JPH0737235A - 磁気記録媒体用支持体及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用支持体及び磁気記録媒体

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JPH0737235A
JPH0737235A JP18118093A JP18118093A JPH0737235A JP H0737235 A JPH0737235 A JP H0737235A JP 18118093 A JP18118093 A JP 18118093A JP 18118093 A JP18118093 A JP 18118093A JP H0737235 A JPH0737235 A JP H0737235A
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JP18118093A
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Kazunobu Chiba
一信 千葉
Shigeo Kimura
重男 木村
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属薄膜型の磁気記録媒体の支持体として中
心線平均粗さRaが5〜20nm、十点平均粗さRzが
30〜450nm、最大高さRmaxが30〜450n
mである非磁性支持体1上に、中心線平均粗さRaが1
0nm以下、十点平均粗さRzが80nm以下、最大高
さRmaxが150nm以下、厚さが0.5〜4.0μ
mであるマスキング層2が設けられてなるものを用い
る。 【効果】 安価であるとともに金属磁性薄膜が良好な表
面性で形成されており、走行耐久性,電磁変換特性に優
れ、磁気ヘッドを偏摩耗させることのない磁気記録媒体
を得ることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空蒸着法,スパッタ
リング法等の真空薄膜形成技術によって磁性層が形成さ
れる,いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に適用される
磁気記録媒体用支持体及び磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等の
粉末磁性材料を塩化ビニルー酢酸ビニル系共重合体,ポ
リエステル樹脂,ウレタン樹脂,ポリウレタン樹脂等の
有機結合剤中に分散せしめた磁性塗料を塗布,乾燥する
ことにより作製される,いわゆる塗布型の磁気記録媒体
が広く使用されている。
【0003】これに対して、高密度記録への要求の高ま
りとともに、Co−Ni合金,Co−Cr合金,Co−
O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段(真
空蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法
等)によって非磁性支持体上に直接被着した、いわゆる
金属薄膜型の磁気記録媒体が提案されて注目を集めてい
る。この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は抗磁力や角形
比等に優れ、短波長での電磁変換特性に優れるばかりで
なく、磁性層の厚みをきわめて薄くできる為、記録減磁
や再生時の厚み損失が著しく小さいこと、磁性層中に非
磁性材であるその結合剤を混入する必要が無いため磁性
材料の充填密度を高めることが出来ることなど、数々の
利点を有している。
【0004】ところで、このような磁気記録媒体におい
ては、磁性層の表面性が電磁変換特性,走行性,ドロッ
プアウトの発生頻度等を大きく左右する。例えば、磁性
層表面があまり粗いと、記録再生に際してガイドロール
等の摺動部材や磁気ヘッドに対する摺動性が不良になっ
て電磁変換特性,走行性が劣化するとともにドロップア
ウトの発生頻度が高くなり耐久性,記録再生特性が不十
分となる。また、磁気ヘッドが特にギャップ近傍に金属
磁性薄膜が配されたメタルインギャップ型ヘッドの場合
には、該ヘッドを偏摩耗させ、出力減衰を誘起する。
【0005】このため、磁気記録媒体においては、磁性
層の表面性を制御するべく各種手法が講じられ、非磁性
支持体の成膜条件を調整して非磁性支持体の平滑性を向
上させるとともに、非磁性支持体にフィラーを内添し、
そのフィラーの大きさ,密度を制御することで適度な表
