JPH0720903B2 - 2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0オクタン類の製造法 - Google Patents

2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0オクタン類の製造法

Info

Publication number
JPH0720903B2
JPH0720903B2 JP25597788A JP25597788A JPH0720903B2 JP H0720903 B2 JPH0720903 B2 JP H0720903B2 JP 25597788 A JP25597788 A JP 25597788A JP 25597788 A JP25597788 A JP 25597788A JP H0720903 B2 JPH0720903 B2 JP H0720903B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
reaction
hydroxy
methylenebicyclo
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25597788A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02104542A (ja
Inventor
清 坂内
利男 田中
喜規 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP25597788A priority Critical patent/JPH0720903B2/ja
Publication of JPH02104542A publication Critical patent/JPH02104542A/ja
Publication of JPH0720903B2 publication Critical patent/JPH0720903B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はプロパルギルシクロペンタン類を用いる2−ヒ
ドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類
の製造法に関する。さらに詳細には9(O)−メタノ−
Δ6(9α)−プロスタグランジンI1類の新規な鍵合成
中間体である2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ
[3.3.0]オクタン類の製造法に関する。
<従来の技術> カルバサイクリンは生体内生理活性物質であるプロスタ
グランジン(PGと略記することがある)I2(PGI2)の6,
9−位の酸素原子がメチレン基で置換されたプロスタグ
ランジンI2類縁体であり、分子内にエノールエーテルの
部分構造を有する天然のプロスタグランジンI2に比較し
て化学的に安定であるために抗血栓剤等の医薬品として
有用な化合物である。近年、カルバサイクリンの二重結
合異性体の一種であるイソカルバサイクリン、すなわ
ち、9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグラン
ジンI1類が、この同族体の中でも最も強い血小板凝集抑
制作用を示すことが発見され、医薬品としての応用が期
待されるようになった[池上ら,テトラヘドロン・レタ
ーズ(Tetrahedron Letters),33,3493および3497(19
83)参照]。
先に本発明者らはかかる9(O)−メタノ−Δ
6(9α)−プロスタグランジンI1(イソカルバサイク
リン)の鍵合成中間体として有用な2−ヒドロキシ−3
−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類とその製造法
を特許出願した。(特開昭62-61937号公報参照) その概要は次の通りである。
この方法によればアリルアルコール(A)より3工程を
へてアリルアルコール(C)(2−ヒドロキシ−3−メ
チレンビシクロ[3.3.0]オクタン類)に誘導される
が、この間の収率は50%で(A)の半分が失われること
になる。この為より効率的なアリルアルコール(C)
(6,7−二置換−2−ヒドロキシ−3−メチレンビシク
ロ[3.3.0]オクタン類)の合成法の開発が望まれてい
る。
また、先に本発明者らはかかる6,7−二置換−2−ヒド
ロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類の
製造法として、下記式[I] で表わされるプロパルギルシクロペンタン類を、アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属を用いる還元剤によって環
化せしめる方法(特開昭62-258330号公報参照)および
ヨウ化サマリウム(SmI2)によって環化せしめる方法を
特許出願したが、これらの方法を改良した、より効率的
な合成法の開発が望まれている。
最近、γ−エチニルケトン類に対し光照射することによ
り、還元的分子内環化反応が進行し、2−メチレンシク
ロペンタノール類が生成することが報告されている(D.
