JPH0588113B2 - - Google Patents
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- JPH0588113B2 JPH0588113B2 JP59209929A JP20992984A JPH0588113B2 JP H0588113 B2 JPH0588113 B2 JP H0588113B2 JP 59209929 A JP59209929 A JP 59209929A JP 20992984 A JP20992984 A JP 20992984A JP H0588113 B2 JPH0588113 B2 JP H0588113B2
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Description
本発明は、従来酵素法により製造できることの
全く知られていなかつた、リン脂質複素環化合物
誘導体の酵素法による製法に関し、該誘導体は例
えばリポソーム形成基材、乳化剤、生理活性物質
及びそのキヤリヤーなどの分野に有用な、酵素法
リン脂質複素環化合物誘導体の製法に関する。更
に詳しくは、従来酵素法で使用されたキヤベツ由
来のホスホリパーゼD(至適温度40℃以下、至適
PH5.4〜5.6)とは異なつて、至適温度60〜70℃、
至適PH7付近のホスホリパーゼDMの存在下で、
リン脂質とアルコール性水酸基を有する複素環化
合物とを反応させるリン脂質複素環化合物誘導体
の製法に関する。 尚、本発明に於て、リン脂質複素環化合物誘導
体とは、出発物質であるリン脂質のリン酸構造部
分とアルコール構造部分とのエステル結合を、ホ
スホリパーゼDMの作用で加水分解すると同時
に、上記反応に用いるアルコール性水酸基を有す
る複素環化合物を転移させて誘導した、出発物質
とは異なる新しいリン脂質を意味する。 特に、本発明は、下記式()
全く知られていなかつた、リン脂質複素環化合物
誘導体の酵素法による製法に関し、該誘導体は例
えばリポソーム形成基材、乳化剤、生理活性物質
及びそのキヤリヤーなどの分野に有用な、酵素法
リン脂質複素環化合物誘導体の製法に関する。更
に詳しくは、従来酵素法で使用されたキヤベツ由
来のホスホリパーゼD(至適温度40℃以下、至適
PH5.4〜5.6)とは異なつて、至適温度60〜70℃、
至適PH7付近のホスホリパーゼDMの存在下で、
リン脂質とアルコール性水酸基を有する複素環化
合物とを反応させるリン脂質複素環化合物誘導体
の製法に関する。 尚、本発明に於て、リン脂質複素環化合物誘導
体とは、出発物質であるリン脂質のリン酸構造部
分とアルコール構造部分とのエステル結合を、ホ
スホリパーゼDMの作用で加水分解すると同時
に、上記反応に用いるアルコール性水酸基を有す
る複素環化合物を転移させて誘導した、出発物質
とは異なる新しいリン脂質を意味する。 特に、本発明は、下記式()
【式】
式中、Aは下記式(i)又は(ii)
【式】又は
【式】
の基を示し、ここで、R1及びR2は、それぞれ同
一もしくは相異なり、基−O−COR11及び基−O
−R12よりえらばれる基を示し、そして、Aが式
(i)の基を示す場合には、R2はさらにOHであ
ることができ、或いはR1とR2は一緒になつて
一もしくは相異なり、基−O−COR11及び基−O
−R12よりえらばれる基を示し、そして、Aが式
(i)の基を示す場合には、R2はさらにOHであ
ることができ、或いはR1とR2は一緒になつて
【式】
[ここで、nは11〜19の整数を示す]を表わす
ことができ、R11及びR12は同一もしくは相異な
り、R11は飽和もしくは不飽和のC7〜C21の脂肪
族炭化水素を示し、R12は飽和もしくは不飽和の
C1〜C21の脂肪族炭化水素を示し、 A′はオキシドアニオン又は水酸基を示し、B
は−(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)2NH2、−CH2CH
(NH2)COOH、−(CH2)2NH(CH)3、−(CH2)2N
(CH3)2、−CH2CH(OH)CH2OH、
ことができ、R11及びR12は同一もしくは相異な
り、R11は飽和もしくは不飽和のC7〜C21の脂肪
族炭化水素を示し、R12は飽和もしくは不飽和の
C1〜C21の脂肪族炭化水素を示し、 A′はオキシドアニオン又は水酸基を示し、B
は−(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)2NH2、−CH2CH
(NH2)COOH、−(CH2)2NH(CH)3、−(CH2)2N
(CH3)2、−CH2CH(OH)CH2OH、
【式】
(イノシトール基)又は−(CH2)mH[ここ
で、mは1〜5の整数である]を示す、 で表わされるリン脂質を、下記(1)〜(3)に示すアル
コール性水酸基を有する複素環化合物、すなわ
ち、 (1) 一級アルコール性OHに結合した鎖状側鎖を
有し、且つテトラヒドロフラン環、ジオキソラ
ン環、チオフエン環、ピロリジン環、イミダゾ
ール環、イミダゾリジン環、オキサゾール環、
チアゾール環、ピラン環、オキサン環、チアン
環、ピペリジン環、トリアジン環、テトラヒド
ロフタルイミド環、ベンゾオキソラン環及びヘ
キサメチレンイミン環よりなる群からえらばれ
る複素環を持つ複素環一級アルコール化合物、
ここで、該化合物の複素環部分はC1〜C3アル
キル基、C1〜C3アルキレン基、水酸基、カル
ボキシル基、カルボニル基、ハロゲン、アミノ
基、オキソ基、ベンジル基、フエニル基及び
C1〜C3のアルキレンスルホン酸基より成る群
からえらばれる置換基を有していてもよい、 (2) 環に直接結合した二級アルコール性OHもし
くは二級アルコール性OHに結合した鎖状側鎖
を有し、且つピペリジン環、モルホリン環、ピ
ロリジン環、オキサン環及びフタルイド環より
なる群からえらばれる複素環を持つ複素環二級
アルコール化合物、ここで、該化合物の複素環
部分はC1〜C3のアルキル基及び水酸基より成
る群からえらばれる置換基を有してもよい、 (3) ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、
プリン環及び8−アザプリン環からえらばれる
複素環を置換基として有するペントース誘導体
又はデオキシペントース誘導体、ここで、該誘
導体の複素環部分はメルカプト基、ハロゲン、
水酸基、カルボキシル基、オキソ基、アミノ
基、C1〜C3のアルキル基、メトキシ基、エト
キシ基、カルボキシメチル基、アセチル基及び
アニソイル基よりなる群からえらばれる置換基
を有してもよい、ただし、アデノシン、シチジ
ン、ウリジン、チミンデオキシリボシド、ウラ
シルデオキシリボシド、イノシン、オロチジ
ン、グアノシン、アラビノシチジン、サイクロ
シチジン、アデニンデオキシリボシド、シトシ
ンデオキシリボシド及びグアニンデオキシリボ
シドより成る群からえらばれる糖を持つ複素環
化合物を除外する、 より成る群からえらばれるアルコール性水酸基を
有する複素環化合物と、リン脂質と複素環アルコ
ールとの間の転移反応を触媒しうるホスホリパー
ゼD(以下、ホスホリパーゼDMという)の存在
下で反応させることを特徴とする下記式()
で、mは1〜5の整数である]を示す、 で表わされるリン脂質を、下記(1)〜(3)に示すアル
コール性水酸基を有する複素環化合物、すなわ
ち、 (1) 一級アルコール性OHに結合した鎖状側鎖を
有し、且つテトラヒドロフラン環、ジオキソラ
ン環、チオフエン環、ピロリジン環、イミダゾ
ール環、イミダゾリジン環、オキサゾール環、
チアゾール環、ピラン環、オキサン環、チアン
環、ピペリジン環、トリアジン環、テトラヒド
ロフタルイミド環、ベンゾオキソラン環及びヘ
キサメチレンイミン環よりなる群からえらばれ
る複素環を持つ複素環一級アルコール化合物、
ここで、該化合物の複素環部分はC1〜C3アル
キル基、C1〜C3アルキレン基、水酸基、カル
ボキシル基、カルボニル基、ハロゲン、アミノ
基、オキソ基、ベンジル基、フエニル基及び
C1〜C3のアルキレンスルホン酸基より成る群
からえらばれる置換基を有していてもよい、 (2) 環に直接結合した二級アルコール性OHもし
くは二級アルコール性OHに結合した鎖状側鎖
を有し、且つピペリジン環、モルホリン環、ピ
ロリジン環、オキサン環及びフタルイド環より
なる群からえらばれる複素環を持つ複素環二級
アルコール化合物、ここで、該化合物の複素環
部分はC1〜C3のアルキル基及び水酸基より成
る群からえらばれる置換基を有してもよい、 (3) ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、
プリン環及び8−アザプリン環からえらばれる
複素環を置換基として有するペントース誘導体
又はデオキシペントース誘導体、ここで、該誘
導体の複素環部分はメルカプト基、ハロゲン、
水酸基、カルボキシル基、オキソ基、アミノ
基、C1〜C3のアルキル基、メトキシ基、エト
キシ基、カルボキシメチル基、アセチル基及び
アニソイル基よりなる群からえらばれる置換基
を有してもよい、ただし、アデノシン、シチジ
ン、ウリジン、チミンデオキシリボシド、ウラ
シルデオキシリボシド、イノシン、オロチジ
ン、グアノシン、アラビノシチジン、サイクロ
シチジン、アデニンデオキシリボシド、シトシ
ンデオキシリボシド及びグアニンデオキシリボ
シドより成る群からえらばれる糖を持つ複素環
化合物を除外する、 より成る群からえらばれるアルコール性水酸基を
有する複素環化合物と、リン脂質と複素環アルコ
ールとの間の転移反応を触媒しうるホスホリパー
ゼD(以下、ホスホリパーゼDMという)の存在
下で反応させることを特徴とする下記式()
【式】
式中、A及びA′は上記の意味を有し、
Cは上記(1)〜(3)に示すアルコール性水酸基を有
する複素環化合物から該アルコール性水酸基を除
いた残基を示す、 で表わされるリン脂質複素環化合物誘導体及びそ
の塩類の製法に関する。 従来、ホスホリパーゼDが、リン脂質たとえば
ホスフアチジルコリンのコリン塩基−リン酸エス
テルを加水分解し、遊離塩基とホスフアチジン酸
を生ずる反応を触媒することが知られている
[M.Kates Can.J.Biochem.Physiol.32571
(1954)]。 更に、リン脂質たとえばレシチンとエチルアル
コールとをホスホリパーゼDの存在下に反応させ
ると、リン脂質のリン酸構造部分と該リン脂質の
アルコール構造部分とのエステル結合が加水分解
されると同時にホスフアチジル基転移作用によ
り、ホスフアチジルエタノールを生成することが
報告されている[R.M.Dawson;Biochem.J.,
102,205(1967)]:[S.F.Yang;J.Biol.Chem.,
242,477(1967)]。 上述のようなホスホリパーゼDのホスフアチジ
ル基転移作用が知られて以来、この分野における
研究が進められ、英国特許No.1581810(対応西ドイ
ツ国公開No.2717547)の提案が知られている。こ
の提案によれば、この提案の一般式で示されたリ
ン脂質と、水酸基、ハロゲン、アミノその他の置
換基で置換されていてもよいC5までの直鎖もし
くは分枝のアルキル基を有する一級アルコールと
の前記キヤベツ由来のホスホリパーゼDの酵素作
用を利用した一級アルコール転移反応について開
示されている。そして、該反応は、5を超える炭
素原子を含有しない一級アルコールでのみ起り、
若し、5を超える炭素原子を含有する該アルコー
ルの場合には、反応の主生成物は対応するホスフ
アチジン酸であると記載されている。更に、該提
案にはアルコール成分の選択は、上記の要求を満
した一級アルコールである限りとくべつな制約の
ないことも記載されている。 又、上記提案の発明者等であるS.Kovatchsv及
びH.Eibl等は、Adv.Exp.Med.Biol.,Vol.101,
221(1978)に於て、ホスホリパーゼDの酵素作用
を利用した一級アルコール転移反応について、
C7〜C10のアルカノールでは転移反応が認められ
ないがC6のヘキサノールについては20%の転移
反応が生じたと報告している。一方、
Rokhimov,M.MはUzb.Biol.Zh.,Vol.3,6−
g(1979)に於て、C5以上のアルコール例えばC6
のヘキサノールについては転移反応は起らなかつ
たと報告している。 R.M.Dawsonは、リン脂質としてレシチンを用
い、糖類として、シユクロース、グルコース及び
ガラクトースを夫々用い、キヤベツ由来の公知ホ
スホリパーゼDによる実験の結果、レシチン基質
のホスフアチジル基のこれら糖類への転移は起ら
なかつたことを報告しているし、[Bioch−sm.,
J.,vol.102、205〜209(1967)]。 又、S.F.Yangは、グルコース及びイノシトー
ルを用いて上記と同様な実験の結果、糖類への転
移は起らなかつたことを報告している[J.Biol.
