JPH09324367A - ウール調布帛およびその製造方法 - Google Patents

ウール調布帛およびその製造方法

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JPH09324367A
JPH09324367A JP8168460A JP16846096A JPH09324367A JP H09324367 A JPH09324367 A JP H09324367A JP 8168460 A JP8168460 A JP 8168460A JP 16846096 A JP16846096 A JP 16846096A JP H09324367 A JPH09324367 A JP H09324367A
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JP
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fabric
fibers
cloth
wool
polyester fiber
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JP8168460A
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Inventor
Haruichiro Okumura
治一郎 奥村
Masami Ikeyama
正己 池山
Jiro Amano
慈朗 天野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】布帛内部の繊維同士接触点を少なく、かつミク
ロ空隙を多くでき、ウォーム感とぬめり感があり、布帛
自体はふくらみ感と弾力性および腰や張りを有したポリ
エステル繊維を含んだウール調布帛とその製造方法が提
供されること。 【解決手段】ポリエステル繊維を含む布帛であって、そ
の布帛を構成する繊維は長さ方向に不規則な太さ変化を
有し、かつその布帛内部が単繊維同志の接触数の少ない
ミクロ空隙構造を形成しており、原反布帛の少なくとも
一方の表面から、繊維を分解または溶解する成分を含む
高粘度の処理液を塗布した後、加熱処理することによっ
て、繊維の横断面積を部分的に減少させテーパー状に太
さを変化させた布帛が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル繊維
を含んだウール調布帛とその製造方法に関するものであ
る。さらに詳しくは本発明は、布帛内部において繊維同
士の接触点が非常に少なく、かつミクロ空隙を多く備
え、ウォーム感とぬめり感のあるウール調布帛、および
繊維にランダムな太さ斑があって、しかも長手方向にも
ミクロな太さ変化をもつことから、ふくらみ感と圧縮に
対してやわらかく弾力があって、全体として腰、張りの
あるポリエステル繊維からなるウール調布帛、ならび
に、これらのウール調布帛の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエステル繊維に、天然繊維に
類似した外観、風合いを付与するために各種の検討が行
なわれている。なかでもウールに類似した外観、風合
い、柔軟性をもつポリエステル繊維の検討が数多くなさ
れているが、ウール特有の触感としてのぬめり感のある
布帛を得ることが難しく、未だウールに代替できる段階
には至っていないのが実情である。
【0003】例えば、ポリエステル繊維布帛にぬめり感
を付与する方法としては、特開昭61−152818号
公報に、ポリエステル繊維に特定の高級脂肪族モノカル
ボン酸エステルを含有させることが提案されている。ま
た、特開平5−222669公報には、シックアンドシ
ンヤーンを鞘糸とし、沸水収縮率が鞘糸よりも大である
ポリエステルヤーンを芯糸とした空気交絡糸の加撚糸か
らなる織物に、アルカリ減量加工を施すことを特徴とす
る、ウールライク織物の製造方法が提案されており、適
度な嵩高性と高反発性が得られると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記に代表されるポリ
エステル繊維布帛は、柔軟性およびウール特有のふくら
み感やウォーム感が必ずしも十分でなく、またウールの
代替ができるほどに十分なぬめり感をもっていないた
め、ウール代替のポリエステル繊維としてまだ実用レベ
