JPH0730470B2 - 絶縁電線並びにその製造方法 - Google Patents
絶縁電線並びにその製造方法Info
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- JPH0730470B2 JPH0730470B2 JP1866989A JP1866989A JPH0730470B2 JP H0730470 B2 JPH0730470 B2 JP H0730470B2 JP 1866989 A JP1866989 A JP 1866989A JP 1866989 A JP1866989 A JP 1866989A JP H0730470 B2 JPH0730470 B2 JP H0730470B2
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- Japan
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- wire
- copper
- benzotriazole
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
- Insulated Conductors (AREA)
- Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ベンゾトリアゾール防錆溶液を用いて、銅撚
線表面の変色が長期にわたって防止される絶縁電線およ
び電力ケーブルの製造方法に関する。
線表面の変色が長期にわたって防止される絶縁電線およ
び電力ケーブルの製造方法に関する。
従来、銅線および銅撚線の保管中、又は絶縁電線の製造
工程中および保管中において、銅線表面や撚線導体表面
が変色することがあり、その対策として種々の製造工程
で銅線、銅撚線などに銅用防錆溶液が塗布されている。
工程中および保管中において、銅線表面や撚線導体表面
が変色することがあり、その対策として種々の製造工程
で銅線、銅撚線などに銅用防錆溶液が塗布されている。
一方、屋外用配電線として塩化ビニル絶縁電線(OW)、
ポリエチレン絶縁電線(OE)、架橋ポリエチレン絶縁電
線(OC)などが多用されているが、架線後、数年にして
銅線表面に黒色酸化銅皮膜が生成し、稀に硬銅撚線がナ
イフカット状に異常断線する、いわゆる、応力腐食割れ
を起こすことがあり、電力保安上、重要な問題となって
いる。
ポリエチレン絶縁電線(OE)、架橋ポリエチレン絶縁電
線(OC)などが多用されているが、架線後、数年にして
銅線表面に黒色酸化銅皮膜が生成し、稀に硬銅撚線がナ
イフカット状に異常断線する、いわゆる、応力腐食割れ
を起こすことがあり、電力保安上、重要な問題となって
いる。
この応力腐食割れは、端末から電線内部に侵入した雨水
が電線の空隙に溜水し、濃縮されて腐食性溜水となって
銅線表面に厚い黒色酸化銅皮膜を形成し、その皮膜のク
ラック部に露出する下地銅を選択的に溶解するという腐
食要因と、硬銅撚線の加工時に生ずる曲げ応力および電
線のドラム巻き時に生ずる曲げ応力に抗して架線時に生
じる応力などの応力要因との相互作用で起るものとされ
ている。
が電線の空隙に溜水し、濃縮されて腐食性溜水となって
銅線表面に厚い黒色酸化銅皮膜を形成し、その皮膜のク
ラック部に露出する下地銅を選択的に溶解するという腐
食要因と、硬銅撚線の加工時に生ずる曲げ応力および電
線のドラム巻き時に生ずる曲げ応力に抗して架線時に生
じる応力などの応力要因との相互作用で起るものとされ
ている。
このような長期の腐食環境で発生する応力腐食割れに対
して、ベンゾトリアゾールをアルコールなどの揮発性溶
剤単独なものに溶解した溶液を硬銅撚線に塗布しても十
分な耐食性皮膜が形成されないため、長期の耐食効果が
期待できない問題がある。
して、ベンゾトリアゾールをアルコールなどの揮発性溶
剤単独なものに溶解した溶液を硬銅撚線に塗布しても十
分な耐食性皮膜が形成されないため、長期の耐食効果が
期待できない問題がある。
そのため解決手段として、銅用防錆成分を添加した絶
縁層を用いる方法、硬銅撚線内に水密コンパウンドを
充填する方法、ベンゾトリアゾール誘導体を流動パラ
フィン、ポリブテン、シリコーン油などに溶解したもの
を硬銅撚線上に塗布する方法(一例として特開昭61-277
