JPH043394B2 - - Google Patents

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JPH043394B2
JPH043394B2 JP11918184A JP11918184A JPH043394B2 JP H043394 B2 JPH043394 B2 JP H043394B2 JP 11918184 A JP11918184 A JP 11918184A JP 11918184 A JP11918184 A JP 11918184A JP H043394 B2 JPH043394 B2 JP H043394B2
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【発明の詳細な説明】
本発明は、新規な7,7−ジメチル−2,3−
エポキシ−11−メチレンスピロ〔5.5〕ウンデカ
−3−カルバルデヒド、その製造方法、及び該化
合物を有効成分とする肝障害改善剤に関するもの
である。 和漢薬ゴミシ(五味子)は、マツブサ
(Schizandraceae)のチヨウセンゴミシ
(Schizandrachinensis Baillon)の乾燥果実であ
り、古来より強壮、強精、鎮咳などの目的で漢方
処方に配合されている。本発明者等は、このゴミ
ン中に含まれるリグナン類が肝障害改善作用を有
することを見い出し発表した〔薬学雑誌,102
p579(1982)〕。 本発明者等は、その後、ゴミシ精油中の主成分
であり、リグナン類とは全く構造の異なる、カミ
グレナール(7,7−ジメチル−11−メチレンス
ピロ〔5.5〕ウンデカ−2−エン−3−カルバル
デヒド)にもリグナン類と同様の肝障害改善作用
があることを見い出し、さらにこのカミグレナー
ルを化学的に変換することにより、カミグレナー
ル関係の文献にも発表されたことのない新規な肝
障害改善作用を有する化合物である7,7−ジメ
チル−2,3−エポキシ−11−メチレンスピロ
〔5.5〕ウンデカ−3−カルバルデヒドを製造する
ことに成功し、本発明を完成した。 本発明の化合物は、式(1) で表される新規な7,7−ジメチル−2,3−エ
ポキシ−11−メチレンスピロ〔5.5〕ウンデカ−
3−カルバルデヒド〔以下、式(1)の化合物とい
う〕である。 式(1)の化合物は、式(2) で表されるカミグレナールに、溶剤中でアルカリ
条件下で過酸化水素を作用させることにより製造
することができる。 上記の式(1)の化合物の製造法に於て、原料とし
て用いる式(2)で表されるカミグレナールは、例え
ばゴミシを石油エーテル等の有機溶剤で抽出し、
抽出液をシリカゲルクロマトグラフイー、高速液
体クロマトグラフイー等に付すことにより得られ
る〔Y.Ohta and Y.Hirose,Tetrahedron
Letters No.20,p2483(1968)〕。 このカミグレナールの製造の具体例を示すと、
次の如くである。 具体例 ゴミシの粉末4.67Kgに24の石油エーテルを加
え、38℃で8時間加熱還流し、その抽出液を過
した。抽出残渣に同様の操作を2回施し、得られ
た抽出液を合わせて乾固し、エキス516gを得た。
このエキスをシリカゲル5Kgを用いたカラムクロ
マトグラフイーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチ
ル(94:6)で展開し、500mlずつ溶出させてフ
ラクシヨンを得た。次に各フラクシヨンの一部を
薄層クロマトグラフイーで展開(展開溶媒n−ヘ
キサン:酢酸エチル=17:3)し、アニスアルデ
ヒド、モリブデン酸、硫酸試液を噴霧して加熱し
た場合、Rf値約0.75にスポツトが認められたフラ
クシヨンを合併し、溶媒を留去してから更に高速
液体クロマトグラフイー〔機種:ウオーターズ
prep LC/システム500A、カラム:prep PAK
−500/C18(ウオーターズ社製)、溶媒:メタノー
ル:水=8:3、流速:0.15/min、保持時
間:24分〕で精製することにより微黄色油状の性
状を呈する物質6.91g(収率0.15%)を得た。こ
の物質の理化学的性質は文献に記されているカミ
グレナールのデータと一致した。 式(2)で表されるカミグレナールと過酸化水素と
の反応は、溶剤(例えばメタノール、エタノール
などのアルコール類)中でアルカリ性条件下で過
酸化水素を0〜30℃、30分〜5時間作用させるこ
とにより行われる。 アルカリ性条件にするために溶剤に加えるアル
