JPH1149796A - シクロエルゴスタン誘導体 - Google Patents

シクロエルゴスタン誘導体

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JPH1149796A
JPH1149796A JP21893997A JP21893997A JPH1149796A JP H1149796 A JPH1149796 A JP H1149796A JP 21893997 A JP21893997 A JP 21893997A JP 21893997 A JP21893997 A JP 21893997A JP H1149796 A JPH1149796 A JP H1149796A
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cycloergostane
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 病原性を有する真菌に対して抗菌活性をもつ
新規物質の提供。 【解決手段】 エメリセラ(Emericella)属
に属する微生物を培養して得られる下記式(I)で示さ
れるシクロエルゴスタン誘導体およびその製造方法。 【化1】 [式中、R1は水素原子を、R2は水酸基をそれぞれ表す
か、あるいはR1およびR2は一緒になって単結合を表
す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗真菌作用を有す
るシクロエルゴスタン誘導体およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より抗真菌性物質として、アンフォ
テリシンB、ナイスタチン、トリコマイシン等のポリエ
ン系物質、ミコナゾール、ケトコナゾール等のイミダゾ
ール系物質、フルコナゾール等のトリアゾール系物質が
知られていたが、これらの抗真菌性物質は、選択毒性、
薬効等において問題があり真菌感染症の治療剤として未
だ十分であるとは言えない。さらに高齢者や基礎疾患を
有する患者に発症がみられる、日和見感染としての深在
性真菌症であるアスペルギルス症に対しては有効な治療
法がなく、感染症治療分野で大きな問題となっている。
【0003】一方、抗真菌作用を有するシクロエルゴス
タン誘導体としてMer−NF8054AおよびMer
−NF8054X(特開平6−145194号)が開示
されているが、その抗真菌活性は満足できるものではな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、この
ような問題を克服するため、病原性を有する真菌に対し
て抗菌力を有する新規なシクロエルゴスタン誘導体およ
びその製造方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な抗
真菌性物質の探索を目的としてカビ類の生産する代謝産
物について研究を重ねた結果、エメリセラ(Emeri
cella)属に属する菌株が、その培養液中にアスペ
ルギルス症の原因菌であるアスペルギルス・フミガタス
(Aspergillus fumigatus)に対
して抗菌活性を示す物質を複数生産していることを見出
した。その培養液から有効物質を分離精製し、その理化
学的性質を調べたところ、それらの有効物質は、いかな
る既知物質とも相違し、かつ優れた抗真菌活性を有する
ことを見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、下記の理化学的性質
を有するシクロエルゴスタン誘導体を提供するものであ
る。
【化5】 但し、R1は水素原子をR2は水酸基をそれぞれ表すか、
あるいはR1およびR2は一緒になって単結合を表す。
【0007】より具体的には、下記式(I−A)で示さ
れる誘導体、
【化6】
【0008】および下記式(I−B)で示される誘導
体、
【化7】 を提供するものである。
【0009】なお、本発明者らは、式(I−A)で示さ
れる誘導体をエメステロンA(emesterone
A)、式(I−B)で示される誘導体をエメステロンB
(emesteroneB)とそれぞれ命名した。以
後、本明細書において各誘導体を上記名称を用いて説明
する。
【0010】また本発明は、エメリセラ(Emeric
ella)属に属し、式(I)で示されるシクロエルゴ
スタン誘導体を生産する能力を有する微生物を培養し、
培養物からこれらシクロエルゴスタン誘導体を採取す
る、式(I)で示されるシクロエルゴスタン誘導体の製
造方法を提供するものである。
【0011】さらに本発明は、式(II)で示されるシ
クロエルゴスタン誘導体Mer−NF8054Xを、酸
化剤を用いて酸化する式(I−A)で示されるエメステ
ロンA(emesteroneA)の製造方法およびエ
メステロンAを脱水剤を用いて脱水する式(I−B)で
