JPH05177764A - 溶接缶用ラミネート鋼板とその製造方法 - Google Patents

溶接缶用ラミネート鋼板とその製造方法

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JPH05177764A
JPH05177764A JP34572591A JP34572591A JPH05177764A JP H05177764 A JPH05177764 A JP H05177764A JP 34572591 A JP34572591 A JP 34572591A JP 34572591 A JP34572591 A JP 34572591A JP H05177764 A JPH05177764 A JP H05177764A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 製缶時に缶胴をシーム溶接で接合する溶接缶
に向けたプレコート鋼板。 【構成】 めっき鋼板に樹脂フィルムをラミネートする
が、樹脂ラミネート帯2の間に、幅5〜20mmのニス避
け部2を設ける。めっき層は錫めっき又はニッケル−錫
の二層めっきであり、その上にクロメート層を持つ。そ
の表面は中心線平均粗さRaが0.02〜0.35μm
。樹脂をラミネートする時、230℃を超えて加熱す
ることを避けて、製品の伸び特性を伸び18%以上に確
保する。 【効果】 ニス避け部は、溶接時に品質を劣化させる樹
脂の除去工程を省き、その幅は溶接時に熱の悪影響を樹
脂に与えない。めっき層は全面に充分な耐食性を与え、
その表面粗さは樹脂層に充分な密着性を与える。加え
て、製品は満足な伸び特性を有し、フランジ加工に充分
に耐える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、食缶等の溶接缶に用
いられる缶用鋼板であるが、予め樹脂を鋼板にラミネー
トして製缶後の塗装工程を省くとともに缶胴のシーム溶
接が容易且つ充分な加工性や耐レトルト性等を併せ持つ
溶接缶用鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】缶の製造法には、半田製缶法、DI(絞
りしごき)製缶法、接着製缶法、溶接製缶法等がある。
溶接製缶法は、他の製缶法に比べ装置が簡単で設備費が
安く作業が容易に確実に行なえ、且つ溶接部の強度が高
く高度な加工に耐えられる等の利点があることから、急
速に普及してきた製缶法である。
【0003】缶用材には、当初錫めっき鋼板が用いられ
たが、資源的に問題のある錫の量を減らすべく、近年で
は塗料との併用や他金属の使用或いは併用が行われてい
る。他金属としてはニッケルやクロムが用いられ、これ
らの単層めっきの他、錫との二層めっきや合金めっき等
が使われている。しかし、半田製缶法では錫量の節減に
も限界があり、この点でも、他金属のめっき層でも接合
が可能な溶接製缶法の伸びが期待されている。
【0004】一方、缶内面塗装や外面の保護塗装、印刷
等の発達が目ざましく、樹脂皮膜が大いに活用されてい
る。しかし、これらを施す場合、めっき鋼板を所定寸法
のシート状に切り、これらを一枚づつ塗装や印刷を施す
が、特に内面について塗膜厚を確保するため、塗装を繰
り返す場合が多かった。このため、物流コストがかかっ
たり、塗装による環境汚染に対する対策等を要し、これ
は製缶工程の合理化すべき課題の一つになっていた。
【0005】この課題に対し、缶用材製造メーカーにて
めっき鋼板上にあらかじめ、その全面に樹脂をラミネー
トする方法が提案されている。例えば、特開昭58−3
9447号公報では、錫めっき鋼板を錫の融点以下の温
度に予熱して樹脂フィルムを仮接着し、更に錫の融点以
上(240℃〜400℃)に加熱して本接着する方法が
開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして作られるラミネート鋼板は溶接を要しない打抜
