JPH026805B2 - - Google Patents
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- JPH026805B2 JPH026805B2 JP59018132A JP1813284A JPH026805B2 JP H026805 B2 JPH026805 B2 JP H026805B2 JP 59018132 A JP59018132 A JP 59018132A JP 1813284 A JP1813284 A JP 1813284A JP H026805 B2 JPH026805 B2 JP H026805B2
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Description
本発明は、オーデイオ、ビデオ等の磁気記録用
磁性材料、特に、ビデオ用の磁性材料として最適
である針状晶を有し、粒度が均斉であり、樹枝状
粒子が混在しておらず、その結果、かさ密度が大
きく、且つ、微粒子で比表面積が大きく、粒子表
面並びに粒子内部の結晶性の度合が高められた実
質的に高密度なものであり、高い保磁力Hcと大
きな飽和磁化σsとを有し、しかも酸化安定性の優
れたP化合物とSi化合物で被覆された、又は必要
によりP化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl
化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法に関する
ものである。 磁気記録媒体の製造に際して、本発明により得
られるP化合物及びSi化合物で被覆された、又は
必要によりP化合物及びSi化合物とNi及び/又
はAl化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を用いた場合
には、針状晶を有し、粒度が均斉であり、樹枝状
粒子が混在しておらず、その結果、かさ密度が大
きく、且つ、微粒子で比表面積が大きく、粒子表
面並びに粒子内部の結晶性の度合が高められた実
質的に高密度なものであり、しかも、高い保磁力
Hcと大きな飽和磁化σsとを有し、しかも酸化安
定性の優れたことに起因して、磁性粒子のビーク
ル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性が
極めて優れており、磁気テープの記録再生時に生
じるノイズレベルが低く、且つ、高出力特性が得
られる優れた磁気記録媒体を得ることができる。 近年、ビデオ用、オーデイオ用磁気記録再生用
機器の長時間記録化、小型軽量化が激化してお
り、特に、昨今におけるVTR(ビデオ・テープ・
レコーダー)の普及は目覚ましく、長時間記録化
並びに小型軽量化を目指したVTRの開発が盛ん
に行われれており、一方においては、磁気記録媒
体である磁気テープに対する高性能化、高密度記
録化の要求が益々高まつてきている。 即ち、磁気記録媒体の高画像画質、高出力特
性、殊に周波数特性の向上及びノイズレベルの低
下が要求され、その為には、残留磁束密度Brの
向上、高保磁力Hc化並びに、分散性、充填性、
テープ表面の平滑性の向上が必要であり、益々
S/N比の向上が要求されてきている。 磁気記録媒体のこれら諸特性は磁気記録媒体に
使用される磁性材料と密接な関係を持つており、
例えば、日経エレクトロニクス(1976年)5月3
日号第82頁〜105頁に掲載されている「ビデオ及
びオーデイオ用磁気テープの最近の進歩」という
文献中、第83〜84頁に記載の「ビデオ テープ
レコーダの画質の内テープによつて変化する特性
で主要なものは、S/N比、クロマ・ノイ
ズ、ビデオ周波数特性―である。 …これら画質を表す量は、テープ、ヘツド系の
電磁変換特性によつて決まり、電磁変換特性はテ
ープの物理特性と相関を持つている。更にテープ
の物理特性は磁性材料によつて決る要素が大き
い。」という記載等から明らかである。 上述した通り、磁気記録媒体の高画像画質等の
諸特性は、使用される磁性材料と密接な関係を有
するものであり、磁性材料の特性改善が強く望ま
れている。 今、磁気記録媒体の諸特性と使用される磁性材
料の特性との関係について詳述すれば次の通りで
ある。 ビデオ用磁気記録媒体として高画像画質を得る
為には、前出の日経エレクトロニクスの記載から
も明らかな通り、ビデオS/N比、クロマ・
ノイズ、ビデオ周波数特性の向上が要求され
る。ビデオS/N比の向上をはかる為には、磁性
粒子粉末の微粒子化及びそのビークル中での分散
性、塗膜中での配向性及び充填性を向上させるこ
と、並びに、磁気記録媒体の表面の平滑性を改良
することが重要である。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第85頁
の「輝度信号のSN比(CN比)に関係している
テープの物理量としては、単位体積当りの平均粒
子数とその分散状態(分散性)及び表面の平滑性
がある。表面性、分散性が一定なら平均粒子数の
平方根に比例してSN比は良くなるので、粒子体
積が小さく、かつ充てん度の高くできる磁性粉ほ
ど有利である。」等の記載からも明らかである。 即ち、ビデオS/Nの向上をはかる一つの方法
としては磁気記録媒体に起因するノイズレベルを
低下させることが重要であり、そのためには、上
記記載から明らかなように使用される磁性材料で
ある針状晶磁性粒子粉末の粒子サイズを微細化す
る方法が有効であることが知られている。 磁性粒子粉末の粒子サイズを表す一般的な方法
として粒子粉末の比表面積の値がしばしば用いら
れるが磁気記録媒体に起因するノイズレベルが磁
性粒子粉末の比表面積が大きくなる程、低くなる
傾向にあることも一般的に知られているところで
ある。 この現象は、例えば電子通信学会技術研究報告
MR81−11第27頁23−9の「Fig3」等に示されて
いる。「Fig3」はCo被着針状晶マグヘマイト粒子
粉末における粒子の比表面積とノイズレベルとの
関係を示す図であり、粒子の比表面積が大きくな
る程ノイズレベルは直線的に低下している。 この関係は、針状晶鉄磁性粒子粉末及び針状晶
鉄合金磁性粒子粉末についても同様に言えること
である。 磁性粒子粉末のビークル中での分散性、塗膜中
での配向性及び充填性を向上させる為には、ビー
クル中に分散させる磁性粒子粉末が針状晶を有
し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在してお
らず、その結果、かさ密度が大きいことが要求さ
れる。 次にクロマ・ノイズの向上をはかる為には、磁
気記録媒体の表面性の改良が重要であり、そのた
めには分散性、配向性のよい磁性粒子粉末がよ
く、そのような磁性粒子粉末としては針状晶を有
し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在してお
らず、その結果、かさ密度が大きいことが要求さ
れる。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第85頁
の「クロマ・ノイズはテープ表面の比較的長周期
の粗さに起因しており、塗布技術との関係が深
い。分散性、配向性の良い粉の方が表面性を良く
しやすい。」等の記載からも明らかである。 更に、ビデオ周波数特性の向上をはかる為に
は、磁気記録媒体の保磁力Hcが高く、且つ、飽
和残留磁束密度Brが大きいことが必要である。 磁気記録媒体の保磁力Hcを高める為には、磁
性粒子粉末の保磁力Hcができるだけ高いことが
要求される。 飽和残留磁束密度Brは、磁性粒子粉末の飽和
磁化σsができるだけ大きく、磁性粒子粉末のビー
クル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性
に依存している。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第84〜
85頁の「最大出力は、テープの飽和残留磁束密度
BrとHc、及び実効間隔によつて決る。Brが大き
ければ再生ヘツドに入る磁束が多くなり出力は増
加する。……。Hcを増加させると自己減磁は少
なくなり、出力は増加する。……。テープのBr
を大きくするには、磁性体が完全な状態(例えば
単結晶の状態)で持つている飽和磁化量Is(σs)
が大きいことがまず基本となる。……。同じ材質
でも、……磁性粉の割合を示す充填度などによつ
てもBrは変わる。また、角形比(残留磁化量/
飽和磁化量)に比例するので、これが大きいこと
が要求される。……。角形比を高くするには、粒
子の大きさが揃つており、針状比が大きく、磁場
配向性に優れている磁性粉が有利である。……」
等の記載からも明らかである。 上記に詳述した通り、磁気記録媒体の高画像画
質、高出力特性、殊に周波数特性の向上、及び、
ノイズレベルの低下等の高性能化の要求を満たす
為には、使用される磁性粒子粉末の特性として
は、針状晶を有し、粒度が均斉であり樹枝状粒子
が混在しておらず、且つ、比表面積が大きく、し
かも、高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsを有す
ることが必要である。 ところで、従来から磁気記録媒体に用いられて
いる磁性材料は、マグネタイト、マグヘマイト、
二酸化クロム等の磁性粉末であり、これらの磁性
粉末は飽和磁化σs70〜85emu/g、保磁力Hc250
〜500 Oeを有するものである。 殊に、上記酸化物磁性粒子粉末のσsは最大
85emu/g程度であり、一般にはσs70〜80emu/
gであることが再生出力並びに記録密度に限度を
与えている主因となつている。 更にCoを含有しているCo−マグネタイトやCo
−マグヘマイト磁性粉末も使用されているが、こ
れらの磁性粒子粉末は保磁力Hcが400〜800Oeと
高いという特徴を有するが、これに反して飽和磁
化σsが60〜80emu/gと低いものである。 最近、高出力並びに高密度記録に適する特性を
備えた磁性粒子粉末すなわち、飽和磁化σsが大き
く、且つ、高い保磁力を有する磁性粒子粉末の開
発が盛んであり、そのような特性を有する磁性粒
子粉末は、一般に、針状晶含水酸化鉄粒子、針状
晶酸化鉄粒子若しくは、これらに鉄以外の異種金
属を含むものを還元性ガス中350℃程度で加熱還
元することにより得られる針状晶鉄磁性粒子粉末
若しくは針状晶鉄合金磁性粒子粉末である。 これら針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄
合金磁性粒子粉末は、従来用いられている磁性酸
化鉄粒子粉末並びにCo含有磁性酸化鉄粒子粉末
に比較して飽和磁化σsが著しく大きく、保磁力
Hcが高いという特徴を有しており、磁気記録媒
体として塗布した場合、大きい残留磁束密度Br
と高い保磁力Hcを有する為に高密度記録、高出
力特性が得られるので注目をあびており近年実用
化がなされている。 前記針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の製造法において、還元性ガス中
で加熱還元する温度が高ければ高い程、大きな飽
和磁化を有する針状晶磁性粒子粉末若しくは針状
晶鉄合金磁性粒子粉末が得られることが知られて
いる。 一方、還元性ガス中で加熱還元する温度が高け
れば高い程大きな飽和磁化を有する針状晶鉄磁性
粒子粉末若しくは針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得
ることができるが、加熱還元温度が高くなると、
この針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合金
磁性粒子粉末の針状晶粒子の変形と粒子及び粒子
相互間の焼結が著しくなり、得られた針状晶鉄磁
性粒子粉末若しくは針状晶鉄合金磁性粒子粉末の
保磁力は極度に低下することになる。即ち、針状
晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合金磁性粒子
粉末の保磁力は形状異方性に大きく依存するもの
であり、針状晶磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の針状性は重要な特性の一つであ
る。 また、磁気記録媒体用に使用される磁性粒子粉
末は1μm以下の非常に微細な粒子であり、前記の
方法によりこのように微細な針状晶鉄磁性粒子粉
末又は針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得ようとすれ
ば、粒子の表面活性が非常に大きい為、還元後空
気中に取り出すと、空気中の酸素と急激に反応
し、発熱発火するという極めて不安定なものであ
る。同時に上記酸化反応により酸化物になつてし
まう為大幅な磁気特性の低下をきたし、目的とす
る高保磁力、高飽和磁化の磁性粒子粉末を得るこ
とができない。 高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsを有する針
状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合金磁性粒
子粉末は、前述した通り、針状晶を有し、粒度が
均斉であり、樹枝状粒子が混在していないことが
必要であり、このような特性を備えた磁性粒子粉
末を得る為には、出発原料である針状晶α―
FeOOH粒子が粒度が均斉であり、樹枝状粒子が
混在していないことが必要であり、次に、いかに
してこの粒子形態、殊に針状晶を保持継承させな
がら加熱還元して針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは
針状晶鉄合金磁性粒子粉末とするか更に、加熱還
元後の針状晶鉄磁性粒子粉末又は針状晶鉄合金磁
性粒子粉末を空気中に取り出した後の酸化による
飽和磁化σsの減少をいかにして防止するかが大き
な課題となる。 先ず、出発原料である針状晶α―FeOOH粒子
粉末の製造について述べる。 従来、PH11以上のアルカリ領域で針状晶α―
FeOOH粒子を製造する方法として最も代表的な
公知方法は、第一鉄塩水溶液に当量以上のアルカ
リ溶液を加えて得られるFe(OH)2を含む水溶液
をPH11以上にて80℃以下の温度で酸化反応を行う
ことにより、針状晶α―FeOOH粒子を得るもの
である。この方法により得られた針状晶α―
FeOOH粒子粉末は長さ0.5〜1.5μm程度の針状形
態を呈した粒子であるが、樹枝状粒子が混在して
おり、また粒度から言えば、均斉な粒度を有した
粒子であるとは言い難い。このように粒度が不均
斉であり、また樹枝状粒子が混在している針状晶
α―FeOOH粒子が生成する原因について以下に
考察する。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子の生成は、針
状晶α―FeOOH核の発生と該針状晶α―
FeOOH核の成長の二段階からなる。そして、針
状晶α―FeOOH核は、第一鉄塩水溶液とアルカ
リとを反応して得られるFe(OH)2と溶存酸素と
の反応により生成するが、溶存酸素との接触反応
が部分的、且つ、不均一である為、針状晶α―
FeOOH核の発生と該針状晶α―FeOOH核の成
長が同時に生起し、しかも、α―FeOOH生成反
応が終了するまで幾重にも新しい核が発生するの
で、得られた針状晶α―FeOOH粒子は粒度が不
均斉であり、また樹枝状粒子が混在したものにな
る。 また、前記方法における反応水溶液中の反応鉄
(Fe2+)濃度は、通常、0.2mol/程度であり、
かつ、針状晶α―FeOOH粒子の生成に、長時間
を必要とする。 即ち、前記方法によれば、0.2mol/程度の
薄い反応鉄濃度においてさえも、粒度が不均斉で
あり、樹枝状粒子が混在している針状晶α―
FeOOH粒子粉末が生成しやすかつたのである。 次に、いかにして、針状晶α―FeOOH粒子の
粒子形態、殊に、針状晶を保持継承させながら加
熱還元して針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶
鉄合金磁性粒子粉末とするかが問題となる。 加熱還元過程において針状晶粒子の変形と粒子
及び粒子相互間の焼結が生起する原因について以
下に説明する。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子を300℃付近
の温度で加熱脱水して得られる針状晶α―Fe2O3
粒子は、針状晶を保持継承したものであるが、一
方、その粒子表面並びに粒子内部には脱水により
発生する多数の空孔が存在し、単一粒子の粒子成
長が十分ではなく、従つて、結晶性の度合が非常
に小さいものである。 このような針状晶α―Fe2O3粒子を用いて加熱
還元した場合、単一粒子の粒子成長、即ち、物理
的変化が急激であるため単一粒子の均一な粒子成
長が生起し難く、従つて、単一粒子の粒子成長が
急激に生起した部分では粒子及び粒子相互間の焼
結が生起し、粒子形状がくずれやすくなると考え
られる。 また、加熱還元過程においては、酸化物から金
属への急激な体積収縮が生起することにより粒子
形状は一層くずれやすいものとなる。 従つて、加熱還元過程において粒子形状の変形
と粒子及び粒子相互間の焼結を防止するために
は、加熱還元過程に先立つて、予め針状晶α―
Fe2O3粒子の単一粒子を充分、且つ、均一な粒子
成長を図ることにより結晶性の度合が高められた
実質的に高密度であり、且つ、針状晶α―
FeOOH粒子の針状晶を保持継承している針状晶
α―Fe2O3粒子としておく必要がある。 このような結晶性の度合が高められた実質的に
高密度な針状晶α―Fe2O3粒子を得る方法として
針状晶α―FeOOH粒子を非還元性雰囲気中で加
熱処理する方法が知られている。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子を加熱脱水し
て得られる針状晶α―Fe2O3粒子は、非還元性雰
囲気中で加熱処理する温度が高ければ高い程、効
果的に単一粒子の粒子成長をはかることができ、
従つて、結晶性の度合も高めることができるが、
一方、加熱処理温度が650℃を超えて高くなると
焼結が進んで針状晶粒子がくずれることが知られ
ている。 従つて、結晶性の度合が高められた実質的に高
密度であり、且つ、針状晶α―FeOOH粒子の針
状晶を保持継承している針状晶α―Fe2O3粒子を
得る為には、非還元性雰囲気中で加熱処理するに
先立つて、あらかじめ、焼結防止効果を有する有
機化合物、無機化合物で針状晶α―FeOOH粒子
の粒子表面を被覆する方法が知られている。 本発明者は、長年に亘り、針状晶磁性粒子粉末
の製造及び開発にたずさわつているものである
が、その研究過程において、焼結防止効果を有す
るSi化合物で被覆された針状晶α―FeOOH粒子
を製造する方法を既に開開発している。 例えば、次に述べるようである。 即ち、P化合物及びSi化合物で被覆された針状
晶α―FeOOH粒子粉末は、第一鉄塩水溶液とア
ルカリ水溶液との湿式反応により生成した針状晶
α―FeOOH粒子を母液から分離した後、水中に
懸濁させ、該懸濁液のPH値8以上の状態で針状晶
α―FeOOH粒子に対し、0.1〜2wt%(PO3に換
算)のリン酸塩を添加し、次いで0.1〜7.0wt%
(SiO2に換算)の水可溶性ケイ酸塩を添加した
後、PH値を3〜7に調整することにより、得るこ
とができる。 上記の方法について説明すれば次のようであ
る。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子は、湿式反応
時における反応母液中の結晶成長の過程でかなり
強固にからみ合い、結合し合つた粒子群を形成し
ており、該からみ合い、結合し合つている針状晶
α―FeOOH粒子の粒子群をそのまま焼結防止剤
で被覆した場合には、それ以上の焼結を防止する
だけで、反応母液中の結晶成長の過程で発生した
からみ合い、結合はそのままの状態である為、上
記からみ合い、結合し合つている針状晶α―
FeOOH粒子を非還元性雰囲気中で加熱処理した
後、加熱還元して得られた針状晶鉄合金磁性粒子
粉末も粒子がからみ合い、結合し合つたものとな
る。このような粒子は、ビークル中での分散性、
塗膜中での配向性及び充填性が十分であるとは言
い難い。 従つて、針状晶α―FeOOH粒子をSi化合物で
被覆するに先立つて、あらかじめ、反応母液中の
結晶成長の過程で発生したからみ合い、結合を解
きほぐしておく必要がある。 針状晶α―FeOOH粒子を母液から分離した
後、水中に懸濁させ、該懸濁液のPH値8以上の状
態で針状晶α―FeOOH粒子に対し0.1〜2wt%
(PO3に換算)のリン酸塩を添加することにより、
針状晶α―FeOOH粒子のからみ合い、結合を解
きほぐすことが可能である。 針状晶α―FeOOH粒子は、針状晶α―
FeOOH粒子の生成後、常法により反応母液より
濾別、水洗したものを用いれば良い。 懸濁液の濃度は、水に対して20wt%以下であ
るのが望ましい。20wt%を超える場合には懸濁
液の粘度が高すぎて、リン酸塩の添加によるから
み合い等を解きほぐす効果が不十分となる。 リン酸塩の添加量は、懸濁液中の針状晶α―
FeOOH粒子に対し、PO3に換算して0.1〜2wt%
であれば、該粒子のからみ合い等を解きほぐし、
粒子を均一に分散させることができる。 添加したリン酸塩は、針状晶α―FeOOH粒子
表面に吸着され、ほぼ全量が生成針状晶α―
FeOOH粒子中に含有される。 添加量が0.1wt%未満の場合には添加効果が十
分でない。 一方、添加量が2wt%を超える場合には粒子を
分散させることはできるが、粒子が液中に均一に
強分散している為、液中からの濾別分離が困難と
なり適当ではない。 添加するリン酸塩としては、例えば、メタリン
酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等が挙げら
れる。 リン酸塩を添加する懸濁液のPH値は8以上でな
ければならない。 PH値が8未満である場合には、粒子を分散させ
ようとするリン酸塩を2wt%を超える量を添加し
なければならず、リン酸塩を2wt%を超える量を
添加すると前述した通り、濾別分離において弊害
が生ずる為、好ましくない。 次に、針状晶α―FeOOH粒子の粒子表面に形
成させるSi化合物被膜について述べると、該Si化
合物被膜の形成は、必ず、リン酸塩により針状晶
