JPH0352502B2 - - Google Patents
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- JPH0352502B2 JPH0352502B2 JP57100050A JP10005082A JPH0352502B2 JP H0352502 B2 JPH0352502 B2 JP H0352502B2 JP 57100050 A JP57100050 A JP 57100050A JP 10005082 A JP10005082 A JP 10005082A JP H0352502 B2 JPH0352502 B2 JP H0352502B2
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Description
本発明は、濃色で鮮明な竪牢性のある筆跡を与
えることができ、しかも極性化合物からなる減感
剤を用いて筆跡を容易に消去することができる無
色染料−顕色剤系インキに関するものである。 フエノール性水酸基を有する顕色剤とこの顕色
剤によつて発色する無色の電子供与性有機化合物
(無色染料)との間の電子の授受により発色し、
この電子の授受による発色は極性化合物の減感剤
により阻害されて無色化するという可逆反応を利
用した筆記手段が従来から提案されている。例え
ば分子内に顕色成分構造を有する染料(無色染
料)と分子内に酸性を示す水酸基をもつ化合物
(顕色剤)と有極性溶剤(減感剤)とからなる筆
記材料が特公昭48−21649に記載されている。こ
の筆記材料は、筆記直前まで無色であつて筆記後
有極性溶剤の揮発蒸散によりはじめて筆跡が現わ
れるという特殊インキを目指しているものであ
り、書くと同時に筆跡を確認できないため、通常
の筆記具用インキとしては適さない。さらに、特
公昭51−48085には、電子供与性有機化合物(無
色染料)とフエノール性水酸基を有する化合物
(顕色剤)と前記二化合物の呈色反応を減感する
不揮発性の化合物(減感剤)とからなる筆記具用
着色剤が記載されている。かような着色剤による
筆跡は、筆記直後は呈色しているが、筆跡中の顕
色剤を加熱により揮散させたり水で洗い出したり
することにより無色化あるいは変色せしめること
ができるものであり、通常のインキのように経時
的に変色、消色することのない竪牢な安定性のあ
る筆跡を得ることはできない。 そこで本発明者等は、顕色剤とこの顕色剤によ
つて発色する無色染料とを、この発色反応を阻害
しない溶剤に溶解した無色染料−顕色剤系インキ
を用いて筆記すれば、通常の油性インキと同様に
濃色で鮮明な筆跡をもたらすことができること、
このインキ中には発色した無色染料を無色化する
極性化合物の減感剤を含んでいないからその筆跡
は減感剤に起因する経時的な退色や脱色の心配が
ないこと、しかもこの筆跡は減感剤からなる消去
材を用いて容易かつ完全に消去できることを見出
し、すでに特許出願を行なつた(特願昭56−
212257他)。 かような無色染料−顕色剤系インキに使用しう
るフエノール性水酸基を有する顕色剤としては多
くの種類の化合物が考えられるが、筆跡中に存在
する顕色剤の安定性が筆跡の竪牢性に大きく影響
することがその後の研究によつて判明した。そし
て、多数の顕色剤のうち特にノボラツク型フエノ
ール樹脂は外界の熱、光、水等により揮散、除去
されることなく安定に存在するため、筆記時の筆
跡濃度が退色しない竪牢な筆跡を与えることがで
きることを見出した。 さらに、ノボラツク型フエノール樹脂を顕色剤
として用いた場合には、顕色剤と無色染料との溶
剤として芳香族アルコールやエチレングリコール
モノフエニルエーテルが有効に使用できることを
見出した。 本発明は上述のごとき新たな知見に基づいてな
されたものである。すなわち本発明の消去可能な
無色染料−顕色剤系インキは、ノボラツク型フエ
ノール樹脂からなる顕色剤とこの顕色剤によつて
発色する無色の電子供与性有機化合物(無色染
料)とを芳香族アルコールおよび/またはエチレ
ングリコールモノフエニルエーテルからなる溶剤
に溶解してなるものである。 本発明で溶剤として用いられる芳香族アルコー
ルやエチレングリコールモノフエニルエーテルは
極性化合物であるため減感作用を有し、従つて無
色染料−顕色剤系インキにおける発色反応を阻害
するものとして一見したところインキ溶剤として
は使用できないものである。それにも拘わらず、
