JP2010077285A - インクセット及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐オゾン性に優れる画像を得ることが可能なインクセット。
【解決手段】イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクを有し、イエローインク及びシアンインクの少なくとも1つ、並びにマゼンタインクが、それぞれ硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を含有し、かつ、マゼンタインクが下記一般式(M−1)で示される染料を含有しているインクセット。
一般式(M−1):
Figure 2010077285

【選択図】なし

Description

本発明は、インクセット、及び画像形成方法に関する。
近年、コンピューターの普及に伴いインクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字・描画するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インクとしては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。
これらのインクのうち、水性インクは、製造・取り扱い性・臭気・安全性等の点を両立させ得る可能性の点では油性インクや固体(溶融型)インクよりは比較的優っているので、現用インクジェット記録用インクの主流となっている。
これらのインクジェット記録用インクに用いられる色素に対しては、溶剤(インク媒体)に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。
しかしながら、上記の諸要件を高いレベルで満たす色素を捜し求めることは、極めて難しい。特に、色相が優れていることと堅牢であることとは多くの場合に相反することであり、マゼンタインク用の色材には、上記した諸要件を満たすものが得にくく、とりわけ良好なマゼンタ色相と酸化性雰囲気に耐える堅牢性を両立させた色素を見出すことは困難が伴う。
したがって、既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているにも係らず、未だに上記した全ての要求を満足する色素は、発見されていないのが現状である。
カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来から良く知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相と堅牢性とを両立させることは難しい。
堅牢性を向上させる染料として下記の特許文献1に記載のアリールアミンと5員ヘテロ環アミンから誘導されるアゾ染料が提案されている。しかし、これらの染料はイエロ−およびシアンの領域に好ましくない色相を有しているために、色再現性を悪化させる問題を有していた。
上記に関連する技術として、色相と光堅牢性の両立を目的としたインクジェット記録用インクが開示されている(例えば、特許文献2および特許文献3参照。)。しかし、各公報で用いている色素は、水溶性インクとして用いる場合には、水への溶解性が不十分である。また各公報に記載の色素をインクジェット用水溶性インクとして用いると、湿熱堅牢性にも問題が生じる。
これらの問題を解決する手段として、改良されたマゼンタ色素とそれを用いたインクが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
さらに、写真画質用のインクジェット専用光沢紙に記録し、室内の壁面などに貼っておいた場合の画像の保存性が著しく悪い場合があることが判明した。また、ガラス製の額に入れる等の処置により空気の流れを遮断すると起こりにくくはなるもののそれでは使用条件が制約されてしまう。
この現象は、写真画質用のインクジェット専用光沢紙において特に顕著であり、写真画質が重要な特徴のひとつとなっている現在のインクジェット記録方式にとって大きな問題であった。
上記問題を解決する手段として、当該出願人らによって耐オゾン性の改良されたマゼンタ色素とそれを用いたインクが提案されている(例えば、特許文献5〜7参照)。
しかしながら、上記染料を用いてカラー画像を形成した場合に、レッドやブルーの二次色や、グレー中でのマゼンタの堅牢性が低下するという問題があった。
特開昭55−161856号公報 特開昭61−36362号公報 特開平2−212566号公報 特表平11−504958号公報 特開2002−371079号公報 特開2002−371214号公報 特開2007−204632号公報
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、耐オゾン性に優れる画像を得ることが可能なインクセット、及びそれを用いたインクジェット画像の形成方法を提供することを目的とする。
<1>
イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクを有し、前記イエローインク及び前記シアンインクの少なくとも1つ、並びに前記マゼンタインクが、それぞれ硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を含有し、かつ、前記マゼンタインクが下記一般式(M−1)で示される染料を含有していることを特徴とするインクセット。
一般式(M−1):
Figure 2010077285

(一般式(M−1)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。R、Rは、各々独立に、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。また、RとR、またはRとRが結合して5または6員環を形成してもよい。aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびe が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、各々独立にR、Rと同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。Zは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Zは、水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Qは、水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。)
<2>
イエローインク及びシアンインクのいずれもが前記硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を含有することを特徴とする<1>に記載のインクセット。
<3>
ブラックインクを更に含むことを特徴とする<1>又は<2>に記載のインクセット。
<4>
前記硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤がチオエーテル構造またはスルホキシド構造を有する化合物であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクセット。
<5>
前記マゼンタインクが、一般式(B)で示されるベタイン系化合物を含有することを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載のインクセット。
Figure 2010077285

(一般式(B)中、RS4、RS5、RS6は各々独立して、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。RS7はカルボキシル基を含有するアルキル基またはスルホ基を含有するアルキル基を表す。)
<6>
支持体上に無機微粒子を含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体上に、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のインクセットを用いて、画像を形成することを特徴とするインクジェット画像の形成方法。
本発明によれば、耐オゾン性に優れる画像の形成が可能なインクセット、及びそれを用いたインクジェット画像の形成方法を提供することができる。
以下、本発明の具体的実施形態について詳細に説明する。
[インクセット]
本発明のインクセットは、イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクを少なくとも含有する構成であるが、前記イエローインク及びシアンインクの少なくとも1つ、並びにマゼンタインクが硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤をそれぞれ含有し、かつ、前記マゼンタインクが下記一般式(M−1)で示される染料を含有することを特徴とする。前記イエローインク及びシアンインクのいずれもが前記硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を含有することが耐オゾン性向上の観点から好ましい。
染料については、後述する。
一般式(M−1):
Figure 2010077285
本発明は、イエローインク及びシアンインクの少なくとも1つと、マゼンタインクとのそれぞれに前記酸化防止剤を含有させてインクセットとして用いることにより、耐オゾン性に優れる画像(特に、カラー画像)が得られることを見出したものである。
本発明者は、具体的には、1色目のインクを打滴して得られる画像においては耐オゾン性の劣化は目立たないが、2色目以降のインクを打滴して得られた画像は耐オゾン性が極端に劣化することを見出した。特に、マゼンタインクとイエローインクとの組合せ、マゼンタインクとシアンインクとの組合せ、或いはマゼンタインク、イエローインク、及びシアンインクとの組合せで得られたデポジットグレー画像での劣化が著しかった。そこで、マゼンタインクと、マゼンタインクと組合せて用いるイエローインク等のインク中にスルホキシド系化合物又はチオエーテル系化合物等の硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を添加することにより耐オゾン性が顕著に改善することを見出し本発明を完成したものである。
一般的にインクジェット記録媒体中やインク中に含有される酸化防止剤は1色目のインク打滴ではインク受容層中の染料近傍に存在し続けるが、2色目以降のインク打滴によるインク中の溶媒や水の作用により酸化防止剤は染料近傍から支持体へ移動することで染料の酸化を防止する機能が損なわれてきて、そのため2色目以降の複数色では耐オゾン性の劣化が顕著に進行すると推測している。そこで、複数のインクに酸化防止剤を添加し、酸化防止剤が補給されることで本発明の顕著な効果は発現されるものと推測している。
本発明のインクセットは、更に、ブラックインクを有することが好ましく、必要に応じてその他のインクを用いることができる。
次に、本発明におけるマゼンタインク、イエローインク、シアンインク、及びブラックインク等のインクの構成成分について説明する。
(酸化防止剤)
本発明のインクセットにおいて、イエローインク及びシアンインクの少なくとも1つ、並びにマゼンタインクは、硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を含有する。
本発明のインクセットにおいて用いることができる前記酸化防止剤は、硫黄原子を分子内に有するものであれば特に制限は無い。上記硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤の具体例は、例えば特開2004−299373号公報の[0175]〜[0214]に記載の化合物を挙げる事ができる。これらの化合物の中でも、チオエーテル構造を有する化合物、及びスルホキシド構造を有する化合物が好ましい。
