JPH06345882A - フィルム及びその製造法 - Google Patents

フィルム及びその製造法

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JPH06345882A
JPH06345882A JP13600693A JP13600693A JPH06345882A JP H06345882 A JPH06345882 A JP H06345882A JP 13600693 A JP13600693 A JP 13600693A JP 13600693 A JP13600693 A JP 13600693A JP H06345882 A JPH06345882 A JP H06345882A
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JP
Japan
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film
aromatic polyamide
dope
producing
water
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Withdrawn
Application number
JP13600693A
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English (en)
Inventor
Shigemitsu Muraoka
重光 村岡
Masami Hamada
雅己 濱田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性及び機械的特性の優れた直線配位性芳
香族ポリアミドを用いて、鏡面光沢度が小さく、接着
性、印刷性に優れたフィルム及びその製造法を提供す
る。 【構成】 対数粘度が3.5以上の直線配位性芳香族ポ
リアミドよりなるフィルムであって、全ての方向のヤン
グ率が800Kg/mm2 以上で、全ての方向の引張伸
度が10%以上であり、かつフィルムの表面の鏡面光沢
度Gs(60°)が20%以下であるフィルム及び直線
配位性芳香族ポリアミドフィルムの特定の製造方法にお
いて、水洗後の湿潤フィルムに梨地面を接圧したのち、
フィルムの収縮を制限しつつ乾燥することを特徴とする
フィルムの製造法及び直線配位性芳香族ポリアミドフィ
ルムに最大径が0.05〜0.7mmのサンドを吹き付
けることを特徴とするフィルムの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直線配位性芳香族ポリ
アミドからなるフィルム及びその製造方法に関し、さら
に詳しくは優れた機械特性を備えた艶消し状の直線配位
性芳香族ポリアミドフィルム及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】直線配位性芳香族ポリアミドフィルム
は、特に優れた結晶性や高い融点を有し、また剛直な分
子構造故に、耐熱性で高い機械的強度を有しており、近
年、特に注目されている高分子素材である。またその光
学異方性を示す濃厚溶液から紡糸された繊維は高い強度
およびヤング率を示すことが報告され、既に工業的に実
施されるに至っているが、フィルムへの応用例の提案は
少なく、実用化例も僅かである。
【0003】直線配位性芳香族ポリアミドフィルムの問
題点としては、その有用な高分子量のポリマーは有機溶
媒に難溶であり、濃硫酸等の無機の強酸が溶媒として用
いられねばならないとということが挙げられ、これを回
避するために、例えば特公昭56−45421号公報で
は、直線配位性芳香族ポリアミドの芳香核にハロゲン基
を導入することにより有機溶媒に可溶とし、それからフ
ィルムを得ようとする試みがなされている。しかし、こ
れはモノマーが高価なため、コストが高くなる上に、折
角の直線配位性芳香族ポリアミドの耐熱性や結晶性を損
なう欠点がある。
【0004】一方、特公昭59−14567号公報には
光学異方性を有する芳香族ポリアミド溶液をスリットか
ら短い空気層を介して凝固浴中に押出す方法が開示され
