JPH0473442B2 - - Google Patents
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- JPH0473442B2 JPH0473442B2 JP60017529A JP1752985A JPH0473442B2 JP H0473442 B2 JPH0473442 B2 JP H0473442B2 JP 60017529 A JP60017529 A JP 60017529A JP 1752985 A JP1752985 A JP 1752985A JP H0473442 B2 JPH0473442 B2 JP H0473442B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- toner
- polymerization
- monomer
- group
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- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などに
おける静電荷像を現像する乾式現像方式、すなわ
ちカスケード法、毛ブラシ法、磁気ブラシ法、イ
ンプレツシヨン法、パウダークラウド法などで使
用されるトナーの結着剤として溶融時の刺激性臭
気が少なく、かつ電気的性質がすぐれたトナー用
樹脂の製造法に関する。 〔従来の技術〕 乾式現像方式では光導電性感光体または静電記
録体上に形成された静電荷像をトナーを用いて現
像した後定着される。定着は光導電性感光体また
は静電記録体上に現像によつて得られたトナー像
を直接融着させるか、紙やフイルム上にトナー像
を転写した後、これを転写シート上に融着させる
ことによつて行われる。トナー像の融着は溶剤蒸
気との接触、加圧および加熱によつて行なわれ、
加熱方式には電気オーブンによる無接触加熱方式
と加熱ローラーによる圧着加熱方式が用いられ
る。 乾式現像方式で使用されるトナーには1成分系
トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナー
は、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤およびその他
必要な添加剤を溶融混練して十分に分散した後、
次いで粗粉砕、微粉砕し、所定の粒度範囲に分級
して製造される。1成分系トナーは上記の2成分
系トナーの各成分のほかに磁性鉄粉を添加して同
様にして製造される。 樹脂はトナー配合中の主成分であるため、トナ
ーに要求される性能の大部分を支配する。このた
めトナー用樹脂には、トナーの製造においては溶
融混練工程での着色剤の分散性、粉砕工程での粉
砕性の良いことなどが要求され、またトナーの使
用においては定着性、オフセツト性、ブロツキン
グ性および電気的性質が良いことなど多様な性能
が要求される。トナーの製造に用いられる樹脂と
してはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリス
チレン系樹脂、メタクリル系樹脂などが公知であ
る。しかし、年々高まる定着工程の低温化と高速
化の要求に適合する樹脂として、現在では重合性
ビニル基を有する単量体(以下単量体と記す)の
単独重合体または共重合体樹脂、特にスチレンま
たはその誘導体の共重合体樹脂が主として使用さ
れている。 単量体を単独重合または共重合させる方法とし
ては溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法および
懸濁重合法がいずれも使用できるが、上記のよう
な多様な性質を具備したトナー用樹脂を低コスト
で製造する方法として懸濁重合法が最も適してい
る。従来の懸濁重合法によるトナー用樹脂は懸濁
分散安定剤を含む水中に重合開始剤を溶解した単
量体を投入し、攪拌しながら加熱し、重合を完結
させた後、洗浄、脱水、乾燥して製造されてい
る。この際使用される重合開始剤にはアゾ化合物
と過酸化物が一般に使用されるが、トナー用樹脂
の製造には比較的多量に重合開始剤を使用するこ
とが多く、特に単量体としてスチレンまたはその
誘導体を多く含有するときは重合速度が小さいの
で、重合を完結させるため重合開始剤を多用する
ことが避られない。重合開始剤としてアゾ化合物
を多く使用すると、分解するとき発生する窒素ガ
スにより懸濁粒子の一部または全部が浮きポリマ
ーとなり収率よく樹脂を製造することができな
い。過酸化物はこのような問題がない好ましい重
合開始剤としてよく使用される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 単量体単独または混合物、特に単量体としてス
チレンまたはその誘導体を多く含む単量体を過酸
化物を用いて懸濁重合で製造された従来のトナー
用樹脂はトナーの製造の際の溶融混練工程、およ
びトナーの使用の際の定着工程で溶融状態となつ
たとき刺激性臭気が発生するため作業環境上好ま
しくなく、また不快感を与えるとして問題とさ
れ、また電気的性質の湿度依存性が大きく良好な
トナーを得られず、その改善が望まれていた。 〔問題点を解決するための手段、その作用およ
び発明の効果〕 本発明者らは溶融時の刺激性臭気とトナーの電
気的性質を低下させる原因について検討したとこ
ろ、使用する樹脂を溶剤に溶解または膨潤させ、
貧溶剤で再沈澱させることを繰返し精製したとこ
ろ、刺激性臭気が無くなり、またトナーの電気的
性質も大幅に改善され、樹脂中に含まれる不純物
が原因であることが分つた。単量体を混合して得
られる樹脂には一般に未反応の単量体が残存して
いるので、この単量体が原因ではないかと考え、
乾燥の強化やベント押出機で脱気して残存する単
量体を減少させる試みを行つたが、これらの問題
を改善できなかつた。 そこで、本発明者らは溶融時に刺激臭気を発生
する不純物を減少させる工業的な方法を検討した
ところ、単量体を重合開始剤として過酸化物を用
いて懸濁重合させてトナー用樹脂を製造する方法
において、重合が実質的に終了した後、アルカリ
金属の水酸化物を添加し、得られる樹脂のガラス
転移温度(以下Tgと記す)以上の温度で、樹脂
が加水分解しない範囲の熱処理することにより溶
融時の刺激性臭気とトナーの電気的性質を大幅に
改良し得ることを見い出し、本発明を完成した。
このことからこれらの原因は原料中より持ち込ま
れたか、または重合中に生成、特に重合開始剤の
分解により生成した酸性の不純物に起因すると考
えられる。 本発明は、重合性ビニル基を有する単量体を重
合開始剤として過酸化物を用いて懸濁重合させて
Tgが50ないし100℃のトナー用樹脂を製造する方