−チオエーテル構造を有する化合物(チオエーテル系化合物)−
本発明におけるチオエーテル構造を有する化合物は、分子中に、チオエーテル基を1個以上含むものであれば特に限定されるものではなく、低分子化合物でも高分子化合物でも良いが、インクに添加した場合に均一な状態を保つために、水溶性である事が好ましい。
チオエーテル系化合物は炭素原子数が2以上のものが好ましく、4以上のものが更に好ましい。
チオエーテル系化合物は、チオエーテル基、炭素原子、水素原子の他に、更に孤立電子対を含む原子(例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子)を含むことが好ましい。
チオエーテル系化合物としては、例えば、次の一般式(1)で表されるものが挙げられる。
−(S−R−S−R 一般式(1)
一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換のアリール基またはそれらを含む基を表し、RとRは同一でも異なっていてもよく、結合して環を形成してもよい。ただし、RとRの少なくとも一方は、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシ基、(ポリ)エチレンオキシ基等の親水性基あるいはアミノ基、アミド基、アンモニウム基、含窒素ヘテロ環基、アミノカルボニル基、アミノスルホニル基等の塩基性窒素原子を有する基で置換されたアルキル基またはそれを含む基(たとえばこの置換アルキル基はさらにカルバモイル基、カルボニル基、カルボニルオキシ基等の2価の連結基を介してチオエーテルの硫黄原子に結合していてもよい)である。Rは置換されていてもよく、場合によっては酸素原子を有するアルキレン基を表す。mは0〜10の整数を表し、mが1以上の場合Rに結合する少なくとも1つの硫黄原子はスルホキシド基、スルホニル基であってもよい。また、R及びRはそれぞれポリマーの残基であってもよい。
一般式(1)の好ましい化合物は、R及びRの少なくとも一方がヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アンモニウム基で置換されたアルキル基を有する化合物である。またアミノ基置換アルキル基のアミノ基としては、アミノ基、モノアルキル(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)置換アミノ基、ジアルキル(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)置換アミノ基を含み、更に含窒素ヘテロ環基であることができる。これらの中で、R及びRの少なくとも一方がヒドロキシ基、カルボキシ基を有する化合物が特に好ましい。
以下に一般式(1)の化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
−スルホキシド構造を有する化合物(スルホキシド系化合物)−
本発明におけるスルホキシド構造を有する化合物(スルホキシド系化合物)は、特に限定されるものではないが、下記一般式(1)で表される構造を分子内に1個以上有することが好ましい。
Figure 2010077285
一般式(1)で表される構造を有するスルホキシド系化合物は、親水性基で置換されていてもよい。親水性基としては、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアンモニウム、ヒドロキシル基、スルホン酸、カルボン酸、リン酸、エチレンオキシ酸、置換又は無置換の含窒素ヘテロ環等が挙げられる。
さらに、前記スルホキシド系化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010077285

[一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のヘテロ環基、又はそれらからなるポリマー残基を表し、RとRは同一でも異なってもよく、結合して環を形成していてもよい。Rは、置換又は無置換の2〜6価の連結基を表し、R及びR、R及びRと結合して環を形成していてもよい。mは0又は1以上の整数を表し、nは0又は1を表す。R、R、及びRのうちの少なくともいずれかは、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアンモニウム、ヒドロキシル基、スルホン酸、カルボン酸、リン酸、エチレンオキシ基、置換又は無置換の含窒素へテロ環で表される親水性基で置換されたアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、及びポリマー残基を表す。]
一般式(2)中、R及びRで表される前記無置換のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状構造でもよく、また不飽和結合を有していてもよく、例えば、炭素数1〜22のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、アリル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、ベンジル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、中でも、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、アリル基、n−プロピル基、iso−ブチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
及びRで表される前記無置換のアリール基としては、例えば、炭素数6〜22のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられ、中でも、フェニル基が特に好ましい。
及びRで表される前記無置換のヘテロ環基としては、チエニル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、チアジアゾイル基、トリアゾイル基、モルホリル基、ピペラジル基、ピリミジル基、トリアジル基、インドリル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾオキサゾイル基が挙げられ、中でも、チアゾリル基、オキサゾイル基、ピリジル基、チアジアゾイル基、トリアゾイル基、モルホリル基、ピリミジル基、トリアジル基、ベンゾチアゾイル基、ベンゾオキサゾイル基が特に好ましい。
前記R及びRが置換又は無置換のアルキル基、アリール基、ヘテロ環残基からなるポリマー残基を表す場合、ポリマー残基としては、下記単位を有するポリマーが挙げられる。
Figure 2010077285

[Rは、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rはアルキレン基を表し、Qは連結基を表す。R、Rはアルキレン基を表し、Lは1又は2を表し、Pは1又は2を表す。R、R、m、nは前記一般式(2)中のR、R、m、nと同義である]
前記単位中、Qで表される連結基としては、例えば、以下の連結基が挙げられる。
Figure 2010077285

[Rは水素原子、アルキル基、アリール基を表す。]
前記R及びRがアルキル基、アリール基、ヘテロ環残基を表す場合の置換基としては、置換又は無置換のアミノ基(例えば、炭素数30以下のアミノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基)、置換又は無置換のカルバモイル基(例えば、炭素数30以下のカルバモイル基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基、ピペリジノカルバモイル基)、置換又は無置換のアンモニウム(例えば、炭素数30以下のアンモニウム、アンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、ジメチルベンジルアンモニウム、ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム)、置換又は無置換のスルファモイル基(例えば、炭素数30以下のスルファモイル基、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、モルホリノスルファモイル基、ピペリジノスルファモイル基)、置換又は無置換の含窒素へテロ環(例えば、ピリジル基、ピリミジル基、モルホリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジル基)、ヒドロキシル基、スルホン酸、カルボン酸、リン酸、エチレンオキシ基等で表される親水性基、シアノ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、置換又は無置換のアルコキシカルボニル基(例えば、炭素数30以下のアルコキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ジメチルアミノエトキシエトキシカルボニル基、ジエチルアミノエトキシカルボニル基、ヒドロキシエトキシカルボニル基)、置換又は無置換のアリールオキシカルボニル基(例えば、炭素数30以下のアリールオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基)、置換又は無置換のアルコキシ基(例えば、炭素数30以下のアルコキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基)、置換又は無置換のアリールオキシ基(例えば、炭素数30以下のアリールオキシ基、フェノキシ基)、置換又は無置換のアシルオキシ基(例えば、炭素数30以下のアシルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基)、置換又は無置換のアシル基(例えば、炭素数30以下のアシル基、アセチル基、プロピオニル基)等が挙げられる。
また、RとRは同一でも異なってもよく、結合して環を形成してもよい。
は、置換又は無置換の2〜6価の連結基を表し、R及びR、R及びRと結合して環を形成してもよい。R、R、Rが互いに結合して形成する含イオウヘテロ環としては、チエニル基、チアゾイル基、チアゾリジル基、ジチオラン−2−イル基、トリチアン−2−イル基、ジチアン−2−イル基、等が挙げられる。
で表される2〜6価の連結基としては、炭素、窒素、酸素、リンを含む連結基で、具体的には以下の連結基が挙げられる。
Figure 2010077285
これらの連結基は、エーテル結合、エステル結合、アミノ結合、アミド結合、ウレタン結合等のヘテロ結合を含んでいてもよく、さらに置換基を有していてもよい。また、それらの連結基が繰り返されるポリマーであってもよい。その場合、連結基は同一であっても、異なっていてもよい。
、R、及びRの少なくともいずれかは、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のカルバモイル基、置換又は無置換のスルファモイル基、置換又は無置換のアンモニウム、ヒドロキシル基、スルホン酸、カルボン酸、リン酸、エチレンオキシ基、置換又は無置換の含窒素へテロ環で表される親水性基で置換されたアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、及びポリマー残基を表す。これらの親水性基は、前記R及びRにおいて述べた置換基が挙げられる。
本発明におけるインクは実質的に水系であることから、本発明におけるスルホキシド系化合物は水溶性であることが好ましい。
また、スルホキシド系化合物はルイス塩基であり、チオエーテル化合物と比べ、水溶性が高く、より多くの添加が可能である。