Chem.,vol.242、477−484(1967)]。 上述のように、従来ホスホリパーゼDによるリ
ン脂質とアルコールとの間の転移反応は、一級ア
ルコールとくに炭素原子類の比較的小さな単純な
構造からなる主に鎖状の一級アルコールの場合に
しか生起せず、ましてや糖類との間にはペントー
ス及びヘキソース共に生じないといのうがこれま
での技術常識である。 、本発明者等は、従来公知のキヤベツ由来ホス
ホリパーゼDとは、その至適温度、至適PH等で異
なるホスホリパーゼD生産能を有する微生物の存
在を発見して、既に、特開昭58−63388号、特開
昭58−67183号に提案した。 この提案の中では、該ホスホリパーゼD生産菌
より得られるホスホリパーゼDはC5以下の一級
アルコールを包含して、更に従来全く言及された
ことのない広範囲なアルコール化合物に対してリ
ン脂質を転移させる作用を持つことが記載されて
いる。そしてこの中で、基質となるリン脂質とし
てグリセロリン脂質、スフインゴリン脂質が記載
され、又転移の起るアルコールの中で複素環アル
コールとしては複素環一級アルコールが記載さ
れ、該複素環一級アルコールの複素環としてフラ
ン環、フタルイミド環、ピロール環、インドール
環、ピリジン環、モルホリン環、ピリミジン環、
ピペラジン環、イミダゾピリミジン環(プリン
環)が記載されている。 しかし上記提案の中にはテトラヒドロフラン
環、ジオキソラン環、チオフエン環、ピロリジン
環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、ピラン環、オキサン
環、チアン環、ピペリジン環、トリアジン環、テ
トラヒドロフタルイミド環、ベンゾオキソラン
環、ヘキサメチレンイミン環を有する複素環一級
アルコール、及び複素環二級アルコールについて
は全く記載されていないし、示唆もされていな
い。又上記提案の中に記載されている複素環アル
コールについては、置換基の種類についてとくに
は言及されていないが、置換基を有する複素環一
級アルコールとして、ピリドキシン、チアミン及
びアデノシンの三種のみが記載されている。 本発明者等は、さらに研究を重ねた結果、該ホ
スホリパーゼDMは前記式()で表わされるリ
ン脂質を加水分解すると同時に、上記提案に全く
記載されていない前記(1)、(2)及び(3)より成る群か
らえらばれたアルコル性水酸基を有する複素環化
合物に転移するという新しい事実を発見した。 本発明者等の研究によれば、リン脂質として、
たとえばレシチンと複素環一級アルコールである
N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンとの間
におけるリン脂質複素環アルコール誘導体の形成
を触媒する本発明に於て新たにホスホリパーゼ
DMと呼称する酵素が存在し、このホスホリパー
ゼDMの存在下に、式()で表わされるリン脂
質と前記(1)〜(3)のアルコール性水酸基を有する複
素環化合物とを反応させることにより、従来製造
できることの知られていなかつた新しいリン脂質
複素環化合物誘導体が製造できることが発見され
た。 斯くて、煩雑且つ不利益な化学的合成手段を要
することなしに、温和且つ容易な条件及び手段
で、副反応を伴うおそれもなしに、且つ一段階の
反応で酵素法によつて新しいリン脂質複素環化合
物誘導体を好収率で製造できることがわかつた。 従つて、本発明の目的は新しい酵素法リン脂質
複素環化合物誘導体の製造を提供するにある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。 本発明方法で利用する原料リン脂質は下記式
()で表わされる。
する複素環化合物から該アルコール性水酸基を除
いた残基を示す、 で表わされるリン脂質複素環化合物誘導体及びそ
の塩類の製法に関する。 従来、ホスホリパーゼDが、リン脂質たとえば
ホスフアチジルコリンのコリン塩基−リン酸エス
テルを加水分解し、遊離塩基とホスフアチジン酸
を生ずる反応を触媒することが知られている
[M.Kates Can.J.Biochem.Physiol.32571
(1954)]。 更に、リン脂質たとえばレシチンとエチルアル
コールとをホスホリパーゼDの存在下に反応させ
ると、リン脂質のリン酸構造部分と該リン脂質の
アルコール構造部分とのエステル結合が加水分解
されると同時にホスフアチジル基転移作用によ
り、ホスフアチジルエタノールを生成することが
報告されている[R.M.Dawson;Biochem.J.,
102,205(1967)]:[S.F.Yang;J.Biol.Chem.,
242,477(1967)]。 上述のようなホスホリパーゼDのホスフアチジ
ル基転移作用が知られて以来、この分野における
研究が進められ、英国特許No.1581810(対応西ドイ
ツ国公開No.2717547)の提案が知られている。こ
の提案によれば、この提案の一般式で示されたリ
ン脂質と、水酸基、ハロゲン、アミノその他の置
換基で置換されていてもよいC5までの直鎖もし
くは分枝のアルキル基を有する一級アルコールと
の前記キヤベツ由来のホスホリパーゼDの酵素作
用を利用した一級アルコール転移反応について開
示されている。そして、該反応は、5を超える炭
素原子を含有しない一級アルコールでのみ起り、
若し、5を超える炭素原子を含有する該アルコー
ルの場合には、反応の主生成物は対応するホスフ
アチジン酸であると記載されている。更に、該提
案にはアルコール成分の選択は、上記の要求を満
した一級アルコールである限りとくべつな制約の
ないことも記載されている。 又、上記提案の発明者等であるS.Kovatchsv及
びH.Eibl等は、Adv.Exp.Med.Biol.,Vol.101,
221(1978)に於て、ホスホリパーゼDの酵素作用
を利用した一級アルコール転移反応について、
C7〜C10のアルカノールでは転移反応が認められ
ないがC6のヘキサノールについては20%の転移
反応が生じたと報告している。一方、
Rokhimov,M.MはUzb.Biol.Zh.,Vol.3,6−
g(1979)に於て、C5以上のアルコール例えばC6
のヘキサノールについては転移反応は起らなかつ
たと報告している。 R.M.Dawsonは、リン脂質としてレシチンを用
い、糖類として、シユクロース、グルコース及び
ガラクトースを夫々用い、キヤベツ由来の公知ホ
スホリパーゼDによる実験の結果、レシチン基質
のホスフアチジル基のこれら糖類への転移は起ら
なかつたことを報告しているし、[Bioch−sm.,
J.,vol.102、205〜209(1967)]。 又、S.F.Yangは、グルコース及びイノシトー
ルを用いて上記と同様な実験の結果、糖類への転
移は起らなかつたことを報告している[J.Biol.
Chem.,vol.242、477−484(1967)]。 上述のように、従来ホスホリパーゼDによるリ
ン脂質とアルコールとの間の転移反応は、一級ア
ルコールとくに炭素原子類の比較的小さな単純な
構造からなる主に鎖状の一級アルコールの場合に
しか生起せず、ましてや糖類との間にはペントー
ス及びヘキソース共に生じないといのうがこれま
での技術常識である。 、本発明者等は、従来公知のキヤベツ由来ホス
ホリパーゼDとは、その至適温度、至適PH等で異
なるホスホリパーゼD生産能を有する微生物の存
在を発見して、既に、特開昭58−63388号、特開
昭58−67183号に提案した。 この提案の中では、該ホスホリパーゼD生産菌
より得られるホスホリパーゼDはC5以下の一級
アルコールを包含して、更に従来全く言及された
ことのない広範囲なアルコール化合物に対してリ
ン脂質を転移させる作用を持つことが記載されて
いる。そしてこの中で、基質となるリン脂質とし
てグリセロリン脂質、スフインゴリン脂質が記載
され、又転移の起るアルコールの中で複素環アル
コールとしては複素環一級アルコールが記載さ
れ、該複素環一級アルコールの複素環としてフラ
ン環、フタルイミド環、ピロール環、インドール
環、ピリジン環、モルホリン環、ピリミジン環、
ピペラジン環、イミダゾピリミジン環(プリン
環)が記載されている。 しかし上記提案の中にはテトラヒドロフラン
環、ジオキソラン環、チオフエン環、ピロリジン
環、イミダゾール環、イミダゾリジン環、オキサ
ゾール環、チアゾール環、ピラン環、オキサン
環、チアン環、ピペリジン環、トリアジン環、テ
トラヒドロフタルイミド環、ベンゾオキソラン
環、ヘキサメチレンイミン環を有する複素環一級
アルコール、及び複素環二級アルコールについて
は全く記載されていないし、示唆もされていな
い。又上記提案の中に記載されている複素環アル
コールについては、置換基の種類についてとくに
は言及されていないが、置換基を有する複素環一
級アルコールとして、ピリドキシン、チアミン及
びアデノシンの三種のみが記載されている。 本発明者等は、さらに研究を重ねた結果、該ホ
スホリパーゼDMは前記式()で表わされるリ
ン脂質を加水分解すると同時に、上記提案に全く
記載されていない前記(1)、(2)及び(3)より成る群か
らえらばれたアルコル性水酸基を有する複素環化
合物に転移するという新しい事実を発見した。 本発明者等の研究によれば、リン脂質として、
たとえばレシチンと複素環一級アルコールである
N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンとの間
におけるリン脂質複素環アルコール誘導体の形成
を触媒する本発明に於て新たにホスホリパーゼ
DMと呼称する酵素が存在し、このホスホリパー
ゼDMの存在下に、式()で表わされるリン脂
質と前記(1)〜(3)のアルコール性水酸基を有する複
素環化合物とを反応させることにより、従来製造
できることの知られていなかつた新しいリン脂質
複素環化合物誘導体が製造できることが発見され
た。 斯くて、煩雑且つ不利益な化学的合成手段を要
することなしに、温和且つ容易な条件及び手段
で、副反応を伴うおそれもなしに、且つ一段階の
反応で酵素法によつて新しいリン脂質複素環化合
物誘導体を好収率で製造できることがわかつた。 従つて、本発明の目的は新しい酵素法リン脂質
複素環化合物誘導体の製造を提供するにある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。 本発明方法で利用する原料リン脂質は下記式
()で表わされる。
【化】
但し式中Aは下記(i)又は(ii)
【式】又は
【式】
を示し、ここでR1及びR2は、それぞれ、同一も
しくは異なつていてもよく、基−O−COR11及び
基−O−R12よりえらばれた基を示し、そして、
式(i)の場合には、R2はさらにOHであることがで
き、更にR1とR2が一緒になつて
しくは異なつていてもよく、基−O−COR11及び
基−O−R12よりえらばれた基を示し、そして、
式(i)の場合には、R2はさらにOHであることがで
き、更にR1とR2が一緒になつて
【式】
[ここで、nは11〜19の整数を示す]を表わす
こともできる、 上記に於て、R11及びR12は同一でも異つてい
てもよく、R11は飽和もしくは不飽和のC7〜C21
の脂肪族炭化水素を示し、R12は飽和もしくは不
飽和のC1〜C21の脂肪族炭化水素を示し、 A′はオキシドアニオン又は水酸基を示し、B
は−(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)2NH2、−CH2・
CH(NH2)COOH、−(CH2)2NH(CH3)、−
(CH2)2N(CH3)2、−CH2・CH・OH・CH2OH、
こともできる、 上記に於て、R11及びR12は同一でも異つてい
てもよく、R11は飽和もしくは不飽和のC7〜C21
の脂肪族炭化水素を示し、R12は飽和もしくは不
飽和のC1〜C21の脂肪族炭化水素を示し、 A′はオキシドアニオン又は水酸基を示し、B
は−(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)2NH2、−CH2・
CH(NH2)COOH、−(CH2)2NH(CH3)、−
(CH2)2N(CH3)2、−CH2・CH・OH・CH2OH、
【式】
(イノシトール基)もしくは−(CH2)mH[こ
こでmは1〜5の整数を示す。 上記式()の原料リン脂質は公知化合物であ