カリの具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等を挙げられる。 この反応終了後、反応混合物を水中に注入し、
エーテル、酢酸エチル等の有機溶剤で抽出し、該
有機溶剤層をそのまま、または水洗した後、飽和
食塩水と共に振とうし、飽和食塩水を除去、乾燥
し、更に有機溶剤を留去して粗生成物を得、この
粗生成物をn−ヘキサンで再結晶して式(1)の化合
物を得る。 次に本発明に用いられる式(1)の化合物が肝障害
改善作用を有し、医薬品として有用性であること
について、実験例を示して説明する。 本発明に用いられる式(1)の化合物の肝障害改善
作用を調べるにあたり、本発明者らは、ヒキノら
の方法を用いた〔日本生薬学会第29回年会(札
幌),講演要旨集,p22(1982)〕。 実験例 四塩化炭素肝細胞障害に対する作用 (1) 培地 イーグル(Eagle)最小必須培地〔デ
イフコ社製,以下MEMと称する〕9.4g、L−
グルタミン0.292g、炭酸水素ナトリウム1.7
g、ペニシリンGカリウム18mg、硫酸ストレプ
トマイシン50mgを1リツトルの精製水に溶解
し、インシユリンを10-8M、デキサメサゾンを
10-6Mの濃度に混合して過滅菌した。これに
非動化〔56℃,30分間放置〕したコウシ血清
(Calf serum)を10%の濃度に混合することに
より調製した〔この培地を1%CS−MEM液と
称する〕。 (2) 肝細胞の調製 ラツトをエーテル麻酔後開腹
し、カニユーレを門脈に挿入し、5%炭酸ガス
と95%酸素ガスの混合ガスを通気させながら37
℃に保温した1%ウシ血清アルブミンフラクシ
ヨンV〔シグマ社製〕及び0.5mMのエチレング
リコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)
N,N,N′,N′−テトラアセテイツクアシド
を含む無カルシウムハンクス液〔文献:J.H.
Hanks and R.E.Wallace,Proc.Soc.Exp.
Biol.Med.,71,p196(1949)〕〔30ml/分〕を
流し、肝臓下の下大静脈を切断し十分に脱血し
た。切断した下大静脈は結さつし、あらかじめ
右心房から横隔膜上部の下大静脈に挿入したカ
ニユーレから潅流液を流出させ、更に潅流液を
37℃に加温したコラゲナーゼ50mg、塩化カルシ
ウム4mMを含む無カルシウムハンクス液〔30
ml/分〕に換え、1〜15分間循環させた。その
後、肝臓を無カルシウムハンクス液の入つたシ
ヤーレに移し、2本のピンセツトを使つて肝細
胞を分散させた。細胞分散液を3重のガーゼで
過し、4℃で遠心分離〔50G,1分間〕し
た。その後上清を除き無カルシウムハンクス液
を加えて遠心分離を3〜4回繰り返し上清が透
明になつたところで10%CS−MEM液に細胞を
懸濁させた。トリパンブルー法〔細胞のトリパ
ンブルー代謝能を指標とし、トリパンブルーに
より染色されない生存細胞数(死細胞は染色さ
れる)を血球計算器で計数し生存率を算出す
る〕による細胞の平均生存率は85%、細胞数は
2〜4×108細胞/200g体重であつた。 (3) 培養 細胞懸濁液は10%CS−MEM液で5×
105細胞/mlに希釈し、35mmシヤーレに1mlづ
つまき、5%炭酸ガスインキユベーター中36.5
℃で培養した。 (4) 生物検定 四塩化炭素〔10mM,最終濃度〕
をエタノール〔1%,最終濃度〕に溶解させ、
培地に混合し、四塩化炭素培地とした後、被検
薬剤をジメチルスルホキシド
〔dimethylsulfoxide;以下DMSOと称する〕
〔1%,最終濃度〕に溶解したものを上記四塩
化炭素培地に混合した〔被検薬剤の濃度は培地
1ml中の1mgの濃度である〕。次に24時間培養
した(3)に述べた初代培養細胞培地から培地を取
り除き、かわりに被検薬剤の四塩化炭素培地1
mlを加え、5%炭素ガスインキユベーター中
36.5℃で1時間培養し四塩化炭素による肝細胞
障害を誘発させた後、培地0.5mlを取り4℃で
遠心分離〔1500G,10分間〕し、上清0.2mlを
採取し、この中のGPT〔Glutamic acid−
Pyruvic acid−Transaminase〕活性を測定し
た。 GPTは肝細胞中に含まれているアミノ酸転位
酵素の一つであり、培地中のGPT活性が低いと
いうことは肝細胞の破壊が少ないことを意味し、
すなわち肝細胞障害の改善を意味する。 測定はカルメン(Karmen)法〔文献:A.