ル至っていない。
【0005】本発明の目的は、ポリエステル繊維を使用
したウール調布帛であって、ウール調風合いをより表現
するために、布帛内部の繊維同士の接触点を少なく、か
つミクロ空隙を多くでき、さらにはラノリン等を付与す
ることで、ウォーム感とぬめり感があり、しかも、布帛
自体はふくらみ感と弾力性および腰や張りを有したポリ
エステル繊維を含んだウール調布帛を提供することにあ
る。
【0006】本発明の他の目的は、布帛の後加工におけ
る化学的処理によって、上記のような改良されたウール
調布帛を製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するため手段】本発明のウール調布帛は、
前記の目的を達成するために、ポリエステル繊維を含む
布帛の内部において、その布帛を構成する繊維同士接触
点が非常に少なく、かつミクロ空隙を多く備えており、
その特徴とするところは、長さ方向にランダムな太さ斑
を有するポリエステル繊維を含む布帛であって、該布帛
の少なくとも一方の表層部側内部は単繊維同志の接触数
の少ないミクロ空隙構造を形成しているウール調布帛で
ある。
【0008】本発明のかかるウール調布帛は、ポリエス
テル繊維を含む布帛の少なくとも一方の表面に、ポリエ
ステル繊維を分解または溶解する成分を含む100〜1
500ポアズのような高粘度の処理液を塗布した後、乾
熱雰囲気中もしくは飽和水蒸気雰囲気中で加熱処理する
ことによって、ポリエステル繊維の断面積を部分的に減
少せしめテーパー状に太さ変化させることによって製造
することができる。
【0009】本発明においては、さらに次のような好ま
しい態様が含まれる。 a.布帛を構成するポリエステル繊維が、その布帛の内
層部から少なくとも一方の表層部に向かって、ランダム
な太さ斑をもってその繊度を漸減するように厚さ方向に
配置されていること。 b.ポリエステル繊維を含む布帛の少なくとも一方の表
層部側内部において、布帛を構成する単繊維同士の平均
接触数が0.3〜1.5本であること。 c.布帛の化学的処理により、ポリエステル繊維の断面
積が、ポリエステル繊維の最大断面積に対して主に5%
までの範囲でランダムに減少しているポリエステル繊維
を含むこと。 d.布帛の化学的処理により、ポリエステル繊維の長手
方向における太さが、急激にテーパー状に変化している
ポリエステル繊維を含むこと。 d.布帛に塗布される処理液が水分を50%以上含んだ
処理液であること。 e.ポリエステル繊維を分解または溶解する成分が、ア
ルカリ金属の水酸化物であること。 f.ポリエステル繊維を含む布帛が、アルカリ処理され
ている布帛であること。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のウール調布帛において
は、上記のように、ポリエステル繊維を含む布帛の少な
くとも一方の表面から化学的処理が施される結果、処理
されたポリエステル繊維の断面積が、その最大断面積に
対して例えば主に5%まで、場合によっては10%まで
の範囲でランダムに減少しているポリエステル繊維が含
まれている。換言すれば、いま、ポリエステル繊維の最
大断面積を100%としたとき、ポリエステル繊維の断
面積分布が、最大断面積100%〜減量された最小断面
積5%までの範囲の間でランダム分布していることを意
味しており、本発明で、主に5%までとしたのは、処理
された繊維の大部分が5%までの範囲内にあることを意
図している。
【0011】本発明のこのウール調布帛は、ポリエステ
ル繊維を含む布帛の少なくとも一方の表面から、ポリエ
ステル繊維を分解しまたは溶解する成分を調合した、水
分を50%以上含んだ高粘度の処理液を塗布して、好ま
しくは乾熱処理することによって、処理液に接触する部
分のポリエステル繊維の断面積を部分的に減少させると
ともに、繊維の長手方向の太さを急激にテーパー状に変
化させることによって製造することができる。原反であ
るポリエステル繊維を含む布帛が、通常のアルカリ処理
された布帛の場合は、全体として所望の風合いに仕上げ
易い。
【0012】本発明において処理液の塗布は、所望の風
合や感触を得るため、ポリエステル繊維に処理液を接触
させるもので、布帛の一方の表面または両面に対して行
ない、処理液を浸透させる深さは、その布帛の全厚みで
もよいし、部分的でもよい。図1は、本発明にかかるウ
ール調布帛の織物断面における単繊維のランダム太細状