120号公報参照)。などが提案されている。
縁層を用いる方法、硬銅撚線内に水密コンパウンドを
充填する方法、ベンゾトリアゾール誘導体を流動パラ
フィン、ポリブテン、シリコーン油などに溶解したもの
を硬銅撚線上に塗布する方法(一例として特開昭61-277
120号公報参照)。などが提案されている。
しかしながら、については、絶縁層からの防錆剤の溶
出に難があり、長期間銅の変色を防止させることが困難
で、絶縁層の絶縁抵抗が低下する好ましくない問題があ
る。については、製造コストが高く、水密コンパウン
ドの除去作業が煩わしく、除去が十分でないときは接続
部の通電特性が低下する問題がある。については、そ
の使用によって絶縁体と硬銅撚線との密着性が低下し、
引抜き強度が不足するという問題がある。
出に難があり、長期間銅の変色を防止させることが困難
で、絶縁層の絶縁抵抗が低下する好ましくない問題があ
る。については、製造コストが高く、水密コンパウン
ドの除去作業が煩わしく、除去が十分でないときは接続
部の通電特性が低下する問題がある。については、そ
の使用によって絶縁体と硬銅撚線との密着性が低下し、
引抜き強度が不足するという問題がある。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、硬銅撚
線に防錆溶液を塗布することにより、銅線や硬銅撚線の
表面上に強固な耐食性皮膜を形成し、硬銅撚線内部に腐
食性雨水が侵入しても、長期にわたって銅色を維持し、
且つ絶縁体と硬銅撚線との密着性が良好な絶縁電線およ
び電力ケーブルの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
線に防錆溶液を塗布することにより、銅線や硬銅撚線の
表面上に強固な耐食性皮膜を形成し、硬銅撚線内部に腐
食性雨水が侵入しても、長期にわたって銅色を維持し、
且つ絶縁体と硬銅撚線との密着性が良好な絶縁電線およ
び電力ケーブルの製造方法を提供することを目的とする
ものである。
本発明の構成は、硬銅撚線の表面にベンゾトリアゾール
0.1〜10重量%、リン酸系可塑剤2〜70重量%、残部が
溶剤からなる防錆溶液を塗布した後、前記硬銅撚線の外
周に絶縁被覆層を形成させることを特徴とするものであ
る。
0.1〜10重量%、リン酸系可塑剤2〜70重量%、残部が
溶剤からなる防錆溶液を塗布した後、前記硬銅撚線の外
周に絶縁被覆層を形成させることを特徴とするものであ
る。
以下、本発明の構成について更に詳細に説明する。
本発明に使用する防錆溶液において、ベンゾトリアゾー
ルの添加量を0.1〜10重量%とするのは、10重量%以上
添加しても耐食性皮膜がより以上形成されないために、
防錆効果が飽和に達し、過剰量は折出するので好ましく
ない。逆に、0.1重量%以下の添加量では、十分な耐食
性皮膜が形成されないため、防錆効果が得られない。ベ
ンゾトリアゾールの好ましい添加量は1〜5重量%であ
る。リン酸系可塑剤の使用量を2〜70重量%とするの
は、70重量%以上では塗布後、撚線導体上に粘つきが残
ると共に引抜き試験が好ましくなく、ベンゾトリアゾー
ルが十分に溶解できない。逆に、1重量%以下では、形
成する耐食性皮膜に対する保護作用に欠けるため、十分
な防錆効果が得られにくい。使用する溶剤はメタノール
などのアルコール系溶剤が好ましい。
ルの添加量を0.1〜10重量%とするのは、10重量%以上
添加しても耐食性皮膜がより以上形成されないために、
防錆効果が飽和に達し、過剰量は折出するので好ましく
ない。逆に、0.1重量%以下の添加量では、十分な耐食
性皮膜が形成されないため、防錆効果が得られない。ベ
ンゾトリアゾールの好ましい添加量は1〜5重量%であ
る。リン酸系可塑剤の使用量を2〜70重量%とするの
は、70重量%以上では塗布後、撚線導体上に粘つきが残
ると共に引抜き試験が好ましくなく、ベンゾトリアゾー
ルが十分に溶解できない。逆に、1重量%以下では、形
成する耐食性皮膜に対する保護作用に欠けるため、十分
な防錆効果が得られにくい。使用する溶剤はメタノール
などのアルコール系溶剤が好ましい。
使用するリン酸系可塑剤は、トリメチル・ホスフェー
ト、トリブチル・ホスフェート、トリ−(2−エチルヘ
キシル)ホスフェート、2−エチルヘキシル・ジフェニ