これらの極性溶剤を本発明において有効な溶剤と
して使用できる理由は次のように推論される。す
なわち、芳香族アルコールやエチレングリコール
モノフエニルエーテルはノボラツク型フエノール
樹脂顕色剤および無色染料をきわめて良好に溶解
して発色反応を促進するため、これら極性溶剤の
もつ減感作用よりも発色反応の方が優位となると
考えられる。また、かような極性溶剤は無色染料
と顕色剤を良好に溶解するため、経時的に不溶物
等が析出する心配のない実用的に良好な物性のイ
ンキが得られる。ノボラツク型フエノール樹脂顕
色剤と併用すれば芳香族アルコールやエチレング
リコールモノフエニルエーテルといつた減感作用
をもつ極性化合物が効果的な溶剤として使用でき
ることは全く予想しえなかつたことである。 前述したように本発明においては顕色剤として
ノボラツク型フエノール樹脂を使用したため、筆
記後に熱、光、水等の外的条件が加わつても退色
や消色することのない安全な竪牢な筆跡を与える
ことができる。ノボラツク型フエノール樹脂以外
のフエノール性水酸基を有する不揮発性顕色剤、
例えばノニルフエノール、2,2−メチレンビス
(4−メチル−6−ターシヤリイブチルフエノー
ル)、ビスフエノールF、フエノール樹脂初期縮
合物等を用いた場合には、無色染料を発色させる
効果はあるが、筆記時の筆跡濃度が経時的に退色
してしまう傾向がある。たとえば、ノニルフエノ
ールのごとき液状顕色剤を用いた場合には、筆跡
中のノニルフエノールが紙に吸収されてしまうた
め室温で1日後に50%以上の退色が認められ、ま
たビスフエノールFを顕色剤として用いた場合に
は1日後に50%以上、1ケ月後には90%以上の退
色が認められる。これに対してノボラツク型フエ
ノール樹脂を用いた場合には、50℃で7日経過後
にも殆ど退色することはない。 本発明で使用される無色染料としては、ノボラ
ツク型フエノール樹脂顕色剤によつて発色する無
色の電子供与性有機化合物が使用できる。例え
ば、クリスタイルバイオレツトラクトン、マラカ
イトグリーンラクトンなどのフタリド系発色性有
機化合物;3−ジメチルアミノ−6−メトキシフ
ルオラン、3,6−ジエトキシフルオラン、1,
2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−ピロリンジノ−フ
ルオラン、3′,6′−ビス−(ジエチルアミノ)ス
ピロ−(フタラン−1,9′−キサンチン)、1,1
−ビス−(p−アミノフエニル)−フタランなどの
フルオラン系発色性有機化合物;ジ−β−ナフト
−スピロピラン、キサント−β−ナフト−スピロ
ピラン、ベンゾ−β−ナフト−イソスピロピラン
などのスピロピラン系発色性有機化合物などが使
用できる。 無色染料の使用量は、インキ全量に対して10〜
30重量%程度がインキ濃度、インキの溶解安定性
の面より好ましい。また、ノボラツク型フエノー
ル樹脂顕色剤と無色染料の使用比率は1:3〜
10:1が発色濃度、インキの発色安定性の面より
好ましい。 顕色剤と無色染料を溶解するための溶剤として
本発明においては芳香族アルコールおよび/また
はエチレングリコールモノフエニルエーテルが好
ましく使用できる。前述したようにこれらは減感
作用をもつ極性化合物であるが、顕色剤と無色染
料を極めて良好に溶解するため両者間の発色反応
が促進され、従つて極性溶剤の減感作用に勝る顕
色剤の顕色作用が発現し、濃色かつ鮮明な発色イ
ンキが得られるものと思われる。芳香族アルコー
ルとしては例えばベンジルアルコール、β−フエ
ニルエチルアルコール、3−フエニル−1−プロ
パノール、4−フエニル−2−ブタノール、メチ
ルフエニルカルビノールなどが挙げられる。一
方、グリコール類の中で特にエチレングリコール
モノフエニルエーテルを用いたのは、減感作用が
他のグリコールと比較して弱いためである。これ
らの溶剤は1種を用いても2種以上併用してもよ
い。溶剤の使用量はインキ全量に対して25〜50重
量%程度がインキの安定性、流動性の面から好ま
しい。 また、インキの粘度調節や潤滑性調節のために
慣用されている各種添加剤も必要に応じて適宜選
択して使用することもできる。 次に本発明に使用するインキの製造方法を簡単
に述べると、前記顕色剤、無色染料、溶剤をニー
ダ、三本ロール、加熱撹拌混合機など通常インキ
製造に使用される装置で混合することによつて容
易に得られる。尚、必要に応じて他の添加剤を添
