JPH039930B2 - - Google Patents
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- JPH039930B2 JPH039930B2 JP59164745A JP16474584A JPH039930B2 JP H039930 B2 JPH039930 B2 JP H039930B2 JP 59164745 A JP59164745 A JP 59164745A JP 16474584 A JP16474584 A JP 16474584A JP H039930 B2 JPH039930 B2 JP H039930B2
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Description
a 利用分野
本発明はポリエステルの製造方法に関する。更
に詳細には、粒子分散性が改善され、フイルムに
した場合透明性が易滑性が優れ、繊維となしてア
ルカリ減量を施した場合極めて微細な凹凸が繊維
表面に形成されて、染色した際に優れた色の深み
と鮮明性を呈すると共にレーヨン調の優れたドレ
ープ性やトリアセテート調の優れたドライタツチ
風合をもつた織編物を得るのに適したポリエステ
ルの製造方法に関する。 b 従来技術 ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆ
えに繊維、フイルムとして広く使用されている。
しかしながら、ポリエステル繊維は羊毛や絹の如
き天然繊維、レーヨンやアセテートの如き繊維素
系繊維、アクリル系繊維等に比較して、着色した
際に色に深みがなく、発色性、鮮明性に劣る欠点
がある。 従来より、この欠点を解消せんとして、染料の
改善やポリエステルの化学改質等が試みられてき
たが、いずれも充分な効果は得られていない。ま
た、ポリエステル繊維表面に透明薄膜を形成させ
る方法や織編物表面に80〜500mA・sec/cm3のプ
ラズマ照射を施して繊維表面に微細な凹凸を形成
させる方法等が提案されている。しかしながら、
これらの方法によつても、色の深みを改善する効
果は不充分であり、その上繊維表面に形成された
透明薄膜は洗濯等によつて容易に脱落し、その耐
久性も不充分であり、プラズマ照射を施す方法で
は、照射面の影になる繊維部分の繊維の表面に凹
凸が生じないため、着用中に生じる繊維組識内で
の糸の転び等によつて平滑繊維面が表面にでて色
斑になる欠点がある。 他方、ポリエステル繊維の表面に凹凸を付与す
る方法として、ポリオキシエチレングリコール又
はポリオキシエチレングリコールとスルホン酸化
合物を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ水溶液で処理することにより繊維軸方向に配
列した皺状の微細孔を繊維表面に形成させる吸湿
性繊維の製造法、又は酸化亜鉛、リン酸カルシウ
ム等の如き不活性無機物質の微粒子をポリエステ
ル反応系内に添加配合せしめて得られるポリエス
テル繊維を、アルカリ水溶液で処理して無機微粒
子を溶出することにより微細孔を形成させる吸湿
性繊維の製造法等が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法によつて得られる繊維には、色
の深みを改善する効果は認められず、かえつて視
感濃度の低下が認められる。即ち、これらの方法
において、アルカリ水溶液による処理が充分でな
いときは、色の深みを改善する効果は全く認めら
れず、また、アルカリ水溶液による処理が充分な
ときは、色の深みを改善するどころか、微細孔に
よる光の乱反射によるためか、視感濃度が低下
し、濃色に着色しても白つぽく見えるようにな
り、その上得られる繊維の強度が著しく低下し、
容易にフイブリル化するようになり、実用に耐え
ない。 また、粒子径80mμ以下のシリカの如き無機微
粒子を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ減量処理して、繊維表面に0.2〜0.7μの不規
則な凹凸を付与すると共にこの凹凸内に50〜
200mμの微細な凹凸を存在せしめることによつて
色の深みを改善する方法が提案されている。しか
しながら、この方法によつても、色の深みを改善
する効果は不充分であり、その上かかる極めて複
雑な凹凸形態によるためか、摩擦等の外部からの
物理作用により凹凸が破壊され、破壊された部分
が他の破壊されていない部分と比べて大きく変色
したり光沢の差を生じたり、更には容易にフイブ
リル化するという欠点がある。 一方、ポリエステル繊維が未開拓である分野と
してレーヨン調風合があり、特に婦人服分野では
優れたドレープ性とこしをもち、高級感のあるロ
マンチツクなシルエツトを表現できるレーヨン調
風合が求められている。しかしながら、従来かか
るレーヨンのもつ高いドレープ性とこしを併せ有
するポリエステル繊維は得られなかつた。 他方、トリアセテート調の鮮明染色性と光沢、
更にはドライタツチな風合を併せもつ清涼感に富
んだポリエステル繊維が求められているが、従来
かかるポリエステル繊維も得られなかつた。 c 発明の目的 本発明者は、ポリエステル繊維に微細孔を付与
することによつて、上記欠点がなく、しかも色の
深みと鮮明性に優れたポリエステル繊維を提供せ
んとして鋭意検討を行なつた結果、特定量のリン
化合物とこのリン化合物に対して特定量比のアル
カリ土類金属化合物をポリエステル反応系に添加
し、系内で不溶性微粒子を反応析出せしめ、得ら
れた不溶性微粒子を含有するポリエステルを溶融
紡糸したポリエステル繊維をアルカリ処理するこ
とによつて、可視光線の波長の大きさよりも小さ
な特殊な凹凸を繊維表面の全面に形成することが
でき、こうすることによつて着色した時の色の深
みと鮮明性に優れ、且つ摩擦による変色が充撫に
小さく、耐フイブリル性にも優れたポリエステル
繊維が得られることを見出し、先に提案した。 そして、上記ポリエステル繊維の加工法と特性
について更に重ねて検討した結果、特に高アルカ
リ減量率下において上記した色彩効果に加えて、
織編物のドレープ性が著しく向上することを見出
すに到つた。 しかしながら、上記したポリエステル繊維もア
ルカリ金属スルホネート基を有するイソフタル酸
成分を共重合せしめてカチオン染料可染型に改質
すると、形成される微細孔の大きさが粗大化する
傾向があり、特に高アルカリ減量率下においては
微細孔の粗大化が著しく進むため、上記した色彩
効果及び風合効果が得られ難いという問題が認め
られた。 本発明者は、かかる問題を、ポリエステル中の
析出粒子の微細分散性を更に向上せしめることに
よつて解決せんとして鋭意検討を重ねた結果、無
機アンモニウムイオンを有する化合物を併用する
ことによつてポリエステル中の析出粒子の分散性
が著しく改善されて極めて微細な粒子分散性が得
られるようになり、通常のポリエステル繊維のみ
ならずカチオン染料可染型の改質ポリエステル繊
維となしても、高アルカリ減量率下格段に微細な
表面凹凸が形成され、色彩改善効果だけでなく、
光沢とドレープ性更にはドライな風合付与効果の
大幅な向上が達成できることを見出した。 又、本発明で得られるポリエステルは上記した
如く改善された粒子分散性を有するために、透明
性と易滑性に優れたフイルムとすることができ、
オーデイオ用、ビデオ用、コンピユーター用等の
磁気テープ用、フロツピーデイスク等の磁気記録
媒体用、写真用、グラフイツクアート用、スタン
ピングホイール用、金銀糸等の装飾糸用、コンデ
ンサー等の電気材料用等のフイルム用原料として
も極めて有用であることを知見した。 本発明はこれらの知見に基づいて更に重ねて検
討した結果完成したものである。 d 発明の構成 即ち、本発明はテレフタル酸を主とする二官能
性カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と少
なくとも一種のアルキレングリコールとを反応さ
せてポリエステルを製造するに当り、該製造反応
が完了するまでの任意の段階で、 (a) 該二官能性カルボン酸成分に対して0.1〜5
モル%の下記一般式(I) 〔但し、RはH又は一価の有機基、Xは
OH、OR′又は一価の有機基(但し、R′は一価
の有機基)、Qは金属、H又は一価の有機基、
nは1又は0である。〕 で表わされるリン化合物、 (b) (a)と(b)の金属の当量数の合計量が(a)のリン化
合物のモル数に対して2.0〜3.2倍となる量のア
