JPH06101093B2 - 複合型磁気ヘッド用コアの製造法 - Google Patents

複合型磁気ヘッド用コアの製造法

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JPH06101093B2
JPH06101093B2 JP6656188A JP6656188A JPH06101093B2 JP H06101093 B2 JPH06101093 B2 JP H06101093B2 JP 6656188 A JP6656188 A JP 6656188A JP 6656188 A JP6656188 A JP 6656188A JP H06101093 B2 JPH06101093 B2 JP H06101093B2
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素一郎 松沢
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【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、複合型磁気ヘッド用コアの製造法に係り、特
にVTR等の高周波信号の記録再生に適した磁気ヘッド、
なかでも、高保磁力媒体に対して好適な複合型磁気ヘッ
ドを与える複合型磁気ヘッド用コアを有利に製造し得る
方法に関するものである。
(背景技術) 高密度磁気記録再生装置においては、磁気記録媒体の保
磁力:HCを大きくすれば有利であることが知られている
が、高保磁力の磁気記録媒体に情報を記録するために
は、磁気ヘッドからの漏れ磁界を強くする必要がある。
ところが、現在、磁気ヘッドを構成するコアに用いられ
ているフェライト材は、その飽和磁束密度:BSが4000〜
5000ガウスであるため、得られる記録磁界の強さに限度
があり、磁気記録媒体の保磁力が1000エルステッドを越
える場合には、記録が不充分になるという欠点がある。
一方、金属磁性材料で総称されるFe−Al−Si合金(セン
ダスト)、Ni−Fe合金(パーマロイ)等の結晶質合金、
或いは非晶質合金を用いた磁気ヘッドは、一般に、フェ
ライト材より飽和磁束密度が高く、また摺動ノイズが低
いという優れた特性を有している。しかしながら、一般
に使用されるトラック幅(10μm以上)の厚みでは、渦
電流損失により、ビデオ周波数領域での実効透磁率がフ
ェライトより低下し、再生効率が低下するという欠点を
有する。また、耐摩耗性に関しては、フェライトよりも
数段劣っているのである。
そこで、上記のような問題を解決するために、フェライ
トと金属磁性材を組み合わせて、両者の良い点を利用し
た複合型磁気ヘッド用コアが提案されている。
例えば、第1図に、そのような複合型磁気ヘッド用コア
の一つの斜視図が示されているように、コア部1,1′が
高透磁率のフェライトからなり、また記録作用の主要部
となる磁気ギャップ5の近傍部がスパッタリング等の物
理蒸着によって形成された金属磁性材2,2′からなる構
造の複合型磁気ヘッド用コアが提案されている。この磁
気ヘッド用コアにおいては、高密度記録のため、トラッ
ク幅を狭くし、磁気ギャップ5の近傍にトラック幅絞り
用の切欠溝7,7を両側に設けて、そこに補強用の非磁性
材3が充填されている。なお、6はコイル巻線用の窓
(孔)である。第2図には、かかる従来の磁気ヘッド用
コアの記録媒体対向面の平面図が示されているが、そこ
において、フェライトコア部1,1′と金属磁性材2,2′の
結合境界部4,4′が擬似ギャップとして作用して、記録
再生特性を損なう欠点があることが認められている。特
に、結合境界部4,4′と磁気ギャップ5が平行になる
と、その境界部で相当量の信号を拾うことになり、再生
出力の周波数特性にうねりが生ずる、所謂コンタ効果が
激しくなるという問題を内在しているのである。
ところで、このコンタ効果の原因としては、以下のこと
が考えられる。即ち、上記の構造のヘッドコアは、一般
的には次のような工程で製造される。先ず、フェライト