加する場合は上記成分中に加えて同様に混合すれ
ばよい。 かくして得られたインキは、従来から慣用され
ているようなボールペン、フエルトペン、サイン
ペン、マーカー等のインキ収容部に収容してペン
軸に支持させ、そのペン先から浸出するようにし
たペン型の筆類として使用することができる。 以上の説明からわかるように、本発明によるイ
ンキはインキ顕色剤により既に濃く発色している
無色染料を含有しており、しかも減感剤を含んで
いないから、通常の筆記用インキと同様に使用で
き、この筆跡は減感剤を用いて容易にかつ完全に
消去することができる。特に本発明においては、
顕色剤としてノボラツク型フエノール樹脂を用
い、この顕色剤と無色染料を極めて良好に溶解す
る芳香族アルコールおよび/またはエチレングリ
コールモノフエニルエーテルを溶剤として使用し
たため、外界の熱、光、水等に対して竪牢で、経
時的に退色や消色の心配のない安定な筆跡を与え
ることができると同時に、経時的に不溶物等の析
出することのない良好な物性のインキを得ること
ができるのである。 以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに説明する。なお実施例中の「部」とあるのは
重量部を示す。 実施例 1 ノボラツク型フエノール樹脂「タマノルPA」(荒
川化学(株)製) 30部 フルオラン系無色染料「BK−14」(山田化学工
業(株)製) 20部 ベンジルアルコール 20部 エチレングリコールモノフエニルエーテル 30部 上記配合物を100℃にて1時間加熱溶解せしめ
たのち、過して少量の不溶物を除去し、黒色に
発色した本発明のインキを得た。 このインキをボールペン(JIS S−6039−1980
細字用E型)に充填し、紙(JIS P−3201筆記用
紙A)に線を書いて、筆記時の筆跡を調べ、また
この筆跡を50℃で7日間放置したときの経時的変
化を調べた。結果を第1表に示す。 比較例 1 ビスフエノールF〔顕色剤〕 30部 フルオラン系無色染料「BK−14」 20部 ベンジルアルコール 20部 エチレングリコールモノフエニルエーテル 30部 実施例1におけるノボラツク型フエノール樹脂
の顕色剤をビスフエノールFに代えた他は実施例
1と同様にして、筆記時の筆跡とその経時的変化
を調べた。結果を第1表に示す。 比較例 2 ノボラツク型フエノール樹脂 「タマノルPA」 30部 フルオラン系無色染料「BK−14」 20部 ジエチレングリコールモノフエニルエーテル30部 実施例1におけるベンジルアルコールおよびエ
チレングリコールモノフエニルエーテルの溶剤を
ジエチレングリコールモノブチルエーテルに代え
た他は実施例1と同様にして、筆記時の筆跡とそ
の経時的変化を調べた。結果を第1表に示す。 第1表 50℃ 筆記時の筆跡 7日間放置後 実施例1 鮮明な黒色の線 殆ど変化なし 比較例1 鮮明な黒色の線 90%程度退色* 比較例2 殆ど無色 黒色の線 註*ハンター色差計によるY値(反射率)の測定
によつて算出したもの。例えば紙のY値が70
%、筆記直後の筆跡のY値が56%、両者の差が
14%であつたとすると、一定時間経過後に筆跡
のY値が63%となり紙のY値との差が7%にな
つた場合を50%退色とし、筆跡のY値が70%と
なり紙のY値との差が零となつた場合を100%
退色とした。 第1表からわかるように、本発明による実施例
1のインキは、油性ボールペンインキと同様に鮮
明な線が筆記でき、この筆線は50℃、7日間の強
制試験においても退色することなく、従つて竪牢
な記録を残すインキとして適するものである。こ
れに対して比較例1は、筆記時においては実施例
1と差はないが、経時的に退色してしまうため記
録を安定に残すインキとしては適さない。このこ
とから、顕色剤としてはビスフエノールFよりノ
ボラツク型フエノール樹脂の方が安定な発色、す
なわち竪牢な筆跡を与えることがわかる。また比
較例2、筆記時の筆跡はほとんど無色に近く判読
困難であつた。これは、溶剤として減感作用の強
い極性化合物を用いているため顕色剤と無色染料
との間の発色反応が妨害されたためと考えられ
る。しかしながら溶剤揮散後の筆跡は濃色とな
り、顕色剤としてノボラツク型フエノール樹脂を
使用しているため筆跡の経時的退色はほとんど認
められなかつた。 一方、N−ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重