ているが、この方法ではMD方向の機械的強度のみ強
く、それと直交するTD方向の機械的強度は極端に弱
く、裂けやすいものしか得られなかった。このように単
に芳香族ポリアミドの光学異方性ドープを押出し、その
まま凝固させただけでは、吐出方向に過度に配向するた
めに、フィブリル化しやすくTD方向に弱いものとなっ
てしまうため、これを改良しようとするフィルムの製造
方法が種々検討された。
【0005】例えば、特公昭57−35088号公報に
は、光学異方性を有する芳香族ポリアミド溶液を、リン
グダイから押出し、インフレーション法を用いてドープ
の状態で2軸方向に同時流延させた後、湿式凝固させる
ことにより等方性のフィルムが得られるとしている。し
かし、この方法では均一な厚みの透明フィルムを得るの
は難しく、機械的強度特に引裂強度が低いという欠点が
ある。
【0006】また、特公昭59−5407号公報、特開
昭54−132674号公報では、直線配位性芳香族ポ
リアミドの光学異方性のドープを、ダイ中で押出し方向
と直角方向の2軸方向に配向させる提案をしているが、
ダイの構造が複雑で、工業的実施上の難点がある。特公
昭57−17886号公報には、直線配位性芳香族ポリ
アミドの光学異方性のドープを凝固直前に、光学等方性
となるまで加熱した後、凝固させることによって、透明
で機械的物性が等方的であるフィルムを得ることが記載
されている。この方法は、従来の光学異方性のドープの
活用により高性能を得んとする大方の概念に逆らった独
創的なものであり、これにより光学異方性のドープの極
端な1軸配向性の緩和と同時に、光学異方性のドープの
液晶ドメイン構造がドープを押出した後も残り、そのま
ま凝固して不透明なフィルムとなってしまうことを回避
することに成功している。また、特公平3−52776
号公報には、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(以
下、PPTAという)の光学異方性のドープを凝固直前
に、光学等方性となるまで加熱/及び吸湿させた後、凝
固させ硫酸の存在下で凝固フィルムの片面に梨地面を接
圧して易滑性で、更に透明で機械的物性が等方的である
フィルムが開示されている。しかしながら、硫酸の存在
下で実施されるため梨地面の材質が限定され工業的に実
施が難しく、コストも高くなる欠点があった。
【0007】また、鏡面光沢度の小さいフィルムについ
ては何も開示していない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、既に
工業的生産が開始されている直線配位性芳香族ポリアミ
ドを用いて、鏡面光沢度が小さくて、接着性のよい、か
つ印刷性に優れた高ヤング率で伸度の大きいフィルム及
びその製造法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
に沿った直線配位性芳香族ポリアミドフィルムを得るべ
く鋭意研究を重ねた結果、次の知見を得た。即ち、特公
昭57−17886号公報に開示された技術(直線配位
性芳香族ポリアミドの光学異方性ドープをまずつくりこ
れを光学等方性して凝固するという方法により、透明性
のある機械的性能にすぐれた直線配位性芳香族ポリアミ
ドフィルムが得られること)において、洗浄後の湿潤状
態のフィルムを梨地の面に押し当てた後、フィルムの収
縮を制限して乾燥することにより、鏡面光沢度の小さい
印刷性に優れた、接着性のよいフィルムが得られること
がわかった。
【0010】本発明者らはこれらの知見をもとに、更に
研究を重ねて本発明として完成させたものである。即
ち、本発明の第1は、対数粘度が3.5以上の直線配位
性芳香族ポリアミドよりなるフィルムであって、全ての
方向のヤング率が800Kg/mm2 以上で、全ての方
向の引張伸度が10%以上であり、かつフィルムの表面
の鏡面光沢度Gs(60°)が20%以下であることを
特徴とするフィルムである。
【0011】本発明の第2は、対数粘度が3.5以上の
直線配位性芳香族ポリアミドと95重量%以上の硫酸と
から実質的になる光学異方性ドープを、光学異方性を保
ったまま支持面上に流延し、吸湿又は/及び、加熱によ
