JPH05160596A - 酸化物系超電導磁気シールド体およびその製造方法 - Google Patents

酸化物系超電導磁気シールド体およびその製造方法

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JPH05160596A
JPH05160596A JP34768591A JP34768591A JPH05160596A JP H05160596 A JPH05160596 A JP H05160596A JP 34768591 A JP34768591 A JP 34768591A JP 34768591 A JP34768591 A JP 34768591A JP H05160596 A JPH05160596 A JP H05160596A
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JP
Japan
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oxide
superconducting
magnetic shield
based superconducting
metal
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JP34768591A
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English (en)
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Ikuo Ito
郁夫 伊藤
Shigeru Minamino
繁 南野
Yasuhiro Shimizu
庸宏 清水
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化物系超電導材を用いた磁気シールド用円
筒において、耐熱サイクル性等の機械的強度が大きく、
加工性に優れ、磁気シールド特性を決定する超電導遮蔽
電流を劣化あるいは遮断する欠陥等のない特徴をもたせ
ること。 【構成】 金属層と酸化物超電導層が交互に積層された
板からなる、軸方向および周方向に切れ目、接続部のな
い底付き筒形容器または底無し筒形でなる超電導磁気シ
ールド体およびその製造方法。 【効果】 酸化物系超電導材は非常に脆いものである
が、金属層と多層化することによりその機械的強度が大
幅に向上し、かつ熱伝導性の改善により超電導安定性も
大幅に向上した。さらには多層化による超電導層単層厚
さの減少により変化速度の大きい磁場中でもヒステリシ
スロスが減り、安定でいることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高磁場でも良好な磁気シ
ールド特性を発揮する酸化物系超電導磁気シールド体お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物系超電導磁気シールド体1
は図3(a)に斜視図を、(b)にAの部分の拡大図を
示すように、底付き円筒容器形状または底無し円筒形状
のセラミックスまたは金属の基板5の外側の表面に形成
されるか、または図4(a)、(b)に図3と同様に示
すように基板5の内側に形成された後、適当な熱処理を
施して磁気シールド体とされてきた。表面上への形成方
法としては主として酸化物系超電導体の仮焼粉をスラリ
ーと混ぜて塗布したり、溶射、蒸着、スパッタリング等
の方法が行われている。
【0003】また図5に示すように酸化物系超電導体の
粉末をHIP(熱間静水圧プレス)やCIP(冷間静水
圧プレス)を用いて底付き円筒容器または底無し円筒を
形成し、焼成法にて磁気シールド円筒体6とする方法も
一般的に行われている。
【0004】ここで上記の底付き円筒容器形状または底
無し円筒形状の超電導体は、外部磁界がある値になるま
ではその内部を高い効率で磁気シールドすることができ
る。これは外部磁界による磁束を打ち消すように、超電
導体中に超電導遮蔽電流が外部磁界の向きとは垂直な方
向に閉ループをつくって流れることによる。またこれと
は逆に内部に磁気発生源があって、内部磁界から外部を
磁気シールドすることもできるが、原理は同様である。
そのため従来から本形状の磁気シールド体は各種考案さ
れ、中には一部実用化されたものもある。たとえば微小
磁場の測定に用いられるSQUID磁束計の磁気シール
ド用等に開発が進められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記方法のうち例えば
粉末法で作製されるYBaCuO系やBiSrCaCu
