JPH0369848B2 - - Google Patents
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- JPH0369848B2 JPH0369848B2 JP61311984A JP31198486A JPH0369848B2 JP H0369848 B2 JPH0369848 B2 JP H0369848B2 JP 61311984 A JP61311984 A JP 61311984A JP 31198486 A JP31198486 A JP 31198486A JP H0369848 B2 JPH0369848 B2 JP H0369848B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明はレピツドクロサイト(γ−FeOOH)
の製造に係り、より詳細には、オーデイオテー
プ、ビデオテープ、磁気カード等の磁気記録媒体
用磁性粉を製造する際に出発物質として好適なレ
ピツドクロサイトの製造方法に関するものであ
る。 (従来の技術及び解決しようとする問題点) 一般に、オーデイオテープ、ビデオテープ、磁
気カード等の磁気記録媒体用の磁性酸化鉄粉は、
α−FeOOH(ゲータイト)又はγ−FeOOH(レ
ピツドクロサイト)を出発物質とし、これに焼成
(脱水、焼きしめ)、還元及び酸化などの処理を順
次に施して針状のγ−Fe2O3(マグヘマイト)を
得、或いはその粒子表面にコバルト変成処理によ
つてコバルト被着したCo−γ−Fe2O3を得ること
により、製造されている。 また、メタル粉は上述の工程において還元をマ
グネタイト(Fe3O4)の段階で止めず、更に還元
を進めることによつて得られる。 これらの磁性酸化鉄粉及びメタル粉の磁気特性
は上記出発物質の性状に依存するため、磁気記録
媒体に適した磁性酸化鉄粉、メタル粉を得るため
には、優れた性状の出発物質を使用する必要があ
る。この点で、磁性酸化鉄粉とメタル粉とで共通
しており、以下、磁性酸化鉄粉の例について説明
する。 従来、レピツドクロサイト(γ−FeOOH)を
出発物質として得られる磁性酸化鉄粉は、ゲータ
イト(α−FeOOH)を出発物質とする場合に比
べ、最終製品であるオーデイオテープ、ビデオテ
ープ等々の磁気記録材料の磁気的配向性、分散
性、角形比、転写特性は優れているにも拘わら
ず、粒度分布が大きく、かつ針状性に優れた微小
粒子が得られないという問題があり、最終製品の
磁気持性(保持力、反転磁界強度分布等)に悪影
響を及ぼすという欠点があつた。 従来、このレピツドクロサイトの合成方法につ
いては、既に特公昭33−6734、特公昭43−2214、
特開昭47−40097等に開示されているが、通常、
次のような合成反応でレピツドクロサイトが製造
されている。 まず、酸洗廃液等を利用して得られる塩化第一
鉄(FeCl2)水溶液に苛性アルカリ又はアンモニ
ア等のアルカリ水溶液を加えて中和する。この
際、水酸基と鉄のモル比(OH/Fe)が約0.8〜
1.4となるようにアルカリ水溶液を混合する。 次いで、これを酸素含有ガス(空気又は酸素)
で酸化して種結晶をつくる。このときの反応温度
は約10〜25℃で、反応が終了に近づくと、反応液
のPH値が低下し、アルカリ分が完全に消費されて
反応が終ると、PH値は約3.2〜3.8に下がる。この
反応を種晶反応と称する。 その後、酸素含有雰囲気下で30〜50℃に昇温
し、PH値が3.5〜4.5になるように酸素含有ガスを
吹込むと共にアルカリ水溶液を添加して、上記種
晶反応で生成した種結晶を成長させる。この反応
を成長反応と称する。 この成長反応が終了に近づくと、反応速度が遅
くなり、PH値が上昇する。PH値が約5.5になつた
時点で反応の終了とし、針状のレピツドクロサイ
トを得る。 しかし乍ら、上記方法では、前述の如く平均粒
子径が小さく(平均粒子経の大きさの尺度として
使われているBET法比表面積が60m2/g以上)、