ブロックの鏡面仕上げされたギャップ対向面に金属磁性
材を被着させた後、トラック幅規定溝を形成し、該トラ
ック幅規定溝に非磁性材、一般的にはガラスを埋設す
る。その後、ギャップ接合を行なうというプロセスであ
る。しかしながら、このような製造方法では、金属磁性
材からなる磁性層の形成後に非磁性材(ガラス)を流し
込むこととなるため、信頼性のあるガラスを用いるため
には、その流し込み温度が650℃以上となり、フェライ
トと金属磁性層の界面での拡散反応が生じ、非磁性層が
生じ易い。そして、この界面の非磁性層が擬似ギャップ
として作用し、コンタ効果が現れることとなるのであ
る。また、トラック幅規定溝を形成する際、金属磁性層
を砥石で切り込むため、フェライトに比べ砥石摩耗が大
きいと共に、金属磁性層が剥がれ易いという難点を有し
ているのである。
一方、第3図に示すコア形状の場合は、トラック幅規定
溝形成後に金属磁性膜を形成するため、砥石摩耗、金属
磁性膜の剥がれは生じ難いが、金属磁性膜形成後に、ト
ラック幅規定溝に非磁性材(ガラス)を流し込むため、
第1図の如き構造のヘッドコアと同様に、界面での拡散
反応層を生じ、擬似ギャップとして作用し易い。また、
金属磁性膜の厚み精度がトラック幅に影響するという欠
点を有するのである。
さらに、特開昭58−155513号公報には、第4図(a)及
び(b)に示される如き構造の複合型磁気ヘッド用コア
も提案されている。この磁気ヘッド用コアは、磁気記録
媒体対向面におる断面形状が突出している突起部を有す
る二個の高透磁率フェライトブロック21,21′の該突出
部の少なくとも両側面に、フェライトより飽和磁束密度
の高い磁性体22,22′が被着され、該突出部の先端にお
いて、磁気ギャップ23を介して、該磁性体22,22′が相
対峙し、且つ該突出部の先端におけるフェライトの幅が
トラック幅より小なるように構成されている。なお、2
5、26は、それぞれ、非磁性埋設材、コイル巻線用窓を
示す。
このような構造の場合において、フェライト21,21′と
金属磁性材22,22′の境界結合部24,4′が磁気ギャップ2
3に対して大きく傾斜しているため、第1図に示される
如き磁気ヘッド用コアにおけるような再生出力のコンタ
効果がない利点があるものの、フェライトブロックの突
起部の強度が弱く、所望の形状が得難い上に、磁気ギャ
ップ23の形成面の研磨量によりトラック幅が変動し易い
ため、トラック幅の精度を得ることも難しく、従って歩
留まりが低く、量産性に乏しいという問題を内在してい
る。
そしてまた、特開昭61−265714号公報や特開昭61−2737
06号公報等には、フェライトと金属磁性材とを組み合わ
せてなる複合型磁気ヘッド用コアとして、フェライトと
磁性材との接合部に凹凸部を設けて、左右のコア部上の
凹凸部の位置を非対称の位置に配したり、前記磁性材中
に磁気ギャップ部に向って延びる少なくとも一本の微小
間隙を形成せしめた構造のものが明らかにされ、そこで
は、そのような磁気ヘッド用コアが、次のように製造さ
れている。
すなわち、所定のフェライトブロックに、縞状にスリッ
トを入れてなるレジスト膜を付与して、エッチングせし
めることにより、波形の凹凸面を形成したフェライトブ
ロックと為し、次いでそのような波形の凹凸面に金属磁
性材からなる磁性層を形成し、そしてその表面を研磨し
て平坦な面とした後、トラック幅を規定する溝を互いに
平行に複数条形成し、次いでコイル巻線用の溝を形成し
た後、二つのフェライトブロックを組み合わせて接合せ
しめることにより、一体的な組合せ体と為し、更にその
後、このフェライトブロック組合せ体を所定の位置にて
切断して、目的とする複合型磁気ヘッド用コアを順次切
り出すようにした製造手法が、明らかにされているので
ある。
しかしながら、このような複合型磁気ヘッド用コアの製
造方式にあっては、金属磁性材からなる磁性層の形成の
後にトラック幅規定溝に非磁性材(ガラス)を流し込む
こととなるために、次のような問題を内在しているので
ある。即ち、金属磁性材がアモルファス合金或いはパー