り該ドープを光学等方性に転化したのち凝固、水洗する
フィルムの製法において、水洗した水の直線配位性芳香
族ポリアミドに対する重量比が0.5〜3.0の湿潤フ
ィルムに梨地面を接圧したのち、フィルムの収縮を制限
しつつ乾燥することを特徴とするフィルムの製造法であ
る。
【0012】本発明の第3は、対数粘度が3.5以上の
直線配位性芳香族ポリアミドフィルムに最大径が0.0
5〜0.7mmのサンドを吹き付けることを特徴とする
フィルムの製造法である。本発明に用いられるフィルム
は、実質的に直線配位性芳香族ポリアミドからなってい
る。直線配位性の芳香族ポリアミドとは、芳香環のパラ
位又はこれに準ずる位置をアミド基で連結した繰り返し
構造の重合体を指す。この直線配位性芳香族ポリアミド
は、一般にポリ−p−フェニレンテレフタルアミド(P
PTA)が最もよく用いられ、従来公知のパラフェニレ
ンジアミンとテレフタル酸クロライドから、低温溶液重
合法により製造される。また、PPTA以外でも成形性
などを一層改善する目的等で、例えば、4,4´−ジフ
ェニレン、1,4´−ナフタレン、1,5−ナフタレ
ン、2,6−ナフタレン、4,4´−ジフェニレンエー
テル、3,4´−ジフェニレンエーテルやこれらのハロ
ゲン、アルキル、ニトロ等の置換体で、p−フェニレン
基を置き換えること、p−フェニレン基に前記置換基を
導入すること等が行われてもよい。また、ポリ−p−ベ
ンズアミドも用いることができる。
【0013】本発明のポリマーの重合度は、あまり低い
と機械的性質の良好なフィルムが得られなくなるため、
3.5以上好ましくは4.5以上の対数粘度ηinh
(硫酸100mlにポリマー0.2gを溶解して30℃
で測定した値)を与える重合度のものが選ばれる。本発
明のフィルムは以下に述べる3つの要件を満たして初め
て目的を達せられるものである。
【0014】まず第1に、本発明のフィルムは、その全
ての方向のヤング率が800Kg/mm2 以上である。
この要件は、フィルムの腰、つまり変形抵抗性に関連し
ている。例えば、製図用のトレーシングペーパーとして
用いたとき等、薄いフィルムに図を描くことができ保管
スペースを節約することができる等、腰の強さに関連し
ており、好ましくは、全ての方向のヤング率が1000
Kg/mm2 以上である。また、カール等の点で全ての
方向のヤング率が大きいことが必要である。
【0015】本発明のフィルムは、第2に全ての方向の
引張伸度が10%以上である必要がある。10%より小
さい伸度をもつフィルムは裂けやすく実用的でないから
である。これに対して、特公昭55−14170号公報
に記載された方法でつくったPPTAフィルムはMD方
向の伸度が高々4〜6%である上に、TD方向の伸度は
1%未満で極めて裂けやすい。本発明のフィルムのもつ
高伸度は、光学異方性のドープを支持面上に流延したの
ち光学等方性化するというプロセスと関連している。
【0016】第3に、本発明のフィルムは、その表面の
鏡面光沢度Gs(60°)が20%以下である艶消しの
表面である。Gs(60°)が20%を越えると印刷性
が悪化したり、図が描きにくくなったり、接着性が悪く
なる。また、フィルムの易滑性も損なわれるので好まし
くない。鏡面光沢度Gs(60°)は、JIS Z87
41に従って測定できる。例えば、デジタル変角光沢計
UGV−4D(スガ試験機製)を使うことができる。鏡
面光沢度Gs(60°)が20%以下の艶消しフィルム
は、特定の水分をもった水洗後のフィルムを梨地面に接
圧処理し、乾燥する方法、あるいは、特公昭57−17
886号公報に開示された技術で得られたフィルムに、
特定の径をもつサンドを吹き付ける方法で得られる。ま
た、フィルムの白さの指標である白色度Y値は、限定さ
れるものではないが、大きい方が、図などを描いたとき
鮮明になるので、通常は15%以上、好ましくは、20
%以上である。このY値は、JIS Z8701に規定
される色彩に関する三刺激値XYZの中のY値であり、
例えば測色色差計(スガ試験機製)を用いて測定するこ
とができる。
【0017】本発明のフィルムは、着色されていてもよ
く、着色する方法は限定されるものではなく、例えば、