本発明におけるインクにおいて、前記スルホキシド系化合物は、従来の含イオウ系化合物(チオエーテル、チオ尿素類)に比べ、一般的に酸化電位が高く、耐オゾン、耐光性改良の目的で、より優位な酸化電位の高い色素と組合わせることで、より高い耐オゾン性、耐光性を発現させることができる。
本発明におけるスルホキシド系化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記スルホキシド系化合物の具体例(例示化合物A−1〜A−75)を以下に示すが、本発明はこれに限定されることはない。
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
Figure 2010077285
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Figure 2010077285
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本発明における酸化防止剤のインク中における含有量は、耐オゾン性、インク粘度の観点から、1質量%〜20質量%であることが好ましく、2質量%〜15質量%がより好ましく、3質量%〜10質量%が更に好ましい。
前記含有量が1質量未満であると、耐オゾン性の改良効果が見られなくなり、また20質量%以上であると、プリントした際の印字濃度の低下やプリント時の吐出性の悪化を招き、好ましくない。本発明のインクセットにおいて、インク中に硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を特定の量を含有させることにより吐出性が向上する。
(染料)
本発明におけるマゼンタインクが含有する前記一般式(M−1)で示される構造の水溶性染料について説明する。
以下、本発明の具体的実施形態について詳細に説明する。
まず、一般式(M−1)で表される化合物(アゾ染料)について説明する。一般式(M−1)で表される化合物は、水溶性であるものが好ましい。
、Rは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。
、Rは、各々独立に、水素原子、脂肪族基(置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基等)、アリール基(置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基等)、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基(アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基)、またはスルファモイル基を表す。好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、スルホニル基、アシル基、カルバモイル基であり、各置換基はさらに置換されていてもよい。
また、RとR、あるいはRとRが結合して5または6員環を形成してもよい。
aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびeが共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、各々独立にR、Rと同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。
また一般式(M−1)において、Zは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。
の上記電子吸引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上、好ましくは0.30以上のの電子吸引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0以下である。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、セレノシアネート基およびσp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基が挙げられ、Zとして好ましくはシアノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子であり、ハロゲン原子、またはシアノ基がより好ましく、シアノ基が最も好ましい。
は、水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Zとしては水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルケニル基又はスルホニル基が好ましく、アルキル基がより好ましい。各置換基はさらに置換されていてもよい。
アルキル基には、置換基を有するアルキル基および無置換のアルキル基が含まれる。前記アルキル基は、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基が好ましい。置換基の例には、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子、およびイオン性親水性基が含まれる。アルキル基の例には、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、t−ブチル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、シアノエチル、トリフルオロメチル、3−スルホプロピルおよび4−スルホブチルが含まれる。
シクロアルキル基には、置換基を有するシクロアルキル基および無置換のシクロアルキル基が含まれる。前記シクロアルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が5〜12のシクロアルキル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。シクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基が含まれる。
アラルキル基としては、置換基を有するアラルキル基および無置換のアラルキル基が含まれる。アラルキル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が7〜12のアラルキル基が好ましい。前記置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。前記アラルキル基の例には、ベンジル基、および2−フェネチル基が含まれる。
アリール基には、置換基を有するアリール基および無置換のアリール基が含まれる。アリール基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が6〜12のアリール基が好ましい。置換基の例には、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルキルアミノ基、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、水酸基、エステル基およびイオン性親水性基が含まれる。アリール基の例には、フェニル、p−トリル、p−メトキシフェニル、o−クロロフェニルおよびm−(3−スルホプロピルアミノ)フェニルが含まれる。
ヘテロ環基には、置換基を有するヘテロ環基および無置換のヘテロ環基が含まれる。ヘテロ環基としては、5員または6員環のヘテロ環基が好ましい。置換基の例には、アミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、水酸基、エステル基およびイオン性親水性基が含まれる。ヘテロ環基の例には、2−ピリジル基、2−チエニル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基および2−フリル基が含まれる。
アシル基には、置換基を有するアシル基および無置換のアシル基が含まれる。前記アシル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が1〜12のアシル基が好ましい。
置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アシル基の例には、アセチル基およびベンゾイル基が含まれる。
アルケニル基には、置換基を有するアルケニル基および無置換のアルケニル基が含まれる。アルケニル基としては、置換基の炭素原子を除いた炭素原子数が5〜12のアルケニル基が好ましい。置換基の例には、イオン性親水性基が含まれる。アルケニル基の例には、ビニル基、アリル基等が含まれる。
スルホニル基としては、アルキルスルホニル基、例えばメタンスルホニル基、およびアリールスルホニル基、例えばフェニルスルホニル基等が含まれる。
ただし、RとRが共に水素原子であることはない。
Qは、水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。好ましくはは、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、これら各置換基はさらに置換されていてもよい。これらの置換基の詳細は上記R、Rの場合と同じである。
Qは、電子吸引性基で置換された、アリール基またはヘテロ環基が好ましい。
Qの上記電子吸引性基は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上、好ましくは0.30以上のの電子吸引性基である。σp値の上限としては、好ましくは1.0以下である。
σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、セレノシアネート基およびσp値が0.20以上の他の電子吸引性基で置換されたアリール基が挙げられ、好ましくはシアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子である。上記ヘテロ環基は、電子吸引性基で置換されていてもいなくてもよい。
、Rは水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、スルホニル基、またはアシル基、aおよびeは、アルキル基またはハロゲン原子が好ましく、aおよびeが共にアルキル基の時は無置換アルキル基であって、aおよびeの炭素数の合計が3以上(好ましくは5以下)であり、a、b、c、dは、各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、イオン性親水性基(好ましくは各々水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、イオン性親水性基)の場合が好ましい組み合わせである。
はシアノ基が最も好ましい。
は、アルキル基またはアリール基が好ましい。さらに、アルキル基のうち、炭素数3〜4のアルキル基(好ましくはイソプロピル基、t−ブチル基)が好ましい。アリール基では、フェニル基およびピラゾール母核側から見て2位、4位または6位のいずれかにさらなる置換基を有するフェニル基が好ましい。