Karmen,F.Wroblewski and J.Ladue,J.Clin.
Invest.,34,p126(1955)〕により自動分析計
〔RaBA−SUPER〕を用いて行つた。結果はすべ
て3回の実験の平均値±標準誤差で示し、一次元
分散法を用いて検定した。下記第1表にその結果
を示す。
【表】 コントロールは四塩化炭素の存在下で培養した
初代培養ラツト肝細胞の培地中のGPT値を100と
して示す。そして数値は、培地1mlに1mgの薬剤
を投与した場合、薬剤が培地中のGPT値をコン
トロールに比べて、どの程度低下させているかを
示す。 第1表に示したように、本発明の化合物である
式(1)の化合物が、血清中の四塩化炭素による
GPT値の上昇を抑えていることより、肝障害改
善作用を有することが確認された。 また式(1)の化合物の急性毒性試験として、これ
をマウスに経口投与で2000mg/Kg、静脈内投与で
240mg/Kg投与しても死亡例がみられないことよ
り、本発明に用いられる式(1)の化合物の安全性は
極めて高いことが確認された。 式(1)の化合物の有効投与量は、肝障害改善作用
についての実験データ及び急性毒性試験の結果か
ら考えて、患者の年令、体重、疾患の程度によつ
て異なるが、通常経口投与では成人に対して1日
約50mg〜200mgであり、1回または数回に分けて
投与することができる。非経口投与では、10mg〜
50mgを製造法の常法に従つて注射剤とし、皮下注
射、静脈注射、または筋肉内注射することができ
る。経口投与形態としては、式(1)の化合物とその
まま肝障害改善剤として使用することができる
が、これに通常の製剤に用いられる賦形剤、補助
剤等を加えて製剤製造の常法に従つて散剤、顆粒
剤、錠剤、カプセル剤等の製剤にして用いること
ができる。 次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれにより制限されるもので
はない。 実施例 1 上記具体例で得られたカミグレナール300mg、
30%過酸化水素0.4ml及びメタノール2mlの混合
物に、6規定水酸化ナトリウム0.11mlを添加し、
これを20〜25℃で2時間撹拌した。反応終了後、
この反応混合物を水中に注入し、ジエチルエーテ
ルで抽出し、このジエチルエーテル層を水洗した
後、飽和食塩水と共に振とうし、更に飽和食塩水
を除去、無水硫酸ナトリウムで乾燥、溶媒を留去
して粗生成物を得た。この粗生成物をn−ヘキサ
ンを用いて再結晶して式(1)の化合物110mgを得た。 式(1)の化合物の理化学的性質は次の通りであ
る。 融 点:92〜93℃ 旋光度:+17.5(c.0.8,CHCl3) 赤外吸収スペクトル(IR): νCHCl3 nax cm-1:1715,1623,895 プロトン核磁気共鳴スペクトル( 1H−NMR): δppm(CDCl3):0.80(3H,s),0.85(3H,
s),1.0〜2.4(12H,m),3.43(1H,bd,J=
5),4.35(1H,bs),4.87(1H,bs),8.83(1H,
s) 質量スペクトル(Ms): m/z(%):234(m+82),216(43),205(88)

173(73),109(98),69(100) 実施例 2 実施例1で得られた式(1)の化合物10gを乳糖89
g及びステアリン酸マグネシウム1gと混合し、
この混合物を単発式打錠機にて打錠して直径20
mm、重量約23gのスラツグ錠をつくり、これをオ
シレーターにて粉砕し、選別して20〜50メツシユ
の顆粒剤を得た。この顆粒剤を1日0.5〜2g服
用する。 実施例 3 実施例1で得られた式(1)の化合物50gをバレイ
シヨデンプン290gと混合し、水を加えて練合し、
