き」の成績を示
す必要がある。 イ 袋(または容器)の準備。 第1図は、使用した袋の外形を示し、内側を
ポリエチレン、外側をポリエステルのフイルム
により構成する厚さ39μの複合ラミネートフイ
ルムの袋1であつて、上部の開口2以外の三辺
3は内側のポリエチレンによつて溶着されてい
る。両面には米粒の通過しない程度の多数の小
孔4(実施例では直径2mmの小孔42個)をあけ
てある。第4図は、円筒状の容器の場合を例示
し、本体8とこれに螺合する蓋9とで構成され
る。 袋の最大内容積は、孔をあける前に満水試験
により例えば約76cm3と測定されている。 ロ 供試米の実測値。 測定法は自明であるから省略するが、その平
均値を示す。 銘 柄 コシヒカリ 見掛比重 平均0.82g/cm3 真比重 平均1.45g/cm3 水浸後の吸水率 平均28% 水浸後の見掛体積膨張率 平均35% ハ 供試米と同一の米(コシヒカリ)を通常に炊
飯した実測値。 供試米(コシヒカリ)100gを通常の炊飯を
した重量は、平均228gであつた。この値は、
炊飯による重量増加倍率を通常2.2倍乃至2.4倍
とする通説に一致する。本発明による袋入米飯
の重量増加倍率も2.2乃至2.4倍の範囲にあるこ
とが望ましいことが、後述する「試し炊き」に
よつても確かめられた。 なお、この場合に、この228gの飯を500c.c.の
メスシリンダ(重量364g)に入れ、水200c.c.を
加えて撹拌し、飯粒間に含まれた気泡を除去し
た液面は398c.c.を示したので飯の真比重は1.15
g/cm3との例示的測定値を得た。 ニ 袋への米充填量の決定。 所謂「試し炊き」試験によつて決定するため
に、前記の袋(第1図)に対して米の充填量を
25g、30g、35g、40g、45g、50gの6種類
を準備した。第2図は米5を充填して開口部6
を熱溶着により封止した状態を示す。供試米は
予め精米されているので、この袋入米の状態で
十分に水浸を行つた後、適当の煮沸釜内の熱湯
中に投入する。約15分経過後、6種類の袋入米
は袋内の水の加熱および釜内の熱湯の侵入によ
り加熱、膨軟および糊化されるとともに自らの
膨張と袋内の制限容積との相互作用により米粒
間の自由状態の熱水を袋の外に押出して、米粒
は自動的に「蒸らし」の状態に近似する作用を
受ける。第3図は、このように炊き上つた袋入
米飯5の外観を示す例示図である。 試験の結果、各供試品の重量増加倍率等を算
出して表示すると次の通りである。ただし、こ
の表において、第1例としたのは或る時期に製
造した袋を使用した成績であり、第2例とした
のはその後、袋の複合フイルムの厚さを45μと
して耐膨張性を増加した袋を使用した成績であ
つて「試し炊き」は製品のロツトごとに実施す
る意味は、この成績によつても理解されるであ
ろう。
し、更に詳細には、すでに確立されている伝統的
の炊飯方法とは異なる簡単な工程によつて米飯を
炊く簡易炊飯方法に関するものである。 従来の技術 米の炊飯方法、すなわち米飯を炊くことは、日
本古来の伝統の一つであつて、経験的にも、また
研究的にも、ほとんど確立された周知の技術であ
るので、またそれだけに米の炊飯に関する著書は
数多く出版されている。比較的最近の代表的著書
を紹介すれば、川島四郎著「炊飯の科学」1976年
6月光生館発行および倉澤文夫著「米とその加
工」(最新食品加工構座)1982年11月建帛社発行
を挙げることができる。 いま前掲の著書「米とその加工」第66頁乃至第
71頁を参照し、「炊飯」の基本的理念および基本
的炊飯方法の要点を引用すると次のような記載が
見られる。 (1) 炊飯の意味。 「うまい飯を炊く」ということは私共日本人
にとつては大切なことである。普通「飯は炊
く」といい、「芋は煮る」という。「煮る」とい
うのは、調理の最後まで鍋の底に水分が残つて
いてじくじくしている現象をいう。 「炊く」というのは鍋の底に水分がなくなつ
て、むしろ、煎る(いる)形である。つまり火
にて汁を去る、につめるのである。正しく飯を
炊くのはこの点が大切である。 炊飯の過程は、基本的に次の4段階がある。 イ はじめに、米と水が分離していて、釜の底
からの熱の伝導で熱せられた湯が、米粒の間
隙を対流して米粒の加熱が行なわれる時期。 ロ 米の澱粉がコロイド状になり、ために湯の
対流が止まり、米粒の中で澱粉の糊化が進む
時期。 ハ いわゆる「蒸らす」ため、米粒間と釜底に
残留する水分の蒸散、米粒の中心部への吸収
