JPH0410730B2 - - Google Patents
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- JPH0410730B2 JPH0410730B2 JP17435484A JP17435484A JPH0410730B2 JP H0410730 B2 JPH0410730 B2 JP H0410730B2 JP 17435484 A JP17435484 A JP 17435484A JP 17435484 A JP17435484 A JP 17435484A JP H0410730 B2 JPH0410730 B2 JP H0410730B2
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Landscapes
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
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- Fuel Cell (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
この発明は、固体電解コンデンサに係るもの
で、特に有機物半導体からなる固体電解質の改良
に関するものである。 〔従来の技術〕 固体電解コンデンサは、アルミニウム、タンタ
ル等の被膜形成性金属を陽極に用い、この陽極を
拡面化するために箔状の陽極体の表面をエツチン
グ処理あるいは、前記金属の粉末物を焼結して多
孔質化させ、この表面に誘電体となる酸化被膜層
を陽極酸化処理等の手段により形成し、さらにこ
の上面に固体電解質層を形成し、さらにこの固体
電解質層から陰極引出しのための電気的接続手段
を具備して構成されている。 この固体電解質層には、従来は二酸化マンガン
が用いられていた。この二酸化マンガンを誘電体
酸化被膜層の上に形成する手段としては、液状の
硝酸マンガン中に陽極電極を含浸し、その後30℃
前後の温度で硝酸マンガンを熱分解して二酸化マ
ンガンに変性させていた。 しかし、この方法の電解質形成は、一度の工程
での二酸化マンガンの付着は僅かであるため、同
じ処理を数度ないし十数度繰り返す必要があつ
た。 このため、製造工程が極めて複雑になるととも
に、熱分解時の高温や発生ガスにより、誘電体酸
化被膜を劣化させてしまう欠点があつた。 そこで最近は、この二酸化マンガンに代えて、
導電性の有機物を電解質として用いることが提案
されている。 この有機物電解質として、知られているのがテ
トラシアノキノジメタン(以下TCNQという)
の各種錯塩を用いたものである。 TCNQ錯塩は、有機物でありながら適度の電
導度を持ち、固体電解コンデンサの電解質層に好
適なものとして、その使用が試みられている。 TCNQ錯塩は、常温で固形物であるので、こ
れを電解質として、誘電体酸化被膜上にいかに付
着させるかが課題となる。 例えば、従来から提案されているものとして、
(米国特許第3214648号)などにみられるように、
有機溶媒中にTCNQ錯塩を溶解し、この溶液中
に陽極体を含浸し、その後溶液から引き上げ、有
機溶媒を蒸発させて陽極体の表面にTCNQ錯塩
層を形成することが知られている。しかしこの方
法では、溶媒中のTCNQ錯塩の濃度が低いこと
から、一度の含浸では十分なTCNQ錯塩を付着
させることができず、二酸化マンガン層の形成と
同様にこの工程を数度ないし十数度繰り返す必要
があり、製造工程の複雑さは回避できなかつた。 また、(特公昭51−32303号)のように、高分子
物質と、TCNQ錯塩の微粉末とからなる分散体
を電極表面に付着させる方法も提案されている。 しかしこれらの方法では、溶媒の蒸発後
TCNQ錯塩が結晶化したり、あるいはTCNQ錯
塩が結晶状態のまま分散しているので、拡面化処
理された複雑な凹凸を持つ陽極体表面の誘電体酸
化被膜との間に十分な接触が得られず、所望の静
電容量をえることができない欠点があつた。 最近では(特開昭57−173928号)のごとく、