一般式(M−1)に関して、好ましい置換基の組み合わせ例を以下に示す。Zはシアノ基;Zは、イソプロピル基、t−ブチル基またはフェニル基(好ましくはt−ブチル基);Rは水素原子;Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基(好ましくはメチル基);R、Rは各々水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、スルホニル基、またはアシル基、好ましくは水素原子、ヘテロ環(好ましくはベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環(好ましくは無置換またはスルホ置換のベンゾチアゾール環))基またはアルキルおよび/またはスルホが置換されたフェニル基;aおよびeは、各々がアルキル基であって、a+eが炭素数3以上(好ましくは5以下)の置換されていてもよいアルキル基、好ましくは炭素数4以上5以下の無置換アルキル基;b、c、dは、各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、イオン性親水性基(好ましくは各々水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、スルホ基);Qは、ヘテロ環(好ましくはベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環(好ましくはスルファモイルもしくはスルホ置換の、ベンズオキサゾール環またはベンゾチアゾール環))基の場合が好ましい組み合わせである。
一般式(M−1)で表される化合物(アゾ染料)はその分子内にイオン性親水性基を少なくとも1つ(好ましくは3つ以上6つ以下)有する。イオン性親水性基は、イオン性解離基である限りいかなるものであってもよい。イオン性親水性基には、スルホ基、カルボキシル基、ホスホノ基および4級アンモニウム基等が含まれる。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基、ホスホノ基、およびスルホ基が好ましく、中でもカルボキシル基、スルホ基が好ましい。特に少なくとも1つはスルホ基である事が最も好ましい。カルボキシル基、ホスホノ基およびスルホ基は塩の状態であってもよく、塩を形成する対イオンの例には、アンモニウムイオン、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン)および有機カチオン(例、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラメチルグアニジウムイオン、テトラメチルホスホニウム)が含まれる。対イオンの中でもアルカリ金属塩が好ましい。
上記アゾ染料はその分子内にイオン性親水性基を3つ以上6つ以下有することが好ましく、スルホ基を3つ以上6つ以下有することがより好ましく、スルホ基を3つ以上5つ以下有することが更に好ましい。
(アゾ染料の製造方法)
一般式(M−1)で表されるアゾ染料は、下記方法、<1>および/又は<2>のいずれかの方法により得られる。
方法<1>は、下記の工程を含む方法である。
(a)アミノピラゾールと、ジアゾ化剤とを反応させてジアゾニウム塩を形成する工程、(b)上記工程(a)で形成されたジアゾニウム塩をカップリング剤と反応させて、置換基が導入された化合物を形成する工程、および
(c)塩基の存在下で、上記工程(b)で形成された化合物をアルキル化剤、アリール化剤又はヘテリル化剤と反応させて一般式(M−1)前駆化合物を形成する工程。
方法<1>において、工程(a)で使用するジアゾ化剤としては、亜硝酸ナトリウムの希塩酸水溶液を使用するのが好ましい。また、亜硝酸イソペンチルおよびニトロシル硫酸なども、ジアゾ化剤として使用することができる。工程(b)で使用するカップリング剤としては、含窒素6員ヘテロ環カプラーを用いることが最も好ましい。工程(c)でアルキル化剤、アリール化剤、又はヘテリル化剤とともに使用する塩基としては、ジイソプロピルエチルアミン等の有機塩基および、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基を挙げることができる。
方法<2>は、一般式(M−1)前駆化合物に求電子反応によって水溶性基を導入する工程を含む方法である。さらに求電子反応は下記に詳述する方法が好ましい。
方法<2>における求電子反応としてはスルホン化、マンニッヒ反応、フリーデルクラフツ反応があり、中でもスルホン化が好ましい。
一般式(M−1)前駆化合物をスルホン化する方法としては、濃硫酸、10%から60%までの発煙硫酸、クロロスルホン酸、三酸化イオウ、アミド硫酸等のスルホン化剤を用いてスルホン化することができる。また、溶剤を用いてもよく、溶剤としては、酢酸、無水酢酸、スルホラン、酢酸エチル、エーテル、四塩化炭素、アセトニトリル等を用いても良い。
一般式(M−1)前駆化合物において、R、Rおよびb(d)、cがスルホン化されることが好ましく、R、Rおよびb(d)、cの置換基が、複数のスルホン化されうる反応点のある場合には、置換位置の異なるスルホン化された色素が混入しても良い。この場合、主たるスルホン化された色素に対して、HPLC面積%で、0.1%から20%の範囲で置換位置の異なるスルホン化された色素が混入していても良い。反応温度(摂氏)は―5度から80度までが望ましく、さらに望ましくは10度から70度の範囲である。反応時間は30分から10時間の間が望ましく、さらに望ましくは1時間から6時間の間である。
一般式(M−1)前駆化合物の製造方法において、前記脱酸素条件としては、反応系内を窒素、アルゴン等の不活性ガスで満たして製造することが望ましく、さらには反応液内をこれらの不活性ガスでバブリングさせることが好ましい。
方法<1>の工程(a)で使用する出発物質であるアミノピラゾールは、米国特許第3,336,285号明細書およびヘテロサイクルズ(Heterocycles),20,519(1983)および特公平6−19036号公報等に記載されている方法によって合成することができる。
方法<1>の工程(b)で用いられるピリジンカプラー(カップリング剤)は、特開昭51−83631号公報、特開昭49−74718号公報、特公52−46230号公報等に記載されている方法で合成することができる。
本発明におけるインク組成物に用いるアゾ染料の具体例を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。
Figure 2010077285
Figure 2010077285
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なお、上記各表における−SOH基では、−SOLi基も好適である。
上記一般式(M−1)で表されるアゾ染料の合成例を以下に示すが、この方法に限定されるものではない。
一般式(M−1)で表される化合物の合成方法としては、下記の化合物(d−5)の例を示す。
化合物(d−5)の合成
(1)化合物(d−5a)の合成
5−アミノ−3−tert−ブチル−4−シアノピラゾール(1)24.1g(0.147mol)、濃塩酸45ml、酢酸30ml、プロピオン酸45mlを内温0℃で攪拌させ、水20mlに溶解させた亜硝酸ナトリウム10.1g(0.147mol)を10分間で滴下した。そのまま30分間攪拌させた。カプラー成分(2)84.7g(0.147mol)をメタンスルホン酸231ml、酢酸147ml、プロピオン酸221mlに溶解させ、0℃で攪拌し、上記ジアゾニウム塩を30分間で加えた。ジアゾニウム塩添加後、さらに反応液を30分攪拌させた後、水2250mlに氷750gを添加し攪拌させたところへ、上記反応液を徐々に加え、析出した化合物(d−5a)を吸引濾過し単離した。収量73.8g、収率85%。
(2)化合物(d−5b)の合成
化合物(d−5a)21g(35.5mmol)にヘテリル化剤(3)26.6g(157mmol)、炭酸カリウム21.7g、DMSO147mlを加え、窒素バブリングさせながら内温92℃で4時間加熱攪拌させた。攪拌終了後、室温まで冷却し、反応系から析出した化合物(d−5b)を吸引濾過にて単離した。さらにこの粗結晶を水3L中で分散させ、過剰の炭酸カリウムを溶解させ、吸引ろ過して目的化合物(d−5b)を得た。収量20.0g、収率63.5%。λmax=558nm(DMF溶液)。
m/Z(POSI)=858。
(3)化合物(d−5)の合成
化合物(d−5b)2g(2.33mmol)を東京化成製スルホラン7gに分散させ、内温15℃で日曹サルファン(三酸化硫黄)1.7gを滴下した。滴下終了後、内温70℃で2時間反応させた。反応終了後、反応液を20℃に冷却し、水2mlを滴下させた。内温5℃に冷却し、25wt%水酸化ナトリウム水溶液を3.3ml滴下、さらにソディウムメトキシド28wt%メタノール溶液を0.8ml滴下させた。さらにメタノールを4ml滴下し、析出した無機塩をろ過し、2mlのメタノールで共洗いした。このろ液に酢酸カリウム2g、メタノール5.6mlを添加し、さらにエタノール22,5mlを添加して、染料を晶析させ、吸引ろ過およびエタノールによる洗浄を行って、粗結晶の化合物(d−5)を得た。上記無機塩を含む粗結晶は、ファルマシア製セファデックスLH−20ゲルクロマトフラフィー(溶離液、水/メタノール=1:1(v/v))で脱塩精製し、化合物d−5を得た。得量2g、収率66%。λmax(DMSO)=567.1nm、ε=46900
本発明におけるマゼンタインク中の前記マゼンタ染料の含有量としては、特に限定されないが、印字後の発色濃度及びインク吐出量の観点から、マゼンタインク中に0.2質量%〜20質量%含有することが好ましく、0.5質量%〜10質量%含有することがより好ましい。
また、フルカラー用インクセットを構成するために、本発明におけるマゼンタインクとともにシアンインク、イエローインクおよびブラックインクを合わせて用いるが、それらもそれぞれの色素が用いられる。これらの併用することが出来る色素の例としては以下を挙げることが出来る。
次に、本発明のインクセット中のイエローインクに用いられるイエロー染料について述べる。
イエローインクに用いられるイエロー染料としては、特に制限はないが、例えば、特開2008−101173号公報の[0109]〜[0132]に記載の化合物などが好適に用いることができる。
更に、イエロー染料としては、WO2005/075573、特開2004−83903号(段落番号[0024]〜[0062])、特開2003−277662号(段落番号[0022]〜[0049])、特開2003−277661号(段落番号[0021]〜[0050])、特開2003−128953号(段落番号[0025]〜[0076])、特開2003−41160号(段落番号[0028]〜[0064])等に記載の化合物などが好適に用いることができる。
また、特開2007−063520号公報や特開2006−57076号公報に記載の化合物を挙げることができる。
次に、本発明のインクセット中のシアンインクに用いられるシアン染料について述べる。
シアンインクに用いられるシアン染料としては、特に制限はないが、例えば、特開2008−101173号公報の[0133]〜[0142]に記載の化合物などが好適に用いることができる。
更に、シアン染料としては、国際出願公開2002/60994号、同2003/811号、同2003/62324号、特開2003−213167号、同2004−75986号、同2004−323605号、同2004−315758号、同2004−315807号、特開2005−179469号公報に記載されたものが挙げられる。
次に、本発明のインクセット中のブラックインクに用いられるブラック染料について述べる。
ブラックインクに用いられるブラック染料としては、特に制限はないが、例えば、特開2008−101173号公報の[0143]〜[0199]に記載の化合物などが好適に用いることができる。
更に、特開2005−239822号公報の[0019]〜[0024]に記載の化合物が挙げられる。
本発明におけるイエローインク中の前記イエロー染料の含有量としては、特に限定されないが、印字後の発色濃度及びインク吐出量の観点から、イエローインク中に0.2質量%〜20質量%含有することが好ましく、1質量%〜10質量%することがより好ましい。
また、本発明におけるシアンインク中の前記シアン染料の含有量としては、特に限定されないが、印字後の発色濃度及びインク吐出量の観点から、シアンインク中に0.2質量%〜10質量%含有することが好ましく、1質量%〜7質量%することがより好ましい。