O系の酸化物超電導体ではいずれも微小粉末を出発材料
とし、最終熱処理において焼結させ、酸素を富化させて
特性向上を図るわけであるが、その際粒界が多数存在し
た多結晶体となる。これら酸化物系超電導体の超電導電
流はその単結晶中では非常に大きな臨界電流密度(J
c)を有するが、この粒界が超電導電流を阻み、著しく
減少させてしまう。
【0006】一般に粒界はウィークリンクと称され、材
料全体のJcは非常に低いものである。特にこのウィー
クリンクは磁場に弱く、低い磁場をかけただけで超電導
電流が著しく低下するか流れなくなってしまう。したが
って従来法による磁気シールド円筒体中にも多数の粒界
すなわちウィークリンクが存在し、超電導遮蔽電流が低
いために磁気シールド特性もきわめて低かった。
【0007】また図3、図4および図5に示した従来技
術による円筒容器または円筒の場合、機械的強度に問題
があり、衝撃を受けた時はもちろん室温と液体窒素温度
との間の熱サイクルの繰り返しによっても割れが発生し
やすかつた。特に図5の成形体は酸化物超電導体そのも
ので脆い性質のものであり、金属等の機械的強度がすぐ
れた補強材がなく非常に割れやすかつた。
【0008】ところで最近の研究では、たとえばBiS
rCaCuO系酸化物超電導体の銀シース法によるテー
プ状線材では、銀シースの中の酸化物超電導体の粉末が
ダイス引きまたは圧延等を繰り返し行うことで結晶の配
向性が向上し、かつ結晶粒同士の結合性が強くなってJ
c特性のかなりの向上が見られている。しかしながらた
とえば図6に示すようにボビン7のまわりにテープ状線
材8をソレノイドコイル状にコイル巻して円筒9を作製
した場合、円筒の軸方向および円周方向に切れ目または
接続部のない磁気シールド円筒を得ることは不可能であ
った。超電導電流を阻止するようにそれらが存在した場
合、切れ目によって超電導電流が途切れ、接続部によっ
ても途切れるか大幅に減少してしまうからである。
【0009】ここで銀シースの果たす役割は先にも記し
たように、酸化物超電導材は非常に脆いものであるので
それを補強する意味で機械的強度を与えること、ダイス
引きや圧延の時もスムースな加工ができること、線材と
してのフレキシビリテイを保持すること、および高導電
金属であることを利用して超電導安定性を強化するとい
ったことが挙げられる。
【0010】そこで図7に図6のソレノイド円筒9の一
部拡大断面を示すが、必然的に生じる軸方向の切れ目を
埋めるべく、テープ間の間隙に半田等10を含浸する場
合もある。しかしこの方法は円筒の軸と遮蔽すべき磁場
が平行の場合は、テープの長手方向と超電導遮蔽電流の
方向が一致するためになかなか良い磁気シールド特性を
示すが、軸と垂直な磁場に対しては超電導遮蔽電流が半
田による接合部を多数横切るため、特性がきわめて低下
してしまっていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は上記
課題を克服するため鋭意研究開発に努めた結果、上記の
ような高Jcを有する金属シース板または箔からなる、
磁気シールドに対して非常に有効な形状である、軸方向
および周方向に切れ目または接続部のない底付き筒形容
器または底無し筒形と、その製造方法を提供しようとす
るものである。
【0012】すなわち、1層以上の酸化物系超電導層と
2層以上の金属層とが交互に積層され、かつ最外層が両
面共金属層である板または箔からなる、軸方向および周
方向に切れ目または接続部のない底付き筒形容器または
底無し筒形であることを特徴とする酸化物系超電導磁気
シールド体である。
【0013】また、金属板からなる筐体状または円筒状
中空体中に、酸化物系超電導材の粉末からなる層と金属
板とを交互に充填積層し、端部を塞いで溶接密封した
後、圧延または鍛造して板または箔状とし、しかる後プ
レス成形または圧延を施して軸方向および周方向に切れ
目または接続部のない底付き筒形容器を製造した後、酸
化物系超電導体の特性付与のための熱処理を施すことを
特徴とする酸化物系超電導磁気シールド体の製造方法で
ある。
【0014】また上記製造方法において、底付き筒形容
器を製造した後、酸化物系超電導体の特性付与のための
熱処理を施す前に底部を切断して底無し筒形にすること
も特徴とする。
【0015】また他の製造方法として、金属からなる同
心状に積層した2個以上の直径の異なる円筒の間隙に酸
化物系超電導材の粉末を充填し、端部を塞いで溶接密封
した後、押出し加工、ダイス引き抜き加工、プレス成形
法または管圧延加工のうち1種以上を用いて軸方向およ
び周方向に切れ目または接続部のない底無し筒形を製造
した後、酸化物系超電導体の特性付与のための熱処理を
施すことを特徴とするものである。またこの製造方法に