つて、ジアシルエステル型、モノアシル型(リゾ
型)、モノアルケニルエーテルモノアシル型(プ
ラスマローゲン型)、モノアルキルエーテル型、
モノアルキルエーテルモノアシル型、ジアルキル
エーテル型、シクロアルキリデン型のグリセロリ
ン脂質をすべて包含し、これらのリン脂質は公知
の方法によつて天然物より抽出採取又は合成して
得ることができるが、市場で入手することもでき
る。例えば、動植物組織から公知の手段で抽出し
て得られるものとしてはレシチン、ケフアリン、
ホスフアチジルセリン、ホスフアチジルグリセロ
ール、ホスフアチジルイノシトール、ホスフアチ
ジルコリンプラスマローゲン等がある。これ等は
単独或は混合物をそのまま使用してもよいし、
又、精製して用いることもできる。リゾ型リン脂
質は上記リン脂質にホスホリパーゼA2を作用さ
せて調製することもできる。又、L−α−ホスフ
アチジルコリンジパルミチルエーテル、L−α−
レシチン、β、γ−ヘキサデシリデン、アルキル
リゾホスフアチジルエタノールアミン、β−型リ
ン脂質等については公知合成方法によつて得るこ
とができるが、市場で容易に入手できるのでこれ
を利用することができる。 本発明方法に於て、上記式()原料リン脂質
とホスホリパーゼDMの存在下に反応せしめる複
素環アルコールとしては、以下に例示する(1)〜(3)
のアルコール性水酸基を有する複素環化合物を利
用することが出来る。 (1) 複素環一級アルコール化合物として下記の化
合物をあげられる。一級アルコール性OHに結
合した鎖状側鎖を有し且つ下記複素環 テトラヒドロフラン環、ジオキソラン環、チ
オフエン環、ピロリジン環、イミダゾール環、
イミダゾリジン環、オキサゾール環、チアゾー
ル環、ピラン環、オキサン環、チアン環、ピペ
リジン環、トリアジン環、テトラヒドロフタル
イミド環、ベンゾオキソラン環及びヘキサメチ
レンイミン環 よりなる群からえらばれた複素環を持つ複素環一
級アルコール化合物残基、ここで該残基の複素環
部分はC1〜C3アルキル基、C1〜C3アルキレン基、
水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲ
ン、アミノ基、オキソ基、ベンジル基、フエニル
基及びC1〜C3のアルキレンスルホン酸基より成
る群からえらばれた置換基を有してもよい:− 上記において、置換基を持たない場合は、たと
えば、テトラヒドロフラン環、チオフエン環、ピ
ロリジン環、イミダゾール環、オキサン環、ピペ
リジン環、テトラヒドロフタルイミド環、ベンゾ
オキソラン環及びヘキサメチレンイミン環が好ま
しく、その例としてはN−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)
ピペリジン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペ
リジン、2−ヒドロキシメチルピペリジン、3−
ヒドロキシメチルピペリジン、N−(2−ヒドロ
キシエチル)ヘキサメチレンイミン、2−チオフ
エンメタノール、2−チオフエンエタノール、N
−ヒドロキシメチルテトラヒドロフタルイミド、
4−ヒドロキシメチルイミダゾール、テトラヒド
ロピラン−2−メタノール、テトラヒドロフルフ
リルアルコール、ピペロニルアルコールなどがあ
げられる。 上記において、置換基としてC1〜C3のアルキ
基を有する場合は、たとえば、ジオキソラン環、
ピロリジン環、チアゾール環、オキサゾール環、
イミダゾール環及びイミダゾリジン環が好まし
く、その例としてはN−メチル−2−ヒドロキシ
エチルピロリジン、2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソラン−4−メタノール、1−(ヒドロキ
シメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、2,
4−ジメチル−4−ヒドロキシオキサゾリン、5
−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾー
ルなどがあげられる。 上記において置換基としてC1〜C3のアルキレ
ン基を有する場合は、該アルキレン基は2つの複
素環を結ぶ結合を意味し、この際の複素環として
はピペリジン環が好ましく、その例としては、
1,3−ビス(N−2−ヒドロキシエチル−4−
ピペリジル)プロパン、1−(N−2−ヒドロキ
シエチル−4−ピペリジル)−3−(4′−ピペリジ
ル)プロパンなどがあげられる。 上記において、置換基として水酸基を有する場
合は、たとえば、ピペリジン環、テトラヒドロフ
ラン環及びオキサン環が好ましく、その例として
は、N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(ヒドロ
キシプロピル)ピペリジン、5−チオグルコー
ス、コージ酸、アスコルビン酸、イソアスコルビ
ン酸、グルコノ−δ−ラクトン、α−グルコヘプ
トニツクアシツド−γ−ラクトンなどがあげられ
る。 上記において置換基としてオキ基を有する場合
は、ピロリジン環が好ましく、その例としては、
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、
N−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドン
などがあげられる。 上記において置換基としてフエニル基を有する
場合は、ピペリジン環が好ましく、その例として
は、たとえば、スコポラミン、アトロピンなどが
あげられる。 (2) 複素環二級アルコール化合物としては下記の
化合物をあげられる。環に直接結合した二級ア
ルコール性OHもしくは二級アルコール性OH
に結合した鎖状側鎖を有し且つピペリジン環、
モルホリン環、ピロリジン環、オキサン環及び
フタルイミド環よりなる群からえらばれた複素
環を持つ複素環二級アルコール化合物残基、こ
こで該残基の複素環部分はC1〜C3のアルキル
基及び水酸基より成る群からえらばれた置換基
を有してもよい:− 上記において環に直接結合した二級アルコール
性OHを持つ複素環としては、ピペリジン環及び
ピロリジン環が好ましく、その例としては、3−
ヒドロキシピペリジン、4−ヒドロキシピペリジ
ン、3−ヒドロキシピロリジンなどがあげられ
る。 上記において二級アルコール性OHに結合した
鎖状側鎖を有する複素環としては、フタルイミド
環及びモルホリン環が好ましく、その例として
は、N−(2−ヒドロキシプロピル)フタルイミ
ド、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン
などがあげられる。 上記において置換基として、C1〜C3のアルキ
ル基を有する場合は、ピペリジン環が好ましく、
その例としては、たとえばN−メチル−4−ヒド
ロキシピペリジンがあげられる。 (3) 糖を持つ複素環化合物としては下記の化合物
をあげられる。ピリジン環、ピリミジン環、ト
リアジン環、プリン環及び8−アザプリン環か
らえらばれた複素環を置換基として有するペン
トース残基及びデオキシペントース残基。ここ
で該残基の複素環部分はメルカプト基、ハロゲ
ン、水酸基、カルボキシル基、オキソ基、アミ
ノ基、C1〜C3のアルキル基、メトキシ基、エ
トキシ基、カルボキシメチル基、アセチル基及
びアニソイル基よりなる群かえらばれた置換基
を有してもよい:− 上記においてピリジン環を置換基として有する
ペントース残基及びテオキシペントース残基とし
ては、たとえば3−デアザウリジンがあげられ
る。 上記においてトリアジン環を置換基として有す
る、ペントース残基及びデオキシペントース残基
としては、たとえば5−アザシチジンがあげられ
る。 上記においてピリミジン環を置換基として有す
るペントース残基及びデオキシペントース残基と
しては、たとえば、4−チオウリジン、5−ブロ
モウリジン、5−ヒドロキシウリジン、6−フル
オロデオキシウリジン、3−メチルウリジン、5
−カルボキシメチルウリジン、5−メチルウリジ
ン、N4−アセチルシチジン、5−メトキシウリ
ジン、5−ブロモ−2′−デオキシシチジン、N4
−アニソイル−2′−デオキシシチジン、3′−o−
メチルシチジンなどがあげられる。 上記においてプリン環を置換基として有するペ
ントース残基及びデオキシペントース残基として
は、たとえば、6−メルカプトプリンリボシド、
6−メチルアミノプリン−9−リボシド、N6−
メチル−2′−デオキシアデノシン、8−ブロモア
デノシン、N6−エタノアデノシン、2′−クロロ
アデノシン、1−メチルアデノシン、N6,N6−
ジメチルアデノシン、2′−o−メチルアデノシン
などがあげられる。 上記において8−アザプリン環を置換基として
有するペントース残基及びデオキシペントース残
基としては、たとえば8−アザアデノシンがあげ
られる。 上記例示の如き(1)〜(3)からえらばれたアルコー
ル性水酸基を有する複素環化合物が例示出来る
が、前記(1)〜(3)までの範囲がみたされる限りアル
コール類の選択に制限はない。 上記例示の如きアルコール性水酸基を有する複
素環化合物は、天然物、合成品いずれでも利用で
きるが、目的とするアルコール性水酸基を有する
複素環化合物以外のアルコールを含まないように
予め適当な公知手段を用い糖製して利用するのが
好ましい。このような糖製手段の例としては、た
とえば、蒸留、再結晶、アルミナ、シリカゲル、
活性炭、イオン交換樹脂などを用いたカラムクロ
マトグラフイー、薄層クロマトグラフイー及びこ
れらの適当な組み合わせ精製手段を例示できる。 本発明方法によれば、前記例示の如き式()
リン脂質と上記例示の如き(1)〜(3)の群からえらば
れたアルコール性水酸基を有する複素環化合物と
をホスホリパーゼDMの存在下に反応させる。 この際、利用するホスホリパーゼDMとして
は、従来公知のキヤベツから抽出されたホスホリ
パーゼDの至適温度40℃以下、至適PH5.4〜5.6に
対して、至適温度60〜70℃、至適PH7付近である
点で公知ホスホリパーゼDと区別できるホスホリ
パーゼDM生産菌の生産するホスホリパーゼDM
が例示できる。該ホスホリパーゼDMは、複素環
一級アルコールであるN−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジンと式()リン脂質との間におけ
るリン脂質複素環化合物誘導体の形成を触媒する
点でも公知ホスホリパーゼDと区別できる。 このようなホスホリパーゼDM生産菌の例とし
ては、同一出願人の出願に係わる特開昭58−
63388号に開示されたノカルデイオプシス
(Nocardiopsis)属に属するホスホリパーゼDM
生産菌たとえばノルカデイオプシス属NO779株
[FERM−BP−512]、同一出願人の出願に係わ
る特開昭58−67183号に開示されたアクチノマデ
ユーラ(Actinomadura)属に属するホスホリパ
ーゼDM生産菌たとえばアクチノマデユーラ属
NO362株[FERM−BP−511]等を挙げること
ができるが、前記式()のリン脂質を原料とし
て前記(1)〜(3)のアルコール性水酸基を有する複素
環化合物の転移反応を起す作用を有するホスホリ
パーゼDであれば如何なる起源のホスホリパーゼ
DでもホスホリパーゼDMとして用いることが出
来る。至適温度及び至適PHの相違と共に他のいく
つかの相違点と共に、下掲第1表に、本発明方法
で利用するホスホリパーゼDとの酵素学的性質の
差異を示す。なお、酵素学的性質は上記特開昭58
−63388号公報及び特開昭58−67183号公報記載の
方法により測定したものである。
こでmは1〜5の整数を示す。 上記式()の原料リン脂質は公知化合物であ
つて、ジアシルエステル型、モノアシル型(リゾ
型)、モノアルケニルエーテルモノアシル型(プ
ラスマローゲン型)、モノアルキルエーテル型、
モノアルキルエーテルモノアシル型、ジアルキル
エーテル型、シクロアルキリデン型のグリセロリ
ン脂質をすべて包含し、これらのリン脂質は公知
の方法によつて天然物より抽出採取又は合成して
得ることができるが、市場で入手することもでき
る。例えば、動植物組織から公知の手段で抽出し
て得られるものとしてはレシチン、ケフアリン、
ホスフアチジルセリン、ホスフアチジルグリセロ
ール、ホスフアチジルイノシトール、ホスフアチ