ドープ中に顔料を添加する方法、フィルムを染色するな
どの方法で作られる。本発明のフィルムは、通常その密
度が1.370〜1.405g/cm3 の範囲にある。
この密度の値は四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾
配管法により30℃で測定されたものである。この密度
の範囲は、公知の直線配位性芳香族ポリアミド繊維のそ
れが1.43〜1.46g/cm3 の範囲にあるのに較
べてかなり小さい値である。該密度が1.370g/c
3 未満になると機械的物性が低下し、1.405g/
cm3 を越えると機械的性質の損なわれたフィルムとな
る。何れにしても、このように密度が小さいことから、
軽くて高強度のフィルムが得られることになる。
【0018】次に、このような直線配位性芳香族ポリア
ミドフィルムを得る方法についてPPTAを例にして説
明する。本発明のフィルムの成型に用いるドープを調整
するのに適した溶媒は、95重量%以上の濃度の硫酸で
ある。95%未満の硫酸では溶解が困難であったり、溶
解後のドープが異常に高粘度になる。本発明のドープに
は、クロル硫酸、フルオロ硫酸、五酸化リン、トリハロ
ゲン化酢酸などが少し混入されていてもよい。硫酸は1
00重量%以上のものも可能であるが、ポリマーの安定
性や溶解性などの点から98〜100重量%の濃度が好
ましく用いられる。
【0019】本発明に用いられるドープ中のポリマー濃
度は、常温またはそれ以上の温度で光学異方性を示す濃
度以上のものが好ましく用いられ、具体的には約10重
量%以上、好ましくは約12重量%以上で用いられる。
これ以下のポリマー濃度、すなわち常温またはそれ以上
の温度で光学異方性を示さないポリマー濃度では、ドー
プの粘度が高く成型できないばかりでなく、成型された
PPTAフィルムが好ましい機械的性質を持たなくなる
ことが多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限定さ
れるものではないが、通常は20重量%以下、特に高い
ηinhのPPTAに対しては18重量%以下が好まし
く用いられ更に好ましくは16重量%以下である。
【0020】本発明のドープには普通の添加剤、例え
ば、増量剤、除光沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、
抗酸化剤、顔料、溶解助剤などを混入してもよい。ドー
プが光学異方性か光学等方性であるかは、公知の方法、
例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で調べる
ことができるが、その臨界点は、溶媒およびポリマーの
種類、温度、ポリマー濃度、ポリマーの重合度、非溶媒
の含有量等に依存するので、これらの関係を予め調べる
ことによって、光学異方性ドープを作り、光学等方性ド
ープとなる条件に変えることで、光学異方性から光学等
方性に変えることができる。
【0021】本発明に用いられるドープは、成形・凝固
に先立って可能な限り不溶性のゴミ、異物等を濾過等に
よって取除いておくこと、溶解中に発生又は巻きこまれ
る空気等の気体を取除いておくことが好ましい。脱気
は、一旦ドープを調製したあとに行うこともできるし、
調製のための原料の仕込段階から一貫して真空(減圧)
下に行うことによっても達成しうる。ドープの調製は連
続又は回分で行うことができる。
【0022】このようにして調製されたドープは、光学
異方性を保ったまま、ダイ、例えばスリットダイから、
支持面上に流延される。また、実験室的には、ガラス板
上にドクターナイフで流延できる。本発明において、流
延及びそれに続く光学等方性への転化、凝固、洗浄、延
伸、乾燥などの工程を連続的に行っても、これらの全部
又は一部を断続的に、つまり回分式に行ってもよい。好
ましくは、流延工程を連続的に、行う方法である。
【0023】本発明に用いられる支持面は、ベルトやド
ラムの形状で、或いは板状物として用いられる。その材
質は、耐酸性があり表面仕上が可能なものであれば特に
限定されず、例えばガラス、ハステロイ、タンタル、
金、白金、窒化チタン等及びそれらにメッキ等を施した
