JPH062586B2 - チタン酸鉛微結晶の製造方法 - Google Patents
チタン酸鉛微結晶の製造方法Info
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- JPH062586B2 JPH062586B2 JP59275620A JP27562084A JPH062586B2 JP H062586 B2 JPH062586 B2 JP H062586B2 JP 59275620 A JP59275620 A JP 59275620A JP 27562084 A JP27562084 A JP 27562084A JP H062586 B2 JPH062586 B2 JP H062586B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ペロブスカイト型チタン酸鉛微結晶の前駆体
として、あるいは強誘電材料、圧電材料、焦電材料の添
加物として有用な、パイロクロア型のチタン酸鉛微結晶
の製造方法に関するものである。
として、あるいは強誘電材料、圧電材料、焦電材料の添
加物として有用な、パイロクロア型のチタン酸鉛微結晶
の製造方法に関するものである。
誘電体磁器の分野においては、電子部品の小型化や用途
の多様化等から、原料となる誘電体酸化物微粒子の新た
なる合成法の開発が進められている。
の多様化等から、原料となる誘電体酸化物微粒子の新た
なる合成法の開発が進められている。
例えば、多層セラミックコンデンサにおいては、大容量
化とともに小型・軽量化を図るために、セラミック層の
厚みを薄くすることが必要で、原料である誘電体酸化物
の微粒子化が重要な課題となる。また、コンデンサの耐
圧の点からは、焼結段階での異常粒成長や不均一粒子の
生成は好ましくなく、均一微粒子の合成法の開発が急務
となっている。
化とともに小型・軽量化を図るために、セラミック層の
厚みを薄くすることが必要で、原料である誘電体酸化物
の微粒子化が重要な課題となる。また、コンデンサの耐
圧の点からは、焼結段階での異常粒成長や不均一粒子の
生成は好ましくなく、均一微粒子の合成法の開発が急務
となっている。
一方、誘電体磁器の原料となる誘電体酸化物としては、
数々の優れた特性を有するチタン酸鉛が広く用いられて
いる。そして、このチタン酸鉛(PbTiO3)は、一般
に、酸化鉛(PbO)と酸化チタン(TiO2)とを混合
し、ボールミルで粉砕混合した後、800〜1000℃
で仮焼成し、さらに均一になるまで再度粉砕して、本焼
成を行うという方法により合成されている。
数々の優れた特性を有するチタン酸鉛が広く用いられて
いる。そして、このチタン酸鉛(PbTiO3)は、一般
に、酸化鉛(PbO)と酸化チタン(TiO2)とを混合
し、ボールミルで粉砕混合した後、800〜1000℃
で仮焼成し、さらに均一になるまで再度粉砕して、本焼
成を行うという方法により合成されている。
ところで、このような方法によりチタン酸鉛微粒子を合
成する際には、PbOの蒸発が大きな問題となる。すな
わち、上記仮焼成時の温度が高い程、PbOの蒸発量が
指数関数的に多くなり、得られるチタン酸鉛微粒子の組
成が変わってしまう虞れがある。したがって、これを回
避するために、PbO雰囲気中で焼成を行う等、熱処理
時に相当な工夫をする必要がある。あるいは、PbOの
相当量残留しており、この未反応のPbOが蒸発を抑え
るために、仮焼成の温度を下げ、しかる後に本焼成を行
うことも考えられるが、この場合には、上記仮焼成終了
時に未反応のPbOが相当量残量しており、この未反応
のPbOが上記本焼成の段階で気化してしまう虞れもあ
り、ここでも雰囲気コントロールの必要がある。このよ