ジルコリンプラスマローゲン等がある。これ等は
単独或は混合物をそのまま使用してもよいし、
又、精製して用いることもできる。リゾ型リン脂
質は上記リン脂質にホスホリパーゼA2を作用さ
せて調製することもできる。又、L−α−ホスフ
アチジルコリンジパルミチルエーテル、L−α−
レシチン、β、γ−ヘキサデシリデン、アルキル
リゾホスフアチジルエタノールアミン、β−型リ
ン脂質等については公知合成方法によつて得るこ
とができるが、市場で容易に入手できるのでこれ
を利用することができる。 本発明方法に於て、上記式()原料リン脂質
とホスホリパーゼDMの存在下に反応せしめる複
素環アルコールとしては、以下に例示する(1)〜(3)
のアルコール性水酸基を有する複素環化合物を利
用することが出来る。 (1) 複素環一級アルコール化合物として下記の化
合物をあげられる。一級アルコール性OHに結
合した鎖状側鎖を有し且つ下記複素環 テトラヒドロフラン環、ジオキソラン環、チ
オフエン環、ピロリジン環、イミダゾール環、
イミダゾリジン環、オキサゾール環、チアゾー
ル環、ピラン環、オキサン環、チアン環、ピペ
リジン環、トリアジン環、テトラヒドロフタル
イミド環、ベンゾオキソラン環及びヘキサメチ
レンイミン環 よりなる群からえらばれた複素環を持つ複素環一
級アルコール化合物残基、ここで該残基の複素環
部分はC1〜C3アルキル基、C1〜C3アルキレン基、
水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲ
ン、アミノ基、オキソ基、ベンジル基、フエニル
基及びC1〜C3のアルキレンスルホン酸基より成
る群からえらばれた置換基を有してもよい:− 上記において、置換基を持たない場合は、たと
えば、テトラヒドロフラン環、チオフエン環、ピ
ロリジン環、イミダゾール環、オキサン環、ピペ
リジン環、テトラヒドロフタルイミド環、ベンゾ
オキソラン環及びヘキサメチレンイミン環が好ま
しく、その例としてはN−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジン、N−(2−ヒドロキシエチル)
ピペリジン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピペ
リジン、2−ヒドロキシメチルピペリジン、3−
ヒドロキシメチルピペリジン、N−(2−ヒドロ
キシエチル)ヘキサメチレンイミン、2−チオフ
エンメタノール、2−チオフエンエタノール、N
−ヒドロキシメチルテトラヒドロフタルイミド、
4−ヒドロキシメチルイミダゾール、テトラヒド
ロピラン−2−メタノール、テトラヒドロフルフ
リルアルコール、ピペロニルアルコールなどがあ
げられる。 上記において、置換基としてC1〜C3のアルキ
基を有する場合は、たとえば、ジオキソラン環、
ピロリジン環、チアゾール環、オキサゾール環、
イミダゾール環及びイミダゾリジン環が好まし
く、その例としてはN−メチル−2−ヒドロキシ
エチルピロリジン、2,2−ジメチル−1,3−
ジオキソラン−4−メタノール、1−(ヒドロキ
シメチル)−5,5−ジメチルヒダントイン、2,
4−ジメチル−4−ヒドロキシオキサゾリン、5
−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルチアゾー
ルなどがあげられる。 上記において置換基としてC1〜C3のアルキレ
ン基を有する場合は、該アルキレン基は2つの複
素環を結ぶ結合を意味し、この際の複素環として
はピペリジン環が好ましく、その例としては、
1,3−ビス(N−2−ヒドロキシエチル−4−
ピペリジル)プロパン、1−(N−2−ヒドロキ
シエチル−4−ピペリジル)−3−(4′−ピペリジ
ル)プロパンなどがあげられる。 上記において、置換基として水酸基を有する場
合は、たとえば、ピペリジン環、テトラヒドロフ
ラン環及びオキサン環が好ましく、その例として
は、N−(2−ヒドロキシエチル)−4−(ヒドロ
キシプロピル)ピペリジン、5−チオグルコー
ス、コージ酸、アスコルビン酸、イソアスコルビ
ン酸、グルコノ−δ−ラクトン、α−グルコヘプ
トニツクアシツド−γ−ラクトンなどがあげられ
る。 上記において置換基としてオキ基を有する場合
は、ピロリジン環が好ましく、その例としては、
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、
N−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドン
などがあげられる。 上記において置換基としてフエニル基を有する
場合は、ピペリジン環が好ましく、その例として
は、たとえば、スコポラミン、アトロピンなどが
あげられる。 (2) 複素環二級アルコール化合物としては下記の
化合物をあげられる。環に直接結合した二級ア
ルコール性OHもしくは二級アルコール性OH
に結合した鎖状側鎖を有し且つピペリジン環、
モルホリン環、ピロリジン環、オキサン環及び
フタルイミド環よりなる群からえらばれた複素
環を持つ複素環二級アルコール化合物残基、こ
こで該残基の複素環部分はC1〜C3のアルキル
基及び水酸基より成る群からえらばれた置換基
を有してもよい:− 上記において環に直接結合した二級アルコール
性OHを持つ複素環としては、ピペリジン環及び
ピロリジン環が好ましく、その例としては、3−
ヒドロキシピペリジン、4−ヒドロキシピペリジ
ン、3−ヒドロキシピロリジンなどがあげられ
る。 上記において二級アルコール性OHに結合した
鎖状側鎖を有する複素環としては、フタルイミド
環及びモルホリン環が好ましく、その例として
は、N−(2−ヒドロキシプロピル)フタルイミ
ド、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルホリン
などがあげられる。 上記において置換基として、C1〜C3のアルキ
ル基を有する場合は、ピペリジン環が好ましく、
その例としては、たとえばN−メチル−4−ヒド
ロキシピペリジンがあげられる。 (3) 糖を持つ複素環化合物としては下記の化合物
をあげられる。ピリジン環、ピリミジン環、ト
リアジン環、プリン環及び8−アザプリン環か
らえらばれた複素環を置換基として有するペン
トース残基及びデオキシペントース残基。ここ
で該残基の複素環部分はメルカプト基、ハロゲ
ン、水酸基、カルボキシル基、オキソ基、アミ
ノ基、C1〜C3のアルキル基、メトキシ基、エ
トキシ基、カルボキシメチル基、アセチル基及
びアニソイル基よりなる群かえらばれた置換基
を有してもよい:− 上記においてピリジン環を置換基として有する
ペントース残基及びテオキシペントース残基とし
ては、たとえば3−デアザウリジンがあげられ
る。 上記においてトリアジン環を置換基として有す
る、ペントース残基及びデオキシペントース残基
としては、たとえば5−アザシチジンがあげられ
る。 上記においてピリミジン環を置換基として有す
るペントース残基及びデオキシペントース残基と
しては、たとえば、4−チオウリジン、5−ブロ
モウリジン、5−ヒドロキシウリジン、6−フル
オロデオキシウリジン、3−メチルウリジン、5
−カルボキシメチルウリジン、5−メチルウリジ
ン、N4−アセチルシチジン、5−メトキシウリ
ジン、5−ブロモ−2′−デオキシシチジン、N4
−アニソイル−2′−デオキシシチジン、3′−o−
メチルシチジンなどがあげられる。 上記においてプリン環を置換基として有するペ
ントース残基及びデオキシペントース残基として
は、たとえば、6−メルカプトプリンリボシド、
6−メチルアミノプリン−9−リボシド、N6−
メチル−2′−デオキシアデノシン、8−ブロモア
デノシン、N6−エタノアデノシン、2′−クロロ
アデノシン、1−メチルアデノシン、N6,N6−
ジメチルアデノシン、2′−o−メチルアデノシン
などがあげられる。 上記において8−アザプリン環を置換基として
有するペントース残基及びデオキシペントース残
基としては、たとえば8−アザアデノシンがあげ
られる。 上記例示の如き(1)〜(3)からえらばれたアルコー
ル性水酸基を有する複素環化合物が例示出来る
が、前記(1)〜(3)までの範囲がみたされる限りアル
コール類の選択に制限はない。 上記例示の如きアルコール性水酸基を有する複
素環化合物は、天然物、合成品いずれでも利用で
きるが、目的とするアルコール性水酸基を有する
複素環化合物以外のアルコールを含まないように
予め適当な公知手段を用い糖製して利用するのが
好ましい。このような糖製手段の例としては、た
とえば、蒸留、再結晶、アルミナ、シリカゲル、
活性炭、イオン交換樹脂などを用いたカラムクロ
マトグラフイー、薄層クロマトグラフイー及びこ
れらの適当な組み合わせ精製手段を例示できる。 本発明方法によれば、前記例示の如き式()
リン脂質と上記例示の如き(1)〜(3)の群からえらば
れたアルコール性水酸基を有する複素環化合物と
をホスホリパーゼDMの存在下に反応させる。 この際、利用するホスホリパーゼDMとして
は、従来公知のキヤベツから抽出されたホスホリ
パーゼDの至適温度40℃以下、至適PH5.4〜5.6に
対して、至適温度60〜70℃、至適PH7付近である
点で公知ホスホリパーゼDと区別できるホスホリ
パーゼDM生産菌の生産するホスホリパーゼDM
が例示できる。該ホスホリパーゼDMは、複素環
一級アルコールであるN−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジンと式()リン脂質との間におけ
るリン脂質複素環化合物誘導体の形成を触媒する
点でも公知ホスホリパーゼDと区別できる。 このようなホスホリパーゼDM生産菌の例とし
ては、同一出願人の出願に係わる特開昭58−
63388号に開示されたノカルデイオプシス
(Nocardiopsis)属に属するホスホリパーゼDM
生産菌たとえばノルカデイオプシス属NO779株
[FERM−BP−512]、同一出願人の出願に係わ
る特開昭58−67183号に開示されたアクチノマデ
ユーラ(Actinomadura)属に属するホスホリパ
ーゼDM生産菌たとえばアクチノマデユーラ属
NO362株[FERM−BP−511]等を挙げること
ができるが、前記式()のリン脂質を原料とし
て前記(1)〜(3)のアルコール性水酸基を有する複素
環化合物の転移反応を起す作用を有するホスホリ
パーゼDであれば如何なる起源のホスホリパーゼ
DでもホスホリパーゼDMとして用いることが出
来る。至適温度及び至適PHの相違と共に他のいく
つかの相違点と共に、下掲第1表に、本発明方法
で利用するホスホリパーゼDとの酵素学的性質の
差異を示す。なお、酵素学的性質は上記特開昭58
−63388号公報及び特開昭58−67183号公報記載の
方法により測定したものである。
【表】
するサンライト株式会社の商品名である。
公知ホスホリパーゼDを用いては得られなかつ
たリン脂質複素環化合物誘導体が、本発明方法で
形成できる理由には、この酵素的触媒反応に関与
する公知ホスホリパーゼDと本発明方法で用いる
ホスホリパーゼDMとの上記の如き酵素学的性質
の差異が関与しているものと推測される。勿論、
本発明方法はこのような作用の推測によつて何等
の制約もうけるものではない。 本発明方法で利用するホスホリパーゼDMは、
後記転移作用の実験方法(TLCによる転移生成
物の生成確認方法)に従つて反応を行い、複素環
一級アルコール例えばN−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジンとリン脂質例えばレシチンとの間
にけるリン脂質複素環化合物誘導体形成反応を触
媒して、該リン脂質の該複素環化合物誘導体を形
成する。公知ホスホリパーゼDは、上記誘導体を
形成しない。 本発明方法によれば、前記例示の如き式()
リン脂質と前記例の如き(1)〜(3)のアルコール性水
酸基を有する複素環化合物とを、上記に詳しく述
べたホスホリパーゼDMの存在下に反応させるこ
とにより、下記式()
公知ホスホリパーゼDを用いては得られなかつ
たリン脂質複素環化合物誘導体が、本発明方法で
形成できる理由には、この酵素的触媒反応に関与
する公知ホスホリパーゼDと本発明方法で用いる
ホスホリパーゼDMとの上記の如き酵素学的性質
の差異が関与しているものと推測される。勿論、