TCNQ錯塩のみをその融点以上に加熱融解し、
ここに陽極体を含浸し、その後引き上げて冷却
し、TCNQ錯塩を付着させた固体電解コンデン
サが提案されている。 この方法で作成された固体電解コンデンサは、
濃度の高いTCNQ錯塩自体を陽極体に付着させ
るので、一度の含浸作業で十分なTCNQ錯塩層
を形成することができる。 しかし、この方法による固体電解質層は、前述
したように、TCNQ錯塩が結晶化しており、誘
電体酸化被膜層との十分な接触がとれず所望の静
電容量を得ることができない。 しかも、TCNQ錯塩自体、加熱に極めて弱く、
溶融状態を維持すると短時間で熱分解を起こし、
絶縁体と化してしまう。またTCNQ錯塩の中に
は融点に達しない温度から熱分解を起こし、実質
的にこの方法による固体電解質層の形成できない
ものもある。例えばイソプロピル−イソキノリニ
ウムTCNQ錯塩は、加熱融解による含浸が可能
であるが、溶融状態を維持できる時間は極めて僅
かである。また、メチルイソキノリニウム
TCNQ錯塩、4,4′−ジメチルビピリジニウム
TCNQ錯塩、4,4′−イソプロピルビピリジニウ
ムTCNQ錯塩などは融解前の加熱段階から熱分
解を起こし、融解による電解質含浸は実質的に不
可能である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この発明は、このような従来の欠点を改良した
もので、従来溶融含浸不能なTCNQ錯塩あるい
は溶融含浸可能であつても極めて僅かな時間のう
ちに含浸作業を終わらせなければならない
TCNQ錯塩を固体電解質として、陽極体表面に
形成させるとともに、TCNQ錯塩の含浸後の結
晶化による誘電体酸化被膜との接触の不充分さを
改善し、含浸効率の高い、優れた特性を有する固
体電解コンデンサを得ることを目的としたもので
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明は、陽極金属表面に誘導体酸化被膜を
形成し、さらにこの上面に固体電解質層が形成さ
れた固体電解コンデンサにおいて、前記固体電解
質層が、イソプロピル−イソキノリニウム、メチ
ルイソキノリニウム、4,4′−ジメチルビピリジ
ニウム、4,4′−イソプロピルビピリジニウムの
群から選ばれた、いずれか一種もしくは二種以上
とTCNQそからなる錯塩に、スルホランを添加
した混合物を融解固化させて形成されたものであ
ることを特徴とする固体電解コンデンサである。 以下この発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。 〔実施例〕 まず、この発明による固体電解コンデンサを、
その製造手順の一例にそつて説明する。 第1図は、この実施例により作られた完成状態
の固体電解コンデンサをあらわした断面図であ
り、第2図はこの実施例で用いた陽極体、すなわ
ちコンデンサ素子をあらわしている。 第2図のコンデンサ素子1は、帯状の電極体を
巻回して形成されており、陽極2は、高純度のア
ルミニウム箔からなつている。この陽極2には、
表面に誘電体酸化被膜が陽極酸化処理により、形
成されている。 そして、この帯状の陽極2は、ほぼ同じ大きさ
の集電極3を対抗配置し、陽極2と集電極3との
間には、これら電極2,3より僅かに幅の広いセ
パレータ紙4を挟み込んだものを、一方端から巻
回して円筒状のコンデンサ素子1としている。な
お陽極2、集電極3の各々には、外部との電気的
接続を得るためのタブ5,6が熔接等の手段によ
り接続され、一方の端面から並行して突出してい
る。そしてさらにこれらのタブの先端には、外部
リード7,8が熔接により接続されている。 第3図は、前記コンデンサ素子1に固体電解質
層を含浸させる一例を示したもので、図の左側に
は予備加熱ブロツク10が置かれている。この予
備加熱ブロツク10は、内部に加熱用のヒーター
が埋設され、上面に凹部11が設けられており、
コンデンサ素子1を凹部11内に載置してコンデ
ンサ素子1を予め加熱し、高温状態を維持させて
おく。 次に、同図右側には、含浸用ブロツク12が置