おいて最内側の円筒に代えて金属からなる円形棒を配置
してもよい。
【0016】
【作用】本発明による磁気シールド材は、酸化物系超電
導層と金属層とが交互に積層された多層複合板からな
る、軸方向および周方向に切れ目または接続部の全くな
い底付き筒形容器または底無し筒形とすることが特徴で
ある。
【0017】ここで酸化物系超電導層の複数層が金属層
と交互に積層されていて、トータルの超電導層の厚さが
同じ場合、超電導単層の厚さが小さいほど、すなわち多
層化の層数が増えるほど超電導安定性の観点からは望ま
しい。ただしその超電導単層厚さは超電導状態を保持す
るために最小でもコヒーレンス長以上でなければならな
い。また筒形とは円筒および断面が楕円形や多角形であ
る筒形を総称した呼び名である。
【0018】上記の磁気シールド体は図10に示すよう
に、たとえば円筒3の軸14に平行な外部磁場15によ
る磁束を打ち消すように、かつ磁束に垂直な方向に超電
導遮蔽電流16が閉ループをつくって流れる。この閉ル
ープの途中に接続部や常電導部があると、超電導遮蔽電
流が大幅に低下してシールド特性が小さくなるか、ある
いは抵抗により減衰してしまいにはシールド特性も失わ
れる。すなわち材料全体が常電導体となって超電導磁気
シールド特性も失われる。
【0019】したがつて本発明によれば筒形の全周長に
閉ループ状に超電導遮蔽電流が減衰することなく流れる
ことができ、磁気シールド特性が半永久的に得られる。
上記筒形の片端が同じ材質の板で塞がつている場合、す
なわち底を有する筒形容器となつている場合も基本的に
は上述と同じことである。両端が開放された筒形は、そ
れら開放端から内部空間にある程度のもれ磁場が侵入し
ている。それに対し筒形容器の場合、その底のある方か
らは磁場強度にもよるが、もれ磁場がない。したがって
比較的軸方向の長さが短い筒形で、より効率よく磁気シ
ールドする場合は、底を有する筒形容器が適するといえ
る。
【0020】さらに大きい磁場のシールドのために、こ
れら筒形容器または筒形の形状が相似で、サイズが少し
ずつ違うものを複数用意して同心状に重ね合わせ、筒形
容器または筒形の肉厚を増やすことも可能である。
【0021】図10では、筒形の外からの磁場に対して
その内部空間をシールドする場合を挙げたが、筒形の内
部に超電導コイル等の磁場発生源があり、それに対して
外部空間をシールドすることももちろん可能である。ま
たこれまでは筒形容器または筒形の軸が外部磁場または
内部磁場の方向に対し平行になるように配置していた
が、これが垂直の場合や両者の中間に傾いた場合でも磁
気シールドは可能である。
【0022】また本発明の磁気シールド体の製造方法で
あるが、金属板で構成される筐体状または円筒状中空体
中に酸化物系超電導体の粉末からなる層と金属板とが交
互になるように充填積層し、端部を塞いで溶接密封す
る。粉末の性状としては仮焼粉砕したものや、本焼結後
粉砕したもの、全溶融または半溶融後粉砕したもの、ま
たは全溶融または半溶融後適当な熱処理を施してから粉
砕したもの等が挙げられる。この溶接時の雰囲気は真空
中、大気中、場合によっては酸素中等が挙げられ、圧力
も適宜変えられるが、複合材加工による異種材料の密着
の観点からは真空中が好ましい。
【0023】その後圧延または鍛造等により板または箔
状とする。この時目的と必要に応じて材料を加熱して熱
間または温間で行ってもよく、室温での冷間で行うこと
も当然できる。加工の途中で加工性あるいは特性を上げ
るために適当な熱処理を施すこともある。その後プレス
成形を施して図1(a)の斜視図に示すような軸方向お
よび周方向に切れ目や接続部のない底付き筒形容器を製
造し、必要に応じて底部を切断して図2(a)に示すよ
うな底無し筒形とする。なお図1および図2の(b)図
はそれぞれ(a)図のA部分の拡大図で、酸化物系超電
導層1と金属層2とが交互に層状になっている。プレス
成形の前や場合によっては途中に、加工性あるいは特性
を上げるために熱処理を施すこともある。そして最終的
には酸化物系超電導体の特性付与のための、すなわち酸
化物系超電導体を形成させるための、あるいはその特性
を上げるための熱処理を行うことによって完成する。
【0024】プレス成形法としては、深絞り成形法、張
り出し成形法、鍛造成形法、押出し加工法等がある。特
に深絞り成形法においては、底付き筒形容器の軸方向の
長さを大きくするために、しごき深絞り成形法や、再深
絞り成形法およびその繰り返しをすることもできる。ロ
ールを用いたスピニング成形法を用いることもできる。
また筐体状または円筒状中空体中に酸化物系超電導粉末
を充填した後、場合によつては片端あるいは両端を開放
したまま加工することも可能である。