マロイ合金の場合において、そのような磁性材が500℃
以上に熱せられると、その磁気特性が劣化し、特にアモ
ルファス合金の場合、結晶化するために、大幅に劣化す
るようになるところから、500℃以下でトラック幅規定
溝にガラスを流し込まねばならず、それ故低融点ガラス
を使用しなければならない。而して、低融点ガラスの場
合、磁気記録媒体の摺動時の耐摩耗性に難点があるのみ
ならず、強度が弱く、研削、切断等に欠けを生じるとい
う難点を有しているのである。
また、金属磁性材がセンダストの場合にあっては、上記
した如き高融点ガラスの流し込みにより、その磁気特性
が劣化するという問題はないが、500℃以上、例えば700
〜800℃以上に熱すると、フェライトとの熱膨張係数差
が大きいため(センダスト:150×10-7、フェライト:110
〜120×10-7)、ガラス融着時にセンダストの内部応力
が大きくなり、またセンダストの材質自体が粘りがな
く、脆く且つフェライトの波形表面に付着しているた
め、このガラス融着時或いは後の研削、切断加工時にク
ラックが入ったり、或いは剥離し易い等という問題を惹
起する。
何れにしても、このような、金属磁性材からなる磁性膜
を形成した後に、トラック幅規定溝に非磁性材(ガラ
ス)を流し込む方式に従う複合型磁気ヘッド用コアの製
造手法には、実用上において幾つかの難点があり、工業
的に有利に採用し得るものではなかったのである。
更にまた、特開昭61−242307号公報には、トラック幅規
制用の溝にトラックガラスを埋め込んだ後に、そのトラ
ック幅規制用の溝間の部分にトラック幅相当に溝を形成
(トラック溝入れ)して、そこにアモルファス磁性材の
層を形成することからなる複合型磁気ヘッド用コアの製
造手法も明らかにされているが、そこではそのトラック
溝入れ法に関して何等の具体的開示も為されておらず、
従ってそのような手法の実用化には、尚解決されるべき
問題が残されているのである。例えば、仮に、そのよう
なトラック溝入れを砥石を用いて行なった場合におい
て、砥石の位置精度及び切り込み深さにより、トラック
幅が変動することとなり、量産性に欠ける等という問題
が内在しているのである。
(発明の目的) ここにおいて、本発明は、かかる事情に鑑みて為された
ものであって、その目的とするところは、上記従来の複
合型磁気ヘッド用コア及びその製造手法における問題を
解決し、高保磁力記録媒体にも優れた記録再生特性を示
す磁気ヘッド用コアを提供し、且つその容易な製造方法
を提供するものであり、特にトラック幅精度の向上を容
易にし、エッチング技術によりフェライトのみを優先的
にエッチングさせ、フェライトと金属磁性材の結合界面
を磁気ギャップに対し略平行としつつも、再生出力にお
けるコンタ効果の少ない複合型磁気ヘッド用コアを有利
に製造することにある。
(発明の構成) そして、本発明は、かかる目的を達成するために、第一
及び第二のフェライトブロックを突き合わせて、環状の
磁路を構成する一方、それらフェライトブロックの突合
せ部に所定間隙の磁気ギャップを形成してなる組合せ体
を用いた磁気ヘッド用コアの製造法において、(a)前
記二つのフェライトブロックの少なくとも一方のものの
他方のフェライトブロックに対する突合せ面の少なくと
も磁気ギャップ形成部位に、トラック幅を規定する互い
に平行な少なくとも2つの溝を、前記突合せ面に平行な
方向で且つ前記磁気ギャップとは直交する方向において
形成する第一工程と、(b)該トラック幅規定溝の形成
されたフェライトブロックの突合せ面に所定の非磁性材
を適用して、該トラック幅規定溝内に該非磁性材を埋設
する第二工程と、(c)該フェライトブロックの突合せ
面に適用された非磁性材の不要部分を除去して、前記ト
ラック幅規定溝に挟まれたトラック部を露呈せしめる第
三工程と、(d)該露呈せしめられたトラック部の少な
くとも磁気ギャップ形成部位に位置する部分が露出部と
して残るように、所定のレジスト膜を前記フェライトブ
ロックの突合せ面に形成した後、かかるトラック部の露
