JPH0376573B2 - - Google Patents
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- JPH0376573B2 JPH0376573B2 JP57074936A JP7493682A JPH0376573B2 JP H0376573 B2 JPH0376573 B2 JP H0376573B2 JP 57074936 A JP57074936 A JP 57074936A JP 7493682 A JP7493682 A JP 7493682A JP H0376573 B2 JPH0376573 B2 JP H0376573B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tcnq
- salt
- solid electrolyte
- complex salt
- electrolytic capacitor
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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- Thermistors And Varistors (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Description
本発明は固体電解コンデンサに関する。
固体電解コンデンサは陽極酸化皮膜を有するア
ルミニウムなどの皮膜形成性金属に固体電解質を
付着した構造を有している。従来より量産化され
ているこの種コンデンサにおいて、それを構成す
る固体電解質はほとんど二酸化マンガンである
が、近年、二酸化マンガンの弱点、即ち二酸化マ
ンガン形成のための熱分解時に皮膜形成性金属の
陽極酸化皮膜が損傷を受けること、又二酸化マン
ガンによる陽極酸化皮膜の修復性が乏しいことな
どを改善する固体電解質として有機半導体、主に
TCNQ塩を用いることが提案された。こゝに、
TCNQとは7,7,8,8テトラシアノキノジ
メタンを意味する。 しかし乍ら、TCNQ塩は通常粉末状の結晶で
あり、その結晶自体高い電導度や上記皮膜の良好
な修復性を示すものの、粉末状結晶であるがため
に加工性に難がある。即ち、皮膜形成性金属に
TCNQ塩の結晶をどの様にして付着するかとい
う問題がある。特に固定電解コンデンサに用いる
皮膜形成性金属は多孔質の場合が多いが、斯る多
孔質金属へのTCNQ塩の一様な含浸的付着は困
難を極める。更に重要なことは、TCNQ塩自体
がその付着作業時に常に変質などによる劣化の危
険性をはらんでいることである。 従来、提案されたTCNQ塩の付着方法は次の
3つに分類できる。 (1) DMF(ジメチルホルムアミド)などの溶媒に
TCNQ塩を溶かした溶液を上記金属に塗布し、
その後乾燥させて溶媒を飛散除去する方法。 (2) TCNQ塩をボールミル等により微細化した
結晶をアルコール等に分散せしめ、それを上記
金属に塗布し乾燥する方法。 (3) TCNQ塩を上記金属に真空蒸着する方法。 上記(1)の方法では、TCNQ塩に対する溶解度
の高いDMFを溶媒に用い、斯る溶媒を例えば100
℃に加熱したとしても、その溶解度は10%が限度
である。このことは箔状の上記金属に必要なだけ
の厚みの固体電解質を付着したり、あるいは多孔
質の上記金属に固体電解質を十分含浸的に付着す
るには何度も塗布、乾燥を繰り返す必要のあるこ
とを意味している。例えば定格1μF用の多孔質金
属の場合、5〜10回の塗布、乾燥で達せられる含
浸率は、二酸化マンガンを固体電解質に用いた場
合の含浸率を100%として、高々30%である。こ
の様な低い含浸率では、金属が多孔質であるにも
拘らずコンデンサの容量値を大きくできない。更
に溶媒を塗布した金属は上記乾燥の度に高温中に
放置されるが、このとき多かれ少なかれTCNQ
塩の変質が起こり、固体電解質の電導度劣化を招
く。加えて、この様にして上記金属に付着形成さ
れる固体電解質はTCNQ塩の微細結晶からなる
ため、実際には塗布溶液中にポリビニルピロリド
ンなどの凝固用樹脂が添加されて上記微細結晶の
付着強度の強化が図られるが、斯る凝固用樹脂は
電気的絶縁物であるため、上記電導動劣化と相佚
つて固体電解質の電導度を更に低いもの(800Ω
cm程度(25℃))になす。 上記(2)の方法では、TCNQ塩の微細化にも限
界があり、上記金属への付着強度が特に弱いの
で、コンデンサの寿命試験において、TCNQ塩
からなる固体電解質が上記金属よりはがれたりし
て、特性の劣化、例えば、tanδの増加や容量減少
が見られる。上記付着強度の強化は、上に述べた