粒度分布幅の小さいレピツドクロサイトは得られ
ず、高密度記録用磁性酸化鉄粉の出発物質として
は不適当であるるため、ゲータイトが多用されて
いるのが現状である。これらの問題の中で、特に
粒子サイズの微小化は、VTR及びオーデイオテ
ープのS/N比、C/N比向上のために必要不可
欠の課題である。 そこで、本出願人は、前述の如く多くの利点を
有するレピツドクロサイトにつき、上記従来技術
の欠点を解消すべく研究を進めてきた。 その結果、粒度分布の向上については、特願昭
60−201377、特願昭60−202267、特願昭60−
203136、特願昭60−203137、特願昭60−203922に
て、また微粒子化と粒度分布の向上については、
特願昭61−7309、特願昭61−7310にて提案したと
ころである。 本発明は、上記提案を踏まえ、更に針状性、粒
度分布に優れ、高密度記録に適した平均粒径の小
さいレピツドクロサイトを製造し得る方法を提供
することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、種晶反
応及び成長反応における各種パラメータに関し粒
度分布の小さい微粒子を得ることができる条件に
ついて鋭意実験研究を重ねた結果、種晶反応終了
後に行う昇温開始前のPH値を適正に管理すると共
に昇温時の雰囲気を管理し、並びに成長反応にお
けるアルカリ水溶液の添加速度を緩速にコントロ
ールすることにより可能であることを見い出し、
本発明をなしたものである。 すなわち、本発明は、要するに、上記種晶反応
及び成長反応によつてレピツドクロサイトを製造
するに際し、種晶反応終了後のPH値が3.5以下に
なるまで酸素含有ガスを吹き込み続け、PH値がが
所定の値になつた後に吹込みガスを酸素含有ガス
から不活性ガスに切り替えて昇温すること、並び
に成長反応におけるアルカリ水溶液の添加につ
き、添加初期での反応液のPH値の上昇速度が0.7
PH/hr以下の緩速となるように制御することを特
徴とするものである。 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 FeCl2を酸化してγ−FeOOHを合成する反応
としては、以下の反応がある。 FeCl2+2NaOH→Fe(OH)2+2NaCl … 4Fe(OH)2+O2 ―→ k1 4γ−FeOOH+2H2O … 4FeCl2+6H2O+O2 ―→ k2 4γ−FeOOH+8HCl … Fe(OH)2を経由する反応と直接FeCl2を酸化
する反応を比べると、反応速度はの方が圧到
的に速い。すなわち、反応速度定数k1,k2はk1》
k2である。 粒度分布のよいγ−FeOOHを合成するために
は、種晶反応は速い反応を、成長反応は遅い反応
を選ぶことが重要である。 本発明においては、種晶反応は早いの反応を
選び、できるだけ早く同じ大きさの種晶を合成
し、成長反応は遅いの反応を選び、種晶反応で
できた種晶を数を増やすことなく(新たな粒子を
生成させずに)ゆつくりと成長させるのである。
成長反応の際、の反応で生成するHClを中和す
るためにNaOHを添加するが、NaOHの添加速
度がが速すぎるとの反応よりもの反応が優先
的に起こり、そのため、γ−FeOOHの生成が速
くなつて新たな粒子が生成し、粒度分布が悪くな
る。それ故、成長反応でのNaOHの添加初期の
添加速度は粒度分布に重大な影響を及ぼす。 従来、種晶反応の終了は、反応終了時に反応液
のPH値が低下して約3.2〜3.8となる時点でアルカ
リ分が完全に消費されて反応が終ると判断してい
たため、PH値を厳密に管理しておらず、したがつ
て、PH値が3.8近傍であるときに昇温を開始する
こともあり、この場合には粒子が急激に成長し始
め、これが粒度分布が小さい微粒子が得られない
原因の1つであることが実験により判明した。 そこで、本発明では、種晶反応終了時に反応液
のPH値が確実に3.5以下になるまで酸素含有ガス
を吹込み続け、PH値が3.5以下の所定の値になつ