本発明方法はこのような作用の推測によつて何等
の制約もうけるものではない。 本発明方法で利用するホスホリパーゼDMは、
後記転移作用の実験方法(TLCによる転移生成
物の生成確認方法)に従つて反応を行い、複素環
一級アルコール例えばN−(2−ヒドロキシエチ
ル)ピロリジンとリン脂質例えばレシチンとの間
にけるリン脂質複素環化合物誘導体形成反応を触
媒して、該リン脂質の該複素環化合物誘導体を形
成する。公知ホスホリパーゼDは、上記誘導体を
形成しない。 本発明方法によれば、前記例示の如き式()
リン脂質と前記例の如き(1)〜(3)のアルコール性水
酸基を有する複素環化合物とを、上記に詳しく述
べたホスホリパーゼDMの存在下に反応させるこ
とにより、下記式()
【化】
但し式中、A,A′及びCは前記したと同義で
ある、 で表わされるリン脂質複素環化合物誘導体を製造
することができる。この際、ホスホリパーゼDM
は精製品として使用する必要はなく粗製品であつ
てもよい。更に、適当な固定化担体たとえばポリ
プロピレン膜、セライト粒、ガラスビーズなどの
如き各種の重合体樹脂類や無機材料の粒状物やフ
イルム状物に担持固定して利用することもでき
る。 反応は、ホスホリパーゼDMの存在下で、好ま
しくは溶媒の存在下に、式()リン脂質と前記
(1)〜(3)のアルコール性水酸基を有する複素環化合
物とを接触せしめることにより行うことができ
る。利用する溶媒の例としては、水性溶媒及び水
性溶媒と有機溶媒との混合溶媒を例示することが
できる。又、場合によつてはアルコール性水酸基
を有する複素環化合物それ自体に溶媒の役目を兼
ねさせることもできる。また、ホスホリパーゼ
DMの酵素学的触媒作用を阻害しない任意の他の
添加剤を含む溶媒も利用でき、たとえば該作用を
促進したり、酵素の安定化に役立つ適当な添加剤
を含有した溶媒であることができる。例えば、ア
ルブミン、カゼイン等の蛋白質の他の酢酸、クエ
ン酸、リン酸などの緩衝剤を含有したり、塩化カ
ルシウムその他の中性塩を含有したり又、タウロ
コール酸ソーダ等の胆汁酸塩類を含有した水性溶
媒であることができる。更に、有機溶媒の例とし
ては、例えば、n−ヘプタン、n−ヘキサン、イ
ソオクタンなどの如き脂肪族炭化水素類;シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロブタンなどの
如き脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの如き芳香族炭化水素類;アセトン、
メチルイソプロピルケトンなどの如きケトン類;
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテルなどの如きエーテル類;酢酸メチ
ル、酢酸エチルなどの如きエステル類;四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレンなどの如きハロ
ゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミドの如き
アミド溶媒類;ジメチルスルホキシドの如きスル
ホキシド溶媒類などを例示することができる。 水性溶媒を有機溶媒との混合溶媒の形で利用す
る場合の両者の混合比は適当に選択できるが、例
えば水性溶媒:有機溶媒(v/v比)の比で
100:0〜1:99の如き混合比を例示することが
できる。 反応モル比、ホスホリパーゼDMの使用量、溶
媒の使用量などは、適宜に選択できるが、例え
ば、式()リン脂質1モルに対してアルコール
性水酸基を有する複素環化合物約1:1〜約1:
1000モルの反応モル比を例示することができる。
また、ホスホリパーゼDMの使用量としては、例
えば、式()リン脂質1g当り約10〜約100000
単位、好ましくは約100〜約1000単位程度の使用
量を例示することができる。さらに、溶媒の使用
量としては、例えば、式()リン脂質に対して
約2倍〜約100倍(容量)程度の使用量を例示で
きる。 反応は、室温で進行するので、とくに冷却或は
加熱の必要はないが、所望により適宜、冷却もし
くは加温条件を採用することかできる。例えば、
約0℃〜約90℃、好ましくは約20℃〜約60℃の如
き反応温度を例示することかできる。また反応時
間も適宜に選択できるが、例えば約1分〜約10
日、好ましくは約1時間〜約72時間の如き反応時
間を例示することができる。所望により、たとば
TLC(薄層クロマトグラフイー)などの手法を利
用して反応経過を追跡し、所望の目的物の形成を
確認することにより反応時間を適宜に変更するこ
とができる。 ホスホリパーゼDMの存在下で式()リン脂
質と前記(1)〜(3)アルコール性水酸基を有する複素
環化合物とを接触せしめる態様は適宜に選択でき
るが、撹拌もしくは振盪条件で行うのが普通であ
る。酸化分解を受け易い基質又はアルコール性水
酸基を有する複素環化合物を用いて反応する場合
には窒素気流中で行う事が望ましい。又、前記の
ように適当な粒状物やフイルム状物担体に担持固
定化した固定化酵素の形でホスホリパーゼDMを
利用する場合には、例えば、固定化酵素膜もしく
は固定化酵素粒子層を介して反応組成液を循環ポ
ンプを用いて通過させる態様で行うことができ
る。 上述のようにして反応を行つた後、形成された
式()リン脂質複素環化合物誘導体は、そのま
ま又は塩の形で沈澱させて分離し利用することが
できる。尚、ここで式()リン脂質複素環化合
物誘導体の塩としては、例えば塩酸、臭化水素
酸、硫酸、燐酸等の無機酸との塩、シユウ酸、マ
レイン酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、メタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸等の有機酸との塩、アルギニン、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸等のアミノ酸との塩、ナトリ
ウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、マグ
ネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との
塩及びアンモニウム塩等があげられる。更に、該
誘導体及びその塩はケイ酸カラムクロマト、アル
ミナカラムクロマト、イオン交換クロマト、高速
液体クロマト、向流分配、ゲル過、吸着クロマ
ト等の適当な公知の方法を利用して分離精製する
ことができる。 本発明方法によれば、上述したようにして、式
()リン脂質と前記(1)〜(3)のアルコール性水酸
基を有する複素環化合物とを、ホスホリパーゼ
DMの存在下に反応させて式()リン脂質複素
環化合物誘導体を製造することができる。 得られる式()リン脂質複素環化合物誘導体
は、すぐれた界面活性作用を有し細胞膜の透過性
に大きな影響を持つ。この意味から、該式()
誘導体はリポソーム形成基材又はリポソーム表面
修飾基材として利用出来る他、動植物細胞培養基
に添加することにより有用物質生産を誘導又は促
進する効果も期待出来る。又化粧品たとえばクリ
ーム、乳液に配合して皮膚生理に役立つ乳化剤と
して、更に脂肪系薬剤の乳化剤、殺虫剤、除草剤
などの如き農薬の乳化剤用途に有用である。 更に多くの場合リン脂質はそれぞれ特異的な生
理活性を有することが知られている。特にリン脂
質複素環誘導体としては例えば、特開昭58−
29794、58−164596には下記式),)の化学合
成リン脂質についての製法と抗腫瘍剤としての有
効性にいて開示している。 又、特開昭58−1359には下記式)の化学合成
リン脂質についての製法と血圧降下剤としての有
効性について開示している。 更に特開昭58−154512には下記式)の化学合
成リン脂質についての製法と血小板活性化因子拮
抗剤としての有効性について開示している。
ある、 で表わされるリン脂質複素環化合物誘導体を製造
することができる。この際、ホスホリパーゼDM
は精製品として使用する必要はなく粗製品であつ
てもよい。更に、適当な固定化担体たとえばポリ
プロピレン膜、セライト粒、ガラスビーズなどの
如き各種の重合体樹脂類や無機材料の粒状物やフ
イルム状物に担持固定して利用することもでき
る。 反応は、ホスホリパーゼDMの存在下で、好ま
しくは溶媒の存在下に、式()リン脂質と前記
(1)〜(3)のアルコール性水酸基を有する複素環化合
物とを接触せしめることにより行うことができ
る。利用する溶媒の例としては、水性溶媒及び水
性溶媒と有機溶媒との混合溶媒を例示することが
できる。又、場合によつてはアルコール性水酸基
を有する複素環化合物それ自体に溶媒の役目を兼
ねさせることもできる。また、ホスホリパーゼ
DMの酵素学的触媒作用を阻害しない任意の他の
添加剤を含む溶媒も利用でき、たとえば該作用を
促進したり、酵素の安定化に役立つ適当な添加剤
を含有した溶媒であることができる。例えば、ア
ルブミン、カゼイン等の蛋白質の他の酢酸、クエ
ン酸、リン酸などの緩衝剤を含有したり、塩化カ
ルシウムその他の中性塩を含有したり又、タウロ
コール酸ソーダ等の胆汁酸塩類を含有した水性溶
媒であることができる。更に、有機溶媒の例とし
ては、例えば、n−ヘプタン、n−ヘキサン、イ
ソオクタンなどの如き脂肪族炭化水素類;シクロ
ペンタン、シクロヘキサン、シクロブタンなどの
如き脂環族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの如き芳香族炭化水素類;アセトン、
メチルイソプロピルケトンなどの如きケトン類;
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプ
ロピルエーテルなどの如きエーテル類;酢酸メチ
ル、酢酸エチルなどの如きエステル類;四塩化炭
素、クロロホルム、塩化メチレンなどの如きハロ
ゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミドの如き
アミド溶媒類;ジメチルスルホキシドの如きスル
ホキシド溶媒類などを例示することができる。 水性溶媒を有機溶媒との混合溶媒の形で利用す
る場合の両者の混合比は適当に選択できるが、例
えば水性溶媒:有機溶媒(v/v比)の比で
100:0〜1:99の如き混合比を例示することが
できる。 反応モル比、ホスホリパーゼDMの使用量、溶
媒の使用量などは、適宜に選択できるが、例え
ば、式()リン脂質1モルに対してアルコール
性水酸基を有する複素環化合物約1:1〜約1:
1000モルの反応モル比を例示することができる。
また、ホスホリパーゼDMの使用量としては、例
えば、式()リン脂質1g当り約10〜約100000
単位、好ましくは約100〜約1000単位程度の使用
量を例示することができる。さらに、溶媒の使用
量としては、例えば、式()リン脂質に対して
約2倍〜約100倍(容量)程度の使用量を例示で
きる。 反応は、室温で進行するので、とくに冷却或は
加熱の必要はないが、所望により適宜、冷却もし
くは加温条件を採用することかできる。例えば、
約0℃〜約90℃、好ましくは約20℃〜約60℃の如
き反応温度を例示することかできる。また反応時
間も適宜に選択できるが、例えば約1分〜約10
日、好ましくは約1時間〜約72時間の如き反応時
間を例示することができる。所望により、たとば
TLC(薄層クロマトグラフイー)などの手法を利
用して反応経過を追跡し、所望の目的物の形成を
確認することにより反応時間を適宜に変更するこ
とができる。 ホスホリパーゼDMの存在下で式()リン脂
質と前記(1)〜(3)アルコール性水酸基を有する複素
環化合物とを接触せしめる態様は適宜に選択でき
るが、撹拌もしくは振盪条件で行うのが普通であ
る。酸化分解を受け易い基質又はアルコール性水
酸基を有する複素環化合物を用いて反応する場合
には窒素気流中で行う事が望ましい。又、前記の
ように適当な粒状物やフイルム状物担体に担持固
定化した固定化酵素の形でホスホリパーゼDMを
利用する場合には、例えば、固定化酵素膜もしく
は固定化酵素粒子層を介して反応組成液を循環ポ
ンプを用いて通過させる態様で行うことができ
る。 上述のようにして反応を行つた後、形成された
式()リン脂質複素環化合物誘導体は、そのま
ま又は塩の形で沈澱させて分離し利用することが