法において、重合が実質的に終了したのち、重合
系にアルカリ金属の水酸化物を添加し、得られる
樹脂のTg以上の温度で樹脂が加水分解しない範
囲の熱処理する工程を含むことを特徴とするトナ
ー用樹脂の製造法にある。 本発明における懸濁重合は実質的に重合が終了
するまでは公知の方法で行われる。まず温度計を
備えた反応器に単量体に対して1ないし10倍、好
ましくは2ないし4倍の水、懸濁分散安定剤およ
び必要ならば分散助剤を入れ攪拌を行い、次いで
常温または加温しながら単量体、重合開始剤およ
び必要ならば連鎖移動剤を添加し、所定の重合温
度にまで加温し、実質的に重合が完了する、すな
わち重合率が少なくとも95%になる、まで加温を
続ける。 本発明で使用される単量体は従来からトナー用
樹脂に使用されているものすべてに適用される。
その具体例としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、置換基としてp−メチル基、m−メチル
基、p−メチル基、p−エチル基、2,4−ジメ
チル基、p−ブチル基、p−ヘキシル基、p−オ
クチル基、p−ノニル基、p−デシル基、p−メ
トキシ基、p−フエニル基などを有するスチレン
誘導体類、一般式:CH2=CR−COOR′(但し、
Rは水素またはメチル基を表わす)において、
R′がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、n−ノニル基、イソノニル基、デシル
基、ドデシル基、トリデシル基、ステアリル基、
ドコシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フ
エニル基、メトキシエチル基、エトキシエチル
基、ブトキシエチル基、フエノキシエチル基など
であるアクリル酸エステル類またはメタクリル酸
エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルな
どのビニルエステル類、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどのアクリル酸またはメタクリ
ル酸誘導体類などの単量体を挙げることができ
る。本発明における単量体は、得られる樹脂の
Tgが50ないし100℃、好ましくは55ないし80℃に
なる単独系または混合系として使用される。得ら
れる樹脂のTgが50℃未満ではブロツキング性の
よいトナーが得られず、100℃以上では定着性の
よいトナーが得られないからである。本発明にお
いては、単量体として、スチレン、その誘導体、
アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル
を主要な構成成分として含有する樹脂を製造する
場合に特に有効である。 一般にTgは測定法および測定条件により若干
異なるが、本発明でのTgは示差走査熱量計(以
下DSCと記す)で昇温速度を10℃/分として測
定したチヤートのベースラインとTg近傍での吸
熱カーブの交点として定義される。 本発明において、重合性ビニル基を有する単量
体の一部に少なくとも2個の重合性ビニル基を有
する単量体(以下架橋性単量体と記す)を使用す
ると、トナーの加熱ローラー定着方式におけるオ
フセツト性を著しく改良させることができる。2
個の重合性ビニル基を有する架橋性単量体の具体
例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン、およびその誘導体などの芳香族ジビニル化
合物、エチレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ポリエチレングリコールな
どの2価アルコールのジアクリレート類またはジ
メタクリレート類などを挙げることができる。ま
た3個以上の重合性ビニル基を有する架橋性単量
体の具体例としては、グリセリン、トリメチロー
ルプロパンなどの多価アルコールのトリアクリレ
ートまたはトリメタクリレートなどを挙げること
ができる。架橋性単量体は単量体の0.05ないし10
重量%、好ましくは0.1ないし5重量%使用され
る。架橋性単量体が0.05重量%以下では得られる
トナーの加熱ローラー定着方式におけるオフセツ
ト性を十分高めることができず、また10重量%以
上は得られる樹脂が溶融混練が困難または不能と
なつたり、得られるトナーの定着性が不良とな
る。 本発明においては、単量体を懸濁重合する場合
のほかに、予め一部重合された単量体と樹脂の混
合物または予め重合された樹脂を溶解した単量体
を重合する場合にも適用される。この際共存させ
る樹脂と後重合で生成させる樹脂の分子量を異な
らせて分子量分布を広くすることによりトナーの
加熱ローラー定着方式におけるオフセツト性を向
上させることができる。 本発明における重合開始剤としては、公知のラ
ジカル重合活性のある過酸化物が使用される。そ
の具体例としては、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパ
ーオキシド、アセチルパーオキシド、イソブチル
パーオキシド、オクタノニルパーオキシド、デカ
ノニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、m−トルオイルパ
ーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチ
ルパーオキシドピバレート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカ
ノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−
トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ートなどを挙げることができるが、中でも単量体
に対する重合活性の持続性と比較的短時間で重合
を完了させる点からオクタノニルパーオキシド、
デカノニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、m−トルオイルパ
ーオキシドなどが本発明において特に有効であ
る。これらの重合開始剤は比較的短時間で重合を
完結させるのに必要な量が使用されるが、一般に
は単量体100重量部に対して0.1ないし10重量部、
好ましくは0.5ないし5重量部が用いられる。本
発明は重合開始剤の少なくとも一部として過酸化
物を用いる場合に適用され、アゾ化合物、たとえ
ばアゾビスイソブチルニトリルや2,2′−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)などを
一部併用する場合も包含される。 本発明において必要に応じて使用される連鎖移