き缶やDI缶用に適しており、溶接缶用に用いる場合に
は次のような問題がある。
【0007】溶接缶では、図3に示すように、缶胴13
はシート11を丸めた後その縁端部12同士を僅かに重
ね、この部分がワイヤーシーム溶接によって接合されて
作られる。ワイヤーシーム溶接は、銅ワイヤーを電極と
した電気抵抗溶接で、溶接される部分に導電性が要求さ
れる。しかし、上記のラミネート鋼板から缶胴の寸法に
切り出されたシートでは、全面が樹脂皮膜で覆われてい
るので、縁端部12の樹脂皮膜を研削除去しなければな
らない。この研削に伴い、樹脂皮膜の下のめっき等の表
面処理層の大半も同時に削りとられてしまう。この部分
は、溶接後に補修塗装が施されるが、少なからぬ耐食性
の低下が避けられない。研削に伴う他の問題は、研削く
ずの一部がごみとして缶内に残ってしまうことである。
又、高速溶接を考慮しためっきが削りとられた場合に
は、当然、溶接性が低下する。
【0008】もう一つの問題は、本接着時に錫の融点以
上に加熱されることである。この加熱によって錫の多く
は鉄と合金化してしまう。錫・鉄合金は硬く又融点も高
く、溶接時に、錫のように溶接面の接触抵抗を低下させ
溶接電流を均一に流す作用を、もはや失っている。更
に、大きな問題は、上記の加熱の影響で材料の伸びが低
下することである。伸び低下の大きな材料ではフランジ
加工に際して割れが発生する。
【0009】このような問題を解決するためにこの発明
は行われたもので、溶接に際して樹脂皮膜の研削除去を
要せず高速溶接を容易とし、ネックイン加工やフランジ
加工等の加工性が良く、且つ加工に対してのみならず、
レトルトに対しても樹脂フィルム密着性の良い溶接缶用
ラミネート鋼板を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の手段は、(I)に示す溶接缶用ラミネート鋼板と(I
I)に示すこのラミネート鋼板を製造する方法とであ
る。
【0011】(I)化成処理を施されためっき層を有
し、これらのめっき層表面の中心線平均粗さRaが0.
02μm以上0.35μm以下であるめっき鋼板の少な
くとも片面に、帯状のニス避け部と樹脂ラミネート帯と
が交互に鋼板の圧延方向と平行に設けられ、前記めっき
層、前記ニス避け部及び前記樹脂ラミネート帯が各々次
の(い)、(ろ)及び(は)であり、伸びが18%以上
である溶接缶用ラミネート鋼板であって、めっき層或い
は化成処理皮膜が、次の(1)、(2)、(3)の範囲
であることが望ましい。 (い)錫の単層めっき層又はニッケルめっき後に錫をめ
っきした二層めっき層 (ろ)樹脂をラミネートしない部分で、幅5mm以上20
mm以下であるニス避け部。 (は)樹脂の主成分がポリエチレンテレフタレート又は
ポリエチレンナフタレートである樹脂ラミネート帯。 (1)錫の単層めっき層の付着量が0.9g/m2以上2.
0g/m2以下である。 (2)二層めっき層の付着量がニッケル15mg/m2 以上
100mg/m2 以下であり、錫が0.8g/m2以上2.0g/
m2以下である。 (3)めっき層に施された化成処理皮膜の金属クロム量
が5mg/m2 以上50mg/m 2 以下で、クロムオキサイドが
クロム換算で5mg/m2 以上25mg/m2 以下である。
【0012】(II)表面中心平均粗さRaが0.40μ
m 以下の鋼板の表面に錫めっきを付着量0.9g/m2以上
2.0g/m2以下施し、又は、前記鋼板の表面にニッケル
めっきを付着量15mg/m2 以上100mg/m2 以下施した
後錫めっきを付着量0.8g/m2以上2.0g/m2以下施し
てめっき表面中心平均粗さを0.02μm 以上0.35
μm 以下に調整した後クロメート処理を施し、その上に
次の(に) に掲げる条件で樹脂フィルムをめっき鋼板の
少なくとも片面に走行方向に連続的にラミネートする溶
接缶用ラミネート鋼板の製造方法であって、樹脂フィル