ルカリ土類金属化合物及び/又はアルカリ金属
化合物及び (c) 該二官能性カルボン酸成分に対して0.001〜
0.5モル%の下記一般式() 〔NH4〕+A- ……() 〔但し、Aはアニオン残基を示す〕 を添加配合することを特徴とする不溶性微粒子が
均一に分散してなるポリエステルの製造方法であ
る。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル、好ましくはエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールから選
ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール、若しくは他のジオール
成分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフ
タリンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、
ジフエノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上記グリコー
ル以外のジオール化合物としては例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフエノールA、ビスフエノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物
及びポリオキシアルキレングリコール等をあげる
ことができる。特に二官能性カルボン酸成分の1
〜7モル%を5−ナトリウムスルホイソフタル酸
の如きアルカリ金属スルホネート基を含むイソフ
タル酸成分で置き換えた改質ポリエステルは本発
明の効果が著しいため、好ましいポリエステルで
ある。 更にポリエステルが実質的に線状である範囲で
トリメリツト酸、ピロメリツト酸の熱きポリカル
ボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトールの如きポリオールを使用す
ることができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常、テレフタル酸と
エチレングリコールとを直接エステル化反応させ
るか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応せるか又はテレフタル酸とエ
チレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタ
ル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合
体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反
応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるま
で重縮合反応させる第2段階の反応によつて製造
される。 本発明で使用するリン化合物は下記一般式
(I) で表わされるリン化合物であり、式中、RはH又
は一価の有機基であつて、なかでも一価の有機基
が好ましい。この一価の有機基は具体的には、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基又は
〔(CH2)lO〕kR″(但し、R″はH、アルキル基、
アリール基又はアラルキル基、lは2以上の整
数、kは1以上の整数)等が好ましい。Xは
OH、OR′又は一価の有機基であり、R′は上記R
における一価の有機基の定義と同様であつて、
R′とRとは同一でも異なつていてもよく、また
一価の有機基としては、上記Rにおける有機基の
定義と同様であつて、Rと同一でも異なつていて
もよい。Qは金属、H又は一価の有機基であり、
なかでも金属が好ましい。Qにおける金属として
はアルカリ土類金属、アルカリ金属が好ましく、
より好ましくはLi、Na、K、Mg1/2、Ca1/2、
Sr1/2、Ba1/2をあげることができ、なかでもCa
1/2が特に好ましい。Qにおける一価の有機基は、
上記R及びR′における有機基の定義と同様であ
つて、R,R′と同一でも異なつていてもよい。
nは1又は0である。 かかるリン化合物としては、例えば正リン酸、
リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ト
リブチル、リン酸トリフエニルの如きリン酸トリ
エステル、メチルアシドホスフエート、エチルア
シドホスフエート、イソプロピルアシツドホスフ
エート、ブチルアシドホスフエートの如きリン酸
モノ及びジエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメ
チル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル
の如き亜リン酸トリエステル、メチルアシドホス
フアイト、エチルアシドホスフアイト、イソプロ
ピルアシツドホスフエート、ブチルアシドホスフ
アイトの如き亜リン酸モノ及びジエステル、メチ
ルホスホン酸、フエニルホスホン酸の如きホスホ
ン酸、メチルホスホン酸ジメチル、フエニルホス
ホン酸ジメチルの如きホスホン酸エステル、上記
リン化合物をグリコール及び/又は水と反応する
ことにより得られるリン化合物、更に上記リン化
合物を所定量のLi、Na、Kの如きアルカリ金属
の化合物又はMg、Ca、Sr、Baの如きアルカリ
土類金属の化合物と反応することにより得られる
含金属リン化合物等から選ばれた1種以上のリン
化合物を用いることができる。 上記含金属リン化合物を製造するには、通常正
リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、正リン酸エステ
ル(モノ、ジ又はトリ)、亜リン酸エステル(モ
ノ、ジ又はトリ)又はホスホン酸エステルと所定
量の対応する金属の化合物とを溶媒の存在下必要
に応じて加熱下反応させることによつて容易に得
られる。なお、この際溶媒として対象ポリエステ
ルの原料として使用するグリコールを使用するの
が最も好ましい。 本発明において、上記リン化合物と併用する金
属化合物としては、上記リン化合物と反応してポ
リエステルに不溶性の塩を形成するアルカリ土類
金属及び/又はアルカリ金属の化合物であれば特
に制限はなく、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ
土類金属、Li、Na、Kのアルカリ金属の酢酸塩、
しゆう酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、ステアリ
ン酸塩のような有機カルボン酸塩、硼酸塩、硫酸
塩、珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩の如き無機酸塩、
塩化物の如きハロゲン化物、エチレンジアミン4
酢酸錯塩の如きキレート化合物、水酸化物、酸化
物、メチラート、エチレート、グリコレートの如
きアルコラート類、フエノラート等をあげること
ができる。特にエチレングリコールに可溶性であ
る有機カルボン酸塩、ハロゲン化物、キレート化
合物、アルコラートが好ましく、なかでも有機カ
ルボン酸塩が特に好ましい。また、アルカリ土類
金属としてはCaが特に好ましい。上記の金属化
合物は1種のみ単独で使用しても、2種以上併用
してもよい。 上記リン化合物及び金属化合物を配合するに当
つて、得られる繊維にアルカリ減量処理を施すこ
とによつて優れた色の深み、鮮明性及び優れたド
レープ性を与え、また得られるフイルムに優れた
透明性と易滑性を与えるためには、リン化合物の
使用量及び該リン化合物の使用量に対する金属化
合物の使用量の比を特定する必要がある。即ち、
本発明で使用するリン化合物の添加量はあまりに
少ないと得られるポリエステル繊維の深み、ドレ
ープ性やフイルムの易滑性が不充分になり、逆に
あまりに多くすると繊維やフイルムの透明性や耐
摩擦耐久性が低下するようになる。このため、リ
ン化合物の添加量はポリエステルを構成する二官
能性カルボン酸成分に対して0.1〜5モル%の範
囲にすべきである。また、金属化合物の添加量
が、該金属化合物と上記リン化合物の金属の当量
数の合計量が該リン化合物のモル数に対して2.0
倍より少ない量では得られるポリエステル繊維の
色の深み、ドレープ性やフイルムの易滑性が不充
分になり、その上生成ポリエステルの軟化点が低