合体〔室温で固体の減感剤〕7.5部、エタノール
〔溶剤〕89.5部、高分子量ポリビニルピロリドン
3部からなるインキ消去材を油性マーカー(ぺん
てる(株)製M−10)の部品に充填し、上記実施例
1、比較例1、および比較例2で得られた黒色イ
ンキ筆跡を2〜3回こすつたところ、いずれの筆
跡も完全に消去することができた。 実施例 2 ノボラツク型フエノール樹脂「タマノルPA」
30部 フルオラン系無色染料「PSD150」(新日曹化工
(株)製) 25部 β−フエニルエチルアルコール 43部 オレイン酸〔潤滑剤〕 2部 上記配合物を100℃にて1時間加熱溶解せしめ
たのち、過して少量の不溶物を除去し、黒色に
発色した本発明のインキを得た。 このインキを紙(JIS P−3201筆記用紙A)に
へら塗りした試験片を用いて、フエードメーター
に5時間かけたのちの退色度、50℃で7日間放置
後の退色度、および水に10時間浸漬後の色変化を
調べた。結果を第2表に示す。 比較例 3 ノニルフエノール〔顕色剤〕 30部 フルオラン系無色染料「PSD150」 25部 β−フエニルエチルアルコール 43部 オレイン酸〔潤滑剤〕 2部 実施例2におけるノボラツク型フエノール樹脂
の顕色剤をノニルフエノールに代えた他は実施例
2と同様にして、フエードメーターに5時間かけ
たのち退色度、50℃で7日間放置後の退色度、お
よび水に10時間浸漬後の色変化を調べた。これと
同時に、前記比較例1および市販油性ボールペン
インキについても同様に試験した。結果を第2表
に示す。
えることができ、しかも極性化合物からなる減感
剤を用いて筆跡を容易に消去することができる無
色染料−顕色剤系インキに関するものである。 フエノール性水酸基を有する顕色剤とこの顕色
剤によつて発色する無色の電子供与性有機化合物
(無色染料)との間の電子の授受により発色し、
この電子の授受による発色は極性化合物の減感剤
により阻害されて無色化するという可逆反応を利
用した筆記手段が従来から提案されている。例え
ば分子内に顕色成分構造を有する染料(無色染
料)と分子内に酸性を示す水酸基をもつ化合物
(顕色剤)と有極性溶剤(減感剤)とからなる筆
記材料が特公昭48−21649に記載されている。こ
の筆記材料は、筆記直前まで無色であつて筆記後
有極性溶剤の揮発蒸散によりはじめて筆跡が現わ
れるという特殊インキを目指しているものであ
り、書くと同時に筆跡を確認できないため、通常
の筆記具用インキとしては適さない。さらに、特
公昭51−48085には、電子供与性有機化合物(無
色染料)とフエノール性水酸基を有する化合物
(顕色剤)と前記二化合物の呈色反応を減感する
不揮発性の化合物(減感剤)とからなる筆記具用
着色剤が記載されている。かような着色剤による
筆跡は、筆記直後は呈色しているが、筆跡中の顕
色剤を加熱により揮散させたり水で洗い出したり
することにより無色化あるいは変色せしめること
ができるものであり、通常のインキのように経時
的に変色、消色することのない竪牢な安定性のあ
る筆跡を得ることはできない。 そこで本発明者等は、顕色剤とこの顕色剤によ
つて発色する無色染料とを、この発色反応を阻害
しない溶剤に溶解した無色染料−顕色剤系インキ
を用いて筆記すれば、通常の油性インキと同様に
濃色で鮮明な筆跡をもたらすことができること、
このインキ中には発色した無色染料を無色化する
極性化合物の減感剤を含んでいないからその筆跡
は減感剤に起因する経時的な退色や脱色の心配が
ないこと、しかもこの筆跡は減感剤からなる消去
材を用いて容易かつ完全に消去できることを見出
し、すでに特許出願を行なつた(特願昭56−
212257他)。 かような無色染料−顕色剤系インキに使用しう
るフエノール性水酸基を有する顕色剤としては多
くの種類の化合物が考えられるが、筆跡中に存在
する顕色剤の安定性が筆跡の竪牢性に大きく影響
することがその後の研究によつて判明した。そし
て、多数の顕色剤のうち特にノボラツク型フエノ
ール樹脂は外界の熱、光、水等により揮散、除去
されることなく安定に存在するため、筆記時の筆
跡濃度が退色しない竪牢な筆跡を与えることがで
きることを見出した。 さらに、ノボラツク型フエノール樹脂を顕色剤
として用いた場合には、顕色剤と無色染料との溶
剤として芳香族アルコールやエチレングリコール
モノフエニルエーテルが有効に使用できることを
見出した。 本発明は上述のごとき新たな知見に基づいてな
されたものである。すなわち本発明の消去可能な