Belottiら,J.Org.Chem.,51,4196,1986年等参照)。しか
し本発明者らの知る限りにおいて、光照射によるγ−エ
チニルアルデヒド類の還元的分子内環化反応は報告され
ていない。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明の目的は9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロ
スタグランジンI1類(イソカルバサイクリン類)の有用
な鍵中間体である。2−ヒドロキシ−3−メチレンビシ
クロ[3.3.0]オクタン類の効率的な製造法を提供する
ことにある。
本発明者らは9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロス
タグランジンI1類(イソカルバサイクリン類)の有用な
合成鍵中間体である。2−ヒドロキシ−3−メチレンビ
シクロ[3.3.0]オクタン類の、より効率的な製造法を
見出すべく鋭意研究した結果、特定のプロパルギルシク
ロペンタノン類を用い、これを光照射反応せしめること
により目的とする2−ヒドロキシ−3−メチレンビシク
ロ[3.3.0]オクタン類が効率的に得られることを見出
し、本発明に到達したものである。
<問題を解決するための手段> 本発明では下記式[I] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合の混合物であるプロパルギルシクロペンタン
類を、光照射反応せしめることによって環化反応せし
め、また必要により脱保護反応せしめることを特徴とす
る下記式[II] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
任意の割合の混合物である2−ヒドロキシ−3−メチレ
ンビシクロ[3.3.0]オクタン類の製造法が提供され
る。
上記式[I]においてR11及びR21は同一もしくは異な
り、水素原子,トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基又はそ
れらが結合している酸素原子(即ち、水酸基に由来する
酸素原子)とともにアセタール結合またはエステル結合
を形成する基を表わす。
トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基としては、例えば、ト
リメチルシリル基,トリエチルシリル基,トリイソプロ
ピルシリル基,t−ブチルジメチル基のようなトリ(C1
C4)アルキルシリル基,t−ブチルジフェニルシリル基の
ようなジフェニル(C1〜C4)アルキルシリル基,ジメチ
ルフェニル基のようなジ(C1〜C4)アルキルフェニル
基、またはトリベンジルシリル基,トリフェニルシリル
基などを好ましいものとして挙げることができる。トリ
(C1〜C4)アルキルシリル,ジフェニル(C1〜C4)アル
キルシリル,フェニルジ(C1〜C4)アルキルシリル基が
好ましく、なかでもt−ブチルジメチルシリル基が特に
好ましい。
水酸基に由来する酸素原子と共にアセタール結合を形成
する基としては、例えば、メトキシメチル基,1−エトキ
シエチル基,2−メトキシ−2−プロピル基,2−エトキシ
−2−プロピル基,(2−メトキシエトキシ)メチル
基,ベンジルオキシメチル基,2−テトラヒドロピラニル
基,2−テトラヒドロフラニル基,または6,6−ジメチル
−3−オキサ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキス−
4−イル基を挙げることができる。2−テトラヒドロピ
ラニル基,2−テトラヒドロフラニル,1−エトキシエチ
ル,2−エトキシ−2−プロピル,(2−メトキシエトキ
シ)メチル,6,6−ジメチル−3−オキサ−2−オキソビ
シクロ[3.1.0]ヘキス−4−イル基が特に好ましい。
なかでも2−テトラヒドロピラニル基が特に好ましい。
水酸基に由来する酸素原子と共にエステル結合を形成す
る基としては、例えばホルミル基,アセチル基,プロピ
オニル基,ブタノイル基,ペンタノイル基等の(C1
C5)アルカノイル基;ベンゾイル基,トルイル基等の置
換または非置換のベンゾイル基を挙げることができる。
アセチル基,ベンゾイル基が特に好ましい。
これらのシリル基,アセタール結合及びエステル結合を
形成する基は水酸基の保護基であると理解されるべきで