できる。尚、ここで式()リン脂質複素環化合
物誘導体の塩としては、例えば塩酸、臭化水素
酸、硫酸、燐酸等の無機酸との塩、シユウ酸、マ
レイン酸、乳酸、酒石酸、フマール酸、メタンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸等の有機酸との塩、アルギニン、アスパラギ
ン酸、グルタミン酸等のアミノ酸との塩、ナトリ
ウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、マグ
ネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との
塩及びアンモニウム塩等があげられる。更に、該
誘導体及びその塩はケイ酸カラムクロマト、アル
ミナカラムクロマト、イオン交換クロマト、高速
液体クロマト、向流分配、ゲル過、吸着クロマ
ト等の適当な公知の方法を利用して分離精製する
ことができる。 本発明方法によれば、上述したようにして、式
()リン脂質と前記(1)〜(3)のアルコール性水酸
基を有する複素環化合物とを、ホスホリパーゼ
DMの存在下に反応させて式()リン脂質複素
環化合物誘導体を製造することができる。 得られる式()リン脂質複素環化合物誘導体
は、すぐれた界面活性作用を有し細胞膜の透過性
に大きな影響を持つ。この意味から、該式()
誘導体はリポソーム形成基材又はリポソーム表面
修飾基材として利用出来る他、動植物細胞培養基
に添加することにより有用物質生産を誘導又は促
進する効果も期待出来る。又化粧品たとえばクリ
ーム、乳液に配合して皮膚生理に役立つ乳化剤と
して、更に脂肪系薬剤の乳化剤、殺虫剤、除草剤
などの如き農薬の乳化剤用途に有用である。 更に多くの場合リン脂質はそれぞれ特異的な生
理活性を有することが知られている。特にリン脂
質複素環誘導体としては例えば、特開昭58−
29794、58−164596には下記式),)の化学合
成リン脂質についての製法と抗腫瘍剤としての有
効性にいて開示している。 又、特開昭58−1359には下記式)の化学合成
リン脂質についての製法と血圧降下剤としての有
効性について開示している。 更に特開昭58−154512には下記式)の化学合
成リン脂質についての製法と血小板活性化因子拮
抗剤としての有効性について開示している。
【化】
【化】
【化】
【化】
但し R1はC1〜C25の脂肪族炭化水素
R2はC1〜C6の 〃
【式】はピリジン環等の複素環を示す。
上記化学合成リン脂質は複雑な手法と何段階に
も及ぶ合成経路により合成されている。 本発明は生化学的作用による一段階反応であ
り、複雑且つ不利益な化学合成手段とは異つて温
和且つ容易な条件で特異的に上記化学合成リン脂
質を包含し、その多くのアナログを簡単に転移調
製出来る。又本発明によれば、基質となりうる多
くの異つた構造の中から選ばれたリン脂質と、更
に多くのアルコール性水酸基を有する複素環化合
物の共存下にホスホリパーゼDMを作用させるこ
とによつて極めて多くのリン脂質複素環化合物誘
導体を得ることが出来ることから、それ等の中に
は、上記した)〜)の化学合成リン脂質と同
等もしくはそれ以上の制ガン作用、血圧降下作
用、血小板活性化抑制作用を持つリン脂質複素環
化合物誘導体の存在が期待できるし、上記以外の
生理活性作用を有するリン脂質複素環化合物誘導
体の存在も期待できる。 又、アルコール性水酸基を有する或いはアルコ
ール性水酸基を導入した複素環薬理活性化合物
を、リン脂質に転移させることによつて、該化合
物の薬理的副作用を弱めたり、或いは薬理効果を
高めてその投与量を低減させたりすることも期待
できる。さらに又、上記薬理活性化合物をリン脂
質に転移させて、該化合物を患部に的確に集中さ
せるための薬理活性化合物例えばビタミン、抗生
物質、殺菌剤等のキヤリヤーとして、さらには、
薬理活性化合物の保護基として有用な役割をはた
すことも期待できる。 又更に、各種医薬品をはじめとする化学合成の
中間体として有用であり、例えば、反応性の高い
ハロゲンやアミノ置換基を有するアルコールを転
移させた誘導体を利用できる。更に又三重水素や
14Cでラベルしたアルコール性水酸基を有する複
素環化合物を転移することによつてラベルされた
リン脂質誘導体が得られ、リン脂質の代謝経路の
解明に利用する事もできる。又、螢光物質を誘導
することによつて螢光誘導体を調整することも出
来る。 以下、実施例により本発明方法実施の数態様に
ついて、更に詳しく例示する。 参考例 1ホスホリパーゼDMの調製。 きな粉3.0%、コーンスターチープリカー1.0
%、ペプトン0.5%、粉末酵母エキス0.1%、グル
コース1.0%、NH4NO30.25%、K2HPO40.4%、
MgSO4・7H2O0.01%、ツウイン(Tween)−85
0.1%から成る培地(PH6.0)約15を30ジヤー
フアーメンターに入れ、120℃で15分間減菌後、
シード培養液1.5を植菌し、27℃で40時間培養
を行つた。尚、上記シード培養液は、澱粉1%、
(NH4)H2PO40.25%、ペプトン0.25%、
K2HPO30.2%、MgSO4・7H2O0.01%を含む水溶
液培地(PH6.8)100mlを500ml坂口フラスコに入
れ、蒸気殺菌後、ノカルデイオプシス金属
NO779株[FERM−BP−512]又はアクチノマ
デユーラ属NO362株[FERM−BP−511]の胞
子を一白金耳接種し、培養温度30℃、120回転/
分の条件で2日間振盪培養して調製した。 培養後、菌体固形物を遠心分離により除去し、
遠心上清13(ノカルデイオプシス属FERM−
BP−512株を用いた場合は0.54μ/ml;アクチノ
マデユーラ属FERM−BP−511株を用いた場合
は1.7μ/mlであつた。)を得た。この遠心上清を
5℃に冷却した後、−20℃のアセトンを加えてア
セトン濃度30〜70%画分に相当するホスホリパー
ゼDMを含む沈澱物を遠心分離により集めた。こ
の沈澱物を、ノカルデイオプシス属FERM−BP
−512株を用いた場合にはPH6.0、アクチノマデユ
ーラ属FERM−BP−511株を用いた場合はPH6.5
のトリス−マレイン酸に溶解し、0.02Mの同緩衝
液に対して透析した後、同緩衝液で平衡化した
DEAE−セルロースに通塔し、通過区分を集め
た。次に堀内等の方法[J.Biochem.81、1639
(1977)]で調製したパルミトイルガーゼをカラム
に充填し、充分に水洗してから上記DEAE−セル
ロース通過液を注入し、活性を吸着した。これを
0.05Mトリス−塩酸緩衝液(PH7.2)で洗浄後、
0.2%TritonX−100を含む同緩衝液を加え活性を
溶出した。活性区分を集めてバイオエンジエアリ
ング社製の限外過膜(Type G−10T)を用い
て濃縮した後、ゲル過担体としてトヨパール
HW−55F[東洋曹達(株)製]充填カラムに注入し、
蒸留水を用いて通塔し、活性区分を集めて凍結乾
燥を行つた。 この乾燥粉末を、ノカルデイオプシス属ホスホ
リパーゼDMの場合には0.025Mイミダゾール−
塩酸(PH7.4)に溶解後、アクチノマデユーラ属
ホスホリパーゼDMの場合には0.025Mトリス−
酢酸(PH8.3)に溶解後、フアルマシア・フアイ
ンケミカルス社製のポリバツフア交換体PBETN94
(20ml)充填カラムに通塔して活性を吸着後、同
社製の溶出用ポリバツフア(PH5.0)を用いてPH
勾配により溶出した。溶出したホスホリパーゼ
DMの活性区分を集めて限外過膜にて濃縮し、
セフアデツクスG−75充填カラムに通塔し、ホス
ホリパーゼDM活性区分を集めて凍結乾燥した。 斯くて、ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼ
DMの場合には、約40%の活性回収率で、比活性
178.3μ/mg蛋白質として、アクチノマデユーラ属
ホスホリパーゼDMの場合には約43%の活性回収
率で、比活性218.3μ/mg蛋白質として、ホスホリ
パーゼDMが回収された。 実施例 1(Run No.1〜No.47) 後掲第2表に示した下記リン脂質 基質:L−α−レシチン(卵黄由来 シグマ社
製 純度99%) 基質:L−α−レシチン,β,γ−ジヘキサデ
シル(カルビオケム−ベーリング社製)
(1,2−ジテトラデカノイル−sn−グリ
セロール−3−ホスホリルコリン) 基質:L−α−レシチン,β,γ−ヘキサデシ
リジン(同上) (1,2−シクロヘキサデシリデン−sn−
グセロール−3−ホスホリルコリン) 基質:β−レシチン−α,γ−ジパルミトイル
(同上) (1,3−ジヘキサデカノイル−グリセロ
ール−2−スホリルコリン) 基質:L−α−リゾレシチン(卵黄由来 シグ
マ社製 純度99%) 基質:ホスフアチジルコリンプラスマローゲン (牛心臓由来フナコシ薬品社製) と後掲第2表に示した多数種の複素環アルコール
とを、後記TLCによる転移生成物の生成確認方
法に従つて、ホスホリパーゼDMの存在下で反応
させて、転移生成物の形成を確認した。そのRf
値を後掲第2表にした。(RunNo.1〜47) TLCによる転移生成物の生成確認方法:− 下記組成 1%リン脂質乳化液 0.1ml 0.2M酢酸緩衝液(PH5.7) 0.1ml 1M塩化カルシウム水溶液 0.01ml 20%複素環アルコール水溶液 0.2ml の反応液にホスホリパーゼDM水溶液0.01ml
(1u)を加え、30℃で2日静置した。 尚、上記1%リン脂質乳化液は、リン脂質100
mgにジエチルエーテル1ml及び蒸留水10mlを加え
氷冷下に600W、20kHzの条件で5分間超音波処
理して形成した。又、上記20%複素環アルコール
水溶液は、必要に応じて1N塩酸もしくは1Nカセ
イソーダでPHを6.0に調整した後に用いた。 上記静置後、0.1N塩酸0.5mlを加え反応を停止
した後、5mlのクロロホルムメタノール混液
(2:1v/v)を加えて激しく撹拌し、脂質(生
成物)を抽出した。この懸濁液を数分間静置し、
下層のクロロホルム層を分取し、30℃で減圧乾固
した後、クロロホルム−メタノール混液(2:
1v/v)100μに溶解してTLCの試料とした。
このうち10μをシリカゲル薄層(メルク社製、
シリカゲル60TLCプレート、20×20cm)にスポ
ツトし、ジイソブチルケトン−酢酸−水(40:
25:5v/v)を展開溶媒として展開した。 スポツトの検出には下記の試薬を用いた。 検出されたスポツトで未分解の基質及びその加
水分解物以外のリン脂質のスポツトが検出された
場合、これを転移生成物と認めた。 検出試薬: リン酸の呈色:Zinzadeの試薬 (Beiss U.J.Chromatog.13,104,)1964) プリン及びピリミジンの呈色: フルオレツセイン−アンモニア試薬 (Wieland T.らAngew.Chem.63,511,1951) 有機化合物の呈色: 50%硫酸 比較例 1 実施例1に於て、ホスホリパーゼDMの代り
に、キヤベツ由来の公知ホスホリパーゼD(P−
L Biochemicals Inc.)を用いるほかは、実施
例1と同様に行つた。その結果、後掲第2表にし
たすべての複素環アルコールについて転移生成物
の生成は認められなかつた。
も及ぶ合成経路により合成されている。 本発明は生化学的作用による一段階反応であ
り、複雑且つ不利益な化学合成手段とは異つて温
和且つ容易な条件で特異的に上記化学合成リン脂
質を包含し、その多くのアナログを簡単に転移調
製出来る。又本発明によれば、基質となりうる多
くの異つた構造の中から選ばれたリン脂質と、更
に多くのアルコール性水酸基を有する複素環化合
物の共存下にホスホリパーゼDMを作用させるこ
とによつて極めて多くのリン脂質複素環化合物誘
導体を得ることが出来ることから、それ等の中に
は、上記した)〜)の化学合成リン脂質と同
等もしくはそれ以上の制ガン作用、血圧降下作
用、血小板活性化抑制作用を持つリン脂質複素環
化合物誘導体の存在が期待できるし、上記以外の
生理活性作用を有するリン脂質複素環化合物誘導
体の存在も期待できる。 又、アルコール性水酸基を有する或いはアルコ
ール性水酸基を導入した複素環薬理活性化合物
を、リン脂質に転移させることによつて、該化合
物の薬理的副作用を弱めたり、或いは薬理効果を
高めてその投与量を低減させたりすることも期待
できる。さらに又、上記薬理活性化合物をリン脂