金属などが好ましく用いられ、特に好ましくは、これら
の材料がいわゆる鏡面仕上されているものである。
【0024】本発明のフィルムを得る方法は、ドープを
支持面上に流延した後、凝固に先立ってドープを光学異
方性から光学等方性に転化するものである。光学異方性
から光学等方性にするには、具体的には支持面上に流延
した光学異方性ドープを凝固に先立ち、吸湿させてドー
プを形成する溶剤の濃度を下げ、溶剤の溶解能力および
ポリマー濃度の変化により光学等方性域に転化させる
か、または加熱することによりドープを昇温しドープの
相を光学等方性に転化させる或いは、吸湿と加熱とを同
時又は逐次的に併用することにより達成できる。特に、
吸湿を利用する方法は、加熱を併用する方法も含めて、
光学異方性の光学等方化が効率よくかつPPTAの分解
をひきおこすことなく出来るので、有用である。
【0025】ドープを吸湿させるには、通常の温度、湿
度の空気でもよいが、好ましくは、加湿又は加温加湿さ
れた空気を用いる。加湿空気は飽和蒸気圧を越えて霧状
の水分を含んでいてもよく、いわゆる水蒸気であっても
よい。ただし、約45℃以下の過飽和水蒸気は、大きい
粒状の凝縮水を含むことが多いので好ましくない。吸湿
は通常、室温〜約180℃、好ましくは、50℃〜15
0℃の加湿空気によって行われる。
【0026】加熱による方法の場合、加熱の手段は特に
限定されず、上記の如き加湿された空気を流延ドープに
当てる方法、赤外線ランプを照射する方法、誘電加熱に
よる方法などである。支持面上で光学等方化された流延
ドープは、次に凝固をうける。本発明において、ドープ
の凝固液として使用できるのは、30重量%以上の硫酸
水溶液である。
【0027】本発明において、凝固液の温度は10℃以
下にする必要がある。これは、この温度が低いほど、凝
固速度を小さくできることと、フィルムに包含されるボ
イドが少なくなるという傾向とが見出され、従ってフィ
ルムの表面精度が向上するからである。凝固したフィル
ムは酸が含まれているため、乾燥、加熱による機械的物
性の低下の少ないフィルムを製造するには酸分の洗浄、
除去をできるだけ行う必要がある。酸分の除去は、具体
的には約500ppm以下まで行うことが望ましい。洗
浄液としては水が通常用いられるが、必要に応じて温水
で行ったり、アルカリ水溶液で中和洗浄した後、水など
で洗浄してもよい。洗浄は、例えば洗浄液中でフィルム
を走行させたり、洗浄液を噴霧する等の方法により行わ
れる。
【0028】着色フィルムを作る方法は、限定されるも
のではないが、染料または顔料をPPTAの製膜溶液に
添加する方法、乾燥前の湿潤フィルムまたは乾燥後のフ
ィルムに染料を含む液を接触させて染色する方法を用い
ることができるが、プロセス性、着色堅牢性、フィルム
の性能等の点から、乾燥前の湿潤フィルムに染料を含む
液を接触させた後、染色する方法が好ましく用いられ
る。
【0029】洗浄されたフィルムは、フィルム中に残存
する水のポリマーに対する重量比が0.5〜3.0の範
囲の状態で、該フィルムを梨地面に接圧させる必要があ
る。接圧処理は、フィルム中に残存する水のポリマーに
対する重量比が前期の範囲内であれば水中でも水洗浴か
ら取り出した後に行ってもよい。梨地面に接圧する面は
得られたフィルムの用途により決められるもので限定は
されず、片面でも両面でもよい。梨地面の表面の粗さ
は、特に限定されないが約15〜20μmの凹凸の表面
が好ましく用いられる。梨地面の材質は特に限定され
ず、耐錆性のステンレス、ハステロイ、ガラス、研磨材
付きロール、耐水性サンドペーパー他で作ればよく、特
に耐酸性の材料の必要はない。接圧の大きさも特に限定
はされず、通常、線圧0.1〜20Kg/cm程度で行
われる。接圧処理は、たとえば、走行するフィルムに連
続的に施す場合は、梨地ロールを介して行うことができ
るし、片面ずつでも両面同時でもよい。更に、接圧処理
時フィルムの片面から別のロール(ゴム等の軟かい材質
のロールなど)で押さえつけてもよい。フィルム中に残
存する水のポリマーに対する重量比が0.5以下になる
と、梨地面に接圧させる圧力を上げなくてはならず、フ
ィルム自身の塑性変形等が起きるため好ましくない。ま