た時点で酸素含有ガスの吹き込みを止め、しかる
後に窒素等の不活性ガスに切り替えて液温を35〜
50℃に上げる昇温を行うようにしたのである。こ
こで、種晶反応から生成反応への昇温時の不活性
ガス雰囲気も非常に重要である。昇温を酸素含有
雰囲気下で行うと、FeCl2の酸化反応が進行し、
粒度分布を悪くするので留意する。 昇温後は、不活性ガスを止め、再び酸素含有ガ
スを吹込むと共に苛性ソーダ、アンモニア等のア
ルカリ水溶液を添加して成長反応を行う。 但し、アルカリ水溶液の添加に際しては、従
来、概ね等速度(例、1.6mol/のアルカリ水
溶液の添加量80g/min)で添加していたため、
特に添加初期にPH値が急激に上昇し、粒子が粗成
長する原因となつていた点に鑑み、本発明では、
添加初期に種結晶のまわりでゆつくり成長反応さ
せることとし、そのためには、反応液のPH値の上
昇速度が0.7PH/hr以下の緩速となるように制御
する必要がある。なお、このようなPH値上昇速度
のコントロールは、アルカリ水溶液添加後60分間
程度行うのが好ましい。これにより、上記昇温前
のPH値の適正な管理と相俟つて、目的とする粒度
分布の小さい微粒子が得られる。 本発明においては、上述の製造条件以外は従来
と同様であり、特にそれ等の条件は制約されな
い。但し、塩化第一鉄を水酸化第一鉄にするのに
要するアルカリの理論量は、種晶反応工程と成長
工程とに分けて添加するが、種晶反応工程で添加
する量は、ゲータイトの発生を防止し、針状性の
優れたレピツドクロサイトの粒子を得るため、上
記理論量の0.4〜0.7倍とする必要がある。 勿論、本発明は、従来の種々の合成反応法に適
用することができるものである。例えば、本出願
人が先に提案し開示した方法として、種晶反応に
おける酸素含有ガス吹き込み前にPH値6.0〜9.0及
び温度10〜50℃で20〜120分間保持する熟成を行
う方法(特願昭60−201377号)、種晶反応後にPH
値3.0〜5.0及び温度10〜50℃で10〜120分間保持
する熟成を行う方法(特願昭60−202267号)、成
長反応後のレピツドクロサイトを、反応液のPH値
が3.0〜5.0及び温度10〜50℃で攪拌しながら1時
間以上保持して熟成する方法(特願昭60−203137
号)、最初の塩化第一鉄水溶液にアルカリ水溶液
を添加する速度を塩化第一鉄水溶液1当たり
0.12分以内とする方法(特願昭60−203136号)、
酸化性ガスの供給量を酸化反応過程に従つて適正
に3段階に制御する方法(特願昭60−203922号)、
塩化第一鉄水溶液とアルカリ水溶液との混合溶液
中のSiの全溶液に対する濃度を5〜30ppmの範囲
でコントロールし、かつ、成長反応で添加するア
ルカリ水溶液としてSi濃度を5〜30ppmの範囲に
調節したものを使用する方法(特願昭61−7309
号)、酸素含有ガスの供給につき種晶反応の前半
と後半及び成長反応の3段階で酸素の平均吸収速
度を適正に調整する方法(特願昭61−7310号)、
等々に適用できる。 なお、本発明の実施に際し、若干の留意点を示
すならば、種晶反応、昇温及び成長反応中に反応
液を攪拌する際、攪拌羽根の回転数は反応槽のサ
イズによつて異なるが、200〜400rpm程度が望ま
しい。 (実施例) 次に本発明の一実施例を示す。 実施例 濃度0.97モル/の塩化第一鉄水溶液25を窒
素ガス雰囲気に保つた反応器内で撹拌しながら、
濃度0.71モル/の水酸化ナトリウム水溶液42
を添加し、この液温を15℃に保ちつつ、窒素ガス
を止めて、20/minの空気を吹込んで酸化さ
せ、種晶反応を行つた。 この種晶反応が終了し、PH値が3.2に下がつた
時点で空気を止めて、5/minの窒素ガスに切
換え、反応液を40℃に昇温した。 その後、窒素ガスを止めて3/minの空気吹
込みを行うと共に、濃度1.6モル/の水酸化ナ
トリウム水溶液を添加し、成長反応を開始した。
この水酸化ナトリウム水溶液の添加は、添加開始
後60分間の反応液のPH値の上昇速度が0.7PH/hr