様に凝固用樹脂の採用によりある程度改善される
が、同様に固体電解質の電解度の低下を招く。
又、TCNQ塩からなる微細結晶の分散溶液を用
いるので、特に多孔質金属への含浸率が悪く、超
音波拡散含浸法を用いたとしてもその含浸率は
高々上記(1)の方法と同程度である。 上記(3)の方法では、真空蒸着作業の煩雑さはも
とより、特に多孔質金属への付着には全く不向き
である。 本発明は、全く新規な固体電解コンデンサ、よ
り具体的には、コンデンサ素子と、加熱による溶
融液化状態で前記素子に含浸されたTCNQ錯塩
からなる固体電解質とを含む固体電解コンデンサ
を提供するものである。本発明を実施する際に
は、TCNQ塩を溶融液化することが必要である
が、固体電解質形成のためにこの様にTCNQ塩
を溶融液化することは従来全く考えられていなか
つた。 TCNQ塩のみからなる液体を得る最も実際的
な方法は、当初の形態である粉末状TCNQ塩を
加熱融解による液化することである。しかし乍
ら、単なるTCNQ塩の加熱融解は、TCNQ塩を
熱分解してほとんど電気的絶縁物と化し、コンデ
ンサ用固体電解質の機能を全く無くしてしまう。 本発明は、ある種のTCNQ塩は加熱融解して
も、熱分解するまでに短時間ではあるが、付着作
業にとつては十分な時間的余裕を呈し、従つて斯
る時間内に冷却固化すれば高い電導度を保持する
TCNQ塩からなる固体電解質を得られるという
全く新しい知見に基いている。 TCNQ及びその種々の塩、並びにその製法自
体は、例えば、J.Am.Chem.Soc.、Vol.84、
P3374−3387(1962)に開示されている。TCNQ
塩としては、Mn+(TCNQ-)nで表わされる単
塩と、Mn+(TCNQ-)n(TCNQ)mで表わされ
る錯塩とがある。尚上記Mは有機カチオン、nは
カチオンの価、mは1モルの錯塩に含まれる中性
TCNQのモル数に対応する正の数を夫々意味す
る。 本発明では、しなし乍ら、錯塩の使用がコンデ
ンサ特性にとつてより好ましい。そして、錯塩の
上記mは0.5〜1.5が好ましく、より好ましくは約
1である。 本発明で用いられるTCNQ塩の例としては、
N位を置換したキノリン及びイソキノリンの
TCNQ塩が挙げられる。尚、N位の置換体は、
C2〜C13(炭素数2〜18)のアルキル(例えばエチ
レン、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、
デシル、オクタデシル)、C5〜C8シクロアルキル
(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、C3
〜C18アルケン(例えばアリル)、フエニル又はフ
エニル(C1〜C18)アルキル(例えばフエネチル)
の様な炭化水素基である。 本発明で用いられるTCNQ塩のより好ましい
例は、N−n−プロピルキノリンのTCNQ塩、
N−エチルイソキノリンのTCNQ塩、N−イソ
プロピルキノリンのTCNQ塩、N−n−ヘシシ
ルキノリンのTCNQ塩、N−n−プロピルイソ
キノリンのTCNQ塩、N−イソプロピルイソキ
ノリンのTCNQ塩、N−n−ブチルイソキノリ
ンのTCNQ塩である。 本発明で用いられる各種TCNQ塩の融点を下
にP−1〜P−9として示す9種類の塩について
記す。 P−1……N−n−プロピルキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−2……N−イソプロピルキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−3……N−n−プロピルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−4……N−イソプロピルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−5……N−nブチルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−6……N−エチルキノリン+(TCNQ-)
(TCNQ) P−7……N−エチルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−8……N−n−ヘキシルキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−9……N−n−ヘキシルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ)
ルミニウムなどの皮膜形成性金属に固体電解質を
付着した構造を有している。従来より量産化され
ているこの種コンデンサにおいて、それを構成す
る固体電解質はほとんど二酸化マンガンである