ムについて次の(4)の範囲であることが望ましい。 (に)樹脂フィルムの融点をTm ℃として、数1に示す
温度T1 ℃に1秒以上60秒以下めっき鋼板を保持して
予熱した後、ロール圧着により樹脂フィルムをラミネー
トし、その後数2に示す温度T2 ℃に1秒以上10分以
下保持して後加熱を行ってから冷却する。 (数1) 230≧T1 ≧Tm −20 (数2) 230≧T2 ≧Tm −15 (4)樹脂フィルムの融点が180℃以上240℃以下
である。
【0013】
【作用】ニス避け部は樹脂がラミネートされておらず、
錫めっきの上に塗料の密着をよくする化成処理が施され
ている。図1にこのラミネート鋼板の表面を示す。帯状
のニス避け部1と樹脂ラミネート帯2とが鋼板の圧延方
向に平行して交互に設けられている。図2に断面を示
す。3は樹脂フィルム、4は化成処理層、5はめっき
層、6は鋼板である。ニス避け部1の皮膜は化成処理層
4とめっき層5とからのみ構成され樹脂3が被覆されて
いない。したがって、ニス避け部を溶接代とすることに
よって、予め樹脂3をラミネートした鋼板であっても、
製缶時の溶接に際して樹脂皮膜を取り除く必要がなくな
る。
【0014】一方、樹脂ラミネート帯2は、ニス避け部
1と同様にめっき層に化成処理が施され、その上に樹脂
がラミネートされている。このため、製缶時に手間の掛
かる塗装を施す必要がない。この樹脂ラミネート帯の幅
は缶の直径によって決まり、例えば200ml飲料缶では
約161mmである。
【0015】ニス避け部は、表裏接して溶接されるので
鋼板の両面に必要であるが、樹脂ラミネート帯は少なく
とも缶の内面となる片面に有していればよい。勿論、両
面に設けても差し支えなく、この場合は缶の内面と外面
とを考慮して処理する。例えば、内面相当面にはこの発
明による樹脂ラミネート帯を有し、外面相当面はめっき
層のみとしたり、ホワイトコート或いは樹脂ラミネート
層としたりする等需要に応じた処理面とすればよい。
【0016】このように、少なくとも片面は予め樹脂が
ラミネートされているので、製缶時の溶接、外面印刷、
加工等の工程を経ても破損や劣化が生じることなく、且
つ内容物充填後も耐食性を始め皮膜の密着性等を維持す
る物でなければならない。
【0017】先ず溶接時には、ニス避け部の幅は重要な
意味を持つ。溶接部の温度は1000℃を超え、その熱
は缶の周方向にも伝播する。この影響で樹脂層の特性が
低下してはならない。ニス避け部の幅が狭過ぎる場合樹
脂が溶融したり変質したりする。熱伝播域について調べ
ると、溶接速度や板厚、熱伝導度等が関係するが、溶接
速度の影響が大きい。溶接時の熱の影響を避けるために
は、5mm以上のニス避け部の幅が必要である。一方ニス
避け部には、溶接後補修塗装が施される。20mmを超え
るニス避け部の幅は必要なく、又、この幅を20mm以下
とすることによって、溶接後に余分な領域を補修塗装す
ることが避けられる。ニス避け部が鋼板の縁端に位置す
る場合は上記の半分の幅でよいことは言うまでもない。
【0018】次に、樹脂フィルムとめっき層との間には
ネックイン加工等に耐える密着力が存在しなければなら
ない。特に、外面印刷に伴う加熱を受けるとき、樹脂フ
ィルムは収縮しようとするが、この時、樹脂フィルムと
めっき層の間に閉じ込められた空気や水分があると充分
な密着力が得られない。ここで、密着力が低下した部分
が出来ると、ネックイン加工や伸びフランジ加工時に剥
離が起こる。めっき層表面に凹凸があると、ラミネート
時に凹部の底まで軟化した樹脂フィルムの先端が侵入せ
ず空気や水分が巻き込まれ易い。
【0019】樹脂フィルム自体も加工時に亀裂や割れの
生ずるものは避ける。ポリオレフィン樹脂やポリエステ
ル樹脂がよく、特に加工性に加えて耐食性のあるポリエ
チレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート が推
奨される。これらの二軸延伸フィルムはバリヤー効果で