態を示す光学顕微鏡による拡大写真、図2は、本発明に
かかるウール調布帛表面の繊維太さのテーパー状変化を
示す走査型電子顕微鏡による拡大写真、また図3は、図
2に示したウール調布帛の原反表面を示す走査型電子顕
微鏡による拡大写真をそれぞれ示すものであり、化学的
処理が施される前の図3との対比において、化学的処理
された図1、図2はいずれも本発明のウール調布帛の繊
維構造の特徴をみごとにあらわしている。
【0013】以下、本発明の詳細についてさらに説明す
る。
【0014】本発明のウール調布帛では、主にポリエス
テル繊維を含む布帛を原反として使用する。ポリエステ
ル繊維は、ポリエステルおよび/またはポリエステル共
重合体を含む繊維をいう。これらのポリエステル繊維を
糸条として用いる場合、使用目的に応じマルチフィラメ
ント、モノフィラメント、紡績糸、異形断面糸、複合
糸、異質フィラメントとの混繊糸などの形態で使用する
ことができる。ポリエステル繊維の繊度は、0.1〜1
0デニール程度が好ましく、特に極細の0.5〜5デニ
ールが好適である。
【0015】本発明では、ポリエステル繊維の他に、本
発明の効果を妨げない範囲で他の繊維を併用してもよ
く、この場合、他の合繊繊維、天然繊維、半合繊繊維な
どの長繊維や短繊維を使用することができる。原反中の
ポリエステル繊維の比率は、布帛の形態や組織、厚さな
どによって異なるが、本発明の効果を十分に引出すに
は、できれば少なくとも20重量%、より好ましくは5
0重量%以上含まれていることが望まれる。布帛の形
態、組織、厚さ等には特に制限はなく、織物、編物、不
織布などの形態で用いることができる。例えば、平織物
や平編物を利用することができ、または、より複雑な構
成、厚さのある多層布帛などを利用することもできる。
【0016】本発明において化学的処理は、100〜1
500ポアズのような高粘度処理液により、原反布帛内
のポリエステル繊維を加水分解または溶解して、ポリエ
ステル繊維の繊維横断面積を部分的にランダムに減少さ
せる処理をいう。処理液としては、例えば、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のようなアルカリ金属の水酸
化物やクロロフェノールなどを含む水溶液などが挙げら
れ、特に水酸化ナトリウム水溶液が好ましく用いられ
る。例えば、処理液として、5〜30重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液、より好ましくは10〜20重量%の水
酸化ナトリウム水溶液が用いられる。また、必要に応じ
て第4級アンモニウム塩、アミン化合物、リン酸エステ
ル系化合物のような減量促進剤を用いることができる。
【0017】本発明において、かかる処理液が通常水分
を50重量%以上含んでいると、乾熱処理時に不均一減
量を惹起し易く、繊維太さをランダムに変化させる点で
好ましい。
【0018】本発明においては、前記の化学的処理を施
す前または後に、原反にポリエステル繊維布帛に対して
行なっている通常のアルカリ減量処理を施しておくこと
ができる。通常のアルカリ処理を施すことにより、風合
い面での利点がある。
【0019】ここに、通常のアルカリ処理とは、ポリエ
ステル繊維またはポリエステル繊維布帛の処理に実施さ
れている、1〜5ポアズ程度の低粘度のアルカリ液浴に
よる各種の処理を意味し、通常のアルカリ処理により、
処理対象のポリエステル繊維またはポリエステル繊維布
帛は、全体として均一に減量処理される。したがって、
かかる通常のアルカリ処理は、本発明の高粘度処理液に
よる布帛内部の繊維に太さ斑を与える選択的処理とは別
異の処理である。通常のアルカリ処理については、例え
ば、染色工業:1.29No.12、第10〜16頁に
詳しく記載されている。
【0020】本発明において、ポリエステル繊維布帛内
に存在するポリエステル繊維を、布帛の厚み方向に選択
的に処理するために、処理液は、100〜1500ポア
ズの粘度をもつことが重要である。このような高粘度の
処理液の使用によって、布帛内への処理液浸透深さを容
易に調整することができ、処理液が浸透していない内層
部等の層に存在するポリエステル繊維には本質的な影響
がないので、繊維の強度をそのまま保つことができ布帛
に腰や張りを残すことができる。
【0021】また、本発明において処理液の粘度が低め
の場合には、処理液が布帛内部まで迅速に浸透し、厚み