出部を、リン酸にて化学エッチングせしめ、該露出部を
所定深さの凹所と為す第四工程と、(e)該フェライト
ブロックのエッチングされた突合せ面に所定の金属磁性
材を被着させる第五工程と、(f)該金属磁性材の被着
されたフェライトブロックの突合せ面の所定厚さ部分を
除去し、前記トラック部の凹所上に形成された該金属磁
性材の被着層を所定厚さで残しつつ、前記トラック幅規
定溝に埋設されている非磁性材を露呈せしめる第六工程
と、 (g)該第六工程に先立って或いは該第六工程の後に、
前記第一及び第二のフェライトブロックの少なくとも一
方の突合せ面に、コイル巻線用の溝を形成する第七工程
と、(h)前記第一工程乃至第七工程の終了した第一及
び第二のフェライトブロックの少なくとも一方のものの
突合せ面の少なくとも磁気ギャップ形成部位に、所定厚
さの非磁性層を形成する第八工程と、(i)該第八工程
を終了した第一及び第二のフェライトブロックの突合せ
面の磁気ギャップ形成部位を対向させ、互いに接合し
て、一体化する第九工程と、(j)かかる接合一体化さ
れた第一及び第二のフェライトブロック組合せ体を所定
の位置にて切断し、少なくとも1個の複合型磁気ヘッド
用コアを得る第十工程とを含むことを特徴とする複合型
磁気ヘッド用コアの製造法を、その要旨とするものであ
る。
(発明の具体的構成・実施例) ところで、かかる本発明において、目的とする複合型磁
気ヘッド用コアの製造するために用いられる組合せ体を
与える第一及び第二のフェライトブロックには、従来か
ら高透磁率のフェライト材が用いられ、一般に、複数の
磁気ヘッド用コアが製造され得るように、所定厚さの長
手板状のブロックとして用いられて、それらの突合せに
よって、環状の磁路が構成せしめられるのである。な
お、この高透磁率のフェライトブロックとしては、Mn−
Znフェライト、Ni−Znフェライト等の単結晶体若しくは
多結晶体或いはそれらの複合体が用いられ、特に単結晶
体を用いる場合にあっては、その(100),(110),
(311),(332)等の結晶面がギャップ対向面(フェラ
イトブロック突合せ面)として有利に選択されることと
なる。
そして、本発明にあっては、先ず、第一工程において、
上記二つのフェライトブロックの少なくとも一方のもの
の他方のフェライトブロックに対する突合せ面の少なく
とも磁気ギャップ形成部位にトラック幅を規定する互い
に平行な少なくとも二つの溝が、該突合せ面に平行な方
向で且つ磁気ギャップとは直交する方向において形成さ
れることとなる。
ところで、第5図(a)には、所定の高透磁率フェライ
トブロック31のギャップ対向面(突合せ面)31aにおけ
る磁気ギャップ形成部位にトラック幅を規定する溝32の
複数が形成された例が示されているが、このトラック幅
規定溝は、第5図(a)の如く、フェライトブロック31
の稜部(磁気ギャップ形成部位)のみに形成される他、
第5図(b)に示される如く、コア後部(磁気記録媒体
対向面31bとは反対側の部分)まで通して形成された溝3
2′であっても、何等差し支えない。なお、このトラッ
ク幅規定溝32,32′の溝形状は適宜に選択され、例え
ば、第6図(a)や(b)の如き形状において設けられ
ることとなるが、後工程においてギャップ対向面31aの
研磨量の大小が生じても、トラック幅の変動が小さい形
状、即ちギャップ対向面31aに直角な直線部を有する第
6図(a)に示される如き溝形状が、第6図(b)の溝
形状よりも、好適に採用される。
そして、このようにして、トラック幅規定溝32の設けら
れたフェライトブロック31には、第7図に示されるよう
に、第二工程として、そのトラック幅規定溝32の形成さ
れたギャップ対向面31a上に所定の非磁性材33が適用さ
れ、以てかかるトラック幅規定溝32内にも、該非磁性材
33が埋設、充填せしめられるととなる。なお、この非磁
性材33は、ガラス、セラミック系の無機接着剤或いは硬
質樹脂等が用いられるが、磁気記録媒体の走行性等の安
定性面からは、ガラスが適している。
次いで、このようにして、非磁性材33をトラック幅規定