は特に優れている。
【0020】めっき層表面の中心平均粗さRaが0.3
5μm以下であれば、空気や水分の巻き込みが少なく、
充分な密着性が得られる。この中心平均粗さRaは小さ
いほど空気や水分の巻き込みが少ない。しかし、0.0
2μm未満のめっき面は、印刷焼付等のハンドリング時
に擦り傷が発生し易い。
【0021】めっき面の粗さを小さくするためには、素
地鋼板の粗さを小さくすることが効果的である。中心平
均粗さRaが0.35μm以下のめっき層表面を得るに
は、表面の中心平均粗さRaが0.40μm以下の鋼板
を使用すればよい。この鋼板の表面を脱脂、酸洗等によ
り洗浄後、少なくとも片面に、錫又はニッケルをめっき
する。
【0022】めっきを施すのは高度の耐食性を付与する
ためであって、樹脂層のみだと、樹脂のイオン透過性に
限界があり、大きな腐食には到らなくとも、僅かな鉄の
溶出によって、食缶では内容物の味や香りが変わること
がある。又、めっき層が存在することによって、高温に
曝されるレトルト処理で仮に樹脂皮膜の密着性が低下す
る部分が生じても、防食効果が保たれる。
【0023】錫めっき単層の場合は0.9g/m2以上の付
着量があると、ラミネートされる樹脂フィルム或いはニ
ス避け部では塗膜と相まって、味や香りの変化を防ぐこ
とは勿論、耐レトルト性も格段に向上する。2.0g/m2
を超える錫のめっき量は過剰品質となる。ニッケルめっ
きを施す場合は、更に、錫めっきを施す。これは、上記
の耐食性を確保するとともに、高速溶接が容易に出来る
ニス避け部を得るためでもある。
【0024】錫は柔らかい金属で融点も低く、シーム溶
接時には錫の軟化により電極との間に容易に大きな接触
面積が得られる。このため、比較的低電圧で溶接に必要
な電流が均一に流れ、確実な溶接面が得られる。シーム
溶接では局部的に過剰な電流が流れると、金属の一部が
飛び散るスプラッシュが発生し、溶接部を汚したり電流
不足の部分の接合が不充分になったりする。この現象は
溶接が高速であるほど顕著に起こる。薄いニッケルめっ
き層の上に錫めっきが施してあると、その錫量は1g/m2
以下でもその効果は認められ、0.8g/m2以上あれば高
速の溶接にも充分耐えることができる。2.0g/m2を超
える量では過剰品質となり、更に過剰な場合は、融点の
低い錫はスプラッシュとなって飛び散ることがある。
【0025】ニッケルは、錫と同様無害の金属で耐食性
に優れている。又、錫層と鋼板との間にニッケル層を介
在させると、錫・鉄合金の生成を抑止する。このため、
めっき層がニッケルと錫の二層めっきの場合は、下層と
してニッケルを15mg/m2 以上めっきすることによっ
て、錫めっきの付着量を減らすことが出来、0.8g/m2
以上であれば耐食性、溶接性ともに充分な効果が得られ
る。又錫との二層めっきでは、下層のニッケルめっきは
100mg/m2 以上では過剰品質となる。
【0026】これらのめっき層は全て耐食性、溶接性共
に満足するので、内面にも又外面にも使用することがで
きる。即ち、めっき層は両面とも錫めっき或いはニッケ
ルと錫の二層めっきであってもよく、又、何れか片面が
錫めっきで他面がニッケルと錫の二層めっきでもよい。
めっき後に、化成処理を施すのは、クロメート皮膜を生
成させ、これによってめっき層と樹脂フィルム或いは塗
膜との密着性をよくするためである。
【0027】製缶時に、缶胴は丸く曲げられるだけでは
なく、シーム溶接後補修塗装を施され、その後ネックイ
ンと称する絞り加工を受ける。即ち、缶の胴の上方が細
く絞り込まれて首の部分が成形される。更に、缶蓋を付
けるために開口部は伸びフランジ加工を受ける。このよ
うな加工を受けると良く密着していないフィルムや塗膜
は剥離する。
【0028】クロメート処理皮膜によって樹脂フィルム
や塗膜とめっき層との密着力は高まる。この処理皮膜は
クロムの水酸化物や酸化物(以下、クロムオキサイドと
称す)と金属クロムとからなるが、金属クロムの量が5