下するようになる。逆に、この量が3.2倍を越え
る量の金属化合物を使用すると粗大粒子が生成
し、繊維やフイルムの透明性が低下すると共に、
繊維の色の深み、ドレープ性及び摩擦耐久性が低
下するようになる。このため、リン化合物のモル
数に対する金属化合物とリン化合物の金属の当量
数の合計量は2.0〜3.2倍の範囲にすることが必要
である。 上記リン化合物と金属化合物とは予め反応させ
ることなくポリエステル反応系に添加することが
必要であり、こうすることによつて不溶性粒子を
ポリエステル中に均一な超微分散状態で容易に生
成せしめることができる。予め外部で上記リン化
合物と金属化合物とを反応させて不溶性粒子とし
た後にポリエステル反応系に添加することが必要
であり、こうすることによつて不溶性粒子をポリ
エステル中に均一な超微分散状態で容易に生成せ
しめることができる。予め外部で上記リン化合物
と金属化合物とを反応させて不溶性粒子とした後
にポリエステル反応系に添加したのでは、ポリエ
ステル中の不溶性粒子の分散性が悪くなつて粗大
凝集粒子が含有されるようになるので好ましくな
い。 上記のリン化合物及び金属化合物の添加は、そ
れぞれポリエステルの合成が完了するまでの任意
の段階において、任意の順序で行なうことができ
る。しかし、リン化合物のみを第1段階の反応が
未終了の段階で添加したのでは、第1段階の反応
の完結が阻害されることがあり、また金属化合物
のみを第1段階の反応の前半に添加すると、この
反応がエステル化反応のときは、この反応中に粗
大粒子が発生したり、エステル交換反応のとき
は、その反応が異常に早く進行し突沸現象を引起
すことがあるので、この場合、通常の触媒として
の使用量をあまりに超えない程度とするのが好ま
しい。金属化合物の残量及びリン化合物全量の添
加時期は、ポリエステルの合成の第1段階の反応
の後半(反応率50%以上の段階)以降であること
が好ましい。また、リン化合物及び金属化合物の
添加時期が、第2段階の反応があまりに進行した
段階では、粒子の凝集、粗大化が生じ易いので、
第2段階の反応における反応混合物の極限粘度が
0.3に到達する以前であることが好ましい。 上記のリン化合物及び金属化合物はそれぞれ一
時に添加しても、2回以上に分割して添加して
も、又は連続的に添加してもよい。 本発明においては、第1段階の反応に任意の触
媒を使用することができるが、上記金属化合物の
中で第1段階の反応、特にエステル交換反応の触
媒能を有するものがあり、かかる化合物を使用す
る場合は別に触媒を使用することを要さず、この
金属化合物を第1段階の反応開始前又は反応中に
添加して、触媒としても兼用することができる
が、前述した如く突沸現象を引起すことがあるの
で、その使用量は通常の触媒としての使用量をあ
まりに超えない範囲にとどめるのが好ましい。 本発明において、上記リン化合物と金属化合物
との反応により析出せしめる不溶性微粒子の分散
剤として使用する無機アンモニウムイオンを有す
る化合物は、下記一般式() 〔NH4〕+A- ……() で表わされるアンモニウム化合物である。式中A
はアニオン残基であつて、有機および無機のアニ
オン残基を含み、例えば、酢酸塩、しゆう酸塩、
安息香酸塩、フタル酸塩、ステアリン酸塩等のよ
うな有機カルボン酸塩のアニオン残基、硼酸塩、
硫酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、炭酸
塩、重炭酸塩、チオシアン酸塩等のような無機酸
塩のアニオン残基、塩化物等のようなハライド、
ハイドロオキサイド、ハイドロサルフエート、ア
ルキルサルフエート、アルキルエーテルサルフエ
ート、アルキルスルホネート、アルキルベンゼン
スルホネート、トシレートのアニオン残基等を例
示することができる。 かかるアンモニウム化合物の好ましい具体例と
しては、酢酸アンモニウム、しゆう酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、水
酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、アンモニ
ウムエトサルフエート、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸アンモニウム、平均の炭素数が14であるアル
キルスルホン酸アンモニウム、p−トルエンスル
ホン酸アンモニウム(アンモニウムトシレート)、
硼酸アンモニウム、塩化アンモニウム、ギ酸アン
モニウム、アンモニウムアミドサルフエート、酒
石酸アンモニウム、アンモニウムアミノフオルメ
ート(NH2COONH4)、8−アニリノ−1−ナフ
タレンスルホン酸アンモニウム、カルバミン酸ア
ンモニウム、クエン酸アンモニウム、リン酸アン
モニウム、次亜リン酸アンモニウム、サリチル酸
アンモニウム、コハク酸アンモニウム、スルフア
ミン酸アンモニウム、スルフアニル酸アンモニウ
ム、チオグリコール酸アンモニウム等をあげるこ
とができる。 上記アンモニウム化合物の配合量は、あまりに
少ないとポリエステル中の内部析出粒子の分散性
を改善する効果が不充分となり、この量を多くす
るに従つて粒子分散性は向上するが、あまりに多
くなると最早粒子分散性は著しい向上を示さず、
かえつてポリマーが黄色に着色するようになる。
このため、アンモニウム化合物の配合量は前記二
官能性カルボン酸成分に対して0.001〜0.5モル%
の範囲とすべきであり、特に0.01〜0.3モル%の
範囲が好ましい。 かかるアンモニウム化合物の添加時期は前記し
たポリエステルの合成が完了するまでの任意の段
階でよく、例えばポリエステルの原料中に添加混
合しても、第1段階の反応中に添加しても、第1
段階の反応終了後から第2段階の反応開始までの
間に添加しても、第2段階の反応中に添加しても
よい。 上記アンモニウム化合物は前記リン化合物及
び/又は金属化合物と混合して添加することもで
き、このようにすることは粒子分散性の点から好
ましいことである。特に、リン化合物、金属化合
物及びアンモニウム化合物の3者を混合透明溶液
となして添加するのが最も好ましい。 e 発明の効果 以上説明したように、本発明にあつては、(a)前
記リン化合物の特定量、(b)該リン化合物に対して
特定量比のアルカリ土類金属化合物及び/又はア
ルカリ金属化合物及び(c)アンモニウム化合物をポ
リエステル反応系に添加し、しかる後ポリエステ
ルの製造を完了することによつて、特に著しく内
部粒子の分散性が改善される。そしてこうするこ
とによつて極めて微細に分散した内部粒子を含有
し、高重合度、高軟化点、高白度及び良好な製
糸、製膜化工程通過性を有し、且つ繊維となした
後アルカリ減量処理を施すことによつて高アルカ
リ減量率下においても極めて微細かつ緻密な繊維
表面凹凸が形成され、ドレープ性、ドライ風合、
色の深み、鮮明性、光沢及び摩擦耐久性に著しく
優れたポリエステル繊維を与えることができ、ま
た製膜化した際透明易滑性が極めて優れたポリエ
ステルフイルムを与えることのできるポリエステ
ルを得ることができるのである。 更に、繊維を構成する基体ポリエステルがカチ
オン染料可染型の改質ポリエステルである場合に
は、アルカリ減量処理を施すことによつて形成さ
れる細孔が特に粗大となる傾向があるため、本発
明の方法を適用する効果が特に大きい。かかるカ
チオン染料可染型の改質ポリエステルとしては、
例えばポリエステルを構成する二官能性カルボン
酸成分に対して1〜7モル%のアルカリ金属スル
ホネート基を有するイソフタル酸成分を共重合せ
しめたポリエステルをあげることができる。 なお、本発明の方法により得られるポリエステ
ルには、必要に応じて任意の添加剤、例えば触
媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、螢光増白剤、
艷消剤、着色剤等が含まれていてもよい。 f 実施例 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部及び%は重量部及び重量%を示し、得られる
ポリエステル繊維を染色した際の色の深み及び耐
摩擦変色性は以下の方法で測定した。 (i) 色の深み 色の深みを示す尺度としては、深色度(K/
S)を用いた。この値はサンプル布の分光反射
率(R)を島津RC−330型自記分光光度計にて
測定し、次に示すクペルカームンク(Kubelka
−Munk)の式から求めた。この値が大きいほ