かれており、この含浸用ブロツク12も内部に加
熱用ヒーターが埋め込まれ、上面には凹部13が
形成されている。そしてこの凹部13には、
TCNQ錯塩と添加物であるスルホランとからな
る粉末の混合物14が注入され、加熱により前記
混合物14が融解する。そしてここへ、予備加熱
ブロツク10に待機させておいたコンデンサ素子
1を移動させ所定時間含浸を行い、その後コンデ
ンサ素子1を凹部13から引き上げ、自然冷却に
より液状の混合物14を固化させて固体電解質層
を形成する。 このようにして、固体電解質層の形成されたコ
ンデンサ素子1は、第1図に示すように、有底筒
状の外装ケース20に収納し、外装ケース20の
開口端部を弾性封口体21で閉じ、外装ケース2
0の開口端を巻き締めして密封を行う。なお、コ
ンデンサ素子1から引き出されされた外部リード
7,8は前記弾性封口体21に設けられた貫通孔
から外部に突出し、コンデンサ素子1と外部との
電気的接続がおこなえるようになつている。 次に、上記のような手順により実際の固体電解
コンデンサを作製し、その特性を求めた結果を示
す。 まずコンデンサ素子として、幅2.2mm、長さ10
mm、厚さ80μmの高純度(99.99%)のアルミニウ
ム箔を陽極として準備し、この陽極の表面を交流
電流による電解エツチングにより拡面化させた
後、その表面に耐電圧9Vの誘電体酸化皮膜を陽
極酸化処理により形成した。そして集電用電極と
して、前記陽極と同じ大きさのアルミニウム(純
度99.94%)箔を対抗配置させ、双方の電極の略
中央部に外部引出し用のアルミニウ製タブをコー
ルドウエルドにより接続し、マニラ麻繊維混抄の
セパレータ紙を介在させて第2図のように巻回
し、円筒状にしたものを実施例全てに共通して用
いた。 次に、このコンデンサ素子に比較例1として、
エチレングリコール−アジピン酸アンモニウム系
の電解液を含浸させた。また比較例2ないし5と
して、イソプロピル−イソキノリニウム錯塩、メ
チルイソキノリニウム錯塩、4,4′−ジメチルビ
ピリジニウム錯塩、4,4′−イソプロピルビピリ
ジニウム錯塩の4種類のTCNQ錯塩について
各々の錯塩のみを加熱融解させ、これに前記のコ
ンデンサ素子を前記した含浸装置により含浸させ
てみた。 次にこの発明例1ないし4として、上記四種の
TCNQ錯塩にスルホランを各々添加した混合物
を加熱温度を変化させて前記含浸装置を用いて含
浸をおこなつた。 そして、これらの含浸が終了したコンデンサ素
子を、アルミニウム製の筒状の外装ケース内に収
納し、ケース開口部をゴム製の封口体で閉じ、外
装ケース開口端部を巻締めして密閉し、定格電圧
6.3V、定格容量10μFの電解コンデンサを完成さ
せた。 そしてこれらの電解コンデンサのうち、液体の
電解質を使用した比較例1のものについては、15
分間、他の比較例のうち含浸可能であつたものお
よびこの発明例のものについては1時間、各々の
コンデンサに定格電圧を印加してエージングをお
こなつたのち、電気特性を調べた。 電気特性については、静電容量、損失角の正
接、100KHzにおける等価直列抵抗値、および定
格電圧印加2分後の漏れ電流について測定し、
各々の特性を比較した。
で、特に有機物半導体からなる固体電解質の改良
に関するものである。 〔従来の技術〕 固体電解コンデンサは、アルミニウム、タンタ
ル等の被膜形成性金属を陽極に用い、この陽極を
拡面化するために箔状の陽極体の表面をエツチン
グ処理あるいは、前記金属の粉末物を焼結して多
孔質化させ、この表面に誘電体となる酸化被膜層
を陽極酸化処理等の手段により形成し、さらにこ
の上面に固体電解質層を形成し、さらにこの固体
電解質層から陰極引出しのための電気的接続手段
を具備して構成されている。 この固体電解質層には、従来は二酸化マンガン
が用いられていた。この二酸化マンガンを誘電体
酸化被膜層の上に形成する手段としては、液状の
硝酸マンガン中に陽極電極を含浸し、その後30℃
前後の温度で硝酸マンガンを熱分解して二酸化マ
ンガンに変性させていた。 しかし、この方法の電解質形成は、一度の工程
での二酸化マンガンの付着は僅かであるため、同