溝32内に埋設した後、フェライトブロック31のギャップ
形成面31a上の不要な非磁性材33部分を少なくとも除去
して、該トラック幅規定溝32,32にて挟まれたトラック
部が露呈せしめられる(第三工程)。この非磁性材33の
不要部分の除去には、一般に、砥石により研削除去せし
める手法が採用され、またそのような除去操作によっ
て、フェライトブロック31のギャップ対向面31aの所定
厚さ部分が除去せしめられる。そして、このような除去
操作によって、第8図に示される如く、トラック幅規定
溝32内にのみ非磁性材33が埋設されてなるフェライトブ
ロック31が得られる。
第四工程では、かかるトラック幅規定溝32内に所定の非
磁性材33が埋設されてなるフェライトブロック31に対し
て、そのトラック部が露呈されたギャップ対向面31a
に、第9図及び第10図に示されるように、かかるギャッ
プ対向面31aの少なくとも記録媒体摺動部側(磁気ギャ
ップ形成部位)を残して、所定のレジスト膜34が形成さ
れる。即ち、前記露呈せしめられたトラック部の少なく
とも磁気ギャップ形成部位に位置する部分が露出部とし
て残るように、レジスト膜34がフェライトブロック31の
ギャップ対向面31a上に形成されるのである。
次いで、かかる所定のレジスト膜34が形成されたフェラ
イトブロック31には、リン酸を用いた化学エッチング処
理が施され、それによって、トラック幅規定溝32内に埋
め込まれたガラスの如き非磁性材33のエッチングを回避
しつつ、レジスト膜34にて覆われていないトラック部の
露出部が第11図及び第12図に示される如く除去されて、
該トラック部の幅に一致する幅を有する所定深さの凹所
が形成されるのである。なお、この化学エッチング条件
としては、トラック幅規定溝32内に埋設された非磁性材
33に対するフェライトのエッチング比の極めて大きい条
件が選ばれることとなる。また、かかる化学エッチング
は、具体的には、一般にリン酸水溶液を用いて実施さ
れ、そして例えば液比重:1.60〜1.70、液温:40〜150℃
程度の条件下において遂行されるものである。なお、ト
ラック幅規定溝32埋込用非磁性材であるガラスとして、
PbO−SiO2系のガラスを用いれば、フェライトに対する
ガラスのエッチング比は1/100以下となり、トラック幅
精度に影響を与えることはないのである。そして、この
エッチングの後、レジスト膜34を除去すると、第12図に
拡大して示される如き形状、即ち磁気ギャップに対し、
略平行な形状にエッチングされた所定深さの凹所が形成
されたトラック部が露呈することとなる。
そして、このエッチング処理の施されたフェライトブロ
ック31には、第13図に示されるように、そのギャップ対
向面31a全面に対して、フェライトより飽和磁束密度の
高い金属磁性材37がスパッタリング等によって被着せし
められる(第五工程)。この金属磁性材37には、Fe−Si
(Si:6.5重量%)、Fe−Al−Si合金(センダスト)、Ni
−Fe合金(パーマロイ)等で代表される公知の結晶質合
金があり、一方非晶質合金としても、例えばFe−Co−Si
−B系で代表される周知のメタル−メタロイド系合金や
Co−Zr、Co−Zr−Nb等の周知のメタル−メタル系合金等
が用いられる。なお、Fe−Si,Fe−Si−Al系合金を用い
る場合には、耐食性向上のために、5重量%以下のCr,T
i,Ta等の元素添加が適宜行なわれる。また、このような
磁性材の被着には、他に真空蒸着、イオンプレーティン
グ、CVD、メッキ等でも可能であるが、組成変動等が大
きいことや、被着物質が限定されることから、スパッタ
リング法が好適に採用される。
なお、このような金属磁性材37の被着に先立ち、フェラ
イトブロック31の少なくともトラック部のエッチング面
36上に、中間層として、ガラス層を、例えば数十〜100
Å程度の厚さにおいて被着せしめることにより、かかる
金属磁性材の層の密着性をより高めることが可能であ
る。また、この中間ガラス層の厚みが100Å以下なら