mg/m2 以上でクロムオキサイドが5mg/m2 以上の皮膜を
形成すると一層強固な密着力が得られる。金属クロムの
量が50mg/m2 を超えて多くても、又クロムオキサイド
が25mg/m2 を超えて多くても密着力に対する効果は変
わらない。更に、クロムオキサイドが25mg/m 2 を超え
て厚いと、褐色が強くなり印刷下地としては好ましくな
い。
【0029】化成処理後、所定幅の樹脂フィルムを連続
的にラミネートするが、鋼板の走行方向と帯の長手方向
を一致させてラミネートするのがよい。この方向が異な
ると、ラミネートする機構及び操作が複雑となり、製造
設備が大きくなるので製造コストの上昇が避けられな
い。
【0030】ラミネートする方法には、接着剤を用いる
接着法と接着剤を用いずに熱と圧力とで接着するロール
圧着法とがあるが、接着法では接着剤溶剤の乾燥に時間
を要したり、フィルムの変形が起きたりするので、ロー
ル圧着法が実用的である。ラミネートで最も留意しなけ
ればならないのは、取扱中に鋼板の温度を上昇し過ぎな
いことである。
【0031】フランジ加工では、材料に伸びが要求され
る。伸びが不充分な場合にはフランジ割れが発生する。
特に、この製法では樹脂ラミネート帯の長手は鋼板走行
方向即ち圧延方向に平行であるので、鋼板幅方向の伸び
が要求される。鋼板幅方向の伸びは、長手方向の伸びよ
りも温度の影響を受け易く、錫の融点(約232℃)を
超える温度での加熱を受けると劣化する傾向がある。同
じ理由で、ラミネート時のめっき鋼板の予熱温度も23
0℃以下とし、後加熱温度も又230℃以下で行う。
【0032】加熱圧着法では、予熱温度が低過ぎると充
分な接着力が得られないが、下限はラミネートされる樹
脂フィルムの融点に依存する。融点の高い樹脂フィルム
では下限は高くなる。融点よりも20℃低い温度以上で
あれば、安定した接着力が得られる。このことから、鋼
板温度をT1 ℃、樹脂フィルムの融点をTm ℃として、
数1に示す範囲が適当となる。 (数1) 230≧T1 ≧Tm −20
【0033】この温度に適当な時間保持すると、めっき
鋼板表面の水分等が飛散し、前述した密着性を阻害する
要因を除くことが出来る。適当な時間は1秒乃至60秒
である。予熱されためっき鋼板と樹脂フィルムとは重ね
られて、圧下力をコントロールされたロールの間を通過
することによってロール圧着される。
【0034】その後、後加熱を行うことによって完全な
密着力を得る。後加熱では圧力は不要であるが、樹脂フ
ィルムの融点に非常に近い温度以上に加熱する必要があ
る。融点よりも15℃低い温度以上で少なくとも1秒間
好ましくは2秒以上加熱することによって、充分な密着
力が得られる。即ち、後加熱温度をT2 ℃として、数2
に示す範囲が適当となる。 (数2) 230≧T2 ≧Tm −15 加熱時間が余り長過ぎると、錫と鉄との合金化の進み度
合いが無視できなくなり、溶接性の低下につながるの
で、加熱時間は10分以下とするのがよい。
【0035】このように、加熱温度の制限を受けるの
で、用いられる樹脂フィルムは融点上の制限を受ける。
融点が250℃を超える樹脂フィルムは使用できない
が、望ましいのは融点が240℃以下の樹脂フィルムで
ある。
【0036】又、缶用材の使用目的によっては、融点が
低過ぎる樹脂フィルムも好ましくない。レトルト缶では
高温(125℃)に曝される(30分)ので、融点の低
い樹脂フィルムでは軟化し易く耐熱性が不足し剥離し易
い傾向がある。このような用途向けには、融点が180
℃以上の樹脂フィルムが望ましい。なお、限定するもの
ではないが、樹脂フィルムの厚さは4μmから60μm
程度が適切である。
【0037】
【実施例】厚さ0.20mmの冷延鋼板を脱脂及び酸洗に
より浄化した後、両面にめっきを施し、クロメート処理
を行った。但し、Snめっきを施した場合はリフロー処理
を行った後クロメート処理を施した。この処理鋼板を予
熱し二軸延伸タイプの樹脂フィルムをロールで圧着させ