1mm×1mmの網目を有するスクリーンで造粒し顆
粒錠とした後乾燥させ、No.16メツシユのふるいで
整粒した。これにステアリン酸マグネシウム10g
を混合し、打錠機にて打錠して1錠350mgの錠剤
を製造した。本錠剤1錠中には実施例1で得られ
た式(1)の化合物が50mg含まれており、症状に合せ
て1日1〜4錠服用する。 実施例 4 実施例1で得られた式(1)の化合物50gに、乳糖
190g及びステアリン酸マグネシウム10gを混合
し250mgずつ硬カプセルに充填した。本カプセル
1カプセル中には実施例1で得られた式(1)の化合
物が50mg含まれており、症状に合せて1日1〜4
カプセル服用する。 実施例 5 実施例1で得られた式(1)の化合物50gを結晶セ
ルロース170g及びステアリン酸マグネシウム5
gと混合し、この混合物を単発式打錠機にて打錠
して直径7mm、225mgの錠剤を製造した。本錠剤
1錠中には実施例1で得られた式(1)の化合物が50
mg含まれており、症状に合せて1日1〜4錠服用
する。 実施例 6 実施例1で得られた式(1)の化合物5gを注射剤
製造の常法に従つて60℃に加温した注射用蒸留水
1に溶解し、塩化ナトリウムにて等張化した
後、アンプルに封入した。本注射剤1mlは、実施
例1で得られた式(1)の化合物を5mg含有する。本
注射剤は症状に合わせて1日2〜10mlを皮下注
射、静脈注射または筋肉内注射する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式(1) で表される7,7−ジメチル−2,3−エポキシ
    −11−メチレンスピロ〔5.5〕ウンデカ−3−カ
    ルバルデヒド。 2 式(2) で表されるカミグレナールに、溶剤中でアルカリ
    性条件下で過酸化水素を作用させることを特徴と
    する式(1) で表される7,7−ジメチル−2,3−エポキシ
    −11−メチレンスピロ〔5.5〕ウンデカ−3−カ
    ルバルデヒドの製造方法。 3 式(1) で表される7,7−ジメチル−2,3−エポキシ
    −11−メチレンスピロ〔5.5〕ウンデカ−3−カ
    ルバルデヒドを有効成分とする肝障害改善剤。
JP11918184A 1984-06-12 1984-06-12 新規な7,7−ジメチル−2,3−エポキシ−11−メチレンスピロ〔5.5〕ウンデカ−3−カルバルデヒド、その製造方法、及び該化合物を有効成分とする肝障害改善剤 Granted JPS6177A (ja)

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JP11918184A JPS6177A (ja) 1984-06-12 1984-06-12 新規な7,7−ジメチル−2,3−エポキシ−11−メチレンスピロ〔5.5〕ウンデカ−3−カルバルデヒド、その製造方法、及び該化合物を有効成分とする肝障害改善剤

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JPS6177A JPS6177A (ja) 1986-01-06
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JP11918184A Granted JPS6177A (ja) 1984-06-12 1984-06-12 新規な7,7−ジメチル−2,3−エポキシ−11−メチレンスピロ〔5.5〕ウンデカ−3−カルバルデヒド、その製造方法、及び該化合物を有効成分とする肝障害改善剤

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