ば、擬似ギャップとしての作用は小さく、実用上問題は
ないのであり、また中間層として、Fe,Ni,Co等のうち少
なくとも1種の元素を用いれば、密着上有利となる。更
に、これらの磁性材の場合、1000Å以下ならば、擬似ギ
ャップとしての作用は小さく、実用上問題とはならない
のである。
次いで、かかる金属磁性材37の被着されたフェライトブ
ロック31には、そのギャップ対向面31aに対して、通常
の切削、研磨操作が施され、かかるフェライトブロック
31に被着した金属磁性材37の不要部、フェライト部分及
び非磁性材33の一部が除去せしめられる(第六工程)。
即ち、この金属磁性材37の被着されたフェライトブロッ
ク31のギャップ対向面31aの所定厚さ部分を除去するこ
とにより、第14図に示されるように、トラック部のエッ
チング面36上に形成された金属磁性材37の被着層を所定
厚さで残しつつ、トラック幅規定溝32に埋設されている
非磁性材33を露呈せしめて、かかる残存する金属磁性材
層とフェライト部分にて構成されるトラック部の幅が規
定されることとなる。
また、かかる第六工程に先立つか、或いはその工程の後
で、二つのフェライトブロック31,31′の少なくとも一
方に、そのギャップ対向面31a側において、コイル巻線
用の溝38、また必要に応じて後部に補強用のガラスを埋
め込むための溝が形成される。なお、ここでは、一方の
フェライトブロック31にのみ、上記第一工程乃至第六工
程が適用されているが、また他方のフェライトブロック
31′に対しても、同様に第一工程乃至第六工程が付与さ
れていても、何等差支えなく、特に本発明にあっては、
二つのフェライトブロック31,31′に対して、それぞれ
上記第一工程乃至第六工程が有利に適用されることとな
る。そして、その後、フェライトブロック31,31′の互
いに突き合わされるギャップ対向面(31a)には、表面
研磨が施されて最終仕上げが行なわれ、第15図に示され
るように、ギャップ対向仕上げ面39を有するフェライト
ブロック31,31′とされる。
そして、かかる第七工程で得られたフェライトブロック
31,31′の少なくとも一方のギャップ対向仕上げ面39(3
9′)のギャップ形成部位に、SiO2、ガラス等のギャッ
プ形成用非磁性材が所定厚みにスパッタリングにて適用
され、所定厚さのギャップ形成層が形成されることとな
る(第八工程)。
次いで、かかる第八工程で得られた二つのフェライトブ
ロック31,31′を、それぞれのギャップ対向仕上げ面39,
39′をそれぞれのトラック部が合致するように整列、対
向させて、環状の磁路を構成せしめ、コイル巻線溝、更
に必要に応じて後部溝にガラス棒を差し込み、加熱,加
圧することにより、これらの溝に入れたガラスを溶融さ
せてフェライトブロック31,31′を接合する。例えば、
軟化点360℃のガラスを用い、500℃で接合するのであ
る。
また、かかる第九工程で接合されたフェライトブロック
接合体(組合せ体)40を、トラック幅を中心にして第17
図において点線で示される所要のコア幅(T)となるよ
うに切断せしめることにより、目的とする複合型磁気ヘ
ッド用コアが順次切り出され、以てその少なくとも1個
が取得されることとなる。なお、このコアの切り出しに
際して、場合により、公知の如く、アジマス角だけ傾け
て切断する方法も採用される。
このようにして得られた、本発明に従う複合型磁気ヘッ
ド用コアの構造が、第18図に斜視図として示されてい
る。この構造は、第一工程において、フェライトブロッ
ク31の稜部にのみトラック幅規定溝32を形成した第5図
(a)の場合に対応しており、また第19図は、かかる磁
気ヘッド用コアの磁気記録媒体対向面からみた要部の形
態が示されている。一方、第20図に示される磁気ヘッド
用コアの構造は、前記第一工程でフェライトブロック31
の後部までトラック幅規定溝32′を形成した第5図
(b)の場合に対応する構造のものである。なお、これ
らの図において、41は、左右のトラック部の金属磁性材
層37、37′間に形成される磁気ギャップである。