じ処理を数度ないし十数度繰り返す必要があつ
た。 このため、製造工程が極めて複雑になるととも
に、熱分解時の高温や発生ガスにより、誘電体酸
化被膜を劣化させてしまう欠点があつた。 そこで最近は、この二酸化マンガンに代えて、
導電性の有機物を電解質として用いることが提案
されている。 この有機物電解質として、知られているのがテ
トラシアノキノジメタン(以下TCNQという)
の各種錯塩を用いたものである。 TCNQ錯塩は、有機物でありながら適度の電
導度を持ち、固体電解コンデンサの電解質層に好
適なものとして、その使用が試みられている。 TCNQ錯塩は、常温で固形物であるので、こ
れを電解質として、誘電体酸化被膜上にいかに付
着させるかが課題となる。 例えば、従来から提案されているものとして、
(米国特許第3214648号)などにみられるように、
有機溶媒中にTCNQ錯塩を溶解し、この溶液中
に陽極体を含浸し、その後溶液から引き上げ、有
機溶媒を蒸発させて陽極体の表面にTCNQ錯塩
層を形成することが知られている。しかしこの方
法では、溶媒中のTCNQ錯塩の濃度が低いこと
から、一度の含浸では十分なTCNQ錯塩を付着
させることができず、二酸化マンガン層の形成と
同様にこの工程を数度ないし十数度繰り返す必要
があり、製造工程の複雑さは回避できなかつた。 また、(特公昭51−32303号)のように、高分子
物質と、TCNQ錯塩の微粉末とからなる分散体
を電極表面に付着させる方法も提案されている。 しかしこれらの方法では、溶媒の蒸発後
TCNQ錯塩が結晶化したり、あるいはTCNQ錯
塩が結晶状態のまま分散しているので、拡面化処
理された複雑な凹凸を持つ陽極体表面の誘電体酸
化被膜との間に十分な接触が得られず、所望の静
電容量をえることができない欠点があつた。 最近では(特開昭57−173928号)のごとく、
TCNQ錯塩のみをその融点以上に加熱融解し、
ここに陽極体を含浸し、その後引き上げて冷却
し、TCNQ錯塩を付着させた固体電解コンデン
サが提案されている。 この方法で作成された固体電解コンデンサは、
濃度の高いTCNQ錯塩自体を陽極体に付着させ
るので、一度の含浸作業で十分なTCNQ錯塩層
を形成することができる。 しかし、この方法による固体電解質層は、前述
したように、TCNQ錯塩が結晶化しており、誘
電体酸化被膜層との十分な接触がとれず所望の静
電容量を得ることができない。 しかも、TCNQ錯塩自体、加熱に極めて弱く、
溶融状態を維持すると短時間で熱分解を起こし、
絶縁体と化してしまう。またTCNQ錯塩の中に
は融点に達しない温度から熱分解を起こし、実質
的にこの方法による固体電解質層の形成できない
ものもある。例えばイソプロピル−イソキノリニ
ウムTCNQ錯塩は、加熱融解による含浸が可能
であるが、溶融状態を維持できる時間は極めて僅
かである。また、メチルイソキノリニウム
TCNQ錯塩、4,4′−ジメチルビピリジニウム
TCNQ錯塩、4,4′−イソプロピルビピリジニウ
ムTCNQ錯塩などは融解前の加熱段階から熱分
解を起こし、融解による電解質含浸は実質的に不
可能である。 〔発明が解決しようとする問題点〕 この発明は、このような従来の欠点を改良した
もので、従来溶融含浸不能なTCNQ錯塩あるい
は溶融含浸可能であつても極めて僅かな時間のう
ちに含浸作業を終わらせなければならない
TCNQ錯塩を固体電解質として、陽極体表面に
形成させるとともに、TCNQ錯塩の含浸後の結
晶化による誘電体酸化被膜との接触の不充分さを
改善し、含浸効率の高い、優れた特性を有する固
体電解コンデンサを得ることを目的としたもので
ある。 〔問題点を解決するための手段〕 この発明は、陽極金属表面に誘導体酸化被膜を
形成し、さらにこの上面に固体電解質層が形成さ
れた固体電解コンデンサにおいて、前記固体電解
質層が、イソプロピル−イソキノリニウム、メチ
ルイソキノリニウム、4,4′−ジメチルビピリジ
ニウム、4,4′−イソプロピルビピリジニウムの
群から選ばれた、いずれか一種もしくは二種以上
とTCNQそからなる錯塩に、スルホランを添加