面粗度を与えることが行われるようになっている。
【0006】すなわち、非磁性支持体上に例えば膜厚
0.2μm程度の金属磁性薄膜を成膜する場合、該金属
磁性薄膜の表面には非磁性支持体の表面形状が顕著に反
映される。したがって、非磁性支持体の表面粗度が最適
化されていれば、その上に形成される金属磁性薄膜も良
好な表面性を有することになり、走行耐久性,記録再生
特性に優れた磁気記録媒体が得られることになる。
【0007】例えば、真空蒸着法によって金属磁性薄膜
が成膜された蒸着タイプの磁気テープでは、このような
制御手法によって中心線平均粗さ5nm,十点平均粗さ
39nm,最大高さRmaxが55nm程度となるよう
に調整された,塗布型の磁気記録媒体において用いられ
ているよりもさらに表面粗度の低い非磁性支持体が主に
用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように表面粗度の低い非磁性支持体は、その製造工程に
おいて、摺接するロールに対する接触面積が広いことか
ら摩擦係数が大きく、走行性不良となってしまう割合が
大きい。このため、歩留りが低く、製造コストが高くな
るといった問題がある。
【0009】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、金属磁性薄膜が形成され
る面が良好な表面性であるとともに製造コストが低く、
走行耐久性,電磁変換特性に優れるとともに安価な磁気
記録媒体を実現することが可能な磁気記録媒体用支持体
及び磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、非磁性支持
体の金属磁性薄膜が形成される面に、表面粗度を制御す
るためのマスキング層を形成するようにすれば、非磁性
支持体として表面粗度がそれ程厳密に制御されたものを
用いなくとも表面性の良好な金属磁性薄膜が形成できる
ことを見い出すに至った。
【0011】本発明はこのような知見に基づいて完成さ
れたものである。すなわち、本発明の磁気記録媒体用支
持体は、中心線平均粗さRaが5〜20nm、十点平均
粗さRzが30〜450nm、最大高さRmaxが30
〜450である非磁性支持体上に、中心線平均粗さRa
が10nm以下、十点平均粗さRzが80nm以下、最
大高さRmaxが150nm以下、厚さが0.5〜4.
0μmであるマスキング層が設けられてなることを特徴
とするものである。
【0012】また、マスキング層が、粒径10〜500
nmの非磁性顔料を結合剤に分散させてなる層であるこ
とを特徴とするものである。さらに、本発明の磁気記録
媒体は、中心線平均粗さRaが5〜20nm、十点平均
粗さRzが30〜450nm、最大高さRmaxが30
〜450nmである非磁性支持体上に、中心線平均粗さ
Raが10nm以下、十点平均粗さRzが80nm以
下、最大高さRmaxが150nm以下、厚さが0.5
〜4.0μmであるマスキング層が設けられてなる磁気
記録媒体用支持体上に、金属磁性薄膜が形成されてなる
ことを特徴とするものである。
【0013】さらに、マスキング層が、粒径10〜50
0nmの非磁性顔料を結合剤に分散させてなる層である
ことを特徴とするものである。
【0014】なお、上記中心線平均粗さRa、十点平均
粗さRz、最大高さRmaxは、いずれも三次元中心線
平均粗さSRa、三次元十点平均粗さSRz、三次元最
大高さSRmaxとして測定される値である。
【0015】本発明の磁気記録媒体用支持体は、金属磁
性材料を真空薄膜形成技術によって支持体上に直接被着
することで磁性層が形成される,いわゆる金属薄膜型の
磁気記録媒体に適用されるものである。この磁気記録媒
体用支持体は、非磁性支持体上に表面粗度を制御するた
めのマスキング層が形成されて構成されている。
【0016】表面粗度を制御するために形成される上記
マスキング層は、非磁性微粒子,結合剤が有機溶剤に分
散,混練されてなるマスキング層用塗料を非磁性支持体
上に塗布することにより形成されるものである。
【0017】上記非磁性微粒子としては、コロイダルシ
リカや金属超微粒子等の球状粒子が好ましく、この他、
カーボン(例えば、カーボンブラック)、ヘマタイト、
雲母、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、炭化タングステ
ン、窒化ホウ素、デンプン、酸化亜鉛、カオリン、タル