方向に全体的にポリエステル繊維を無差別にランダムに
処理することができる。したがって、本発明において、
布帛の少なくとも一方の表層部側の内部という場合は、
布帛の一面または両面の表層部側における内部の他に、
布帛全体についての内部も包含されている。
【0022】処理液の粘度の上限は、実用上布帛に塗布
可能な範囲として規定される。なお、本発明にいう粘度
は、温度25℃、湿度60%条件下でB型粘度計
((株)東京計器製造所製)を用いて測定した値であ
る。
【0023】本発明では、粘度調整のために、デンプ
ン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリビニールアルコールなどの糊剤を溶解処理液に
添加して用いることができる。糊剤は後処理で除去され
ることを意図して、デンプンが好適に使用される。処理
液の粘度は、処理温度、布帛での処理層の厚みおよび処
理液の組成など共に総合的に決められる。
【0024】処理液の塗布方法としては、ナイフコータ
ー、グラビアコーター、リバースロールコータなどのコ
ータを使用する方法、フラットスクリーン、ローリース
クリーンなどの印刷法などが挙げられる。本発明におい
ては、処理液が高粘度であるため、噴霧法を利用するこ
とは難かしいことがある。
【0025】処理液を塗布された布帛は、次に加熱処理
される。加熱処理は、好ましくは100〜170℃、よ
り好ましくは110〜140℃の乾熱雰囲気中で30〜
200秒間程度加熱する方法、あるいは、好ましくは9
8〜150℃、より好ましくは100〜130℃の飽和
水蒸気雰囲気中で30〜200秒間程度加熱する方法な
どを用いることができるが、本発明では、蒸発による水
分皆無状態をミクロポイントで時間差をつけることで、
ポリエステル繊維の断面を部分的にランダムに減少させ
ることができるという理由で、乾熱処理が特に好ましく
用いられる。
【0026】このようにして加熱処理された布帛は、適
宜湯洗い、酢洗い、水洗い、乾燥される。乾燥後は必要
に応じて、例えば、軽くエメリー起毛などの起毛処理を
施してもよく、それによって布帛に毛羽を発生させ、風
合いを調整することができる。また、仕上げ剤として、
例えば、ラノリン、天然ワックスなど付与することで、
ぬめり感をより強調することができる。
【0027】本発明においては、ポリエステル繊維を含
む布帛に、高粘度の処理液による化学的処理を施こすこ
とより、布帛の処理された層内(内部)のポリエステル
繊維の横断面積を、最大断横面積に対して主に5%の範
囲でランダム減少させるとともに、構成する繊維同士の
平均接触数が0.3〜1.5本ある状態にすることがで
きる。
【0028】ここに、ポリエステル繊維の横断面積は、
対象とする布帛の断面測定試料をパラフィン包埋法によ
り作製し、横断面を写真上に拡大して一定範囲における
布帛の全厚みの処理層または部分処理層内にあるポリエ
ステル繊維50本の断面積を求めた値である。また、平
均接触数は、その50本中の各繊維の接触点を求め、そ
の接触点のトータル数を、合計繊維本数(50本)で割
った値である。
【0029】布帛を構成するポリエステル繊維は、繊維
の長手方向における太さが、図2に示されるように、元
の太さの部分から、急激にテーパー状に変化しており、
これが繊維の接触数を少なくしている一因である。ちな
みに、シックアンドシン・ヤーンの場合は、太細変化が
数mm〜数cmのオーダーでほぼ一様に変化している
が、本発明の場合は、繊維長さ方向に数10μm〜数百
μmの単位でランダムでかつ不規則な太細ができてい
る。
【0030】本発明のウール調布帛は、このように長さ
方向にランダムな太さ斑を有するポリエステル繊維を含
む布帛であって、その布帛の少なくとも一方の表層部側
内部はランダムな太さ斑に起因する単繊維同志の接触数
の少ないミクロ空隙構造を形成している。既述のよう
に、図3に示される原反布帛の場合には、各繊維の接触
点が多いことに加えて、繊維間隙がつくる空間部分はや
やマクロ的であるのに対して、図2に示される本発明の
布帛においては、繊維がランダムな太さ斑をもって部分
的にやせ細っており、繊維同志の接触数の少ないミクロ
空隙構造が形成されている。本発明のミクロ空隙構造で
は、布帛内部の空隙は大きくかたよった形でできている
のではなく、細かな空隙が数多く分散してできているの
である。