α―FeOOH粒子のからみ合い等を解きほぐした
後でなければならない。 水可溶性ケイ酸塩を添加する際の懸濁液のPH値
が8以上の状態であることが望ましい。 水可溶性ケイ酸塩を添加する際の懸濁液のPH値
は8未満の状態で水可溶性ケイ酸塩を添加する
と、添加と同時に固体であるSiO2として単独に
析出してしまい、粒子表面に効率良く薄膜として
形成させることができない。 従つて、懸濁液のPH値が8以上の状態で水可溶
性ケイ酸塩を添加し、該懸濁液中に均一に混合し
た後にPH値をSiO2の析出する範囲、即ち、PH値
を3〜7に調整すれば、SiO2は粒子の表面上に
析出して被膜を形成する。 添加する水可溶性ケイ酸塩の量は、SiO2に換
算して針状晶α―FeOOH粒子に対し0.1〜7.0wt
%である。 添加した水可溶性ケイ酸塩は、針状晶α―
FeOOH粒子表面に析出吸着され、ほぼ全量が生
成針状晶α―FeOOH粒子中に含有される。 0.1wt%未満の場合には、添加の効果が顕著に
現れず、7.0wt%を超える場合には、優れた針状
晶を有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得ること
ができるが純度の低下により、飽和磁束密度が減
少し好ましくない。 尚、添加する水可溶性ケイ酸塩としては、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。 次に、Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―FeOOH粒子に化合物及びSi化合物で被膜を形
成させた後、懸濁液中から該粒子を濾別分離する
条件について述べる。 通常の濾別手段を用いる場合には、粒子が均一
に液中に強分散していると、例えば濾布漏れ、あ
るいは濾布の目づまり、その他種々の濾過効率も
悪化させる要因となる。 濾過効率を高める為には、前記したリン酸塩の
添加により分散させた粒子が適度に凝集している
必要がある。 リン酸塩の添加量を0.1〜2wt%の範囲内とした
場合、懸濁液のPH値を3〜7に調整すれば、懸濁
液の粘度は上昇し、粒子の凝集が起き、濾別を容
易に行うことができる。 また、懸濁液のPH値を3未満とした場合にも針
状晶α―FeOOH粒子の凝集及びリン酸塩の吸
着、さらには前述したSiO2被膜の形成は可能と
なるが、設備上の問題及び品質上の問題(溶解
等)が発生する為、好ましくない。 尚、PH3〜7に調整する為には、酢酸、硫酸、
リン酸等を使用することができる。 以上、説明したところによつて得られるP化合
物及びSi化合物で被覆された針状晶α―FeOOH
粒子を非還元性雰囲気中で加熱処理して得られた
針状晶α―Fe2O3粒子は、結晶性の度合が高めら
れた実質的に高密度なものであり、且つ、粒子の
からみ合いや結合のない優れた針状晶を保持継承
したものである。 非還元性雰囲気中における加熱処理の温度範囲
は500〜900℃であることが好ましい。 非還元性雰囲気中の加熱処理温度が500℃未満
である場合は、P化合物及びSi化合物で被覆され
た針状晶α―Fe2O3粒子の結晶性の度合が高めら
れた実質的に高密度な粒子とは言い難く、900℃
を超える場合は、針状晶粒子の変形と粒子及び粒
子相互間の焼結をひき起こしてしまう。また、精
度の高い設備、高度な技術を必要とし工業的、経
済的ではない。 更に、加熱還元後の針状晶鉄磁性粒子粉末又は
針状晶鉄合金磁性粒子粉末を空気中に取り出した
後の酸化による飽和磁化σsの減少をいかにして防
止するかが問題となる。 本発明者は、長年に亘り、針状晶磁性粒子粉末
の製造及び開発にたずさわつているものである
が、その研究過程において、酸化安定性に優れた
針状晶鉄磁性粒子粉末又は針状晶鉄合金磁性粒子
粉末を得る方法を既に開発している。 即ち、酸化安定性に優れた針状晶鉄磁性粒子粉
末又は針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、加熱還元し
て得られた針状晶鉄磁性粒子粉末又は針状晶鉄合
金磁性粒子粉末を水素及び水蒸気の混合ガス雰囲
気中において150〜700℃の温度範囲、雰囲気中の
水蒸気分圧(PH2O/PH2)10%以上100%未満
に保持して粒子表面にFe3O4層を形成し、次いで
100℃以下の温度で酸素含有ガスを作用させるこ
とにより上記Fe3O4層の表面をFe2O3層とするこ
とにより得ることができる。(特公昭58−5241号、
特公昭58−52522号)。 先ず、上記の方法において、金属粒子の表面を
Fe2O4とする条件について説明する。そのための
条件としては、処理雰囲気、処理温度が最も重要
である。先ず雰囲気について述べると、雰囲気は
水素ガスと水蒸気の混合ガス雰囲気でなければな
らない。雰囲気中に還元性ガスである水素ガスが
存在しない場合には他の条件をいかに制御しても
Fe3O4の生成は見られない。また、雰囲気中の水
蒸気分圧(PH2O/PH2)は10%以上100%未満
でなければならない。 10%未満又は100%を超える場合にはFe3O4が
生成し難い。尚、工業的見地からすると50〜90%
の水蒸気分圧が好ましい。 次に温度について述べると、150〜700℃の温度
範囲でなければならない。 150℃未満の温度ではFe3O4の生成が極めて遅
く、必要量のFe3O4を生成させるのに長時間を要
する為工業的でない。一方700℃を超える場合に
は、得られる金属粒子の形状がくずれ、保磁力及
び角型比が減少する為に好ましくない。尚、工業
的見地からすると150〜550℃の温度範囲が好まし
い。 次に金属粒子の表面に生成させたFe3O4層の表
面を更にFe2O3とする場合の条件について説明す
る。 金属粒子の表面にFe3O4を形成させた後、該
Fe3O4の表面をFe2O3とする際においても、一旦
水素ガスと水蒸気の混合ガス雰囲気を不活性ガス
雰囲気とし、所定の温度まで冷却した後、酸化性
ガスを通気することが必要である。Fe3O4層の表
面をFe2O3とするには100℃以下の温度において
酸化性ガスを作用させればよい。 100℃を超える温度においては酸化反応の進行
が速く、Fe3O4の表面部分のみをFe2O3とするの
がむつかしく、Fe3O4層のすべて、更には内部の
金属部分にまで酸化が進む可能性が生ずる為好ま
しくない。100℃以下の温度であつても、50℃以
上においては、酸化反応が過度に進み易いので酸
化性ガスの供給を制御することが望ましい。例え
ば、酸化性ガス(空気等)と不活性ガス(窒素
等)との混合ガスを通気する方法、あるいは酸化
性ガスの通気を断続的に行う方法等が使用でき
る。 上記した通り、針状晶鉄磁性粒子又は針状晶鉄
合金磁性粒子の粒子表面にFe3O4及びFe2O3層を
形成させた後、常法により有機溶剤中に浸漬して
取り出してもよい。 有機溶剤中への取り出しは、例えば、トルエ
ン、アセトン、ベンゼン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、キシレン、シクロヘキ
サノン等の有機溶剤中に、室温付近まで冷却され
た上記金属粒子を空気になるべく接触しないよう
な状態で(例えば窒素等の不活性ガス雰囲気中)
浸漬するという方法でよい。 本発明者は、上述したところに鑑み、針状晶を
有し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在して
おらず、且つ、比表面積が大きく、粒子表面並び
に粒子内部の結晶性の度合が高められた実質的に
高密度なものであり、高い保磁力Hcと大きな飽
和磁化σsを有し、しかも酸化安定性の優れた針状
晶鉄合金磁性粒子を得るべく、種々検討を重ねて
きた。そして、本発明者は、第一鉄塩水溶液とア
ルカリ水溶液とを反応させて得られたFe(OH)2
を含むPH11以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気し
て酸化することにより針状晶α―FeOOH粒子を
生成させるにあたり、前記アルカリ水溶液及び酸
素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前の前
記懸濁液のいずれかの液中に、水可溶性ケイ酸塩
をFeに対しSi換算で0.1〜1.7原子%添加してお
き、且つ、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ水
溶液、酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせ
る前の前記懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせている前記反応溶液のいずれかの
液中に水可溶性クロム塩をFeに対しCr換算で0.1
〜5.0原子%、水可溶性ニツケル塩をFeに対しNi
換算で0.1〜7.0原子%、及び水可溶性マグネシウ
ム塩をFeに対しMg換算で0.1〜15.0原子%添加し
ておくことにより、Si、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶α―FeOOH粒子を生成させ、該Si、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子をP化合物及びSi化合物で被覆処理し、次い
で、非還元性雰囲気中で加熱処理することにより
高密度化されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶α―Fe2O3粒子とした後、該粒子を還元性ガ
ス中で加熱還元することにより得られたP化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子の粒子表面に
Fe3O4及びFe2O3層を形成させた場合には、針状
晶を有し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在
しておらず、粒子のからみ合い等がなく、且つ、
比表面積が大きく、粒子表面並びに粒子内部の結
晶性の度合が高められた実質的に高密度なもので
あり、高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsとを有
し、しかも酸化安定性の優れた磁気記録用針状晶
鉄合金磁性粒子粉末が得られることを見出し本発
明を完成したものである。 即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液とアルカリ水
溶液とを反応させて得られたFe(OH)2を含むPH
11以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化す
ることにより針状晶α―FeOOH粒子を生成させ
るにあたり、前記アルカリ水溶液及び酸素含有ガ
スを通気して酸化反応を行わせる前の前記懸濁液
のいずれかの液中に、水可溶性ケイ酸塩をFeに
対しSi換算で、0.1〜1.7原子%添加しておき、且
つ、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ水溶液、
酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前の
前記懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化反応
を行わせている前記反応溶液のいずれかの液中に
水可溶性クロム塩をFeに対しCr換算で0.1〜5.0原
子%、水可溶性ニツケル塩をFeに対しNi換算で
0.1〜7.0原子%、及び水可溶性マグネシウム塩を
Feに対しMg換算で0.1〜15.0原子%添加しておく
ことにより、Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状
晶α―FeOOH粒子を生成させ、該Si、Cr、Ni及
びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子を水中
に懸濁させ、該懸濁液のPH値8以上の状態でSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子に対し0.1〜2wt%(PO3に換算)のリン酸塩を
添加して分散液とし、次いで該分散液にSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子に
対し0.1〜7.0wt%(SiO2に換算)の水可溶性ケイ
酸塩を添加することにより、P化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶α―FeOOH粒子を得、該粒子を非還元性雰
囲気中500〜900℃の温度範囲で加熱処理すること
により高密度化されたP化合物及びSi化合物で被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―Fe2O3粒子とした後、還元性ガス中で加熱還元
してP化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子を得
るか、又は、必要により、上記分散液にSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α−FeOOH粒子に
対し0.1〜7.0wt%(SiO2に換算)の水可溶性ケイ
酸塩を添加することにより、P化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶α−FeOOH粒子を得、該粒子を非還元性雰
囲気中500〜900℃の温度範囲で加熱処理すること
により高密度化されたP化合物及びSi化合物で被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―Fe2O3粒子とした後、還元性ガス中で加熱還元
してP化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化
合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶鉄合金磁性粒子とするにあたり、前記分
散液にFeに対しNi及び/又はAl換算で0.5〜10.0
原子%のNi及び/又はAl化合物を添加するか、
又は、上記加熱処理後の高密度化されたP化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶α―Fe2O3粒子を水中に懸濁さ
せ、該懸濁液中にFeに対しNi及び/又はAl換算
で0.5〜10.0原子%のNi及び/又はAl化合物を添
加、混合して、Ni及び/又はAl化合物で被覆し
ておくことにより、P化合物及びSi化合物とNi
及び/又はAl化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子を得、
前記P化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子、又
は、上記P化合物及びSi化合物とNi及び/又は
Al化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含
有する針状晶鉄合金磁性粒子のいずれかを、水素
及び水蒸気の混合ガス雰囲気中において150〜700
℃の温度範囲、雰囲気中の水蒸気分圧(PH2O/
PH2)を10%以上100%未満に保持して粒子表面
にFe3O4層を形成し、次いで100℃以下の温度で
酸素含有ガスを作用させることにより前記Fe3O4
層の表面をFe2O3層とすることよりなる磁気記録
用針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法である。 次に、本発明を完成するに至つた技術的背景及
び本発明の構成について述べる。 PH11以上のアルカリ領域で、従来法により生成
した針状晶α―FeOOH粒子は前述した通り、粒
度が不均斉であり、また樹枝状粒子が混在したも
のである。 本発明者は、長年にわたり針状晶α―FeOOH
粒子粉末の製造及び開発にたずさわつているもの
であるが、その過程において、粒度が均斉であ
り、樹枝状粒子が混在していない針状晶α―
FeOOH粒子を得ることができるという技術を既
に確立している。 即ち、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在し
ていない針状晶α―FeOOH粒子は、第一鉄塩水
溶液とアルカリ水溶液とを反応させて得られた
Fe(OH)2を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気し
て酸化することにより針状晶α―FeOOH粒子を
生成させる方法において、前記アルカリ水溶液及
び酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前
の前記懸濁液のいずれかの液中に、水可溶性ケイ
酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜1.7原子%添加して
おくことにより得ることができる(特公昭55−
8461号公報、特公昭55−32652号公報)。 従来、PH11以上のアルカリ領域で得られた針状
晶α―FeOOH粒子は、一般に粒度が不均斉で樹
枝状粒子が混在しているが、これは、針状晶α―
FeOOH粒子の前駆体であるFe(OH)2のフロツク
が不均斉であると同時に、Fe(OH)2のフロツク
を構成しているFe(OH)2の粒子そのものが不均
斉であること、更にFe(OH)2を含む水溶液から
針状晶α―FeOOH核粒子の発生と該針状晶α―
FeOOH核粒子の成長が同時に生起し、しかも針
状晶α―FeOOH生成反応が終了するまで幾重に
も新しい核が発生することに起因する。 前述した様に、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶
液とを反応させて得られたFe(OH)2を含む懸濁
液に酸素含有ガスを通気して酸化することにより
針状晶α―FeOOH粒子を生成するにあたり、前
記アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせる前の前記懸濁液のいずれかの液
中に水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜
1.7原子%となるように添加した場合には、Fe
(OH)2のフロツクを十分微細で均斉なフロツク
にし、また、Fe(OH)2のフロツクを構成してい
るFe(OH)2の粒子そのものを十分微細で均斉な
粒子とすることができ、更に、水可溶性ケイ酸塩
がFe(OH)2を含む水溶液から針状晶α―FeOOH
粒子を生成する際の酸化反応を抑制する効果を有
することに起因して、針状晶α―FeOOH核粒子
の発生と該針状晶α―FeOOH核粒子の成長を段
階的に行うことができるため、粒度が均斉であ
り、また、樹枝状粒子が混在しない針状晶α―
FeOOH粒子を得ることができるのである。 上記の方法において使用される水可溶性ケイ酸
塩としてはナトリウム、カリウムのケイ酸塩があ
る。 アルカリ水溶液への水可溶性ケイ酸塩の添加量
は、Feに対しSi換算で0.1〜1.7原子%である。添
加した水可溶性ケイ酸塩はほぼ全量が生成針状晶
α―FeOOH粒子中に含有される。水可溶性ケイ
酸塩の添加量がFeに対しSi換算で0.1原子%未満
である場合には、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在
していない針状晶粒子を得る効果が十分ではな
く、1.7原子%を超える場合は粒状のマグネタイ
ト粒子が混入してくる。 上述した粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在
していない針状晶α―FeOOH粒子をP化合物及
びSi化合物で被覆処理した後、非還元性雰囲気中
で加熱処理することにより得られた高密度化され
た針状晶α―Fe2O3粒子を出発原料とし、該出発
原料を加熱還元することにより得られた針状晶鉄
合金磁性粒子粉末もまた粒度が均斉であり、樹枝
状粒子が混在していないものであり、その結果、
かさ密度が大きく、塗料化の際の分散性がよく、
且つ、塗膜中での充填性が高く、残留磁束密度
Brが大きくなるという特徴を有するものである
が、比表面積について言えば高々20m2/g程度で
ある。 そこで、本発明者は、粒度が均斉であり、樹枝
状粒子が混在していないSiを含有する針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の比表面積を向上させる方法につ
いて種々検討を重ねた結果、粒度が均斉であり、
樹枝状粒子が混在していないSiを含有する針状晶
α―FeOOH粒子の生成にあたり、第一鉄塩水溶
液、アルカリ水溶液、酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせる前のFe(OH)2懸濁液及び酸素
含有ガスを通気して酸化反応を行わせている反応
溶液のいずれかの液中に水可溶性クロム塩を添加
し、得られたSi及びCrを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を加熱還元した場合には、Siを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を向上
させることができるという知見を得た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図1は、水可溶性クロム塩の添加量とP化合物
及びSi化合物で被覆されたSi及びCrを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末及びP化合物及びSi化合
物で被覆されたCrを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末の比表面積の関係図である。 即ち、Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶
液300を、あらかじめ、反応器中に準備された
ケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0〜1.0原子%、