を超えないように制御しつつ反応を完結させた。 比較例 1 種晶反応終了時のPH値が3.8の時点で、20/
minの空気吹き込みを止めて5/minの窒素ガ
スに切換え、15℃より40℃に昇温させた以外は上
記実施例と同じ条件にて、合成反応を行つた。 比較例 2 成長反応開始後30分間の水酸化ナトリウム水溶
液の添加速度を速め、30分間でPH値を3.2から3.7
に上昇させた以外は上記実施例と同じ条件にて、
合成反応を行つた。この場合の上昇速度は1PH/
hrである。 比較例 3 実施例において、種晶反応が終了し、PH値が
3.2に下がつた時点で、吹込み空気を窒素ガスに
切り替えることなく、空気を3/minで吹き込
みながら40℃まで昇温した。その後は実施例と全
く同様の操作で反応を行い、γ−FeOOHを合成
した。 上記の実施例、比較例1,2,3で得られた
各々のレピツドクロサイトについてBET法比表
面積を調べると共に、これらのレピツドクロサイ
トを通常の方法で焼成、還元、酸化してγ−
Fe2O3を製造し、その比表面積と保磁力を測定
し、更に実施例と比較例3で各々得られたγ−
Fe2O3の粒度分布を測定した。 更にまた、上記針状γ−Fe2O3(マグヘマイト)
を粉砕、塗料化し、プラスチツクベースフイルム
に塗布し、磁場配向する通常の方法にて磁気テー
プを作成し、その磁気特性を測定した。 以上の結果を第1表及び第2表並びに第1図及
び第2図に併せて示す。 同表より明らかなとうり、各比較例に比べ、本
発明例により得られたレピツドクロサイトは比表
面積が大きい。すなわち粒子サイズが小さく、ま
たこれを出発物質としたγ−Fe2O3は粒子サイズ
が小さく且つ磁気特性も優れていると共に、特に
S/N比、C/N比の小さい高音質、高画質のオ
ーデイオ、VTRテープが実現できる。なお、比
較例3では、レピツドクロサイトの比表面積は大
きい(粒子サイズが小さい)ものの、第2表並び
に第1図及び第2図に示すように、実施例に比べ
てγ−Fe2O3の粒度分布が悪いため、γ−Fe2O3
の比表面積が小さく且つ保磁力が劣り、したがつ
て、磁気テープ特性が劣つている。
の製造に係り、より詳細には、オーデイオテー
プ、ビデオテープ、磁気カード等の磁気記録媒体
用磁性粉を製造する際に出発物質として好適なレ
ピツドクロサイトの製造方法に関するものであ
る。 (従来の技術及び解決しようとする問題点) 一般に、オーデイオテープ、ビデオテープ、磁
気カード等の磁気記録媒体用の磁性酸化鉄粉は、
α−FeOOH(ゲータイト)又はγ−FeOOH(レ
ピツドクロサイト)を出発物質とし、これに焼成
(脱水、焼きしめ)、還元及び酸化などの処理を順
次に施して針状のγ−Fe2O3(マグヘマイト)を
得、或いはその粒子表面にコバルト変成処理によ
つてコバルト被着したCo−γ−Fe2O3を得ること
により、製造されている。 また、メタル粉は上述の工程において還元をマ
グネタイト(Fe3O4)の段階で止めず、更に還元
を進めることによつて得られる。 これらの磁性酸化鉄粉及びメタル粉の磁気特性
は上記出発物質の性状に依存するため、磁気記録
媒体に適した磁性酸化鉄粉、メタル粉を得るため
には、優れた性状の出発物質を使用する必要があ
る。この点で、磁性酸化鉄粉とメタル粉とで共通
しており、以下、磁性酸化鉄粉の例について説明
する。 従来、レピツドクロサイト(γ−FeOOH)を
出発物質として得られる磁性酸化鉄粉は、ゲータ
イト(α−FeOOH)を出発物質とする場合に比
べ、最終製品であるオーデイオテープ、ビデオテ
ープ等々の磁気記録材料の磁気的配向性、分散
性、角形比、転写特性は優れているにも拘わら
ず、粒度分布が大きく、かつ針状性に優れた微小
粒子が得られないという問題があり、最終製品の
磁気持性(保持力、反転磁界強度分布等)に悪影
響を及ぼすという欠点があつた。 従来、このレピツドクロサイトの合成方法につ
いては、既に特公昭33−6734、特公昭43−2214、
特開昭47−40097等に開示されているが、通常、