示されるエメステロンB(emesteroneB)の
製造方法を提供するものである。
【0012】
【化8】
【0013】
【化9】
【0014】本発明に使用される微生物は、エメリセラ
(Emericella)属に属し、式(I)で示され
るシクロエルゴスタン誘導体を生産する能力を有する菌
株であればよく、例えば、エメリセラ・ヘテロタリカ
(Emericella heterothallic
a)ATCC16824株を挙げることができるが、こ
の菌株に限らず、エメリセラ(Emericella)
属に属し、式(I)で示されるシクロエルゴスタン誘導
体を生産できる菌株であれば、それらの変異株も含めて
すべて本発明に使用することができる。
【0015】本発明のシクロエルゴスタン誘導体は上記
菌株を栄養培地に接種し、好気的に培養することにより
製造される。上記菌株の培養方法は、原則的には一般微
生物の培養方法に準ずるが、通常は液体培養による靜置
培養を行うのが好適である。
【0016】培養に用いられる培地としては、エメリセ
ラ(Emericella)属に属する微生物が利用で
きる栄養源を含有する培地であればよく、各種の合成培
地、半合成培地、天然培地などいずれも用いることがで
きる。培地組成としては炭素源としてのグルコース、シ
ュークロース、フルクトース、グリセリン、デキストリ
ン、澱粉、糖蜜などを単独又は組合わせて用いることが
できる。窒素源としてはファーマメディア、ペプトン、
肉エキス、大豆粉、カゼイン、アミノ酸、酵母エキス、
尿素などの有機窒素源、硝酸ナトリウム、硫酸アンモニ
ウムなどの無機窒素源を単独又は組合わせて用いること
ができる。その他、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭
酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナトリウム、
リン酸カリウム、塩化コバルトなどの塩類、重金属類
塩、ビタミンB、ビオチンなどのビタミン類も必要に応
じて添加することができる。
【0017】培養条件は、上記菌株が良好に生育して本
発明のシクロエルゴスタン誘導体を生産し得る範囲内で
適宜選択すればよい。例えば、培地のpHは、6〜8程
度、通常中性付近とすることが好ましい。培養温度は、
微生物が良好に生育する温度、通常25〜30℃、好ま
しくは27〜28℃に保つのがよい。培養時間は、10
〜28日間程度でよく、好ましくは14〜21日間であ
る。もちろん上述した各種の培養条件は、使用微生物の
種類や特性、外部条件などに応じて適宜変更でき、また
それに応じて上記範囲から最適条件を選択、調整でき
る。
【0018】培養中のシクロエルゴスタン誘導体の蓄積
量は、検定菌として、例えばアスペルギルス・フミガタ
ス(Aspergillus fumigatus)を
用いた液体培養による抗菌力アッセイにより定量でき
る。上記培養液中に蓄積されたシクロエルゴスタン誘導
体は、濾過、遠心分離等の一般的固液分離手段によって
菌体を分離し、濾液および上澄液からの抽出により、回
収可能である。
【0019】本発明のシクロエルゴスタン誘導体の分
離、精製は、公知の種々の方法を選択、組み合わせて行
うことができる。例えば、酢酸エチル、n−ブタノール
等を用いた溶媒抽出や、アンバーライトXAD(ローム
・アンド・ハース社製)、ダイヤイオンHP−20(三
菱化学社製)等のポリスチレン系吸着樹脂、シリカゲ
ル、アルミナ、活性炭などの担体を用いるカラムクロマ
トグラフィーによる方法を用いることができる。これら
の担体から目的物質を溶出させる方法は、担体の種類、
性質によって異なるが、一例として、ポリスチレン系吸
着樹脂の場合には、溶出溶媒として、含水アルコール、
含水アセトン等を用いることができる。さらにセファデ
ックスLH−20(ファルマシア社製)、バイオ・ゲル
P−2(バイオ・ラッド社製)等によるゲル濾過、シリ
カゲル、アルミナ等による薄層クロマトグラフィー、順
相あるいは逆相カラムを用いた分取用高速液体クロマト
グラフィー(分取HPLC)等を用いることができ、こ
れらの方法を単独または適宜組合せて、場合によっては
反復使用することにより、分離、精製することができ
る。
【0020】以上のようにして得られるシクロエルゴス
タン誘導体のうち、エメステロンA(emestero
neA)は、以下に示す物理化学的性質を有する。 (1)外観:白色結晶性粉末 (2)融点:108〜109℃(アセトン−ヘキサン混
合溶媒から結晶化) (3)比旋光度:[α]D 20 +175°(c 0.1
35、クロロホルム) (4)分子式:C28405 (5)マススペクトル(EI−MS): 実測値;45
6.2883、計算値;456.2876(C28405
として)
【0021】(6)UV吸収スペクトル クロロホルム中で測定した極大吸収は、下記のとおりで
ある(単位:nm)。λmax(logε):245.