した混合物を融解固化させて形成されたものであ
ることを特徴とする固体電解コンデンサである。 以下この発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。 〔実施例〕 まず、この発明による固体電解コンデンサを、
その製造手順の一例にそつて説明する。 第1図は、この実施例により作られた完成状態
の固体電解コンデンサをあらわした断面図であ
り、第2図はこの実施例で用いた陽極体、すなわ
ちコンデンサ素子をあらわしている。 第2図のコンデンサ素子1は、帯状の電極体を
巻回して形成されており、陽極2は、高純度のア
ルミニウム箔からなつている。この陽極2には、
表面に誘電体酸化被膜が陽極酸化処理により、形
成されている。 そして、この帯状の陽極2は、ほぼ同じ大きさ
の集電極3を対抗配置し、陽極2と集電極3との
間には、これら電極2,3より僅かに幅の広いセ
パレータ紙4を挟み込んだものを、一方端から巻
回して円筒状のコンデンサ素子1としている。な
お陽極2、集電極3の各々には、外部との電気的
接続を得るためのタブ5,6が熔接等の手段によ
り接続され、一方の端面から並行して突出してい
る。そしてさらにこれらのタブの先端には、外部
リード7,8が熔接により接続されている。 第3図は、前記コンデンサ素子1に固体電解質
層を含浸させる一例を示したもので、図の左側に
は予備加熱ブロツク10が置かれている。この予
備加熱ブロツク10は、内部に加熱用のヒーター
が埋設され、上面に凹部11が設けられており、
コンデンサ素子1を凹部11内に載置してコンデ
ンサ素子1を予め加熱し、高温状態を維持させて
おく。 次に、同図右側には、含浸用ブロツク12が置
かれており、この含浸用ブロツク12も内部に加
熱用ヒーターが埋め込まれ、上面には凹部13が
形成されている。そしてこの凹部13には、
TCNQ錯塩と添加物であるスルホランとからな
る粉末の混合物14が注入され、加熱により前記
混合物14が融解する。そしてここへ、予備加熱
ブロツク10に待機させておいたコンデンサ素子
1を移動させ所定時間含浸を行い、その後コンデ
ンサ素子1を凹部13から引き上げ、自然冷却に
より液状の混合物14を固化させて固体電解質層
を形成する。 このようにして、固体電解質層の形成されたコ
ンデンサ素子1は、第1図に示すように、有底筒
状の外装ケース20に収納し、外装ケース20の
開口端部を弾性封口体21で閉じ、外装ケース2
0の開口端を巻き締めして密封を行う。なお、コ
ンデンサ素子1から引き出されされた外部リード
7,8は前記弾性封口体21に設けられた貫通孔
から外部に突出し、コンデンサ素子1と外部との
電気的接続がおこなえるようになつている。 次に、上記のような手順により実際の固体電解
コンデンサを作製し、その特性を求めた結果を示
す。 まずコンデンサ素子として、幅2.2mm、長さ10
mm、厚さ80μmの高純度(99.99%)のアルミニウ
ム箔を陽極として準備し、この陽極の表面を交流
電流による電解エツチングにより拡面化させた
後、その表面に耐電圧9Vの誘電体酸化皮膜を陽
極酸化処理により形成した。そして集電用電極と
して、前記陽極と同じ大きさのアルミニウム(純
度99.94%)箔を対抗配置させ、双方の電極の略
中央部に外部引出し用のアルミニウ製タブをコー
ルドウエルドにより接続し、マニラ麻繊維混抄の
セパレータ紙を介在させて第2図のように巻回
し、円筒状にしたものを実施例全てに共通して用
いた。 次に、このコンデンサ素子に比較例1として、
エチレングリコール−アジピン酸アンモニウム系
の電解液を含浸させた。また比較例2ないし5と
して、イソプロピル−イソキノリニウム錯塩、メ
チルイソキノリニウム錯塩、4,4′−ジメチルビ
ピリジニウム錯塩、4,4′−イソプロピルビピリ
ジニウム錯塩の4種類のTCNQ錯塩について
各々の錯塩のみを加熱融解させ、これに前記のコ
ンデンサ素子を前記した含浸装置により含浸させ
てみた。 次にこの発明例1ないし4として、上記四種の
TCNQ錯塩にスルホランを各々添加した混合物
を加熱温度を変化させて前記含浸装置を用いて含