ながら連続的に接着し後加熱後冷却ロール間を通して冷
却してラミネート鋼板を得た。得られたラミネート鋼板
の特性を調べた。
【0038】特性調査では、溶接缶用材に要求される溶
接性、樹脂フィルム密着性、耐レトルト性及び伸び特性
について試験を行った。又、製造過程では後加熱後冷却
直前にフィルムに膨れが発生したか否かを観察し、空気
や水分の巻き込み度合いを評価した。
【0039】錫めっきは、フェロスタン浴を用い、ニッ
ケルめっきはワット浴を用いて行った。化成処理は、硫
酸ナトリウムを含む無水クロム酸浴を用いて行った。ラ
ミネートは、幅161mmの樹脂フィルムを、幅2mm乃至
15mmの範囲でニス避け部を設けながら、鋼板片面に4
条接着させて行った。
【0040】試験及びその評価は次のように行った。 溶接性:スードロニックタイプ溶接機を用いて200ml
缶胴を溶接し、スプラッシュが発生しない最高速度で評
価した。
【0041】樹脂フィルム密着性:樹脂ラミネート帯を
対象とし、フィルムに2mm間隔に碁盤目カットを刻み、
エリクセン4mm押出し後、粘着テープで強制的に剥離
し、剥離面積の百分率を基準に評価した。なお、試験結
果は、剥離の無い場合◎、剥離面積が1〜10%の場合
〇、剥離面積が10〜30%の場合△、同じく30%以
上の場合×として取りまとめた。
【0042】耐レトルト性:クロスカットを施した試験
片を、1.5%のNaClを含む125℃の水溶液に3
0分間浸漬した後、粘着テープで強制的に剥離し、剥離
の状況を評価した。評価は、◎:剥離無し、〇:クロス
カット周辺部に僅かに剥離、△:クロスカット周辺部に
かなり剥離、×:全面剥離。
【0043】伸び特性:鋼板幅方向の伸びEl を測定
し、ラミネートを行わない場合の伸びEl0との比を採
り、伸び劣化度(1−El /El0 )を求めた。伸び劣化
度が10%未満の場合〇、10%以上30%未満を△、
30%以上の場合を×として評価した。なお、特性の調
査は、この発明の範囲外の比較例及び従来のニス避け部
を有しない従来例についても行い、この発明の実施例と
比較した。
【0044】従来例では、樹脂フィルムを削り取って溶
接代を作り溶接を行った。調査に供した試験片の詳細な
条件及び試験の結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】試験No. 1乃至16の実施例では、全ての
試験で満足な結果が得られた。これに対して、比較例で
は、めっき面の中心平均粗さRaが大きい試験No. 17
ではめっき表面粗さRaが大きく膨れが発生し、この膨
れた部分は耐レトルト性も悪い。樹脂フィルムの融点が
極端に低い試験No. 18も耐レトルト性が悪く、高い試
験No. 19は樹脂フィルムの密着性及び耐レトルト性に
劣る。予熱温度や後加熱温度が高過ぎた試験No. 20、
21では伸び特性が不充分である。No.20では、後加
熱温度も低過ぎてフィルム密着性も低下している。又、
ニス避け部の幅が5mmよりも狭い試験No. 22ではフィ
ルムのニス避け部に隣接した縁端の一部が溶接時の熱で
焼け、このためこの部分はフィルム密着性や耐レトルト
が低下していた。
【0047】従来例では、試験No. 23、24共ニス避
け部が設けられていないので、溶接代の研削の際めっき
層の大半が削り取られ溶接速度に劣っている。
【0048】
【発明の効果】以上述べてきたように、この発明によれ
ば、鋼板の表面に適切な幅のニス避け部と樹脂ラミネー
ト帯とを設け、ニス避け部と樹脂ラミネート帯の下地に
は錫めっきが施されている。このため、ニス避け部では
製缶に際して高速で安定した溶接が行える。しかも、錫
めっき面は平滑で且つ塗膜や樹脂フィルムと密着力を高
める化成処理が施されている。このため、樹脂フィルム
をラミネートする際に巻き込む空気や水分の量が極めて
少なく、高度に安定した密着性が得られ、選択される樹
脂フィルムと併せて耐レトルト性が高められている。加