0(4.34) (7)IR吸収スペクトル 臭化カリウム錠剤で測定した特徴的な吸収は、下記のと
おりである(単位:cm-1)。 νmax:3450、2960、1710 (8)円偏光2色性 クロロホルム中で測定した結果は、下記のとおりであ
る。 CDΔε(nm):+8.5(303)、+5.2(2
77)、−8.0(241)、−8.2(234)、+
5.4(215)
【0022】(9)1H−NMRスペクトル(500M
Hz) 重クロロホルム中で測定した主要なピークは下記のとお
りである。 δTMS(ppm):0.86(3H,d,J=6.7
Hz),0.91(3H,d,J=6.7Hz),0.
92(3H,d,J=6.7Hz),1.01(3H,
d,J=7.3Hz),1.05(1H,m),1.1
9(1H,dd,J=13.6Hz,6.4Hz),
1.29(1H,dd,J=13.6Hz,3.9H
z),1.34(3H,s),1.55(1H,m),
1.59(1H,m),1.67(1H,ddd,J=
8.9Hz,4.5Hz,3.4Hz),1.78(1
H,ddd,J=13.7Hz,8.9Hz,4.9H
z),1.86(1H,dddd,J=11.9Hz,
8.4Hz,7.6Hz,3.9Hz),2.15(1
H,dddd,J=10.1Hz,7.3Hz,6.4
Hz,3.9Hz),2.23(1H,ddd,J=1
4.3Hz,7.3Hz,4.9Hz),2.38(1
H,ddd,J=8.4Hz,7.6Hz,4.5H
z),2.41(1H,d,J=14.0Hz),2.
41(1H,ddd,J=14.3Hz,8.9Hz,
3.9Hz),2.42(1H,ddd,J=14.3
Hz,8.9Hz,4.2Hz),2.44(1H,d
dq,J=7.6Hz,7.3Hz,7.3Hz),
2.59(1H,ddd,J=14.3Hz,8.9H
z,4.2Hz),2.63(1H,d,J=11.8
Hz),2.70(1H,d,J=11.8Hz),
2.78(1H,d,J=14.0Hz),3.75
(1H,dd,J=10.1Hz,1.5Hz),4.