が、近年、二酸化マンガンの弱点、即ち二酸化マ
ンガン形成のための熱分解時に皮膜形成性金属の
陽極酸化皮膜が損傷を受けること、又二酸化マン
ガンによる陽極酸化皮膜の修復性が乏しいことな
どを改善する固体電解質として有機半導体、主に
TCNQ塩を用いることが提案された。こゝに、
TCNQとは7,7,8,8テトラシアノキノジ
メタンを意味する。 しかし乍ら、TCNQ塩は通常粉末状の結晶で
あり、その結晶自体高い電導度や上記皮膜の良好
な修復性を示すものの、粉末状結晶であるがため
に加工性に難がある。即ち、皮膜形成性金属に
TCNQ塩の結晶をどの様にして付着するかとい
う問題がある。特に固定電解コンデンサに用いる
皮膜形成性金属は多孔質の場合が多いが、斯る多
孔質金属へのTCNQ塩の一様な含浸的付着は困
難を極める。更に重要なことは、TCNQ塩自体
がその付着作業時に常に変質などによる劣化の危
険性をはらんでいることである。 従来、提案されたTCNQ塩の付着方法は次の
3つに分類できる。 (1) DMF(ジメチルホルムアミド)などの溶媒に
TCNQ塩を溶かした溶液を上記金属に塗布し、
その後乾燥させて溶媒を飛散除去する方法。 (2) TCNQ塩をボールミル等により微細化した
結晶をアルコール等に分散せしめ、それを上記
金属に塗布し乾燥する方法。 (3) TCNQ塩を上記金属に真空蒸着する方法。 上記(1)の方法では、TCNQ塩に対する溶解度
の高いDMFを溶媒に用い、斯る溶媒を例えば100
℃に加熱したとしても、その溶解度は10%が限度
である。このことは箔状の上記金属に必要なだけ
の厚みの固体電解質を付着したり、あるいは多孔
質の上記金属に固体電解質を十分含浸的に付着す
るには何度も塗布、乾燥を繰り返す必要のあるこ
とを意味している。例えば定格1μF用の多孔質金
属の場合、5〜10回の塗布、乾燥で達せられる含
浸率は、二酸化マンガンを固体電解質に用いた場
合の含浸率を100%として、高々30%である。こ
の様な低い含浸率では、金属が多孔質であるにも
拘らずコンデンサの容量値を大きくできない。更
に溶媒を塗布した金属は上記乾燥の度に高温中に
放置されるが、このとき多かれ少なかれTCNQ
塩の変質が起こり、固体電解質の電導度劣化を招
く。加えて、この様にして上記金属に付着形成さ
れる固体電解質はTCNQ塩の微細結晶からなる
ため、実際には塗布溶液中にポリビニルピロリド
ンなどの凝固用樹脂が添加されて上記微細結晶の
付着強度の強化が図られるが、斯る凝固用樹脂は
電気的絶縁物であるため、上記電導動劣化と相佚
つて固体電解質の電導度を更に低いもの(800Ω
cm程度(25℃))になす。 上記(2)の方法では、TCNQ塩の微細化にも限
界があり、上記金属への付着強度が特に弱いの
で、コンデンサの寿命試験において、TCNQ塩
からなる固体電解質が上記金属よりはがれたりし
て、特性の劣化、例えば、tanδの増加や容量減少
が見られる。上記付着強度の強化は、上に述べた
様に凝固用樹脂の採用によりある程度改善される
が、同様に固体電解質の電解度の低下を招く。
又、TCNQ塩からなる微細結晶の分散溶液を用
いるので、特に多孔質金属への含浸率が悪く、超
音波拡散含浸法を用いたとしてもその含浸率は
高々上記(1)の方法と同程度である。 上記(3)の方法では、真空蒸着作業の煩雑さはも
とより、特に多孔質金属への付着には全く不向き
である。 本発明は、全く新規な固体電解コンデンサ、よ
り具体的には、コンデンサ素子と、加熱による溶
融液化状態で前記素子に含浸されたTCNQ錯塩
からなる固体電解質とを含む固体電解コンデンサ
を提供するものである。本発明を実施する際に
は、TCNQ塩を溶融液化することが必要である
が、固体電解質形成のためにこの様にTCNQ塩
を溶融液化することは従来全く考えられていなか
つた。 TCNQ塩のみからなる液体を得る最も実際的
な方法は、当初の形態である粉末状TCNQ塩を
加熱融解による液化することである。しかし乍
ら、単なるTCNQ塩の加熱融解は、TCNQ塩を
熱分解してほとんど電気的絶縁物と化し、コンデ
ンサ用固体電解質の機能を全く無くしてしまう。 本発明は、ある種のTCNQ塩は加熱融解して
も、熱分解するまでに短時間ではあるが、付着作
業にとつては十分な時間的余裕を呈し、従つて斯
る時間内に冷却固化すれば高い電導度を保持する
TCNQ塩からなる固体電解質を得られるという
全く新しい知見に基いている。 TCNQ及びその種々の塩、並びにその製法自
体は、例えば、J.Am.Chem.Soc.、Vol.84、
P3374−3387(1962)に開示されている。TCNQ
塩としては、Mn+(TCNQ-)nで表わされる単
塩と、Mn+(TCNQ-)n(TCNQ)mで表わされ