動剤としては公知のもの、たとえばn−オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エ
チルヘキシルなどを挙げることができる。これら
の連鎖移動剤は樹脂中に残存すると溶融時の悪臭
の原因となるので使用する場合には必要最小限と
すべきである。 本発明における懸濁分散安定剤としては公知の
ものが使用される。その具体例としては、ポリビ
ニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコー
ル、アクリル酸またはメタクリル酸の単独重合体
または共重合体のナトリウム塩またはカリウム
塩、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、デ
ンプンなどの水溶性樹脂類、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、リン酸カルシウムなどの水難溶
性または不溶性の無機粉末類などを挙げることが
できる。これらの懸濁分散安定剤は生成する樹脂
粒子が重合およびアルカリ処理中に凝固すること
なく操作を完了させ得るに必要な量が使用される
が、一般には水100重量部に対して0.01ないし5
重量部、好ましくは0.05ないし2重量部使用され
る。また本発明で必要ならば使用される分散助剤
としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウムなどの電界質類などを挙
げることができる。 本発明における懸濁重合の条件は重合される単
量体の種類や重合開始剤の種類および量によつて
異なるが、一般に温度は5ないし130℃、好まし
くは70ないし100℃で、時間は1ないし10時間程
度が適当である。 本発明で最も重要なことは、重合が実質的に終
了した後、アルカリ金属の水酸化物を重合系に添
加し、得られる樹脂のTg以上の温度で、樹脂が
加水分解しない範囲のアルカリ処理することによ
り溶融時の刺激性臭気となり、またトナーの電気
的性質に悪影響を及ぼす酸性不純物を除去するこ
とにある。重合が完了した懸濁液では酸性不純物
は樹脂粒子相と水相にある比率(分配係数)で分
配されているが、一般に酸性不純物の大部分は粒
子相に分配され、かつ粒子内から水相への拡散速
度が遅いため水洗のみで除去することは不可能で
ある。粒子内の酸性不純物を除去するためには水
相への分配を増大させることと分配平衡への速度
を増大させることが重要である。本発明の方法に
よれば、重合後にアルカリを添加することにより
酸性不純物が水溶性塩となり水相への溶解度が著
しく大きくなり、また得られる樹脂のTg以上の
温度でアルカリ処理することにより酸性不純物の
粒子内から水相への拡散速度が著しく大きくな
り、短時間のアルカリ処理で除去可能となる。こ
の効果は酸性不純物が水不溶性または難溶性であ
る場合にも同様に顕著である。アルカリ処理は重
合が実質的に終了した後、すなわち重合率が少な
くとも95%以上になつた時点で行われる。これよ
り早い時点では樹脂に単量体が多く残存すること
になるので好ましくない。 アルカリ処理では樹脂の加水分解に注意する必
要がある。単量体がスチレンまたはその誘導体の
みよりなる樹脂の場合には問題がないが、上記の
アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル、ビニルエステルなどを用いる場合
はアルカリ処理におけるアルカリの添加量が多す
ぎたり、処理時間が長すぎたりすると、加水分解
する恐れがある。加水分解すると、トナーとして
の電気的性質および加熱ローラー定着方式におけ
るオフセツト性が低下するので、加水分解しない
範囲でのアルカリ処理とすることが重要である。
この意味から効率よく短時間で酸性不純物を除去
可能となる樹脂のTg以上の温度でのアルカリ処
理は必要条件となる。また重合により樹脂を製造
するのに使用する単量体として、特にスチレンま
たはその誘導体が単量体の少なくとも50重量%で
あると、トナーとしての一般性能上からも好まし
いばかりでなく、アルカリによる加水分解性が低
下するため酸性不純物のより十分な除去が可能と
なる。 酸性不純物を除去する目的のアルカリ処理には
すべてのアルカリが使用できる。しかし、悪臭が
あるものは取扱い上問題であり、また粒子内に溶
解し易いもの、酸性不純物と不溶性塩をつくるも
のなどは逆にアルカリまたは塩の除去が困難にな
り、トナーの電気的性質を低下するので好ましく
ないので、本発明のアルカリ処理にはアルカリ金
属の水酸化物が使用され、その具体例としては、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムな
どのアルカリ金属の水酸化物が挙げられるが、水
酸化ナトリウムと水酸化カリウムが安価で最も好
ましい。アルカリ金属の水酸化物は酸性不純物の
除去に必要な最少量が用いられ、一般に水100重
量部に対して0.01ないし1重量部、好ましくは
0.05ないし0.5重量部が使用される。0.01重量部未
満では十分に酸性不純物を除去できず、1重量部
以上では酸性不純物の除去には過剰であり、廃水
処理に多量の中和剤を必要としコスト高の原因と
なり、また樹脂を加水分解させることになるから
である。 アルカリ処理後、十分な水洗と脱水を行いアル
カリを除去し、最後に乾燥されるが、これらは公
知の方式が用いられる。洗浄と脱水には遠心脱水
機、スーパーデカンターなどが用いられ乾燥には
箱型乾燥機、真空乾燥機などが用いられる。水洗
に際してアルカリを完全に除去するため酸処理を
行うこともできる。 〔実施例〕 次に実施例によつて本発明を例証するが、本発
明の実施の態様がこれによつて限定されるもので
はない。なお、実施例における部数は特に明記し
ない限り重量によつて表わす。 比較例 1 攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた加圧可
能な反応器に水300部、部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業製ゴーセノールGH−
20)0.5部を入れ、回転速度350rpmで攪拌しなが
ら、スチレン75.7部、n−ブチルアクリレート18
部、n−ブチルメタクリレート6部、ジビニルベ
ンゼン0.3部にベンゾイルパーオキシド3部を溶
解した溶液を投入し、温度85℃に加温して6時間
保持して重合を完結させた。生成物を冷却し十分
に水洗し、遠心脱水機で脱水した後、熱風循環乾
燥機を用い50℃で24時間乾燥したところ、微粒状
樹脂<R−1>98.5部を得た。樹脂<R−1>は
DSCで測定したTgが64℃、酸価が1.8mgKOH/