ある。これらの保護基は最終生成物の段階で容易に除去
されて薬剤として有用な遊離の水酸基とすることができ
る。したがってこのような性状を有している水酸基の保
護基はシリル基やアセタール結合やエステル結合を形成
する基の代わりとして使用することができる。本発明の
環化反応は中性で実施することもできるので、かかる保
護基は反応中安定に存在することができ、従って本質的
に保護基を限定する必要はない。
上記式[I]においてR3は水素原子,メチル基,または
ビニル基を表わす。
上記式[I]においてR4は直鎖もしくは分岐鎖C3〜C8
ルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基;フェニ
ル基;C3〜C10シクロアルキル基;またはC1〜C6アルコキ
シ基、フェニル基、フェノキシ基もしくはC3〜C10シク
ロアルキル基で置換されている直鎖もしくは分岐鎖C1
C5アルキル基を表わす。
直鎖もしくは分岐鎖C3〜C8アルキル基としてはプロピル
基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,2
−ヘキシル基,2−メチル−2−ヘキシル基,2−メチルブ
チル基,2−メチルペンチル基,2−メチルヘキシル基,2,2
−ジメチルヘキシル基などを挙げることができる。ブチ
ル基,ペンチル基,ヘキシル基,ヘプチル基,2−ヘキシ
ル基,2−メチル−2−ヘキシル基,2−メチルブチル基,2
−メチルペンチル基,2−メチルヘキシル基が好ましい。
また、R4として2−メトキシエチル基,2−エトキシエチ
ル基を用いるものも参考例として挙げられる。
直鎖もしくは分岐鎖C3〜C8アルケニル基としては、例え
ば1−ブチルビニル,2−プロピルアリル,2−ペンテニ
ル,4−ペンテニル,2−メチル−3−ペンテニル,4−ヘキ
セニル,1,4−ジメチル−3−ペンテニル,5−ヘプテニ
ル,1−メチル−5−ヘキセニル,6−メチル−5−ヘプテ
ニル,2,6−ジメチル−5−ヘプテニルなどが好ましい。
直鎖もしくは分岐鎖C3〜C8アルキル基としては、例え
ば、2−ブチル,2−ペンチニル,3−ペンチニル,1−メチ
ル−2−ペンチニル,1−メチル−3−ペンチニルが好ま
しい。
C3〜C10のシクロアルキル基としては、例えばシクロプ
ロピル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,シク
ロヘキセニル基,シクロヘプチル基,シクロオクチル
基,シクロデシル基などを挙げることができる。シクロ
ペンチル基,シクロヘキシル基が好ましい。R4のフェニ
ル基、もしくはC3〜C10のシクロアルキル基が、さらに
ハロゲン原子、保護された水酸基(例えばシリルオキシ
基、C1〜C6アルコキシ基など)、C1〜C4アルキル基など
により置換されているものも参考例として挙げられる。
C1〜C6アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基もしく
はC3〜C10シクロアルキル基で置換されている直鎖もし
くは分岐鎖C1〜C5アルキル基において、C1〜C6アルコキ
シ基としては、例えばメトキシ基,エトキシ基,プロピ
ルオキシ基,イソプロピルオキシ基,ブトキシ基,t−ブ
トキシ基,ヘキシルオキシ基などが挙げられる。直鎖も
しくは分岐鎖C1〜C5アルキル基としては、例えば、メチ
ル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル
基,イソブチル基,sec−ブチル基,t−ブチル基,ペンチ
ル基などを挙げることができるなお、直鎖もしくは分岐
鎖C1〜C5アルキル基の置換基たるフェニル基、フェノキ
シ基もしくはC3〜C10シクロアルキル基が、さらに前述
したR4のフェニル基等について例示した置換基を有する
ものも参考例として挙げられる。かかるR3としてはブチ
ル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,2−ヘキシル,2−メ
チル−2−ヘキシル,2−メチルブチル,2−メチルペンチ
ル,シクロペンチル,シクロヘキシル,フェニル,フェ
ノキシ,シクロペンチルメチル,シクロヘキシルメチル
基などを好ましいものとして挙げることができる。な
お、置換基はその任意の位置に結合していてもよい。
上記[I]においてnは0または1を表わす。
また上記式[II]においてR1およびR2は同一もしくは異