16(1H,s),4.53(1H,s),5.63
(1H,d,J=10.1Hz),6.26(1H,
d,J=10.1Hz)
【0023】(10)13C−NMRスペクトル(125
MHz) 重クロロホルム中で測定した主要なピークは下記のとお
りである。 δTMS(ppm):9.4,10.3,14.2,2
1.0,21.0,25.4,29.3,30.6,3
2.8,36.9,36.92,37.13,42.4
6,43.42,46.61,51.32,52.1,
54.7,55.3,72.1,75.4,79.9,
123.8,125.2,131.6,152.7,2
06.9,212.0
【0024】またエメステロンB(emesteron
eB)は、以下に示す物理化学的性質を有する。 (1)外観:白色結晶性粉末 (2)融点:105〜106℃(アセトン−ヘキサン混
合溶媒から結晶化) (3)比旋光度:[α]D 20 +416°(c 0.0
85、クロロホルム) (4)分子式:C28384 (5)マススペクトル(EI−MS): 実測値;43
8.2764、計算値;438.2769(C2838
4として)
【0025】(6)UV吸収スペクトル クロロホルム中で測定した極大吸収は、下記のとおりで
ある(単位:nm)。 λmax(logε):337.2(4.36)、22
0.6(4.10) (7)IR吸収スペクトル 臭化カリウム錠剤法で測定した特徴的な吸収は、下記の
とおりである(単位:cm-1)。 νmax:3450、2960、1710、1650、
1590 (8)円偏光2色性 クロロホルム中で測定した結果は、下記のとおりであ
る。 CDΔε(nm):+9.1(370)、−8.2(3
33)、+21.8(305)、−2.0(252)、
−3.9(232)、−10.3(218)
【0026】(9)1H−NMRスペクトル(500M
Hz) 重クロロホルム中で測定した主要なピークは下記のとお
りである。 δTMS(ppm):0.86(3H,d,J=6.7
Hz),0.93(3H,d,J=6.4Hz),0.
93(3H,d,J=6.4Hz),0.99(1H,
m),1.05(3H,d,J=7.6Hz),1.3
6(1H,dd,J=10.7Hz,3.1Hz),
1.41(3H,s),1.42(1H,dd,J=1
0.7Hz,7.0Hz),1.56(1H,dqq,
J=6.7Hz,6.4Hz,6.4Hz),1.68
(1H,ddd,J=11.9Hz,6.4Hz,5.
5Hz),1.71(1H,dddd,J=13.1H
z,9.2Hz,4.2Hz,3.7Hz),1.84
(1H,dddd,J=13.1Hz,8.5Hz,
6.1Hz,4.0Hz),2.17(1H,ddd,
J=11.9Hz,6.8Hz,6.1Hz),2.1
9(1H,m),2.37(1H,ddd,J=8.5
Hz,8.3Hz,4.2Hz),2.44(1H,d
dd,J=12.5Hz,6.8Hz,5.5Hz),
2.46(1H,ddd,J=13.1Hz,9.2H
z,6.1Hz),2.51(1H,d,J=12.8
Hz),2.52(1H,m),2.57(1H,dd
d,J=13.1Hz,4.0Hz,3.7Hz),
2.61(1H,ddd,J=12.5Hz,6.4H
z,6.1Hz),2.76(1H,d,J=12.8
Hz),3.26(1H,br),3.78(1H,d
d,J=10.1Hz,1.5Hz),5.71(1
H,s),6.41(1H,d,J=9.8Hz),
6.57(1H,d,J=9.8Hz)
【0027】(10)13C−NMRスペクトル(125
MHz) 重クロロホルム中で測定した主要なピークは下記のとお
りである。 δTMS(ppm):9.47,10.7,21.0,
21.0,21.1,25.7,29.5,30.6,
30.9,34.1,36.6,38.4,42.4,
44.0,46.4,51.1,55.4,55.6,
72.4,75.9,121.9,126.2,12
8.2,130.8,153.7,161.6,19
8.2,211.7
【0028】また本発明のシクロエルゴスタン誘導体
は、上記したとおり微生物の培養液から採取することが
できるが、化学合成法によっても製造することができ