g、残存単量体が合計680ppmであつた。次いで、
樹脂<R−1>45部、カーボンブラツク(三菱化
成工業製#30)3.5部、ニグロシン1.5部をV型ブ
レンダーに仕込み、約1時間予備混合した後、卓
上型ニーダーを用いて180℃で30分混練した。混
練物を冷却し、予備粉砕した後ジエツトミルで粉
砕し、分級して平均粒径15μのトナーを調製し
た。得られたトナー3部とフルイ200メツシユは
通過するが300メツシユは通過しない磁性鉄粉の
キヤリヤ97部を混合して現像剤を調製し、酸化亜
鉛を用いた感光体と、一方がフツ素樹脂、他方が
シリコン樹脂でライニングされた定着ローラーを
有する普通紙複写機で相対湿度60%の雰囲気で定
着ローラー温度190℃で画像形成を行つた。その
結果、トナーの定着性は良好で、得られた画像は
カブリ、濃度ムラの発生がなく、画像濃度は高く
鮮明であつた。さらにこの現像剤を用いて繰り返
し画像形成を行なつたところ、キヤリヤへのトナ
ーの汚染はほとんどなく、トナーの定着ローラー
へのフイルミングや画像へのオフセツトは見られ
なかつた。またトナーは55℃の雰囲気に1週間放
置した後もブロツキングせず良好であつた。しか
し、この樹脂とトナーは室温ではほとんど臭気が
無いにもかかわらず、溶融混練のニーダーと画像
形成を繰り返したときの定着ローラーより刺激性
臭気が強く発生し、また相対湿度85%の雰囲気で
画像形成したところ画像濃度が著しく低下し、ト
ナーとして不十分なものであつた。これらの結果
を表−1に示す。 実施例 1 比較例1と同様の条件で懸濁重合を終了させた
後、攪拌を続けながら温度85℃で反応系に水酸化
ナトリウム0.5部を投入し、30分間アルカリ処理
する以外は比較例1と同様にして微粒状樹脂<R
−2>を得た。樹脂<R−2>はTgが64℃で、
酸価が0.6mgKOH/g、残存単量体が合計
660ppmであつた。そして比較例1と同様にして
トナーを調製し、画像形成を行つた。その結果を
表−1に示すが、トナーの一般性能は比較例1と
同様に良好であつた。しかるに、溶融混練のニー
ダーと画像形成を繰り返したとき定着ローラーよ
りの刺激性臭気はほとんどせず、また湿度85%の
雰囲気で画像形成したときの画像濃度の低下も少
なく、比較例1の欠点がアルカリ処理により大幅
に改善された。樹脂<R−2>の酸価は比較例1
の樹脂<R−1>の約1/3と減少しており、アル
カリ処理により酸性不純物が除去され、上記の改
良がなされたと考えられる。
おける静電荷像を現像する乾式現像方式、すなわ
ちカスケード法、毛ブラシ法、磁気ブラシ法、イ
ンプレツシヨン法、パウダークラウド法などで使
用されるトナーの結着剤として溶融時の刺激性臭
気が少なく、かつ電気的性質がすぐれたトナー用
樹脂の製造法に関する。 〔従来の技術〕 乾式現像方式では光導電性感光体または静電記
録体上に形成された静電荷像をトナーを用いて現
像した後定着される。定着は光導電性感光体また
は静電記録体上に現像によつて得られたトナー像
を直接融着させるか、紙やフイルム上にトナー像
を転写した後、これを転写シート上に融着させる
ことによつて行われる。トナー像の融着は溶剤蒸
気との接触、加圧および加熱によつて行なわれ、
加熱方式には電気オーブンによる無接触加熱方式
と加熱ローラーによる圧着加熱方式が用いられ
る。 乾式現像方式で使用されるトナーには1成分系
トナーと2成分系トナーがある。2成分系トナー
は、先ず樹脂、着色剤、荷電制御剤およびその他
必要な添加剤を溶融混練して十分に分散した後、
次いで粗粉砕、微粉砕し、所定の粒度範囲に分級
して製造される。1成分系トナーは上記の2成分
系トナーの各成分のほかに磁性鉄粉を添加して同
様にして製造される。 樹脂はトナー配合中の主成分であるため、トナ
ーに要求される性能の大部分を支配する。このた
めトナー用樹脂には、トナーの製造においては溶
融混練工程での着色剤の分散性、粉砕工程での粉
砕性の良いことなどが要求され、またトナーの使
用においては定着性、オフセツト性、ブロツキン
グ性および電気的性質が良いことなど多様な性能
が要求される。トナーの製造に用いられる樹脂と
してはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリス
チレン系樹脂、メタクリル系樹脂などが公知であ
る。しかし、年々高まる定着工程の低温化と高速
化の要求に適合する樹脂として、現在では重合性
ビニル基を有する単量体(以下単量体と記す)の
単独重合体または共重合体樹脂、特にスチレンま
たはその誘導体の共重合体樹脂が主として使用さ
れている。 単量体を単独重合または共重合させる方法とし
ては溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法および
懸濁重合法がいずれも使用できるが、上記のよう
な多様な性質を具備したトナー用樹脂を低コスト
で製造する方法として懸濁重合法が最も適してい
る。従来の懸濁重合法によるトナー用樹脂は懸濁
分散安定剤を含む水中に重合開始剤を溶解した単
量体を投入し、攪拌しながら加熱し、重合を完結
させた後、洗浄、脱水、乾燥して製造されてい
る。この際使用される重合開始剤にはアゾ化合物
と過酸化物が一般に使用されるが、トナー用樹脂
の製造には比較的多量に重合開始剤を使用するこ
とが多く、特に単量体としてスチレンまたはその
誘導体を多く含有するときは重合速度が小さいの
で、重合を完結させるため重合開始剤を多用する
ことが避られない。重合開始剤としてアゾ化合物
を多く使用すると、分解するとき発生する窒素ガ
スにより懸濁粒子の一部または全部が浮きポリマ
ーとなり収率よく樹脂を製造することができな
い。過酸化物はこのような問題がない好ましい重
合開始剤としてよく使用される。 〔発明が解決しようとする問題点〕 単量体単独または混合物、特に単量体としてス
チレンまたはその誘導体を多く含む単量体を過酸
化物を用いて懸濁重合で製造された従来のトナー
用樹脂はトナーの製造の際の溶融混練工程、およ
びトナーの使用の際の定着工程で溶融状態となつ
たとき刺激性臭気が発生するため作業環境上好ま
しくなく、また不快感を与えるとして問題とさ
れ、また電気的性質の湿度依存性が大きく良好な
トナーを得られず、その改善が望まれていた。 〔問題点を解決するための手段、その作用およ
び発明の効果〕 本発明者らは溶融時の刺激性臭気とトナーの電
気的性質を低下させる原因について検討したとこ
ろ、使用する樹脂を溶剤に溶解または膨潤させ、
貧溶剤で再沈澱させることを繰返し精製したとこ
ろ、刺激性臭気が無くなり、またトナーの電気的
性質も大幅に改善され、樹脂中に含まれる不純物
が原因であることが分つた。単量体を混合して得
られる樹脂には一般に未反応の単量体が残存して