無色染料−顕色剤系インキは、ノボラツク型フエ
ノール樹脂からなる顕色剤とこの顕色剤によつて
発色する無色の電子供与性有機化合物(無色染
料)とを芳香族アルコールおよび/またはエチレ
ングリコールモノフエニルエーテルからなる溶剤
に溶解してなるものである。 本発明で溶剤として用いられる芳香族アルコー
ルやエチレングリコールモノフエニルエーテルは
極性化合物であるため減感作用を有し、従つて無
色染料−顕色剤系インキにおける発色反応を阻害
するものとして一見したところインキ溶剤として
は使用できないものである。それにも拘わらず、
これらの極性溶剤を本発明において有効な溶剤と
して使用できる理由は次のように推論される。す
なわち、芳香族アルコールやエチレングリコール
モノフエニルエーテルはノボラツク型フエノール
樹脂顕色剤および無色染料をきわめて良好に溶解
して発色反応を促進するため、これら極性溶剤の
もつ減感作用よりも発色反応の方が優位となると
考えられる。また、かような極性溶剤は無色染料
と顕色剤を良好に溶解するため、経時的に不溶物
等が析出する心配のない実用的に良好な物性のイ
ンキが得られる。ノボラツク型フエノール樹脂顕
色剤と併用すれば芳香族アルコールやエチレング
リコールモノフエニルエーテルといつた減感作用
をもつ極性化合物が効果的な溶剤として使用でき
ることは全く予想しえなかつたことである。 前述したように本発明においては顕色剤として
ノボラツク型フエノール樹脂を使用したため、筆
記後に熱、光、水等の外的条件が加わつても退色
や消色することのない安全な竪牢な筆跡を与える
ことができる。ノボラツク型フエノール樹脂以外
のフエノール性水酸基を有する不揮発性顕色剤、
例えばノニルフエノール、2,2−メチレンビス
(4−メチル−6−ターシヤリイブチルフエノー
ル)、ビスフエノールF、フエノール樹脂初期縮
合物等を用いた場合には、無色染料を発色させる
効果はあるが、筆記時の筆跡濃度が経時的に退色
してしまう傾向がある。たとえば、ノニルフエノ
ールのごとき液状顕色剤を用いた場合には、筆跡
中のノニルフエノールが紙に吸収されてしまうた
め室温で1日後に50%以上の退色が認められ、ま
たビスフエノールFを顕色剤として用いた場合に
は1日後に50%以上、1ケ月後には90%以上の退
色が認められる。これに対してノボラツク型フエ
ノール樹脂を用いた場合には、50℃で7日経過後
にも殆ど退色することはない。 本発明で使用される無色染料としては、ノボラ
ツク型フエノール樹脂顕色剤によつて発色する無
色の電子供与性有機化合物が使用できる。例え
ば、クリスタイルバイオレツトラクトン、マラカ
イトグリーンラクトンなどのフタリド系発色性有
機化合物;3−ジメチルアミノ−6−メトキシフ
ルオラン、3,6−ジエトキシフルオラン、1,
2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、2
−アニリノ−3−メチル−6−ピロリンジノ−フ
ルオラン、3′,6′−ビス−(ジエチルアミノ)ス
ピロ−(フタラン−1,9′−キサンチン)、1,1
−ビス−(p−アミノフエニル)−フタランなどの
フルオラン系発色性有機化合物;ジ−β−ナフト
−スピロピラン、キサント−β−ナフト−スピロ
ピラン、ベンゾ−β−ナフト−イソスピロピラン
などのスピロピラン系発色性有機化合物などが使
用できる。 無色染料の使用量は、インキ全量に対して10〜
30重量%程度がインキ濃度、インキの溶解安定性
の面より好ましい。また、ノボラツク型フエノー
ル樹脂顕色剤と無色染料の使用比率は1:3〜
10:1が発色濃度、インキの発色安定性の面より
好ましい。 顕色剤と無色染料を溶解するための溶剤として
本発明においては芳香族アルコールおよび/また
はエチレングリコールモノフエニルエーテルが好
ましく使用できる。前述したようにこれらは減感
作用をもつ極性化合物であるが、顕色剤と無色染
料を極めて良好に溶解するため両者間の発色反応
が促進され、従つて極性溶剤の減感作用に勝る顕
色剤の顕色作用が発現し、濃色かつ鮮明な発色イ
ンキが得られるものと思われる。芳香族アルコー
ルとしては例えばベンジルアルコール、β−フエ
ニルエチルアルコール、3−フエニル−1−プロ
パノール、4−フエニル−2−ブタノール、メチ
ルフエニルカルビノールなどが挙げられる。一
方、グリコール類の中で特にエチレングリコール
モノフエニルエーテルを用いたのは、減感作用が