ル・ホスフェート、トリブトキシエチル・ホスフェー
ト、トリフェニル・ホスフェート、クレジル・ジフェニ
ル・ホスフェート、イソデシル・ジフェニル・ホスフェ
ート、トリクレジル・ホスフェート、トリトリル・ホス
フェート、トリキシレニル・ホスフェート、アルキル・
アリル・ホスフェートなどで、これらの群の1種以上が
使用できる。
ト、トリブチル・ホスフェート、トリ−(2−エチルヘ
キシル)ホスフェート、2−エチルヘキシル・ジフェニ
ル・ホスフェート、トリブトキシエチル・ホスフェー
ト、トリフェニル・ホスフェート、クレジル・ジフェニ
ル・ホスフェート、イソデシル・ジフェニル・ホスフェ
ート、トリクレジル・ホスフェート、トリトリル・ホス
フェート、トリキシレニル・ホスフェート、アルキル・
アリル・ホスフェートなどで、これらの群の1種以上が
使用できる。
使用する溶剤はベンゾトリアゾールとリン酸系可塑剤と
の溶解混合を容易にし、且つリン酸系可塑剤のもつ粘つ
きを調整するために用いられるが、かかる溶剤として
は、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコ
ール系溶剤が好ましいが、特に限定されるものでない。
の溶解混合を容易にし、且つリン酸系可塑剤のもつ粘つ
きを調整するために用いられるが、かかる溶剤として
は、メタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコ
ール系溶剤が好ましいが、特に限定されるものでない。
なお、本発明ではベンゾトリアゾールのほか、ベンゾト
リアゾールモノエタノールアミン塩、ベンゾトリアゾー
ルジエチルアミン塩、ベンゾトリアゾールシクロヘキシ
ルアミン塩、ベンゾトリアゾールモルホリン塩、ベンゾ
トリアゾールジイソプロピルアミン塩、メチルベンゾト
リアゾールシクロヘキシルアミン塩などのベンゾトリア
ゾール誘導体も同量で使用することができる。
リアゾールモノエタノールアミン塩、ベンゾトリアゾー
ルジエチルアミン塩、ベンゾトリアゾールシクロヘキシ
ルアミン塩、ベンゾトリアゾールモルホリン塩、ベンゾ
トリアゾールジイソプロピルアミン塩、メチルベンゾト
リアゾールシクロヘキシルアミン塩などのベンゾトリア
ゾール誘導体も同量で使用することができる。
以下、本発明にかかる実施例と比較例および従来例とを
対比して説明する。
対比して説明する。
外径2.0mmφの硬銅素線19本を同心撚りに撚り合せた
後、その外周に第1表に示すそれぞれの配合の防錆溶液
を塗布し、更にその外周にポリエチレン絶縁体を押出被
覆して60mm2屋外用ポリエチレン絶縁電線を製造した。
得られた各絶縁電線について、以下に示す耐食性試験
(注1、注2、注3)および導体引抜き試験(注4)を
行なった。その結果を第1表の配合例(配合は重量%)
の下段に合わせて示す。
後、その外周に第1表に示すそれぞれの配合の防錆溶液
を塗布し、更にその外周にポリエチレン絶縁体を押出被
覆して60mm2屋外用ポリエチレン絶縁電線を製造した。
得られた各絶縁電線について、以下に示す耐食性試験
(注1、注2、注3)および導体引抜き試験(注4)を
行なった。その結果を第1表の配合例(配合は重量%)
の下段に合わせて示す。
(注1)絶縁電線から10cm長の試料を金ノコで切断し、
絶縁体を剥いだ導体素線を濃度100ppmの硫化ナトリウム
水溶液に室温で30秒間浸漬した後取り出して、導体素線
表面の変色状態を目視し、耐食性良否の判定をした。
絶縁体を剥いだ導体素線を濃度100ppmの硫化ナトリウム
水溶液に室温で30秒間浸漬した後取り出して、導体素線
表面の変色状態を目視し、耐食性良否の判定をした。
(注2)絶縁電線から10cm長の試料を金ノコで切断し、
絶縁体を剥離して硬銅撚線を取り出し、導体素線の表面
に付着する防錆溶液を溶剤で洗い落した後、濃度100ppm
の硫化ナトリウム水溶液に室温で30秒間浸漬した後取り
出して、導体素線表面の変色状態を目視し、耐食性良否
の判定をした。
絶縁体を剥離して硬銅撚線を取り出し、導体素線の表面
に付着する防錆溶液を溶剤で洗い落した後、濃度100ppm
の硫化ナトリウム水溶液に室温で30秒間浸漬した後取り
出して、導体素線表面の変色状態を目視し、耐食性良否
の判定をした。
(注1)(注2)の判定基準は、○印を変色のないも