た、フィルム中に残存する水のポリマーに対する重量比
が3.0以上になると該フィルムの腰が極端に弱くな
り、梨地面に接圧させる時、皺等が発生しやすくなり好
ましくない。
【0030】水洗、接圧処理されたフィルムは、次に乾
燥を受ける。乾燥を受ける前に延伸することは特に限定
はされず機械的性質、特にヤング率を向上させるため
に、好ましい態様である。なお、延伸は乾燥前の湿潤状
態で行う必要があり、硫酸が残っている状態や乾燥後で
は有効な延伸が施せない。乾燥は、緊張下、定長下また
は僅かに延伸しつつ、フィルムの収縮を制限して行う必
要がある。洗浄液(例えば水)の除去とともに収縮する
傾向を有するフィルムを、何らの収縮の制限を行うこと
なく乾燥した場合には、ミクロに不均一な構造形成(結
晶化など)が起こるためか、得られるフィルムの光線透
過率が小さくなったり、フィルムの平面性が損われた
り、カールしてしまうこともある。フィルムの収縮を制
限しつつ乾燥するには、例えば、テンター乾燥機や金属
枠に挾んでの乾燥などを利用することができる。乾燥に
係わる他の条件は特に限定されるものではなく、加熱気
体(空気、窒素、アルゴンなど)常温気体による方法、
電気ヒーターや赤外線ランプなどの輻射熱の利用法、誘
電加熱法などの手段から自由に選ぶことができ、乾燥温
度も、特に限定されるものではないが、常温以上であれ
ばよい。ただし、機械的強度を大にするためには、高温
の方が好ましく、100℃以上、さらに好ましくは20
0℃以上が用いられる。乾燥の最高温度は、特に限定さ
れるものではないが、乾燥エネルギーやポリマーの分解
性を考慮すれば、500℃以下が好ましい。
【0031】さらに、本発明のフィルムを得るもう一つ
の方法について説明する。なお、本発明において、性能
の優れたフィルムを得るために、ドープは勿論のこと、
吸湿用気体、加熱用気体、支持面体、凝固液、洗浄液、
乾燥気体等のゴミやチリの含有量が可及的に少なくなる
ようにすることが好ましく、この点、クリーンルームや
クリーン水で本発明のフィルムを製造するのも好ましい
実施態様の1つである。
【0032】本発明のフィルムを得るもう一つの方法
は、特公昭57−17886号公報に開示された技術で
得られたフィルムに、最大径が0.05〜0.7mmで
あるサンドを吹き付ける方法、つまり、一般的にいわれ
るサンドブラスト法を用いることができる。サンドを吹
き付ける方法は限定されるものではないが、例えば、連
続的にロール上あるいはロール間の空気中を走行するフ
ィルム面に細いスリット状の隙間から高速気流に混ぜて
サンドを吹き付ける方法等が用いられる。吹き付けるサ
ンドの最大径が0.05mmより小さいと、効果が極端
に小さく、逆に最大径が0.7mmより大きいとフィル
ムのダメージが大きく、機械的物性が悪くなったり、フ
ィルムに穴があいたりし、特にフィルムが薄い場合に好
ましくない。サンドを吹き付けた後は、フィルムに付着
したサンドを洗浄する必要がある。洗浄液は、限定され
るものではないが、フィルムに潜り込んだサンドを取り
除くのにフッ酸などが好んで用いられるほかフィルムを
傷付けることがないような柔いブラシなどで擦りながら
水で洗浄する方法などが用いられる。洗浄液にフッ酸な
どを用いた場合は、フッ酸などが残らないように十分に
水洗する必要がある。洗浄してサンドが取り除かれたフ
ィルムは、次に乾燥する必要がある。乾燥する方法は限
定されず、定長でもフリーでもよく、例えば通常乾燥機
の中に配したロール間で行われる。乾燥に係わる他の条
件は特に限定されるものではなく、加熱気体(空気、窒
素、アルゴンなど)常温気体による方法、電気ヒーター
や赤外線ランプなどの輻射熱の利用法、誘電加熱法など
の手段から自由に選ぶことができ、乾燥温度も、特に限
定されるものではないが、常温以上であればよい。ただ
し、荒された表面の水分を乾燥させるためには、100
℃以上が用いられ温度が低いとサンドブラストされた隙
間に入った水分がとれにくいので高温の方が好ましい。
【0033】
【実施例】以下に実施例および参考例(PPTAの製造
例)を示すが、これらの参考例および実施例は本発明を
説明するものであって、本発明を限定するものではな