ク、粘土、硫酸鉛、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、ベーム石(γーAl2 3 ・H
2 O),アルミナ、硫化タングステン、酸化チタン、ポ
リテトラフルオロエチレン粉末、ポリエチレン粉末、ポ
リ塩化ビニル粉末等が挙げられる。これらは単独で用い
ても複数のものを組み合わせて用いるようにしても差し
支えない。なお、これら非磁性微粒子には、平均粒子径
が10〜500nm,より好ましくは60〜400nm
と、非磁性支持体そのものに内添して表面粗度を制御す
る場合よりも幾分大きな粒径のものを用いることが望ま
しい。但し、粒径が500nmを越える非磁性微粒子を
用いた場合には磁気記録媒体の電磁変換特性を劣化させ
る虞れがある。また、粒径が10nm未満の非磁性粒子
は、工業的に安定に作製するのが難しいことから、適さ
ない。
【0018】上記非磁性粒子を分散させる結合剤として
は、アクリル酸エステル系ラテックス,合成ゴム系ラテ
ックスが望ましく、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体,
塩化ビニルー酢酸ビニルービニルアルコール共重合体,
塩化ビニルー酢酸ビニルーマレイン酸共重合体,塩化ビ
ニルー塩化ビニリデン共重合体,塩化ビニルーアクリロ
ニトリル共重合体,アクリル酸エステルーアクリロニト
リル共重合体,アクリル酸エステルー塩化ビニリデン共
重合体,メタクリル酸エステルースチレン共重合体,熱
可塑性ポリウレタン樹脂,フェノキシ樹脂,ポリ弗化ビ
ニル,塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合体,ブ
タジエンーアクリロニトリル共重合体,ブタジエンーア
クリロニトリルーメタクリル酸共重合体,ポリビニルブ
チラール,セルロース誘導体,スチレンーブタジエン共
重合体,ポリエステル樹脂,フェノール樹脂,エポキシ
樹脂,熱硬化性ポリウレタン樹脂,尿素樹脂,メラミン
樹脂,アルキド樹脂,尿素ーホルムアルデヒド樹脂また
はこれらの混合物等が挙げられる。なかでもポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリルーブタジ
エン共重合体は柔軟性を付与できることから好ましい。
また、結合剤としては、これら樹脂にイソシアネート化
合物で架橋を持たせて耐久性を向上させたり、適当な極
性基を導入したものであってもよい。
【0019】上記非磁性微粒子,結合剤の有機溶媒とし
ては、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチ
ルケトン,シクロヘキサン等のケトン系溶剤、酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸ブチル,乳酸エチル,酢酸グリコ
ールモノエチルエステル等のエステル系溶剤、グリコー
ルジメチルエーテル,グリコールモノエチルエーテル,
ジオキサン等のグリコールエーテル系溶剤、ベンゼン,
トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチレ
ンクロライド,エチレンクロライド,四塩化炭素,クロ
ロホルム,エチレンクロルヒドリン,ジクロロベンゼン
等の有機塩素化合物系溶剤が挙げられる。
【0020】一方、これら非磁性微粒子,結合剤が有機
溶剤に分散,混練されてなる塗料が塗布される非磁性支
持体としては、中心線平均粗さRaが5〜20nm、十
点平均粗さRzが30〜450nm、最大高さRmax
が30〜450nmと、従来より金属磁性薄膜型の磁気
テープにおいて用いられているものよりも表面粗度が高
く、グレードの低いものが使用される。このような非磁
性支持体の金属磁性薄膜が形成される面に上記マスキン
グ用塗料を塗布すると、マスキング層に内添された非磁
性微粒子によって適度な粗度が付与されながら非磁性支
持体表面のフィッシュアイと称される突起状物や凹凸が
マスキングされる。そして、中心線平均粗さRaが10
nm以下、十点平均粗さRzが80nm以下、最大高さ
Rmaxが150nm以下のマスキング層が形成され、
1グレード上の非磁性支持体に匹敵する支持体が得られ
ることになる。
【0021】中心線平均粗さRa、十点平均粗さRz、
最大高さRmaxが上記範囲を下回るような表面粗度が
低くグレードの高い非磁性支持体を用いた場合には、磁
気記録媒体を高価なものにするが、このように比較的表
面粗度の低い非磁性支持体にマスキング層が形成されて