質に転移させて、該化合物を患部に的確に集中さ
せるための薬理活性化合物例えばビタミン、抗生
物質、殺菌剤等のキヤリヤーとして、さらには、
薬理活性化合物の保護基として有用な役割をはた
すことも期待できる。 又更に、各種医薬品をはじめとする化学合成の
中間体として有用であり、例えば、反応性の高い
ハロゲンやアミノ置換基を有するアルコールを転
移させた誘導体を利用できる。更に又三重水素や
14Cでラベルしたアルコール性水酸基を有する複
素環化合物を転移することによつてラベルされた
リン脂質誘導体が得られ、リン脂質の代謝経路の
解明に利用する事もできる。又、螢光物質を誘導
することによつて螢光誘導体を調整することも出
来る。 以下、実施例により本発明方法実施の数態様に
ついて、更に詳しく例示する。 参考例 1ホスホリパーゼDMの調製。 きな粉3.0%、コーンスターチープリカー1.0
%、ペプトン0.5%、粉末酵母エキス0.1%、グル
コース1.0%、NH4NO30.25%、K2HPO40.4%、
MgSO4・7H2O0.01%、ツウイン(Tween)−85
0.1%から成る培地(PH6.0)約15を30ジヤー
フアーメンターに入れ、120℃で15分間減菌後、
シード培養液1.5を植菌し、27℃で40時間培養
を行つた。尚、上記シード培養液は、澱粉1%、
(NH4)H2PO40.25%、ペプトン0.25%、
K2HPO30.2%、MgSO4・7H2O0.01%を含む水溶
液培地(PH6.8)100mlを500ml坂口フラスコに入
れ、蒸気殺菌後、ノカルデイオプシス金属
NO779株[FERM−BP−512]又はアクチノマ
デユーラ属NO362株[FERM−BP−511]の胞
子を一白金耳接種し、培養温度30℃、120回転/
分の条件で2日間振盪培養して調製した。 培養後、菌体固形物を遠心分離により除去し、
遠心上清13(ノカルデイオプシス属FERM−
BP−512株を用いた場合は0.54μ/ml;アクチノ
マデユーラ属FERM−BP−511株を用いた場合
は1.7μ/mlであつた。)を得た。この遠心上清を
5℃に冷却した後、−20℃のアセトンを加えてア
セトン濃度30〜70%画分に相当するホスホリパー
ゼDMを含む沈澱物を遠心分離により集めた。こ
の沈澱物を、ノカルデイオプシス属FERM−BP
−512株を用いた場合にはPH6.0、アクチノマデユ
ーラ属FERM−BP−511株を用いた場合はPH6.5
のトリス−マレイン酸に溶解し、0.02Mの同緩衝
液に対して透析した後、同緩衝液で平衡化した
DEAE−セルロースに通塔し、通過区分を集め
た。次に堀内等の方法[J.Biochem.81、1639
(1977)]で調製したパルミトイルガーゼをカラム
に充填し、充分に水洗してから上記DEAE−セル
ロース通過液を注入し、活性を吸着した。これを
0.05Mトリス−塩酸緩衝液(PH7.2)で洗浄後、
0.2%TritonX−100を含む同緩衝液を加え活性を
溶出した。活性区分を集めてバイオエンジエアリ
ング社製の限外過膜(Type G−10T)を用い
て濃縮した後、ゲル過担体としてトヨパール
HW−55F[東洋曹達(株)製]充填カラムに注入し、
蒸留水を用いて通塔し、活性区分を集めて凍結乾
燥を行つた。 この乾燥粉末を、ノカルデイオプシス属ホスホ
リパーゼDMの場合には0.025Mイミダゾール−
塩酸(PH7.4)に溶解後、アクチノマデユーラ属
ホスホリパーゼDMの場合には0.025Mトリス−
酢酸(PH8.3)に溶解後、フアルマシア・フアイ
ンケミカルス社製のポリバツフア交換体PBETN94
(20ml)充填カラムに通塔して活性を吸着後、同
社製の溶出用ポリバツフア(PH5.0)を用いてPH
勾配により溶出した。溶出したホスホリパーゼ
DMの活性区分を集めて限外過膜にて濃縮し、
セフアデツクスG−75充填カラムに通塔し、ホス
ホリパーゼDM活性区分を集めて凍結乾燥した。 斯くて、ノカルデイオプシス属ホスホリパーゼ
DMの場合には、約40%の活性回収率で、比活性
178.3μ/mg蛋白質として、アクチノマデユーラ属
ホスホリパーゼDMの場合には約43%の活性回収
率で、比活性218.3μ/mg蛋白質として、ホスホリ
パーゼDMが回収された。 実施例 1(Run No.1〜No.47) 後掲第2表に示した下記リン脂質 基質:L−α−レシチン(卵黄由来 シグマ社
製 純度99%) 基質:L−α−レシチン,β,γ−ジヘキサデ
シル(カルビオケム−ベーリング社製)
(1,2−ジテトラデカノイル−sn−グリ
セロール−3−ホスホリルコリン) 基質:L−α−レシチン,β,γ−ヘキサデシ
リジン(同上) (1,2−シクロヘキサデシリデン−sn−
グセロール−3−ホスホリルコリン) 基質:β−レシチン−α,γ−ジパルミトイル
(同上) (1,3−ジヘキサデカノイル−グリセロ
ール−2−スホリルコリン) 基質:L−α−リゾレシチン(卵黄由来 シグ
マ社製 純度99%) 基質:ホスフアチジルコリンプラスマローゲン (牛心臓由来フナコシ薬品社製) と後掲第2表に示した多数種の複素環アルコール
とを、後記TLCによる転移生成物の生成確認方
法に従つて、ホスホリパーゼDMの存在下で反応
させて、転移生成物の形成を確認した。そのRf
値を後掲第2表にした。(RunNo.1〜47) TLCによる転移生成物の生成確認方法:− 下記組成 1%リン脂質乳化液 0.1ml 0.2M酢酸緩衝液(PH5.7) 0.1ml 1M塩化カルシウム水溶液 0.01ml 20%複素環アルコール水溶液 0.2ml の反応液にホスホリパーゼDM水溶液0.01ml
(1u)を加え、30℃で2日静置した。 尚、上記1%リン脂質乳化液は、リン脂質100
mgにジエチルエーテル1ml及び蒸留水10mlを加え
氷冷下に600W、20kHzの条件で5分間超音波処
理して形成した。又、上記20%複素環アルコール
水溶液は、必要に応じて1N塩酸もしくは1Nカセ
イソーダでPHを6.0に調整した後に用いた。 上記静置後、0.1N塩酸0.5mlを加え反応を停止
した後、5mlのクロロホルムメタノール混液
(2:1v/v)を加えて激しく撹拌し、脂質(生
成物)を抽出した。この懸濁液を数分間静置し、
下層のクロロホルム層を分取し、30℃で減圧乾固
した後、クロロホルム−メタノール混液(2:
1v/v)100μに溶解してTLCの試料とした。
このうち10μをシリカゲル薄層(メルク社製、
シリカゲル60TLCプレート、20×20cm)にスポ
ツトし、ジイソブチルケトン−酢酸−水(40:
25:5v/v)を展開溶媒として展開した。 スポツトの検出には下記の試薬を用いた。 検出されたスポツトで未分解の基質及びその加
水分解物以外のリン脂質のスポツトが検出された
場合、これを転移生成物と認めた。 検出試薬: リン酸の呈色:Zinzadeの試薬 (Beiss U.J.Chromatog.13,104,)1964) プリン及びピリミジンの呈色: フルオレツセイン−アンモニア試薬 (Wieland T.らAngew.Chem.63,511,1951) 有機化合物の呈色: 50%硫酸 比較例 1 実施例1に於て、ホスホリパーゼDMの代り
に、キヤベツ由来の公知ホスホリパーゼD(P−
L Biochemicals Inc.)を用いるほかは、実施
例1と同様に行つた。その結果、後掲第2表にし
たすべての複素環アルコールについて転移生成物
の生成は認められなかつた。
【表】
【表】
実施例 2 (Run No.1〜No.32)
L−α−レシチン(卵黄由来シグマ社製 純度
99%)の10%ジエチルエーテル溶液 0.2ml 0.2M酢酸緩衝液(PH5.7) 0.2ml 1M塩化カルシウム水溶液 0.1ml 20%N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン
水溶液 0.5ml を共栓付き試験管中に入れPH5.7に合した後、ホ
スホリパーゼDM水溶液0.1ml(10〜20u)を加え
て、30℃2日間振トウ反応させた。 次に、反応液に0.1N塩酸を2ml加えて反応を
停止た後更にクロロホルム−メタノール混液
(2:1v/v)10mlを加えて、激しく混合し、リ
ン脂質を抽出した。この混合液を2000xg10分間
遠心し、下層のクロロホルム層を分取し、分取し
たクロロホルム層を更に5mlの水で洗つた。この
混合液から遠心によつて再びクロロホルム層を分
取し、30℃で減圧乾固した後、0.5mlのn−ヘキ
サン−2−プロパノール−水(60:80:12v/
v)混液に溶解した。 この試料10ulをシリカゲル薄層(メルク社製シ
リカゲル60TLCプレート)にスポツトし、ジイ
ソブチルケトン−酢酸−水(40:25:5v/v)
の溶媒系で展開したところ3種類のリン脂質が検
出され、そのうち2つはホスフアチジン酸及びレ
シチンとRf値が一致した。そこでこの試料を高
速液体クロマトグラフイーによつて分離精製し
た。カラムはラジアルバツクカートリツジシリカ
8mm×10cm(ウオーターズ社製)、溶媒はn−ヘ
キサン−2−プロパノール−水(60:80:12v/
v)、流速2ml/分で、ピークの検出には441型紫
外線検出器(ウオーターズ社製)による214nmの
吸収、及びR401型示差屈析計(ウオーターズ社
製)を用いた。試料は5回に分け0.1mlづつ注入
した。 この溶媒によりホスフアチジン酸、L−α−レ
シチン、転移生成物であるホスフアチジル−N−
(2−ヒドロキシエチル)ピペリジンの3成分を
分取した。得られたホスフアチジル−N−(2−
ヒドロキシエチル)ピペリジンはもう一度同様な
操作により精製し、精製ホスフアチジル−N−
(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン5mgを得た。
これはTLC及び高速液クロで単一であることを
確認した。この化合物のIRスペクトルは日本分
光A202型赤外分光光度計を用い、液膜法で測定
した。その結果を第3表に示した。(Run No.1) 第3表に示した他の複素環アルコールを用いて
上記と同様に行つた。その結果を第3表に示し
た。(Run No.2〜32)
99%)の10%ジエチルエーテル溶液 0.2ml 0.2M酢酸緩衝液(PH5.7) 0.2ml 1M塩化カルシウム水溶液 0.1ml 20%N−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン
水溶液 0.5ml を共栓付き試験管中に入れPH5.7に合した後、ホ
スホリパーゼDM水溶液0.1ml(10〜20u)を加え
て、30℃2日間振トウ反応させた。 次に、反応液に0.1N塩酸を2ml加えて反応を
停止た後更にクロロホルム−メタノール混液
(2:1v/v)10mlを加えて、激しく混合し、リ
ン脂質を抽出した。この混合液を2000xg10分間
遠心し、下層のクロロホルム層を分取し、分取し
たクロロホルム層を更に5mlの水で洗つた。この
混合液から遠心によつて再びクロロホルム層を分
取し、30℃で減圧乾固した後、0.5mlのn−ヘキ
サン−2−プロパノール−水(60:80:12v/
v)混液に溶解した。 この試料10ulをシリカゲル薄層(メルク社製シ
リカゲル60TLCプレート)にスポツトし、ジイ
ソブチルケトン−酢酸−水(40:25:5v/v)
の溶媒系で展開したところ3種類のリン脂質が検
出され、そのうち2つはホスフアチジン酸及びレ
シチンとRf値が一致した。そこでこの試料を高
速液体クロマトグラフイーによつて分離精製し
た。カラムはラジアルバツクカートリツジシリカ
8mm×10cm(ウオーターズ社製)、溶媒はn−ヘ
キサン−2−プロパノール−水(60:80:12v/
v)、流速2ml/分で、ピークの検出には441型紫
外線検出器(ウオーターズ社製)による214nmの
吸収、及びR401型示差屈析計(ウオーターズ社
製)を用いた。試料は5回に分け0.1mlづつ注入
した。 この溶媒によりホスフアチジン酸、L−α−レ
シチン、転移生成物であるホスフアチジル−N−
(2−ヒドロキシエチル)ピペリジンの3成分を
分取した。得られたホスフアチジル−N−(2−
ヒドロキシエチル)ピペリジンはもう一度同様な
操作により精製し、精製ホスフアチジル−N−
(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン5mgを得た。