なり、水素原子,トリ(C1〜C7)炭化水素シリル基また
は水酸基の酸素原子とともにアセタール結合またはエス
テル結合を形成する基を表わす。ここでトリ(C1〜C7
炭化水素シリル基および水酸基の酸素原子とともにアセ
タール結合またはエステル結合を形成する基としては上
記式[I]の場合と同じものがあげられる。
上記式[I]で表わされるプロパルギルシクロペンタン
類を原料とする光照射環化反応に用いられる光の波長
は、通常200〜400nmの範囲が好ましく、さらに好ましく
は220〜300nmの均一波長もしくはある幅を持った範囲の
波長が用いられる。このような条件を満たす光源として
例えば低圧水銀ランプ,中圧水銀ランプ,高圧水銀ラン
プ,タングステン−ハロゲンランプ,水銀−キセノンラ
ンプ,せん光ランプ,レーザーなどが好ましく用いられ
るが、特に好ましくは水銀低圧ランプが用いられる。ま
た必要によってバイコールガラスフィルター等のフィル
ター類を用いてもよい。(新実験化学講座14巻−V.p261
6-2620,日本化学会編,丸善等参照)反応装置として
は、光照射反応に一般的に用いられるものならいかなる
ものでもよい(小倉克之,化学と工業,41,325,1988
年;新実験化学講座14巻−V.p2620-2622,日本化学会
編,丸善等参照)。例えばメリーゴーラウンド型等の外
部照射型や、また種々の内部照射型装置等が用いられ
る。また反応は光増感剤の存在下に行なってもよい。
該光環化反応の溶媒としては、例えば、アセトニトリ
ル;メタノール,エタノール,イソプロパノール等のア
ルコール系溶媒;ヘキサン,シクロヘキサン,ベンゼン
等の炭化水素系溶媒;エーテル,テトラヒドロフラン,
ジオキサン等のエーテル系溶媒;クロロホルム,塩化メ
チレン,四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;ヘキサメチル
ホスホリックトリアミド,ジメチルホルムアミド,ジメ
チルスルホキシド等の有機極性溶媒及びそれらの任意の
割合の混合溶媒が用いられるが、好ましくは、アセトニ
トリル,ヘキサメチルホスホリックトリアミド等が用い
られる。該光環化反応は一般的にアミン類存在下に行な
うことが好ましい。使用するアミン類としては、例えば
トリエチルアミン,ジイソプロピルエチルアミン,ジエ
チルアミン,ジイソプロピルアミン,t−ブチルアミン等
のアルキルアミン類,アニリン,ジメチルアニリン等の
芳香族系アミン類等が用いられるが、好ましくはトリエ
チルアミンが用いられる。該アミン類の使用量は、原料
の上記式(I)で表わされるプロパルギルシクロペンタ
ン類に対し、0〜500当量、好ましくは1〜20当量程度
用いられる。尚、該環化反応は、一般的に該アミン類の
非存在下には進行しないが、例えばヘキサメチルホスホ
リックトリアミド等の光照射により励起される溶媒を溶
媒として使用した場合は、該アミン類の存在無しに反応
が進行するため、このような場合は一般的に該アミン類
非存在下で反応を行なう。
反応温度は−100〜60℃、好ましくは−30〜40℃程度の
温度範囲が採用される。反応時間は使用するランプの強
さ,本数,波長や使用する装置により異なるが、通常0.
1〜24時間、好ましくは0.5〜5時間である。該光環化反
応における上記式(I)で表わされるプロパルギルシク
ロペンタン類の溶液中の濃度は10-4M〜1M(M=mol/l)
程度であるが、好ましくは10-3〜0.5M程度である。なお
反応系にメタノール,エタノール,イソプロパノール,t
−ブタノール等のプロトン源を加えて該光環化反応を行
なってもよい。
かくして得られた反応液は、そのまま溶媒を減圧留去す
るか、あるいはそのままシリカゲル,フロリジール等で
過した後、液を減圧留去することにより、粗生成物
として反応系から取り出すことができる。また、飽和塩
化アンモニウム水,水等を加えた後、有機溶媒による抽
出等を行なうことによっても粗生成物として反応系から
取り出すことができる。粗生成物は所望により、カラム
クロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィー,液体ク
ロマトグラフィー,再結晶等の精製手段により精製する
ことができる。
上記式[II]で表わされる2−ヒドロキシ−3−メチレ
ンビシクロ[3.3.0]オクタン類の7位および6位の
3′位(あるいは4′位)が保護された水酸基の場合に