いるので、この単量体が原因ではないかと考え、
乾燥の強化やベント押出機で脱気して残存する単
量体を減少させる試みを行つたが、これらの問題
を改善できなかつた。 そこで、本発明者らは溶融時に刺激臭気を発生
する不純物を減少させる工業的な方法を検討した
ところ、単量体を重合開始剤として過酸化物を用
いて懸濁重合させてトナー用樹脂を製造する方法
において、重合が実質的に終了した後、アルカリ
金属の水酸化物を添加し、得られる樹脂のガラス
転移温度(以下Tgと記す)以上の温度で、樹脂
が加水分解しない範囲の熱処理することにより溶
融時の刺激性臭気とトナーの電気的性質を大幅に
改良し得ることを見い出し、本発明を完成した。
このことからこれらの原因は原料中より持ち込ま
れたか、または重合中に生成、特に重合開始剤の
分解により生成した酸性の不純物に起因すると考
えられる。 本発明は、重合性ビニル基を有する単量体を重
合開始剤として過酸化物を用いて懸濁重合させて
Tgが50ないし100℃のトナー用樹脂を製造する方
法において、重合が実質的に終了したのち、重合
系にアルカリ金属の水酸化物を添加し、得られる
樹脂のTg以上の温度で樹脂が加水分解しない範
囲の熱処理する工程を含むことを特徴とするトナ
ー用樹脂の製造法にある。 本発明における懸濁重合は実質的に重合が終了
するまでは公知の方法で行われる。まず温度計を
備えた反応器に単量体に対して1ないし10倍、好
ましくは2ないし4倍の水、懸濁分散安定剤およ
び必要ならば分散助剤を入れ攪拌を行い、次いで
常温または加温しながら単量体、重合開始剤およ
び必要ならば連鎖移動剤を添加し、所定の重合温
度にまで加温し、実質的に重合が完了する、すな
わち重合率が少なくとも95%になる、まで加温を
続ける。 本発明で使用される単量体は従来からトナー用
樹脂に使用されているものすべてに適用される。
その具体例としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、置換基としてp−メチル基、m−メチル
基、p−メチル基、p−エチル基、2,4−ジメ
チル基、p−ブチル基、p−ヘキシル基、p−オ
クチル基、p−ノニル基、p−デシル基、p−メ
トキシ基、p−フエニル基などを有するスチレン
誘導体類、一般式:CH2=CR−COOR′(但し、
Rは水素またはメチル基を表わす)において、
R′がメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n
−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキ
シル基、n−ノニル基、イソノニル基、デシル
基、ドデシル基、トリデシル基、ステアリル基、
ドコシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フ
エニル基、メトキシエチル基、エトキシエチル
基、ブトキシエチル基、フエノキシエチル基など
であるアクリル酸エステル類またはメタクリル酸
エステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルな
どのビニルエステル類、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリルなどのアクリル酸またはメタクリ
ル酸誘導体類などの単量体を挙げることができ
る。本発明における単量体は、得られる樹脂の
Tgが50ないし100℃、好ましくは55ないし80℃に
なる単独系または混合系として使用される。得ら
れる樹脂のTgが50℃未満ではブロツキング性の
よいトナーが得られず、100℃以上では定着性の
よいトナーが得られないからである。本発明にお
いては、単量体として、スチレン、その誘導体、
アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル
を主要な構成成分として含有する樹脂を製造する
場合に特に有効である。 一般にTgは測定法および測定条件により若干
異なるが、本発明でのTgは示差走査熱量計(以
下DSCと記す)で昇温速度を10℃/分として測
定したチヤートのベースラインとTg近傍での吸
熱カーブの交点として定義される。 本発明において、重合性ビニル基を有する単量
体の一部に少なくとも2個の重合性ビニル基を有
する単量体(以下架橋性単量体と記す)を使用す
ると、トナーの加熱ローラー定着方式におけるオ
フセツト性を著しく改良させることができる。2
個の重合性ビニル基を有する架橋性単量体の具体
例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン、およびその誘導体などの芳香族ジビニル化
合物、エチレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、テトラ
エチレングリコール、ポリエチレングリコールな
どの2価アルコールのジアクリレート類またはジ
メタクリレート類などを挙げることができる。ま
た3個以上の重合性ビニル基を有する架橋性単量
体の具体例としては、グリセリン、トリメチロー
ルプロパンなどの多価アルコールのトリアクリレ
ートまたはトリメタクリレートなどを挙げること
ができる。架橋性単量体は単量体の0.05ないし10
重量%、好ましくは0.1ないし5重量%使用され
る。架橋性単量体が0.05重量%以下では得られる
トナーの加熱ローラー定着方式におけるオフセツ
ト性を十分高めることができず、また10重量%以
上は得られる樹脂が溶融混練が困難または不能と
なつたり、得られるトナーの定着性が不良とな
る。 本発明においては、単量体を懸濁重合する場合
のほかに、予め一部重合された単量体と樹脂の混
合物または予め重合された樹脂を溶解した単量体
を重合する場合にも適用される。この際共存させ
る樹脂と後重合で生成させる樹脂の分子量を異な
らせて分子量分布を広くすることによりトナーの
加熱ローラー定着方式におけるオフセツト性を向
上させることができる。 本発明における重合開始剤としては、公知のラ
ジカル重合活性のある過酸化物が使用される。そ
の具体例としては、ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパ
ーオキシド、アセチルパーオキシド、イソブチル
パーオキシド、オクタノニルパーオキシド、デカ
ノニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、
3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、m−トルオイルパ
ーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、