えて、製造工程では過剰の加熱を避けて伸び特性を維持
しているので、加工時に欠陥が発生する事も充分に防が
れている。
【0049】このように優れた缶用材を提供することに
よって、製缶工程でシートの一枚毎に処理しなければな
らない塗装や印刷作業の省略を可能としたこの発明の効
果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の溶接缶用ラミネート鋼板の平面図で
ある。
【図2】この発明の溶接缶用ラミネート鋼板の断面図で
ある。
【図3】溶接製缶法を説明するための工程を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ニス避け部 2 樹脂ラミネート帯 3 樹脂 4 化成処理層 5 めっき層 6 鋼板。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化成処理を施されためっき層を有し、こ
    れらのめっき層表面の中心線平均粗さRaが0.02μ
    m以上0.35μm以下であるめっき鋼板の少なくとも
    片面に、帯状のニス避け部と樹脂ラミネート帯とが交互
    に鋼板の圧延方向と平行に設けられ、前記めっき層、前
    記ニス避け部及び前記樹脂ラミネート帯が各々次の
    (い)、(ろ)及び(は)であって、伸びが18%以上
    であることを特徴とする溶接缶用ラミネート鋼板。 (い)錫の単層めっき層又はニッケルめっき後に錫をめ
    っきした二層めっき層 (ろ)樹脂をラミネートしない部分で、幅5mm以上20
    mm以下であるニス避け部 (は)樹脂の主成分がポリエチレンテレフタレート又は
    ポリエチレンナフタレートである樹脂ラミネート帯
  2. 【請求項2】 錫の単層めっき層の付着量が0.9g/m2
    以上2.0g/m2以下である請求項1記載の溶接缶用ラミ
    ネート鋼板。
  3. 【請求項3】 二層めっき層の付着量がニッケル15mg
    /m2 以上100mg/m 2 以下であり、錫が0.8g/m2以上
    2.0g/m2以下である請求項1記載の溶接缶用ラミネー
    ト鋼板。
  4. 【請求項4】 めっき層に施された化成処理皮膜の金属
    クロム量が5mg/m2以上50mg/m2 以下で、クロムオキ
    サイドがクロム換算で5mg/m2 以上25mg/m 2 以下であ
    る請求項1又は請求項2又は請求項3記載の溶接缶用ラ
    ミネート鋼板。
  5. 【請求項5】 表面中心平均粗さRaが0.40μm 以
    下の鋼板の表面に錫めっきを付着量0.9g/m2以上2.
    0g/m2以下施し、又は、前記鋼板の表面にニッケルめっ
    きを付着量15mg/m2 以上100mg/m2 以下施した後錫
    めっきを付着量0.8g/m2以上2.0g/m2以下施してめ
    っき表面中心平均粗さを0.02μm以上0.35μm
    以下に調整した後クロメート処理を施し、その上に次の
    (に)に掲げる条件で樹脂フィルムをめっき鋼板の少な
    くとも片面に走行方向に連続的にラミネートすることを
    特徴とする溶接缶用ラミネート鋼板の製造方法。 (に)樹脂フィルムの融点をTm ℃として、数1に示す
    温度T1 ℃に1秒以上60秒以下めっき鋼板を保持して
    予熱した後、ロール圧着により樹脂フィルムをラミネー
    トし、その後数2に示す温度T2 ℃に1秒以上10分以
    下保持して後加熱を行ってから冷却する。 (数1) 230≧T1 ≧Tm −20 (数2) 230≧T2 ≧Tm −15
  6. 【請求項6】 樹脂フィルムの融点が180℃以上24
    0℃以下である請求項5記載の溶接缶用ラミネート鋼板
    の製造方法。
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