なる支持体では、非磁性支持体が製造工程において走行
不良となり難く歩留りが良いこと、マスキング層の形成
もほとんどコスト上昇に繋がらないことから製造コスト
が低い。したがって、このような支持体を用いることに
より、安価で且つ磁性層表面が良好な磁気記録媒体を実
現することになる。なお、表面粗度が上記範囲を下回る
非磁性支持体は、高価であると同時に表面が平滑過ぎる
ため上記マスキング層が定着し難く、マスキング層によ
って表面粗度を制御するには適さない。一方、表面粗度
が上記範囲を上回る非磁性支持体は、安価ではあるが、
表面粗度が粗過ぎ、マスキング層を形成してもその粗度
を実用範囲内に収めることができず、磁気記録媒体の電
磁変換特性を劣化させるためやはり不適当である。な
お、非磁性支持体として、より好ましくは中心線平均粗
さRaが5〜10nm、十点平均粗さRzが30〜25
0nm、最大高さRmaxが30〜250nmを用いる
ことが望ましい。
【0022】このような非磁性支持体に上述のマスキン
グ層用塗料を塗布するには、一般的な連続巻取り式のグ
ラビアコータを用いれば良い。この連続巻き取り式グラ
ビアコータで非磁性支持体上にマスキング用塗料を塗布
し、乾燥することで上記マスキング層は形成される。こ
のとき、マスキング層の表面性を向上させるには、マス
キング層に用いる結合剤の分子量やガラス転移点を高め
に設定することが好ましい。また、乾燥工程後に、カレ
ンダー処理を施することで平坦化するようにしても良
い。
【0023】なお、このような非磁性支持体上にマスキ
ング層を形成するに際して、その膜厚は0.5〜4.0
μm,さらに望ましくは0.5〜3.0μmとすること
が好ましい。マスキング層の膜厚が0.5μm未満であ
るとマスキング層による表面粗度制御効果が十分に得ら
れない。マスキング層の膜厚が4μmを越えると、媒体
の全厚が厚くなり過ぎ、薄物化を図る場合に不利となる
と同時に塗布時に厚みムラが生じて表面にうねり等の形
状劣化が生じ電磁変換特性が不十分となる。
【0024】本発明の磁気記録媒体は、以上のような支
持体上に、磁性層となる金属磁性薄膜が成膜されて構成
される。
【0025】金属磁性薄膜に用いられる金属磁性材料に
は、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体において、通常、用
いられるものがいずれも使用可能である。例示するなら
ば、Fe,Co,Niなどの強磁性金属、Fe−Co,
Co−Ni,Fe−Co−Ni,Fe−Cu,Co−C
u,Co−Au,Co−Pt,Mn−Bi,Mn−A
l,Fe−Cr,Co−Cr,Ni−Cr,Fe−Co
−Cr,Co−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−Cr等
の強磁性合金が挙げられる。
【0026】これら金属磁性材料は、真空下で強磁性金
属磁性材料を加熱蒸発させ支持体上に沈着させる真空蒸
着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプ
レーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグ
ロー放電を越こし生じたアルゴンイオンでターゲット表
面の原子をたたき出すスパッタ法等のいわゆるPVD技
術によって薄膜とされる。磁性層としてはこれら手法に
よって成膜される金属磁性薄膜の単層膜あるいは多層膜
のいずれでも良い。なお、非磁性支持体と金属磁性薄膜
の間,さらには金属磁性薄膜が多層膜である場合には金
属磁性薄膜同士の間に、各層間の付着力向上,抗磁力の
制御等を図るために下地層,中間層を設けるようにして
も良い。また、これら金属磁性薄膜の表面近傍は、耐蝕
性改善等を目的として酸化物層となっていてもよい。
【0027】マスキング層が設けられた支持体上に以上
のような手法によって金属磁性材料を被着すると、金属
磁性薄膜が上記支持体の表面形状を反映して良好な表面
性をもって形成され、安価であるとともに走行耐久性,
電磁変換特性に優れ且つ磁気ヘッドを偏摩耗させること
のない磁気記録媒体が獲得できる。
【0028】なお、本発明の磁気記録媒体には、磁性層
上に保護膜が形成されていたり、支持体の磁性層が形成
されている側とは反対側の面にバックコート層が形成さ
れていても良い。
【0029】保護膜としては、以下に例示する材料を真
空蒸着法,イオンプレーティング法,スパッタ法等のP
VD技術や、プラズマCVD法,ECRプラズマCVD
法,アークジェットプラズマCVD法等のCVD法で成
膜した薄膜等、通常、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体に
おいて形成されている保護膜が形成される。上記保護膜
の材料には、カーボン,CrO2 ,Al2 3 ,BN,
Co酸化物、MgO,SiO2 ,Si3 4 ,Si
x ,SiC,SiNx −SiO2 ,ZrO2 ,TiO
2 ,TiC等の酸化物やセラミックス、Cu,Cr,T
i,Zn,Pt,Au,Zr,Al,Sn,Ta,Cr
−Ti,Cr−Zr,Cr−Nb,Cr−Ta,Cr−
Al,Cr−Zr,Cu−Ni,Ni−Mo−Cr−F
e等の金属または合金が挙げられる。保護膜は、これら
の単層膜,複合膜あるいは複数の材料を組み合わせた複
合膜としても良い。
【0030】バックコート層としては、やはり、通常の
磁気記録媒体において形成されているようなカーボンブ
ラック等の帯電防止効果や摩擦低減効果を有する非磁性
粉末が結合剤中に分散されてなる非磁性層で良い。
【0031】さらに、上記磁気記録媒体には、マスキン
グ層上に微小突起を形成する下塗層を形成したり、トッ
プ面に潤滑剤、防錆剤等よりなる層を形成するようにし
ても良い。これら層に用いられる材料には、従来公知の
ものがいずれも使用可能である。
【0032】
【作用】中心線平均粗さRaが5〜20nm、十点平均
粗さRzが30〜450nm、最大高さRmaxが30
〜450nmと表面粗度が比較的高い非磁性支持体上
に、中心線平均粗さRaが10nm以下、十点平均粗さ
Rzが80nm以下、最大高さRmaxが150nm以
下、厚さが0.5〜4.0μmであるマスキング層が設
けられてなる磁気記録媒体用支持体では、非磁性支持体
そのものが製造工程において走行不良となり難く歩留り
が良いこと、マスキング層の形成もそれ程コスト上昇に
繋がらないことから製造コストが低い。また、上記支持
体は表面がマスキング層によって低粗度となされている
ので、このマスキング層上に金属磁性材料を被着すると
金属磁性薄膜が上記支持体の表面形状を反映して良好な
表面性をもって形成される。したがって、このような支
持体を金属磁性薄膜型の磁気記録媒体に用いることによ
り、安価であるとともに走行耐久性,電磁変換特性に優
れ、磁気ヘッドを偏摩耗させることのない磁気記録媒体
が得られることになる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこ
とは言うまでもない。
【0034】実施例1 本実施例では、図1に示すように非磁性支持体となるP
ETフィルム1上にマスキング層2,金属磁性薄膜3,
保護膜4が形成され、これら層が形成された側とは反対
側の面にバックコート層5が形成されてなる磁気記録媒
体を以下のようにして作製した。
【0035】まず、 厚さ10μm,幅150mmであ
り、SRaが6nm,SRzが56nm,SRmaxが
66nmなるポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム1上に以下の組成を有するマスキング層用塗料を
連続巻き取り式グラビアーコータで塗布した。
【0036】 マスキング層用塗料の組成 非磁性微粒子: 平均粒径が65nmのコロイダルシリカ 90重量部 平均粒径が250nmのコロイダルシリカ 10重量部 結合剤: アクリル酸エステル 100重量部 有機溶剤: エタノール 塗布厚に合わせて調整
【0037】乾燥後、カレンダー処理を施すことで平坦
化し、膜厚0.8μmのマスキング層2を形成し、支持
体を作製した。このとき形成されたマスキング層2の表
面粗度は、SRaが3nm,SRzが34nm,SRm
axが46nmである。
【0038】このようにして形成されたマスキング層2
上にCo95−Ni5 合金(添字は重量%を表す。)を蒸
着源に用いて真空蒸着法により膜厚0.2μmの金属磁
性薄膜3を成膜した。金属磁性薄膜3を成膜するのに用
いた蒸着装置の構成を図2に示す。
【0039】上記蒸着装置は、頭部と底部にそれぞれ設
けられた排気口25,25から排気されて内部が真空状
態となされた真空室11内に、送りロール13,巻き取
りロール14とが配設されており、これら送りロール1
3から巻き取りロール14に向かってテープ状の支持体
12が順次走行されるようになされている。
【0040】これら送りロール13から巻き取りロール
14側に上記支持体12が走行する中途部には、上記各
ロール13,14よりも大径となされた冷却キャン15
が配設されている。この冷却キャン15は、上記支持体
12を図中下方に引き出すように設けられている。この
冷却キャン15には、内部に冷却装置(図示せず。)が
設けられており、上記支持体12の温度上昇による変形
等を抑制し得るようになされている。
【0041】なお、上記送りロール13,巻き取りロー
ル14及び冷却キャン15は、それぞれ上記支持体12
の幅と略同じ長さからなる円筒状をなすものである。
【0042】従って、上記支持体12は、上記送りロー
ル13から順次送り出され、上記冷却キャン15の周面
に沿って移動走行され、更に上記巻き取りロール14に
順次巻き取られているようになされている。また、上記
送りロール13と上記冷却キャン15との間、及び該冷
却キャン15と上記巻き取りロール14との間には、各
ロール13,14より小径のガイドロール16,17が
それぞれ配設され、上記送りロール13から上記冷却キ
ャン15、該冷却キャン15から上記巻き取りロール1
4に亘って走行する上記支持体12に所定のテンション
をかけ、該支持体12が円滑に走行するようになされて
いる。
【0043】また、上記真空室11内には、上記冷却キ
ャン15の下方にルツボ18が配設され、このルツボ1
8内に強磁性金属材料19が充填されている。上記ルツ
ボ18は、上記冷却キャン15の幅と略同一の幅を有し
てなる。
【0044】一方、上記真空室11の側壁部には、上記
ルツボ18内に充填された強磁性金属材料を加熱蒸発さ
せるための電子銃20が取付けられている。この電子銃
20は、該電子銃20より放出される電子ビームXが上
記ルツボ18内の強磁性金属材料19に照射されるよう
な位置に配設される。そして、この電子銃20によって
加熱蒸発せしめられた上記強磁性金属材料19が上記冷
却キャン15の周面を定速走行する支持体12上に蒸着
され、磁性層である金属磁性薄膜が形成されるようにな
っている。
【0045】また、上記冷却キャン15と上記ルツボ1
8との間であって該冷却キャン15の近傍には、シャッ
タ23が配設される。このシャッタ23は、上記冷却キ
ャン15の周面に沿って定速走行する支持体12の所定
領域を覆うかたちで形成され、該支持体12の表面に対
する強磁性金属材料19の入射方向を制御するようにな
されている。すなわち、蒸発せしめられた上記強磁性金
属材料19は、上記シャッタ23の送りロール13側の
端部によって上記支持体12の表面に対する最低入射角
θ1 が規制され、所定の角度範囲θ2 〜θ1 で斜めに蒸
着される。
【0046】さらに、このような蒸着に際し、上記真空
室11の側壁部を貫通して設けられる酸素ガス導入口
(図示せず。)を介して上記支持体12の表面付近に酸
素ガスが供給されており、得られる金属磁性薄膜の磁気
特性、耐久性及び耐候性の向上が図られている。
【0047】この真空蒸着は、上記真空室1内の真空度
を1×10-4Torr程度に保持するとともに、この真
空室1内に上記酸素ガス導入口より酸素ガスを例えば
2.5×10-63 /秒程度の割合で導入しながら行
う。この場合、上記支持体2に対する上記強磁性金属材
料9の入射角は、45〜90°の範囲とする。
【0048】なお、上記金属磁性薄膜の成膜条件は以下
の通りである。 金属磁性薄膜の成膜条件 蒸着源 :Co95−Ni5 合金 入射角 :45〜90° テープ速度 :0.17m/秒 膜厚 :0.2μm 酸素導入量 :3.3×10-63 /秒 蒸着時真空度 :7×10-2Pa
【0049】金属磁性薄膜成膜後、該金属磁性薄膜上に
カーボンをターゲットに用いてDCマグネトロンスパッ
タ法により膜厚10nmの保護膜を成膜した。保護膜の
成膜条件は以下の通りである。 保護膜の成膜条件 ターゲット :カーボン スパッタガス :アルゴン バックグランド真空度 :4×10-3Pa 成膜時真空度 :2Pa テープ速度 :0.15m/秒 膜厚 :10nm
【0050】次いで、以下の組成に準じて、各バックコ
ート組成物をボールミルに投入して24時間分散,混合
した後、架橋剤を添加してバックコート塗料を調整し
た。 バックコート塗料の組成 カーボンブラック: 100重量部 ポリウレタン樹脂: 100重量部 そして、調整されたバックコート塗料をPETフィルム
の金属磁性薄膜が形成された側とは反対側の表面に塗布
して膜厚0.6μmのバックコート層を形成した。
【0051】さらに、保護膜上にパーフルオロポリエー
テルを塗布してトップコート層を形成した後、8mm幅
にスリットして磁気テープを作製した。
【0052】実施例2〜実施例8 非磁性支持体として表1に示す表面粗度を有するPET
フィルムを用いるとともにマスキング層の膜厚を表1に
示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして磁気
テープを作製した。なお、形成されたマスキング層の表
面粗度は表1に示す通りである。
【0053】実施例9〜実施例11 非磁性支持体として中心線平均粗さRaが6nm,十点
平均粗さRzが56nm,最大高さRmaxが66nm
であるPETフィルムを用いるとともに、マスキング層
の非磁性微粒子として表2に示す種類,粒子径の微粒子
を用い、マスキング層の膜厚を表2に示すように変えた
こと以外は実施例1と同様にして磁気テープを作製し
た。なお、形成されたマスキング層の表面粗度は表2に
示す通りである。
【0054】比較例1 非磁性支持体として中心線平均粗さRaが5nm,十点
平均粗さRzが39nm,最大高さRmaxが55nm
であるPETフィルムを用いるとともに該PETフィル
ム上にマスキング層を形成しないこと以外は実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。なお、ここで用いる
PETフィルムは従来より蒸着タイプの磁気テープに用
いられているPETフィルムである。
【0055】比較例2,比較例3 非磁性支持体として表1に示す表面粗度を有するPET
フィルムを用いるとともにマスキング層の膜厚を表1に
示すように所定範囲外に設定したこと以外は実施例1と
同様にして磁気テープを作製した。なお、形成されたマ
スキング層の表面粗度は表1に示す通りである。
【0056】比較例4,比較例5 非磁性支持体として表1に示すように表面粗度が所定範
囲外のPETフィルムを用いるとともにマスキング層の
膜厚を表1に示すように変えたこと以外は実施例1と同
様にして磁気テープを作製した。なお、形成されたマス
キング層の表面粗度は表1に示す通りである。
【0057】比較例6 非磁性支持体として中心線平均粗さRaが6nm,十点
平均粗さRzが56nm,最大高さRmaxが66nm
であるPETフィルムを用いるとともに、マスキング層
の非磁性微粒子として表2に示す種類であって粒子径が
所定範囲外の微粒子を用い、マスキング層の膜厚を表2
に示すように変えたこと以外は実施例1と同様にして磁
気テープを作製した。なお、形成されたマスキング層の
表面粗度は表2に示す通りである。
【0058】比較例7 非磁性支持体として中心線平均粗さRaが6nm,十点
平均粗さRzが56nm,最大高さRmaxが66nm
であるPETフィルムを用いるとともに、マスキング層
の非磁性微粒子として表2に示す種類であって粒子径が
所定範囲外の微粒子を用いるとともにマスキング層の膜
厚も表2に示すように所定範囲外に設定したこと以外は
実施例1と同様にして磁気テープを作製した。なお、形
成されたマスキング層の表面粗度は表2に示す通りであ
る。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】以上のようにして作製された各磁気テープ
について、表面粗さ,シャトル耐久性,電磁変換特性の
測定を行った。
【0062】なお、表面粗さは、小坂研究所社製,商品
名SE−30Hの表面粗度測定装置を用い、倍率500
00倍,測定長1mm,カットオフ値0.08mmの条
件で測定した。シャトル耐久性は、記録再生装置(ソニ
ー社製,商品名EV−S900改造機)を用いて、2時
間長の磁気テープを100回シャトル走行させて100
回走行後の出力レベルを測定し、初期の出力レベルを0
dBとして相対値換算することで評価した。
【0063】電磁変換特性は、上記記録再生装置を用い
て、磁気テープに記録された波長0.54μm信号の出
力レベルを測定し、比較例1の出力値を0dBとして相
対値換算することで評価した。これら結果を表3に示
す。
【0064】
【表3】
【0065】まず、実施例1〜実施例11,比較例2〜
比較例7について非磁性支持体の表面粗度とマスキング
層の表面粗度を比較すると、いずれの場合にもマスキン
グ層の表面粗度の方が非磁性支持体の表面粗度よりも低
くなっている。このことから、非磁性支持体上にマスキ
ング層を形成することは、該非磁性支持体の凹凸をマス
キングし表面粗度の小さい支持体を得る上で有効である
ことがわかる。
【0066】しかし、比較例2,比較例3,比較例7の
ようにマスキング層の厚さが薄過ぎたり、逆に厚過ぎた
りする場合、あるいは比較例3,比較例4のように非磁
性支持体の表面粗度が高過ぎる場合、さらには比較例
6,比較例7のようにマスキング層に内添する非磁性微
粒子の粒径が550nmと大き過ぎる場合には、マスキ
ング層の表面粗度が十分に小さくなっていない。このた
め、これら比較例1〜比較例7の磁気テープでは、シャ
トル走行後の出力値,電磁変換特性が、非磁性支持体の
表面粗度,マスキング層に内添する非磁性微粒子の粒
径,マスキング層の厚さが適正であり、マスキング層が
小さい表面粗度をもって形成されている実施例1〜実施
例11の磁気テープに比べて低くなっており、さらに許
容下限値ー3dBをも下回っている。
【0067】以上のことから、マスキング層を形成する
ことによって、十分な電磁変換特性,耐久性を有する磁
気テープを得るには、非磁性支持体の表面粗度.マスキ
ング層に内添する非磁性微粒子の粒径,マスキング層の
厚さが適正であり、マスキング層が十分に小さい表面粗
度で形成されていること、すなわち非磁性支持体の中心
線平均粗さRaが5〜20nm,十点平均粗さRzが3
0〜450nm,最大高さRmaxが30〜450n
m、マスキング層に内添する非磁性微粒子の粒径が10
〜500nm、マスキング層の厚さが0.5〜4.0n
m、マスキング層の中心線平均粗さRaが10nm以
下、十点平均粗さRzが80nm以下、最大高さRma
xが150nm以下であることが必要なことがわかっ
た。
【0068】なお、比較例1の磁気テープは、シャトル
耐久性,電磁変換特性に優れているが、実施例1〜実施
例11の磁気テープに比べて粗度が低く,グレードの高
いPETフィルムを用いていることから製造コストがか
かる。
【0069】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明では、金属薄膜型の磁気記録媒体の支持体として中心
線平均粗さRaが5〜20nm、十点平均粗さRzが3
0〜450nm、最大高さRmaxが30〜450nm
である非磁性支持体上に、中心線平均粗さRaが10n
m以下、十点平均粗さRzが80nm以下、最大高さR
maxが150nm以下、厚さが0.5〜4.0μmで
あるマスキング層が設けられてなるものを用いるので、
安価であるとともに金属磁性薄膜が良好な表面性で形成
されており、走行耐久性,電磁変換特性に優れ、磁気ヘ
ッドを偏摩耗させることのない磁気記録媒体を得ること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す要部概略断面図である。
【図2】支持体上に金属磁性薄膜を成膜するための蒸着
装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・磁気記録媒体用支持体 2・・・マスキング層 3・・・金属磁性薄膜 4・・・保護膜 5・・・バックコート層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心線平均粗さRaが5〜20nm、十
    点平均粗さRzが30〜450nm、最大高さRmax
    が30〜450nmである非磁性支持体上に、中心線平
    均粗さRaが10nm以下、十点平均粗さRzが80n
    m以下、最大高さRmaxが150nm以下、厚さが
    0.5〜4.0μmであるマスキング層が設けられてな
    ることを特徴とする磁気記録媒体用支持体。
  2. 【請求項2】 マスキング層が、粒径10〜500nm
    の非磁性顔料を結合剤に分散させてなる層であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体用支持体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気記録媒体用支持体上
    に、金属磁性薄膜が形成されてなることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の磁気記録媒体用支持体上
    に、金属磁性薄膜が形成されてなることを特徴とする磁
    気記録媒体。
JP18118093A 1993-07-22 1993-07-22 磁気記録媒体用支持体及び磁気記録媒体 Withdrawn JPH0737235A (ja)

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