t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチ
ルパーオキシドピバレート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、クミルパーオキシネオデカ
ノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−
トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキ
シラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネ
ートなどを挙げることができるが、中でも単量体
に対する重合活性の持続性と比較的短時間で重合
を完了させる点からオクタノニルパーオキシド、
デカノニルパーオキシド、ラウロイルパーオキシ
ド、ベンゾイルパーオキシド、m−トルオイルパ
ーオキシドなどが本発明において特に有効であ
る。これらの重合開始剤は比較的短時間で重合を
完結させるのに必要な量が使用されるが、一般に
は単量体100重量部に対して0.1ないし10重量部、
好ましくは0.5ないし5重量部が用いられる。本
発明は重合開始剤の少なくとも一部として過酸化
物を用いる場合に適用され、アゾ化合物、たとえ
ばアゾビスイソブチルニトリルや2,2′−アゾビ
ス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)などを
一部併用する場合も包含される。 本発明において必要に応じて使用される連鎖移
動剤としては公知のもの、たとえばn−オクチル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸2−エ
チルヘキシルなどを挙げることができる。これら
の連鎖移動剤は樹脂中に残存すると溶融時の悪臭
の原因となるので使用する場合には必要最小限と
すべきである。 本発明における懸濁分散安定剤としては公知の
ものが使用される。その具体例としては、ポリビ
ニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコー
ル、アクリル酸またはメタクリル酸の単独重合体
または共重合体のナトリウム塩またはカリウム
塩、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、デ
ンプンなどの水溶性樹脂類、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、リン酸カルシウムなどの水難溶
性または不溶性の無機粉末類などを挙げることが
できる。これらの懸濁分散安定剤は生成する樹脂
粒子が重合およびアルカリ処理中に凝固すること
なく操作を完了させ得るに必要な量が使用される
が、一般には水100重量部に対して0.01ないし5
重量部、好ましくは0.05ないし2重量部使用され
る。また本発明で必要ならば使用される分散助剤
としては塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウムなどの電界質類などを挙
げることができる。 本発明における懸濁重合の条件は重合される単
量体の種類や重合開始剤の種類および量によつて
異なるが、一般に温度は5ないし130℃、好まし
くは70ないし100℃で、時間は1ないし10時間程
度が適当である。 本発明で最も重要なことは、重合が実質的に終
了した後、アルカリ金属の水酸化物を重合系に添
加し、得られる樹脂のTg以上の温度で、樹脂が
加水分解しない範囲のアルカリ処理することによ
り溶融時の刺激性臭気となり、またトナーの電気
的性質に悪影響を及ぼす酸性不純物を除去するこ
とにある。重合が完了した懸濁液では酸性不純物
は樹脂粒子相と水相にある比率(分配係数)で分
配されているが、一般に酸性不純物の大部分は粒
子相に分配され、かつ粒子内から水相への拡散速
度が遅いため水洗のみで除去することは不可能で
ある。粒子内の酸性不純物を除去するためには水
相への分配を増大させることと分配平衡への速度
を増大させることが重要である。本発明の方法に
よれば、重合後にアルカリを添加することにより
酸性不純物が水溶性塩となり水相への溶解度が著
しく大きくなり、また得られる樹脂のTg以上の
温度でアルカリ処理することにより酸性不純物の
粒子内から水相への拡散速度が著しく大きくな
り、短時間のアルカリ処理で除去可能となる。こ
の効果は酸性不純物が水不溶性または難溶性であ
る場合にも同様に顕著である。アルカリ処理は重
合が実質的に終了した後、すなわち重合率が少な
くとも95%以上になつた時点で行われる。これよ
り早い時点では樹脂に単量体が多く残存すること
になるので好ましくない。 アルカリ処理では樹脂の加水分解に注意する必
要がある。単量体がスチレンまたはその誘導体の
みよりなる樹脂の場合には問題がないが、上記の
アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アル
キルエステル、ビニルエステルなどを用いる場合
はアルカリ処理におけるアルカリの添加量が多す
ぎたり、処理時間が長すぎたりすると、加水分解
する恐れがある。加水分解すると、トナーとして
の電気的性質および加熱ローラー定着方式におけ
るオフセツト性が低下するので、加水分解しない
範囲でのアルカリ処理とすることが重要である。
この意味から効率よく短時間で酸性不純物を除去
可能となる樹脂のTg以上の温度でのアルカリ処
理は必要条件となる。また重合により樹脂を製造
するのに使用する単量体として、特にスチレンま
たはその誘導体が単量体の少なくとも50重量%で
あると、トナーとしての一般性能上からも好まし
いばかりでなく、アルカリによる加水分解性が低
下するため酸性不純物のより十分な除去が可能と
なる。 酸性不純物を除去する目的のアルカリ処理には
すべてのアルカリが使用できる。しかし、悪臭が
あるものは取扱い上問題であり、また粒子内に溶
解し易いもの、酸性不純物と不溶性塩をつくるも
のなどは逆にアルカリまたは塩の除去が困難にな
り、トナーの電気的性質を低下するので好ましく
ないので、本発明のアルカリ処理にはアルカリ金
属の水酸化物が使用され、その具体例としては、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムな
どのアルカリ金属の水酸化物が挙げられるが、水
酸化ナトリウムと水酸化カリウムが安価で最も好
ましい。アルカリ金属の水酸化物は酸性不純物の
除去に必要な最少量が用いられ、一般に水100重
量部に対して0.01ないし1重量部、好ましくは
0.05ないし0.5重量部が使用される。0.01重量部未
満では十分に酸性不純物を除去できず、1重量部