硫酸クロムをFeに対しCr換算で0〜5.0原子%を
添加して得られたNaOH水溶液400に加え、PH
13.8においてFe(OH)2を含む懸濁液を得、該懸濁
液に温度45℃において毎分1000の空気を通気し
て酸化反応を行わせることによりSi及びCrを含
有する針状晶α―FeOOH粒子を生成し、該粒子
をP化合物及びSi化合物で被覆処理し、次いで、
空気中770℃で加熱処理することにより高密度化
されたP化合物及びSi化合物で被覆されたSi及び
Crを含有する針状晶α―Fe2O3とした後、該粒子
を450℃で5.0時間加熱還元することにより得られ
たP化合物及びSi化合物で被覆されたSi及びCrを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末及びCrを含
有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を、該粒子の粒
子表面にFe3O4及びFe2O3層を形成することによ
り空気中に安定して取り出した時の比表面積と硫
酸クロムの添加量の関係を示したものである。 図中、曲線aはSi無添加の場合、曲線b,c
は、それぞれSi添加量が0.35原子%、1.0原子%の
場合である。 曲線b,cに示されるようにSi及びCrを併用
して添加した場合には得られるSi及びCrを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を著し
く向上させることができ、この場合、硫酸クロム
の添加量の増加に伴つて比表面積が大きくなる傾
向を示す。 この現象は、図1の曲線aに示されるCrを単
独で添加した場合よりも一層顕著に現れることか
ら本発明者はSiとCrとの相乗効果によるものと
考えている。 上述したようにP化合物及びSi化合物で被覆さ
れたSiおよびCrを含有する針状晶鉄合金磁性粒
子粉末は粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在し
ておらず、且つ、比表面積が大きいものである
が、一方、Crの添加量の増加に伴つて保磁力が
低下するという傾向があつた。 そこで、本発明者は、P化合物及びSi化合物で
被覆されたSi及びCrを含有する針状晶鉄合金磁
性粒子粉末の保磁力を向上させる方法について、
種々検討を重ねた結果、Si及びCrを含有する針
状晶α―FeOOH粒子の生成にあたり、第一鉄塩
水溶液、アルカリ水溶液、酸素含有ガスを通気し
て酸化反応を行わせる前のFe(OH)2懸濁液及び
酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせている
反応溶液のいずれかの液中に水可溶性ニツケル塩
を添加し、得られたSi、Cr及びNiを含有する針
状晶α―FeOOH粒子をP化合物及びSi化合物で
被覆処理した後、加熱還元した場合には、大きな
比表面積を維持したままでSi及びCrを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力を向上させる
ことができるという知見を得た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図2は、水可溶性ニツケル塩の添加量とP化合
物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr及びNiを含
有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力の関係
図である。 即ち、Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶
液300を、あらかじめ、反応器中に準備された
ケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0.35原子%、硫
酸クロムをFeに対しCr換算で0.5原子%、硫酸ニ
ツケルをFeに対しNi換算で0〜7.0原子%を含む
ように添加して得られたNaOH水溶液400に加
え、PH14.0においてFe(OH)2を含む懸濁液を得、
該懸濁液に温度45℃において毎分1000の空気を
通気して酸化反応を行わせることによりSi、Cr
及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子を生成
し、該粒子を出発原料として図1の場合と同様に
して得られたP化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子
粉末の保磁力と硫酸ニツケルの添加量の関係を示
したものである。 図2に示されるように硫酸ニツケルの添加量の
増加に伴つてSi、Cr及びNiを含有する針状晶鉄
合金磁性粒子粉末の保磁力が高くなる傾向を示
す。 このように大きな比表面積を維持したままで保
磁力を向上させるという現象は、Si、Cr、Niの
いずれを除去した場合にも得られないことから、
本発明者はSi及びCrとNiとの相乗効果によるも
のと考えている。 更に、本発明者は、Si、Cr及びNiを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積及び保磁力
を向上させる方法について検討を重ねた結果、
Si、Cr及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子
の生成にあたり、第一鉄塩水溶液、アルカリ水溶
液、酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる
前のFe(OH)2懸濁液及び酸素含有ガスを通気し
て酸化反応を行わせている反応溶液のいずれかの
液中に水可溶性マグネシウム塩を添加し、得られ
たSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を加熱還元した場合には、Si、Cr及
びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比
表面積及び保磁力を一層向上させることができる
という知見を得た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図3及び図4は、それぞれ水可溶性マグネシウ
ム塩の添加量とP化合物及びSi化合物で被覆され
たSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁
性粒子粉末の保磁力及び比表面積の関係図であ
る。 即ち、Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶
液300を、あらかじめ、反応器中に準備された
ケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0.35原子%、硫
酸クロムをFeに対しCr換算で0.50原子%、硫酸
ニツケルをFeに対しNi換算で3.0原子%、硫酸マ
グネシウムをFeに対しMg換算で0〜15.0原子%
を含むように添加して得られたNaOH水溶液400
に加え、PH14.0においてFe(OH)2を含む懸濁液
を得、該懸濁液に温度50℃において毎分1000の
空気を通気して酸化反応を行わせることにより
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を生成し、該粒子を出発原料として
図1の場合と同様にして得られたP化合物及びSi
化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力及び比表面
積と硫酸マグネシウムの添加量の関係を示したも
のである。 図3及び図4に示されるように、硫酸マグネシ
ウムの添加量の増加に伴つてP化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr及びNiを含有する針状晶
鉄合金磁性粒子粉末の保磁力及び比表面積のいず
れをも一層向上させることができる。 このように保磁力及び比表面積を一層向上させ
るという現象は、Si、Cr、Ni、Mgのいずれを除
去した場合にも得られないことから、本発明者は
Si、Cr及びNiとMgとの相乗効果によるものと考
えている。 更に、本発明者は、P化合物及びSi化合物で被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄
合金磁性粒子粉末の比表面積を一層向上させる方
法について検討を重ねた結果、P化合物及びSi化
合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶α―FeOOH粒子若しくはこれを加熱脱水
して得られた針状晶α―Fe2O3粒子、又は上記針
状晶α―FeOOH粒子を非還元性雰囲気中で加熱
処理することにより得られた高密度化された針状
晶α―Fe2O3粒子のいずれかを含む懸濁液を調整
し、該懸濁液中にFeに対しNi及び/又はAl換算
で0.5〜10.0原子%のNi及び/又はAl化合物を添
加、混合することにより、P化合物及びSi化合物
とNi及び/又はAi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子若
しくはSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
Fe2O3粒子、又は高密度化されたSi、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶α―Fe2O3粒子とした後、
還元性ガス中で加熱還元した場合には、P化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を
更に一層向上させることができるという知見を得
た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図5は、Ni及び/又はAl化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末のMg含有量と比表面積との関係図であ
る。 即ち、図3及び図4で得られたP化合物及びSi
化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶α―FeOOH粒子2000gを60の水に懸
濁し、次いで、該懸濁液に硫酸ニツケル及び/又
は硫酸アルミニウムを添加、混合した後、濾別、
乾燥して得られたP化合物及びSi化合物とAl及
び/又はNi化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及
びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子を図3
及び図4と同一の条件で還元して得られたP化合
物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合物とで被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄
合金磁性粒子粉末のMg含有量と比表面積との関
係を示したものである。 図中、曲線aはFeに対しNi換算で2.0原子%の
Ni化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含
有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の場合、曲線b
はFeに対しAl換算で4.0原子%のAl化合物で被覆
されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の場合、曲線cはFeに対しNi換
算で2.0原子%及びFeに対しAl換算で2.0原子%の
Al化合物及びNi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の
場合及び曲線dはNi及び/又はAl化合物未処理
のSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁
性粒子粉末の場合である。 図5に示されるように、Ni及び/又はAl化合
物で被覆処理した場合には、P化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を更に一層向
上させることができる。 この現象は、Mgを含有しない針状晶α―
FeOOH粒子の生成反応中にNi及び/又はAl化合
物を添加したり、又はMgを含有していない針状
晶α―FeOOH粒子をNi及び/又はAl化合物で被
覆した場合には、針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比
表面積を増加させる効果は余りないことから、本
発明者はMgとNi及び/又はAl化合物との相乗効
果によるものと考えている。 上記の方法により得られるP化合物及びSi化合
物、又は必要により、P化合物及びSi化合物と
Ni及び/又はAl化合物で被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末は
飽和磁化が非常に高いものであるが、常法により
有機溶剤中に取り出した場合には酸化安定性が十
分ではなく、空気等による酸化を受け、飽和磁化
が急激に低下してしまう。殊に、粒子サイズが小
さくなり、比表面積が大きくなるにつれて、この
現象は増大する。 そこで、本発明者は、大きな飽和磁化を有する
P化合物及びSi化合物、又は必要により、P化合
物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合物で被覆
されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の酸化安定性について検討を重
ね、粒子表面にFe3O4及びFe2O3層を形成する方
法により、酸化安定性を改良することができた。 図6は、P化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末を空気中に取り出した時の飽和磁化σsの
経時による減少率を温度50℃、相対湿度80%の条
件下において飽和磁化の変化する前後における差
(Δσs)を変化前の飽和磁化で除した値を百分率
で示したものである。 図6中、曲線aは針状晶鉄合金磁性粒子粉末の
粒子表面にFe3O4及びFe2O3層を形成させ、次い
で有機溶剤に浸漬した後、空気中に取り出した場
合、曲線bは粒子表面にFe3O4及びFe2O3層を形
成させた後、空気中に取り出した場合、曲線cは
直接有機溶剤中に浸漬した後、空気中に取り出し
た場合である。 図6から明らかな通り、P化合物及びSi化合物
で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状
晶鉄合金磁性粒子粉末粒子表面にFe3O4及び
Fe2O3層を形成した場合には、非常に酸化安定性
に優れたものが得られる。 次に、本発明実施にあたつての諸条件について
述べる。 本発明において使用される水可溶性クロム塩と
しては、硫酸クロム、塩化クロムを使用すること
ができる。 水可溶性クロム塩の添加時期については、本発
明では針状晶α―FeOOH粒子の生成反応時にク
ロムを存在させておく必要であり、このためには
第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液中、Fe
(OH)2を含む懸濁液中、又は、酸素含有ガスの
通気開始後針状晶α―FeOOH粒子が生成中の反
応溶液中のいずれかに添加しておけばよい。 尚、針状晶α―FeOOH粒子の生成が完全に完
了してしまつている段階で水可溶性クロム塩を添
加してもクロムが粒子中に入らないから本発明に
おけるクロム添加の効果は得られない。 本発明における水可溶性クロム塩の添加量は
Feに対しCr換算で0.1〜5.0原子%である。添加し
た水可溶性クロム塩はほぼ全量が生成針状晶α―
FeOOH粒子中に含有される。 水可溶性クロム塩の添加量がFeに対しCr換算
で0.1原子%未満である場合には、得られる針状
晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を大きくする効
果が得られない。 5.0原子%を超える場合にも、得られる針状晶
鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を大きくするとい
う効果は得られるが保磁力及び飽和磁化が低下し
好ましくない。 本発明において使用される水可溶性ニツケル塩
としては、硫酸ニツケル、塩化ニツケル、硝酸ニ
ツケル等を使用することができる。 水可溶性ニツケル塩の添加時期については、本
発明では針状晶α―FeOOH粒子の生成反応時に
ニツケルを存在させておくことが必要であり、こ
のためには第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液
中、Fe(OH)2を含む懸濁液中、又は、酸素含有
ガスの通気開始後針状晶α―FeOOH粒子が生成
中の反応溶液中のいずれかに添加しておけばよ
い。 尚、針状晶α―FeOOH粒子の生成が完全に完
了してしまつている段階で水可溶性ニツケル塩を
添加してもニツケルが粒子中に入らないから本発
明におけるニツケル添加の効果は得られない。 本発明における水可溶性ニツケル塩の添加量は
Feに対しNi換算で0.1〜7.0原子%である。添加し
た水可溶性ニツケル塩はほぼ全量が生成針状晶α
―FeOOH粒子中に含有される。 水可溶性ニツケル塩の添加量がFeに対しNi換
算で0.1原子%未満である場合には、得られる針
状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力を大きくする効
果が得られない。 7.0原子%を超える場合にも、本発明の目的を
達成することができるが、α―FeOOH粒子生成
の際に針状晶以外の異物が混在するので好ましく
ない。 本発明において使用される水可溶性マグネシウ
ム塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシ
ウムを使用することができる。 水可溶性マグネシウム塩の添加時期について
は、本発明では針状晶α―FeOOH粒子の生成反
応時にマグネシウムを存在させておくことが必要
であり、このためには第一鉄塩水溶液中、アルカ
リ水溶液中、Fe(OH)2を含む懸濁液中、又は、
酸素含有ガスの通気開始後針状晶α―FeOOH粒
子が生成中の反応溶液中のいずれかに添加してお
けばよい。 尚、針状晶α―FeOOH粒子の生成が完全に完
了してしまつている段階で水可溶性マグネシウム
塩を添加してもマグネシウムが粒子中に入らない
から本発明におけるマグネシウム添加の効果は得
られない。 本発明における水可溶性マグネシウム塩の添加
量はFeに対しNi換算で0.1〜15.0原子%である。
添加した水可溶性マグネシウム塩はほぼ全量が生
成針状晶α―FeOOH粒子中に含有される。 水可溶性マグネシウム塩の添加量がFeに対し
Mg換算で0.1原子%未満である場合には、得られ
る針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積及び保磁
力を更に大きくする効果が得られない。 15.0原子%を超える場合にも本発明の目的を達
成することができるが飽和磁化が低下する為好ま
しくない。 本発明において使用されるニツケル化合物とし
ては硫酸ニツケル、塩化ニツケル、硝酸ニツケル
等を、アルミニウム化合物としては硫酸アルミニ
ウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム
等を使用することができる。 Ni及び/又はAl化合物による被覆処理に際し
て用いられる被覆処理粒子としては、反応母液中
に生成しているSi、Cr、Ni及びMg含有針状晶α
―FeOOH粒子、反応母液から濾別、水洗、乾燥
した後のSi、Cr、Ni及びMg含有針状晶α―
FeOOH粒子、Si、Cr、Ni及びMg含有針状晶α
―Fe2O3粒子及びSi、Cr、Ni及びMg含有針状晶
α―FeOOH粒子を高温加熱処理することにより
得られた高密度化された針状晶α―Fe2O3粒子の
いずれをも使用することができ、いずれの場合も
同様の効果を得ることができる。 Ni及び/又はAl化合物は、粒子表面に均一に
被覆されることが必要であり、Ni及び/又はAl
化合物をアルカリを用いてNi及び/又はAlの水
酸化物として沈着させることが好ましい。 Ni及び/又はAl化合物の添加量は、Feに対し
Ni及び/又はAl換算で0..5〜10.0原子%である。 0.5原子%未満である場合には、本発明の目的
を十分達成することができない。 10.0原子%を超える場合には、得られたNi及
び/又はAl化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末は純度
の低下により、飽和磁化が大幅に減少し好ましく
ない。 Ni及び/又はAl化合物による被覆処理に際し
て使用するアルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等がある。 Ni及び/又はAl化合物とアルカリの添加順序
は、いずれが先でもよく、また、同時に添加して
もよい。 以上の通りの構成の本発明は、次の通りの効果
を奏するものである。 即ち、本発明によれば、針状晶を有し、粒度が
均斉であり、樹枝状粒子を含まず、かさ密度が大
きく、且つ、比表面積が大きく、粒子表面並びに
粒子内部の結晶性の度合が高められた実質的に高
密度なものであり、高い保磁力Hcと大きな飽和
磁化σsとを有し、しかも酸化安定性の優れたP化
合物及びSi化合物で被覆された、又は、必要によ
りP化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合
物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得ることができるの
で、現在最も要求されている高画像画質、高出
力、高感度、高記録密度用磁性粒子粉末として使
用することができる。 更に、磁性塗料の製造に際して、上記のP化合