次のような合成反応でレピツドクロサイトが製造
されている。 まず、酸洗廃液等を利用して得られる塩化第一
鉄(FeCl2)水溶液に苛性アルカリ又はアンモニ
ア等のアルカリ水溶液を加えて中和する。この
際、水酸基と鉄のモル比(OH/Fe)が約0.8〜
1.4となるようにアルカリ水溶液を混合する。 次いで、これを酸素含有ガス(空気又は酸素)
で酸化して種結晶をつくる。このときの反応温度
は約10〜25℃で、反応が終了に近づくと、反応液
のPH値が低下し、アルカリ分が完全に消費されて
反応が終ると、PH値は約3.2〜3.8に下がる。この
反応を種晶反応と称する。 その後、酸素含有雰囲気下で30〜50℃に昇温
し、PH値が3.5〜4.5になるように酸素含有ガスを
吹込むと共にアルカリ水溶液を添加して、上記種
晶反応で生成した種結晶を成長させる。この反応
を成長反応と称する。 この成長反応が終了に近づくと、反応速度が遅
くなり、PH値が上昇する。PH値が約5.5になつた
時点で反応の終了とし、針状のレピツドクロサイ
トを得る。 しかし乍ら、上記方法では、前述の如く平均粒
子径が小さく(平均粒子経の大きさの尺度として
使われているBET法比表面積が60m2/g以上)、
粒度分布幅の小さいレピツドクロサイトは得られ
ず、高密度記録用磁性酸化鉄粉の出発物質として
は不適当であるるため、ゲータイトが多用されて
いるのが現状である。これらの問題の中で、特に
粒子サイズの微小化は、VTR及びオーデイオテ
ープのS/N比、C/N比向上のために必要不可
欠の課題である。 そこで、本出願人は、前述の如く多くの利点を
有するレピツドクロサイトにつき、上記従来技術
の欠点を解消すべく研究を進めてきた。 その結果、粒度分布の向上については、特願昭
60−201377、特願昭60−202267、特願昭60−
203136、特願昭60−203137、特願昭60−203922に
て、また微粒子化と粒度分布の向上については、
特願昭61−7309、特願昭61−7310にて提案したと
ころである。 本発明は、上記提案を踏まえ、更に針状性、粒
度分布に優れ、高密度記録に適した平均粒径の小
さいレピツドクロサイトを製造し得る方法を提供
することを目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、種晶反
応及び成長反応における各種パラメータに関し粒
度分布の小さい微粒子を得ることができる条件に
ついて鋭意実験研究を重ねた結果、種晶反応終了
後に行う昇温開始前のPH値を適正に管理すると共
に昇温時の雰囲気を管理し、並びに成長反応にお
けるアルカリ水溶液の添加速度を緩速にコントロ
ールすることにより可能であることを見い出し、
本発明をなしたものである。 すなわち、本発明は、要するに、上記種晶反応
及び成長反応によつてレピツドクロサイトを製造
するに際し、種晶反応終了後のPH値が3.5以下に
なるまで酸素含有ガスを吹き込み続け、PH値がが
所定の値になつた後に吹込みガスを酸素含有ガス
から不活性ガスに切り替えて昇温すること、並び
に成長反応におけるアルカリ水溶液の添加につ
き、添加初期での反応液のPH値の上昇速度が0.7
PH/hr以下の緩速となるように制御することを特
徴とするものである。 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 FeCl2を酸化してγ−FeOOHを合成する反応
としては、以下の反応がある。 FeCl2+2NaOH→Fe(OH)2+2NaCl … 4Fe(OH)2+O2 ―→ k1 4γ−FeOOH+2H2O … 4FeCl2+6H2O+O2 ―→ k2 4γ−FeOOH+8HCl … Fe(OH)2を経由する反応と直接FeCl2を酸化
する反応を比べると、反応速度はの方が圧到
的に速い。すなわち、反応速度定数k1,k2はk1》
k2である。 粒度分布のよいγ−FeOOHを合成するために
は、種晶反応は速い反応を、成長反応は遅い反応