ど深色効果が大きいことを示す。 K/S=(1−R)2/2R(測定波長500mμ) なお、Kは吸収係数、Sは散乱係数を示す。 (ii) 耐摩擦変色性 摩擦堅ろう度試験用の学振型平面摩耗機を使
用して、摩擦布としてポリエチレンテレフタレ
ート100%からなるジヨーゼツトを用い、試験
布を500gの加重下で所定回数平面摩耗して、
変色の発生の程度を変褪色用グレースケールで
判定した。耐摩耗性が極めて低い場合を1級と
し、極めて高い場合を5級とした。実用上4級
以上が必要である。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)をエステ
ル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけ
て140℃から230℃まで昇温して生成するメタノー
ルを系外に留去しながらエステル交換反応を行な
つた。続いて得られた反応生成物に、0.5部のリ
ン酸トリメチル(テレフタル酸ジメチルに対して
0.693モル%)と0.31部の酢酸カルシウム1水塩
(リン酸トリメチルに対して1/2倍モル)とを8.5
部のエチレングリコール中で120℃の温度におい
て全還流下60分間反応せしめて調製したリン酸ジ
エステルカルシウム塩の透明溶液9.31部に室温下
0.57部の酢酸カルシウム1水塩(リン酸トリメチ
ルに対して0.9倍モル)及び0.016部の酢酸アンモ
ニウム(テレフタル酸ジメチルに対して0.04モル
%)を溶解せしめて得たリン酸ジエステルカルシ
ウム塩、酢酸カルシウム及び酢酸アンモニウムの
混合透明溶液9.896部を添加し、次いで三酸化ア
ンチモン0.04部を添加して重合缶に移した。次い
で1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、
同時に1時間30分かけて230℃から285℃まで昇温
した。1mmHg以下の減圧下、重合温度285℃で更
に3時間、合計4時間30分重合して極限粘度
0.640、軟化点258℃のポリマーを得た。反応終了
後ポリマーを常法に従いチツプ化した。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を36個穿設した紡糸口金を使用して
290℃で溶融紡糸し、次いで常法に従つて延伸倍
率3.5倍で延伸して75デニール/36フイラメント
の原糸を得た。 この原糸にS撚2500T/m及びZ撚2500T/m
の強撚を施し、続いて該強撚糸を80℃で30分間蒸
熱処理して撚止めを行なつた。 該撚止め強撚糸を経密度47本/cm、緯密度32
本/cmでS、Z撚を2本交互に配して梨地ジヨー
ゼツト織物を製織した。 得られた生機をロータリーワツシヤーにて沸騰
温度で20分間リラツクス処理を施し、ジボ立てを
行ない、常法によりブリセツト後、3.5%の水酸
化ナトリウム水溶液で沸騰温度にて処理し、減量
率30%の布帛を得た。 このアルカリ処理後の布帛をDianix
BlackHG−FS(三菱化成工業(株)製品)15%owfで
130℃で60分間染色後、水酸化ナトリウム1g/
及びハイドロサルフアイト1g/を含む水溶液
にて70℃で20分間還元洗浄して黒染布を得た。こ
の黒色布の深み及び摩耗200回後の耐摩擦変色性
を第1表に示した。 この黒染布は優れたドレープ性とこしをもち、
極めてレーヨンライクな良好な風合を有してい
た。 実施例 2 実施例1においてアンモニウム化合物として使
用した酢酸アンモニウムに代えて0.012部の炭酸
アンモニウム1水塩(テレフタル酸ジメチルに対
して0.02モル%)を使用する以外は実施例1と同
様に行なつた。結果を第1表に示した。得られた
織物はレーヨン調のすぐれたドレープ性を有して
いた。 実施例 3 実施例1においてアンモニウム化合物として使
用した酢酸アンモニウムに代えて、0.016部の重
炭酸アンモ(テレフタル酸ジメチルに対して
0.039モル%)を使用する以外は実施例1と同様
に行ない、高いドレープ性を有するレーヨン調織
物を得た。結果を第1表に示した。 実施例 4 実施例1においてアンモニウム化合物として使
用した酢酸アンモニウムに代えて0.072部の25%
NH4OH水溶液(テレフタル酸ジメチルに対して
0.1モル%)を使用する以外は実施例1と同様に
行なつた。結果を第1表に示す通りであつた。 この織物は優れたドレープ性とこしを有し、風
合良好であつた。 比較例 1 実施例1において使用した酢酸アンモニウムを
使用しない以外は実施例1と同様に行なつた。結
果は第1表に示す通りであつた。 実施例 5 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)および三
酸化アンチモン0.04部をエステル交換缶に仕込
み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から230
℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去
しながらエステル交換反応を行なつた。続いて得
られた反応生成物に、予め酢酸カルシウム1水塩
の10%エチレングリコール溶液5.69部(酢酸カル
シウムとしてテレフタル酸ジメチルに対して
0.627モル%)に室温下酢酸アンモニウム0.024部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.06モル%)を
溶解せしめて得た混合溶液5.714部を添加し、更
に5分後にイソプロピルアシツドホスフエート
0.575部を添加した。次いでエチレングリコール
を系外に追出しながら内温を240℃まで昇温させ
た後反応混合物を重合釜に移した。 しかる後カチオン染料可染性共重合成分として
3,5−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)
ベンゼンスルホン酸ナトリウム3部(テレフタル
酸ジメチルに対して1.7モル%)およびエーテル
形成抑制剤として酢酸ナトリウム3水塩0.112部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.16モル%)を
重合釜に添加した。続いて1時間かけて760mmHg
から1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけ
て内温を280℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧
下、重合温度280℃で更に2時間30分、合計4時
間重合し、極限粘度0.552、軟化点252℃のポリマ
ーを得た。 このポリマーを用いて、以下実施例1と同様に
紡糸、延伸、強撚、撚止め、製織、シボ立て、プ
リセツト、アルカリ処理を行なつて減量率15%の
梨地ジヨーゼツト織物を得た。 このアルカリ処理の布帛をAizen Cathilon
Black CD−GLH(保土谷化学(株)製品)8%owf
で芒硝2g/を含む染浴中にて120℃で60分間染
色後、常法に従つてソーピングを行ない黒染布を
得た。この黒染布の色の深みおよび摩耗200回後
の耐摩擦変色性は第1表に示した通りであつた。
得られた織物は極めてトリアセテートライクであ
り、光沢のある深い黒色とドライタツチな風合を
呈した。 比較例 2 実施例5において使用した、酢酸アンモニウム
を使用しない以外は実施例5と同様に行なつた。
結果を第1表に示す。
に詳細には、粒子分散性が改善され、フイルムに
した場合透明性が易滑性が優れ、繊維となしてア
ルカリ減量を施した場合極めて微細な凹凸が繊維
表面に形成されて、染色した際に優れた色の深み
と鮮明性を呈すると共にレーヨン調の優れたドレ
ープ性やトリアセテート調の優れたドライタツチ
風合をもつた織編物を得るのに適したポリエステ
ルの製造方法に関する。 b 従来技術 ポリエステルは多くの優れた特性を有するがゆ
えに繊維、フイルムとして広く使用されている。
しかしながら、ポリエステル繊維は羊毛や絹の如
き天然繊維、レーヨンやアセテートの如き繊維素
系繊維、アクリル系繊維等に比較して、着色した
際に色に深みがなく、発色性、鮮明性に劣る欠点
がある。 従来より、この欠点を解消せんとして、染料の
改善やポリエステルの化学改質等が試みられてき
たが、いずれも充分な効果は得られていない。ま
た、ポリエステル繊維表面に透明薄膜を形成させ
る方法や織編物表面に80〜500mA・sec/cm3のプ
ラズマ照射を施して繊維表面に微細な凹凸を形成