る。本発明のシクロエルゴスタン誘導体のうち、エメス
テロンA(emesteroneA)は、式(II)で
示されるシクロエルゴスタン誘導体Mer−NF805
4Xをジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ト
ルエン、アセトニトリル、アセトン、酢酸、ジメチルホ
ルムアミドなどの不活性溶媒中、ピリジニウムクロロク
ロメート、ピリジニウムジクロメート、クロム酸、二ク
ロム酸ナトリウム、二酸化マンガン、四酸化ルテニウ
ム、ヂィス・マーチン試薬、ジョーンズ試薬、コリンズ
試薬、ジメチルスルホキシド−オキザリルクロライド、
ジメチルスルホキシド−ジシクロヘキシルカルボジイミ
ドなどの酸化剤を用いてMer−NF8054Xの3位
水酸基を選択的に酸化することにより製造することがで
きる。
【0029】溶媒と酸化剤の組合わせ、反応温度、反応
時間などの反応条件は、目的とするエメステロンA(e
mesteroneA)が好収率で得られるよう、適宜
選択すればよい。例えば、ジクロロメタン溶媒中、酸化
剤としてピリジニウムクロロクロメートを原料化合物1
モルに対して0.3〜1.5モル加え、−78〜25℃
で0.5〜3時間反応させると、副反応が少なく、目的
とするエメステロンA(emesteroneA)を好
収率で得ることができる。
【0030】なお、原料となる式(II)で示されるシ
クロエルゴスタン誘導体は、特開平6−145194号
公報に開示されているとおり、アスペルギルス(Asp
ergillus)属に属する微生物の培養液、あるい
は後述するエメリセラ(Emericella)属に属
する微生物の培養液から、それぞれ抽出精製して得るこ
とができる。
【0031】さらに本発明のシクロエルゴスタン誘導体
のうち、エメステロンB(emesteroneB)
は、エメステロンA(emesteroneA)をアセ
トン、メタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホル
ムアミド、ジオキサンなどの有機溶媒中、塩化カルシウ
ム、モレキュラシーブなどの脱水剤およびトシル酸、メ
タンスルホン酸、塩酸、硫酸、トリフルオロボラン−エ
ーテル錯体、塩化スズ、四塩化チタンなどの酸触媒を用
いて5位の水酸基を脱水することにより製造することが
できる。溶媒、脱水剤および酸触媒の組合わせ、反応温
度、反応時間などの反応条件は、目的とするエメステロ
ンB(emesteroneB)が好収率で得られるよ
う、適宜選択すればよい。例えば、アセトン溶媒中、脱
水剤として塩化カルシウムおよび酸触媒としてトシル酸
を原料化合物1モルに対して、それぞれ1〜100モル
および0.01〜1モル加え、0〜120℃で0.5〜
2時間還流させると目的とするエメステロンB(eme
steroneB)を好収率で得ることができる。
【0032】上述した方法に従い製造することのできる
本発明のシクロエルゴスタン誘導体は、アスペルギルス
症の原因菌であるアスペルギルス・フミガタス(Asp
ergillus fumigatus)の生育を低濃
度で抑制する。表1に本発明のシクロエルゴスタン誘導
体の病原性真菌に対する増殖抑制効果を示す。表1は、
アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus
fumigatus)IFM4942の胞子懸濁液を
含む平板(グルコース0.5%、yeastnitro
gen base(DIFCO社製)6.7%、アガロ
ース1%、pH6.4)にシクロエルゴスタン誘導体の
メタノール溶液を染み込ませたペーパーデイスクをの
せ、35℃で20時間培養し、阻止円の大きさ(直径)
を観察した結果をまとめたものである。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかなように、本発明のシクロ
エルゴスタン誘導体は、アスペルギルス症の原因菌であ
るアスペルギルス・フミガタス(Aspergillu
sfumigatus)の生育を低濃度で抑制した。し
かも後述する実施例で示すように培養細胞に対する毒性