と同時に飯の膨軟が行なわれる時期。 ニ 釜底の水分がかれて加熱し、飯は底一面狐
色に軽く色づいて、真にうまい飯に完成され
る時期。 以上の炊飯の意味は倉澤氏の著書から引用し
たのであつて、さらに簡潔に要約すれば「飯を
炊く」過程は、原則として次の4段階から成つ
ていることを示している。 イ 米粒を熱湯で加熱する時期。 ロ 熱湯が減少するとともに、米粒の澱粉が糊
化する時期。 ハ 熱湯がなくなり、残留する水分の蒸散によ
り飯を蒸らす時期。 ニ 釜底を若干過熱して飯粒表面の水分を除去
する時期。 (2) 炊飯方法。 更に同著書は、上記のような意味の炊飯を行
なうための具体的方法について「水洗と水浸」
「水加減と火加減」および「炊く(蒸し)」の3
項目につい詳しく説明しているが、ここにはそ
の要点を参照するに止める。 イ 水洗と水浸。 炊飯釜で米を加熱する準備工程として米を
十分な水で洗い、米粒に十分吸水させるため
に水浸を行なう。米粒は最初の30分で大部分
の水分を吸収する。 ロ 水加減。 前述の「飯を炊く」過程でも分かるよう
に、炊飯中に米粒を加熱糊化するときには熱
湯がほぼなくなる必要があるので米の量に応
じて適当に水加減をすることが必要である。
通常の例では、米に対して重量比で約1.5倍
の水を入れる。(ここでは米の品種や貯蔵期
間による変化には触れない。) これは、普通の米では、容積比で約1.2倍
である。 ハ 火加減。 加熱の仕方は、沸騰までは強火にし、沸騰
し始めたら少し火を弱めて約20分間加熱し、
終りごろ約30秒強火にしてから火をとめる。 ニ 蒸らし 蒸らすというのは高温にて一定時間おくこ
とでこの間に米粒間に残留する水分の吸収と
米粒の膨張が期待される。 このように従来の炊飯方法として基本的に確立
されている工程は、自動炊飯器の場合にも必須の
工程であることは、前記倉澤氏の著書第73頁に自
動炊飯器使用上の注意として「自動炊飯器では加
熱の操作が自動的にいくが、加熱前の洗米、水
浸、水量あるいは加熱後の蒸らしなどは必ずしも
自動的にはいかないので、これらの点についての
操作は十分に注意する必要がある。」と述べてい
ることも理解される。 発明が解決しようとする問題点 米の炊飯方法は、上記のように確立された技術
であり、また近時普及した電気式またはガス式の
自動炊飯器にしても従来の基本的炊飯工程をいか
に忠実に自動化するかを研究した結果得られた装
置であることも周知の事実である。 しかし、以上のようにすでに確立された炊飯方
法が、何人にもその通りに実行できるかという
と、一般主婦にとつても通常の炊飯釜を使用する
場合には必ずしも容易ではなく、自動炊飯器にお
いてもなお計量調整すべき若干の操作を必要とす
ることは避けることができない。 本出願人は、このように研究しつくされた米の
炊飯方法のどのような点を問題点として解決しよ
うとするのであるかについては次の発明の目的の
項において明瞭に示すであろう。 発明の目的 本発明の一般目的は、何人にも簡便かつ上手下
手なく良好な米飯を炊くことができる新規な方法
および装置を提供することである。 本発明の目的を、「飯を炊く」過程に関連して
述べるならば、もちろん米粒を飯に炊くための従
来の原理から外れるものではないけれども、前掲
の4段階(熱湯による加熱、米粒の糊化、飯の蒸
らしおよび飯粒表面の水分除去)を外見的には一
段階の操作「湯煮」(熱湯中で煮る)に短縮する
ことである。そのためには、多孔を有する容器、
代表的には耐熱耐圧性プラスチツク袋が利用され
ることは後に説明する通りである。 更に、本発明の目的を、「炊飯方法の必須項目」
に関連して述べるならば、「水洗と水浸」は、本
発明の容器入り(代表的には袋入り、以下同様)
の米粒であつても炊飯工程の準備として必要であ
るが、それ以後の炊飯釜における熱湯による加熱
工程に関連して従来と異なる点を挙げると、従来
の意味の「水加減」、すなわち米の量に応じて適
量の水を使用することを必要としない炊飯方法を
提供することである。換言すれば、袋の中で熱湯
で加熱された米粒は、自らの体積を膨張すること
によつて袋の内容積を満たし適当の内圧を生じる
ことによつて米粒間の間隙に存在する熱湯を袋の
多孔から排除することによつて袋内の飯はそれ以
上の膨軟化を阻止されるようにした炊飯方法であ
る。 更に、本発明の目的は、従来の必須項目たる
「火加減」を必要としない炊飯方法を提供するこ
とであつて、炊飯釜の水は十分の量であつてかつ