の、△印を僅かに変色のあるもの、×印を明瞭に変色の
あるものとして評価した。
の、△印を僅かに変色のあるもの、×印を明瞭に変色の
あるものとして評価した。
(注3)絶縁電線から30cm長の試料を金ノコで切断し、
これを濃度100ppmのアンモニヤ水溶液に1/2浸漬し、60
℃で8時間、室温で16時間のヒートサイクルを1週間続
けては新しいアンモニヤ水溶液と取り替える腐食環境
に、8週間浸漬させた後、試料を取り出して絶縁体を剥
離し、導体上に生成する酸化銅の平均皮膜厚を求め、そ
の値から耐食性の良否の判断をした。
これを濃度100ppmのアンモニヤ水溶液に1/2浸漬し、60
℃で8時間、室温で16時間のヒートサイクルを1週間続
けては新しいアンモニヤ水溶液と取り替える腐食環境
に、8週間浸漬させた後、試料を取り出して絶縁体を剥
離し、導体上に生成する酸化銅の平均皮膜厚を求め、そ
の値から耐食性の良否の判断をした。
判定基準は、○印を皮膜厚0.2μm未満のもの、△印を
皮膜厚0.2〜0.3μmの範囲にあるもの、×印を皮膜厚0.
3μmを超えるものとして評価した。
皮膜厚0.2〜0.3μmの範囲にあるもの、×印を皮膜厚0.
3μmを超えるものとして評価した。
(注4)絶縁電線から3m長の試料を金ノコで切断し、片
端1m端の絶縁体を10cm剥離し、他端を固定し、片端の絶
縁体に荷重1ton(引抜き荷重)を加えたときの、絶縁体
の引抜き具合を観察し、導体と絶縁体との密着性良否の
判断をした。
端1m端の絶縁体を10cm剥離し、他端を固定し、片端の絶
縁体に荷重1ton(引抜き荷重)を加えたときの、絶縁体
の引抜き具合を観察し、導体と絶縁体との密着性良否の
判断をした。
又、更に高い密着性を判断するために片端から30cmのと
ころで絶縁体を剥取り、前記と同様の引抜き荷重を加え
て絶縁体の滑りを観察した。
ころで絶縁体を剥取り、前記と同様の引抜き荷重を加え
て絶縁体の滑りを観察した。
判定基準は、○印を引抜きにくいもの、△印を僅かなが
ら引抜けるもの、×印を大きく引抜けるものとして評価
した。
ら引抜けるもの、×印を大きく引抜けるものとして評価
した。
結果からわかるように、実施例1〜6はいずれの試験に
おいても良好な結果を示すが、比較例1ではベンゾトリ
アゾールの添加量が少ないため、銅と十分な耐食性皮膜
が形成されない。比較例2はクレジル・ジフェニル・ホ
スフェートの配合量が多いため、導体と絶縁体との密着
性が低下し、導体引抜き試験が好ましくない。比較例3
はクレジル・ジフェニル・ホスフェートの配合量が少な
いため、銅との耐食性皮膜上への保護皮膜的な役割が不
足する。比較例4、5、6と実施例3、4、5とを対比
して考察すると、比較例のシリコーン油、流動パラフィ
ン、電気絶縁油などの使用と、実施例のリン酸系可塑剤
の使用とでは、耐食性試験(注1、注2、注3)におい
て、結果に大きな差があることがわかる。この理由は、
実施例では銅との耐食性皮膜が良好に形成されるものと
推測される。特に、シリコーン油を使用する比較例4で
は、導体と絶縁体との密着性が大きく低下する。従来例
1,2,3ではシリコーン油、流動パラフィン、ポリブテン
を多く使用して銅線上に保護皮膜を形成させるが、その
ため導体と絶縁体との密着性が低下し、導体引抜き試験
が好ましくなく、絶縁電線として使用するとき、問題が
生じるものと推測される。実施例と従来例とを耐食性試
験(注2)について対比して考察すると、実施例では銅
との耐食性皮膜が良好に形成されるので、硫化ナトリウ
ム水溶液に浸漬しても形成する耐食性皮膜によって、そ
のきびしい腐食環境に対して、すぐれた抵抗を示すが、
従来例ではベンゾトリアゾール誘導体をシリコーン油、
流動パラフィン、ポリブテンなどの中に分散包接させた
非水性の防錆油を使用するので、銅との防食性皮膜の形
成が極めて困難であるため、銅線表面に塗布し付着させ
た防錆油を溶剤で除去して、硫化ナトリウム水溶液に浸
漬すると、その腐食環境に対する抵抗性を欠くので、明
瞭に黒変するものと推測される。
おいても良好な結果を示すが、比較例1ではベンゾトリ
アゾールの添加量が少ないため、銅と十分な耐食性皮膜
が形成されない。比較例2はクレジル・ジフェニル・ホ
スフェートの配合量が多いため、導体と絶縁体との密着
性が低下し、導体引抜き試験が好ましくない。比較例3