は、必要に応じて脱保護することによって遊離の水酸基
とすることができる。
水酸基の保護基の除去は、保護基が水酸基の酸素原子と
共にアセタール結合を形成する基の場合には、例えば酢
酸,p−トルエンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸のピ
リジニウム塩または陽イオン交換樹脂等を触媒とし、例
えば水,テトラヒドロフラン,エチルエーテル,ジオキ
サン,アセトン,アセトニトリル等を反応溶媒とするこ
とにより好適に実施される。反応は通常−78℃〜+50℃
の温度範囲で10分〜3日間程度行なわれる。また、保護
基がトリ(C1〜C7)炭化水素シリル基の場合には、例え
ば酢酸,p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン
酸のピリジニウム塩,テトラブチルアンモニウムフルオ
ライド,セシウムフルオライド,フッ化水素,ピリジン
−フッ化水素の存在下に、上記したような反応溶媒中で
同様の温度で同様の時間実施される。保護基が水酸基の
酸素原子とともにエステル結合を形成する基の場合に
は、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化
カルシウムの水溶液もしくは水−アルコール混合溶液、
あるいはナトリウムメトキシド,カリウムメトキシド,
ナトリウムエトキシドを含むメタノール,エタノール溶
液中で加水分解せしめることにより実施することができ
る。
また上記式[I],[II]で表わされる化合物において
シクロペンタン環およびビシクロ[3.3.0]オクタン環
自身およびそれらの環上に結合している置換基の結合し
ている炭素は不斉な環境のために立体異性体が存在する
が、本発明ではいずれの立体異性体をも含むものであ
り、またこれらの任意の割合の立体異性体混合物でもさ
しつかえない。また式で代表される化合物とはこれらの
立体異性体すべて、およびそれらの異性体の任意の割合
の混合物をあらわすが、式で表わされた立体構造を有す
る化合物が最も好ましいものとして挙げられる。
本反応に用いられる上記式[I]で表わされるプロパル
ギルシクロペンタン類は、下記式[III] で表わされるプロパルギルシクロペンタン類を酸化し、
必要によって上記したと同様の方法で脱保護することに
よって得ることができる。かかる酸化法としてはアルコ
ールをアルデヒドに酸化するものならなんでもよいが、
シュウ酸クロリド−ジメチルスルホキシド−トリエチル
アミンを用いるスワーン酸化(Swern Oxidation;A.J.Ma
ncusoら,J.Org.Chem.,44巻,4148ページ,1979年等参
照)、ピリジニウムクロロクロメート(PCC;E.J.Corey
ら,Tetrahedron Lett.,2647ページ,1975年等参照),ピ
リジニウムジクロメート(PDC;E.J.Coreyら,Tetrahedro
n Lett.,399ページ,1979年等参照)等が好ましく用いら
れる。
かかる酸化剤の使用量は原料である式[III]で表わさ
れるシクロペンタン類に対して0.8〜20倍、好ましくは
1.2〜2倍当量の酸化剤を用いて行なわれる。反応温度
および溶媒は用いる酸化剤によって大いに異なり、スワ
ーン酸化の場合は−60℃〜室温程度で、主にジクロルメ
タンを溶媒として行なわれ、PCCおよびPDCの場合は−20
℃〜室温程度の温度で主にジクロルメタンを溶媒として
行なわれる。反応時間は反応の条件によって異なるが、
通常10分〜6時間程度である。
上記式[III]で表わされるプロパルギルシクロペンタ
ン類は、下記式[IV] で表わされるプロパルギルシクロペンタン類をハイドロ
ボレーション反応およびそれに続く酸化反応、またR5
トリメチルシリル基の場合にはさらにR5を選択的に脱保
護することによって得ることができる。ハイドロボレー
ション反応は通常の手法で実施することができる。[オ
ルガニック・リアクション(Organic Reactions),13
巻,Chapter I,ジョン・ウイリー・アンド・サンズ(Joh
n,Wiley & Sons Inc.)New York,1963年;新実験化学
講座,有機化合物の合成と反応I,P497-505,丸善等参
照。]ハイドロボレーション試薬としてはジシアミルボ
ラン((CH22CHCH(CH3)BH),9−ボラビシクロ[3.