終始沸騰状態に保たれて差支えないものである。 更に、本発明の目的は、例えば「おにぎり」の
ように米飯を或る塊状の単位に分配するために、
手で握り固めることなく一単位量の袋入り飯とし
て「おにぎり」状に衛生的に炊飯されるようにし
た「おにぎり」状の米飯を提供することである。 本発明の更に他の目的は、米飯のみならず、麦
または適当の乾物などの具を混入した「おにぎ
り」状の米飯を提供することである。 問題を解決するための手段 上記の本発明目的を達成し、簡単かつ上手下手
なく袋入り米飯を炊くための本発明の構成につい
て説明する。 イ 袋(または単位容器)の準備。 耐熱性かつ実質的に非膨張性のプラスチツ
ク・フイルムの袋を作り、そのほぼ全表面に米
粒の通過しない程度の多数の小孔をあける。袋
の最大内容積は、袋に充填されるべき米の量に
関連して次項に述べるように決定される。 ロ 米の充填量の決定。 1個の袋に充填する米の量は、袋の中の米が
飯に炊き上つたときに袋の内容積に少なくも一
杯になる程度以下であつてはならない。換言す
れば、前項の袋の最大内容積は袋内の米が炊き
上つたときに米飯の自由膨張を抑制する圧力を
米飯に加えるような制限された容積に設計され
る。 ハ 米の銘柄及び貯蔵年月日等の考慮。 米の量(重量又は体積)と、炊き上つた飯の
量(重量又は体積)との関係は、一定の袋に対
しても、米の品質によつても相当に相違するの
で、袋に充填する米の量は計算のみで決定せ
ず、或る生産ロツトごとに予備試験(試し炊
き)を行なうことが必要である。 ニ 袋入り(または容器入り)米の炊飯工程。 炊飯の準備工程として水浸は、30分以上を必
要とするが、この工程は実際には販売業者が予
め行なつておく場合もあり、或いは最終消費者
が実施する場合でも時間的余裕をもつて水浸を
行ない或いは更にいつたん水を切つて冷蔵庫内
に保存することもできるので、所謂、水加減、
火加減および蒸らしの工程を要する従来の「飯
を炊く」工程に相当する加熱炊飯操作は、本発
明の場合には「水浸ずみの袋入米を単に熱湯中
でゆでる」だけで完了することができる。 作 用 本発明の実施例について後述するように、例え
ば約40gの米を袋に入れたときの袋内の米粒層の
厚さは最大が約3cm程度であるので、水浸ずみの
袋入米を熱湯中に投入した場合に熱湯が袋の孔を
通つて米粒層の内部に侵入する深さは約1.5cm以
下である。これは一般の炊飯釜の場合に釜全体に
収容された米粒の集団を常温から加熱して沸騰点
に達する場合よりも米粒の加熱はかなり急速に進
行すると考えられる。袋入米は、このように熱湯
中で茹でられることによつて15分間程度で糊化
し、膨軟されて袋の内容積に一杯になる。袋は耐
熱性かつ実質的に非膨張性の材料(実施例におい
て説明する)で作られているので、米粒はそれ以
上の自由膨張を阻止される結果、米粒間の間隙に
存在する熱湯は、米粒の膨張力によつて多数の小
孔から袋の外の熱湯中に押し出される。従つて、
袋の中の米粒は、すでに飯の状態になつていると
同時に、飯をそれ以上軟かくする熱湯は米粒に接
触しては存在しないので、飯は自動的に「蒸ら
し」の状態に移行することになる。このことは、
従来の炊飯工程において必須とされた「水加減」
は必要でなこと、換言すれば熱湯中で袋内の米が
「飯に炊かれる」と同時に、予め設計された袋の
内容積と米の膨張率との関係に基づく「熱湯押出
し」作用により、従来の「水加減」効果を達成す
ることが理解される。 この「熱湯押出し」作用の強弱は、炊き上る袋
内の米飯の吸水率を調整することを意味するの
で、炊き上りの飯の固さまたは軟かさを任意に調
整する手段として利用できること、換言すれば袋
の最大内容積に対する米の充填量(前述のように
米の品質によつても異なる)を適当に設計するこ
とによつて炊き上る飯の品質を任意の好みの固さ
に調整することができることを意味している。 また一方において、従来の炊飯工程で最も重要
とされた「火加減」(詳細は前述の通り)も、本
発明ではその必要はなく、また加熱は必ずしもそ
の都度常温から行なう必要はなく、いつたん沸騰
状態となつた熱湯は、そのままの煮沸状態を継続
して差支なく、多数の袋入米はそれぞれ約15分間
づつ茹でられ(所謂、湯煮状態)たならば穴杓子
などで順次すくい上げることによつて全く「火加
減」を要せずに多数の袋入米飯を炊き上げること
ができる。 沸騰する熱湯から引き上げられた袋入飯は、特
にそれ以上の加熱をしないでも自己の余熱によつ
て外面の水分を乾燥するので十分良好な「おにぎ