い。なお、実施例中、特に規定しない場合は重量部また
は重量%を示す。対数粘度ηinhは98%硫酸100
mlにポリマー0.2gを溶解し、30℃で定法で測定
した。ドープの粘度は、B型粘度計を用い0.5rpm
の回転速度で測定したものである。フィルムの厚さは、
直径2mmの測定面を持ったダイヤルゲージで測定し
た。強伸度及びヤング率は、100mm×10mmの大
きさのサンプルを定速伸張型強伸度試験機を用い、測定
長30mm、引張速度30mm/分で測定したものであ
る。鏡面光沢度Gs(60°)はデジタル変角光沢計U
GV−4D(スガ試験機製)を用いて測定した。密度は
四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法により3
0℃で測定したものである。Y値は測色計カラーコンピ
ューターSM−4(スガ試験機製)を用いて測定した。
接着力は、処理フィルムをエアーオーブン中で100℃
で1分間予備乾燥し、銅箔(三井金属製の35μm厚
み)と接着剤(スリーボンド製TB 1650)を用い
て、銅張積層板を作成し、エアーオーブン中で100℃
で2時間、次いで、150℃で6時間硬化させた。この
試料をMD方向に幅1cmに切断し、引張り試験機にお
いて、テストスピード50mm/minで90度はくり
を行った時の抵抗力から求めたものである。サンドの最
大径は顕微鏡(オリンパス製)に接眼スケールを用いて
100倍で測定した。 参考例(PPTAの製造)低温溶液重合法により、次の
ごとくPPTAを得た。特公昭53−43986号公報
に示された重合装置中でN−メチルピロリドン1000
部に無水塩化リチウム70部を溶解し、ついでパラフェ
ニレンジアミン48.6部を溶解した。8℃に冷却した
後、テレフタル酸ジクロライド91.4部を粉末状で一
度に加えた。数分後に重合反応物はチーズ状に固化した
ので、特公昭53−43986号公報記載の方法に従っ
て重合装置より重合反応物を排出し、直ちに2軸の密閉
型ニーダーに移し、同ニーダー中で重合反応物を微粉砕
した。次に微粉砕物をヘンシェルミキサー中に移し、ほ
ぼ等量の水を加えさらに粉砕した後、濾過し、数回温水
中で洗浄して、110℃の熱風中で乾燥した。ηinh
が5.8の淡黄色のポリマー95部を得た。なお、異な
ったηinhのポリマーは、N−メチルピロリドンとモ
ノマー(パラフェニレンジアミンおよびテレフタル酸ジ
クロライド)の比、または/およびモノマー間の比等を
変えることによって容易に得ることができる。
【0034】
【実施例1】濃度99.5%の濃硫酸にηinh=6.
1のPPTAを60℃で溶解し、ポリマー濃度12%の
原液を調整した。この原液の粘度を60℃で測定したと
ころ、4600ポイズだった。この原液は光学異方性を
有していた。この原液を、60℃に保ったまま真空下に
脱気した。タンクからフィルタを通し、ギアポンプによ
り送液し、0.4mm×700mmのスリットを有する
Tダイから、鏡面に磨いたタンタル製のベルト上にドー
プをキャストし、相対湿度約5%、温度約105℃の空
気を吹き付けて、流延ドープを光学等方化し、ベルトと
共に5℃の50%硫酸水溶液中に導いて凝固させた。つ
いで凝固フィルムをベルトから引き剥がし、約30℃の
温水中、次に0.5%NaOH水溶液中、更に室温の水
の中を走行させて洗浄した。この洗浄されたフィルムを
取り出し、乾燥して水の量を測定したところポリマーに
対し2.5の水を含んでいた。この水を含んだフィルム
を#800の耐水サンドペーパーを張り付けたロールと
5mmの厚みのNBRを張り付けたロール間に通し、8
Kg/cmの線圧で3回加圧プレスした後、100mm
角の金枠に挟みクリップで固定して350℃で乾燥した
ところ片面艶消しのフィルムが得られた。このフィルム
の特性を測定したところ、厚さ24ミクロン、MD強度
32Kg/mm2 、TD強度30Kg/mm2 、MD伸
度18%、TD伸度17%、MDヤング率1230Kg
/mm2 、TDヤング率1200Kg/mm2 、密度
1.398g/cm3 、艶消し面の鏡面光沢度Gs(6
0°)4.8%、Y値21.3%であった。このフィル
ムの艶消し面にHBの硬さの鉛筆で線を描いたところ綺