る錯塩とがある。尚上記Mは有機カチオン、nは
カチオンの価、mは1モルの錯塩に含まれる中性
TCNQのモル数に対応する正の数を夫々意味す
る。 本発明では、しなし乍ら、錯塩の使用がコンデ
ンサ特性にとつてより好ましい。そして、錯塩の
上記mは0.5〜1.5が好ましく、より好ましくは約
1である。 本発明で用いられるTCNQ塩の例としては、
N位を置換したキノリン及びイソキノリンの
TCNQ塩が挙げられる。尚、N位の置換体は、
C2〜C13(炭素数2〜18)のアルキル(例えばエチ
レン、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、
デシル、オクタデシル)、C5〜C8シクロアルキル
(例えばシクロペンチル、シクロヘキシル)、C3
〜C18アルケン(例えばアリル)、フエニル又はフ
エニル(C1〜C18)アルキル(例えばフエネチル)
の様な炭化水素基である。 本発明で用いられるTCNQ塩のより好ましい
例は、N−n−プロピルキノリンのTCNQ塩、
N−エチルイソキノリンのTCNQ塩、N−イソ
プロピルキノリンのTCNQ塩、N−n−ヘシシ
ルキノリンのTCNQ塩、N−n−プロピルイソ
キノリンのTCNQ塩、N−イソプロピルイソキ
ノリンのTCNQ塩、N−n−ブチルイソキノリ
ンのTCNQ塩である。 本発明で用いられる各種TCNQ塩の融点を下
にP−1〜P−9として示す9種類の塩について
記す。 P−1……N−n−プロピルキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−2……N−イソプロピルキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−3……N−n−プロピルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−4……N−イソプロピルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−5……N−nブチルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−6……N−エチルキノリン+(TCNQ-)
(TCNQ) P−7……N−エチルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−8……N−n−ヘキシルキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ) P−9……N−n−ヘキシルイソキノリン+
(TCNQ-)(TCNQ)
【表】
上記各塩の製造は例えば次の通りである。N−
アルキルヨードとキノリン(又はイソキノリン)
とを反応させて得られるN−アルキルキノリン
(又はイソキノリン)ヨーダイドとTCNQとを適
当な溶媒(例えばアセトニトリル)中で、適当な
モル比(例えば3:4)で反応させてTCNQ塩
を作る。この塩は不純物が多いので、適当な溶媒
(例えばアセトニトリル)にて82℃以下の温度で
の加熱溶解−冷却−晶出からなる再結晶操作を繰
り返すことにより塩の純度が上げられる。得られ
る結晶は針状又はロツド状の粉末である。 上記反応又は高純度化で用いられる溶媒の種類
により、キノリン(又はイソキノリン)部と
TCNQ部とのモル比は若干変化する。例えば、
反応時及び高純度化作業での溶媒が共にアセトニ
トニルの場合、mが1の錯塩状態のTCNQ塩が
通常得られるが、高純度化作業時のそれがメタノ
ールであると、mが1より小さくなる。上記モル
比は、TCNQ塩にTCNQを粉細混合しても変化
する。例えば、mが1のTCNQ塩に5%の
TCNQを混合した融解固化塩は、mは約1.14とな
る。この様にmが1より若干変化しても使用可能
である。 本発明に含まれないTCNQ塩、例えばHキノ
リン(又はイソキノリン)のTCNQ塩やN−メ
チルキノリン(又はイソキノリン)のTCNQ塩
は加熱すると融解せずに分解するか、あるいは溶
解と同時に分解してしまう。 これに対し、上記の如き本発明の対象とする
TCNQ塩は加熱すると融解して液化状態を呈す
るが、その状態で熱分解するまでに実質的な時間
を要する。この場合の熱分解は突然起こり、塩は
電気的絶縁物と化す。完全に融解後、絶縁化する
までの時間は次の通りである。
アルキルヨードとキノリン(又はイソキノリン)
とを反応させて得られるN−アルキルキノリン
(又はイソキノリン)ヨーダイドとTCNQとを適
当な溶媒(例えばアセトニトリル)中で、適当な
モル比(例えば3:4)で反応させてTCNQ塩
を作る。この塩は不純物が多いので、適当な溶媒
(例えばアセトニトリル)にて82℃以下の温度で