【0025】別の製造方法として図8に示すような金属
からなる同心状に積層した少なくとも2個以上の直径の
異なる円筒11の間隙か、または図9に示すような最内
側の円筒の代わりに円形棒13を置いた間隙に酸化物系
超電導体の粉砕した粉末12を充填し、端部を塞いで溶
接密封した後、押出し加工、ダイス引き抜き加工、また
は管圧延加工のうち1種類以上を用いて軸方向および周
方向に接続部のない底無し筒形を製造した後、熱処理を
施すことによって完成する。
【0026】ここで粉末の性状、溶接時の雰囲気、その
後の各種加工時の温度などは先の製造方法と同様であ
る。また上記加工の間に加工性あるいは特性を上げるた
めに適当な熱処理を施すことも可能である。また円筒状
中空体中に酸化物系超電導粉末を充填した後、場合によ
つては片端あるいは両端を開放したまま加工することも
可能である。
【0027】また押出し加工、ダイス引き抜き加工また
は管圧延加工においては円筒の穴を広げて薄肉大径の円
筒にする、すなわち拡管加工が加わるのが一般的である
が、そうでない場合ももちろんありうる。これら加工方
法のうち押出し加工とダイス引き抜き加工はその加工の
進行方向は円筒軸方向に平行であるが、管圧延加工は平
行な場合と垂直な場合の2通りある。
【0028】上記の磁気シールド体において金属は、
銀、銀合金、銅、または銅合金のうちの1種類以上であ
ることが好ましい。これらの中では酸化物超電導体の結
晶構造上不可欠で超電導特性向上にも重要な酸素の固溶
性に銀が最も富んでおり、かつ超電導特性安定化のため
に重要な導電性も最高であり、酸化物超電導材との複合
加工性も良いということで最適である。銅も酸素固溶性
に劣るが、高導電性、良加工性を有し適用できる。また
純銀、純銅ではやわらかすぎ加工性の点でもっと硬い金
属が適するとか、変動磁場中での用途のため過電流によ
るジュール損を減らしたいような場合には、銀合金また
は銅合金、または銀や銅とこれら合金との複合材でもよ
い。
【0029】
【実施例】実施例1 厚さ3mmの銀板で外形厚さ16mm×幅76mm×3
6mmの筐体を溶接で作製した。その中にBi2 Sr2
Ca2 Cu3X 酸化物超電導体の混合仮焼粉を充填し
た後、開口端部も同じ銀板でフタをして真空中で溶接密
封した。その後冷間圧延および幅方向の両端不良部をト
リミングによつて厚さ0.5mm×幅73mm×長さL
のシートにした。しかる後本シートより直径70mmの
円形ブランクを切り抜き、深絞り加工により図1に示す
ような内径25mm、肉厚0.5mm、高さ30mmの
底を有する円筒容器3を得た。その後800〜880℃
にて20〜30時間程度の熱処理を酸素中で行った。
【0030】次いで図11に示すように、軸中心に直径
5mmのホール素子17を配した上記円筒容器3を、液
体窒素18を満たしたクライオ容器19中に円筒容器の
軸20とコイルの発生する直流磁場15(円筒試料がな
い場合)とが平行になるようにセツトした後、このクラ
イオ容器をソレノイド型常電導コイル21のボアー中心
部にセットし、温度77Kでの磁気シールド特性を調べ
た。
【0031】これによりコイルの直流発生磁場が約50
0Gまでシールド効率が95%以上である良好な磁気シ
ールド特性が得られた。すなわちホール素子が検知した
磁場は試料がない時の外部磁場の5%以下しかなかっ
た。
【0032】比較のために図3のもの、図4のもの、お
よび図5のもの各円筒容器状サンプルについても同様に
測定した。これらサンプルの酸化物超電導層のトータル
厚さや円筒容器の各種サイズは図11のサンプル3とで
きるだけ同じにした。その結果、図3のものおよび図4
のものは約100Gで磁気シールド特性が大幅に低下し
た。図5のものは約30Gで磁気シールド特性が大幅に
低下した。
【0033】実施例2 実施例1と同じ方法で円筒容器3を作製した後、底の部
分を切断除去して図2のような円筒サンプル3とし、同
様の方法で磁気シールド特性を調べた。その結果実施例
1の本発明品に比べ、底がなくなったことでもれ磁場効
果により若干の低下があつただけで、ほぼ同じオーダー
の高い磁気シールド特性が得られた。
【0034】実施例3 図8に示すように、外径20mm、肉厚2.3mmの銀
管の中に外径10mm、肉厚2.3mmの銀管を同心状
に挿入し、両者の間隙に実施例1と同様にBi 2 Sr2
Ca2 Cu3X酸化物超電導体の混合仮焼粉を充填し
た後、開口端部も同じ銀板でフタをして真空中で溶接密
封した。その後、冷間での管圧延法により中心に穴をあ
けつつ拡管加工して円筒形とした。さらにダイス引き抜
き加工により実施例2と同じサイズの底無し円筒を得、
その後HIPによる圧力を加えながら熱処理と酸素中で
の熱処理を数回繰り返し行い、実施例2と同様の方法で