り」状の飯となることが分る。 なお、本発明の袋入米には、任意量の麦を混合
し、或は任意の具を雑ぜることも可能であり、ま
たその場合には米だけの場合と異なる膨張率とな
るでの袋容積と充填量との関係は、「試し炊き」
によつて決定されるべきであることはもちろんで
ある。 以上で、本発明による急速簡易炊飯方法とその
装置に関する概説を述べたけれども、更に十分に
本発明を理解するために以下にその好ましい実施
例について具体的にその詳細を説明する。 実施例 以上の説明によつても理解されるように、本発
明の実施例を具体的に説明するに当つては、単に
すでに調整ずみの袋入米の炊飯成績を示すだけで
はなく、或る購入ロツトの米について袋充填量の
適当量を決定するための「試し炊き」の成績を示
す必要がある。 イ 袋(または容器)の準備。 第1図は、使用した袋の外形を示し、内側を
ポリエチレン、外側をポリエステルのフイルム
により構成する厚さ39μの複合ラミネートフイ
ルムの袋1であつて、上部の開口2以外の三辺
3は内側のポリエチレンによつて溶着されてい
る。両面には米粒の通過しない程度の多数の小
孔4(実施例では直径2mmの小孔42個)をあけ
てある。第4図は、円筒状の容器の場合を例示
し、本体8とこれに螺合する蓋9とで構成され
る。 袋の最大内容積は、孔をあける前に満水試験
により例えば約76cm3と測定されている。 ロ 供試米の実測値。 測定法は自明であるから省略するが、その平
均値を示す。 銘 柄 コシヒカリ 見掛比重 平均0.82g/cm3 真比重 平均1.45g/cm3 水浸後の吸水率 平均28% 水浸後の見掛体積膨張率 平均35% ハ 供試米と同一の米(コシヒカリ)を通常に炊
飯した実測値。 供試米(コシヒカリ)100gを通常の炊飯を
した重量は、平均228gであつた。この値は、
炊飯による重量増加倍率を通常2.2倍乃至2.4倍
とする通説に一致する。本発明による袋入米飯
の重量増加倍率も2.2乃至2.4倍の範囲にあるこ
とが望ましいことが、後述する「試し炊き」に
よつても確かめられた。 なお、この場合に、この228gの飯を500c.c.の
メスシリンダ(重量364g)に入れ、水200c.c.を
加えて撹拌し、飯粒間に含まれた気泡を除去し
た液面は398c.c.を示したので飯の真比重は1.15
g/cm3との例示的測定値を得た。 ニ 袋への米充填量の決定。 所謂「試し炊き」試験によつて決定するため
に、前記の袋(第1図)に対して米の充填量を
25g、30g、35g、40g、45g、50gの6種類
を準備した。第2図は米5を充填して開口部6
を熱溶着により封止した状態を示す。供試米は
予め精米されているので、この袋入米の状態で
十分に水浸を行つた後、適当の煮沸釜内の熱湯
中に投入する。約15分経過後、6種類の袋入米
は袋内の水の加熱および釜内の熱湯の侵入によ
り加熱、膨軟および糊化されるとともに自らの
膨張と袋内の制限容積との相互作用により米粒
間の自由状態の熱水を袋の外に押出して、米粒
は自動的に「蒸らし」の状態に近似する作用を
受ける。第3図は、このように炊き上つた袋入
米飯5の外観を示す例示図である。 試験の結果、各供試品の重量増加倍率等を算
出して表示すると次の通りである。ただし、こ
の表において、第1例としたのは或る時期に製
造した袋を使用した成績であり、第2例とした
のはその後、袋の複合フイルムの厚さを45μと
して耐膨張性を増加した袋を使用した成績であ
つて「試し炊き」は製品のロツトごとに実施す
る意味は、この成績によつても理解されるであ
ろう。
【表】
【表】
第5図は、第1例の米充填量25gから50g迄
の6種類の供試袋入米の煮沸後の膨張状態を比
較するための断面形状を示す。第6図は、横軸
を米の充填量g、縦軸を炊飯後の飯の正味重量
gとした場合の第1例、第2例の「試し炊き」
曲線と、通常の炊飯における「水加減」の差に
よる米飯の重量増加倍率の4例を示す原点を通
り直線R1、R2、R3、およびR0とを示す線図で
ある。 第1例および第2例の「試し炊き」とも、試
食の結果は、重量増加倍率2.2乃至2.4の範囲が
適当な固さの飯であることが分かつた。すなわ
ち、第1例の袋では、米充填量37g〜42g、や
や余裕を見れば35g乃至45gが適当であり、実
際の選択値は40gとしてよいであろう。また第
2例の袋では複合フイルムを強靭にしたため、
重量増加倍率2.2乃至2.4の範囲は第1例よりも
狭くなり、33g乃至37gとなり実際の決定値は