そして、このようにして、本発明に従って得られた複合
型磁気ヘッド用コアには、更に公知の如く、そのコイル
巻線用の溝38によって形成された孔42を利用して、コイ
ルが巻装され、以て目的とする複合型磁気ヘッドとされ
るのである。
以上、本発明に従う磁気ヘッド用コアの製造手法につい
て、VTR用磁気ヘッド用コアの製造例に基づいて、詳細
に説明してきたが、本発明が、かかる例示の具体例にの
み限定して解釈されるものでは決してなく、本発明の趣
旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて
種々なる変更、修正、改良等を加えた形態において実施
され得るものであることが、理解されるべきである。
また、本発明に従う複合型磁気ヘッド用コアの製造手法
は、単に例示のVTR用ヘッドに止まらず、FDD用ヘッド、
RDD用ヘッド、更にはDAT用ヘッド等の磁気ヘッドのため
のコアの製造にも、適用可能であることは、言うまでも
ないところである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う複合型磁
気ヘッド用コアの製造手法は、 (a)得られる複合型磁気ヘッド用コアにおいて、従来
のものに比べ、主磁気回路がフェライトから構成されて
おり、金属磁性材は磁気ギャップ近傍のみに存在する構
成のため、渦電流損失を小さく出来る方法となっている
こと、 (b)トラック幅規定溝にガラスを埋設した後に金属磁
性材を成膜するため、高信頼性のトラックガラスが使用
可能であると共に、ギャップ接合は低温で接合出来るた
め、金属磁性材とフェライトの拡散反応層を薄くするこ
とが出来、擬似ギャップ効果、即ちコンタ効果を小さく
することが出来ること、更に、金属磁性層を接するフェ
ライト表面はエッチングされた面であるため、磁気特性
の劣化がなく、擬似ギャップに寄与する影響はないとい
う利点も有していること、 (c)金属磁性材を埋込むための溝形成が不要となるこ
とにより、またトラック幅規定用の溝に予め埋設された
非磁性材とフェライトのエッチング速度の比を利用する
ことにより、高精度のトラック幅からなる磁気ヘッド用
コアが量産出来ること、 (d)レジストを用いたリソグラフィー技術とエッチン
グ技術の組合せにより、多数のフェライトブロックを同
時に且つ均一な形状にエッチングすることが出来、ひい
てはヘッド特性の均一な磁気ヘッド用コアが量産出来る
こと、 (e)予めトラック幅規定溝内に非磁性材を流し込んだ
後に、金属磁性材からなる磁性膜を形成するものである
ところから、耐摩耗性、加工時の欠け等の問題のない、
高融点ガラスの使用が可能であり、特に金属磁性材とし
てアモルファス合金やパーマロイ合金を用いた場合にあ
っては熱劣化がなく、一方センダストを用いた場合にあ
っては、後の加工工程においてクラック、剥離等の問題
がないところから、磁気ヘッド用コアの工業的な製造が
有利に行なわれ得ること、 等の数々の大きな利点を有しているのである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、それぞれ、従来の複合型磁気ヘッ
ド用コアの一例を示す斜視図及び上面図であり、第3図
は、従来の複合型磁気ヘッド用コアの他の例を示す第2
図に相当する図であり、第4図(a)及び(b)は、そ
れぞれ、従来の複合型磁気ヘッド用コアの更に他の例を
示す斜視図及び上面図である。 第5図乃至第20図は、本発明の一実施例に係る各工程の
説明図であって、第5図(a)及び(b)は、それぞれ
異なるトラック幅規定溝を設けたフェライトブロックの
斜視図、第6図(a)及び(b)は、それぞれトラック
幅規定溝の異なる断面形態を示す断面略図、第7図は第
二工程を終了した状態のフェライトブロックの要部斜視
図、第8図は第三工程を終了した状態を示すフェライト
ブロックの斜視図、第9図は第四工程においてレジスト
膜の形成された状態を示すフェライトブロックの斜視
図、第10図は、第9図のレジスト膜を設けてなるフェラ
イトブロックの要部拡大説明図、第11図は第四工程にお