磁気シールド特性を測定し、その結果ほぼ同レベルの特
性を得ることができた。
【0035】実施例4 実施例1と同じようにYBa2 Cu37-X 酸化物超電
導体の混合仮焼粉と銀板を素材として内径25mm、肉
厚0.5mm、高さ30mmの底を有する円筒容器3を
得た。その後900〜960℃にて20〜30時間程度
の熱処理を酸素中で行った。実施例1と同様に磁気シー
ルド特性を測定したところ、コイルの直流磁場が約20
0Gまでシールド効率が95%以上であった。
【0036】実施例5 各要素材の数とサイズが異なるほかは実施例1とほぼ同
様の方法で厚さ約30μmの酸化物超電導層が10層と
厚さ15μmの銀層が交互に積層され、最外層の銀層厚
さが約30μmである板厚0.5mm×幅73mm×長
さLのシートを作製し、しかる後本シートより直径70
mmの円形ブランクを切り抜き、深絞り加工により図1
に示すような内径25mm、肉厚0.5mm、高さ30
mmの底を有する円筒容器3を得た。
【0037】しかる後やはり実施例1と同様に77Kで
の磁気シールド特性を測定した結果、直流発生磁場が約
400Gまでシールド効率が95%以上である良好な磁
気シールド特性が得られた。実施例1よりも若干特性が
低いが同比較例よりははるかに高い値が得られた。また
実施例1でフラックスジャンプ(磁束の急激な移動発生
による超電導状態の崩壊、すなわち常電導遷移)が見ら
れた励磁速度に対し、本品においてはその3倍の励磁速
度でも発生しなかった。すなわちより高速の磁場変化に
対して超電導状態が安定であった。
【0038】実施例6 銀板の代わりに、サイズ等が全く同じである銅板を用い
て実施例1と同じ方法で円筒容器3を作製した後、同様
の方法で磁気シールド特性を調べた。その結果実施例1
の本発明品に比べ、約4割の特性低下が見られたがほぼ
同じオーダーの磁気シールド特性が得られた。
【0039】実施例7 銀板の代わりに、サイズ等が全く同じである銀合金板
(Ag−10wt%Ni)、および銅合金板(Cu−1
0wt%Ni)を用いて実施例1と同じ方法で円筒容器
3を作製した後、同様の方法で磁気シールド特性を調べ
た。その結果実施例1の本発明品に比べ、約2割の特性
低下が見られたがほぼ同じオーダーの磁気シールド特性
が得られた。また実施例1の本発明品においてフラック
スジャンプが発生した励磁速度に対し、本品においては
その1.5倍の励磁速度でも発生しなかった。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超電導磁
気シールド体によればAg/酸化物系超電導材多層複合
板からなる、その軸方向および周方向に切れ目、接続部
の全くない筒形容器や筒形を得ることができる。よつて
筒形の周方向のみならず、軸方向に平行にも超電導遮蔽
電流が流れることができ、超電導状態にあるかぎり安定
した高い磁気シールド特性を得ることができる。
【0041】また本発明の製造法によれば、筒形容器ま
たは筒形に加工するまでに冷間加工を施すことができ、
これにより酸化物系超電導体の配向性および結晶粒間の
結合性が改良されて超電導磁気シールド特性の向上をみ
ることができ、その工業的な利用価値は非常に高いもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化物系超電導磁気シールド体を示
し、(a)は底付き円筒容器の斜視図で、(b)はA部
の拡大図
【図2】本発明の酸化物系超電導磁気シールド体を示
し、(a)は底無し筒形の斜視図で、(b)はA部の拡
大図
【図3】(a)は従来の酸化物系超電導層を形成させた
超電導磁気シールド体を示す斜視図で(b)はA部の拡
大図
【図4】(a)は従来の酸化物系超電導層を形成させた
超電導磁気シールド体を示す斜視図で(b)はA部の拡
大図
【図5】従来の酸化物系超電導材の磁気シールド体の斜
視図
【図6】従来の酸化物系超電導材による磁気シールド体
の作成方法示す図
【図7】図6の磁気シールド体の一部分の断面図
【図8】本発明の超電導磁気シールド体の実施例を示す
【図9】本発明の超電導磁気シールド体の実施例を示す
【図10】本発明の超電導磁気シールド体の動作の説明
【図11】超電導磁気シールド特性の測定方法を示す図
【符号の説明】
1 酸化物系超電導層 2 金属層 3 超電導磁気シールド体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】ここで酸化物系超電導層の複数層が金属層
と交互に積層されていて、トータルの超電導層の厚さが
同じ場合、超電導単層の厚さが小さいほど、すなわち多
層化の層数が増えるほど超電導安定性の観点からは望ま
しい。ただしその超電導単層厚さは超電導状態を保持す