35gとなつた。 発明の効果 前述の「発明の目的」に列記した事項を達成す
ることができたことが、発明の効果であり、また
「作用」において説明した事項は本発明の特徴で
あるということができるけれども、この「発明の
効果」の項においては、さらに本発明の特徴を明
瞭にするために、「試し炊き」曲線図(第6図)
から理解される特有の効果について説明する。 第6図において、直線R2およびR1は通常の炊
飯における米の重量の増加倍率の範囲が2.2倍乃
至2.4倍であることを示し、良好な飯は概ねこの
範囲にあるので、本発明による米飯もこの2直線
R1とR2とに挟まれた区域にあることが良好であ
ることが理解される。第2例の袋においては米の
充填量は33g〜37gが好適となるが、飯の軟かさ
または固さの好みによつては、30g〜40g程度の
範囲を認めてよいであろう。 また、直線R0は重量増加倍率3.0の線であつて、
米充填量の少ない場合には、ほとんど重量増加倍
率3.0の線上に乗つていることが分る。これは、
米充填量が少なすぎるときには煮沸による炊飯後
も米粒の膨張を抑制する袋による圧結力がほとん
ど発生せず、米粒は自由に膨軟状態となり、袋内
には自由状態の熱水が残留しているのであつて、
このことは、実際にNo.1の袋を熱湯中から引き上
げるときに熱水が滴下することでも分ることであ
り、袋内の米飯は軟か過ぎる状態であつて本発明
による制限容積による圧結作用は存在しないこと
が認められた。 以上の「試し炊き」においては、もちろん試食
による判断が主体であるが、物理的の測定値によ
り判断を助けることができる。すなわち重量増加
倍率が2.2乃至2.4が上記の供試米コシヒカリ(真
比重1.45)の場合の基準値であり、これはまた炊
き上がつた飯の真比重を測定して1.145乃至1.165
にあることでも判断することができる。 なお、飯の真比重S、米の真比重Dおよび炊飯
による重量増加倍率Rとの間には次の関係式が成
り立つので相互の換算或いは実測値と計算値の比
較等に利用することもできる。 米1cm3について考えると、 飯の真比重=飯の重量/飯の体積= 米の比重×重量増加倍率/米の体積+吸水量 ∴S=DR/1+D(R−1) 従つて、例えば前記第2例における良好な飯の硬
さであつた供試品番号No.4およびNo.6について計
算によつて飯の硬さを求めると、それぞれ1.147、
1.179が得られ上記の実測値とほぼ一致すること
によつても試し炊きの結果を客観的に判断するこ
とができる。 米の充填量が順次増加するに従つて本発明によ
る袋の制限容積による米飯の圧結効果が顕著とな
り、米の充填量の増加にともなつて炊き上つた飯
の正味重量の増加率は減少し、図示の曲線が得ら
れた。すなわち、容器の制限容積による米飯の圧
結作用を生じない一般の炊飯においては、当然の
こと乍ら、米の量が増加すれば、同一の軟かさの
飯の炊き上がり重量は、それに正比例して第6図
の各直線R0,R1……等のように原点を通る直線
で示されることは明らかである。これに対し、本
発明による容器入り炊飯方法では、容器による圧
結作用のため米の充填量が多いほど炊き上がりの
飯の割合が減少することが「試し炊き」曲線から
理解される。この点を更に明瞭にするために、第
6図に前記「試し炊き」成績表の「炊飯による増
加重量g」をプロツトすると、第1例および第2
例に対し、それぞれ点線で示したように米の充填
量gの増加に伴つて或る極大値P1およびP2を経
て再び減少する特性曲線が得られる。このよう
に、或る一定容積の容器(代表的には袋)に対し
米の充填量を次第に増加したにも拘らず、炊飯に
よる増加重量が或る最大値を経て却つて減少する
ことは、その最大値付近において本発明の特徴で
ある炊飯の圧結が有効に作用し始めたことを示し
ている。従つて、これらの増加重量最大値に相当
する米の充填量(第1例では35g、第2例では30
g)が「試し炊き」のデータから客観的に得られ
る判断基準(良好な炊飯を得る米充填量範囲の最
小値)として利用できることが理解される。袋の
断面は、第5図のように米の充填量の多いほど飯
は加圧されていることが分る。袋に予め設けた切
込7を裂くことによつて袋から「おにぎり」状の
飯を取り出して食することができるので人の手で
握つたものと異なり極めて衛生的であることも本
発明品の一つの利点である。 なお、以上の説明では、米の充填量を重量gで
示したけれども、実際の取扱上では米の体積cm3