させる方法等が提案されている。しかしながら、
これらの方法によつても、色の深みを改善する効
果は不充分であり、その上繊維表面に形成された
透明薄膜は洗濯等によつて容易に脱落し、その耐
久性も不充分であり、プラズマ照射を施す方法で
は、照射面の影になる繊維部分の繊維の表面に凹
凸が生じないため、着用中に生じる繊維組識内で
の糸の転び等によつて平滑繊維面が表面にでて色
斑になる欠点がある。 他方、ポリエステル繊維の表面に凹凸を付与す
る方法として、ポリオキシエチレングリコール又
はポリオキシエチレングリコールとスルホン酸化
合物を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ水溶液で処理することにより繊維軸方向に配
列した皺状の微細孔を繊維表面に形成させる吸湿
性繊維の製造法、又は酸化亜鉛、リン酸カルシウ
ム等の如き不活性無機物質の微粒子をポリエステ
ル反応系内に添加配合せしめて得られるポリエス
テル繊維を、アルカリ水溶液で処理して無機微粒
子を溶出することにより微細孔を形成させる吸湿
性繊維の製造法等が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法によつて得られる繊維には、色
の深みを改善する効果は認められず、かえつて視
感濃度の低下が認められる。即ち、これらの方法
において、アルカリ水溶液による処理が充分でな
いときは、色の深みを改善する効果は全く認めら
れず、また、アルカリ水溶液による処理が充分な
ときは、色の深みを改善するどころか、微細孔に
よる光の乱反射によるためか、視感濃度が低下
し、濃色に着色しても白つぽく見えるようにな
り、その上得られる繊維の強度が著しく低下し、
容易にフイブリル化するようになり、実用に耐え
ない。 また、粒子径80mμ以下のシリカの如き無機微
粒子を配合したポリエステルよりなる繊維をアル
カリ減量処理して、繊維表面に0.2〜0.7μの不規
則な凹凸を付与すると共にこの凹凸内に50〜
200mμの微細な凹凸を存在せしめることによつて
色の深みを改善する方法が提案されている。しか
しながら、この方法によつても、色の深みを改善
する効果は不充分であり、その上かかる極めて複
雑な凹凸形態によるためか、摩擦等の外部からの
物理作用により凹凸が破壊され、破壊された部分
が他の破壊されていない部分と比べて大きく変色
したり光沢の差を生じたり、更には容易にフイブ
リル化するという欠点がある。 一方、ポリエステル繊維が未開拓である分野と
してレーヨン調風合があり、特に婦人服分野では
優れたドレープ性とこしをもち、高級感のあるロ
マンチツクなシルエツトを表現できるレーヨン調
風合が求められている。しかしながら、従来かか
るレーヨンのもつ高いドレープ性とこしを併せ有
するポリエステル繊維は得られなかつた。 他方、トリアセテート調の鮮明染色性と光沢、
更にはドライタツチな風合を併せもつ清涼感に富
んだポリエステル繊維が求められているが、従来
かかるポリエステル繊維も得られなかつた。 c 発明の目的 本発明者は、ポリエステル繊維に微細孔を付与
することによつて、上記欠点がなく、しかも色の
深みと鮮明性に優れたポリエステル繊維を提供せ
んとして鋭意検討を行なつた結果、特定量のリン
化合物とこのリン化合物に対して特定量比のアル
カリ土類金属化合物をポリエステル反応系に添加
し、系内で不溶性微粒子を反応析出せしめ、得ら
れた不溶性微粒子を含有するポリエステルを溶融
紡糸したポリエステル繊維をアルカリ処理するこ
とによつて、可視光線の波長の大きさよりも小さ
な特殊な凹凸を繊維表面の全面に形成することが
でき、こうすることによつて着色した時の色の深
みと鮮明性に優れ、且つ摩擦による変色が充撫に
小さく、耐フイブリル性にも優れたポリエステル
繊維が得られることを見出し、先に提案した。 そして、上記ポリエステル繊維の加工法と特性
について更に重ねて検討した結果、特に高アルカ
リ減量率下において上記した色彩効果に加えて、
織編物のドレープ性が著しく向上することを見出
すに到つた。 しかしながら、上記したポリエステル繊維もア
ルカリ金属スルホネート基を有するイソフタル酸
成分を共重合せしめてカチオン染料可染型に改質
すると、形成される微細孔の大きさが粗大化する
傾向があり、特に高アルカリ減量率下においては
微細孔の粗大化が著しく進むため、上記した色彩
効果及び風合効果が得られ難いという問題が認め
られた。 本発明者は、かかる問題を、ポリエステル中の
析出粒子の微細分散性を更に向上せしめることに
よつて解決せんとして鋭意検討を重ねた結果、無
機アンモニウムイオンを有する化合物を併用する
ことによつてポリエステル中の析出粒子の分散性
が著しく改善されて極めて微細な粒子分散性が得
られるようになり、通常のポリエステル繊維のみ
ならずカチオン染料可染型の改質ポリエステル繊
維となしても、高アルカリ減量率下格段に微細な
表面凹凸が形成され、色彩改善効果だけでなく、
光沢とドレープ性更にはドライな風合付与効果の
大幅な向上が達成できることを見出した。 又、本発明で得られるポリエステルは上記した
如く改善された粒子分散性を有するために、透明
性と易滑性に優れたフイルムとすることができ、
オーデイオ用、ビデオ用、コンピユーター用等の
磁気テープ用、フロツピーデイスク等の磁気記録
媒体用、写真用、グラフイツクアート用、スタン
ピングホイール用、金銀糸等の装飾糸用、コンデ
ンサー等の電気材料用等のフイルム用原料として
も極めて有用であることを知見した。 本発明はこれらの知見に基づいて更に重ねて検
討した結果完成したものである。 d 発明の構成 即ち、本発明はテレフタル酸を主とする二官能
性カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と少
なくとも一種のアルキレングリコールとを反応さ
せてポリエステルを製造するに当り、該製造反応
が完了するまでの任意の段階で、 (a) 該二官能性カルボン酸成分に対して0.1〜5
モル%の下記一般式(I) 〔但し、RはH又は一価の有機基、Xは
OH、OR′又は一価の有機基(但し、R′は一価
の有機基)、Qは金属、H又は一価の有機基、
nは1又は0である。〕 で表わされるリン化合物、 (b) (a)と(b)の金属の当量数の合計量が(a)のリン化
合物のモル数に対して2.0〜3.2倍となる量のア
ルカリ土類金属化合物及び/又はアルカリ金属
化合物及び (c) 該二官能性カルボン酸成分に対して0.001〜
0.5モル%の下記一般式() 〔NH4〕+A- ……() 〔但し、Aはアニオン残基を示す〕 を添加配合することを特徴とする不溶性微粒子が
均一に分散してなるポリエステルの製造方法であ
る。 本発明でいうポリエステルは、テレフタル酸を
主たる酸成分とし、少なくとも1種のグリコー
ル、好ましくはエチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコールから選
ばれた少なくとも1種のアルキレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルを主た
る対象とする。 また、テレフタル酸成分の一部を他の二官能性
カルボン酸成分で置換えたポリエステルであつて
もよく、及び/又はグリコール成分の一部を主成
分以外の上記グリコール、若しくは他のジオール
成分で置換えたポリエステルであつてもよい。 ここで使用されるテレフタル酸以外の二官能性
カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフ
タリンジカルボン酸、ジフエニルジカルボン酸、
ジフエノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキ
シエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セ
バシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸
の如き芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボ
ン酸をあげることができる。また、上記グリコー
ル以外のジオール化合物としては例えばシクロヘ
キサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、ビスフエノールA、ビスフエノールS