を選ぶことが重要である。 本発明においては、種晶反応は早いの反応を
選び、できるだけ早く同じ大きさの種晶を合成
し、成長反応は遅いの反応を選び、種晶反応で
できた種晶を数を増やすことなく(新たな粒子を
生成させずに)ゆつくりと成長させるのである。
成長反応の際、の反応で生成するHClを中和す
るためにNaOHを添加するが、NaOHの添加速
度がが速すぎるとの反応よりもの反応が優先
的に起こり、そのため、γ−FeOOHの生成が速
くなつて新たな粒子が生成し、粒度分布が悪くな
る。それ故、成長反応でのNaOHの添加初期の
添加速度は粒度分布に重大な影響を及ぼす。 従来、種晶反応の終了は、反応終了時に反応液
のPH値が低下して約3.2〜3.8となる時点でアルカ
リ分が完全に消費されて反応が終ると判断してい
たため、PH値を厳密に管理しておらず、したがつ
て、PH値が3.8近傍であるときに昇温を開始する
こともあり、この場合には粒子が急激に成長し始
め、これが粒度分布が小さい微粒子が得られない
原因の1つであることが実験により判明した。 そこで、本発明では、種晶反応終了時に反応液
のPH値が確実に3.5以下になるまで酸素含有ガス
を吹込み続け、PH値が3.5以下の所定の値になつ
た時点で酸素含有ガスの吹き込みを止め、しかる
後に窒素等の不活性ガスに切り替えて液温を35〜
50℃に上げる昇温を行うようにしたのである。こ
こで、種晶反応から生成反応への昇温時の不活性
ガス雰囲気も非常に重要である。昇温を酸素含有
雰囲気下で行うと、FeCl2の酸化反応が進行し、
粒度分布を悪くするので留意する。 昇温後は、不活性ガスを止め、再び酸素含有ガ
スを吹込むと共に苛性ソーダ、アンモニア等のア
ルカリ水溶液を添加して成長反応を行う。 但し、アルカリ水溶液の添加に際しては、従
来、概ね等速度(例、1.6mol/のアルカリ水
溶液の添加量80g/min)で添加していたため、
特に添加初期にPH値が急激に上昇し、粒子が粗成
長する原因となつていた点に鑑み、本発明では、
添加初期に種結晶のまわりでゆつくり成長反応さ
せることとし、そのためには、反応液のPH値の上
昇速度が0.7PH/hr以下の緩速となるように制御
する必要がある。なお、このようなPH値上昇速度
のコントロールは、アルカリ水溶液添加後60分間
程度行うのが好ましい。これにより、上記昇温前
のPH値の適正な管理と相俟つて、目的とする粒度
分布の小さい微粒子が得られる。 本発明においては、上述の製造条件以外は従来
と同様であり、特にそれ等の条件は制約されな
い。但し、塩化第一鉄を水酸化第一鉄にするのに
要するアルカリの理論量は、種晶反応工程と成長
工程とに分けて添加するが、種晶反応工程で添加
する量は、ゲータイトの発生を防止し、針状性の
優れたレピツドクロサイトの粒子を得るため、上
記理論量の0.4〜0.7倍とする必要がある。 勿論、本発明は、従来の種々の合成反応法に適
用することができるものである。例えば、本出願
人が先に提案し開示した方法として、種晶反応に
おける酸素含有ガス吹き込み前にPH値6.0〜9.0及
び温度10〜50℃で20〜120分間保持する熟成を行
う方法(特願昭60−201377号)、種晶反応後にPH
値3.0〜5.0及び温度10〜50℃で10〜120分間保持
する熟成を行う方法(特願昭60−202267号)、成
長反応後のレピツドクロサイトを、反応液のPH値
が3.0〜5.0及び温度10〜50℃で攪拌しながら1時
間以上保持して熟成する方法(特願昭60−203137
号)、最初の塩化第一鉄水溶液にアルカリ水溶液
を添加する速度を塩化第一鉄水溶液1当たり
0.12分以内とする方法(特願昭60−203136号)、
酸化性ガスの供給量を酸化反応過程に従つて適正
に3段階に制御する方法(特願昭60−203922号)、
塩化第一鉄水溶液とアルカリ水溶液との混合溶液
中のSiの全溶液に対する濃度を5〜30ppmの範囲
でコントロールし、かつ、成長反応で添加するア
ルカリ水溶液としてSi濃度を5〜30ppmの範囲に