他のグリコールと比較して弱いためである。これ
らの溶剤は1種を用いても2種以上併用してもよ
い。溶剤の使用量はインキ全量に対して25〜50重
量%程度がインキの安定性、流動性の面から好ま
しい。 また、インキの粘度調節や潤滑性調節のために
慣用されている各種添加剤も必要に応じて適宜選
択して使用することもできる。 次に本発明に使用するインキの製造方法を簡単
に述べると、前記顕色剤、無色染料、溶剤をニー
ダ、三本ロール、加熱撹拌混合機など通常インキ
製造に使用される装置で混合することによつて容
易に得られる。尚、必要に応じて他の添加剤を添
加する場合は上記成分中に加えて同様に混合すれ
ばよい。 かくして得られたインキは、従来から慣用され
ているようなボールペン、フエルトペン、サイン
ペン、マーカー等のインキ収容部に収容してペン
軸に支持させ、そのペン先から浸出するようにし
たペン型の筆類として使用することができる。 以上の説明からわかるように、本発明によるイ
ンキはインキ顕色剤により既に濃く発色している
無色染料を含有しており、しかも減感剤を含んで
いないから、通常の筆記用インキと同様に使用で
き、この筆跡は減感剤を用いて容易にかつ完全に
消去することができる。特に本発明においては、
顕色剤としてノボラツク型フエノール樹脂を用
い、この顕色剤と無色染料を極めて良好に溶解す
る芳香族アルコールおよび/またはエチレングリ
コールモノフエニルエーテルを溶剤として使用し
たため、外界の熱、光、水等に対して竪牢で、経
時的に退色や消色の心配のない安定な筆跡を与え
ることができると同時に、経時的に不溶物等の析
出することのない良好な物性のインキを得ること
ができるのである。 以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさ
らに説明する。なお実施例中の「部」とあるのは
重量部を示す。 実施例 1 ノボラツク型フエノール樹脂「タマノルPA」(荒
川化学(株)製) 30部 フルオラン系無色染料「BK−14」(山田化学工
業(株)製) 20部 ベンジルアルコール 20部 エチレングリコールモノフエニルエーテル 30部 上記配合物を100℃にて1時間加熱溶解せしめ
たのち、過して少量の不溶物を除去し、黒色に
発色した本発明のインキを得た。 このインキをボールペン(JIS S−6039−1980
細字用E型)に充填し、紙(JIS P−3201筆記用
紙A)に線を書いて、筆記時の筆跡を調べ、また
この筆跡を50℃で7日間放置したときの経時的変
化を調べた。結果を第1表に示す。 比較例 1 ビスフエノールF〔顕色剤〕 30部 フルオラン系無色染料「BK−14」 20部 ベンジルアルコール 20部 エチレングリコールモノフエニルエーテル 30部 実施例1におけるノボラツク型フエノール樹脂
の顕色剤をビスフエノールFに代えた他は実施例
1と同様にして、筆記時の筆跡とその経時的変化
を調べた。結果を第1表に示す。 比較例 2 ノボラツク型フエノール樹脂 「タマノルPA」 30部 フルオラン系無色染料「BK−14」 20部 ジエチレングリコールモノフエニルエーテル30部 実施例1におけるベンジルアルコールおよびエ
チレングリコールモノフエニルエーテルの溶剤を
ジエチレングリコールモノブチルエーテルに代え
た他は実施例1と同様にして、筆記時の筆跡とそ
の経時的変化を調べた。結果を第1表に示す。 第1表 50℃ 筆記時の筆跡 7日間放置後 実施例1 鮮明な黒色の線 殆ど変化なし 比較例1 鮮明な黒色の線 90%程度退色* 比較例2 殆ど無色 黒色の線 註*ハンター色差計によるY値(反射率)の測定
によつて算出したもの。例えば紙のY値が70
%、筆記直後の筆跡のY値が56%、両者の差が
14%であつたとすると、一定時間経過後に筆跡
のY値が63%となり紙のY値との差が7%にな
つた場合を50%退色とし、筆跡のY値が70%と
なり紙のY値との差が零となつた場合を100%
退色とした。 第1表からわかるように、本発明による実施例
1のインキは、油性ボールペンインキと同様に鮮
明な線が筆記でき、この筆線は50℃、7日間の強
制試験においても退色することなく、従つて竪牢
な記録を残すインキとして適するものである。こ
れに対して比較例1は、筆記時においては実施例
1と差はないが、経時的に退色してしまうため記
録を安定に残すインキとしては適さない。このこ
とから、顕色剤としてはビスフエノールFよりノ