更に、本発明におけるブラックインク中の前記ブラック染料の含有量としては、特に限定されないが、印字後の発色濃度及びインク吐出量の観点から、ブラックインク中に0.2質量%〜20質量%含有することが好ましく、2質量%〜10質量%することがより好ましい。
また、本発明のインクセットにおいては、色調や褪色時のカラーバランスを整えるため等の目的で、他の染料を添加することもできる。
イエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン色素;例えばベンジリデン色素やモノメチンオキソノール色素等のようなメチン色素;例えばナフトキノン色素、アントラキノン色素等のようなキノン系色素などがあり、これ以外の色素種としてはキノフタロン色素、ニトロ・ニトロソ色素、アクリジン色素、アクリジノン色素等を挙げることができる。これらの色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであっても良く、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
マゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン色素;例えばアリーリデン色素、スチリル色素、メロシアニン色素、オキソノール色素のようなメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素のようなカルボニウム色素、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系色素、例えばジオキサジン色素等のような縮合多環系色素等を挙げることができる。これらの色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであっても良く、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
シアン染料としては、例えばインドアニリン色素、インドフェノール色素のようなアゾメチン色素;シアニン色素、オキソノール色素、メロシアニン色素のようなポリメチン色素;ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、キサンテン色素のようなカルボニウム色素;フタロシアニン色素;アントラキノン色素;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ色素を挙げることができる。これらの色素は、クロモフォアの一部が解離して初めてシアンを呈するものであっても良く、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。また、ポリアゾ染料などのブラック色素も使用することが出来る。
そのほかの水溶性染料としては、例えば特開2007−204632号公報の[0095]に記載の直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等の水溶性染料や、同公報[0096]〜[0101]に記載の染料や顔料等を併用することもできる。
(ベタイン系化合物)
次に、本発明のマゼンタインクに含まれるベタイン系化合物について述べる。
マゼンタインクにベタイン系化合物を添加することで、とくに色素の堅牢性を維持してかつ記録画像の滲みを防止する効果が顕著となる点で好ましい。
ここで言うベタイン系化合物とは、その分子中にカチオン性の部位とアニオン性の部位を両方とも有し、かつ界面活性を有する化合物を表す。カチオン性の部位としてはアミン性の窒素原子、ヘテロアリール環の窒素原子、炭素との結合を4つ有するホウ素原子、リン原子などを挙げることができる。この中で好ましくはアンモニウム構造の窒素原子もしくはヘテロアリール環(好ましくはイミダゾリウム構造)の窒素原子である。中でも特に第4級の窒素原子であることが好ましい。アニオン性の部位としては、水酸基、チオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシル基、イミド基、リン酸基、ホスホン酸基などを挙げることができる。この中でも特にカルボキシル基、スルホ基が好ましい。好ましくは、カルボキシル基又はスルホ基含有化合物である。分子全体としての荷電は、カチオン、アニオン、中性のいずれでもよいが、好ましくは中性である。
本発明のマゼンタインクに含まれるベタイン系化合物は、アルキルアミノベタイン系化合物が好ましく、アルキルアミノベタイン系化合物が下記一般式(B)で表される化合物であることが特に好ましい。
一般式(B):
Figure 2010077285
一般式(B)において、RS4、RS5、RS6は各々独立して、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。RS4、RS5、RS6は各々独立して、アルキル基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜14の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(置換されていてもよい。好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)。を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。環状構造の具体例としては、例えばピペリジン環、モルホリン環等が挙げられる。RS4、RS5、RS6として、特に好ましくはアルキル基である。
S7はカルボキシル基を含有するアルキル基またはスルホ基を含有するアルキル基を表す。RS7はカルボキシル基またはスルホ基を含有する置換基(好ましくは、カルボキシル基またはスルホ基を含有する、アルキル基、アリ−ル基またはヘテロ環基)を表す。
前記アルキル基、アリ−ル基またはヘテロ環基はRS4、RS5、RS6で記載したものと同様なものが挙げられ、同様なものが好ましい。RS7は−L−COOで表される基であることが好ましい。Lは2価の連結基を表す。この例としては、アルキレン基、アリーレン基を基本的な構成単位として含む2価の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。Lとしてはアルキレン基(メチレン、エチレンが好ましく、メチレンがより好ましい)が好ましい。
S4、RS5、RS6もしくはLには種々の置換基が置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、RS4、RS5、RS6もしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
本発明に用いる一般式(B)で表される化合物において、RS4、RS5、RS6およびLで表される基のいずれかに炭素数8以上の基を含有する場合が好ましい。中でもRS4、RS5、RS6に炭素数8以上の長鎖アルキル基が含有されるものが特に好ましい。LをCH(RS8)と表し、RS8は水素原子または炭素数8以上のアルキル基を表し、RS4、RS5、RS6、RS8のいずれかが炭素数8以上のアルキル基である場合がより好ましい。
一般式(B)で表されるベタイン系化合物の好ましい添加量は広い範囲を持つが、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.01〜15質量%であり、さらに好ましくは0.01〜10質量%であり、特に好ましくは0.01〜5質量%である。
以下に本発明に好ましく用いられるベタイン系化合物の具体例を示すが、本発明はもちろんこれによって限定されるものではない。
Figure 2010077285
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また、本発明のインクセットに用いられるイエローインク,マゼンタインク,シアンインク,ブラックインク等の各インクは、インクの吐出性や表面張力を調節する目的で、ノニオン系の界面活性剤を含有しても良い。
ノニオン系界面活性剤は、例えば、特開2007−204632号公報[0128]〜[0158]に記載のものを用いることができる。
本発明における前記各インク中の界面活性剤の含有量は、0.01〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜15質量%、さらに好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.01〜5質量%である。インク中の濃度が0.01質量%より少ないと、吐出安定性の低下、混色時の滲みの発生、ひげ発生などのように印字品質が著しく低下する傾向がある。またインク中の界面活性剤が20質量%より多いと、吐出時、ハード表面へのインクの付着等により印字不良となる場合がある。
この観点から、本発明におけるインクの静的表面張力は、25℃において20mN/m以上が好ましく、25mN/m以上がより好ましい。また、25℃において60mN/m以下が好ましく、50mN/m以下がより好ましく、40mN/m以下が特に好ましい。静的表面張力については、さらに後述する。
本発明における前記各インクにおいては、界面活性剤を1種単独で用いても、2種以上を併用してもよく、上記以外の界面活性剤を併用することが可能である。
別種の界面活性剤を併用することにより、表面張力等のインクの液物性を調整すること、インクの吐出安定性を向上させること、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲み防止性が向上することなどで、本発明の上記界面活性剤の効果が補強されることもある。
これら上記界面活性剤と併用できる界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、脂肪アミン塩、4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等のカチオン性界面活性剤、フッ素系、シリコン系化合物などが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上を用いることができる。
具体的には、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テロラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤などが挙げられる。
これらの併用してもよい界面活性剤は、本発明の効果を失わない範囲内で添加することが可能であり、前記各インクに含有することができる上記含有量の範囲で含有することができる。
本発明において、界面活性剤は、後述する色材の乳化分散を必要とする場合、および表面張力調整剤として用いる場合にも使用可能ですので、界面活性剤の更なる説明は、それぞれの項で加えることとする。
本発明の前記各インクは、水性媒体中に前記染料と酸化防止剤、必要に応じて界面活性剤を溶解および/または分散させることによって作製することができる。本発明における「水性媒体」とは、水又は水と少量の水溶性有機溶剤との混合物に、必要に応じて湿潤剤、安定剤、防腐剤等の添加剤を添加したものを意味する。
前記以外に用いられ得る水溶性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、尿素、尿素誘導体およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水溶性有機溶剤は、25℃において液体でも固体でもよい化合物であり、2種類以上を併用してもよい。
水溶性有機溶剤の使用量は、本発明における前記各インク中、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜60質量%である。また本発明でいう水溶性とは、25℃の水に対する溶解度が、1g/100g以上であることを意味する。