【0031】本発明でいう「ミクロ空隙構造」とは、上
記のように図3のような状態に対比して把握される概念
である。
【0032】試みに、通常のアルカリ減量処理の場合
は、繊維全体がその長さ方向に連続かつ均一に減量され
るが、本発明の場合は、前述のように繊維長さ方向に数
10μm〜数百μmの単位でランダムな太細ができてい
る。
【0033】本発明の布帛の一態様として、布帛の内層
部から少なくとも一方の表層部に向かってその繊度を漸
減するようにランダムな太さ斑をもった繊維が布帛の厚
さ方向に配置されている。この場合、ミクロ空隙構造も
布帛の厚さ方向に変化した構造をとっている。
【0034】本発明のウール調布帛は、布帛を構成する
繊維が不規則な太さ変化を呈し、布帛内部がミクロな空
隙構造を形成して、しかも、繊維の長手方向においても
テーパー状に太さ変化することにより、ウォーム感、ぬ
めり感および圧縮に対してやわらかく弾力がある。また
太さ変化を調整することにより、上記特性と腰、張りを
コントロールすることができる。本発明のウール調布帛
は、ウール代替品として一般衣料用に好適に利用するこ
とができる。
【0035】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
る。 (実施例1)原反として、たて糸に30デニール×6フ
ィラメントの高収縮糸と30デニール×72フィラメン
トの低収縮糸とからなるポリエステルフィラメントの引
きそろえ糸を用い、また、よこ糸に150デニール×9
6フィラメントのポリエステルフィラメント糸を用いた
平織物を用意した。一方、処理液として、次の表1の組
成からなる粘度220ポアズの処理液を調合した。
【0036】
【表1】 ★リバースロールコータを用い、上記処理液の60g/
2 重量を原反の一面にに均一に塗工した。次に、この
布帛に熱風処理装置内で130℃×2分の乾熱処理を施
し、引続いて通常の湯洗、水洗、乾燥を行ない、本発明
のウール調布帛を製造した。得られた布帛の断面を光学
顕微鏡で、また布帛の表面を走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、内部は平均接触数が0.9本と繊維同士の接
点が少ないミクロな空隙ができており、処理された繊維
にはランダムな太、細(元の繊維の断面積に対して大部
分が7〜70%減少)ができていた。このようにして得
られた布帛は、布帛内部に多くのミクロ空隙ができ、ウ
ォーム感があって手触りが柔らかく、しかも、ふくらみ
感と弾力性および腰のある風合を有していた。 (実施例2)原反として、たて糸、よこ糸ともに100
デニール×36フィラメント複合仮ヨリ糸を用いた変り
綾織物を用意した。一方、処理液として、次の表2の組
成からなる粘度280ポアズの処理液を調合した。
【0037】
【表2】 ★リバースロールコータを用い、上記処理液の70g/
2 重量を原反にの一面に均一に塗工した。次に、この
布帛に熱風処理装置内で130℃×2分の乾熱処理を施
し、引続いて通常の湯洗、水洗、乾燥を行ない、染色後
に仕上げ剤としてラノリンを付与し、本発明のウール調
布帛を製造した。布帛断面を光学顕微鏡で、また布帛表
面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、内部は平均接
触数が1本の繊維同士の接点が少ないミクロな空隙がで
き、繊維にはランダムな太、細(元の繊維の断面積に対
して大部分が5〜90%減少のもの)ができていた。得
られた布帛は、布帛内部にミクロ空隙が多くでき、ふく
らみ感があって腰のある柔らかい風合を有していた。 (実施例3)原反として、たて糸、よこ糸とも1.5デ
ニール使いの綿番手で30番単糸を300回/m追撚し
たスパン糸を用いた綾織物を用意した。一方、処理液と
して、次の表3の組成からなる粘度280ポアズの処理
液を調合した。
【0038】
【表3】 ★リバースロールコータを用い、調合した処理液の60
g/m2 重量を原反の一面にを均一に塗工した。次に、
この布帛に熱風処理装置内で130℃×2分の乾熱処理
を施し、引続いて通常の湯洗、水洗、乾燥を行ない、染
色後に仕上げ剤としてラノリンを付与し、本発明のウー
ル調布帛を製造した。布帛断面を光学顕微鏡で、また布
帛表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、内部は平
均接触数が0.8本の繊維同士の接点が少ないミクロな