るために最小でもコヒーレンス長の2倍以上でなければ
ならない。また筒形とは円筒および断面が楕円形や多角
形である筒形を総称した呼び名である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】さらに大きい磁場のシールドのために、こ
れら筒形容器または筒形の形状がほぼ相似で、サイズが
少しずつ違うものを複数用意して同心状に重ね合わせ、
筒形容器または筒形の肉厚を増やすことも可能である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】上記の磁気シールド体において金属は、
銀、銀合金、銅、または銅合金のうちの1種類以上であ
ることが好ましい。これらの中では酸化物超電導体の結
晶構造上不可欠で超電導特性向上にも重要な酸素の固溶
性に銀が最も富んでおり、かつ超電導特性安定化のため
に重要な導電性も最高であり、酸化物超電導材との複合
加工性も良いということで最適である。銅も酸素固溶性
に劣るが、高導電性、良加工性を有し適用できる。また
純銀、純銅ではやわらかすぎ加工性の点でもっと硬い金
属が適するとか、変動磁場中での用途のため電流によ
るジュール損を減らしたいような場合には、銀合金また
は銅合金、または銀や銅とこれら合金との複合材でもよ
い。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の超電導磁
気シールド体によれば金属/酸化物系超電導材多層複合
板からなる、その軸方向および周方向に切れ目、接続部
の全くない筒形容器や筒形を得ることができる。よつて
筒形の周方向のみならず、軸方向に平行にも超電導遮蔽
電流が流れることができ、超電導状態にあるかぎり安定
した高い磁気シールド特性を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1層以上の酸化物系超電導層と2層以上
    の金属層とが交互に積層され、かつ最外層が両面共金属
    層である板または箔からなる、軸方向および周方向に切
    れ目または接続部のない底付き筒形容器または底無し筒
    形であることを特徴とする酸化物系超電導磁気シールド
    体。
  2. 【請求項2】 金属板からなる筐体状または円筒状中空
    体中に、酸化物系超電導材の粉末からなる層と金属板と
    を交互に充填積層し、端部を塞いで溶接密封した後、圧
    延または鍛造して板または箔状とし、しかる後プレス成
    形または圧延を施して軸方向および周方向に切れ目また
    は接続部のない底付き筒形容器を製造した後、酸化物系
    超電導体の特性付与のための熱処理を施すことを特徴と
    する酸化物系超電導磁気シールド体の製造方法。
  3. 【請求項3】 底付き筒形容器を製造した後、酸化物系
    超電導体の特性付与のための熱処理を施す前に底部を切
    断して底無し筒形にすることを特徴とする請求項2記載
    の酸化物系超電導磁気シールド体の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属からなる同心状に積層した2個以上
    の直径の異なる円筒の間隙に酸化物系超電導材の粉末を
    充填し、端部を塞いで溶接密封した後、押出し加工、ダ
    イス引き抜き加工、プレス成形法または管圧延加工のう
    ち1種以上を用いて軸方向および周方向に切れ目または
    接続部のない底無し筒形を製造した後、酸化物系超電導
    体の特性付与のための熱処理を施すことを特徴とする酸
    化物系超電導磁気シールド体の製造方法。
  5. 【請求項5】 最内側の円筒に代えて金属からなる円形
    棒を配置することを特徴とする請求項4記載の酸化物系
    超電導磁気シールド体の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属が銀、銀合金、銅または銅合金のう
    ちの1種以上であることを特徴とする請求項1ないし5
    記載の酸化物系超電導磁気シールド体またはその製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07283586A (ja) * 1994-04-12 1995-10-27 Chodendo Sensor Kenkyusho:Kk 磁気シールド体
CN116295321A (zh) * 2023-03-06 2023-06-23 北京航空航天大学 一种基于凸台的渐变气隙与壁厚的多层圆柱磁屏蔽桶结构

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