3.1]ノナン(9−BBN),ジシクロヘキシルボラン,ジ
イソピノカンフェニルボラン等のジアルキルボランやカ
テコールボラン,ジハロボラン等のジ置換ボランを用い
ることができるが、好ましくはジシアミルボランおよび
9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン(9−BBN)が用いら
れる。ハイドロボレーションに続く酸化反応に使用され
る酸化剤としては過酸化水素−水酸化ナトリウム,トリ
メチルアミンオキシド,空気酸化等を用いることができ
るが過酸化水素−水酸化ナトリウムが特に好ましい。ハ
イドロボレーション試薬の使用量は式[IV]で表わされ
るシクロペンタン類に対して化学量論的には等モルで反
応は進行するが、通常は原料化合物に対して0.5〜5倍
モル用いられる。反応温度は−100〜50℃好ましくは−2
0℃〜室温程度である。反応時間は反応温度によって異
なるが、通常10分〜20時間、好ましくは30分〜5時間程
度である。反応は通常有機媒体の存在下に行なわれる。
用いられる媒体は反応試剤とは反応しない不活性な非プ
ロトン性有機媒体が用いられ、好ましくはテトラヒドロ
フラン,ジエチルエーテル,ジグリム,トリグリム等の
エーテル系溶媒が用いられ、特にテトラヒドロフランが
好ましい。ハイドロボレーション反応によって生成する
アルキルボランは通常単離することなく、反応系に直接
酸化剤を加えることにより酸化して下記式[III′] で表わされるアルコール体へと導かれる。酸化剤として
過酸化水素を用いる時は同時に水酸化ナトリウム等の塩
基を使用する。過酸化水素はいかなる濃度のものでも使
用できるが、30%前後の濃度のものが一般的に使用され
る。過酸化水素の使用量は使用するハイドロボレーショ
ン試薬の0.5〜50倍モル、好ましくは3〜10倍モルであ
る。水酸化ナトリウムはそのもの自体または水溶液とし
て使用することができるが、一般的に1〜10規定濃度の
水溶液を使用する。その使用量はハイドロボレーション
試薬の0.5〜50倍モル、好ましくは3〜10倍モルであ
る。このときの反応温度は0℃〜100℃であるが、好ま
しくは40℃〜70℃である。反応時間は5分から5時間で
あるが、好ましくは20分〜1時間である。酸化剤として
トリメチルアミンオキシドを用いる時は、通常ハイドロ
ボレーション試薬に対して0.5〜50倍モル、好ましくは
3〜10倍モル用いる。
かくして得られた生成物は、通常の方法に従ってクエン
チ・抽出等をすることにより粗生成物として反応系から
取り出すことができる。粗生成物は、所望によりカラム
クロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィー,液体ク
ロマトグラフィー,再結晶等の精製手段により精製する
ことができる。
上記式[III]で表わされる化合物は上記式[III′]で
表わされる化合物のうちR5がトリメチルシリル基である
ものを選択的に脱保護することによっても得られる。こ
のアセチレン末端の脱保護反応は通常の手法で実施する
ことができる[シリコン・リエージェント・フォー・オ
ルガニック・シンセシス(Silicon Reagents for Organ
ic Synthesis),Reactivity and Structure Concepts O
rganic Chemistry 14巻,Chapter 9,Springer-Verlag,19
83年]脱保護反応試薬としてはナトリウムメトキシド−
メタノール,硝酸銀−エタノール−水とシアン化カリウ
ム−水を用いるもの、水酸化カリウム水,フッ化カリウ
ム−メタノールなどが用いられる。
上記式[IV]で表わされるプロパルギルシクロペンタン
類は下記式[V] で表わされるプロパルギルシクロペンタノン類を四塩化
チタン−亜鉛−ジブロムメタンより調製されるメチレン
化剤(L.Lombardoら,テトラヘドロンレターズ,23巻,42
93ページ,1982年参照),四塩化チタン−亜鉛−ジョー
ドメタンより調製されるメチレン化剤(野崎一ら,テト
ラヘドロンレターズ,26巻,5581ページ,1985年参照)ま
たは他のメチレン化剤を用いてメチレン化することによ
り得ることができる。
かかる四塩化チタン−亜鉛−ジブロムメタンより調製さ
れるメチレン化剤とはジブロムメタン1gに対し、四塩化
チタン0.5g〜2g,亜鉛0.8〜2.5gよりなる混合物をテトラ
ヒドロフラン中0℃で5時間〜3日間撹拌し放置したも
のを表わす。
また四塩化チタン−亜鉛−ジョードメタンより調製され
るメチレン化剤とはジョードメタン1gに対し、四塩化チ
タン0.1〜0.2g,亜鉛0.3〜0.6gよりなる混合物をテトラ
ヒドロフラン中、25℃で30分撹拌したものを表わす。
上記式[V]で表わされるシクロペンタノン類とメチレ
ン化剤との反応は有機媒体の存在下に行なわれ、反応温
度下において液状であって反応試薬とは反応しない不活
性の非プロトン性の有機媒体が用いられる。かかる媒体
としてはジクロルメタン,ジクロルエタン,テトラクロ
ルエタンの如きハロゲン化炭化水素が好ましく挙げられ
る。有機媒体の使用量は反応を円滑に進行させるに十分
な量があればよく、通常は原料の1〜200倍容量、好ま
しくは5〜50倍容量が用いられる。反応温度は−20℃〜
70℃、好ましくは0℃〜50℃で行なわれる。反応時間は
10分〜24時間で終了する。かくして得られた生成物は飽
和炭酸水素ナトリウム水によってクエンチされ、抽出等
をすることにより反応系から取り出すことができる。粗
生成物は所望によりカラムクロマトグラフィー,薄層ク
ロマトグラフィー,液体クロマトグラフィー,再結晶等
の精製手段により精製することができる。
上記式[V]で表わされるプロパルギルシクロペンタノ
ン類は野依らの方法に従い(野依良治ら,ジャーナル・
オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー,107巻,3
348ページ,1985年)、下記に示す如く三成分連結反応を
行うことにより得ることができる。
かくの如く新規な環化反応によって得られた式[II]で
表わされるヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.