本発明で得られたインクには、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等の添加剤を適宜選択して適量使用することができる。
本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチルー2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等のヘテロ環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤はインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらはインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンゾオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤としては、上記酸化防止剤以外の各種の有機系および金属錯体系の褪色防止剤を更に使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式および化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
本発明におけるインクは腐食を防止する観点から、さらにインク中に防腐剤を含有するということが好ましい。本発明において、防腐剤とは微生物、特に細菌・真菌(カビ)の発生、発育を防止する機能を有するものを言う(防黴剤とも言う)。
本発明に有用な防腐剤として、以下のものが効果的に使用することができる。
無機系の防腐剤として重金属イオンを含有する(銀イオン含有物や銅錯体化合物など)やそれらの塩類をまず挙げることができる。有機系の防腐剤としては、第4級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロリド、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、セチルピリジニウムクロリド、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等)、フェノール誘導体(フェノール、クレゾール、ブチルフェノール、キシレノール、ビスフェノール等)、フェノキシエーテル誘導体(フェノキシエタノール等)、ヘテロ環化合物(ベンゾトリアゾール、プロキセル(PROXEL)、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等)、酸アミド類、カルバミン酸、カルバメート類、アミジン・グアニジン類、ピリジン類(ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド等)、ジアジン類、トリアジン類、ピロール・イミダゾール類、オキサゾール・オキサジン類、四硝酸ペンタエリスリトール、ベンゾトリアゾール類、チアゾール・チアジアジン類、チオ尿素類、チオセミカルバジド類、ジチオカルバメート類、スルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、スルファミド類、抗生物質類(ペニシリン、テトラサイクリン等)、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンおよびその塩など種々のものが使用可能である。防腐剤としては防菌防微ハンドブック(技報堂:1986)、防菌防黴剤事典(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載のものも使用できる。
これらの化合物は油溶性の構造、水溶性の構造のものなど種々のものが使用可能であるが、好ましくは水溶性の化合物である。特に好ましくはプロキセル、ベンゾトリアゾールが使用できる。
中でも本発明では、これらの防腐剤を2種以上併用して使用すると、インクの長期間の経時における吐出安定性が格段に向上し、本発明の効果がさらに良好に発揮される。2種以上組み合わせる場合、その防腐剤種は異なった化学構造の骨格を有するものであることが好ましい。また、2種以上の防腐剤を含有する場合には、少なくとも1種の防腐剤が、ヘテロ環化合物であることが好ましい。例えば、ヘテロ環化合物と抗生物質の組み合わせ、ヘテロ環化合物とフェノール誘導体との組み合わせ等が好ましく挙げられる。2種の防腐剤を組み合わせる場合の含有量比は、特に限定的ではないが、防腐剤A/防腐剤B=0.01〜100(質量比)の範囲が好ましい。
防腐剤の添加量は広い範囲で使用可能であるが、0.001〜10質量%、好ましくは、0.02〜5.00質量%、より好ましくは、0.1〜5質量%である。
本発明におけるインクは、インク中の多価金属イオンを補足・溶解する目的で、キレート化剤を含有しても良い。好ましいキレート化剤としては、例えば特開2008−101173号公報の[0098]〜[0099]に記載の化合物が挙げられる。キレート化剤の含有量としては、インク中、0.001〜1質量%が好ましく、0.005〜0.5質量%がより好ましく、0.01〜0.1質量%が特に好ましい。
本発明に使用されるpH調整剤はpH調節、分散安定性付与などの点で好適に使用する事ができ、25℃でのインクのpHが4〜11に調整されていることが好ましい。pHが4未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。pH調製剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
前記有機塩基としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンなどが挙げられる。前記無機アルカリとしては、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなど)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなど)、アンモニウムなどが挙げられる。また、前記有機酸としては酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキルスルホン酸などが挙げられる。前記無機酸としては、塩酸,硫酸、リン酸などが挙げられる。
本発明において、媒体としては水もしくは水と水溶性有機溶剤との混合溶剤である水性媒体が好ましい。
本発明におけるインクを作製する際には、濾過により固形分であるゴミを除く工程がインクの安定性向上および色相の向上のために重要である。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.05μm以上0.3μm以下、より好ましくは0.20μm以上0.3μm以下のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料のインクの場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたジャケット型のフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりジャケットを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
また、濾過後には溶液中に空気を取り込むことが多い。この空気に起因する泡もインクジェット記録において画像の乱れの原因となることが多いため、本発明では脱泡工程を別途設ける。脱泡の方法としては、超音波脱泡や減圧脱泡等種々の方法が利用可能である。
これらの作業は、作業時におけるゴミの混入を防ぐため、クリーンルームもしくはクリーンベンチなどのスペースを利用して行うことが好ましい。本発明では特にクリーン度としてクラス100以下のスペースにおいてこの作業を行う。
本発明におけるインク粘度は、23℃において3〜10mPa・sであることが好ましい。10mPa・sを超えると記録画像の定着速度が遅くなり、吐出性能も低下する傾向となり、3mPa・s未満では、記録画像がにじむために品位が低下する場合がある。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調整可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
粘度の測定方法は、JISのZ8803に詳細に記載されているが、市販品の粘度計にて簡便に測定することができる。例えば、回転式では東京計器のB型粘度計、E型粘度計がある。本発明では山一電機の振動式VM−100A−L型により23℃にて測定した。粘度の単位はパスカル秒(Pa・s)であるが、通常はミリパスカル秒(mPa・s)を用いる。
本発明で用いる前記各インクは、23℃での静的表面張力が25〜40mN/mであることが好ましい。さらに、23℃での静的表面張力が30〜40mN/mであることが好ましい。インクの静的表面張力が40mN/mを超えると、吐出安定性の低下、混色時の滲みの発生、ひげ発生(例えば、シアンベタ上に黒文字を印字した場合などに、黒文字からヒモ状に滲みが発生することがある)などのように印字品質が著しく低下する場合がある。また、インクの静的表面張力が25mN/mに満たないと、吐出時にハード表面へのインクの付着等が生じ、印字不良となる場合がある。
静的表面張力測定法としては、毛細管上昇法、滴下法、吊環法等が知られているが、本発明においては、垂直板法を静的表面張力測定法として用いる。垂直板法の原理を以下に示す。
ガラスまたは白金の薄い板を液体中に一部分浸して垂直に吊るすと、液面と板との接する部分に表面張力が下向きに働く。この表面張力は板を吊るしている上向きの力と釣り合わせることで測定することができる。
本発明で用いるインクの動的表面張力は、23℃において25〜40mN/mであることが好ましく、30〜40mN/mであることがさらに好ましい。動的表面張力が40mN/mを超えると、吐出安定性の低下、混色時の滲みの発生、ひげ発生などのように印字品質が著しく低下する場合がある。また、25mN/mに満たないと、吐出時にハード表面へのインクの付着等が生じ、印字不良となる場合がある。
動的表面張力測定方法としては、例えば「新実験化学講座、第18巻、界面とコロイド」[(株)丸善、p.69〜90(1977)]に記載されるように、振動ジェット法、メニスカス落下法、最大泡圧法等が知られており、さらに、特開平3−2064号公報に記載されているような液膜破壊法が知られているが、本発明においては、動的表面張力測定法として、バブルプレッシャー差圧法を用いている。以下、その測定原理と方法を説明する。
界面活性剤を添加した溶液を撹拌して均一とし、溶液中で気泡を生成すると、新たな気−液界面が生成され、溶液中の界面活性剤分子が水の表面に一定速度で集まってくる。バブルレート(気泡の生成速度)を変化させたとき、生成速度が遅くなれば、より多くの界面活性剤が泡の表面に集まってくるため、泡がはじける直前の最大泡圧が小さくなり、バブルレートに対する最大泡圧(表面張力)が検出できる。本発明における動的表面張力測定では、大小2本のプローブを用いて溶液中で気泡を生成させ、2本のプローブの最大泡圧状態での差圧を測定し、動的表面張力を算出する。
静的表面張力および動的表面張力の調整は、表面張力調整剤を用いることにより行うことができ、上記範囲とすることが可能である。
表面張力調整剤としては、ノニオン、カチオンあるいはアニオン界面活性剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩(例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石油スルホン酸塩など)、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができ、ノニオン系界面活性剤としては、アセチレン系ジオール(例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールなど)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、ポリオキシエチレンデシルエーテル、アセチレン系ジオールのエチレンオキシド付加物など)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等を挙げることができる。