けるエッチング後の状態を示すフェライトブロックの斜
視図、第12図は、第11図における要部拡大説明図、第13
図は第五工程の実施されたフェライトブロックの要部断
面説明図、第14図は第六工程の施されたフェライトブロ
ックの斜視図、第15図は第七工程の実施されたフェライ
トブロックの斜視図、 第16図は第九工程において二つのフェライトブロックが
一体化されてなる組合せ体の斜視図、第17図は第十工程
において1個の複合型磁気ヘッド用コアを得るための切
断位置を説明する組合せ体の上面図、第18図及び第19図
は、それぞれ本発明の工程に従って得られる複合型磁気
ヘッド用コアの一例を示す斜視図及び上面図、第20図は
本発明に従って得られる複合型磁気ヘッド用コアの他の
一例を示す第18図に対応する図である。 31,31′:フェライトブロック 31a:ギャップ対向面 32,32′:トラック幅規定溝 33,33′:非磁性埋設材 34:レジスト膜、36:エッチング面 37,37′:金属磁性材 38:コイル巻線用溝 39:ギャップ対向仕上げ面 40:フェライトブロック接合体 41:磁気ギャップ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一及び第二のフェライトブロックを突き
    合わせて、環状の磁路を構成する一方、それらフェライ
    トブロックの突合せ部に所定間隙の磁気ギャップを形成
    してなる組合せ体を用いた磁気ヘッド用コアの製造法に
    おいて、 前記二つのフェライトブロックの少なくとも一方のもの
    の他方のフェライトブロックに対する突合せ面の少なく
    とも磁気ギャップ形成部位に、トラック幅を規定する互
    いに平行な少なくとも2つの溝を、前記突合せ面に平行
    な方向で且つ前記磁気ギャップとは直交する方向におい
    て形成する第一工程と、 該トラック幅規定溝の形成されたフェライトブロックの
    突合せ面に所定の非磁性材を適用して、該トラック幅規
    定溝内に該非磁性材を埋設する第二工程と、 該フェライトブロックの突合せ面に適用された非磁性材
    の不要部分を除去して、前記トラック幅規定溝に挟まれ
    たトラック部を露呈せしめる第三工程と、 該露呈せしめられたトラック部の少なくとも磁気ギャッ
    プ形成部位に位置する部分が露出部として残るように、
    所定のレジスト膜を前記フェライトブロックの突合せ面
    に形成した後、かかるトラック部の露出部を、リン酸に
    て化学エッチングせしめ、該露出部を所定深さの凹所と
    為す第四工程と、 該フェライトブロックのエッチングされた突合せ面に所
    定の金属磁性材を被着させる第五工程と、 該金属磁性材の被着されたフェライトブロックの突合せ
    面の所定厚さ部分を除去し、前記トラック部の凹所上に
    形成された該金属磁性材の被着層を所定厚さで残しつ
    つ、前記トラック幅規定溝に埋設されている非磁性材を
    露呈せしめる第六工程と、 該第六工程に先立って或いは該第六工程の後に、前記第
    一及び第二のフェライトブロックの少なくとも一方の突
    合せ面に、コイル巻線用の溝を形成する第七工程と、 前記第一工程乃至第七工程の終了した第一及び第二のフ
    ェライトブロックの少なくとも一方のものの突合せ面の
    少なくとも磁気ギャップ形成部位に、所定厚さの非磁性
    層を形成する第八工程と、 該第八工程を終了した第一及び第二のフェライトブロッ
    クの突合せ面の磁気ギャップ形成部位を対向させ、互い
    に接合して、一体化する第九工程と、 かかる接合一体化された第一及び第二のフェライトブロ
    ック組合せ体を所定の位置にて切断し、少なくとも1個
    の複合型磁気ヘッド用コアを得る第十工程とを、 含むことを特徴とする複合型磁気ヘッド用コアの製造
    法。
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