ボラツク型フエノール樹脂の方が安定な発色、す
なわち竪牢な筆跡を与えることがわかる。また比
較例2、筆記時の筆跡はほとんど無色に近く判読
困難であつた。これは、溶剤として減感作用の強
い極性化合物を用いているため顕色剤と無色染料
との間の発色反応が妨害されたためと考えられ
る。しかしながら溶剤揮散後の筆跡は濃色とな
り、顕色剤としてノボラツク型フエノール樹脂を
使用しているため筆跡の経時的退色はほとんど認
められなかつた。 一方、N−ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重
合体〔室温で固体の減感剤〕7.5部、エタノール
〔溶剤〕89.5部、高分子量ポリビニルピロリドン
3部からなるインキ消去材を油性マーカー(ぺん
てる(株)製M−10)の部品に充填し、上記実施例
1、比較例1、および比較例2で得られた黒色イ
ンキ筆跡を2〜3回こすつたところ、いずれの筆
跡も完全に消去することができた。 実施例 2 ノボラツク型フエノール樹脂「タマノルPA」
30部 フルオラン系無色染料「PSD150」(新日曹化工
(株)製) 25部 β−フエニルエチルアルコール 43部 オレイン酸〔潤滑剤〕 2部 上記配合物を100℃にて1時間加熱溶解せしめ
たのち、過して少量の不溶物を除去し、黒色に
発色した本発明のインキを得た。 このインキを紙(JIS P−3201筆記用紙A)に
へら塗りした試験片を用いて、フエードメーター
に5時間かけたのちの退色度、50℃で7日間放置
後の退色度、および水に10時間浸漬後の色変化を
調べた。結果を第2表に示す。 比較例 3 ノニルフエノール〔顕色剤〕 30部 フルオラン系無色染料「PSD150」 25部 β−フエニルエチルアルコール 43部 オレイン酸〔潤滑剤〕 2部 実施例2におけるノボラツク型フエノール樹脂
の顕色剤をノニルフエノールに代えた他は実施例
2と同様にして、フエードメーターに5時間かけ
たのち退色度、50℃で7日間放置後の退色度、お
よび水に10時間浸漬後の色変化を調べた。これと
同時に、前記比較例1および市販油性ボールペン
インキについても同様に試験した。結果を第2表
に示す。
【表】
ルペン
第2表からわかるように、本発明による実施例
2のインキの退色度は市販の油性ボールペンにほ
ぼ匹敵し、水10時間浸漬後の色変化においては、
市販油性ボールペンよりも優れた竪牢性を示し
た。これに対して比較例1および3のインキは退
色しやすく、竪牢な筆跡を得ることはできなかつ
た。 なお、前記したインキ消去材を用いて実施例2
および比較例3で得られた黒色インキ筆跡を2〜
3回こすつたところ、いずれの筆跡も完全に消去
することができた。
第2表からわかるように、本発明による実施例
2のインキの退色度は市販の油性ボールペンにほ
ぼ匹敵し、水10時間浸漬後の色変化においては、
市販油性ボールペンよりも優れた竪牢性を示し
た。これに対して比較例1および3のインキは退
色しやすく、竪牢な筆跡を得ることはできなかつ
た。 なお、前記したインキ消去材を用いて実施例2
および比較例3で得られた黒色インキ筆跡を2〜
3回こすつたところ、いずれの筆跡も完全に消去
することができた。
Claims (1)
- 1 ノボラツク型フエノール樹脂からなる顕色剤
とこの顕色剤によつて発色する無色の電子供与性
有機化合物とを芳香族アルコールおよび/または
エチレングリコールモノフエニルエーテルからな
る溶剤に溶解してなる無色染料−顕色剤系イン
キ。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57100050A JPS58217566A (ja) | 1982-06-11 | 1982-06-11 | 消去可能な無色染料−顕色剤系インキ |
| GB08236248A GB2116577B (en) | 1981-12-25 | 1982-12-21 | Ink and eraser of ink |
| US06/452,050 US4557618A (en) | 1981-12-25 | 1982-12-22 | Ink and eraser of the ink |
| DE19823247804 DE3247804A1 (de) | 1981-12-25 | 1982-12-23 | Tinte und loescher fuer die tinte |