物及びSi化合物で被覆された、又は、必要により
P化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合物
とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末を用いた場合には、ノイ
ズレベルが低く、且つ、ビークル中での分散性、
塗膜中での配向性及び充填性が極めて優れ、好ま
しい磁気記録媒体を得ることができる。 次に、実施例並びに比較例により本発明を説明
する。 尚、前出の実験例及び以下の実施例並びに比較
例における粒子の比表面積はBET法により測定
したものであり、粒子の軸比(長軸:短軸)、長
軸は、いずれも電子顕微鏡写真から測定した数値
の平均値で示した。 また、かさ密度はJIS K5101−1978「顔料試験
方法」に従つて測定した。 粒子中のP量、Si量、Cr量、Ni量、Mg量及び
Al量は、「螢光X線分析装置3063M型」(理学電
機工業製)を使用し、JIS K0119−1979の「けい
光X線分析通則」に従つて、けい光X線分析を行
うことにより測定した。 磁気特性の値は、試料振動型磁力計を用いて外
部磁場10KOeの下で測定した結果である。 また、酸化安定性は、温度50℃、相対湿度80%
雰囲気で2日間放置した後の飽和磁化の減少率
(%)で示した。 〈針状晶α―FeOOH粒子粉末の製造〉 実施例1〜5、比較例1; 実施例 1 Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶液300
を、あらかじめ、反応器中に準備されたFeに対
しSi換算で0.50原子%を含むようにケイ酸ソーダ
(3号)(SiO228.55wt%)379g、Feに対しCr換
算で0.50原子%を含むように硫酸クロム644g、
Feに対しNi換算で3.0原子%を含むように硫酸ニ
ツケル2884g、Feに対しMg換算で5.0原子%を含
むように硫酸マグネシウム4473gを添加して得ら
れた5.46−NのNaOH水溶液400に加え、PH
13.8、温度45℃においてSi、Cr、Ni及びMgを含
むFe(OH)2懸濁液の生成反応を行つた。 上記Si、Cr、Ni及びMgを含むFe(OH)2懸濁
液に、温度50において毎分1000の空気を5.1時
間通気してSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶
α―FeOOH粒子を生成した。 酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り塩酸
酸性に調節した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の
青色呈色反応の有無で判定した。 生成粒子は、常法により、濾別、水洗、乾燥、
粉砕した。 得られたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶
α―FeOOH粒子は、X線回折の結果、α―
FeOOH粒子の結晶構造と同じ回折図形が得られ
た。 また、螢光X線分析の結果、SiをFeに対し
0.504原子%、CrをFeに対し0.498原子%、Niを
Feに対し3.03原子%、MgをFeに対し4.98原子%
含有するものであつた。 従つて、Si、Cr、Ni及びMgが針状晶α―
FeOOH粒子中に固溶していると考えられる。 このSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均値
で長軸0.55μm、軸比(長軸:短軸)33:1であ
つた。 実施例 2〜5 第一鉄塩水溶液の種類、濃度、NaOH水溶液
の濃度、及び水可溶性ケイ酸塩、水可溶性クロム
塩、水可溶性ニツケル塩、水可溶性マグネシウム
塩の種類、添加量、添加時期を種々変化させた以
外は実施例1と同様にしてSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶α―FeOOH粒子を生成した。 この時の主要製造条件を表1に、特性を表2に
示す。 比較例 1 ケイ酸ソーダ、硫酸クロム、硫酸ニツケル及び
硫酸マグネシウムを添加しないで、NaOH水溶
液の濃度を変化させた以外は実施例1と同様にし
て針状晶α―FeOOH粒子粉末を生成した。 この時の主要製造条件を表1に、特性を表2に
示す。 得られた針状晶α―FeOOH粒子粉末は、電子
顕微鏡観察の結果、平均値で長軸0.45μm、軸比
(長軸:短軸)9:1であり、粒度が不均斉で、
樹枝状粒子が混在しているものであつた。 〈高密度化されたP化合物及びSi化合物又は、P
化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合物と
で被覆された針状晶α―Fe2O3粒子粉末の製造〉 実施例6〜13、比較例2; 実施例 6 実施例1で得られた濾別、水洗したSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子の
ペースト6600g(Si、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶α―FeOOH粒子約2000gに相当する。)
を100の水中に懸濁させた。この時の懸濁液の
PH値は10.0であつた。 次いで、上記懸濁液にヘキサメタリン酸ナトリ
ウム16gを含む水溶液500ml(Si、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶α―FeOOH粒子に対し、
PO3として0.56wt%に相当する。)を添加して30
分撹拌した。 次いで、上記懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号
水ガラス)260g(Si、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶α―FeOOH粒子に対しSiO2として
3.7wt%に相当する。)を添加し30分間撹拌した
後、懸濁液のPH値が6.0となるように10%の酢酸
を添加した後、プレスフイルターによりSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子を
濾別、乾燥してP化合物及びSi化合物とで被覆さ
れたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子粉末を得た。 上記P化合物及びSi化合物で被覆されたSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子粉末1500gを空気中780℃で加熱処理して、高
密度されたP化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―Fe2O3
粒子粉末を得た。得られた針状晶α―Fe2O3粒子
粉末の粉体特性を表3に示す。 実施例7,8、比較例2 被処理粒子の種類、懸濁液のPH、P化合物の添
加量、Si化合物の添加量及びPHの調整、加熱処理
温度及び非還元性雰囲気の種類を種々変化させた
以外は実施例6と同様にして高密度化されたP化
合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶α―Fe2O3粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件を表3に示す。 実施例 9 実施例5で得られた濾別、水洗したSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子の
ペースト9.6Kg(Si、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶α―FeOOH粒子約3000gに相当する。)
を100の水中に懸濁させた。この時の懸濁液の
PH値は9.5であつた。 次いで、上記懸濁液にヘキサメタリン酸ナトリ
ウム30gを含む水溶液600ml(Si、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶α―FeOOH粒子に対しPO3
として0.70wt%に相当する。)を添加して30分間
撹拌した。 次いで、上記懸濁液に硫酸ニツケル(NiSO4・
6H2O)266g(Feに対しNi換算で3.0原子%に該
当する。)及び硫酸アルミニウム(Al2
(SO4)318H2O)337g(Feに対しAl換算で1.5原
子%に該当する。)を添加し、撹拌しながら2−
NのNaOH水溶液1.5を添加した。引き続き、
上記懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号水ガラス)
435g(Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―FeOOH粒子に対しSiO2として4.1wt%に相当
する。)を添加し30分間撹拌した後、懸濁液のPH
値が7.0となるように10%の酢酸を添加した後、
プレスフイルターによりSi、Cr、Ni及びMgを含
有する針状晶α―FeOOH粒子を濾別、乾燥して
P化合物及びSi化合物とNi化合物及びAl化合物
とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶α―FeOOH粒子粉末を得た。 上記P化合物及びSi化合物とNi化合物及びAl
化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有
する針状晶α―FeOOH粒子粉末2000gを空気中
650℃で加熱処理して高密度化された針状晶α―
Fe2O3粒子粉末を得た。得られた針状晶α―
Fe2O3粒子粉末の粉体特性を表3に示す。 実施例 10,11 被処理粒子の種類、懸濁液のPH、P化合物の添
加量、Ni及び/又はAl化合物の種類及び添加量、
Si化合物の添加量、PHの調整を種々変化させた以
外は実施例9と同様にしてP化合物及びSi化合物
とNi化合物及び/又はAl化合物とで被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子粉末を得た。 上記P化合物及びSi化合物とNi化合物及び/
又はAl化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMg
含有する針状晶α―FeOOH粒子粉末を表3に示
す加熱処理温度及び雰囲気下で加熱処理すること
により高密度化されたP化合物及びSi化合物と
Ni化合物及び/又はAl化合物とで被覆されたSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α−Fe2O3粒子
粉末を得た。この時の主要製造条件及び特性を表
3に示す。 実施例 12 実施例2で得られたSi、Cr、Ni及びMgを含有
する針状晶α―FeOOH粒子のペースト、6.3Kg
(Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子約2000gに相当する。)を60の水
中に懸濁させた。この時の懸濁液のPH値は9.6で
あつた。次いで、上記懸濁液にヘキサメタリン酸
ナトリウム12gを含む水溶液300ml(Si、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子に対
しPO3として0.42wt%に相当する。)を添加して
30分間撹拌し、次いで上記懸濁液にケイ酸ナトリ
ウム(3号水ガラス)60g(Si、Cr、Ni及びMg
を含有する針状晶α―FeOOH粒子に対しSiO2と
して0.86wt%に相当する。)を添加し30分間撹拌
した後、懸濁液のPH値が5.5となるように10%の
酢酸を添加した後、プレスフイルターによりSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子を濾別、乾燥してP化合物及びSi化合物で被覆
されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子粉末を得た。 上記P化合物及びSi化合物で被覆されたSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子粉末1500gを空気中600℃で加熱処理して高密
度化されたP化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―Fe2O3
粒子粉末を得た。 上記高密度化されたP化合物及びSi化合物とで
被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶
α―Fe2O3粒子粉末1000gを30の水中に懸濁さ
せた。 次いで、上記懸濁液にアルミン酸ナトリウム
(NaAlO2)33.4g(Feに対しAl換算で6.5原子%
に該当する。)を添加し、30分間撹拌した後、懸
濁液のPH値が8.0となるように10%の酢酸を添加
した後、プレスフイルターによりSi、Cr、Ni及
びMgを含有する針状晶α―Fe2O3粒子を濾別、
乾燥してP化合物及びSi化合物とAl化合物とで
被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶
α―Fe2O3粒子粉末を得た。この時の主要製造条
件及び特性を表3に示す。 実施例 13 被処理粒子の種類、懸濁液のPH、P化合物の添
加量、Ni及び/又はAl化合物の種類及び添加量、
Si化合物の添加量、PHの調整、加熱処理温度及び
雰囲気を種々変化させた以外は実施例12と同様に
して高密度化されたP化合物及びSi化合物とNi
化合物及びAl化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶α―Fe2O3粒子粉末を
得た。この時の主要製造条件及び特性を表3に示
す。 比較例 2 Ni及びAl化合物による被覆処理をしないで、
被処理粒子の種類、懸濁液のPH及び加熱処理温度
を種々変化させて実施例6と同様にして、P化合
物及びSi化合物で被覆された針状晶α―Fe2O3粒
子粉末を得た。この時の主要製造条件及び特性を
表3に示す。 〈針状晶鉄又は鉄合金磁性粒子粉末の製造〉 実施例14〜21、比較例3; 実施例 14 実施例6で得られたP化合物及びSi化合物で被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―Fe2O3粒子粉末120gを回転型レトルト容器中
に投入し、駆動回転させながらH2ガスを毎分50
の割合で通気し、還元温度420℃で還元して、
P化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末と
した。 次いで、温度を150℃とし、水素ガスに水蒸気
を含ませて通気し(水蒸気分圧80%)、60分間保
持した。次いで、窒素ガスを通気しながら室温ま
で冷却後、窒素ガスを2/min通気しながら空
気を1/minの割合で通気し、酸化による発熱
で温度が40℃を超えたら、空気の通気を停止して
窒素ガスのみを通気するという操作を45分間施し
た。上記操作終了後、針状晶鉄合金磁性粒子粉末
をトルエン中に浸漬して表面に酸化被膜が形成さ
れたP化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末
を得た。得られた針状晶鉄合金磁性粒子粉末の諸
特性を表4に示す。 実施例 15〜21 出発原料の種類、還元温度、水素及び水蒸気雰
囲気中の酸化処理における温度、水蒸気分圧、処
理時間、酸素含有ガス中での酸化処理における温
度、通気量、処理時間、及び有機溶剤中への取り
出しの有無、有機溶剤の種類を種々変化させた以
外は実施例14と同様にして表面に酸化被膜が形成
されたP化合物及びSi化合物、又は、P化合物及
びSi化合物とNi及び/Al化合物とで被覆された
針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得た。この時の主要
製造条件及び諸特性を表4に示す。 比較例 3 比較例2で得られた高密度化されたP化合物及
びSi化合物で被覆された針状晶α―Fe2O3粒子粉
末を還元温度460℃にした以外は実施例14と同様
にして還元し、P化合物及びSi化合物で被覆され
た針状晶鉄磁性粒子粉末とした。 還元して得られたP化合物及びSi化合物で被覆
された針状晶鉄磁性粒子粉末は、空気中に取り出
したとき急激な酸化を起こさないように、一旦、
トルエン液中に浸漬して、これを蒸発させること
により、粒子表面に安定な酸化皮膜を施した。 このP化合物及びSi化合物で被覆された針状晶
鉄磁性粒子粉末の諸特性を表4に示す。
磁性材料、特に、ビデオ用の磁性材料として最適
である針状晶を有し、粒度が均斉であり、樹枝状
粒子が混在しておらず、その結果、かさ密度が大
きく、且つ、微粒子で比表面積が大きく、粒子表
面並びに粒子内部の結晶性の度合が高められた実
質的に高密度なものであり、高い保磁力Hcと大
きな飽和磁化σsとを有し、しかも酸化安定性の優
れたP化合物とSi化合物で被覆された、又は必要
によりP化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl
化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法に関する
ものである。 磁気記録媒体の製造に際して、本発明により得
られるP化合物及びSi化合物で被覆された、又は
必要によりP化合物及びSi化合物とNi及び/又
はAl化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を用いた場合
には、針状晶を有し、粒度が均斉であり、樹枝状
粒子が混在しておらず、その結果、かさ密度が大
きく、且つ、微粒子で比表面積が大きく、粒子表
面並びに粒子内部の結晶性の度合が高められた実
質的に高密度なものであり、しかも、高い保磁力
Hcと大きな飽和磁化σsとを有し、しかも酸化安
定性の優れたことに起因して、磁性粒子のビーク
ル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性が
極めて優れており、磁気テープの記録再生時に生
じるノイズレベルが低く、且つ、高出力特性が得
られる優れた磁気記録媒体を得ることができる。 近年、ビデオ用、オーデイオ用磁気記録再生用
機器の長時間記録化、小型軽量化が激化してお
り、特に、昨今におけるVTR(ビデオ・テープ・
レコーダー)の普及は目覚ましく、長時間記録化
並びに小型軽量化を目指したVTRの開発が盛ん
に行われれており、一方においては、磁気記録媒
体である磁気テープに対する高性能化、高密度記
録化の要求が益々高まつてきている。 即ち、磁気記録媒体の高画像画質、高出力特
性、殊に周波数特性の向上及びノイズレベルの低
下が要求され、その為には、残留磁束密度Brの
向上、高保磁力Hc化並びに、分散性、充填性、
テープ表面の平滑性の向上が必要であり、益々
S/N比の向上が要求されてきている。 磁気記録媒体のこれら諸特性は磁気記録媒体に
使用される磁性材料と密接な関係を持つており、
例えば、日経エレクトロニクス(1976年)5月3
日号第82頁〜105頁に掲載されている「ビデオ及
びオーデイオ用磁気テープの最近の進歩」という
文献中、第83〜84頁に記載の「ビデオ テープ
レコーダの画質の内テープによつて変化する特性
で主要なものは、S/N比、クロマ・ノイ
ズ、ビデオ周波数特性―である。 …これら画質を表す量は、テープ、ヘツド系の
電磁変換特性によつて決まり、電磁変換特性はテ
ープの物理特性と相関を持つている。更にテープ
の物理特性は磁性材料によつて決る要素が大き
い。」という記載等から明らかである。 上述した通り、磁気記録媒体の高画像画質等の
諸特性は、使用される磁性材料と密接な関係を有
するものであり、磁性材料の特性改善が強く望ま
れている。 今、磁気記録媒体の諸特性と使用される磁性材
料の特性との関係について詳述すれば次の通りで
ある。 ビデオ用磁気記録媒体として高画像画質を得る
為には、前出の日経エレクトロニクスの記載から
も明らかな通り、ビデオS/N比、クロマ・
ノイズ、ビデオ周波数特性の向上が要求され
る。ビデオS/N比の向上をはかる為には、磁性
粒子粉末の微粒子化及びそのビークル中での分散
性、塗膜中での配向性及び充填性を向上させるこ
と、並びに、磁気記録媒体の表面の平滑性を改良
することが重要である。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第85頁
の「輝度信号のSN比(CN比)に関係している
テープの物理量としては、単位体積当りの平均粒
子数とその分散状態(分散性)及び表面の平滑性
がある。表面性、分散性が一定なら平均粒子数の
平方根に比例してSN比は良くなるので、粒子体
積が小さく、かつ充てん度の高くできる磁性粉ほ
ど有利である。」等の記載からも明らかである。 即ち、ビデオS/Nの向上をはかる一つの方法
としては磁気記録媒体に起因するノイズレベルを
低下させることが重要であり、そのためには、上
記記載から明らかなように使用される磁性材料で
ある針状晶磁性粒子粉末の粒子サイズを微細化す
る方法が有効であることが知られている。 磁性粒子粉末の粒子サイズを表す一般的な方法
として粒子粉末の比表面積の値がしばしば用いら
れるが磁気記録媒体に起因するノイズレベルが磁
性粒子粉末の比表面積が大きくなる程、低くなる
傾向にあることも一般的に知られているところで
ある。 この現象は、例えば電子通信学会技術研究報告
MR81−11第27頁23−9の「Fig3」等に示されて
いる。「Fig3」はCo被着針状晶マグヘマイト粒子
粉末における粒子の比表面積とノイズレベルとの
関係を示す図であり、粒子の比表面積が大きくな
る程ノイズレベルは直線的に低下している。 この関係は、針状晶鉄磁性粒子粉末及び針状晶
鉄合金磁性粒子粉末についても同様に言えること
である。 磁性粒子粉末のビークル中での分散性、塗膜中
での配向性及び充填性を向上させる為には、ビー
クル中に分散させる磁性粒子粉末が針状晶を有
し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在してお
らず、その結果、かさ密度が大きいことが要求さ