調節したものを使用する方法(特願昭61−7309
号)、酸素含有ガスの供給につき種晶反応の前半
と後半及び成長反応の3段階で酸素の平均吸収速
度を適正に調整する方法(特願昭61−7310号)、
等々に適用できる。 なお、本発明の実施に際し、若干の留意点を示
すならば、種晶反応、昇温及び成長反応中に反応
液を攪拌する際、攪拌羽根の回転数は反応槽のサ
イズによつて異なるが、200〜400rpm程度が望ま
しい。 (実施例) 次に本発明の一実施例を示す。 実施例 濃度0.97モル/の塩化第一鉄水溶液25を窒
素ガス雰囲気に保つた反応器内で撹拌しながら、
濃度0.71モル/の水酸化ナトリウム水溶液42
を添加し、この液温を15℃に保ちつつ、窒素ガス
を止めて、20/minの空気を吹込んで酸化さ
せ、種晶反応を行つた。 この種晶反応が終了し、PH値が3.2に下がつた
時点で空気を止めて、5/minの窒素ガスに切
換え、反応液を40℃に昇温した。 その後、窒素ガスを止めて3/minの空気吹
込みを行うと共に、濃度1.6モル/の水酸化ナ
トリウム水溶液を添加し、成長反応を開始した。
この水酸化ナトリウム水溶液の添加は、添加開始
後60分間の反応液のPH値の上昇速度が0.7PH/hr
を超えないように制御しつつ反応を完結させた。 比較例 1 種晶反応終了時のPH値が3.8の時点で、20/
minの空気吹き込みを止めて5/minの窒素ガ
スに切換え、15℃より40℃に昇温させた以外は上
記実施例と同じ条件にて、合成反応を行つた。 比較例 2 成長反応開始後30分間の水酸化ナトリウム水溶
液の添加速度を速め、30分間でPH値を3.2から3.7
に上昇させた以外は上記実施例と同じ条件にて、
合成反応を行つた。この場合の上昇速度は1PH/
hrである。 比較例 3 実施例において、種晶反応が終了し、PH値が
3.2に下がつた時点で、吹込み空気を窒素ガスに
切り替えることなく、空気を3/minで吹き込
みながら40℃まで昇温した。その後は実施例と全
く同様の操作で反応を行い、γ−FeOOHを合成
した。 上記の実施例、比較例1,2,3で得られた
各々のレピツドクロサイトについてBET法比表
面積を調べると共に、これらのレピツドクロサイ
トを通常の方法で焼成、還元、酸化してγ−
Fe2O3を製造し、その比表面積と保磁力を測定
し、更に実施例と比較例3で各々得られたγ−
Fe2O3の粒度分布を測定した。 更にまた、上記針状γ−Fe2O3(マグヘマイト)
を粉砕、塗料化し、プラスチツクベースフイルム
に塗布し、磁場配向する通常の方法にて磁気テー
プを作成し、その磁気特性を測定した。 以上の結果を第1表及び第2表並びに第1図及
び第2図に併せて示す。 同表より明らかなとうり、各比較例に比べ、本
発明例により得られたレピツドクロサイトは比表
面積が大きい。すなわち粒子サイズが小さく、ま
たこれを出発物質としたγ−Fe2O3は粒子サイズ
が小さく且つ磁気特性も優れていると共に、特に
S/N比、C/N比の小さい高音質、高画質のオ
ーデイオ、VTRテープが実現できる。なお、比
較例3では、レピツドクロサイトの比表面積は大
きい(粒子サイズが小さい)ものの、第2表並び
に第1図及び第2図に示すように、実施例に比べ
てγ−Fe2O3の粒度分布が悪いため、γ−Fe2O3
の比表面積が小さく且つ保磁力が劣り、したがつ
て、磁気テープ特性が劣つている。
【表】
【表】
(発明の効果)
以上詳述したように、本発明によれば、レピツ
ドクロサイトの製造に際し、種晶反応終了後に行
う昇温前でのPH値を適正に管理すると共に昇温時
の雰囲気をも管理し、かつ成長反応におけるアル
カリ水溶液の添加速度を緩速にコントロールする
ので、針状性、粒度分布に優れ、高密度記録に適
した平均粒径の小さいレピツドクロサイトを製造
することができる。したがつて、これを出発物質
として得られるマグヘマイト(γ−Fe2O3)も粒
子サイズが小さく、かつ磁気特性が優れており、
更に高品質の磁気記録媒体の製造が可能となる。