うなことから、上述のような熱処理を利用した固相反応
法によって得られるチタン酸鉛微粒子では、Pb1−δ
TiO3というように、ペロブスカイト型構造におけるA
サイト欠陥が生じ易く、この非化学量論性が圧電特性や
焦電特性等に悪影響を及ぼす虞れが高い。また、仮に化
学量論性の高いものが高温熱処理によって得られると仮
定しても、前述のような原料調整手順による限り、焼結
性は悪くなる。これは、チタン酸鉛はペロブスカイト型
構造を有するもののなかでも最も結晶異方性が高い、す
なわち正方歪が大きいので、特定方向での熱膨脹係数が
著しく異なり、高温から温度を下げてくる際に、クラッ
クを生じたりするためである。さらに、これを回避する
ために、種々の添加剤を加えて上記焼結性の改善を図る
ことも考えられるが、この場合には圧電特性上の問題が
生じてくる。すなわち、チタン酸鉛は、縦波の電気機械
結合係数が横波のそれよりも大きいという利点を生か
し、他の圧電材料では達し得ない部分に有効に利用され
ているが、上記添加剤の如き不純物を加えることによ
り、その特性が低下することが充分考えられる。したが
って、以上のような理由から、固相反応法によるチタン
酸鉛の純粋な形での誘電体磁器への応用例はほとんどな
く、圧電特性と焼結性の相反する特性のうちいずれか一
方を重視して実用に供しているのが実情である。
成する際には、PbOの蒸発が大きな問題となる。すな
わち、上記仮焼成時の温度が高い程、PbOの蒸発量が
指数関数的に多くなり、得られるチタン酸鉛微粒子の組
成が変わってしまう虞れがある。したがって、これを回
避するために、PbO雰囲気中で焼成を行う等、熱処理
時に相当な工夫をする必要がある。あるいは、PbOの
相当量残留しており、この未反応のPbOが蒸発を抑え
るために、仮焼成の温度を下げ、しかる後に本焼成を行
うことも考えられるが、この場合には、上記仮焼成終了
時に未反応のPbOが相当量残量しており、この未反応
のPbOが上記本焼成の段階で気化してしまう虞れもあ
り、ここでも雰囲気コントロールの必要がある。このよ
うなことから、上述のような熱処理を利用した固相反応
法によって得られるチタン酸鉛微粒子では、Pb1−δ
TiO3というように、ペロブスカイト型構造におけるA
サイト欠陥が生じ易く、この非化学量論性が圧電特性や
焦電特性等に悪影響を及ぼす虞れが高い。また、仮に化
学量論性の高いものが高温熱処理によって得られると仮
定しても、前述のような原料調整手順による限り、焼結
性は悪くなる。これは、チタン酸鉛はペロブスカイト型
構造を有するもののなかでも最も結晶異方性が高い、す
なわち正方歪が大きいので、特定方向での熱膨脹係数が
著しく異なり、高温から温度を下げてくる際に、クラッ
クを生じたりするためである。さらに、これを回避する
ために、種々の添加剤を加えて上記焼結性の改善を図る
ことも考えられるが、この場合には圧電特性上の問題が
生じてくる。すなわち、チタン酸鉛は、縦波の電気機械
結合係数が横波のそれよりも大きいという利点を生か
し、他の圧電材料では達し得ない部分に有効に利用され
ているが、上記添加剤の如き不純物を加えることによ
り、その特性が低下することが充分考えられる。したが
って、以上のような理由から、固相反応法によるチタン
酸鉛の純粋な形での誘電体磁器への応用例はほとんどな
く、圧電特性と焼結性の相反する特性のうちいずれか一
方を重視して実用に供しているのが実情である。
これに対し、透明セラミックの原料やコンデンサの添加
物、低温焼結用材料等の原料としての実用を図るため
に、固相反応法における粒子の不均一性、活性度の不
足、不純物の混入等を改善し、均一微粒子を得ようとす
る試みがなされている。
物、低温焼結用材料等の原料としての実用を図るため