浸をおこなつた。 そして、これらの含浸が終了したコンデンサ素
子を、アルミニウム製の筒状の外装ケース内に収
納し、ケース開口部をゴム製の封口体で閉じ、外
装ケース開口端部を巻締めして密閉し、定格電圧
6.3V、定格容量10μFの電解コンデンサを完成さ
せた。 そしてこれらの電解コンデンサのうち、液体の
電解質を使用した比較例1のものについては、15
分間、他の比較例のうち含浸可能であつたものお
よびこの発明例のものについては1時間、各々の
コンデンサに定格電圧を印加してエージングをお
こなつたのち、電気特性を調べた。 電気特性については、静電容量、損失角の正
接、100KHzにおける等価直列抵抗値、および定
格電圧印加2分後の漏れ電流について測定し、
各々の特性を比較した。
これらの実施例の結果をみると、比較例1で示
した液体の電解質を用いた通常の乾式電解コンデ
ンサは、電解質が液体の状態でコンデンサ素子の
内部に保持されるので、陽極の拡面化のために形
成されたエツチング処理による微細なエツチング
孔(ピツト)の内部まで電解質が浸透し、誘電体
酸化皮膜との接触が十分におこなわれ高い静電容
量値を示す。 しかし、電解液の比抵抗値は、TCNQ錯塩の
比抵抗値が数十Ω・cm程度であるのに対し、200
−300Ω・cmと高いため、損失値あるいは等価直
列抵抗値が高くなつている。 また比較例としてあげたTCNQ錯塩のみを加
熱溶解し含浸させたものは、比較例2のイソプロ
ピル−イソキノリニウムTCNQ錯塩のみが加熱
融解による含浸が可能で、比較例3なしい5の他
のTCNQ錯塩を用いたものは、いずれも溶融状
態に至る前に熱分解をおこし、含浸が不能であつ
た。また含浸可能であつた前記比較例2の特性を
みると、損失、等価直列抵抗については、前述の
ように、TCNQ錯塩の比抵抗値が電解液に比べ
て低いので、優れた特性を得ているが、静電容量
値については十分なものが得られていない。 この理由については明確ではないが、TCNQ
錯塩のみの加熱融解の場合、TCNQ錯塩が陽極
のエツチングピツトの内部まで一応は浸透するも
のの、その後の冷却固化の際、TCNQ錯塩が針
状結晶化し、静電容量を形成するエツチングピツ
ト内の誘電体酸化皮膜との接触が一部分でしたお
こなわれないためと考えられる。 一方、この発明の固体電解コンデンサは、発明
例1ないし4の特性からも明らかなように、いず
れについても、比較例2と比べて大きな静電容量
値を示す。これは、この発明の固体電解質が
TCNQ錯塩とスルホランとの混合物であるため、
融解含浸後の冷却時に結晶化が妨げられ、非晶質
の状態でエツチングピツト内に残留するので、誘
電体酸化皮膜との接触が十分に保たれるためと考
えられる。 また一部のTCNQ錯塩が結晶化しても、結晶
体の間にスルホランが介在することにより、結晶
間の電導が得られ静電容量が確保されるものと考
えられる。 このことは、集電極側との接触においても同様
の理由で優れた電導度が得られ、特性の向上に寄
与する。 本実施例は、陽極に箔状のアルミニウムを用
い、この表面を拡面処理後、誘電体酸化被膜を形
成したものと、集電用電極とをセパレータ紙を介
在させ巻回したコンデンサ素子を用いたが、コン
デンサ素子は、このような構造のものに限定され
るものではなく、陽極を構成する金属がタンタル
等の他の被膜形成性の金属あるいはそれらの合金
体であつてもよい。またこのような巻回構造に限
らず、被膜形成性金属粉末を焼結した多孔質体で
あつてもよい。また、巻回構造であつても、セパ
レータ紙を省略したもの、集電極にアルミニウム
以外の金属さらには、耐熱性の導電樹脂フイルム
等を使用したものであつてもよい。 また、外装構造についても、本実施例では金属
製の外装ケースに収納したものを例示したが、外
装体は、樹脂ケース、樹脂をデイツプあるいはモ
ールドしたもの、ラミネートフイルムによる外装
などを用いたものであつても、この発明を逸脱す
るものではない。 〔効果〕 以上述べたようにこの発明によれば、固体電解
質層をTCNQ錯塩とスルホランとの混合物を加
熱溶融含浸して形成できるので、従来加熱溶融に