これはTLC及び高速液クロで単一であることを
確認した。この化合物のIRスペクトルは日本分
光A202型赤外分光光度計を用い、液膜法で測定
した。その結果を第3表に示した。(Run No.1) 第3表に示した他の複素環アルコールを用いて
上記と同様に行つた。その結果を第3表に示し
た。(Run No.2〜32)
【表】
実施例 3 (Run No.1〜No.15)
後掲第4表に示した下記リン脂質
基質:L−α−レシチン、β,γ−ジヘキサデ
シル(カルビオケム−ベーリング社製) 基質:L−α−レシチン、β,γ−ヘキサデシ
リジン(同上) 基質:β−レシチン、α,γ−ジパルミトイル
(同上) 基質:L−α−リゾレシチン(卵黄由来、シグ
マ社製) 基質:ホスフアチジルコリンプラスマローゲン
(ウシ心臓由来フナコシ薬品製) を実施例1と同様な方法で乳化し10%乳化液を調
整した。乳化液0.2mlをそれぞれ別の共栓付試験
管に入れ、複素環アルコールとして 4−ヒドロキシメチルイミダゾールの20%溶液
0.5mlを加え、 0.2M酢酸緩衝液(PH5.7) 0.2ml、 1M塩化カルシウム水溶液 0.1ml、 を加え、更にホスホリパーゼDM水溶液0.1ml
(20u)を加え、30℃で2日間静置した。これら
の反応液を実施例2と同様に処理し転移生成物を
得た。この化合物のIRスペクトルを第4表に示
した。(Run No.9) 第4表に示した他の複素環アルコールを用いて
上記と同様に行つた。その結果を第4表に示し
た。(Run No.1〜8、10〜15)
シル(カルビオケム−ベーリング社製) 基質:L−α−レシチン、β,γ−ヘキサデシ
リジン(同上) 基質:β−レシチン、α,γ−ジパルミトイル
(同上) 基質:L−α−リゾレシチン(卵黄由来、シグ
マ社製) 基質:ホスフアチジルコリンプラスマローゲン
(ウシ心臓由来フナコシ薬品製) を実施例1と同様な方法で乳化し10%乳化液を調
整した。乳化液0.2mlをそれぞれ別の共栓付試験
管に入れ、複素環アルコールとして 4−ヒドロキシメチルイミダゾールの20%溶液
0.5mlを加え、 0.2M酢酸緩衝液(PH5.7) 0.2ml、 1M塩化カルシウム水溶液 0.1ml、 を加え、更にホスホリパーゼDM水溶液0.1ml
(20u)を加え、30℃で2日間静置した。これら
の反応液を実施例2と同様に処理し転移生成物を
得た。この化合物のIRスペクトルを第4表に示
した。(Run No.9) 第4表に示した他の複素環アルコールを用いて
上記と同様に行つた。その結果を第4表に示し
た。(Run No.1〜8、10〜15)
【表】
【表】
実施例 4 (Run No.1〜No.6)
後掲第5表に示した下記リン脂質
基質:L−α−レシチン、β,γ−ジミリスト
イル 基質:L−α−ホスフアチジルエタノールアミ
ン、β,γ−ジミリストイル 基質:L−α−ホスフアチジル−N−メチルエ
タノールアミン、β,γ−ジミリストイル 基質:L−α−ホスフアチジル−DL−グリセ
ロール、β,γ−ジミリストイル(以上い
ずれもカルビオケム−ベーリング社製) 基質:L−α−ホスフアチジルセリン() (牛脳由来 シグマ社製) 基質:L−α−ホスフアチジルエタノール−
β,γ−ジミリストイル[S.F.Yangら
(J.Biol,Cham,242,477,1967)の方法
に従つて基質より調製した。] を、実施例1と同様な方法で乳化した。 各基質20mgを含む乳化液0.2mlをそれぞれ別の
共栓付試験管に入れ、複素環アルコールとしてN
−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの20%溶
液(PH6.0に調整)0.5mlを加え、0.2M酢酸緩衝液
0.2ml、1M塩化カルシウム水溶液0.1mlを加え、
更にホスホリパーゼDM水溶液0.1ml(20u)を加
え30℃で2日静置した。これらの反応液を実施例
2と同様に処理し、共通の転移生成物であるホス
フアチジル−N−(2−ヒドロキシエチル)ピロ
リジンを得た。 そのIRスペクトルを第5表に示した。
イル 基質:L−α−ホスフアチジルエタノールアミ
ン、β,γ−ジミリストイル 基質:L−α−ホスフアチジル−N−メチルエ
タノールアミン、β,γ−ジミリストイル 基質:L−α−ホスフアチジル−DL−グリセ
ロール、β,γ−ジミリストイル(以上い
ずれもカルビオケム−ベーリング社製) 基質:L−α−ホスフアチジルセリン() (牛脳由来 シグマ社製) 基質:L−α−ホスフアチジルエタノール−
β,γ−ジミリストイル[S.F.Yangら
(J.Biol,Cham,242,477,1967)の方法
に従つて基質より調製した。] を、実施例1と同様な方法で乳化した。 各基質20mgを含む乳化液0.2mlをそれぞれ別の
共栓付試験管に入れ、複素環アルコールとしてN
−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジンの20%溶
液(PH6.0に調整)0.5mlを加え、0.2M酢酸緩衝液
0.2ml、1M塩化カルシウム水溶液0.1mlを加え、
更にホスホリパーゼDM水溶液0.1ml(20u)を加
え30℃で2日静置した。これらの反応液を実施例
2と同様に処理し、共通の転移生成物であるホス
フアチジル−N−(2−ヒドロキシエチル)ピロ
リジンを得た。 そのIRスペクトルを第5表に示した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記式() 【式】 式中、Aは下記式(i)又は(ii) 【式】又は【式】 の基を示し、ここで、R1及びR2は、それぞれ同
一もしくは相異なり、基−O−COR11及び基−O
−R12よりえらばれる基を示し、そして、Aが式
()の基を示す場合には、R2はさらにOHであ
ることができ、或いはR1とR2は一緒になつて 【式】 [ここで、nは11〜19の整数を示す]を表わす
ことができ、R11及びR12は同一もしくは相異り、
R11は飽和もしくは不飽和のC7〜C21の脂肪族炭
化水素を示し、R12は飽和もしくは不飽和のC1〜
C21の脂肪族炭化水素基を示し、 A′はオキシドアニオン又は水酸基を示し、B
は−(CH2)2N+(CH3)3、−(CH2)2NH2、−CH2CH
(NH2)COOH、−(CH2)2NH(CH)3、−(CH2)2N
(CH3)2、−CH2CH(OH)CH2OH、 【式】 (イノシトール基)又は−(CH2)mH[ここ
で、mは1〜5の整数である]を示す、 で表わされるリン脂質を、下記(1)〜(3)に示すアル
コール性水酸基を有する複素環化合物、すなわ
ち、 (1) 一級アルコール性OHに結合した鎖状側鎖を
有し、且つテトラヒドロフラン環、ジオキソラ
ン環、チオフエン環、ピロリジン環、イミダゾ
ール環、イミダゾリジン環、オキサゾール環、
チアゾール環、ピラン環、オキサン環、チアン
環、ピペリジン環、トリアジン環、テトラヒド
ロフタルイミド環、ベンゾオキソラン環及びヘ
キサメチレンイミン環よりなる群からえらばれ
る複素環を持つ複素環一級アルコール化合物、
ここで、該化合物の複素環部分はC1〜C3アル
キル基、C1〜C3アルキレン基、水酸基、カル
ボキシル基、カルボニル基、ハロゲン、アミノ
基、オキソ基、ベンジル基、フエニル基及び
C1〜C3のアルキレンスルホン酸基より成る群
からえらばれる置換基を有していてもよい、 (2) 環に直接結合した二級アルコール性OHもし
くは二級アルコール性OHに結合した鎖状側鎖
を有し、且つピペリジン環、モルホリン環、ピ
ロリジン環、オキサン環及びフタルイミド環よ
りなる群からえらばれる複素環を持つ複素環二
級アルコール化合物、ここで、該化合物の複素
環部分はC1〜C3のアルキル基及び水酸基より
成る群からえらばれる置換基を有してもよい、 (3) ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、
プリン環及び8−アザプリン環からえらばれる
複素環を置換基として有するペントース誘導体
又はデオキシペントース誘導体、ここで、該誘
導体の複素環部分はメルカプト基、ハロゲン、
水酸基、カルボキシル基、オキソ基、アミノ
基、C1〜C3のアルキル基、メトキシ基、エト
キシ基、カルボキシメチル基、アセチル基及び
アニソイル基よりなる群からえらばれる置換基
を有してもよい、ただし、アデノシン、シチジ
ン、ウリジン、チミンデオキシリボシド、ウラ
シルデオキシリボシド、イノシン、オロチジ
ン、グアノシン、アラビノシチジン、サイクロ
シチジン、アデニンデオキシリボシド、シトシ
ンデオキシリボシド及びグアニンデオキシリボ
シドより成る群からえらばれる糖を持つ複素環
化合物を除外する、 より成る群からえらばれるアルコール性水酸基を
有する複素環化合物と、リン脂質と複素環アルコ
ールとの間の転移反応を触媒しうる、非イオン性
界面活性剤ポリオキシエチレン(10)オクチルフエニ
ルエーテルによつて賦活されるホスホリパーゼD
の存在下で反応させることを特徴とする下記式
() 【式】 式中、AおよびA′は上記の意味を有し、Cは
上記(1)〜(3)に示すアルコール性水酸基を有する複
素環化合物から該アルコール性水酸基を除いた残
基を示す、 で表わされるリン脂質複素環化合物誘導体及びそ
の塩類の製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59209929A JPS6188890A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 酵素法リン脂質複素環化合物誘導体の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59209929A JPS6188890A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 酵素法リン脂質複素環化合物誘導体の製法 |
Related Child Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5113885A Division JPH075615B2 (ja) | 1993-04-16 | 1993-04-16 | リン脂質誘導体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6188890A JPS6188890A (ja) | 1986-05-07 |
| JPH0588113B2 true JPH0588113B2 (ja) | 1993-12-21 |
Family
ID=16580992
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59209929A Granted JPS6188890A (ja) | 1984-10-08 | 1984-10-08 | 酵素法リン脂質複素環化合物誘導体の製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6188890A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE3778626D1 (de) * | 1986-09-27 | 1992-06-04 | Toyo Jozo Kk | Nukleosid-phospholipid-konjugat. |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5863388A (ja) * | 1981-10-12 | 1983-04-15 | Meito Sangyo Kk | ホスホリパ−ゼdの製造法 |
| JPS5867183A (ja) * | 1981-10-15 | 1983-04-21 | Meito Sangyo Kk | ホスホリパ−ゼdの製造方法 |
-
1984
- 1984-10-08 JP JP59209929A patent/JPS6188890A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6188890A (ja) | 1986-05-07 |
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