はクレジル・ジフェニル・ホスフェートの配合量が少な
いため、銅との耐食性皮膜上への保護皮膜的な役割が不
足する。比較例4、5、6と実施例3、4、5とを対比
して考察すると、比較例のシリコーン油、流動パラフィ
ン、電気絶縁油などの使用と、実施例のリン酸系可塑剤
の使用とでは、耐食性試験(注1、注2、注3)におい
て、結果に大きな差があることがわかる。この理由は、
実施例では銅との耐食性皮膜が良好に形成されるものと
推測される。特に、シリコーン油を使用する比較例4で
は、導体と絶縁体との密着性が大きく低下する。従来例
1,2,3ではシリコーン油、流動パラフィン、ポリブテン
を多く使用して銅線上に保護皮膜を形成させるが、その
ため導体と絶縁体との密着性が低下し、導体引抜き試験
が好ましくなく、絶縁電線として使用するとき、問題が
生じるものと推測される。実施例と従来例とを耐食性試
験(注2)について対比して考察すると、実施例では銅
との耐食性皮膜が良好に形成されるので、硫化ナトリウ
ム水溶液に浸漬しても形成する耐食性皮膜によって、そ
のきびしい腐食環境に対して、すぐれた抵抗を示すが、
従来例ではベンゾトリアゾール誘導体をシリコーン油、
流動パラフィン、ポリブテンなどの中に分散包接させた
非水性の防錆油を使用するので、銅との防食性皮膜の形
成が極めて困難であるため、銅線表面に塗布し付着させ
た防錆油を溶剤で除去して、硫化ナトリウム水溶液に浸
漬すると、その腐食環境に対する抵抗性を欠くので、明
瞭に黒変するものと推測される。
尚、片端から30cmのところで絶縁体を剥離した密着性試
験では、第1表で詳しく示してないが可塑剤の量が40wt
%をこえると急激に低下することが分った。
験では、第1表で詳しく示してないが可塑剤の量が40wt
%をこえると急激に低下することが分った。
又、上記試験後絶縁体と接する12本の撚素線表面に付着
したベンゾトリアゾールと可塑剤の混和物の量(溶剤揮
散後の実着量)を測定したところ、3.0×10-4g/cm2以下
では30cm−1tonの引抜きに耐えこれをこえると耐えられ
ないことが分った。
したベンゾトリアゾールと可塑剤の混和物の量(溶剤揮
散後の実着量)を測定したところ、3.0×10-4g/cm2以下
では30cm−1tonの引抜きに耐えこれをこえると耐えられ
ないことが分った。
以上説明したように、本発明に係る製造方法によれば、
硬銅撚線の表面にベンゾトリアゾール又は/およびベ
ンゾトリアゾール誘導体0.1〜10重量%、リン酸系可塑
剤2〜70重量%、残部が溶剤から成る防錆溶液を塗布す
ると、前記溶剤の存在下、銅表面に防錆成分とのキレー
ト結合による防錆皮膜が良好に形成され、前記溶剤が揮
発すれば、含有するリン酸系可塑剤が前記防錆皮膜上に
保護皮膜として形成され、二重の防錆効果が高められ、
耐食性が向上する。しかも、リン酸系可塑剤の添加量
を2〜70重量%にして塗布することにより、該銅素線上
に残留させるリン酸系可塑剤皮膜の粘つき調整と均一化
を行い、且つ該銅素線上の防錆皮膜の補完を同時に施す
ようにするので、きびしい耐食性と導体引抜試験に適合
し、応力腐食断線を防止できる。従って、絶縁体と接す
る上撚り銅素線との密着性がよく、且つ撚線導体上のす
ぐれた耐食性皮膜と保護皮膜とをもつ絶縁電線が得ら
れ、従来、絶縁電線又は電力ケーブルの製造工程中およ
び電線保管中に撚線導体が変色する問題も十分防止する
ことができると共に、屋外用絶縁電線として架線した
後、その端末部などから腐食性雨水の侵入があっても、
応力腐食割れを起こす憂いもないので、その効果が大で
ある。
硬銅撚線の表面にベンゾトリアゾール又は/およびベ
ンゾトリアゾール誘導体0.1〜10重量%、リン酸系可塑
剤2〜70重量%、残部が溶剤から成る防錆溶液を塗布す
ると、前記溶剤の存在下、銅表面に防錆成分とのキレー
ト結合による防錆皮膜が良好に形成され、前記溶剤が揮
発すれば、含有するリン酸系可塑剤が前記防錆皮膜上に
保護皮膜として形成され、二重の防錆効果が高められ、
耐食性が向上する。しかも、リン酸系可塑剤の添加量
を2〜70重量%にして塗布することにより、該銅素線上
に残留させるリン酸系可塑剤皮膜の粘つき調整と均一化
を行い、且つ該銅素線上の防錆皮膜の補完を同時に施す
ようにするので、きびしい耐食性と導体引抜試験に適合