の如き脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物
及びポリオキシアルキレングリコール等をあげる
ことができる。特に二官能性カルボン酸成分の1
〜7モル%を5−ナトリウムスルホイソフタル酸
の如きアルカリ金属スルホネート基を含むイソフ
タル酸成分で置き換えた改質ポリエステルは本発
明の効果が著しいため、好ましいポリエステルで
ある。 更にポリエステルが実質的に線状である範囲で
トリメリツト酸、ピロメリツト酸の熱きポリカル
ボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトールの如きポリオールを使用す
ることができる。 かかるポリエステルは任意の方法によつて合成
したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレ
ートについて説明すれば、通常、テレフタル酸と
エチレングリコールとを直接エステル化反応させ
るか、テレフタル酸ジメチルの如きテレフタル酸
の低級アルキルエステルとエチレングリコールと
をエステル交換反応せるか又はテレフタル酸とエ
チレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタ
ル酸のグリコールエステル及び/又はその低重合
体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反
応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるま
で重縮合反応させる第2段階の反応によつて製造
される。 本発明で使用するリン化合物は下記一般式
(I) で表わされるリン化合物であり、式中、RはH又
は一価の有機基であつて、なかでも一価の有機基
が好ましい。この一価の有機基は具体的には、ア
ルキル基、アリール基、アラルキル基又は
〔(CH2)lO〕kR″(但し、R″はH、アルキル基、
アリール基又はアラルキル基、lは2以上の整
数、kは1以上の整数)等が好ましい。Xは
OH、OR′又は一価の有機基であり、R′は上記R
における一価の有機基の定義と同様であつて、
R′とRとは同一でも異なつていてもよく、また
一価の有機基としては、上記Rにおける有機基の
定義と同様であつて、Rと同一でも異なつていて
もよい。Qは金属、H又は一価の有機基であり、
なかでも金属が好ましい。Qにおける金属として
はアルカリ土類金属、アルカリ金属が好ましく、
より好ましくはLi、Na、K、Mg1/2、Ca1/2、
Sr1/2、Ba1/2をあげることができ、なかでもCa
1/2が特に好ましい。Qにおける一価の有機基は、
上記R及びR′における有機基の定義と同様であ
つて、R,R′と同一でも異なつていてもよい。
nは1又は0である。 かかるリン化合物としては、例えば正リン酸、
リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸ト
リブチル、リン酸トリフエニルの如きリン酸トリ
エステル、メチルアシドホスフエート、エチルア
シドホスフエート、イソプロピルアシツドホスフ
エート、ブチルアシドホスフエートの如きリン酸
モノ及びジエステル、亜リン酸、亜リン酸トリメ
チル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブチル
の如き亜リン酸トリエステル、メチルアシドホス
フアイト、エチルアシドホスフアイト、イソプロ
ピルアシツドホスフエート、ブチルアシドホスフ
アイトの如き亜リン酸モノ及びジエステル、メチ
ルホスホン酸、フエニルホスホン酸の如きホスホ
ン酸、メチルホスホン酸ジメチル、フエニルホス
ホン酸ジメチルの如きホスホン酸エステル、上記
リン化合物をグリコール及び/又は水と反応する
ことにより得られるリン化合物、更に上記リン化
合物を所定量のLi、Na、Kの如きアルカリ金属
の化合物又はMg、Ca、Sr、Baの如きアルカリ
土類金属の化合物と反応することにより得られる
含金属リン化合物等から選ばれた1種以上のリン
化合物を用いることができる。 上記含金属リン化合物を製造するには、通常正
リン酸、亜リン酸、ホスホン酸、正リン酸エステ
ル(モノ、ジ又はトリ)、亜リン酸エステル(モ
ノ、ジ又はトリ)又はホスホン酸エステルと所定
量の対応する金属の化合物とを溶媒の存在下必要
に応じて加熱下反応させることによつて容易に得
られる。なお、この際溶媒として対象ポリエステ
ルの原料として使用するグリコールを使用するの
が最も好ましい。 本発明において、上記リン化合物と併用する金
属化合物としては、上記リン化合物と反応してポ
リエステルに不溶性の塩を形成するアルカリ土類
金属及び/又はアルカリ金属の化合物であれば特
に制限はなく、Mg、Ca、Sr、Ba等のアルカリ
土類金属、Li、Na、Kのアルカリ金属の酢酸塩、
しゆう酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、ステアリ
ン酸塩のような有機カルボン酸塩、硼酸塩、硫酸
塩、珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩の如き無機酸塩、
塩化物の如きハロゲン化物、エチレンジアミン4
酢酸錯塩の如きキレート化合物、水酸化物、酸化
物、メチラート、エチレート、グリコレートの如
きアルコラート類、フエノラート等をあげること
ができる。特にエチレングリコールに可溶性であ
る有機カルボン酸塩、ハロゲン化物、キレート化
合物、アルコラートが好ましく、なかでも有機カ
ルボン酸塩が特に好ましい。また、アルカリ土類
金属としてはCaが特に好ましい。上記の金属化
合物は1種のみ単独で使用しても、2種以上併用
してもよい。 上記リン化合物及び金属化合物を配合するに当
つて、得られる繊維にアルカリ減量処理を施すこ
とによつて優れた色の深み、鮮明性及び優れたド
レープ性を与え、また得られるフイルムに優れた
透明性と易滑性を与えるためには、リン化合物の
使用量及び該リン化合物の使用量に対する金属化
合物の使用量の比を特定する必要がある。即ち、
本発明で使用するリン化合物の添加量はあまりに
少ないと得られるポリエステル繊維の深み、ドレ
ープ性やフイルムの易滑性が不充分になり、逆に
あまりに多くすると繊維やフイルムの透明性や耐
摩擦耐久性が低下するようになる。このため、リ
ン化合物の添加量はポリエステルを構成する二官
能性カルボン酸成分に対して0.1〜5モル%の範
囲にすべきである。また、金属化合物の添加量
が、該金属化合物と上記リン化合物の金属の当量
数の合計量が該リン化合物のモル数に対して2.0
倍より少ない量では得られるポリエステル繊維の
色の深み、ドレープ性やフイルムの易滑性が不充
分になり、その上生成ポリエステルの軟化点が低
下するようになる。逆に、この量が3.2倍を越え
る量の金属化合物を使用すると粗大粒子が生成
し、繊維やフイルムの透明性が低下すると共に、
繊維の色の深み、ドレープ性及び摩擦耐久性が低
下するようになる。このため、リン化合物のモル
数に対する金属化合物とリン化合物の金属の当量
数の合計量は2.0〜3.2倍の範囲にすることが必要
である。 上記リン化合物と金属化合物とは予め反応させ
ることなくポリエステル反応系に添加することが
必要であり、こうすることによつて不溶性粒子を
ポリエステル中に均一な超微分散状態で容易に生
成せしめることができる。予め外部で上記リン化
合物と金属化合物とを反応させて不溶性粒子とし
た後にポリエステル反応系に添加することが必要
であり、こうすることによつて不溶性粒子をポリ
エステル中に均一な超微分散状態で容易に生成せ
しめることができる。予め外部で上記リン化合物
と金属化合物とを反応させて不溶性粒子とした後
にポリエステル反応系に添加したのでは、ポリエ
ステル中の不溶性粒子の分散性が悪くなつて粗大
凝集粒子が含有されるようになるので好ましくな
い。 上記のリン化合物及び金属化合物の添加は、そ
れぞれポリエステルの合成が完了するまでの任意
の段階において、任意の順序で行なうことができ
る。しかし、リン化合物のみを第1段階の反応が
未終了の段階で添加したのでは、第1段階の反応
の完結が阻害されることがあり、また金属化合物
のみを第1段階の反応の前半に添加すると、この
反応がエステル化反応のときは、この反応中に粗
大粒子が発生したり、エステル交換反応のとき
は、その反応が異常に早く進行し突沸現象を引起
すことがあるので、この場合、通常の触媒として