ドクロサイトの製造に際し、種晶反応終了後に行
う昇温前でのPH値を適正に管理すると共に昇温時
の雰囲気をも管理し、かつ成長反応におけるアル
カリ水溶液の添加速度を緩速にコントロールする
ので、針状性、粒度分布に優れ、高密度記録に適
した平均粒径の小さいレピツドクロサイトを製造
することができる。したがつて、これを出発物質
として得られるマグヘマイト(γ−Fe2O3)も粒
子サイズが小さく、かつ磁気特性が優れており、
更に高品質の磁気記録媒体の製造が可能となる。
第1図及び第2図はγ−Fe2O3の粒度分布を示
す図で、第1図は実施例の場合、第2図は比較例
3の場合を示している。
す図で、第1図は実施例の場合、第2図は比較例
3の場合を示している。
Claims (1)
- 1 塩化第一鉄水溶液に苛性アルカリ、アンモニ
ア等のアルカリ水溶液を、該塩化第一鉄を水酸化
第一鉄にするのに要する理論量の0.4〜0.7倍加え
た後、酸素含有ガスを吹き込んでレピツドクロサ
イトの種結晶を生成させて種晶反応を行い、次い
で上記酸素含有ガス吹込みを不活性ガスに切り替
えて昇温させた後、再び不活性ガスに代えて酸素
含有ガスを吹き込むと共に上記アルカリ水溶液を
添加して該種結晶を成長させる成長反応を行う方
法において、前記種晶反応終了後のPH値が3.5以
下になるまで酸素含有ガスを吹き込み続け、PH値
が所定の値になつた後に吹込みガスを切り替えて
前記昇温を行い、かつ、前記成長反応における上
記アルカリ水溶液の添加につき、添加初期での反
応液のPH値の上昇速度が0.7PH/hr以下の緩速と
なるように制御することを特徴とするレピツドク
ロサイトの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31198486A JPS63170222A (ja) | 1986-12-30 | 1986-12-30 | レピツドクロサイトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31198486A JPS63170222A (ja) | 1986-12-30 | 1986-12-30 | レピツドクロサイトの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63170222A JPS63170222A (ja) | 1988-07-14 |
| JPH0369848B2 true JPH0369848B2 (ja) | 1991-11-05 |
Family
ID=18023798
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31198486A Granted JPS63170222A (ja) | 1986-12-30 | 1986-12-30 | レピツドクロサイトの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS63170222A (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5549016A (en) * | 1978-10-04 | 1980-04-08 | Hitachi Ltd | Elastic surface-wave propagation element |
| JPS5888123A (ja) * | 1981-11-16 | 1983-05-26 | Daikin Ind Ltd | レピドクロサイトの製法 |
-
1986
- 1986-12-30 JP JP31198486A patent/JPS63170222A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63170222A (ja) | 1988-07-14 |
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