の加熱溶解−冷却−晶出からなる再結晶操作を繰
り返すことにより塩の純度が上げられる。得られ
る結晶は針状又はロツド状の粉末である。 上記反応又は高純度化で用いられる溶媒の種類
により、キノリン(又はイソキノリン)部と
TCNQ部とのモル比は若干変化する。例えば、
反応時及び高純度化作業での溶媒が共にアセトニ
トニルの場合、mが1の錯塩状態のTCNQ塩が
通常得られるが、高純度化作業時のそれがメタノ
ールであると、mが1より小さくなる。上記モル
比は、TCNQ塩にTCNQを粉細混合しても変化
する。例えば、mが1のTCNQ塩に5%の
TCNQを混合した融解固化塩は、mは約1.14とな
る。この様にmが1より若干変化しても使用可能
である。 本発明に含まれないTCNQ塩、例えばHキノ
リン(又はイソキノリン)のTCNQ塩やN−メ
チルキノリン(又はイソキノリン)のTCNQ塩
は加熱すると融解せずに分解するか、あるいは溶
解と同時に分解してしまう。 これに対し、上記の如き本発明の対象とする
TCNQ塩は加熱すると融解して液化状態を呈す
るが、その状態で熱分解するまでに実質的な時間
を要する。この場合の熱分解は突然起こり、塩は
電気的絶縁物と化す。完全に融解後、絶縁化する
までの時間は次の通りである。
【表】
但し、加熱は、アルミケースにTCNQ塩の結
晶粉末を詰め、上記温度の金属板上に接触させて
行なつた。 従つて、液化状態のTCNQ塩はその分解前に
冷却固化されねばならない。それにより、高電導
度を有する固体電解質が得られる。例えば、P−
1及びP−2の場合、融点以上で約300℃以下の
温度に加熱され、そして液化完了後1分以内、好
ましくは20秒以内の室温での冷却又は水等の冷媒
中での冷却が開始される。P−3及びP−4、P
−5では、融点以上で約320℃以下の温度に加熱
され液化完了後約4分以内、好ましくは1分以内
に室温での冷却又は水等の冷媒中での冷却が開始
される。 この様に分解前に冷却固化して得られる
TCNQ塩の電導度は次の通りである。
晶粉末を詰め、上記温度の金属板上に接触させて
行なつた。 従つて、液化状態のTCNQ塩はその分解前に
冷却固化されねばならない。それにより、高電導
度を有する固体電解質が得られる。例えば、P−
1及びP−2の場合、融点以上で約300℃以下の
温度に加熱され、そして液化完了後1分以内、好
ましくは20秒以内の室温での冷却又は水等の冷媒
中での冷却が開始される。P−3及びP−4、P
−5では、融点以上で約320℃以下の温度に加熱
され液化完了後約4分以内、好ましくは1分以内
に室温での冷却又は水等の冷媒中での冷却が開始
される。 この様に分解前に冷却固化して得られる
TCNQ塩の電導度は次の通りである。
【表】
本発明により得られる固体電解質は上記従来法
(1)や(2)の場合の如きTCNQ塩の微細結晶の集り
ではなく、ほゞ多結晶塊状態に近い。又本発明に
より得られる固体電解質は、TCNQ塩本来の性
質、例えば皮膜形成性金属表面の酸化皮膜に対す
る優れた修復性を維持している。 本発明によれば、TCNQ塩を100%溶解した溶
液により皮膜形成性金属へのTCNQ塩の付着を
なすのと同じことであるから、上記従来方法(1)と
は全く異なり、ほとんど1回の付着作業で、上記
金属が箔状のみならず多孔質の場合でも、必要な
量の固体電解質を形成することができ、量産性の
向上はもとより、乾燥の度にTCNQ塩が劣化す
るといつた従来の欠点が克服される。更に、本発
明によれば、固体電解質は多結晶状態に近いか
ら、上記金属への付着力が十分大きく、従つて従
来の如き凝固用樹脂を用いる必要がなく、固体電
解質の不所望な電導度の低下を避けることができ
る。 以下本発明実施例を説明する。 アルミニウム加成箔を陽極箔とし、アルミニウ
ムエツチング箔を陰極箔として、これらをマニラ
紙からなるセパレータと共に巻取つたコンデンサ
素子を準備する。この素子は次いで250℃の恒温
槽中に約4時間放置されて、上記セパレータの炭
化処理がなされる。尚、この処理は素子への固体
電解質の含浸度をより高めるためのものであり、
省略し得るものである。その後上記素子は250℃
程度に予熱しておく。 一方、既述の方法で作成された粉末状の
TCNQ塩(本実施例では上記P−1、P−3、
P−5を使用)を有底円筒状のアルミニウムケー
ス内に充填し、このケースを加熱した金属板上に
載置することによりケース内のTCNQ塩を融解
液化する。 続く工程として、斯る融解液化後、直にに、上
記予熱保持されているコンデンサ素子をケース内
の液化状態のTCNQ塩に挿入し、次いでこのケ
ースを水中に浸漬して急冷する。これによりコン
デンサ素子のセパレータにTCNQ塩が含浸した