麗に描くことができ、接着力は2.1Kg/cmだっ
た。
【0035】
【実施例2】実施例1と同じ原液を用い、同じ製膜・水
洗条件で洗浄されたフィルムを連続で1.1倍縦方向に
ロール延伸し、次いで横方向に1.15倍テンターで延
伸した後、テンターに挟んだまま定長で200℃で乾燥
し、更にテンターに挟んだまま定長で400℃のホット
プレート間を通した後、耳をトリミングし、幅20イン
チのフィルムを巻き取った。得られたフィルムの特性を
測定したところ、厚さ12ミクロン、MD強度42Kg
/mm2 、TD強度43Kg/mm2 、MD伸度48
%、TD伸度46%、MDヤング率1350Kg/mm
2 、TDヤング率1330Kg/mm2 、密度1.40
2g/cm3 であった。このフィルムを最大径が0.1
〜0.4mmのサンドを用いて10m/分の速度で5回
吹き付けることのできる装置を用いてサンドブラストし
た。その後、ライン中でフッ酸洗浄、水洗後、120℃
で乾燥し片面艶消しのフィルムを連続で巻き取った。得
られたフィルムの特性を測定したところ、厚さ11ミク
ロン、MD強度30Kg/mm2 、TD強度29Kg/
mm2 、MD伸度16%、TD伸度18%、MDヤング
率1280Kg/mm2 、TDヤング率1260Kg/
mm2 、密度1.399g/cm3 、艶消し面の鏡面光
沢度Gs(60°)7.2%、Y値22.6%であっ
た。このフィルムの艶消し面にHBの硬さの鉛筆で線を
描いたところ綺麗に描くことができ、接着力は1.9K
g/cmだった。
【0036】
【比較例1】実施例2で得られたサンドブラストする前
のフィルムの特性を測定したところ鏡面光沢度Gs
(60°)115%、Y値1.6%であった。このフィ
ルムの面に同じようにHBの硬さの鉛筆で線を描いてみ
たが、まったく描くことができなかった。またその時の
接着力は0.3Kg/cmと低かった。
【0037】
【発明の効果】本発明のフィルムは、実施例に示したよ
うに市販のフィルムには見られない高い強度と高いヤン
グ率で表される良好な機械的性質を有し、しかも接着性
にすぐれ、鏡面光沢度が小さいのでフィルム面に簡単に
文字や絵が鉛筆で書け、薄くても腰があるため取扱い性
の良い印刷性にすぐれたフィルムであり、トレーシング
ペーパーなどとして用いると収納スペースが少なくて済
む等の効果がある。また、これらの性質のみならず、優
れた電気絶縁性、耐熱性、耐油性、耐圧性、強酸以外の
耐薬品性、構造の緻密性を有する。本発明のフィルム
は、電気機器の絶縁材料や、フレキシブルプリント配線
基板、耐熱バーコードラベル、電線被覆材、濾過膜、製
版材料に好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F C08L 77:10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対数粘度が3.5以上の直線配位性芳香
    族ポリアミドよりなるフィルムであって、全ての方向の
    ヤング率が800Kg/mm2 以上で、全ての方向の引
    張伸度が10%以上であり、かつフィルムの表面の鏡面
    光沢度Gs(60°)が20%以下であるフィルム。
  2. 【請求項2】 対数粘度が3.5以上の直線配位性芳香
    族ポリアミドと95重量%以上の硫酸とから実質的にな
    る光学異方性ドープを、光学異方性を保ったまま支持面
    上に流延し、吸湿又は/及び加熱により該ドープを光学
    等方性に転化したのち凝固、水洗するフィルムの製法に
    おいて、水洗した水の直線配位性芳香族ポリアミドに対
    する重量比が0.5〜3.0の湿潤フィルムに梨地面を
    接圧したのち、フィルムの収縮を制限しつつ乾燥するこ
    とを特徴とするフィルムの製造法。
  3. 【請求項3】 対数粘度が3.5以上の直線配位性芳香
    族ポリアミドフィルムに最大径が0.05〜0.7mm
    のサンドを吹き付けることを特徴とするフィルムの製造
    法。
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