より含浸が不可能であつたTCNQ錯塩を用いる
ことができる。 また、加熱溶融含浸が可能であつたTCNQ錯
塩についても、その溶融温度が低くなるので熱分
解するまでの時間が延長され、特性の劣化が防止
できるとともに、含浸が容易になる。 また、この発明によれば、TCNQ錯塩の含浸
率が向上し、単位体積あたりの静電容量値を高め
ることができるので、固体電解コンデンサの小型
化にも寄与する。 さらには、TCNQ錯塩が誘電体酸化被膜と十
分に接しているので、損失の少ない、インピーダ
ンス特性に優れた固体電解コンデンサを得ること
ができ、固体電解コンデンサの特性向上に極めて
有益なものである。
した液体の電解質を用いた通常の乾式電解コンデ
ンサは、電解質が液体の状態でコンデンサ素子の
内部に保持されるので、陽極の拡面化のために形
成されたエツチング処理による微細なエツチング
孔(ピツト)の内部まで電解質が浸透し、誘電体
酸化皮膜との接触が十分におこなわれ高い静電容
量値を示す。 しかし、電解液の比抵抗値は、TCNQ錯塩の
比抵抗値が数十Ω・cm程度であるのに対し、200
−300Ω・cmと高いため、損失値あるいは等価直
列抵抗値が高くなつている。 また比較例としてあげたTCNQ錯塩のみを加
熱溶解し含浸させたものは、比較例2のイソプロ
ピル−イソキノリニウムTCNQ錯塩のみが加熱
融解による含浸が可能で、比較例3なしい5の他
のTCNQ錯塩を用いたものは、いずれも溶融状
態に至る前に熱分解をおこし、含浸が不能であつ
た。また含浸可能であつた前記比較例2の特性を
みると、損失、等価直列抵抗については、前述の
ように、TCNQ錯塩の比抵抗値が電解液に比べ
て低いので、優れた特性を得ているが、静電容量
値については十分なものが得られていない。 この理由については明確ではないが、TCNQ
錯塩のみの加熱融解の場合、TCNQ錯塩が陽極
のエツチングピツトの内部まで一応は浸透するも
のの、その後の冷却固化の際、TCNQ錯塩が針
状結晶化し、静電容量を形成するエツチングピツ
ト内の誘電体酸化皮膜との接触が一部分でしたお
こなわれないためと考えられる。 一方、この発明の固体電解コンデンサは、発明
例1ないし4の特性からも明らかなように、いず
れについても、比較例2と比べて大きな静電容量
値を示す。これは、この発明の固体電解質が
TCNQ錯塩とスルホランとの混合物であるため、
融解含浸後の冷却時に結晶化が妨げられ、非晶質
の状態でエツチングピツト内に残留するので、誘
電体酸化皮膜との接触が十分に保たれるためと考
えられる。 また一部のTCNQ錯塩が結晶化しても、結晶
体の間にスルホランが介在することにより、結晶
間の電導が得られ静電容量が確保されるものと考
えられる。 このことは、集電極側との接触においても同様
の理由で優れた電導度が得られ、特性の向上に寄
与する。 本実施例は、陽極に箔状のアルミニウムを用
い、この表面を拡面処理後、誘電体酸化被膜を形
成したものと、集電用電極とをセパレータ紙を介
在させ巻回したコンデンサ素子を用いたが、コン
デンサ素子は、このような構造のものに限定され
るものではなく、陽極を構成する金属がタンタル
等の他の被膜形成性の金属あるいはそれらの合金
体であつてもよい。またこのような巻回構造に限
らず、被膜形成性金属粉末を焼結した多孔質体で
あつてもよい。また、巻回構造であつても、セパ
レータ紙を省略したもの、集電極にアルミニウム
以外の金属さらには、耐熱性の導電樹脂フイルム
等を使用したものであつてもよい。 また、外装構造についても、本実施例では金属
製の外装ケースに収納したものを例示したが、外
装体は、樹脂ケース、樹脂をデイツプあるいはモ
ールドしたもの、ラミネートフイルムによる外装
などを用いたものであつても、この発明を逸脱す
るものではない。 〔効果〕 以上述べたようにこの発明によれば、固体電解
質層をTCNQ錯塩とスルホランとの混合物を加
熱溶融含浸して形成できるので、従来加熱溶融に
より含浸が不可能であつたTCNQ錯塩を用いる
ことができる。 また、加熱溶融含浸が可能であつたTCNQ錯