がほとんどないという優れた性質を有している。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、これによって本発明が限定されるものでは
ない。なお、培地におけるパーセント(%)は、特に断り
のない限り、重量/容量パーセントを示す。
【0036】実施例1 (1)培養 エメリセラ・ヘテロタリカ(Emericella h
eterothallica)ATCC16824株の
斜面培地(ポテト・デキストロース寒天培地)に種培地
(スクロース3%、酵母エキス0.1%、硝酸ナトリウ
ム0.6%、リン酸二水素カリウム0.1%、硫酸マグ
ネシウム五水和物0.05%、塩化カリウム0.05
%、硫酸第一鉄0.001%)を5ml添加し、菌体を
均一に分散し種培養とした。この種培養液を上記と同じ
組成の培地60リットルを含む1000ml容のルーフ
ラスコ240本に接種し、27℃で21日間靜置培養を
行なった。
【0037】(2)ジクロロメタンによる抽出 培養終了後、培養液(約60リットル)を濾過により菌
体と上清に分け、培養上清について4N塩酸で液性を酸
性に調整した後、約30リットルのジクロロメタンを加
え、抽出し、有機溶媒層を採取した。この操作を2回繰
返し、得られた有機溶媒層を併せ、無水硫酸ナトリウム
で脱水乾燥した後、減圧下に濃縮乾固して固形物3.4
3gを得た。
【0038】(3)シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーによる精製 これをクロロホルム10mlに溶かし、あらかじめクロ
ロホルム/メタノール混液(100:1)で充填したシ
リカゲルカラム(メルク社製、Art7734、35φ
×140mm)に吸着させ、クロロホルム/メタノール
混液(100:1)1500mlで展開し、溶出液を約
100mlずつ分取した。シクロエルゴスタン誘導体の
検出は、クロロホルム/アセトン混液(20:1)およ
びベンゼン/酢酸エチル混液(2:3)を展開溶媒とす
るシリカゲル薄層クロマトグラフィー(メルク社製、A
rt5715、硫酸試薬による発色)で行い、硫酸試薬
陽性のフラクションを集め、減圧下に濃縮乾固した。
【0039】(4)分取低圧液体クロマトグラフィー
(LPLC)による精製 この乾固物をベンゼン/酢酸エチル混液(3:1)5m
lに溶かし、あらかじめ同じ組成の展開液で充填したL
PLC(和光純薬社製、silica gelCQ−
3、20φ×300mmのガラスカラムに充填したも
の)に付し、同じ組成の溶液150mlで洗浄後、ベン
ゼン/酢酸エチル混液(2:1)300mlで展開し、
溶出液を約15mlずつ分取し、前述した条件で硫酸試
薬陽性のフラクションを集めた。さらにシリカゲルカラ
ムをベンゼン/酢酸エチル混液(1:1)300mlで
展開し、溶出液を約15mlずつ分取し、硫酸試薬陽性
のフラクションを集めた。これを減圧下に濃縮乾固し
て、Mer−NF8054Xを20mg得た。
【0040】(5)分取高速液体クロマトグラフィーに
よる精製 先の分取低圧液体クロマトグラフィーにおいて、ベンゼ
ン/酢酸エチル混液(2:1)で溶出した活性フラクシ
ョンを減圧下に濃縮し、溶媒を除いた後、クロロホルム
3mlに溶かし、分取高速液体クロマトグラフィーによ
り精製した。すなわち、カラム:YMC−Pack S
IL−06(10φ×300mm)、移動相:クロロホ
ルム/メタノール混液(200:1)、ポンプ流速:
3.5ml/min、検出:RIdetecterの条
件で、保持時間15分にピークを示すエメステロンAお
よび保持時間17.5分にピークを示すエメステロンB
を分取した。これを減圧下に乾固させて新規ステロイド
エメステロンAを84mg、エメステロンBを10m
g、それぞれ得た。
【0041】実施例2 Mer−NF8054X31mgをあらかじめ脱水処理
したジクロロメタン40mlに溶解し、0℃に冷却後、
ピリジニウムクロロクロメート7mgを加え、1.5時
間撹拌した。これに2−プロパノール2mlを加えた
後、反応液を濃縮乾固し、分取高速液体クロマトグラフ
ィーにより精製した。カラム:YMC−Pack SI
L−06(10φ×300mm)、移動相:クロロホル
ム/メタノール混液(200:1)、ポンプ流速:3.