また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
前記各インクからの析出や分離が起こりにくく、発泡性が少なくいことから、疎水性部位が2本鎖あるいは疎水性部位が分岐しているアニオン性界面活性剤や疎水性部位の中央付近に親水性基を有するアニオン性またはノニオン性界面活性剤、疎水性部位が2本鎖あるいは疎水性部位が分岐しているノニオン性界面活性剤が好ましい。
この目的のための界面活性剤の含有量は、インクに対して0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
本発明における前記各インクを含むインクセットを用いて形成された画像は、インクの滲みも低いレベルに抑制される。本発明の典型的な態様では、支持体上に無機微粒子(例えば、白色無機顔料粒子)を含有するインク受容層を有する受像材料に対するにじみが明視距離での目視検知出来ないレベルにある。また、ゼラチン含有硬化層を画像記録層とする受像材料に対しても、明視距離での目視検知不能のにじみレベルである。特に高湿、高温のもとで保存された場合にも、本発明における前記各インクによる描画像は、優れた滲み耐性を有している。
滲みの原因は、染料の性質のほかに、インクの物性調整や渇き防止のために添加されている補助溶媒、例えばグリセリン、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ルモノブチルエ−テルなどの含有量と種類、残留溶媒量、像構造、二次色(レッドとブル−)の重なり具合などの諸要因に係っている。インク処方において滲みを改良するには、染料の選択のほかに、補助溶媒量の減量、インクの表面張力の最適化(30〜37mN/m、好ましくは30〜35mN/m)が効果的である。
滲みの程度は受像紙により異なるが、本発明における前記インクは受像紙の種類を変えても滲まないことにも特徴がある。インク処方設計により滲みを改良するためには染料の溶解度が低い溶剤を使用することが好ましい。前記本発明における染料の場合、例えばグリセリン、PFG(プロピレングリコ−ルモノプロピルエ−テル)を用いることが好ましい。滲みを改良するための別の方法としては媒染力を強化することであり,媒染のためのアンカ−化合物を導入することである。具体的にはベタイン化合物を用いることにより媒染剤と染料の相互作用強化をすることである。
なお、インクジェット記録用インクの調製方法については、特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号の各公報に詳細が記載されていて、本発明におけるインクジェット記録用インクの調製にも利用できる。
本発明のインクセットを用いて描画される記録紙および記録フィルムについて説明する。本発明では、公知の被記録材、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば特開平8−169172号公報、同8−27693号公報、同2−276670号公報、同7−276789号公報、同9−323475号公報、特開昭62−238783号公報、特開平10−153989号公報、同10−217473号公報、同10−235995号公報、同10−337947号公報、同10−217597号公報、同10−337947号公報等に記載されているインクジェット専用紙、フィルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金属、陶磁器等を用いることができる。
以下に本発明のインクセットを用いてインクジェットプリントをするのに用いられる記録紙および記録フィルムについて説明する。記録紙および記録フィルムにおける支持体は、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。支持体としては、これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/mが望ましい。
支持体にそのままインク受容層およびバックコート層を設けて本発明におけるインクの受像材料としてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、インク受容層およびバックコート層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
本発明では支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)やポリエチレンテレフタレートでラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
支持体上に設けられるインク受容層について述べる。
インク受容層は、多孔質材料や水性バインダーが含有される。また、インク受容層には無機微粒子である顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法(気相法)によって得られる無水珪酸および湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。
上記顔料をインク受容層に含有する記録紙としては、具体的には、特開平10−81064号、同10−119423、同10−157277、同10−217601、同11−348409、特開2001−138621、同2000−43401、同2000−211235、同2000−309157、同2001−96897、同2001−138627、特開平11−91242、同8−2087、同8−2090、同8−2091、同8−2093、同8−174992、同11−192777、特開2001−301314などに開示されたものを用いることができる。
インク受容層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して用いることができる。本発明においては、これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
インク受容層は、顔料および水性バインダーの他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。
インク受容層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が滲み防止の点で好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、滲みのない優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド等が挙げられる。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオエーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMPO化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、アミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スルフィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ヘテロ環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯体等があげられる。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特開2000−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特公平4−34512号、特開平11−170686号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2000−94829号、特表平8−512258号、特開平11−321090号等に記載のものがあげられる。
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
硬膜剤としては特開平1−161236号公報の222頁、特開平9−263036号、特開平10−119423号、特開2001−310547号に記載されている材料などを用いることが出来る。
その他のインク受容層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
記録紙および記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
インクジェット記録紙および記録フィルムの構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−1316648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止できる。
本発明のけるインクを含むインクセットは、インクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、およびインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。尚、特に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[実施例1]
<インクセットの作製>
(イエローインクY−101の調製)
下記の成分にイオン交換水を加え1000gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで加圧濾過してイエローインク(Y−101)を調製した。
〔イエローインク:Y−101処方〕
(固形分)
・イエロー染料(下記構造式で示されるイエロー染料Y−1のカリウム塩) 60.0g
・プロキセルXL−2(アーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製) 1.0g
(液体成分)
・グリセリン 81g
・トリエチレングリコール 96g
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 91g
・プロピレングリコール 3g
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製;アセチレンジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物(ノニオン系界面活性剤)) 20g
(酸化防止剤)
・メチオニンスルホキシド 50g
・イオン交換水 598g(全体で1000gになるように添加)
Figure 2010077285
(マゼンタインクM−101の調製)
下記の成分にイオン交換水を加え1000gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで加圧濾過してマゼンタインク(M−101)を調製した。
〔マゼンタインク M−101処方〕
(固形分)
・マゼンタ染料(下記構造式で示されるマゼンタ染料M−1) 30.0g
・尿素 48.0g
・プロキセルXL−2(アーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製) 1.0g
(液体成分)
・グリセリン 84.0g
・トリエチレングリコール 20.0g
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 99.0g