(またはml)で示しても差支ないことは、いうま
でもない。 なお、本出願人は、昭和55年特許願第165799号
「容器入り米飯の製造方法およびそのための容器
および製品」明細書において本発明と基本的理念
を共にする特許出願を行つているが、発明の真の
精神を理解し得るに十分な記載においてなお欠け
るところがあつたのでここに改めて詳細な記載と
明確な特許請求の範囲とを含む出願をする次第で
ある。
の6種類の供試袋入米の煮沸後の膨張状態を比
較するための断面形状を示す。第6図は、横軸
を米の充填量g、縦軸を炊飯後の飯の正味重量
gとした場合の第1例、第2例の「試し炊き」
曲線と、通常の炊飯における「水加減」の差に
よる米飯の重量増加倍率の4例を示す原点を通
り直線R1、R2、R3、およびR0とを示す線図で
ある。 第1例および第2例の「試し炊き」とも、試
食の結果は、重量増加倍率2.2乃至2.4の範囲が
適当な固さの飯であることが分かつた。すなわ
ち、第1例の袋では、米充填量37g〜42g、や
や余裕を見れば35g乃至45gが適当であり、実
際の選択値は40gとしてよいであろう。また第
2例の袋では複合フイルムを強靭にしたため、
重量増加倍率2.2乃至2.4の範囲は第1例よりも
狭くなり、33g乃至37gとなり実際の決定値は
35gとなつた。 発明の効果 前述の「発明の目的」に列記した事項を達成す
ることができたことが、発明の効果であり、また
「作用」において説明した事項は本発明の特徴で
あるということができるけれども、この「発明の
効果」の項においては、さらに本発明の特徴を明
瞭にするために、「試し炊き」曲線図(第6図)
から理解される特有の効果について説明する。 第6図において、直線R2およびR1は通常の炊
飯における米の重量の増加倍率の範囲が2.2倍乃
至2.4倍であることを示し、良好な飯は概ねこの
範囲にあるので、本発明による米飯もこの2直線
R1とR2とに挟まれた区域にあることが良好であ
ることが理解される。第2例の袋においては米の
充填量は33g〜37gが好適となるが、飯の軟かさ
または固さの好みによつては、30g〜40g程度の
範囲を認めてよいであろう。 また、直線R0は重量増加倍率3.0の線であつて、
米充填量の少ない場合には、ほとんど重量増加倍
率3.0の線上に乗つていることが分る。これは、
米充填量が少なすぎるときには煮沸による炊飯後
も米粒の膨張を抑制する袋による圧結力がほとん
ど発生せず、米粒は自由に膨軟状態となり、袋内
には自由状態の熱水が残留しているのであつて、
このことは、実際にNo.1の袋を熱湯中から引き上
げるときに熱水が滴下することでも分ることであ
り、袋内の米飯は軟か過ぎる状態であつて本発明
による制限容積による圧結作用は存在しないこと
が認められた。 以上の「試し炊き」においては、もちろん試食
による判断が主体であるが、物理的の測定値によ
り判断を助けることができる。すなわち重量増加
倍率が2.2乃至2.4が上記の供試米コシヒカリ(真
比重1.45)の場合の基準値であり、これはまた炊
き上がつた飯の真比重を測定して1.145乃至1.165
にあることでも判断することができる。 なお、飯の真比重S、米の真比重Dおよび炊飯
による重量増加倍率Rとの間には次の関係式が成
り立つので相互の換算或いは実測値と計算値の比
較等に利用することもできる。 米1cm3について考えると、 飯の真比重=飯の重量/飯の体積= 米の比重×重量増加倍率/米の体積+吸水量 ∴S=DR/1+D(R−1) 従つて、例えば前記第2例における良好な飯の硬
さであつた供試品番号No.4およびNo.6について計
算によつて飯の硬さを求めると、それぞれ1.147、
1.179が得られ上記の実測値とほぼ一致すること
によつても試し炊きの結果を客観的に判断するこ
とができる。 米の充填量が順次増加するに従つて本発明によ
る袋の制限容積による米飯の圧結効果が顕著とな
り、米の充填量の増加にともなつて炊き上つた飯
の正味重量の増加率は減少し、図示の曲線が得ら
れた。すなわち、容器の制限容積による米飯の圧
結作用を生じない一般の炊飯においては、当然の
こと乍ら、米の量が増加すれば、同一の軟かさの
飯の炊き上がり重量は、それに正比例して第6図
の各直線R0,R1……等のように原点を通る直線
で示されることは明らかである。これに対し、本
発明による容器入り炊飯方法では、容器による圧
結作用のため米の充填量が多いほど炊き上がりの