5ml/min、検出:RIdetecterの条件
で、保持時間15分にエメステロンAを3mg得た。ま
た、エメステロンAの後画分から未反応原料としてMe
r−NF8054Xを22mg得た。
【0042】実施例3 エメステロンA2mgをアセトン2mlに溶解し、トシ
ル酸0.05ml、無水塩化カルシウム2、3粒を加
え、30分還流した。炭酸カリウムで中和した後、反応
物をクロロホルムで数回抽出した。有機溶媒層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に濃縮乾固した。こ
れを分取高速液体クロマトグラフィーにより精製した。
カラム:YMC−Pack SIL−06(10φ×3
00mm)、移動相:クロロホルム/メタノール混液
(200:1)、ポンプ流速:3.5ml/min、検
出:RIdetecterの条件で、保持時間17.5
分にエメステロンBを1.5mg得た。
【0043】実施例4 各種ヒトがん細胞を用いてがん細胞の増殖を50%抑制
する濃度(IC50)を測定した。K562(白血病細
胞)、HT29(大腸がん)、HT1080(細網芽肉
腫細胞)、MCF7(乳がん細胞)、PC6(肺がん細
胞)、MKN28(胃がん細胞)をそれぞれ2〜5×1
3/ウエルとなるように96ウエルのマイクロタイタ
ープレートに加え、10%FBSを加えたRPMI16
40培地(フェノールレッド不含)とともに種々の濃度
の被検化合物の存在下、37℃の5% CO2インキュベ
ーター内で3日間培養した。その後、WST−1試薬
[0.065% 2−(4−ヨード−フェニル)−3−
(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルフォニ
ル)−2H−テエトラゾリウムナトリウム塩,0.00
7%硫酸メチル−1−メトキシ−5−メチルフェナジウ
ム]を10μl加え、更に3時間インキュベートし、プ
レートリーダーで450nm(対照波長650nm)の
吸光度を測定した。被検化合物を添加していない対照の
吸光度(C)と被検化合物を添加した場合の吸光度
(T)より、増殖抑制率(%)を(1−T/C)×10
0の計算式で求め、IC50を算出した。その結果を表2
に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の効果】本発明のシクロエルゴスタン誘導体は、
表1に示した通り、アスペルギルス症の原因菌であるア
スペルギルス・フミガタス(Aspergillus
fumigatus)に対して抗真菌活性を有する。こ
れらの性質に基づき本発明のシクロエルゴスタン誘導体
は、医薬、農薬あるいはそれらへの変換素材としての有
用性が期待できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I)、 【化1】 式中、R1は水素原子をR2は水酸基をそれぞれ表すか、
    あるいはR1およびR2は一緒になって単結合を表す、で
    示されるシクロエルゴスタン誘導体。
  2. 【請求項2】 式(I−A)、 【化2】 で示される請求項1記載のシクロエルゴスタン誘導体。
  3. 【請求項3】 式(I−B)、 【化3】 で示される請求項1記載のシクロエルゴスタン誘導体。
  4. 【請求項4】 エメリセラ(Emericella)属
    に属し、請求項1〜3記載のシクロエルゴスタン誘導体
    を生産する能力を有する微生物を培養し、培養物から請
    求項1〜3記載のシクロエルゴスタン誘導体を採取する
    ことを特徴とする請求項1〜3記載のシクロエルゴスタ
    ン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 式(II)、 【化4】 で示されるシクロエルゴスタン誘導体を、酸化剤を用い
    て酸化することを特徴とする請求項2記載のシクロエル
    ゴスタン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のシクロエルゴスタン誘導
    体を、脱水剤を用いて脱水することを特徴とする請求項
    3記載のシクロエルゴスタン誘導体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115466772A (zh) * 2022-06-27 2022-12-13 宁波大学 一种麦角烷型甾体化合物及其制备方法和用途

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