状態で固化し、このTCNQ塩は高電導度を示す
固体電解質を形成する。 最後に、陽極リード及び陰極リードの先端を露
出した状態で上記ケースの開口を樹脂封口し、エ
ージングすることにより目的とする固体電解コン
デンサが完了すると 下表に本実施例固体電解コンデンサの特性を示
す。表中、Cap、tanδは夫々120Hzでの静電容量、
損失、ESRは100KHzでの等価直列抵抗、△capは
+25℃のcapに対する静電容量変化率、Lcは25V
印加後15秒後の濡れ電流を夫々意味する。
(1)や(2)の場合の如きTCNQ塩の微細結晶の集り
ではなく、ほゞ多結晶塊状態に近い。又本発明に
より得られる固体電解質は、TCNQ塩本来の性
質、例えば皮膜形成性金属表面の酸化皮膜に対す
る優れた修復性を維持している。 本発明によれば、TCNQ塩を100%溶解した溶
液により皮膜形成性金属へのTCNQ塩の付着を
なすのと同じことであるから、上記従来方法(1)と
は全く異なり、ほとんど1回の付着作業で、上記
金属が箔状のみならず多孔質の場合でも、必要な
量の固体電解質を形成することができ、量産性の
向上はもとより、乾燥の度にTCNQ塩が劣化す
るといつた従来の欠点が克服される。更に、本発
明によれば、固体電解質は多結晶状態に近いか
ら、上記金属への付着力が十分大きく、従つて従
来の如き凝固用樹脂を用いる必要がなく、固体電
解質の不所望な電導度の低下を避けることができ
る。 以下本発明実施例を説明する。 アルミニウム加成箔を陽極箔とし、アルミニウ
ムエツチング箔を陰極箔として、これらをマニラ
紙からなるセパレータと共に巻取つたコンデンサ
素子を準備する。この素子は次いで250℃の恒温
槽中に約4時間放置されて、上記セパレータの炭
化処理がなされる。尚、この処理は素子への固体
電解質の含浸度をより高めるためのものであり、
省略し得るものである。その後上記素子は250℃
程度に予熱しておく。 一方、既述の方法で作成された粉末状の
TCNQ塩(本実施例では上記P−1、P−3、
P−5を使用)を有底円筒状のアルミニウムケー
ス内に充填し、このケースを加熱した金属板上に
載置することによりケース内のTCNQ塩を融解
液化する。 続く工程として、斯る融解液化後、直にに、上
記予熱保持されているコンデンサ素子をケース内
の液化状態のTCNQ塩に挿入し、次いでこのケ
ースを水中に浸漬して急冷する。これによりコン
デンサ素子のセパレータにTCNQ塩が含浸した
状態で固化し、このTCNQ塩は高電導度を示す
固体電解質を形成する。 最後に、陽極リード及び陰極リードの先端を露
出した状態で上記ケースの開口を樹脂封口し、エ
ージングすることにより目的とする固体電解コン
デンサが完了すると 下表に本実施例固体電解コンデンサの特性を示
す。表中、Cap、tanδは夫々120Hzでの静電容量、
損失、ESRは100KHzでの等価直列抵抗、△capは
+25℃のcapに対する静電容量変化率、Lcは25V
印加後15秒後の濡れ電流を夫々意味する。
【表】
上記実施例では、コンデンサ素子を構成する箔
金属はアルミニウムであつたが、他の被膜形成性
金属、例えばタンタルやニオブでも良い。 以上の説明より明らから如く、本発明によれ
ば、有機半導体からなる固体電解質を用いた固体
電解コンデンサにおいて、固体電解質の皮膜形成
性金属への含浸付着が簡単な作業で行え、かつ斯
る作業時に固体電解質の劣化も少なく、更に固体
電解質の電導度が優れていることから、温度特
性、周波数特性、特に高周波でのESRなどに優
れたものが得られ十分実用的なものである。
金属はアルミニウムであつたが、他の被膜形成性
金属、例えばタンタルやニオブでも良い。 以上の説明より明らから如く、本発明によれ
ば、有機半導体からなる固体電解質を用いた固体
電解コンデンサにおいて、固体電解質の皮膜形成
性金属への含浸付着が簡単な作業で行え、かつ斯
る作業時に固体電解質の劣化も少なく、更に固体
電解質の電導度が優れていることから、温度特
性、周波数特性、特に高周波でのESRなどに優
れたものが得られ十分実用的なものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 コンデンサ素子と、溶媒を含まない溶融液化
状態で前記素子に含浸されるTCNQ錯塩からな
る固体電解質とを含み、上記TCNQ錯塩は加熱
による溶融液化後所定時間の間熱分解することな
く安定状態を保持することを特徴とする固体電解
コンデンサ。 2 特許請求の範囲第1項において、TCNQ錯
塩はN−n−ヘキシルキノリン、N−エチルイソ
キノリン又はN−n−ブチルイソキノリンの
TCNQ錯塩であることを特徴とする固体電解コ
ンデンサ。 3 特許請求の範囲第1項において、上記