飯の割合が減少することが「試し炊き」曲線から
理解される。この点を更に明瞭にするために、第
6図に前記「試し炊き」成績表の「炊飯による増
加重量g」をプロツトすると、第1例および第2
例に対し、それぞれ点線で示したように米の充填
量gの増加に伴つて或る極大値P1およびP2を経
て再び減少する特性曲線が得られる。このよう
に、或る一定容積の容器(代表的には袋)に対し
米の充填量を次第に増加したにも拘らず、炊飯に
よる増加重量が或る最大値を経て却つて減少する
ことは、その最大値付近において本発明の特徴で
ある炊飯の圧結が有効に作用し始めたことを示し
ている。従つて、これらの増加重量最大値に相当
する米の充填量(第1例では35g、第2例では30
g)が「試し炊き」のデータから客観的に得られ
る判断基準(良好な炊飯を得る米充填量範囲の最
小値)として利用できることが理解される。袋の
断面は、第5図のように米の充填量の多いほど飯
は加圧されていることが分る。袋に予め設けた切
込7を裂くことによつて袋から「おにぎり」状の
飯を取り出して食することができるので人の手で
握つたものと異なり極めて衛生的であることも本
発明品の一つの利点である。 なお、以上の説明では、米の充填量を重量gで
示したけれども、実際の取扱上では米の体積cm3
(またはml)で示しても差支ないことは、いうま
でもない。 なお、本出願人は、昭和55年特許願第165799号
「容器入り米飯の製造方法およびそのための容器
および製品」明細書において本発明と基本的理念
を共にする特許出願を行つているが、発明の真の
精神を理解し得るに十分な記載においてなお欠け
るところがあつたのでここに改めて詳細な記載と
明確な特許請求の範囲とを含む出願をする次第で
ある。
第1図は、本発明の簡易炊飯に使用する孔あき
プラスチツク袋を例示する斜視図、第2図は、第
1図の袋に米を充填した状態を示す斜視図、第3
図は、炊き上つた袋入米飯の外観を示す例示図、
第4図は、円筒状容器を例示する斜視図、第5図
は、米充填量を異にする袋入米の煮沸後の膨張状
態を比較するための概念的断面図、第6図は、米
の充填最適量を決定するための「試し炊き」曲線
を示す線図である。 1……複合ラミネート袋、2……袋の開口部、
3……袋の溶着辺部、4……袋の多数の小孔、5
……充填された米、6……溶着された袋開口部、
7……袋の引裂き切込み、8……円筒状容器本
体、9……円筒状容器蓋。
プラスチツク袋を例示する斜視図、第2図は、第
1図の袋に米を充填した状態を示す斜視図、第3
図は、炊き上つた袋入米飯の外観を示す例示図、
第4図は、円筒状容器を例示する斜視図、第5図
は、米充填量を異にする袋入米の煮沸後の膨張状
態を比較するための概念的断面図、第6図は、米
の充填最適量を決定するための「試し炊き」曲線
を示す線図である。 1……複合ラミネート袋、2……袋の開口部、
3……袋の溶着辺部、4……袋の多数の小孔、5
……充填された米、6……溶着された袋開口部、
7……袋の引裂き切込み、8……円筒状容器本
体、9……円筒状容器蓋。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくも米粒を通過させない程度の複数個の
貫通小孔を有する耐熱性容器に適量の米を充填し
てその充填口を閉鎖する工程と、前記容器内に充
填された米に水を含浸させる工程と、前記水を含
浸させた米を前記容器のまま熱湯中で煮沸して前
記容器内の米を炊飯する工程とを有し、前記容器
内に充填された米は、前記煮沸工程中において、
自身の糊化膨張と前記容器の制限容積との相互作
用により前記容器内で自身を圧結して米粒間の余
剰の自由水を熱湯中の排出し、良好な炊飯を形成
し、前記容器の充填される米の量は、或る一定容
積の複数個の容器にそれぞれ異なる量の米を充填
して前記工程に準じて行われる「試し炊き」によ
つて得られる重量増加曲線の最大値に相当する充
填量を充填適量範囲の最小値とし、得ようとする
炊飯の硬さに応じて前記最小値より順次増量する
ことを特徴とする簡易炊飯方法。 2 前記米充填量の適量範囲は、炊飯による重量
増加倍率が2.2乃至2.4に相当することを特徴とす
る特許請求の範囲第1項に記載の簡易炊飯方法。 3 前記米は、耐熱性非膨張性の多孔プラスチツ
ク容器に充填されていることを特徴とする特許請
求の範囲第1項に記載の簡易炊飯方法。 4 熱湯中において多孔容器入りの米を煮沸する
煮沸工程は、米を充填した容器の複数個を順次に