0]オクタン類は最初に述べた抗血栓剤等の医薬品とし
て有用なイソカルバサイクリンすなわち、9(O)−メ
タノ−Δ6(9α)−プロスタグランジンI1類の中間体
として有用である。すなわち式[II]のヒドロキシ−3
−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類(ただしR1,R2
は各々前記定義のR12,R22を表わすものとする)はその
アリルアルコールのγ位で位置選択的に有機リチウム化
合物と反応して前述のイソカルバサイクリン、すなわち
9(O)−メタノ−Δ6(9α)−プロスタグランジン
I1骨格を構築することができる有用な鍵中間体である
(特開昭62-61937号公報参照)。
<実施例> 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
光反応の装置は、外部照射型のメリーゴーラウンド型光
照射装置を用いた(Rayonet Photo-Chemical Reactor;T
he Southern New England Ultraviolet Company)。ラ
ンプは低圧水銀ランプ(Rayonet Photochemical Reacti
on Lamp,2537Å,16本)を使用した。尚実施例中、−OZ1
はt−ブチルジメチルシリルオキシ基を表わし、−OZ2
はトリメチルシリルオキシ基を表わす。
実施例1 アルデヒド体(化合物i)102mg(0.20mmol)をアセト
ニトリル5.8mlに溶解し、直径1lcmの石英ガラス管に入
れる。30分間窒素をバブルした後、トリエチルアミン14
3μl(1.03mmol)を加え、前記光照射装置で光照射を
2時間行なった。溶媒を減圧留去し得られた粗生成物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製すると、5
%酢エチル−ヘキサン溶出部に73mg(収率72%)の(1
S,2RS,5R,6R,7R)−2−ヒドロキシ−3−メチレン−6
−{(E,3′S)−3′−t−ブチルジメチルシリルオ
キシ−1′−オクテニル}−7−t−ブチルジメチルシ
リルオキシビシクロ[3.3.0]オクタン(化合物ii)を
得た。
実施例2 実施例1と同様にして、下記の出発物質から下記の生成
物を得た。
実施例3 アルデヒド体(化合物iii)110mg(0.21mmol)をヘキサ
メチルホスホリックトリアミド4mlに溶解して直径1cmの
石英ガラス管に入れ、20分間窒素をバブルした。これを
前記光照射装置にセットし、光照射を2.5時間行なっ
た。水を加え、エーテルで2回抽出後、合わせた有機層
を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーで精製すると5%酢酸エチル−ヘキサン
溶出部に77mg(収率70%)の(1S,2RS,5R,6R,7R)−2
−ヒドロキシ−3−メチレン−6−{(E,3′S,5′S)
−3′−t−ブチルジメチルシリルオキシ−5′−メチ
ル−1′−ノネニル}−7−t−ブチルジメチルシリル
オキシビシクロ[3.3.0]オクタン(化合物iv)を得
た。
スペクトルデーターは実施例2に示した。
実施例4 実施例3と同様にして、下記の出発物質から下記の生成
物を得た。
スペクトルデーターは実施例1及び実施例2に示した。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[I] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
    任意の割合の混合物であるプロパルギルシクロペンタン
    類を、光照射反応せしめることによって環化反応せし
    め、また必要により脱保護反応せしめることを特徴とす
    る下記式[II] で表わされる化合物およびその鏡像体あるいはそれらの
    任意の割合の混合物である2−ヒドロキシ−3−メチレ
    ンビシクロ[3.3.0]オクタン類の製造法。
  2. 【請求項2】上記式[I]において、R1,R2が共にt−
    ブチルジメチルシリル基である請求項1記載の2−ヒド
    ロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類の
    製造法。
  3. 【請求項3】上記式[I]において、R3が水素原子また
    はメチル基である請求項1または2記載の2−ヒドロキ
    シ−3−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類の製造
    法。
  4. 【請求項4】上記式[I]においてR4がn−ブチル基,n
    −ペンチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基ま
    たは2−メチルヘキシル基である請求項1〜3のいずれ
    か1項記載の2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ
    [3.3.0]オクタン類の製造法。
  5. 【請求項5】光照射反応を、アミン類存在下に行なう、
    請求項1〜4のいずれか1項記載の2−ヒドロキシ−3
    −メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類の製造法。
  6. 【請求項6】アミン類が、トリエチルアミンまたはジメ
    チルアニリンである請求項5記載の2−ヒドロキシ−3
    −メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類の製造法。
  7. 【請求項7】反応溶媒がアセトニトリルである請求項1
    〜6のいずれか1項記載の2−ヒドロキシ−3−メチレ
    ンビシクロ[3.3.0]オクタン類の製造法。