TCNQ錯塩は、N位を炭化水素基で置換したキ
ノリン又はイソキノリンのTCNQ錯塩であるこ
とを特徴とする固定電解コンデンサ。 4 特許請求の範囲第3項において、上記炭化水
素基は炭素数2から18までのアルキリ基であるこ
とを特徴とする固体電解コンデンサ。 5 特許請求の範囲第4項において、中性
TCNQと炭素数2から18までのアルキル基でN
位を置換したイソキノリンとのモル比はほぼ1:
1であることを特徴とする固体電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7493682A JPS58191414A (ja) | 1982-05-04 | 1982-05-04 | 固体電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7493682A JPS58191414A (ja) | 1982-05-04 | 1982-05-04 | 固体電解コンデンサ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58191414A JPS58191414A (ja) | 1983-11-08 |
| JPH0376573B2 true JPH0376573B2 (ja) | 1991-12-05 |
Family
ID=13561731
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7493682A Granted JPS58191414A (ja) | 1982-05-04 | 1982-05-04 | 固体電解コンデンサ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58191414A (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6337610A (ja) * | 1986-07-31 | 1988-02-18 | エルナ−株式会社 | 固体電解コンデンサの製造方法 |
| US4780796A (en) * | 1987-01-13 | 1988-10-25 | The Japan Carlit Co., Ltd. | Solid electrolytic capacitor |
| JPH0770247B2 (ja) * | 1988-03-11 | 1995-07-31 | 日本カーリット株式会社 | 耐熱性電荷移動錯体 |
| EP0367147B1 (en) * | 1988-10-31 | 1995-01-04 | The Japan Carlit Co., Ltd. | Charge transfer complex and solid electrolytic capacitor employing the same |
| JPH0722076B2 (ja) * | 1989-01-20 | 1995-03-08 | 三洋電機株式会社 | 固体電解コンデンサ |
| US6731497B2 (en) | 2001-07-11 | 2004-05-04 | Tdk Corporation | Solid electrolytic capacitor and method for manufacturing the same |
| WO2003107365A1 (ja) | 2002-06-18 | 2003-12-24 | ティーディーケイ株式会社 | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
| JP4729977B2 (ja) | 2005-05-17 | 2011-07-20 | 株式会社ケンウッド | ねじによる部材締着部の防水構造 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5610777B2 (ja) * | 1972-06-13 | 1981-03-10 | ||
| JPS54122861A (en) * | 1978-03-16 | 1979-09-22 | Nippon Electric Co | Method of producing solid electrolytic capacitor |
-
1982
- 1982-05-04 JP JP7493682A patent/JPS58191414A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58191414A (ja) | 1983-11-08 |
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