に、固相反応法における粒子の不均一性、活性度の不
足、不純物の混入等を改善し、均一微粒子を得ようとす
る試みがなされている。
例えば、特公昭51−2080号公報には、合成しよう
とするペロブスカイト構造のABO3におけるAイオンと
Bイオンの塩をアルカリ水溶液中、沸騰下で反応させる
という湿式合成法が開示されている。しかしながら、こ
の方法では、[Aイオン]/[Bイオン]≧1.8なる条
件が必要とされ、合成のイオン濃度比が1でないので組
成変動を生じ易く、また合成後のものは非晶質で水和物
である。したがって、結晶性粒子を得るためには300
〜400℃の熱処理が必要である。さらに、合成時に不
純物となる過剰のPbCl2を除去するためにデカンテー
ションを行うが、このPbCl2を完全に除去することは
難しい。
とするペロブスカイト構造のABO3におけるAイオンと
Bイオンの塩をアルカリ水溶液中、沸騰下で反応させる
という湿式合成法が開示されている。しかしながら、こ
の方法では、[Aイオン]/[Bイオン]≧1.8なる条
件が必要とされ、合成のイオン濃度比が1でないので組
成変動を生じ易く、また合成後のものは非晶質で水和物
である。したがって、結晶性粒子を得るためには300
〜400℃の熱処理が必要である。さらに、合成時に不
純物となる過剰のPbCl2を除去するためにデカンテー
ションを行うが、このPbCl2を完全に除去することは
難しい。
あるいは、他の方法として、シュウ酸塩法やシュウ酸エ
タノール法が知られているが、前者においては、金属イ
オンの種類によってシュウ酸塩の溶解度が異なる場合
や、沈澱するpH領域が異なる場合があり、均一な組成の
ものを得ることは難しい。また、ショウ酸塩という有機
化合物を使用するので、製造コストや生産性の点でも問
題が多い。さらに、後者においては、組成の均一性の点
ではある程度改善されるものの、製造コストや生産性等
の面で問題が残っている。
タノール法が知られているが、前者においては、金属イ
オンの種類によってシュウ酸塩の溶解度が異なる場合
や、沈澱するpH領域が異なる場合があり、均一な組成の
ものを得ることは難しい。また、ショウ酸塩という有機
化合物を使用するので、製造コストや生産性の点でも問
題が多い。さらに、後者においては、組成の均一性の点
ではある程度改善されるものの、製造コストや生産性等
の面で問題が残っている。
さらに、一般式M(OR)nで表される有機金属化合物を
合成し、これから一般式MIMII(OR)mで表される複合
アルコキシドを合成した後、加水分解するという、いわ
ゆる金属アルコキシド法も提案されているが、製造コス
トや生産性等の点で非常に問題が多い。また、得られる
沈澱は高純度のものであるが、非晶質であり、やはり4
00℃程度の熱処理を施す必要がある。
合成し、これから一般式MIMII(OR)mで表される複合
アルコキシドを合成した後、加水分解するという、いわ
ゆる金属アルコキシド法も提案されているが、製造コス
トや生産性等の点で非常に問題が多い。また、得られる
沈澱は高純度のものであるが、非晶質であり、やはり4
00℃程度の熱処理を施す必要がある。
このように、従来の合成法では、熱処理なしに液相から
結晶性チタン酸鉛微粒子を合成することは困難であり、
均一性や純度の高いチタン酸鉛微結晶を得ることは困難
であった。また、用途に応じてチタン酸鉛微結晶の形状
を制御することは、全く不可能であった。
結晶性チタン酸鉛微粒子を合成することは困難であり、
均一性や純度の高いチタン酸鉛微結晶を得ることは困難
であった。また、用途に応じてチタン酸鉛微結晶の形状
を制御することは、全く不可能であった。
そこで本発明は、前述の如き当該技術分野の実情に鑑み
て提案されたものであって、極めて微細で、例えば透明