| FR8221755A FR2547827A1 (en) | 1981-12-25 | 1982-12-24 | Ink and eradicator for this ink |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57100050A JPS58217566A (ja) | 1982-06-11 | 1982-06-11 | 消去可能な無色染料−顕色剤系インキ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58217566A JPS58217566A (ja) | 1983-12-17 |
| JPH0352502B2 true JPH0352502B2 (ja) | 1991-08-12 |
Family
ID=14263667
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57100050A Granted JPS58217566A (ja) | 1981-12-25 | 1982-06-11 | 消去可能な無色染料−顕色剤系インキ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58217566A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6114271A (ja) * | 1984-06-29 | 1986-01-22 | Pentel Kk | 二重発色インキ |
| US6329317B1 (en) * | 1998-01-23 | 2001-12-11 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Decoloring method of decolorizable image forming material |
| JP3315360B2 (ja) * | 1998-01-23 | 2002-08-19 | 株式会社東芝 | 消去可能な画像形成材料の消去方法 |
| US8512461B2 (en) * | 2010-04-26 | 2013-08-20 | Toshiba Tec Kabushiki Kaisha | Inkjet ink and inkjet ink manufacturing method |
Family Cites Families (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6015667B2 (ja) * | 1974-01-22 | 1985-04-20 | パイロツトインキ株式会社 | 熱変色性材料 |
| JPS6031235B2 (ja) * | 1974-01-24 | 1985-07-20 | パイロツトインキ株式会社 | 感熱変色性材料 |
| JPS6015668B2 (ja) * | 1974-09-11 | 1985-04-20 | パイロツトインキ株式会社 | 熱変色性組成物 |
| JPS5144709A (ja) * | 1974-10-16 | 1976-04-16 | Osaki Toshio | Rootariipisutonenjin |
| JPS558286Y2 (ja) * | 1974-11-20 | 1980-02-23 | ||
| JPS5230272A (en) * | 1975-09-03 | 1977-03-07 | Nitto Electric Ind Co Ltd | Reverse osmosis separation apparatus |
| JPS55179055U (ja) * | 1979-06-07 | 1980-12-23 | ||
| JPS5642479A (en) * | 1979-09-13 | 1981-04-20 | Hochiki Corp | Television interphone device |
-
1982
- 1982-06-11 JP JP57100050A patent/JPS58217566A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58217566A (ja) | 1983-12-17 |
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