以上では酸性不純物の除去には過剰であり、廃水
処理に多量の中和剤を必要としコスト高の原因と
なり、また樹脂を加水分解させることになるから
である。 アルカリ処理後、十分な水洗と脱水を行いアル
カリを除去し、最後に乾燥されるが、これらは公
知の方式が用いられる。洗浄と脱水には遠心脱水
機、スーパーデカンターなどが用いられ乾燥には
箱型乾燥機、真空乾燥機などが用いられる。水洗
に際してアルカリを完全に除去するため酸処理を
行うこともできる。 〔実施例〕 次に実施例によつて本発明を例証するが、本発
明の実施の態様がこれによつて限定されるもので
はない。なお、実施例における部数は特に明記し
ない限り重量によつて表わす。 比較例 1 攪拌機、コンデンサー、温度計を備えた加圧可
能な反応器に水300部、部分鹸化ポリビニルアル
コール(日本合成化学工業製ゴーセノールGH−
20)0.5部を入れ、回転速度350rpmで攪拌しなが
ら、スチレン75.7部、n−ブチルアクリレート18
部、n−ブチルメタクリレート6部、ジビニルベ
ンゼン0.3部にベンゾイルパーオキシド3部を溶
解した溶液を投入し、温度85℃に加温して6時間
保持して重合を完結させた。生成物を冷却し十分
に水洗し、遠心脱水機で脱水した後、熱風循環乾
燥機を用い50℃で24時間乾燥したところ、微粒状
樹脂<R−1>98.5部を得た。樹脂<R−1>は
DSCで測定したTgが64℃、酸価が1.8mgKOH/
g、残存単量体が合計680ppmであつた。次いで、
樹脂<R−1>45部、カーボンブラツク(三菱化
成工業製#30)3.5部、ニグロシン1.5部をV型ブ
レンダーに仕込み、約1時間予備混合した後、卓
上型ニーダーを用いて180℃で30分混練した。混
練物を冷却し、予備粉砕した後ジエツトミルで粉
砕し、分級して平均粒径15μのトナーを調製し
た。得られたトナー3部とフルイ200メツシユは
通過するが300メツシユは通過しない磁性鉄粉の
キヤリヤ97部を混合して現像剤を調製し、酸化亜
鉛を用いた感光体と、一方がフツ素樹脂、他方が
シリコン樹脂でライニングされた定着ローラーを
有する普通紙複写機で相対湿度60%の雰囲気で定
着ローラー温度190℃で画像形成を行つた。その
結果、トナーの定着性は良好で、得られた画像は
カブリ、濃度ムラの発生がなく、画像濃度は高く
鮮明であつた。さらにこの現像剤を用いて繰り返
し画像形成を行なつたところ、キヤリヤへのトナ
ーの汚染はほとんどなく、トナーの定着ローラー
へのフイルミングや画像へのオフセツトは見られ
なかつた。またトナーは55℃の雰囲気に1週間放
置した後もブロツキングせず良好であつた。しか
し、この樹脂とトナーは室温ではほとんど臭気が
無いにもかかわらず、溶融混練のニーダーと画像
形成を繰り返したときの定着ローラーより刺激性
臭気が強く発生し、また相対湿度85%の雰囲気で
画像形成したところ画像濃度が著しく低下し、ト
ナーとして不十分なものであつた。これらの結果
を表−1に示す。 実施例 1 比較例1と同様の条件で懸濁重合を終了させた
後、攪拌を続けながら温度85℃で反応系に水酸化
ナトリウム0.5部を投入し、30分間アルカリ処理
する以外は比較例1と同様にして微粒状樹脂<R
−2>を得た。樹脂<R−2>はTgが64℃で、
酸価が0.6mgKOH/g、残存単量体が合計
660ppmであつた。そして比較例1と同様にして
トナーを調製し、画像形成を行つた。その結果を
表−1に示すが、トナーの一般性能は比較例1と
同様に良好であつた。しかるに、溶融混練のニー
ダーと画像形成を繰り返したとき定着ローラーよ
りの刺激性臭気はほとんどせず、また湿度85%の
雰囲気で画像形成したときの画像濃度の低下も少
なく、比較例1の欠点がアルカリ処理により大幅
に改善された。樹脂<R−2>の酸価は比較例1
の樹脂<R−1>の約1/3と減少しており、アル
カリ処理により酸性不純物が除去され、上記の改
良がなされたと考えられる。
【表】
【表】
実施例 2
アルカリ処理温度を20,40,60,70,100℃と
する以外は実施例1と同様にして樹脂<R−3>
ないし<R−7>を得た。100℃以上のアルカリ
処理は沸騰による発泡を防ぐため加圧下で行つた
(以下同様)。樹脂の特性値および比較例1と同様
にして得たトナーの性能を表−2に示す。表−2
と表−1よりトナーの高湿時の画像濃度および溶
融時と定着時の刺激性臭気はアルカリ処理温度を
得られる樹脂のTg以上とするとき顕著に改良さ
れた。なお、アルカリ処理の有無で残存単量体量
は表−1、表−2よりほとんど変化しないので、
これらの改良は残存単量体量と無関係であること
が分る。
する以外は実施例1と同様にして樹脂<R−3>
ないし<R−7>を得た。100℃以上のアルカリ
処理は沸騰による発泡を防ぐため加圧下で行つた
(以下同様)。樹脂の特性値および比較例1と同様
にして得たトナーの性能を表−2に示す。表−2
と表−1よりトナーの高湿時の画像濃度および溶
融時と定着時の刺激性臭気はアルカリ処理温度を
得られる樹脂のTg以上とするとき顕著に改良さ
れた。なお、アルカリ処理の有無で残存単量体量
は表−1、表−2よりほとんど変化しないので、
これらの改良は残存単量体量と無関係であること
が分る。
【表】
実施例 3
アルカリ処理時間を15,60,120,180,240分
とする以外は実施例1と同様にして樹脂<R−8
>ないし<R−12>を得た。樹脂の特性値および
比較例1と同様にして得たトナーの性能を表−3
に示す。表−3と表−1の結果よりトナーの高湿
時の画像濃度および溶融時と定着時の刺激性臭気
はいずれもアルカリ処理により改良されるが、ア
ルカリ処理時間が長すぎると樹脂が加水分解して
オフセツト性が低下するので、この場合120分ま
でのアルカリ処理が好ましい。
とする以外は実施例1と同様にして樹脂<R−8
>ないし<R−12>を得た。樹脂の特性値および
比較例1と同様にして得たトナーの性能を表−3
に示す。表−3と表−1の結果よりトナーの高湿
時の画像濃度および溶融時と定着時の刺激性臭気
はいずれもアルカリ処理により改良されるが、ア
ルカリ処理時間が長すぎると樹脂が加水分解して
オフセツト性が低下するので、この場合120分ま
でのアルカリ処理が好ましい。
【表】
実施例 4
アルカリ処理において、水酸化ナトリウム0.2,
1,2,3,5部を用いて、温度85℃、時間60分
とする以外は実施例1と同様にして樹脂<R−13
>ないし<R−17>を得た。樹脂の特性値および
比較例1と同様にして得たトナーの性能を表−4
に示す。表−4、表−1、表−3の結果よりトナ
ーの高湿時の画像濃度および溶融時と定着時の刺
激性臭気はいずれもアルカリ処理により改良され
るが、アルカリ処理の水酸化ナトリウム添加量が