空隙ができ、しかも、ランダムな太、細(元の繊維の断
面積に対して大部分が5〜90%減少)ができていた。
得られたウール調布帛は、布帛内部にミクロ空隙が多く
でき、ふくらみ感とぬめり感あって手触り柔らかく、高
級感のある風合を有していた。
【0039】
【発明の効果】本発明のウール調布帛はポリエステル繊
維を含み、そのポリエステル繊維が太細斑になって変化
しており、それがランダム分布しながら、しかも、太細
は繊維の長手方向にテーパー状に急激に変化しているの
で、布帛内部の単繊維同士の接点が通常の布帛のそれよ
り少ないミクロ空隙が多くできている。従来のポリエス
テル繊維からなるウールライク布帛は、ふくらみ感やウ
ォーム感およびぬめり感が不足していたが、本発明のウ
ール調布帛では、ふっくらとしたウォーム感とぬめり感
があつて、手触りが柔らかい中にも腰のある感触を生
じ、布帛として腰や張りも遜色がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図面に代えて提出する本発明にかかるウール調
布帛の繊維断面のランダム太細状態を示す光学顕微鏡に
よる繊維の形状を示す拡大写真である。
【図2】図面に代えて提出する本発明にかかるウール調
布帛表面の繊維太さのテーパー状変化を示す走査型電子
顕微鏡による繊維の形状を示す拡大写真である。
【図3】図面に代えて提出する、図2に示したウール調
布帛の原反表面を示す走査型電子顕微鏡による繊維の形
状を示す拡大写真である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長さ方向にランダムな太さ斑を有するポリ
    エステル繊維を含む布帛であって、該布帛の少なくとも
    一方の表層部側内部は単繊維同志の接触数の少ないミク
    ロ空隙構造を形成していることを特徴とするウール調布
    帛。
  2. 【請求項2】前記ポリエステル繊維が、該布帛の内層部
    から少なくとも一方の表層部に向かって、ランダムな太
    さ斑をもってその繊度を漸減するように厚さ方向に配置
    されていることを特徴とする請求項1記載のウール調布
    帛。
  3. 【請求項3】前記ポリエステル繊維を含む布帛の少なく
    とも一方の表層部側内部において、該布帛を構成する繊
    維同士の平均接触数が0.3〜1.5本であることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載のウール調布帛。
  4. 【請求項4】布帛の化学的処理により、該ポリエステル
    繊維の横断面積が、該ポリエステル繊維の最大横断面積
    に対して主に5%までの範囲でランダムに減少している
    ポリエステル繊維を含むことを特徴とする請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載のウール調布帛。
  5. 【請求項5】布帛の化学的処理により、該ポリエステル
    繊維の長手方向における太さが、急激にテーパー状に変
    化しているポリエステル繊維を含むことを特徴する請求
    項1〜請求項4のいずれかに記載のウール調布帛。
  6. 【請求項6】ポリエステル繊維を含む布帛の少なくとも
    一方の表面から、該ポリエステル繊維を分解または溶解
    する成分を含む粘度が100〜1500ポアズの処理液
    を塗布した後、乾熱雰囲気中もしくは飽和水蒸気雰囲気
    中で加熱処理することによって、該ポリエステル繊維の
    横断面積を部分的に減少せしめテーパー状に太さ変化さ
    せることを特徴するウール調布帛の製造方法。
  7. 【請求項7】前記処理液が水分を50%以上含んだ処理
    液であることを特徴する請求項6記載のウール調布帛の
    製造方法。
  8. 【請求項8】前記ポリエステル繊維を分解または溶解す
    る成分が、アルカリ金属の水酸化物であることを特徴す
    る請求項6または請求項7記載のウール調布帛の製造方
    法。
  9. 【請求項9】前記ポリエステル繊維を含む布帛が、アル
    カリ処理されている布帛であることを特徴する請求項6
    〜請求項8のいずれかに記載のウール調布帛の製造方
    法。
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