れる。 次にクロマ・ノイズの向上をはかる為には、磁
気記録媒体の表面性の改良が重要であり、そのた
めには分散性、配向性のよい磁性粒子粉末がよ
く、そのような磁性粒子粉末としては針状晶を有
し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在してお
らず、その結果、かさ密度が大きいことが要求さ
れる。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第85頁
の「クロマ・ノイズはテープ表面の比較的長周期
の粗さに起因しており、塗布技術との関係が深
い。分散性、配向性の良い粉の方が表面性を良く
しやすい。」等の記載からも明らかである。 更に、ビデオ周波数特性の向上をはかる為に
は、磁気記録媒体の保磁力Hcが高く、且つ、飽
和残留磁束密度Brが大きいことが必要である。 磁気記録媒体の保磁力Hcを高める為には、磁
性粒子粉末の保磁力Hcができるだけ高いことが
要求される。 飽和残留磁束密度Brは、磁性粒子粉末の飽和
磁化σsができるだけ大きく、磁性粒子粉末のビー
クル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性
に依存している。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第84〜
85頁の「最大出力は、テープの飽和残留磁束密度
BrとHc、及び実効間隔によつて決る。Brが大き
ければ再生ヘツドに入る磁束が多くなり出力は増
加する。……。Hcを増加させると自己減磁は少
なくなり、出力は増加する。……。テープのBr
を大きくするには、磁性体が完全な状態(例えば
単結晶の状態)で持つている飽和磁化量Is(σs)
が大きいことがまず基本となる。……。同じ材質
でも、……磁性粉の割合を示す充填度などによつ
てもBrは変わる。また、角形比(残留磁化量/
飽和磁化量)に比例するので、これが大きいこと
が要求される。……。角形比を高くするには、粒
子の大きさが揃つており、針状比が大きく、磁場
配向性に優れている磁性粉が有利である。……」
等の記載からも明らかである。 上記に詳述した通り、磁気記録媒体の高画像画
質、高出力特性、殊に周波数特性の向上、及び、
ノイズレベルの低下等の高性能化の要求を満たす
為には、使用される磁性粒子粉末の特性として
は、針状晶を有し、粒度が均斉であり樹枝状粒子
が混在しておらず、且つ、比表面積が大きく、し
かも、高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsを有す
ることが必要である。 ところで、従来から磁気記録媒体に用いられて
いる磁性材料は、マグネタイト、マグヘマイト、
二酸化クロム等の磁性粉末であり、これらの磁性
粉末は飽和磁化σs70〜85emu/g、保磁力Hc250
〜500 Oeを有するものである。 殊に、上記酸化物磁性粒子粉末のσsは最大
85emu/g程度であり、一般にはσs70〜80emu/
gであることが再生出力並びに記録密度に限度を
与えている主因となつている。 更にCoを含有しているCo−マグネタイトやCo
−マグヘマイト磁性粉末も使用されているが、こ
れらの磁性粒子粉末は保磁力Hcが400〜800Oeと
高いという特徴を有するが、これに反して飽和磁
化σsが60〜80emu/gと低いものである。 最近、高出力並びに高密度記録に適する特性を
備えた磁性粒子粉末すなわち、飽和磁化σsが大き
く、且つ、高い保磁力を有する磁性粒子粉末の開
発が盛んであり、そのような特性を有する磁性粒
子粉末は、一般に、針状晶含水酸化鉄粒子、針状
晶酸化鉄粒子若しくは、これらに鉄以外の異種金
属を含むものを還元性ガス中350℃程度で加熱還
元することにより得られる針状晶鉄磁性粒子粉末
若しくは針状晶鉄合金磁性粒子粉末である。 これら針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄
合金磁性粒子粉末は、従来用いられている磁性酸
化鉄粒子粉末並びにCo含有磁性酸化鉄粒子粉末
に比較して飽和磁化σsが著しく大きく、保磁力
Hcが高いという特徴を有しており、磁気記録媒
体として塗布した場合、大きい残留磁束密度Br
と高い保磁力Hcを有する為に高密度記録、高出
力特性が得られるので注目をあびており近年実用
化がなされている。 前記針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の製造法において、還元性ガス中
で加熱還元する温度が高ければ高い程、大きな飽
和磁化を有する針状晶磁性粒子粉末若しくは針状
晶鉄合金磁性粒子粉末が得られることが知られて
いる。 一方、還元性ガス中で加熱還元する温度が高け
れば高い程大きな飽和磁化を有する針状晶鉄磁性
粒子粉末若しくは針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得
ることができるが、加熱還元温度が高くなると、
この針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合金
磁性粒子粉末の針状晶粒子の変形と粒子及び粒子
相互間の焼結が著しくなり、得られた針状晶鉄磁
性粒子粉末若しくは針状晶鉄合金磁性粒子粉末の
保磁力は極度に低下することになる。即ち、針状
晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合金磁性粒子
粉末の保磁力は形状異方性に大きく依存するもの
であり、針状晶磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の針状性は重要な特性の一つであ
る。 また、磁気記録媒体用に使用される磁性粒子粉
末は1μm以下の非常に微細な粒子であり、前記の
方法によりこのように微細な針状晶鉄磁性粒子粉
末又は針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得ようとすれ
ば、粒子の表面活性が非常に大きい為、還元後空
気中に取り出すと、空気中の酸素と急激に反応
し、発熱発火するという極めて不安定なものであ
る。同時に上記酸化反応により酸化物になつてし
まう為大幅な磁気特性の低下をきたし、目的とす
る高保磁力、高飽和磁化の磁性粒子粉末を得るこ
とができない。 高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsを有する針
状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶鉄合金磁性粒
子粉末は、前述した通り、針状晶を有し、粒度が
均斉であり、樹枝状粒子が混在していないことが
必要であり、このような特性を備えた磁性粒子粉
末を得る為には、出発原料である針状晶α―
FeOOH粒子が粒度が均斉であり、樹枝状粒子が
混在していないことが必要であり、次に、いかに
してこの粒子形態、殊に針状晶を保持継承させな
がら加熱還元して針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは
針状晶鉄合金磁性粒子粉末とするか更に、加熱還
元後の針状晶鉄磁性粒子粉末又は針状晶鉄合金磁
性粒子粉末を空気中に取り出した後の酸化による
飽和磁化σsの減少をいかにして防止するかが大き
な課題となる。 先ず、出発原料である針状晶α―FeOOH粒子
粉末の製造について述べる。 従来、PH11以上のアルカリ領域で針状晶α―
FeOOH粒子を製造する方法として最も代表的な
公知方法は、第一鉄塩水溶液に当量以上のアルカ
リ溶液を加えて得られるFe(OH)2を含む水溶液
をPH11以上にて80℃以下の温度で酸化反応を行う
ことにより、針状晶α―FeOOH粒子を得るもの
である。この方法により得られた針状晶α―
FeOOH粒子粉末は長さ0.5〜1.5μm程度の針状形
態を呈した粒子であるが、樹枝状粒子が混在して
おり、また粒度から言えば、均斉な粒度を有した
粒子であるとは言い難い。このように粒度が不均
斉であり、また樹枝状粒子が混在している針状晶
α―FeOOH粒子が生成する原因について以下に
考察する。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子の生成は、針
状晶α―FeOOH核の発生と該針状晶α―
FeOOH核の成長の二段階からなる。そして、針
状晶α―FeOOH核は、第一鉄塩水溶液とアルカ
リとを反応して得られるFe(OH)2と溶存酸素と
の反応により生成するが、溶存酸素との接触反応
が部分的、且つ、不均一である為、針状晶α―
FeOOH核の発生と該針状晶α―FeOOH核の成
長が同時に生起し、しかも、α―FeOOH生成反
応が終了するまで幾重にも新しい核が発生するの
で、得られた針状晶α―FeOOH粒子は粒度が不
均斉であり、また樹枝状粒子が混在したものにな
る。 また、前記方法における反応水溶液中の反応鉄
(Fe2+)濃度は、通常、0.2mol/程度であり、
かつ、針状晶α―FeOOH粒子の生成に、長時間
を必要とする。 即ち、前記方法によれば、0.2mol/程度の
薄い反応鉄濃度においてさえも、粒度が不均斉で
あり、樹枝状粒子が混在している針状晶α―
FeOOH粒子粉末が生成しやすかつたのである。 次に、いかにして、針状晶α―FeOOH粒子の
粒子形態、殊に、針状晶を保持継承させながら加
熱還元して針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶
鉄合金磁性粒子粉末とするかが問題となる。 加熱還元過程において針状晶粒子の変形と粒子
及び粒子相互間の焼結が生起する原因について以
下に説明する。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子を300℃付近
の温度で加熱脱水して得られる針状晶α―Fe2O3
粒子は、針状晶を保持継承したものであるが、一
方、その粒子表面並びに粒子内部には脱水により
発生する多数の空孔が存在し、単一粒子の粒子成
長が十分ではなく、従つて、結晶性の度合が非常
に小さいものである。 このような針状晶α―Fe2O3粒子を用いて加熱
還元した場合、単一粒子の粒子成長、即ち、物理
的変化が急激であるため単一粒子の均一な粒子成
長が生起し難く、従つて、単一粒子の粒子成長が
急激に生起した部分では粒子及び粒子相互間の焼
結が生起し、粒子形状がくずれやすくなると考え
られる。 また、加熱還元過程においては、酸化物から金
属への急激な体積収縮が生起することにより粒子
形状は一層くずれやすいものとなる。 従つて、加熱還元過程において粒子形状の変形
と粒子及び粒子相互間の焼結を防止するために
は、加熱還元過程に先立つて、予め針状晶α―
Fe2O3粒子の単一粒子を充分、且つ、均一な粒子
成長を図ることにより結晶性の度合が高められた
実質的に高密度であり、且つ、針状晶α―
FeOOH粒子の針状晶を保持継承している針状晶
α―Fe2O3粒子としておく必要がある。 このような結晶性の度合が高められた実質的に
高密度な針状晶α―Fe2O3粒子を得る方法として
針状晶α―FeOOH粒子を非還元性雰囲気中で加
熱処理する方法が知られている。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子を加熱脱水し
て得られる針状晶α―Fe2O3粒子は、非還元性雰
囲気中で加熱処理する温度が高ければ高い程、効
果的に単一粒子の粒子成長をはかることができ、
従つて、結晶性の度合も高めることができるが、
一方、加熱処理温度が650℃を超えて高くなると
焼結が進んで針状晶粒子がくずれることが知られ
ている。 従つて、結晶性の度合が高められた実質的に高
密度であり、且つ、針状晶α―FeOOH粒子の針
状晶を保持継承している針状晶α―Fe2O3粒子を
得る為には、非還元性雰囲気中で加熱処理するに
先立つて、あらかじめ、焼結防止効果を有する有
機化合物、無機化合物で針状晶α―FeOOH粒子
の粒子表面を被覆する方法が知られている。 本発明者は、長年に亘り、針状晶磁性粒子粉末
の製造及び開発にたずさわつているものである
が、その研究過程において、焼結防止効果を有す
るSi化合物で被覆された針状晶α―FeOOH粒子
を製造する方法を既に開開発している。 例えば、次に述べるようである。 即ち、P化合物及びSi化合物で被覆された針状
晶α―FeOOH粒子粉末は、第一鉄塩水溶液とア
ルカリ水溶液との湿式反応により生成した針状晶
α―FeOOH粒子を母液から分離した後、水中に
懸濁させ、該懸濁液のPH値8以上の状態で針状晶
α―FeOOH粒子に対し、0.1〜2wt%(PO3に換
算)のリン酸塩を添加し、次いで0.1〜7.0wt%
(SiO2に換算)の水可溶性ケイ酸塩を添加した
後、PH値を3〜7に調整することにより、得るこ
とができる。 上記の方法について説明すれば次のようであ
る。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子は、湿式反応
時における反応母液中の結晶成長の過程でかなり
強固にからみ合い、結合し合つた粒子群を形成し
ており、該からみ合い、結合し合つている針状晶
α―FeOOH粒子の粒子群をそのまま焼結防止剤
で被覆した場合には、それ以上の焼結を防止する
だけで、反応母液中の結晶成長の過程で発生した
からみ合い、結合はそのままの状態である為、上
記からみ合い、結合し合つている針状晶α―
FeOOH粒子を非還元性雰囲気中で加熱処理した
後、加熱還元して得られた針状晶鉄合金磁性粒子
粉末も粒子がからみ合い、結合し合つたものとな
る。このような粒子は、ビークル中での分散性、
塗膜中での配向性及び充填性が十分であるとは言
い難い。 従つて、針状晶α―FeOOH粒子をSi化合物で
被覆するに先立つて、あらかじめ、反応母液中の
結晶成長の過程で発生したからみ合い、結合を解
きほぐしておく必要がある。 針状晶α―FeOOH粒子を母液から分離した
後、水中に懸濁させ、該懸濁液のPH値8以上の状
態で針状晶α―FeOOH粒子に対し0.1〜2wt%
(PO3に換算)のリン酸塩を添加することにより、
針状晶α―FeOOH粒子のからみ合い、結合を解
きほぐすことが可能である。 針状晶α―FeOOH粒子は、針状晶α―
FeOOH粒子の生成後、常法により反応母液より
濾別、水洗したものを用いれば良い。 懸濁液の濃度は、水に対して20wt%以下であ
るのが望ましい。20wt%を超える場合には懸濁
液の粘度が高すぎて、リン酸塩の添加によるから
み合い等を解きほぐす効果が不十分となる。 リン酸塩の添加量は、懸濁液中の針状晶α―
FeOOH粒子に対し、PO3に換算して0.1〜2wt%
であれば、該粒子のからみ合い等を解きほぐし、
粒子を均一に分散させることができる。 添加したリン酸塩は、針状晶α―FeOOH粒子
表面に吸着され、ほぼ全量が生成針状晶α―
FeOOH粒子中に含有される。 添加量が0.1wt%未満の場合には添加効果が十
分でない。 一方、添加量が2wt%を超える場合には粒子を
分散させることはできるが、粒子が液中に均一に
強分散している為、液中からの濾別分離が困難と
なり適当ではない。 添加するリン酸塩としては、例えば、メタリン
酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等が挙げら
れる。 リン酸塩を添加する懸濁液のPH値は8以上でな
ければならない。 PH値が8未満である場合には、粒子を分散させ
ようとするリン酸塩を2wt%を超える量を添加し
なければならず、リン酸塩を2wt%を超える量を
添加すると前述した通り、濾別分離において弊害
が生ずる為、好ましくない。 次に、針状晶α―FeOOH粒子の粒子表面に形
成させるSi化合物被膜について述べると、該Si化
合物被膜の形成は、必ず、リン酸塩により針状晶
α―FeOOH粒子のからみ合い等を解きほぐした
後でなければならない。 水可溶性ケイ酸塩を添加する際の懸濁液のPH値
が8以上の状態であることが望ましい。 水可溶性ケイ酸塩を添加する際の懸濁液のPH値
は8未満の状態で水可溶性ケイ酸塩を添加する
と、添加と同時に固体であるSiO2として単独に
析出してしまい、粒子表面に効率良く薄膜として
形成させることができない。 従つて、懸濁液のPH値が8以上の状態で水可溶
性ケイ酸塩を添加し、該懸濁液中に均一に混合し
た後にPH値をSiO2の析出する範囲、即ち、PH値
を3〜7に調整すれば、SiO2は粒子の表面上に
析出して被膜を形成する。 添加する水可溶性ケイ酸塩の量は、SiO2に換
算して針状晶α―FeOOH粒子に対し0.1〜7.0wt
%である。 添加した水可溶性ケイ酸塩は、針状晶α―
FeOOH粒子表面に析出吸着され、ほぼ全量が生
成針状晶α―FeOOH粒子中に含有される。 0.1wt%未満の場合には、添加の効果が顕著に
現れず、7.0wt%を超える場合には、優れた針状
晶を有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得ること
ができるが純度の低下により、飽和磁束密度が減
少し好ましくない。 尚、添加する水可溶性ケイ酸塩としては、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等が挙げられる。 次に、Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―FeOOH粒子に化合物及びSi化合物で被膜を形
成させた後、懸濁液中から該粒子を濾別分離する
条件について述べる。 通常の濾別手段を用いる場合には、粒子が均一
に液中に強分散していると、例えば濾布漏れ、あ
るいは濾布の目づまり、その他種々の濾過効率も
悪化させる要因となる。 濾過効率を高める為には、前記したリン酸塩の
添加により分散させた粒子が適度に凝集している
必要がある。 リン酸塩の添加量を0.1〜2wt%の範囲内とした
場合、懸濁液のPH値を3〜7に調整すれば、懸濁
液の粘度は上昇し、粒子の凝集が起き、濾別を容
易に行うことができる。 また、懸濁液のPH値を3未満とした場合にも針
状晶α―FeOOH粒子の凝集及びリン酸塩の吸
着、さらには前述したSiO2被膜の形成は可能と
なるが、設備上の問題及び品質上の問題(溶解
等)が発生する為、好ましくない。 尚、PH3〜7に調整する為には、酢酸、硫酸、
リン酸等を使用することができる。 以上、説明したところによつて得られるP化合
物及びSi化合物で被覆された針状晶α―FeOOH
粒子を非還元性雰囲気中で加熱処理して得られた
針状晶α―Fe2O3粒子は、結晶性の度合が高めら
れた実質的に高密度なものであり、且つ、粒子の
からみ合いや結合のない優れた針状晶を保持継承
したものである。 非還元性雰囲気中における加熱処理の温度範囲
は500〜900℃であることが好ましい。 非還元性雰囲気中の加熱処理温度が500℃未満
である場合は、P化合物及びSi化合物で被覆され
た針状晶α―Fe2O3粒子の結晶性の度合が高めら
れた実質的に高密度な粒子とは言い難く、900℃
を超える場合は、針状晶粒子の変形と粒子及び粒
子相互間の焼結をひき起こしてしまう。また、精
度の高い設備、高度な技術を必要とし工業的、経
済的ではない。 更に、加熱還元後の針状晶鉄磁性粒子粉末又は
針状晶鉄合金磁性粒子粉末を空気中に取り出した
後の酸化による飽和磁化σsの減少をいかにして防
止するかが問題となる。 本発明者は、長年に亘り、針状晶磁性粒子粉末
の製造及び開発にたずさわつているものである
が、その研究過程において、酸化安定性に優れた
針状晶鉄磁性粒子粉末又は針状晶鉄合金磁性粒子
粉末を得る方法を既に開発している。 即ち、酸化安定性に優れた針状晶鉄磁性粒子粉
末又は針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、加熱還元し
て得られた針状晶鉄磁性粒子粉末又は針状晶鉄合
金磁性粒子粉末を水素及び水蒸気の混合ガス雰囲
気中において150〜700℃の温度範囲、雰囲気中の
水蒸気分圧(PH2O/PH2)10%以上100%未満
に保持して粒子表面にFe3O4層を形成し、次いで
100℃以下の温度で酸素含有ガスを作用させるこ
とにより上記Fe3O4層の表面をFe2O3層とするこ
とにより得ることができる。(特公昭58−5241号、
特公昭58−52522号)。 先ず、上記の方法において、金属粒子の表面を
Fe2O4とする条件について説明する。そのための
条件としては、処理雰囲気、処理温度が最も重要
である。先ず雰囲気について述べると、雰囲気は
水素ガスと水蒸気の混合ガス雰囲気でなければな
らない。雰囲気中に還元性ガスである水素ガスが
存在しない場合には他の条件をいかに制御しても
Fe3O4の生成は見られない。また、雰囲気中の水
蒸気分圧(PH2O/PH2)は10%以上100%未満
でなければならない。 10%未満又は100%を超える場合にはFe3O4が
生成し難い。尚、工業的見地からすると50〜90%
の水蒸気分圧が好ましい。 次に温度について述べると、150〜700℃の温度
範囲でなければならない。 150℃未満の温度ではFe3O4の生成が極めて遅
く、必要量のFe3O4を生成させるのに長時間を要
する為工業的でない。一方700℃を超える場合に
は、得られる金属粒子の形状がくずれ、保磁力及
び角型比が減少する為に好ましくない。尚、工業
的見地からすると150〜550℃の温度範囲が好まし
い。 次に金属粒子の表面に生成させたFe3O4層の表
面を更にFe2O3とする場合の条件について説明す
る。 金属粒子の表面にFe3O4を形成させた後、該
Fe3O4の表面をFe2O3とする際においても、一旦
水素ガスと水蒸気の混合ガス雰囲気を不活性ガス
雰囲気とし、所定の温度まで冷却した後、酸化性
ガスを通気することが必要である。Fe3O4層の表
面をFe2O3とするには100℃以下の温度において
酸化性ガスを作用させればよい。 100℃を超える温度においては酸化反応の進行
が速く、Fe3O4の表面部分のみをFe2O3とするの
がむつかしく、Fe3O4層のすべて、更には内部の
金属部分にまで酸化が進む可能性が生ずる為好ま
しくない。100℃以下の温度であつても、50℃以
上においては、酸化反応が過度に進み易いので酸
化性ガスの供給を制御することが望ましい。例え
ば、酸化性ガス(空気等)と不活性ガス(窒素