多すぎると樹脂が加水分解してオフセツト性が低
下するので、この場合2部以下のアルカリ処理が
好ましい。
1,2,3,5部を用いて、温度85℃、時間60分
とする以外は実施例1と同様にして樹脂<R−13
>ないし<R−17>を得た。樹脂の特性値および
比較例1と同様にして得たトナーの性能を表−4
に示す。表−4、表−1、表−3の結果よりトナ
ーの高湿時の画像濃度および溶融時と定着時の刺
激性臭気はいずれもアルカリ処理により改良され
るが、アルカリ処理の水酸化ナトリウム添加量が
多すぎると樹脂が加水分解してオフセツト性が低
下するので、この場合2部以下のアルカリ処理が
好ましい。
【表】
実施例 5
表−5に明記する以外は比較例1、実施例1と
同様にして樹脂<R−18>ないし<R−29>を得
た。樹脂の特性値および比較例1と同様にして得
たトナーの性能を表−5に示す。表−5と表−1
の結果よりトナーの高湿時の画像濃度および溶融
時と定着時の刺激性臭気はいずれもアルカリ処理
により改良されるが、得られる樹脂のTgが50℃
以下であると得られるトナーのブロツキング性が
不良となる。
同様にして樹脂<R−18>ないし<R−29>を得
た。樹脂の特性値および比較例1と同様にして得
たトナーの性能を表−5に示す。表−5と表−1
の結果よりトナーの高湿時の画像濃度および溶融
時と定着時の刺激性臭気はいずれもアルカリ処理
により改良されるが、得られる樹脂のTgが50℃
以下であると得られるトナーのブロツキング性が
不良となる。
【表】
【表】
実施例 6
表−6に明記する以外は実施例1と同様にして
樹脂<R−30>ないし<R−37>を得た。また樹
脂<R−30>ないし<R−37>に対応するアルカ
リ処理を省略した樹脂<R−38>ないし<R−45
>を得た。これらの樹脂特性値および比較例1と
同様にして得たトナーの性能を表−6に示す。表
−6と表−1の結果より樹脂<R−37>と<R−
45>を除いてアルカリ処理したものは高湿時の画
像濃度および溶融時と定着時の刺激性臭気は対応
するものに比較して良好であつた。また架橋性単
量体量が増すにつれてオフセツト性が良好となる
が、架橋性単量体が10%以上である樹脂<R−38
>と<R−45>は樹脂が溶融混練不能でトナーが
得られず不適当であつた。
樹脂<R−30>ないし<R−37>を得た。また樹
脂<R−30>ないし<R−37>に対応するアルカ
リ処理を省略した樹脂<R−38>ないし<R−45
>を得た。これらの樹脂特性値および比較例1と
同様にして得たトナーの性能を表−6に示す。表
−6と表−1の結果より樹脂<R−37>と<R−
45>を除いてアルカリ処理したものは高湿時の画
像濃度および溶融時と定着時の刺激性臭気は対応
するものに比較して良好であつた。また架橋性単
量体量が増すにつれてオフセツト性が良好となる
が、架橋性単量体が10%以上である樹脂<R−38
>と<R−45>は樹脂が溶融混練不能でトナーが
得られず不適当であつた。
【表】
リレートである。
実施例 7 表−7に明記する以外は比較例1、実施例1と
同様にして樹脂<R−46>ないし<R−53>を得
た。樹脂の特性値および比較例1と同様にして得
たトナーの性能を表−7に示す。表−7の結果よ
りトナーの高湿時の画像濃度および溶融時と定着
時の刺激性臭気はいずれもアルカリ処理により改
良されるが、スチレン含量が50%以下になるとト
ナーの一般性能、特に高湿時の画像濃度とオフセ
ツト性が低下する。
実施例 7 表−7に明記する以外は比較例1、実施例1と
同様にして樹脂<R−46>ないし<R−53>を得
た。樹脂の特性値および比較例1と同様にして得
たトナーの性能を表−7に示す。表−7の結果よ
りトナーの高湿時の画像濃度および溶融時と定着
時の刺激性臭気はいずれもアルカリ処理により改
良されるが、スチレン含量が50%以下になるとト
ナーの一般性能、特に高湿時の画像濃度とオフセ
ツト性が低下する。
【表】
【表】
ブロツキング性:いずれも◎
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重合性ビニル基を有する単量体を重合開始剤
として過酸化物を用いて懸濁重合させてガラス転
移温度が50ないし100℃のトナー用樹脂を製造す
る方法において、重合が実質的に終了した後、重
合系にアルカリ金属の水酸化物を添加し、得られ
る樹脂のガラス転移温度以上の温度で樹脂が加水
分解しない範囲の熱処理する工程を含むことを特
徴とするトナー用樹脂の製造法。 2 重合性ビニル基を有する単量体の0.05ないし
10重量%が少なくとも2個の重合性ビニル基を有
する単量体である特許請求の範囲1項記載のトナ
ー用樹脂の製造法。 3 重合性ビニル基を有する単量体の少なくとも
50重量%がスチレンまたはその誘導体である特許
請求の範囲1項または2項記載のトナー用樹脂の
製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60017529A JPS61176603A (ja) | 1985-01-31 | 1985-01-31 | トナー用樹脂の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60017529A JPS61176603A (ja) | 1985-01-31 | 1985-01-31 | トナー用樹脂の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61176603A JPS61176603A (ja) | 1986-08-08 |
| JPH0473442B2 true JPH0473442B2 (ja) | 1992-11-20 |
Family
ID=11946448
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60017529A Granted JPS61176603A (ja) | 1985-01-31 | 1985-01-31 | トナー用樹脂の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61176603A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01244471A (ja) * | 1988-03-25 | 1989-09-28 | Bando Chem Ind Ltd | 静電潜像現像用トナーの製造方法 |
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-
1985
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