し、応力腐食断線を防止できる。従って、絶縁体と接す
る上撚り銅素線との密着性がよく、且つ撚線導体上のす
ぐれた耐食性皮膜と保護皮膜とをもつ絶縁電線が得ら
れ、従来、絶縁電線又は電力ケーブルの製造工程中およ
び電線保管中に撚線導体が変色する問題も十分防止する
ことができると共に、屋外用絶縁電線として架線した
後、その端末部などから腐食性雨水の侵入があっても、
応力腐食割れを起こす憂いもないので、その効果が大で
ある。
更に、本発明の絶縁電線は、絶縁電線と硬銅撚線との密
着性が格段に改善されて、引抜き強度が不足して硬銅撚
線内部への雨水などの不測の浸入がうまく阻止され、耐
食性の向上に寄与する。
着性が格段に改善されて、引抜き強度が不足して硬銅撚
線内部への雨水などの不測の浸入がうまく阻止され、耐
食性の向上に寄与する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹谷 千加士 大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号 タ ツタ電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭53−142942(JP,A) 特開 昭57−123980(JP,A) 特開 平1−195292(JP,A) 特開 平1−281608(JP,A) 特開 平1−219183(JP,A) 実開 昭61−35317(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】硬銅撚線の表面にベンゾトリアゾール0.1
〜10重量%、リン酸系可塑剤2〜70重量%、残部が溶剤
から成る防錆溶液を塗布した後、前記硬銅撚線の外周に
絶縁被覆層を形成させることを特徴とする絶縁電線の製
造方法。 - 【請求項2】絶縁体と接する撚素線の表面にベンゾトリ
アゾール又はその誘導体とリン酸系可塑剤との比が、0.
1:2〜10:40の範囲である混和物を3.0×10-4g/cm2以下の
実着量で塗布されてなることを特徴とする絶縁電線。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63-45278 | 1988-02-27 | ||
| JP4527888 | 1988-02-27 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01301766A JPH01301766A (ja) | 1989-12-05 |
| JPH0730470B2 true JPH0730470B2 (ja) | 1995-04-05 |
Family
ID=12714844
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1866989A Expired - Lifetime JPH0730470B2 (ja) | 1988-02-27 | 1989-01-27 | 絶縁電線並びにその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0730470B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS53142942A (en) * | 1977-05-20 | 1978-12-13 | Chiyoda Kagaku Kenkyusho | Metal anticorrosive |
| JPS6135317U (ja) * | 1984-08-07 | 1986-03-04 | 三菱電機株式会社 | 電線 |
| JPS6176691A (ja) * | 1984-09-20 | 1986-04-19 | Tatsuta Electric Wire & Cable Co Ltd | 架空配電線用防錆剤混和物 |
-
1989
- 1989-01-27 JP JP1866989A patent/JPH0730470B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01301766A (ja) | 1989-12-05 |
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