等)との混合ガスを通気する方法、あるいは酸化
性ガスの通気を断続的に行う方法等が使用でき
る。 上記した通り、針状晶鉄磁性粒子又は針状晶鉄
合金磁性粒子の粒子表面にFe3O4及びFe2O3層を
形成させた後、常法により有機溶剤中に浸漬して
取り出してもよい。 有機溶剤中への取り出しは、例えば、トルエ
ン、アセトン、ベンゼン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン、キシレン、シクロヘキ
サノン等の有機溶剤中に、室温付近まで冷却され
た上記金属粒子を空気になるべく接触しないよう
な状態で(例えば窒素等の不活性ガス雰囲気中)
浸漬するという方法でよい。 本発明者は、上述したところに鑑み、針状晶を
有し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在して
おらず、且つ、比表面積が大きく、粒子表面並び
に粒子内部の結晶性の度合が高められた実質的に
高密度なものであり、高い保磁力Hcと大きな飽
和磁化σsを有し、しかも酸化安定性の優れた針状
晶鉄合金磁性粒子を得るべく、種々検討を重ねて
きた。そして、本発明者は、第一鉄塩水溶液とア
ルカリ水溶液とを反応させて得られたFe(OH)2
を含むPH11以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気し
て酸化することにより針状晶α―FeOOH粒子を
生成させるにあたり、前記アルカリ水溶液及び酸
素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前の前
記懸濁液のいずれかの液中に、水可溶性ケイ酸塩
をFeに対しSi換算で0.1〜1.7原子%添加してお
き、且つ、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ水
溶液、酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせ
る前の前記懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせている前記反応溶液のいずれかの
液中に水可溶性クロム塩をFeに対しCr換算で0.1
〜5.0原子%、水可溶性ニツケル塩をFeに対しNi
換算で0.1〜7.0原子%、及び水可溶性マグネシウ
ム塩をFeに対しMg換算で0.1〜15.0原子%添加し
ておくことにより、Si、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶α―FeOOH粒子を生成させ、該Si、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子をP化合物及びSi化合物で被覆処理し、次い
で、非還元性雰囲気中で加熱処理することにより
高密度化されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶α―Fe2O3粒子とした後、該粒子を還元性ガ
ス中で加熱還元することにより得られたP化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子の粒子表面に
Fe3O4及びFe2O3層を形成させた場合には、針状
晶を有し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在
しておらず、粒子のからみ合い等がなく、且つ、
比表面積が大きく、粒子表面並びに粒子内部の結
晶性の度合が高められた実質的に高密度なもので
あり、高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsとを有
し、しかも酸化安定性の優れた磁気記録用針状晶
鉄合金磁性粒子粉末が得られることを見出し本発
明を完成したものである。 即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液とアルカリ水
溶液とを反応させて得られたFe(OH)2を含むPH
11以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化す
ることにより針状晶α―FeOOH粒子を生成させ
るにあたり、前記アルカリ水溶液及び酸素含有ガ
スを通気して酸化反応を行わせる前の前記懸濁液
のいずれかの液中に、水可溶性ケイ酸塩をFeに
対しSi換算で、0.1〜1.7原子%添加しておき、且
つ、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ水溶液、
酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前の
前記懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化反応
を行わせている前記反応溶液のいずれかの液中に
水可溶性クロム塩をFeに対しCr換算で0.1〜5.0原
子%、水可溶性ニツケル塩をFeに対しNi換算で
0.1〜7.0原子%、及び水可溶性マグネシウム塩を
Feに対しMg換算で0.1〜15.0原子%添加しておく
ことにより、Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状
晶α―FeOOH粒子を生成させ、該Si、Cr、Ni及
びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子を水中
に懸濁させ、該懸濁液のPH値8以上の状態でSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子に対し0.1〜2wt%(PO3に換算)のリン酸塩を
添加して分散液とし、次いで該分散液にSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子に
対し0.1〜7.0wt%(SiO2に換算)の水可溶性ケイ
酸塩を添加することにより、P化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶α―FeOOH粒子を得、該粒子を非還元性雰
囲気中500〜900℃の温度範囲で加熱処理すること
により高密度化されたP化合物及びSi化合物で被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―Fe2O3粒子とした後、還元性ガス中で加熱還元
してP化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子を得
るか、又は、必要により、上記分散液にSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α−FeOOH粒子に
対し0.1〜7.0wt%(SiO2に換算)の水可溶性ケイ
酸塩を添加することにより、P化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶α−FeOOH粒子を得、該粒子を非還元性雰
囲気中500〜900℃の温度範囲で加熱処理すること
により高密度化されたP化合物及びSi化合物で被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―Fe2O3粒子とした後、還元性ガス中で加熱還元
してP化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化
合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶鉄合金磁性粒子とするにあたり、前記分
散液にFeに対しNi及び/又はAl換算で0.5〜10.0
原子%のNi及び/又はAl化合物を添加するか、
又は、上記加熱処理後の高密度化されたP化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶α―Fe2O3粒子を水中に懸濁さ
せ、該懸濁液中にFeに対しNi及び/又はAl換算
で0.5〜10.0原子%のNi及び/又はAl化合物を添
加、混合して、Ni及び/又はAl化合物で被覆し
ておくことにより、P化合物及びSi化合物とNi
及び/又はAl化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子を得、
前記P化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子、又
は、上記P化合物及びSi化合物とNi及び/又は
Al化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含
有する針状晶鉄合金磁性粒子のいずれかを、水素
及び水蒸気の混合ガス雰囲気中において150〜700
℃の温度範囲、雰囲気中の水蒸気分圧(PH2O/
PH2)を10%以上100%未満に保持して粒子表面
にFe3O4層を形成し、次いで100℃以下の温度で
酸素含有ガスを作用させることにより前記Fe3O4
層の表面をFe2O3層とすることよりなる磁気記録
用針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法である。 次に、本発明を完成するに至つた技術的背景及
び本発明の構成について述べる。 PH11以上のアルカリ領域で、従来法により生成
した針状晶α―FeOOH粒子は前述した通り、粒
度が不均斉であり、また樹枝状粒子が混在したも
のである。 本発明者は、長年にわたり針状晶α―FeOOH
粒子粉末の製造及び開発にたずさわつているもの
であるが、その過程において、粒度が均斉であ
り、樹枝状粒子が混在していない針状晶α―
FeOOH粒子を得ることができるという技術を既
に確立している。 即ち、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在し
ていない針状晶α―FeOOH粒子は、第一鉄塩水
溶液とアルカリ水溶液とを反応させて得られた
Fe(OH)2を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気し
て酸化することにより針状晶α―FeOOH粒子を
生成させる方法において、前記アルカリ水溶液及
び酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前
の前記懸濁液のいずれかの液中に、水可溶性ケイ
酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜1.7原子%添加して
おくことにより得ることができる(特公昭55−
8461号公報、特公昭55−32652号公報)。 従来、PH11以上のアルカリ領域で得られた針状
晶α―FeOOH粒子は、一般に粒度が不均斉で樹
枝状粒子が混在しているが、これは、針状晶α―
FeOOH粒子の前駆体であるFe(OH)2のフロツク
が不均斉であると同時に、Fe(OH)2のフロツク
を構成しているFe(OH)2の粒子そのものが不均
斉であること、更にFe(OH)2を含む水溶液から
針状晶α―FeOOH核粒子の発生と該針状晶α―
FeOOH核粒子の成長が同時に生起し、しかも針
状晶α―FeOOH生成反応が終了するまで幾重に
も新しい核が発生することに起因する。 前述した様に、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶
液とを反応させて得られたFe(OH)2を含む懸濁
液に酸素含有ガスを通気して酸化することにより
針状晶α―FeOOH粒子を生成するにあたり、前
記アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせる前の前記懸濁液のいずれかの液
中に水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜
1.7原子%となるように添加した場合には、Fe
(OH)2のフロツクを十分微細で均斉なフロツク
にし、また、Fe(OH)2のフロツクを構成してい
るFe(OH)2の粒子そのものを十分微細で均斉な
粒子とすることができ、更に、水可溶性ケイ酸塩
がFe(OH)2を含む水溶液から針状晶α―FeOOH
粒子を生成する際の酸化反応を抑制する効果を有
することに起因して、針状晶α―FeOOH核粒子
の発生と該針状晶α―FeOOH核粒子の成長を段
階的に行うことができるため、粒度が均斉であ
り、また、樹枝状粒子が混在しない針状晶α―
FeOOH粒子を得ることができるのである。 上記の方法において使用される水可溶性ケイ酸
塩としてはナトリウム、カリウムのケイ酸塩があ
る。 アルカリ水溶液への水可溶性ケイ酸塩の添加量
は、Feに対しSi換算で0.1〜1.7原子%である。添
加した水可溶性ケイ酸塩はほぼ全量が生成針状晶
α―FeOOH粒子中に含有される。水可溶性ケイ
酸塩の添加量がFeに対しSi換算で0.1原子%未満
である場合には、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在
していない針状晶粒子を得る効果が十分ではな
く、1.7原子%を超える場合は粒状のマグネタイ
ト粒子が混入してくる。 上述した粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在
していない針状晶α―FeOOH粒子をP化合物及
びSi化合物で被覆処理した後、非還元性雰囲気中
で加熱処理することにより得られた高密度化され
た針状晶α―Fe2O3粒子を出発原料とし、該出発
原料を加熱還元することにより得られた針状晶鉄
合金磁性粒子粉末もまた粒度が均斉であり、樹枝
状粒子が混在していないものであり、その結果、
かさ密度が大きく、塗料化の際の分散性がよく、
且つ、塗膜中での充填性が高く、残留磁束密度
Brが大きくなるという特徴を有するものである
が、比表面積について言えば高々20m2/g程度で
ある。 そこで、本発明者は、粒度が均斉であり、樹枝
状粒子が混在していないSiを含有する針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の比表面積を向上させる方法につ
いて種々検討を重ねた結果、粒度が均斉であり、
樹枝状粒子が混在していないSiを含有する針状晶
α―FeOOH粒子の生成にあたり、第一鉄塩水溶
液、アルカリ水溶液、酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせる前のFe(OH)2懸濁液及び酸素
含有ガスを通気して酸化反応を行わせている反応
溶液のいずれかの液中に水可溶性クロム塩を添加
し、得られたSi及びCrを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を加熱還元した場合には、Siを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を向上
させることができるという知見を得た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図1は、水可溶性クロム塩の添加量とP化合物
及びSi化合物で被覆されたSi及びCrを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末及びP化合物及びSi化合
物で被覆されたCrを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末の比表面積の関係図である。 即ち、Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶
液300を、あらかじめ、反応器中に準備された
ケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0〜1.0原子%、
硫酸クロムをFeに対しCr換算で0〜5.0原子%を
添加して得られたNaOH水溶液400に加え、PH
13.8においてFe(OH)2を含む懸濁液を得、該懸濁
液に温度45℃において毎分1000の空気を通気し
て酸化反応を行わせることによりSi及びCrを含
有する針状晶α―FeOOH粒子を生成し、該粒子
をP化合物及びSi化合物で被覆処理し、次いで、
空気中770℃で加熱処理することにより高密度化
されたP化合物及びSi化合物で被覆されたSi及び
Crを含有する針状晶α―Fe2O3とした後、該粒子
を450℃で5.0時間加熱還元することにより得られ
たP化合物及びSi化合物で被覆されたSi及びCrを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末及びCrを含
有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を、該粒子の粒
子表面にFe3O4及びFe2O3層を形成することによ
り空気中に安定して取り出した時の比表面積と硫
酸クロムの添加量の関係を示したものである。 図中、曲線aはSi無添加の場合、曲線b,c
は、それぞれSi添加量が0.35原子%、1.0原子%の
場合である。 曲線b,cに示されるようにSi及びCrを併用
して添加した場合には得られるSi及びCrを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を著し
く向上させることができ、この場合、硫酸クロム
の添加量の増加に伴つて比表面積が大きくなる傾
向を示す。 この現象は、図1の曲線aに示されるCrを単
独で添加した場合よりも一層顕著に現れることか
ら本発明者はSiとCrとの相乗効果によるものと
考えている。 上述したようにP化合物及びSi化合物で被覆さ
れたSiおよびCrを含有する針状晶鉄合金磁性粒
子粉末は粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在し
ておらず、且つ、比表面積が大きいものである
が、一方、Crの添加量の増加に伴つて保磁力が
低下するという傾向があつた。 そこで、本発明者は、P化合物及びSi化合物で
被覆されたSi及びCrを含有する針状晶鉄合金磁
性粒子粉末の保磁力を向上させる方法について、
種々検討を重ねた結果、Si及びCrを含有する針
状晶α―FeOOH粒子の生成にあたり、第一鉄塩
水溶液、アルカリ水溶液、酸素含有ガスを通気し
て酸化反応を行わせる前のFe(OH)2懸濁液及び
酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせている
反応溶液のいずれかの液中に水可溶性ニツケル塩
を添加し、得られたSi、Cr及びNiを含有する針
状晶α―FeOOH粒子をP化合物及びSi化合物で
被覆処理した後、加熱還元した場合には、大きな
比表面積を維持したままでSi及びCrを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力を向上させる
ことができるという知見を得た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図2は、水可溶性ニツケル塩の添加量とP化合
物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr及びNiを含
有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力の関係
図である。 即ち、Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶
液300を、あらかじめ、反応器中に準備された
ケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0.35原子%、硫
酸クロムをFeに対しCr換算で0.5原子%、硫酸ニ
ツケルをFeに対しNi換算で0〜7.0原子%を含む
ように添加して得られたNaOH水溶液400に加
え、PH14.0においてFe(OH)2を含む懸濁液を得、
該懸濁液に温度45℃において毎分1000の空気を
通気して酸化反応を行わせることによりSi、Cr
及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子を生成
し、該粒子を出発原料として図1の場合と同様に
して得られたP化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子
粉末の保磁力と硫酸ニツケルの添加量の関係を示
したものである。 図2に示されるように硫酸ニツケルの添加量の
増加に伴つてSi、Cr及びNiを含有する針状晶鉄
合金磁性粒子粉末の保磁力が高くなる傾向を示
す。 このように大きな比表面積を維持したままで保
磁力を向上させるという現象は、Si、Cr、Niの
いずれを除去した場合にも得られないことから、
本発明者はSi及びCrとNiとの相乗効果によるも
のと考えている。 更に、本発明者は、Si、Cr及びNiを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積及び保磁力
を向上させる方法について検討を重ねた結果、
Si、Cr及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子
の生成にあたり、第一鉄塩水溶液、アルカリ水溶
液、酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる
前のFe(OH)2懸濁液及び酸素含有ガスを通気し
て酸化反応を行わせている反応溶液のいずれかの
液中に水可溶性マグネシウム塩を添加し、得られ
たSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を加熱還元した場合には、Si、Cr及
びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比
表面積及び保磁力を一層向上させることができる
という知見を得た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図3及び図4は、それぞれ水可溶性マグネシウ
ム塩の添加量とP化合物及びSi化合物で被覆され
たSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁
性粒子粉末の保磁力及び比表面積の関係図であ
る。 即ち、Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶
液300を、あらかじめ、反応器中に準備された
ケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0.35原子%、硫
酸クロムをFeに対しCr換算で0.50原子%、硫酸
ニツケルをFeに対しNi換算で3.0原子%、硫酸マ
グネシウムをFeに対しMg換算で0〜15.0原子%
を含むように添加して得られたNaOH水溶液400
に加え、PH14.0においてFe(OH)2を含む懸濁液
を得、該懸濁液に温度50℃において毎分1000の
空気を通気して酸化反応を行わせることにより
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を生成し、該粒子を出発原料として
図1の場合と同様にして得られたP化合物及びSi
化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力及び比表面
積と硫酸マグネシウムの添加量の関係を示したも
のである。 図3及び図4に示されるように、硫酸マグネシ
ウムの添加量の増加に伴つてP化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr及びNiを含有する針状晶
鉄合金磁性粒子粉末の保磁力及び比表面積のいず
れをも一層向上させることができる。 このように保磁力及び比表面積を一層向上させ
るという現象は、Si、Cr、Ni、Mgのいずれを除
去した場合にも得られないことから、本発明者は
Si、Cr及びNiとMgとの相乗効果によるものと考
えている。 更に、本発明者は、P化合物及びSi化合物で被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄
合金磁性粒子粉末の比表面積を一層向上させる方
法について検討を重ねた結果、P化合物及びSi化
合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶α―FeOOH粒子若しくはこれを加熱脱水
して得られた針状晶α―Fe2O3粒子、又は上記針
状晶α―FeOOH粒子を非還元性雰囲気中で加熱
処理することにより得られた高密度化された針状
晶α―Fe2O3粒子のいずれかを含む懸濁液を調整
し、該懸濁液中にFeに対しNi及び/又はAl換算
で0.5〜10.0原子%のNi及び/又はAl化合物を添
加、混合することにより、P化合物及びSi化合物
とNi及び/又はAi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子若
しくはSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
Fe2O3粒子、又は高密度化されたSi、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶α―Fe2O3粒子とした後、
還元性ガス中で加熱還元した場合には、P化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を
更に一層向上させることができるという知見を得
た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図5は、Ni及び/又はAl化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末のMg含有量と比表面積との関係図であ
る。 即ち、図3及び図4で得られたP化合物及びSi
化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶α―FeOOH粒子2000gを60の水に懸
濁し、次いで、該懸濁液に硫酸ニツケル及び/又
は硫酸アルミニウムを添加、混合した後、濾別、
乾燥して得られたP化合物及びSi化合物とAl及
び/又はNi化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及
びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子を図3
及び図4と同一の条件で還元して得られたP化合
物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合物とで被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄
合金磁性粒子粉末のMg含有量と比表面積との関
係を示したものである。 図中、曲線aはFeに対しNi換算で2.0原子%の
Ni化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含
有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の場合、曲線b
はFeに対しAl換算で4.0原子%のAl化合物で被覆
されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の場合、曲線cはFeに対しNi換
算で2.0原子%及びFeに対しAl換算で2.0原子%の
Al化合物及びNi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の
場合及び曲線dはNi及び/又はAl化合物未処理
のSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁
性粒子粉末の場合である。 図5に示されるように、Ni及び/又はAl化合
物で被覆処理した場合には、P化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を更に一層向
上させることができる。 この現象は、Mgを含有しない針状晶α―
FeOOH粒子の生成反応中にNi及び/又はAl化合
物を添加したり、又はMgを含有していない針状
晶α―FeOOH粒子をNi及び/又はAl化合物で被
覆した場合には、針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比
表面積を増加させる効果は余りないことから、本
発明者はMgとNi及び/又はAl化合物との相乗効
果によるものと考えている。 上記の方法により得られるP化合物及びSi化合
物、又は必要により、P化合物及びSi化合物と
Ni及び/又はAl化合物で被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末は
飽和磁化が非常に高いものであるが、常法により
有機溶剤中に取り出した場合には酸化安定性が十
分ではなく、空気等による酸化を受け、飽和磁化
が急激に低下してしまう。殊に、粒子サイズが小
さくなり、比表面積が大きくなるにつれて、この
現象は増大する。 そこで、本発明者は、大きな飽和磁化を有する
P化合物及びSi化合物、又は必要により、P化合
物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合物で被覆
されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の酸化安定性について検討を重
ね、粒子表面にFe3O4及びFe2O3層を形成する方
法により、酸化安定性を改良することができた。 図6は、P化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末を空気中に取り出した時の飽和磁化σsの
経時による減少率を温度50℃、相対湿度80%の条
件下において飽和磁化の変化する前後における差
(Δσs)を変化前の飽和磁化で除した値を百分率
で示したものである。 図6中、曲線aは針状晶鉄合金磁性粒子粉末の
粒子表面にFe3O4及びFe2O3層を形成させ、次い
で有機溶剤に浸漬した後、空気中に取り出した場
合、曲線bは粒子表面にFe3O4及びFe2O3層を形
成させた後、空気中に取り出した場合、曲線cは
直接有機溶剤中に浸漬した後、空気中に取り出し
た場合である。 図6から明らかな通り、P化合物及びSi化合物
で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状
晶鉄合金磁性粒子粉末粒子表面にFe3O4及び
Fe2O3層を形成した場合には、非常に酸化安定性
に優れたものが得られる。 次に、本発明実施にあたつての諸条件について
述べる。 本発明において使用される水可溶性クロム塩と
しては、硫酸クロム、塩化クロムを使用すること
ができる。 水可溶性クロム塩の添加時期については、本発
明では針状晶α―FeOOH粒子の生成反応時にク
ロムを存在させておく必要であり、このためには
第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液中、Fe
(OH)2を含む懸濁液中、又は、酸素含有ガスの
通気開始後針状晶α―FeOOH粒子が生成中の反
応溶液中のいずれかに添加しておけばよい。 尚、針状晶α―FeOOH粒子の生成が完全に完
了してしまつている段階で水可溶性クロム塩を添
加してもクロムが粒子中に入らないから本発明に
おけるクロム添加の効果は得られない。 本発明における水可溶性クロム塩の添加量は
Feに対しCr換算で0.1〜5.0原子%である。添加し
た水可溶性クロム塩はほぼ全量が生成針状晶α―
FeOOH粒子中に含有される。 水可溶性クロム塩の添加量がFeに対しCr換算
で0.1原子%未満である場合には、得られる針状
晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を大きくする効
果が得られない。 5.0原子%を超える場合にも、得られる針状晶
鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を大きくするとい
う効果は得られるが保磁力及び飽和磁化が低下し
好ましくない。 本発明において使用される水可溶性ニツケル塩
としては、硫酸ニツケル、塩化ニツケル、硝酸ニ
ツケル等を使用することができる。 水可溶性ニツケル塩の添加時期については、本
発明では針状晶α―FeOOH粒子の生成反応時に
ニツケルを存在させておくことが必要であり、こ
のためには第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液
中、Fe(OH)2を含む懸濁液中、又は、酸素含有
ガスの通気開始後針状晶α―FeOOH粒子が生成
中の反応溶液中のいずれかに添加しておけばよ
い。 尚、針状晶α―FeOOH粒子の生成が完全に完
了してしまつている段階で水可溶性ニツケル塩を
添加してもニツケルが粒子中に入らないから本発
明におけるニツケル添加の効果は得られない。 本発明における水可溶性ニツケル塩の添加量は
Feに対しNi換算で0.1〜7.0原子%である。添加し
た水可溶性ニツケル塩はほぼ全量が生成針状晶α
―FeOOH粒子中に含有される。 水可溶性ニツケル塩の添加量がFeに対しNi換
算で0.1原子%未満である場合には、得られる針
状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力を大きくする効
果が得られない。 7.0原子%を超える場合にも、本発明の目的を
達成することができるが、α―FeOOH粒子生成
の際に針状晶以外の異物が混在するので好ましく
ない。 本発明において使用される水可溶性マグネシウ
ム塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシ
ウムを使用することができる。 水可溶性マグネシウム塩の添加時期について
は、本発明では針状晶α―FeOOH粒子の生成反
応時にマグネシウムを存在させておくことが必要
であり、このためには第一鉄塩水溶液中、アルカ
リ水溶液中、Fe(OH)2を含む懸濁液中、又は、
酸素含有ガスの通気開始後針状晶α―FeOOH粒
子が生成中の反応溶液中のいずれかに添加してお
けばよい。 尚、針状晶α―FeOOH粒子の生成が完全に完
了してしまつている段階で水可溶性マグネシウム
塩を添加してもマグネシウムが粒子中に入らない
から本発明におけるマグネシウム添加の効果は得
られない。 本発明における水可溶性マグネシウム塩の添加
量はFeに対しNi換算で0.1〜15.0原子%である。
添加した水可溶性マグネシウム塩はほぼ全量が生
成針状晶α―FeOOH粒子中に含有される。 水可溶性マグネシウム塩の添加量がFeに対し
Mg換算で0.1原子%未満である場合には、得られ
る針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積及び保磁
力を更に大きくする効果が得られない。 15.0原子%を超える場合にも本発明の目的を達
成することができるが飽和磁化が低下する為好ま
しくない。 本発明において使用されるニツケル化合物とし
ては硫酸ニツケル、塩化ニツケル、硝酸ニツケル
等を、アルミニウム化合物としては硫酸アルミニ
ウム、塩化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム
等を使用することができる。 Ni及び/又はAl化合物による被覆処理に際し
て用いられる被覆処理粒子としては、反応母液中
に生成しているSi、Cr、Ni及びMg含有針状晶α
―FeOOH粒子、反応母液から濾別、水洗、乾燥
した後のSi、Cr、Ni及びMg含有針状晶α―
FeOOH粒子、Si、Cr、Ni及びMg含有針状晶α
―Fe2O3粒子及びSi、Cr、Ni及びMg含有針状晶
α―FeOOH粒子を高温加熱処理することにより
得られた高密度化された針状晶α―Fe2O3粒子の
いずれをも使用することができ、いずれの場合も
同様の効果を得ることができる。 Ni及び/又はAl化合物は、粒子表面に均一に
被覆されることが必要であり、Ni及び/又はAl
化合物をアルカリを用いてNi及び/又はAlの水
酸化物として沈着させることが好ましい。 Ni及び/又はAl化合物の添加量は、Feに対し
Ni及び/又はAl換算で0..5〜10.0原子%である。 0.5原子%未満である場合には、本発明の目的
を十分達成することができない。 10.0原子%を超える場合には、得られたNi及
び/又はAl化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末は純度
の低下により、飽和磁化が大幅に減少し好ましく
ない。 Ni及び/又はAl化合物による被覆処理に際し
て使用するアルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等がある。 Ni及び/又はAl化合物とアルカリの添加順序
は、いずれが先でもよく、また、同時に添加して
もよい。 以上の通りの構成の本発明は、次の通りの効果
を奏するものである。 即ち、本発明によれば、針状晶を有し、粒度が
均斉であり、樹枝状粒子を含まず、かさ密度が大
きく、且つ、比表面積が大きく、粒子表面並びに
粒子内部の結晶性の度合が高められた実質的に高
密度なものであり、高い保磁力Hcと大きな飽和
磁化σsとを有し、しかも酸化安定性の優れたP化
合物及びSi化合物で被覆された、又は、必要によ
りP化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合
物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得ることができるの
で、現在最も要求されている高画像画質、高出
力、高感度、高記録密度用磁性粒子粉末として使
用することができる。 更に、磁性塗料の製造に際して、上記のP化合
物及びSi化合物で被覆された、又は、必要により
P化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合物
とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末を用いた場合には、ノイ
ズレベルが低く、且つ、ビークル中での分散性、
塗膜中での配向性及び充填性が極めて優れ、好ま
しい磁気記録媒体を得ることができる。 次に、実施例並びに比較例により本発明を説明
する。 尚、前出の実験例及び以下の実施例並びに比較
例における粒子の比表面積はBET法により測定
したものであり、粒子の軸比(長軸:短軸)、長
軸は、いずれも電子顕微鏡写真から測定した数値
の平均値で示した。 また、かさ密度はJIS K5101−1978「顔料試験
方法」に従つて測定した。 粒子中のP量、Si量、Cr量、Ni量、Mg量及び
Al量は、「螢光X線分析装置3063M型」(理学電
機工業製)を使用し、JIS K0119−1979の「けい
光X線分析通則」に従つて、けい光X線分析を行
うことにより測定した。 磁気特性の値は、試料振動型磁力計を用いて外
部磁場10KOeの下で測定した結果である。 また、酸化安定性は、温度50℃、相対湿度80%
雰囲気で2日間放置した後の飽和磁化の減少率
(%)で示した。 〈針状晶α―FeOOH粒子粉末の製造〉 実施例1〜5、比較例1; 実施例 1 Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶液300
を、あらかじめ、反応器中に準備されたFeに対
しSi換算で0.50原子%を含むようにケイ酸ソーダ
(3号)(SiO228.55wt%)379g、Feに対しCr換
算で0.50原子%を含むように硫酸クロム644g、
Feに対しNi換算で3.0原子%を含むように硫酸ニ
ツケル2884g、Feに対しMg換算で5.0原子%を含
むように硫酸マグネシウム4473gを添加して得ら
れた5.46−NのNaOH水溶液400に加え、PH
13.8、温度45℃においてSi、Cr、Ni及びMgを含
むFe(OH)2懸濁液の生成反応を行つた。 上記Si、Cr、Ni及びMgを含むFe(OH)2懸濁
液に、温度50において毎分1000の空気を5.1時
間通気してSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶
α―FeOOH粒子を生成した。 酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り塩酸
酸性に調節した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の
青色呈色反応の有無で判定した。 生成粒子は、常法により、濾別、水洗、乾燥、
粉砕した。 得られたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶
α―FeOOH粒子は、X線回折の結果、α―
FeOOH粒子の結晶構造と同じ回折図形が得られ
た。 また、螢光X線分析の結果、SiをFeに対し
0.504原子%、CrをFeに対し0.498原子%、Niを
Feに対し3.03原子%、MgをFeに対し4.98原子%
含有するものであつた。 従つて、Si、Cr、Ni及びMgが針状晶α―
FeOOH粒子中に固溶していると考えられる。 このSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均値
で長軸0.55μm、軸比(長軸:短軸)33:1であ
つた。 実施例 2〜5 第一鉄塩水溶液の種類、濃度、NaOH水溶液
の濃度、及び水可溶性ケイ酸塩、水可溶性クロム
塩、水可溶性ニツケル塩、水可溶性マグネシウム
塩の種類、添加量、添加時期を種々変化させた以
外は実施例1と同様にしてSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶α―FeOOH粒子を生成した。 この時の主要製造条件を表1に、特性を表2に
示す。 比較例 1 ケイ酸ソーダ、硫酸クロム、硫酸ニツケル及び
硫酸マグネシウムを添加しないで、NaOH水溶
液の濃度を変化させた以外は実施例1と同様にし
て針状晶α―FeOOH粒子粉末を生成した。 この時の主要製造条件を表1に、特性を表2に
示す。 得られた針状晶α―FeOOH粒子粉末は、電子
顕微鏡観察の結果、平均値で長軸0.45μm、軸比
(長軸:短軸)9:1であり、粒度が不均斉で、
樹枝状粒子が混在しているものであつた。 〈高密度化されたP化合物及びSi化合物又は、P
化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合物と
で被覆された針状晶α―Fe2O3粒子粉末の製造〉 実施例6〜13、比較例2; 実施例 6 実施例1で得られた濾別、水洗したSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子の
ペースト6600g(Si、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶α―FeOOH粒子約2000gに相当する。)
を100の水中に懸濁させた。この時の懸濁液の
PH値は10.0であつた。 次いで、上記懸濁液にヘキサメタリン酸ナトリ
ウム16gを含む水溶液500ml(Si、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶α―FeOOH粒子に対し、
PO3として0.56wt%に相当する。)を添加して30
分撹拌した。 次いで、上記懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号
水ガラス)260g(Si、Cr、Ni及びMgを含有す
る針状晶α―FeOOH粒子に対しSiO2として
3.7wt%に相当する。)を添加し30分間撹拌した
後、懸濁液のPH値が6.0となるように10%の酢酸
を添加した後、プレスフイルターによりSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子を
濾別、乾燥してP化合物及びSi化合物とで被覆さ
れたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子粉末を得た。 上記P化合物及びSi化合物で被覆されたSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子粉末1500gを空気中780℃で加熱処理して、高
密度されたP化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―Fe2O3
粒子粉末を得た。得られた針状晶α―Fe2O3粒子
粉末の粉体特性を表3に示す。 実施例7,8、比較例2 被処理粒子の種類、懸濁液のPH、P化合物の添
加量、Si化合物の添加量及びPHの調整、加熱処理
温度及び非還元性雰囲気の種類を種々変化させた
以外は実施例6と同様にして高密度化されたP化
合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶α―Fe2O3粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件を表3に示す。 実施例 9 実施例5で得られた濾別、水洗したSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子の
ペースト9.6Kg(Si、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶α―FeOOH粒子約3000gに相当する。)
を100の水中に懸濁させた。この時の懸濁液の
PH値は9.5であつた。 次いで、上記懸濁液にヘキサメタリン酸ナトリ
ウム30gを含む水溶液600ml(Si、Cr、Ni及び
Mgを含有する針状晶α―FeOOH粒子に対しPO3
として0.70wt%に相当する。)を添加して30分間
撹拌した。 次いで、上記懸濁液に硫酸ニツケル(NiSO4・
6H2O)266g(Feに対しNi換算で3.0原子%に該
当する。)及び硫酸アルミニウム(Al2
(SO4)318H2O)337g(Feに対しAl換算で1.5原
子%に該当する。)を添加し、撹拌しながら2−
NのNaOH水溶液1.5を添加した。引き続き、
上記懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号水ガラス)
435g(Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―FeOOH粒子に対しSiO2として4.1wt%に相当
する。)を添加し30分間撹拌した後、懸濁液のPH
値が7.0となるように10%の酢酸を添加した後、
プレスフイルターによりSi、Cr、Ni及びMgを含
有する針状晶α―FeOOH粒子を濾別、乾燥して
P化合物及びSi化合物とNi化合物及びAl化合物
とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針
状晶α―FeOOH粒子粉末を得た。 上記P化合物及びSi化合物とNi化合物及びAl
化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有
する針状晶α―FeOOH粒子粉末2000gを空気中
650℃で加熱処理して高密度化された針状晶α―
Fe2O3粒子粉末を得た。得られた針状晶α―
Fe2O3粒子粉末の粉体特性を表3に示す。 実施例 10,11 被処理粒子の種類、懸濁液のPH、P化合物の添
加量、Ni及び/又はAl化合物の種類及び添加量、
Si化合物の添加量、PHの調整を種々変化させた以
外は実施例9と同様にしてP化合物及びSi化合物
とNi化合物及び/又はAl化合物とで被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子粉末を得た。 上記P化合物及びSi化合物とNi化合物及び/
又はAl化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMg
含有する針状晶α―FeOOH粒子粉末を表3に示
す加熱処理温度及び雰囲気下で加熱処理すること
により高密度化されたP化合物及びSi化合物と
Ni化合物及び/又はAl化合物とで被覆されたSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α−Fe2O3粒子
粉末を得た。この時の主要製造条件及び特性を表
3に示す。 実施例 12 実施例2で得られたSi、Cr、Ni及びMgを含有
する針状晶α―FeOOH粒子のペースト、6.3Kg
(Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子約2000gに相当する。)を60の水
中に懸濁させた。この時の懸濁液のPH値は9.6で
あつた。次いで、上記懸濁液にヘキサメタリン酸
ナトリウム12gを含む水溶液300ml(Si、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒子に対
しPO3として0.42wt%に相当する。)を添加して
30分間撹拌し、次いで上記懸濁液にケイ酸ナトリ
ウム(3号水ガラス)60g(Si、Cr、Ni及びMg
を含有する針状晶α―FeOOH粒子に対しSiO2と
して0.86wt%に相当する。)を添加し30分間撹拌
した後、懸濁液のPH値が5.5となるように10%の
酢酸を添加した後、プレスフイルターによりSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子を濾別、乾燥してP化合物及びSi化合物で被覆
されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子粉末を得た。 上記P化合物及びSi化合物で被覆されたSi、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子粉末1500gを空気中600℃で加熱処理して高密
度化されたP化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―Fe2O3
粒子粉末を得た。 上記高密度化されたP化合物及びSi化合物とで
被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶
α―Fe2O3粒子粉末1000gを30の水中に懸濁さ
せた。 次いで、上記懸濁液にアルミン酸ナトリウム
(NaAlO2)33.4g(Feに対しAl換算で6.5原子%
に該当する。)を添加し、30分間撹拌した後、懸
濁液のPH値が8.0となるように10%の酢酸を添加
した後、プレスフイルターによりSi、Cr、Ni及
びMgを含有する針状晶α―Fe2O3粒子を濾別、
乾燥してP化合物及びSi化合物とAl化合物とで
被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶
α―Fe2O3粒子粉末を得た。この時の主要製造条
件及び特性を表3に示す。 実施例 13 被処理粒子の種類、懸濁液のPH、P化合物の添
加量、Ni及び/又はAl化合物の種類及び添加量、
Si化合物の添加量、PHの調整、加熱処理温度及び
雰囲気を種々変化させた以外は実施例12と同様に
して高密度化されたP化合物及びSi化合物とNi
化合物及びAl化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶α―Fe2O3粒子粉末を
得た。この時の主要製造条件及び特性を表3に示
す。 比較例 2 Ni及びAl化合物による被覆処理をしないで、
被処理粒子の種類、懸濁液のPH及び加熱処理温度
を種々変化させて実施例6と同様にして、P化合
物及びSi化合物で被覆された針状晶α―Fe2O3粒
子粉末を得た。この時の主要製造条件及び特性を
表3に示す。 〈針状晶鉄又は鉄合金磁性粒子粉末の製造〉 実施例14〜21、比較例3; 実施例 14 実施例6で得られたP化合物及びSi化合物で被
覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α
―Fe2O3粒子粉末120gを回転型レトルト容器中
に投入し、駆動回転させながらH2ガスを毎分50
の割合で通気し、還元温度420℃で還元して、
P化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni
及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末と
した。 次いで、温度を150℃とし、水素ガスに水蒸気
を含ませて通気し(水蒸気分圧80%)、60分間保
持した。次いで、窒素ガスを通気しながら室温ま
で冷却後、窒素ガスを2/min通気しながら空
気を1/minの割合で通気し、酸化による発熱
で温度が40℃を超えたら、空気の通気を停止して
窒素ガスのみを通気するという操作を45分間施し
た。上記操作終了後、針状晶鉄合金磁性粒子粉末
をトルエン中に浸漬して表面に酸化被膜が形成さ
れたP化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末
を得た。得られた針状晶鉄合金磁性粒子粉末の諸
特性を表4に示す。 実施例 15〜21 出発原料の種類、還元温度、水素及び水蒸気雰
囲気中の酸化処理における温度、水蒸気分圧、処
理時間、酸素含有ガス中での酸化処理における温
度、通気量、処理時間、及び有機溶剤中への取り
出しの有無、有機溶剤の種類を種々変化させた以
外は実施例14と同様にして表面に酸化被膜が形成
されたP化合物及びSi化合物、又は、P化合物及
びSi化合物とNi及び/Al化合物とで被覆された
針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得た。この時の主要
製造条件及び諸特性を表4に示す。 比較例 3 比較例2で得られた高密度化されたP化合物及
びSi化合物で被覆された針状晶α―Fe2O3粒子粉
末を還元温度460℃にした以外は実施例14と同様
にして還元し、P化合物及びSi化合物で被覆され
た針状晶鉄磁性粒子粉末とした。 還元して得られたP化合物及びSi化合物で被覆
された針状晶鉄磁性粒子粉末は、空気中に取り出
したとき急激な酸化を起こさないように、一旦、
トルエン液中に浸漬して、これを蒸発させること
により、粒子表面に安定な酸化皮膜を施した。 このP化合物及びSi化合物で被覆された針状晶
鉄磁性粒子粉末の諸特性を表4に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
図1は、水可溶性クロム塩の添加量とP化合物
及びSi化合物で被覆されたSi及びCrを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末及びP化合物及びSi化合
物で被覆されたCrを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末の比表面積の関係図である。図2は、水
可溶性ニツケル塩の添加量とP化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr及びNiを含有する針状晶
鉄合金磁性粒子粉末の保磁力の関係図である。図
3及び図4は、それぞれ水可溶性マグネシウム塩
の添加量とP化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末の保磁力及び比表面積の関係図である。
図5は、P化合物及びSi化合物とAl及び/又は
Ni化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末のMg含有量
と比表面積との関係図である。図6は、P化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を空気中に取
り出した時の飽和磁化σsの経時による変化を示し
たものである。
及びSi化合物で被覆されたSi及びCrを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末及びP化合物及びSi化合
物で被覆されたCrを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末の比表面積の関係図である。図2は、水
可溶性ニツケル塩の添加量とP化合物及びSi化合
物で被覆されたSi、Cr及びNiを含有する針状晶
鉄合金磁性粒子粉末の保磁力の関係図である。図
3及び図4は、それぞれ水可溶性マグネシウム塩
の添加量とP化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性
粒子粉末の保磁力及び比表面積の関係図である。
図5は、P化合物及びSi化合物とAl及び/又は
Ni化合物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末のMg含有量
と比表面積との関係図である。図6は、P化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を空気中に取
り出した時の飽和磁化σsの経時による変化を示し
たものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応さ
せて得られたFe(OH)2を含むPH11以上の懸濁液
に酸素含有ガスを通気して酸化することにより針
状晶α―FeOOH粒子を生成させるにあたり、前
記アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせる前の前記懸濁液のいずれかの液
中に、水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で、
0.1〜1.7原子%添加しておき、且つ、前記第一鉄
塩水溶液、前記アルカリ水溶液、酸素含有ガスを
通気して酸化反応を行わせる前の前記懸濁液及び
酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせている
前記反応溶液のいずれかの液中に水可溶性クロム
塩をFeに対しCr換算で0.1〜5.0原子%、水可溶性
ニツケル塩をFeに対しNi換算で0.1〜7.0原子%、
及び水可溶性マグネシウム塩をFeに対しMg換算
で0.1〜15.0原子%添加しておくことにより、Si、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子を生成させ、該Si、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶α―FeOOH粒子を水中に懸濁させ、該懸
濁液のPH値8以上の状態でSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶α―FeOOH粒子に対し0.1〜2wt
%(PO3に換算)のリン酸塩を添加して分散液と
し、次いで該分散液にSi、Cr、Ni及びMgを含有
する針状晶α―FeOOH粒子に対し0.1〜7.0wt%
(SiO2に換算)の水可溶性ケイ酸塩を添加するこ
とにより、P化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を得、該粒子を非還元性雰囲気中
500〜900℃の温度範囲で加熱処理することにより
高密度化されたP化合物及びSi化合物で被覆され
たSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
Fe2O3粒子とした後、還元性ガス中で加熱還元し
てP化合物及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、
Ni及びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子を
得、該粒子を水素及び水蒸気の混合ガス雰囲気中
において150〜700℃の温度範囲、雰囲気中の水蒸
気分圧(PH2O/PH2)を10%以上100%未満に
保持して粒子表面にFe3O4層を形成し、次いで
100℃以下の温度で酸素含有ガスを作用させるこ
とにより前記Fe3O4層の表面をFe2O3層とするこ
とを特徴とする磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子
粉末の製造法。 2 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応さ
せて得られたFe(OH)2を含むPH11以上の懸濁液
に酸素含有ガスを通気して酸化することにより針
状晶α―FeOOH粒子を生成させるにあたり、前
記アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせる前の前記懸濁液のいずれかの液
中に、水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1
〜1.7原子%添加しておき、且つ、前記第一鉄塩
水溶液、前記アルカリ水溶液、酸素含有ガスを通
気して酸化反応を行わせる前の前記懸濁液及び酸
素含有ガスを通気して酸化反応を行わせている前
記反応溶液のいずれかの液中に水可溶性クロム塩
をFeに対しCr換算で0.1〜5.0原子%、水可溶性ニ
ツケル塩をFeに対しNi換算で0.1〜7.0原子%、及
び水可溶性マグネシウム塩をFeに対しMg換算で
0.1〜15.0原子%添加しておくことにより、Si、
Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―FeOOH粒
子を生成させ、該Si、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶α―FeOOH粒子を水中に懸濁させ、該懸
濁液のPH値8以上の状態でSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶α―FeOOH粒子に対し0.1〜2wt
%(PO3に換算)のリン酸塩を添加して分散液と
し、次いで該分散液にSi、Cr、Ni及びMgを含有
する針状晶α―FeOOH粒子に対し0.1〜7.0wt%
(SiO2に換算)の水可溶性ケイ酸塩を添加するこ
とにより、P化合物及びSi化合物で被覆された
Si、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を得、該粒子を非還元性雰囲気中
500〜900℃の温度範囲で加熱処理することにより
高密度化されたP化合物及びSi化合物で被覆され
たSi、Cr、Ni及びMgを含有する針状晶α―
Fe2O3粒子とした後、還元性ガス中で加熱還元し
てP化合物及びSi化合物とNi及び/又はAl化合
物とで被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子とするにあたり、前記分散
液中にFeに対しNi及び/又はAl換算で0.5〜10.0
原子%のNi及び/又はAl化合物を添加するか、
又は、上記加熱処理後の高密度化されたP化合物
及びSi化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及びMgを
含有する針状晶α―Fe2O3粒子を水中に懸濁さ
せ、該懸濁液中にFeに対しNi及び/又はAl換算
で0.5〜10.0原子%のNi及び/又はAl化合物を添
加、混合して、Ni及び/又はAl化合物で被覆し
ておくことにより、P化合物及びSi化合物とNi
及び/又はAl化合物で被覆されたSi、Cr、Ni及
びMgを含有する針状晶鉄合金磁性粒子を得、該
粒子を水素及び水蒸気の混合ガス雰囲気中におい
て150〜700℃の温度範囲、雰囲気中の水蒸気分圧
(PH2O/PH2)を10%以上100%未満に保持して
粒子表面にFe3O4層を形成し、次いで100℃以下
の温度で酸素含有ガスを作用させることにより前
記Fe3O4層の表面をFe2O3層とすることを特徴と
する磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59018132A JPS60162708A (ja) | 1984-01-31 | 1984-01-31 | 磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59018132A JPS60162708A (ja) | 1984-01-31 | 1984-01-31 | 磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60162708A JPS60162708A (ja) | 1985-08-24 |
| JPH026805B2 true JPH026805B2 (ja) | 1990-02-14 |
Family
ID=11963076
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59018132A Granted JPS60162708A (ja) | 1984-01-31 | 1984-01-31 | 磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子粉末の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60162708A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01219103A (ja) * | 1988-02-26 | 1989-09-01 | Titan Kogyo Kk | 磁気記録用金属磁性粉末 |
| JPH01239817A (ja) * | 1988-03-19 | 1989-09-25 | Hitachi Maxell Ltd | 強磁性金属粉末およびその製造方法ならびにこの強磁性金属粉末を用いた磁気記録媒体 |
| DE4243760A1 (de) * | 1992-12-23 | 1994-06-30 | Bayer Ag | Verfahren zur Herstellung von Goethit |
-
1984
- 1984-01-31 JP JP59018132A patent/JPS60162708A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60162708A (ja) | 1985-08-24 |
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