・プロピレングリコール 3.0g
・下記ベタイン化合物W−1・・・17.0g
(酸化防止剤)
・メチオニンスルホキシド 50g
・イオン交換水 648g(全体で1000gになるように添加)
Figure 2010077285
Figure 2010077285
(シアンインクC−101の調製)
下記の成分にイオン交換水を加え1000gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで加圧濾過してシアンインク(C−101)を調製した。
〔シアンインク C−101処方〕
(固形分)
・シアン染料(下記構造式で示されるシアン染料C−1) 54.0g
・尿素 41.0g
・プロキセルXL−2(アーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製) 1.0g
(液体成分)
・グリセリン 91g
・トリエチレングリコール 18g
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 94g
・プロピレングリコール 3g
・1,2−ヘキサンジオール 12g
・2−ピロリドン 27g
・オルフィンE1010((日信化学工業(株)製;アセチレンジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物(ノニオン系界面活性剤)) 10g
(酸化防止剤)
・メチオニンスルホキシド 50.0g
・イオン交換水 599g(全体で1000gになるように添加)
Figure 2010077285
(ブラックインクBk−101の調製)
下記の成分にイオン交換水を加え1000gとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.2μmのミクロフィルターで加圧濾過してブラックインク(Bk−101)を調製した。
〔ブラックインク:Bk−101処方〕
(固形分)
・ブラック染料1(下記ブラック用主染料Bk−1) 62.0g
・ブラック染料2(下記ブラック用補色染料Bk−2) 10.0g
・プロキセルXL−2(アーチ・ケミカルズ・ジャパン(株)製) 1.0g
(液体成分)
・グリセリン 83g
・トリエチレングリコール 8g
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル 84g
・プロピレングリコール 3g
・1,2−ヘキサンジオール 16g
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製;アセチレンジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物(ノニオン系界面活性剤)) 10g
(酸化防止剤)
・メチオニンスルホキシド 50g
Figure 2010077285
<インクセット1の作製>
上記で得られたイエローインクY−101、マゼンタインクM−101、シアンインクC−101、及びブラックインクBk−101からなるインクセット1を作製した。
[比較例1、実施例2]
(イエローインクY−102、マゼンタインクM−102、シアンインクC−102及びブラックインクBk−102調製)
実施例1のインクセット1において、イエローインクY−101の酸化防止剤のメチオニンスルホキシドを除いた以外は実施例1と同様にして、イエローインクY−102を調製した。
同様にして、実施例1のインクセット1のマゼンタインクM−101、シアンインクC−101、ブラックインクBk−101から酸化防止剤のメチオニンスルホキシドを除いた以外は実施例1と同様にして、マゼンタインクM−102、シアンインクC−102、ブラックインクBk−102を調製した。
(イエローインクY−103、マゼンタインクM−103、シアンインクC−103及びブラックインクBk−103の調製)
実施例1のインクセット1におけるイエローインクY−101、マゼンタインクM−101、シアンインクC−101、ブラックインクBk−101における酸化防止剤のメチオニンスルホキシドをチオエーテル化合物(3,6−ジチア−1,8−オクタンジオール)に変更した以外は、実施例1と同様にして、イエローインクY−103、マゼンタインクM−103、シアンインクC−103、ブラックインクBk−103を調製した。
(イエローインクY−104〜106、マゼンタインクM−104〜106、シアンインクC−104〜106及びブラックインクBk−104〜106の調製)
実施例1のインクセット1におけるイエローインクY−101における酸化防止剤のメチオニンスルホキシドの添加量50g(5質量%)を10g(1質量%)、180g(18質量%)、220g(22質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして、イエローインクY−104〜106を調製した。
同様にして、マゼンタインクM−104〜106、シアンインクC−104〜106及びブラックインクBk−104〜106を調製した。
<インクセット2〜10の作製>
上記で得られたイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、及びブラックインクを表2に記載の組合せでインクセット2〜10を作製した。
<画像記録>
表2に記載のインクセット1〜10を、富士フイルム(株)製Dry Minilab400インクカートリッジに充填し、富士フイルム(株)製インクジェット受像紙「画彩」ロールペーパーを用いて、23℃50%RHの環境下で記録を行った。
上記インクセット1〜10を用いて、マゼンタ単色で印字濃度が異なるサンプル及びイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色によるコンポジットグレーで印字濃度が異なるサンプルを作成し、以下の画像評価を行った。
1.耐オゾン性評価(マゼンタ単色)
印字直後の反射濃度(M)が約0.8の部分の画像濃度CiをX−rite310にて測定した後、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に5日間放置し、オゾンガス下放置後の画像濃度(Cf)を反射濃度計(X−rite310TR)を用いて測定し、染料残存率Cf/Ci×100を求め、下記判定基準により評価した。
(判定基準)
評価1:染料残存率が90%以上
評価2:染料残存率が80%以上90%未満
評価3:染料残存率が70%以上80%未満
評価4:染料残存率が70%未満
2.耐オゾン性評価(コンポジットグレー)
コンポジットグレー画像の印字直後の反射濃度(M)が約0.8の部分の画像濃度CiをX−rite310にて測定した後、オゾンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に5日間放置し、オゾンガス下放置後の画像濃度(Cf)を反射濃度計(X−rite310TR)を用いて測定し、染料残存率Cf/Ci×100を求め、下記判定基準により評価した。
(判定基準)
評価1:染料残存率が90%以上
評価2:染料残存率が80%以上90%未満
評価3:染料残存率が70%以上80%未満
評価4:染料残存率が70%未満
3.インクの吐出性テスト
各インクセットの吐出性を以下の方法で評価した。
インクセットを交換した際に、インクジェットヘッド内に残っているテストが終了したインクを、新しくセットしたインクにそれぞれ置き換えるために、ヘッドクリーニングを3回実施する。その後、ノズルチェックパターンを印字し、全色の全ノズルからインクが出ていない場合には、再度ヘッドクリーニングを行った後にノズルチェックパターンを印字する。この作業を繰り返し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの全ノズルからインクが出るまでに要したヘッドクリーニング回数を求め、下記判定基準により評価した。
(判定基準)
評価1:ヘッドクリーニング0回(基準の3回のクリーニング後に全ノズルから吐出)
評価2:ヘッドクリーニング1〜2回
評価3:ヘッドクリーニング3〜4回
評価4:ヘッドクリーニング4回以上
評価結果を以下に示す。
Figure 2010077285
Figure 2010077285
表1、2の結果から、本発明のインクセットを用いて画像記録を行う事で、マゼンタ単色のみならず、グレー中のマゼンタの耐オゾン性に優れた高画質な画像を得られ、また吐出性が大きく改善されていることがわかる。

Claims (6)

  1. イエローインク、マゼンタインク、及びシアンインクを有し、前記イエローインク及び前記シアンインクの少なくとも1つ、並びに前記マゼンタインクが、それぞれ硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を含有し、かつ、前記マゼンタインクが下記一般式(M−1)で示される染料を含有していることを特徴とするインクセット。
    一般式(M−1):
    Figure 2010077285

    (一般式(M−1)中、R及びRは、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルもしくはアリールチオ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。R、Rは、各々独立に、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。また、RとR、またはRとRが結合して5または6員環を形成してもよい。aおよびeは各々独立に、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を表すが、aおよびe が共にアルキル基である時は、そのアルキル基を構成する炭素数の合計が3以上であって、それらはさらに置換されていてもよい。b、c、dは、各々独立にR、Rと同義であり、aとb、または、eとdで互いに縮環していてもよい。Zは、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Zは、水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。Qは、水素原子、脂肪族基、アリール基またはヘテロ環基を表す。但し、一般式(M−1)は、少なくとも一つのイオン性親水性基を有する。)
  2. イエローインク及びシアンインクのいずれもが前記硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクセット。
  3. ブラックインクを更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記硫黄原子を分子内に有する酸化防止剤がチオエーテル構造またはスルホキシド構造を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 前記マゼンタインクが、一般式(B)で示されるベタイン系化合物を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインクセット。
    Figure 2010077285

    (一般式(B)中、RS4、RS5、RS6は各々独立して、アルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。RS7はカルボキシル基を含有するアルキル基またはスルホ基を含有するアルキル基を表す。)
  6. 支持体上に無機微粒子を含有するインク受容層を有するインクジェット記録媒体上に、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクセットを用いて、画像を形成することを特徴とするインクジェット画像の形成方法。
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