  8. 【請求項8】反応溶媒がヘキサメチルホスホリックトリ
    アミドである請求項1〜4のいずれか1項記載の2−ヒ
    ドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類
    の製造法。
JP25597788A 1988-10-13 1988-10-13 2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0オクタン類の製造法 Expired - Fee Related JPH0720903B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25597788A JPH0720903B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0オクタン類の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25597788A JPH0720903B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0オクタン類の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02104542A JPH02104542A (ja) 1990-04-17
JPH0720903B2 true JPH0720903B2 (ja) 1995-03-08

Family

ID=17286194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25597788A Expired - Fee Related JPH0720903B2 (ja) 1988-10-13 1988-10-13 2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0オクタン類の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0720903B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02104542A (ja) 1990-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0720903B2 (ja) 2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0オクタン類の製造法
EP0427708B1 (en) Isocarbacyclin derivatives
US4701536A (en) Novel 10-membered ring compound and process for preparing the same
JPS6097926A (ja) 新規な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン類およびその製造方法
HU190996B (en) Process for preparing prostaglandin e down 1 compounds
JPH1017561A (ja) アリルアルコール類およびその製造方法
JPH06104639B2 (ja) 6,7−二置換−2−ヒドロキシ−3−メチレンビシクロ[3.3.0オクタン類の製造法
HU197290B (en) Process for preparing intermediate products for the production of 16-phenoxy- and 16-(substituted phenoxy)-prostatriene acid-derivatives
JP2664841B2 (ja) 6,7―二置換―2―ヒドロキシ―3―メチレンビシクロ[3.3.0]オクタン類の製造法
EP0157883B1 (en) Process for preparing prostaglandin d 2?'s
US4212984A (en) Prostaglandin precursors
JP3803126B2 (ja) 光学活性なトランス体ビニルスルフィドアルコールの製造方法
JPH053863B2 (ja)
JP2774381B2 (ja) α鎖修飾イソカルバサイクリン類およびその製造法
EP0257610A2 (en) Process and intermediates for the synthesis of the enantiomers of bicyclo(4.2.0)oct-2-en-7-one and derivatives and for the synthesis of bicyclo(4.2.0)octane derivatives
JPH0680024B2 (ja) イソカルバサイクリン類の製造法
US4927963A (en) Novel processes for the synthesis of certain bicyclo(4.2.0)octane derivatives with valuable therapeutic properties
JPH0351694B2 (ja)
JPH0220616B2 (ja)
JPH0660155B2 (ja) イソカルバサイクリン類
JPH0645575B2 (ja) 3―メチレン―2,6,7―三置換ビシクロ[3.3.0オクタン類
JPH0468307B2 (ja)
JPH0257549B2 (ja)
JPH0798796B2 (ja) イソカルバサイクリン類の製造方法
JPH05301837A (ja) プロパルギルシクロペンタン類

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees