JPH0749528B2 - 高分子複合体の製造法 - Google Patents

高分子複合体の製造法

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JPH0749528B2
JPH0749528B2 JP63305164A JP30516488A JPH0749528B2 JP H0749528 B2 JPH0749528 B2 JP H0749528B2 JP 63305164 A JP63305164 A JP 63305164A JP 30516488 A JP30516488 A JP 30516488A JP H0749528 B2 JPH0749528 B2 JP H0749528B2
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利雄 西原
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Description

【発明の詳細な説明】 繊維強化プラスチックは、飛躍的に向上した物性の故に
耐荷重構造用材料として重要視され各種各様の材料が開
発され、実用化されてきた。かかる複合材料の製造に
は、別途製造された強化用繊維を一方向に並べる工程
や、更にマトリックスを含浸させる工程を要し、しかも
その際オートクレーブ中で行う工程が入る等の複雑な段
階的操作を必要とする。
一方複合材料の強度と耐久度は、強化用繊維とマトリッ
クス高分子との界面の状態に大きく左右される。両者の
界面は繊維自体がマクロなため、そこに存在する欠陥は
マクロに伝播し、複合材料の破壊につながる。
かかる欠点を解決するために、マクロな形状でしか分散
しえない繊維状強化材に代えて、高モジュラスの補強用
高分子とマトリックス高分子とを共通溶媒中に溶解し
て、両者をミクロな分子的オーダで混合しこれを凝固・
成形することにより、補強用高分子が極めてミクロな状
態で分散,混合し、しかも補強用高分子が配向してなる
高分子複合体を製造することが検討されてきた。
本発明者らは、現在有機高分子繊維として、優れた引張
りモジュラスを与えるポリ−p−フェニレンベンゾビス
チアゾール等のポリアゾール系高分子を補強用高分子と
して用い、各種マトリックスポリマーとの各組合せ系で
の高モジュラス化について検討を進めてきた。
本発明者らは、先に該高分子溶液の等方性相から異方性
相への相転移過液状態を利用して高モジュラスの繊維,
フイルムを得る手段を提案した(特願昭61−47191
号)。しかしながら、高分子複合体のフイルムを積層し
た成形物を得るためには、該フイルムの厚さを厚くした
方が形成上有利であるが、上記の湿式成形では厚さを厚
くすると凝固性が悪化し、良好なフイルムが得られなか
った。
本発明者らは、かかる問題点を解決すべくポリ−p−フ
ェニレンベンゾビスチアゾール等のポリアゾール系高分
子を補強用高分子として用い、マトリックス高分子とし
て屈曲性高分子を用いた系での高モジュラス化及び厚膜
化について鋭意検討した結果、本発明に到達したもので
ある。
即ち本発明は、実質的に棒状骨格を有するポリアゾール
からなる補強高分子(A)と融着性を有するマトリック
ス高分子(B)とを主として含有し、かつ光学的擬等方
性を示す温度領域と光学的異方性を示す温度領域とを有
する高分子溶液を、ダイ又はオリフィスから気体中に押
し出し、次いで凝固浴中に導入し、しかして連続的に引
取ることからなる高分子複合体の製造法において、当該
ダイ又はオリフィスの温度は当該高分子溶液が光学的擬
等方性を示す温度領域内にあるように保持され、当該凝
固浴の温度は当該高分子溶液が光学的擬等方性を示す温
度領域内にあるように保持されていることを特徴とする
高分子複合体の製造法である。
本発明において用いる補強高分子(A)としては、下記
[但し、式中Xは−S−,−O−又は を表わし、結合手(イ),(ロ)は、更にアゾール環又
は炭化水素環を形成する結合手であるか、或いはその一
方に水素原子が結合し、他方が結合手であるものであ
る。] で表わされるアゾール骨格を有する実質的に棒状骨格の
ポリアゾールが挙げられ、具体的には、米国特許第4,20
7,407号明細書に記載されたポリマーがあり、就中ポリ
ーp−フェニレンベンゾビスチアゾール,ポリ−p−フ
ェニレンベンゾオキサゾール,ポリ−p−フェニレンベ
ンゾビスイミダゾール等のポリアゾール類が挙げられ
る。
補強高分子(A)の分子量は通常分子量の目安となる固
有粘度が2以上であり、好ましくは2.5以上、特に好ま
しくは3以上である。
本発明において用いられるマトリックス高分子(B)
は、補強高分子(A)と同一溶媒に溶解するものであ
り、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン12,ナ
イロン11等の脂肪族ポリアミド;ポリヘキサメチレンイ
ソフタルアミド等の半芳香族ポリアミド;ポリメタフェ
ニレンイソフタルアミド等の芳香族ポリアミド;エーテ
ル基等の屈曲性基を導入した屈曲性芳香族ポリアミド;
ポリエステル;ポリカーボネート;ポリ酢酸ビニル;ポ
リサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリエーテル
イミド,ポリエーテルケトン;ポリフェニレンサルファ
イド等があげられる。
共通溶媒としては、構成ポリマーを溶解するものであれ
ばよく、例えば濃硫酸,メタンスルホン酸,クロルスル
ホン酸,ポリリン酸,トリフロロ酢酸,リン酸等の酸性
溶媒が挙げられる。これらは適宜混合して用いても良
い。また溶解した高分子の加水分解を押えるため、溶媒
中の水の量をできるだけ少くするための添加剤を混入し
てもよい。例えば発煙硫酸,クロルスルホン酸等の添加
があげられる。
高分子複合体形成用の原液は、上記共通溶媒に補強高分
子とマトリックス高分子とを溶解した高分子溶液であ
り、該高分子溶液は光学的擬等方性を示す温度領域と、
光学的異方性を示す温度領域が必要である。
光学的擬等方性を示す温度領域と光学的異方性を示す温
度領域は、ポリマーの種類,重合度,成分比及び濃度に
よって変化するものであるが、以下の測定方法により決
定することができる。
即ち、所定の高分子溶液を調製し、それをスライドガラ
ス上に薄くのばして配置し、高分子溶液の厚さが0.1mm
になるようにしてプレパラートでおさえる。かくして調
製されたサンプルを直交ニコルを有する偏光顕微鏡の観
察下におく。先ずサンプルの温度を0℃に下げて、スラ
イドガラス上の高分子複合体溶液を光学的異方性を示す
状態とする。
融点測定装置(YANAGIMOTO(株))を用い、偏光顕微鏡
で観察しながらサンプルの温度を徐々に(5℃/min)上
昇させると、特定の温度において視野が暗くなり光学的
等方性の状態に変化したことが観察される。この時の温
度を転移温度と名づける。等方性になったことを確認後
この温度から、スライドガラス上の高分子溶液を徐々に
(2℃/min)冷却する。
冷却方法としては、サンプル置台のまわりに冷媒を流す
冷却ユニットをとりつけこれをコントロールすることに
よって所定の温度変化を得る。冷却温度は0℃までとす
る。このサンプルを直交ニコルを有する偏光顕微鏡で観
察すると、温度低下と共にある温度の所で視野像が明る
くなり始める。この温度を擬相転移温度と呼ぶことにす
る。
擬相転移温度は相転移温度よりも低く、一般に相転移温
度が高くなる程、相転移温度と擬相転移温度との温度差
は小さくなる。一回、等方性相にした後の相転移温度と
擬相転移温度範囲の該高分子溶液を擬等方性相と呼ぶこ
とにする。系によっては相転移温度が出現しても、擬相
転移温度が0℃までの冷却では出現しない場合がある。
このような系に於いては、擬等方性領域は転移温度から
0℃までの温度範囲に於いて出現していることを示して
いる。
厚物でも良好なフイルムは、擬等方性の溶液をTダイか
ら同じ擬等方性温度範囲に保持された凝固浴中に押し出
すことによって得ることができる。溶媒に成分ポリマー
を溶解して得た高分子複合体溶液は、光学的異方性相か
ら昇温して光学的等方性相にした後、冷却して擬等方性
相の状態にすることによって良好なフイルムを得ること
ができる。単に溶解後の高分子複合体溶液を擬等方性転
移温度と転移温度間に昇温してもこの効果は小さい。
本発明方法においては、補強高分子,マトリックス高分
子の種類,分子量,溶媒系及び各高分子の成分比・濃度
が決定されると上記測定方法に従って光学的擬等方性,
光学的異方性を示す温度領域をそれぞれ測定し、ダイ又
はオリフィスの温度を光学的擬等方性温度領域に、凝固
浴の温度を光学的擬等方性温度領域にそれぞれ保持し、
公知の方法に従ってダイ又はオリフィスから高分子溶液
を押し出し、気体を経由して凝固浴中に導き、連続的に
引き取ることにより半乾半湿的にフイルム又は繊維を製
造する。
この際、ダイ又はオリフィスから押し出された擬等方性
の高分子溶液は、凝固浴中で擬等方性の温度のまま凝固
が進行することになる。このため補強高分子は等方性溶
液から凝固させたものに比べてさらに一層棒状の集合体
の形成が促進されこの分散がその後の延伸操作による配
向性向上に有効に働くものと思われる。
高分子溶液を等方性溶液の状態からTダイから吐出した
場合には、良好なフイルムを得ることができない。補強
高分子がミクロに分散しすぎて、その後の延伸による高
分子の配向性に良い結果を持たらさないためと思われ
る。
又高分子溶液を光学的異方性の状態からTダイから吐出
すると、補強ポリマーはマクロに分散しすぎてその後の
延伸性が劣り良好なフイルムが得られない。凝固浴温度
は本発明の効果を引き出す上で重要な因子である。凝固
浴温度が擬相転移温度以下の領域にあると、厚膜の製膜
時、Tダイから吐出した高分子溶液の凝固が完了する前
に、高分子溶液が凝固温湿度になり、その結果、マクロ
な相分離に進行しすぎて、延伸性に優れた良好なフイル
ムが得られなくなる。
本発明において用いられる補強高分子(A)とマトリッ
クス高分子(B)の割合はA/A+Bが5〜45%の範囲に
あるのがよい。補強高分子(A)が5%よりも小さい場
合には、補強効果が小さく45%を越すと、補強高分子
(A)の配向性が低下し本発明の特徴を発現することが
できない。
本発明において用いられる固有粘度とは、100%硫酸も
しくはメタンスルホン酸もしくはクロルスルホン酸に補
強高分子(A)の濃度が0.2g/100ccになるように溶解
後、30℃で常法により求めたηinhである。補強高分子
(A)が上記の溶媒のいずれにも溶解する時は、その中
でもっとも低い値をその補強高分子(A)の固有粘度と
する。
以下に本発明の効果を実施例をもって示すが、実施例中
の百分率は、ことわらない限り重量基準で示す。繊維・
フイルムの機械的性質は、サンプル長10cmを毎分100%
の伸長速度で測定したものである。
該高分子溶液を凝固するための凝固液としては、用いる
溶媒に非溶解性の溶媒を混合した系、例えば、硫酸水溶
液,メタンスルホン酸水溶液,リン酸水溶液等が挙げら
れる。
凝固液は単一浴でなく二浴以上にしても良い。この場合
第二浴以降は、第一浴上りのテープ,フイルム等を実質
的に凝固せしめるものであり、本発明の凝固浴条件を満
たす必要はない。凝固第一浴が本発明の条件を満たす必
要がある。
凝固上りの未延伸フイルムは、残存溶媒を十分に除いた
後、特に酸溶媒系ではアンモニアあるいは水酸化ナトリ
ウム等で中和処理することが必要である。
乾燥フイルムは、その後フイルム等の延伸で用いられて
いる通常の延伸操作によって高モジュラスなフイルムと
なる。
実施例1 補強高分子(A)として、ポリ−p−フェニレンベンゾ
ビスチアゾール(PPBTと略す)を常法に従って重合し、
メタンスルホン酸溶媒における固有粘度が3.6のものを
得た。
マトリックス高分子(B)は、3,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル(50モル%)とパラフェニレンジアミン
(50モル%)とをN−メチルピロリドンに濃度が6%に
なるようにして、乾燥窒素雰囲気下に溶解せしめ、5℃
に冷却した後、激しく攪拌しながらテレフタル酸ジクロ
ライドの粉末(100モル%)を当該溶液にすみやかに添
加し、35℃で1時間重合反応を行ない、これを水にて沈
澱し中和して得た。以下該ポリマーをPPOT−50と略す。
PPOT−50のηinhは硫酸溶媒で3.6であった。PPBTとPPOT
−50の成分比が30/70になるようにしてメタンスルホン
酸に溶解し、ポリマー全濃度が6%のものを作成した。
該高分子複合体溶液の異方性から等方性に転移する温度
(相転移温度)は83℃であった。又等方性から冷却して
異方性相が出現しはじめる擬相転移温度は42℃であっ
た。
該高分子複合体溶液を相転移温度以上の85℃に加温後、
これを70℃に保持されたプランジャーに仕込んだ。プラ
ンジャーとTダイの間には、約30cmのパイプでつなぎ、
このパイプとTダイの温度を擬相転移温度と相転移温度
間の50℃に保った。Tダイか吐出する該高分子複合体溶
液温度は50℃を示した。
凝固浴にはメタンスルホン酸の60%水溶液で温度は60℃
であった。凝固を開始したフイルムをさらにメタンスル
ホン酸30%の水溶液の40℃の第II液に浸漬し、それを水
で十分に洗浄した。水酸化ナトリウム水溶液で中和後さ
らに24時間水で洗浄した。ながまきテープはレール状の
固定枠にはめて定長自然乾燥後、さらに熱風乾燥器で15
0℃×6時間乾燥した。
このサンプルを熱板390℃にて最高延伸倍率の0.8倍で延
伸した。得られたサンプルの性能は膜厚(μm)/モジ
ュラス(GPa)/伸度(%)/強度(GPa)=75/125/1.6
/1.3であった。
実施例2 補強高分子(A)として、ポリ−p−フェニレンベンゾ
ビスチアゾール(PPBT)を実施例1と同じように重合し
て固有粘度が5.4のものを得た。
PPBTと実施例1で作られたPPOT−50の成分比が25/75に
なるようにしてメタンスルホン酸に溶解し、ポリマー全
濃度が5.7%のものを作成した。該高分子複合体溶液の
相転移温度は85℃であった。又擬相転移温度は50℃であ
った。
該高分子溶液を相転移以上の85℃に加温後、これを60℃
に保持されたプランジャーに仕込んだ。Tダイから吐出
する該高分子複合体溶液の温度は60℃を示した。
凝固液はメタンスルホン酸の60%水溶液で、温度は60℃
であった。
その他の条件は実施例1と同じようにして膜厚(μm)
/モジュラス(GPa)/伸度(%)/強度(GPa)=83/1
20/1.6/1.2のフイルムを得た。
比較例1 実施例1においてメタンスルホン酸に溶解した該高分子
複合体溶液を転移温度以下の45℃に昇温後、メタンスル
ホン酸60%の水溶液で凝固浴温度45℃の凝固浴中にTダ
イから吐出し製膜した。
製膜後のフイルムを実施例1と同じようにして、乾燥後
最高延伸倍率の0.8倍で延伸した。サンプルの力学特性
は 膜厚(μm)/モジュラス(GPa)/伸度(%)/強度
(GPa)=73/91/1.3/0.92 と低いものであった。
比較例2 実施例1に於いて、メタンスルホン酸に溶解した該高分
子溶液を転移温度以上の90℃に昇温後、そのままその温
度でTダイから温度60℃のメタンスルホン酸60%水溶液
中に空気層を介して押し出した。
製膜後のフイルムを実施例1と同じようにして乾燥後最
高延伸倍率の0.8倍で延伸した。サンプルの力学特性は 膜厚(μm)/モジュラス(GPa)/伸度(%)/強度
(GPa)=71/81/1.1/0.95 と劣っていた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に棒状骨格を有するポリアゾールか
    らなる補強高分子(A)と融着性を有するマトリックス
    高分子(B)とを主として含有し、かつ光学的擬等方性
    を示す温度領域と光学的異方性を示す温度領域とを有す
    る高分子溶液を、ダイ又はオリフィスから気体中に押し
    出し、次いで凝固浴中に導入し、しかして連続的に引取
    ることからなる高分子複合体の製造法において、当該ダ
    イ又はオリフィスの温度は当該高分子溶液が光学的擬等
    方性を示す温度領域内にあるように保持され、当該凝固
    浴の温度は当該高分子溶液が光学的擬等方性を示す温度
    領域内にあるように保持されていることを特徴とする高
    分子複合体の製造法。
JP63305164A 1988-12-03 1988-12-03 高分子複合体の製造法 Expired - Lifetime JPH0749528B2 (ja)

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JPS62205128A (ja) * 1986-03-06 1987-09-09 Agency Of Ind Science & Technol 高分子複合体の製造法
JPH0737577B2 (ja) * 1986-08-29 1995-04-26 ザ・ユニバ−シテイ・オブ・アクロン 自己強化重合体複合物及びその製法

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