熱湯中に入れる工程と、炊飯された米を含む容器
を順次にすくい上げる工程とを有する特許請求の
範囲第1項に記載の簡易炊飯方法。 5 前記多孔プラスチツク容器は、袋状に形成さ
れている特許請求の範囲第1項に記載の簡易炊飯
方法。 6 前記多孔プラスチツク容器は、円筒形に形成
されている特許請求の範囲第1項に記載の簡易炊
飯方法。 7 前記多孔プラスチツク容器内の米に任意の具
が混入されている特許請求の範囲第1項に記載の
簡易炊飯方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60138146A JPS62247A (ja) | 1985-06-25 | 1985-06-25 | 簡易炊飯方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60138146A JPS62247A (ja) | 1985-06-25 | 1985-06-25 | 簡易炊飯方法および装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62247A JPS62247A (ja) | 1987-01-06 |
| JPS647740B2 true JPS647740B2 (ja) | 1989-02-09 |
Family
ID=15215080
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60138146A Granted JPS62247A (ja) | 1985-06-25 | 1985-06-25 | 簡易炊飯方法および装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62247A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63283546A (ja) * | 1987-05-18 | 1988-11-21 | Yoshio Oyama | 米飯炊飯方法 |
| JPH01124357A (ja) * | 1987-11-09 | 1989-05-17 | Yoshio Oyama | 米穀・麺類の炊蒸方法及びその蒸炊用袋 |
| JPH01171442A (ja) * | 1987-12-25 | 1989-07-06 | Chubu Jidoki Kk | 炊飯方法 |
| EP0465893A3 (en) * | 1990-07-03 | 1992-07-01 | Kanebo Ltd. | Encased instantly cookable pasta and method and apparatus for manufacturing same |
| US6007861A (en) * | 1997-10-17 | 1999-12-28 | Von Lempke; Frederick Ernst | Process for the preparation and the packaging of soya based foodstuff |
| GB2397288A (en) * | 2003-01-18 | 2004-07-21 | James Sinnott | Perforated boiling bag for food |
| JP7057023B1 (ja) * | 2021-10-27 | 2022-04-19 | 日本紙工株式会社 | ティーバッグ包装食品、及び食品の調理方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5791164A (en) * | 1980-11-27 | 1982-06-07 | Teruo Inuki | Preparation of cooked rice packed in container, container of cooked rice, and cooked rice packed in container |
-
1985
- 1985-06-25 JP JP60138146A patent/JPS62247A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62247A (ja) | 1987-01-06 |
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