の使用量をあまりに超えない程度とするのが好ま
しい。金属化合物の残量及びリン化合物全量の添
加時期は、ポリエステルの合成の第1段階の反応
の後半(反応率50%以上の段階)以降であること
が好ましい。また、リン化合物及び金属化合物の
添加時期が、第2段階の反応があまりに進行した
段階では、粒子の凝集、粗大化が生じ易いので、
第2段階の反応における反応混合物の極限粘度が
0.3に到達する以前であることが好ましい。 上記のリン化合物及び金属化合物はそれぞれ一
時に添加しても、2回以上に分割して添加して
も、又は連続的に添加してもよい。 本発明においては、第1段階の反応に任意の触
媒を使用することができるが、上記金属化合物の
中で第1段階の反応、特にエステル交換反応の触
媒能を有するものがあり、かかる化合物を使用す
る場合は別に触媒を使用することを要さず、この
金属化合物を第1段階の反応開始前又は反応中に
添加して、触媒としても兼用することができる
が、前述した如く突沸現象を引起すことがあるの
で、その使用量は通常の触媒としての使用量をあ
まりに超えない範囲にとどめるのが好ましい。 本発明において、上記リン化合物と金属化合物
との反応により析出せしめる不溶性微粒子の分散
剤として使用する無機アンモニウムイオンを有す
る化合物は、下記一般式() 〔NH4〕+A- ……() で表わされるアンモニウム化合物である。式中A
はアニオン残基であつて、有機および無機のアニ
オン残基を含み、例えば、酢酸塩、しゆう酸塩、
安息香酸塩、フタル酸塩、ステアリン酸塩等のよ
うな有機カルボン酸塩のアニオン残基、硼酸塩、
硫酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、炭酸
塩、重炭酸塩、チオシアン酸塩等のような無機酸
塩のアニオン残基、塩化物等のようなハライド、
ハイドロオキサイド、ハイドロサルフエート、ア
ルキルサルフエート、アルキルエーテルサルフエ
ート、アルキルスルホネート、アルキルベンゼン
スルホネート、トシレートのアニオン残基等を例
示することができる。 かかるアンモニウム化合物の好ましい具体例と
しては、酢酸アンモニウム、しゆう酸アンモニウ
ム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、水
酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、アンモニ
ウムエトサルフエート、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸アンモニウム、平均の炭素数が14であるアル
キルスルホン酸アンモニウム、p−トルエンスル
ホン酸アンモニウム(アンモニウムトシレート)、
硼酸アンモニウム、塩化アンモニウム、ギ酸アン
モニウム、アンモニウムアミドサルフエート、酒
石酸アンモニウム、アンモニウムアミノフオルメ
ート(NH2COONH4)、8−アニリノ−1−ナフ
タレンスルホン酸アンモニウム、カルバミン酸ア
ンモニウム、クエン酸アンモニウム、リン酸アン
モニウム、次亜リン酸アンモニウム、サリチル酸
アンモニウム、コハク酸アンモニウム、スルフア
ミン酸アンモニウム、スルフアニル酸アンモニウ
ム、チオグリコール酸アンモニウム等をあげるこ
とができる。 上記アンモニウム化合物の配合量は、あまりに
少ないとポリエステル中の内部析出粒子の分散性
を改善する効果が不充分となり、この量を多くす
るに従つて粒子分散性は向上するが、あまりに多
くなると最早粒子分散性は著しい向上を示さず、
かえつてポリマーが黄色に着色するようになる。
このため、アンモニウム化合物の配合量は前記二
官能性カルボン酸成分に対して0.001〜0.5モル%
の範囲とすべきであり、特に0.01〜0.3モル%の
範囲が好ましい。 かかるアンモニウム化合物の添加時期は前記し
たポリエステルの合成が完了するまでの任意の段
階でよく、例えばポリエステルの原料中に添加混
合しても、第1段階の反応中に添加しても、第1
段階の反応終了後から第2段階の反応開始までの
間に添加しても、第2段階の反応中に添加しても
よい。 上記アンモニウム化合物は前記リン化合物及
び/又は金属化合物と混合して添加することもで
き、このようにすることは粒子分散性の点から好
ましいことである。特に、リン化合物、金属化合
物及びアンモニウム化合物の3者を混合透明溶液
となして添加するのが最も好ましい。 e 発明の効果 以上説明したように、本発明にあつては、(a)前
記リン化合物の特定量、(b)該リン化合物に対して
特定量比のアルカリ土類金属化合物及び/又はア
ルカリ金属化合物及び(c)アンモニウム化合物をポ
リエステル反応系に添加し、しかる後ポリエステ
ルの製造を完了することによつて、特に著しく内
部粒子の分散性が改善される。そしてこうするこ
とによつて極めて微細に分散した内部粒子を含有
し、高重合度、高軟化点、高白度及び良好な製
糸、製膜化工程通過性を有し、且つ繊維となした
後アルカリ減量処理を施すことによつて高アルカ
リ減量率下においても極めて微細かつ緻密な繊維
表面凹凸が形成され、ドレープ性、ドライ風合、
色の深み、鮮明性、光沢及び摩擦耐久性に著しく
優れたポリエステル繊維を与えることができ、ま
た製膜化した際透明易滑性が極めて優れたポリエ
ステルフイルムを与えることのできるポリエステ
ルを得ることができるのである。 更に、繊維を構成する基体ポリエステルがカチ
オン染料可染型の改質ポリエステルである場合に
は、アルカリ減量処理を施すことによつて形成さ
れる細孔が特に粗大となる傾向があるため、本発
明の方法を適用する効果が特に大きい。かかるカ
チオン染料可染型の改質ポリエステルとしては、
例えばポリエステルを構成する二官能性カルボン
酸成分に対して1〜7モル%のアルカリ金属スル
ホネート基を有するイソフタル酸成分を共重合せ
しめたポリエステルをあげることができる。 なお、本発明の方法により得られるポリエステ
ルには、必要に応じて任意の添加剤、例えば触
媒、着色防止剤、耐熱剤、難燃剤、螢光増白剤、
艷消剤、着色剤等が含まれていてもよい。 f 実施例 以下に実施例をあげて更に説明する。実施例中
の部及び%は重量部及び重量%を示し、得られる
ポリエステル繊維を染色した際の色の深み及び耐
摩擦変色性は以下の方法で測定した。 (i) 色の深み 色の深みを示す尺度としては、深色度(K/
S)を用いた。この値はサンプル布の分光反射
率(R)を島津RC−330型自記分光光度計にて
測定し、次に示すクペルカームンク(Kubelka
−Munk)の式から求めた。この値が大きいほ
ど深色効果が大きいことを示す。 K/S=(1−R)2/2R(測定波長500mμ) なお、Kは吸収係数、Sは散乱係数を示す。 (ii) 耐摩擦変色性 摩擦堅ろう度試験用の学振型平面摩耗機を使
用して、摩擦布としてポリエチレンテレフタレ
ート100%からなるジヨーゼツトを用い、試験
布を500gの加重下で所定回数平面摩耗して、
変色の発生の程度を変褪色用グレースケールで
判定した。耐摩耗性が極めて低い場合を1級と
し、極めて高い場合を5級とした。実用上4級
以上が必要である。 実施例 1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)をエステ
ル交換缶に仕込み、窒素ガス雰囲気下4時間かけ
て140℃から230℃まで昇温して生成するメタノー
ルを系外に留去しながらエステル交換反応を行な
つた。続いて得られた反応生成物に、0.5部のリ
ン酸トリメチル(テレフタル酸ジメチルに対して
0.693モル%)と0.31部の酢酸カルシウム1水塩
(リン酸トリメチルに対して1/2倍モル)とを8.5
部のエチレングリコール中で120℃の温度におい
て全還流下60分間反応せしめて調製したリン酸ジ
エステルカルシウム塩の透明溶液9.31部に室温下
0.57部の酢酸カルシウム1水塩(リン酸トリメチ
ルに対して0.9倍モル)及び0.016部の酢酸アンモ
ニウム(テレフタル酸ジメチルに対して0.04モル
%)を溶解せしめて得たリン酸ジエステルカルシ
ウム塩、酢酸カルシウム及び酢酸アンモニウムの
混合透明溶液9.896部を添加し、次いで三酸化ア
ンチモン0.04部を添加して重合缶に移した。次い
で1時間かけて760mmHgから1mmHgまで減圧し、
同時に1時間30分かけて230℃から285℃まで昇温
した。1mmHg以下の減圧下、重合温度285℃で更
に3時間、合計4時間30分重合して極限粘度