塩についても、その溶融温度が低くなるので熱分
解するまでの時間が延長され、特性の劣化が防止
できるとともに、含浸が容易になる。 また、この発明によれば、TCNQ錯塩の含浸
率が向上し、単位体積あたりの静電容量値を高め
ることができるので、固体電解コンデンサの小型
化にも寄与する。 さらには、TCNQ錯塩が誘電体酸化被膜と十
分に接しているので、損失の少ない、インピーダ
ンス特性に優れた固体電解コンデンサを得ること
ができ、固体電解コンデンサの特性向上に極めて
有益なものである。
第1図は、この発明の固体電解コンデンサの完
成状態をあらわした断面図、第2図はこの発明の
実施例で用いたコンデンサ素子の構造をあらわし
た分解斜視図、第3図は、この発明の実施例で用
いた固体電解質の含浸装置をあらわした断面図で
ある。 1……コンデンサ素子、2……陽極、3……集
電極、4……セパレータ紙、5,6……タブ、
7,8……外部リード、10……予備加熱ブロツ
ク、11,13……凹部、12……含浸用ブロツ
ク、14……混合物、20……外装ケース、21
…弾性封口体。
成状態をあらわした断面図、第2図はこの発明の
実施例で用いたコンデンサ素子の構造をあらわし
た分解斜視図、第3図は、この発明の実施例で用
いた固体電解質の含浸装置をあらわした断面図で
ある。 1……コンデンサ素子、2……陽極、3……集
電極、4……セパレータ紙、5,6……タブ、
7,8……外部リード、10……予備加熱ブロツ
ク、11,13……凹部、12……含浸用ブロツ
ク、14……混合物、20……外装ケース、21
…弾性封口体。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 陽極金属表面に誘導体酸化被膜を形成し、さ
らにこの上面に固体電解質層が形成された固体電
解コンデンサにおいて、前記固体電解質層が、テ
トラシアノキノジメタンの錯塩にスルホランを添
加した混合物を融解固化させたものからなること
を特徴とする固体電解コンデンサ。 2 テトラシアノキノジメタンの錯塩が、イソプ
ロピル−イソキノリニウム、メチルイソキノリニ
ウム、4,4′−ジメチルビピリジニウム、4,
4′−イソプロピルビピリジニウムの群から選ばれ
た一種もしくは二種以上とからなる錯塩であると
ころの特許請求の範囲第1項記載の固体電解コン
デンサ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17435484A JPS6151908A (ja) | 1984-08-22 | 1984-08-22 | 固体電解コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17435484A JPS6151908A (ja) | 1984-08-22 | 1984-08-22 | 固体電解コンデンサ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6151908A JPS6151908A (ja) | 1986-03-14 |
| JPH0410730B2 true JPH0410730B2 (ja) | 1992-02-26 |
Family
ID=15977160
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17435484A Granted JPS6151908A (ja) | 1984-08-22 | 1984-08-22 | 固体電解コンデンサ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6151908A (ja) |
-
1984
- 1984-08-22 JP JP17435484A patent/JPS6151908A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6151908A (ja) | 1986-03-14 |
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