0.640、軟化点258℃のポリマーを得た。反応終了
後ポリマーを常法に従いチツプ化した。 このチツプを常法により乾燥し、孔径0.3mmの
円形紡糸孔を36個穿設した紡糸口金を使用して
290℃で溶融紡糸し、次いで常法に従つて延伸倍
率3.5倍で延伸して75デニール/36フイラメント
の原糸を得た。 この原糸にS撚2500T/m及びZ撚2500T/m
の強撚を施し、続いて該強撚糸を80℃で30分間蒸
熱処理して撚止めを行なつた。 該撚止め強撚糸を経密度47本/cm、緯密度32
本/cmでS、Z撚を2本交互に配して梨地ジヨー
ゼツト織物を製織した。 得られた生機をロータリーワツシヤーにて沸騰
温度で20分間リラツクス処理を施し、ジボ立てを
行ない、常法によりブリセツト後、3.5%の水酸
化ナトリウム水溶液で沸騰温度にて処理し、減量
率30%の布帛を得た。 このアルカリ処理後の布帛をDianix
BlackHG−FS(三菱化成工業(株)製品)15%owfで
130℃で60分間染色後、水酸化ナトリウム1g/
及びハイドロサルフアイト1g/を含む水溶液
にて70℃で20分間還元洗浄して黒染布を得た。こ
の黒色布の深み及び摩耗200回後の耐摩擦変色性
を第1表に示した。 この黒染布は優れたドレープ性とこしをもち、
極めてレーヨンライクな良好な風合を有してい
た。 実施例 2 実施例1においてアンモニウム化合物として使
用した酢酸アンモニウムに代えて0.012部の炭酸
アンモニウム1水塩(テレフタル酸ジメチルに対
して0.02モル%)を使用する以外は実施例1と同
様に行なつた。結果を第1表に示した。得られた
織物はレーヨン調のすぐれたドレープ性を有して
いた。 実施例 3 実施例1においてアンモニウム化合物として使
用した酢酸アンモニウムに代えて、0.016部の重
炭酸アンモ(テレフタル酸ジメチルに対して
0.039モル%)を使用する以外は実施例1と同様
に行ない、高いドレープ性を有するレーヨン調織
物を得た。結果を第1表に示した。 実施例 4 実施例1においてアンモニウム化合物として使
用した酢酸アンモニウムに代えて0.072部の25%
NH4OH水溶液(テレフタル酸ジメチルに対して
0.1モル%)を使用する以外は実施例1と同様に
行なつた。結果を第1表に示す通りであつた。 この織物は優れたドレープ性とこしを有し、風
合良好であつた。 比較例 1 実施例1において使用した酢酸アンモニウムを
使用しない以外は実施例1と同様に行なつた。結
果は第1表に示す通りであつた。 実施例 5 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコ
ール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフ
タル酸ジメチルに対して0.066モル%)および三
酸化アンチモン0.04部をエステル交換缶に仕込
み、窒素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から230
℃まで昇温して生成するメタノールを系外に留去
しながらエステル交換反応を行なつた。続いて得
られた反応生成物に、予め酢酸カルシウム1水塩
の10%エチレングリコール溶液5.69部(酢酸カル
シウムとしてテレフタル酸ジメチルに対して
0.627モル%)に室温下酢酸アンモニウム0.024部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.06モル%)を
溶解せしめて得た混合溶液5.714部を添加し、更
に5分後にイソプロピルアシツドホスフエート
0.575部を添加した。次いでエチレングリコール
を系外に追出しながら内温を240℃まで昇温させ
た後反応混合物を重合釜に移した。 しかる後カチオン染料可染性共重合成分として
3,5−(β−ヒドロキシエトキシカルボニル)
ベンゼンスルホン酸ナトリウム3部(テレフタル
酸ジメチルに対して1.7モル%)およびエーテル
形成抑制剤として酢酸ナトリウム3水塩0.112部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.16モル%)を
重合釜に添加した。続いて1時間かけて760mmHg
から1mmHgまで減圧し、同時に1時間30分かけ
て内温を280℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧
下、重合温度280℃で更に2時間30分、合計4時
間重合し、極限粘度0.552、軟化点252℃のポリマ
ーを得た。 このポリマーを用いて、以下実施例1と同様に
紡糸、延伸、強撚、撚止め、製織、シボ立て、プ
リセツト、アルカリ処理を行なつて減量率15%の
梨地ジヨーゼツト織物を得た。 このアルカリ処理の布帛をAizen Cathilon
Black CD−GLH(保土谷化学(株)製品)8%owf
で芒硝2g/を含む染浴中にて120℃で60分間染
色後、常法に従つてソーピングを行ない黒染布を
得た。この黒染布の色の深みおよび摩耗200回後
の耐摩擦変色性は第1表に示した通りであつた。
得られた織物は極めてトリアセテートライクであ
り、光沢のある深い黒色とドライタツチな風合を
呈した。 比較例 2 実施例5において使用した、酢酸アンモニウム
を使用しない以外は実施例5と同様に行なつた。
結果を第1表に示す。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 テレフタル酸を主とする二官能性カルボン酸
又はそのエステル形成性誘導体と少なくとも一種
のアルキレングリコールとを反応させてポリエス
テルを製造するに当り、該製造反応が完了するま
での任意の段階で、 (a) 該二官能性カルボン酸成分に対して0.1〜5
モル%の下記一般式(I) 〔但し、RはH又は一価の有機基、Xは
OH、OR′又は一価の有機基(但し、R′は一価
の有機基)、Qは金属、H又は一価の有機基、
nは1又は0である。〕 で表わされるリン化合物、 (b) (a)と(b)の金属の当量数の合計量が(a)のリン化
合物のモル数に対して2.0〜3.2倍となる量のア
ルカリ土類金属化合物及び/又はアルカリ金属
化合物及び (c) 該二官能性カルボン酸成分に対して0.001〜
0.5モル%の下記一般式() 〔NH4〕+A- ……() 〔但し、Aはアニオン残基を示す〕 で表わされるアンモニウム化合物 を添加配合することを特徴とする不溶性微粒子が
均一に分散してなるポリエステルの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16474584A JPS6143625A (ja) | 1984-08-08 | 1984-08-08 | ポリエステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16474584A JPS6143625A (ja) | 1984-08-08 | 1984-08-08 | ポリエステルの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6143625A JPS6143625A (ja) | 1986-03-03 |
| JPH039930B2 true JPH039930B2 (ja) | 1991-02-12 |
Family
ID=15799102
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16474584A Granted JPS6143625A (ja) | 1984-08-08 | 1984-08-08 | ポリエステルの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6143625A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59145214A (ja) * | 1983-02-09 | 1984-08-20 | Teijin Ltd | ポリエステルの製造法 |
-
1984
- 1984-08-08 JP JP16474584A patent/JPS6143625A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6143625A (ja) | 1986-03-03 |
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