セラミック等の原料等、用途の多様化に対応することが
可能で、かつ組成の均一性が高く、高純度なチタン酸鉛
微結晶の製造方法を提供することを目的とする。
て提案されたものであって、極めて微細で、例えば透明
セラミック等の原料等、用途の多様化に対応することが
可能で、かつ組成の均一性が高く、高純度なチタン酸鉛
微結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、高純度で、均一かつ格子歪の少ない結晶
性チタン酸鉛微粒子を熱処理なしに湿式合成することが
可能な合成方法を開発せんものと長期に亘り鋭意研究の
結果、pHおよび合成温度を所定の値に設定することによ
り、ペロブスカイト型チタン酸鉛微結晶、パイロクロア
型チタン酸鉛微結晶あるいは新規な結晶相を有する針状
チタン酸鉛微結晶を合成することが可能であることを見
出した。
性チタン酸鉛微粒子を熱処理なしに湿式合成することが
可能な合成方法を開発せんものと長期に亘り鋭意研究の
結果、pHおよび合成温度を所定の値に設定することによ
り、ペロブスカイト型チタン酸鉛微結晶、パイロクロア
型チタン酸鉛微結晶あるいは新規な結晶相を有する針状
チタン酸鉛微結晶を合成することが可能であることを見
出した。
本発明はこのような知見に基づいて完成されたものであ
って、可溶性チタン化合物もしくはその加水分解生成物
と鉛化合物とを水溶液中でpH12.1以上、温度100
℃〜190℃で、且つ添付第1図においてパイロクロア
型のチタン酸鉛微結晶PYが主に生成する領域内のpH及
び温度条件で反応させることを特徴とするものである。
って、可溶性チタン化合物もしくはその加水分解生成物
と鉛化合物とを水溶液中でpH12.1以上、温度100
℃〜190℃で、且つ添付第1図においてパイロクロア
型のチタン酸鉛微結晶PYが主に生成する領域内のpH及
び温度条件で反応させることを特徴とするものである。
本発明において、パイロクロア型のチタン酸鉛微結晶を
作成するには、例えば四塩化チタン(TiCl4)のよう
な可溶性のチタン化合物もしくはその加水分解生成物
と、鉛化合物の加水分解生成物もしくはその水溶性塩と
を混合し、アルカリ性の水溶液中で100℃以上の高温
で反応させ、生成した沈澱物を水あるいは温水で洗浄し
てK+,Na+等のアルカリ陽イオンやCl-等の陰イオンを
完全に除去し、濾過・乾燥すればよい。
作成するには、例えば四塩化チタン(TiCl4)のよう
な可溶性のチタン化合物もしくはその加水分解生成物
と、鉛化合物の加水分解生成物もしくはその水溶性塩と
を混合し、アルカリ性の水溶液中で100℃以上の高温
で反応させ、生成した沈澱物を水あるいは温水で洗浄し
てK+,Na+等のアルカリ陽イオンやCl-等の陰イオンを
完全に除去し、濾過・乾燥すればよい。
ここで、上記反応時のpHや反応温度が重要であって、こ
れらpHや反応温度に応じて、パイロクロア相(以下、P
Y相とする)のチタン酸鉛微結晶や、ペロブスカイト相
(以下、PE相とする)あるいは針状の新規な結晶相
(以下、PX相とする)のチタン酸鉛微結晶が生成す
る。本発明者等は、実験を重ね、上記反応時のpHと反応
温度を変えて得られるチタン酸鉛微結晶の相図の作成を
試みた。結果を第1図に示す。この第1図から、PY相
は低アルカリ高温域から高アルカリ低温域で安定であ
り、PE相は高アルカリ高温域のみ安定で、さらに、P
X相は特定の範囲内でのみ生成することが判明した。な
お、この第1図において、( )内は副生成物的に若干
生成するものを表し、AMは非晶質(アモルファス)状
態のチタン酸鉛を表す。
れらpHや反応温度に応じて、パイロクロア相(以下、P
Y相とする)のチタン酸鉛微結晶や、ペロブスカイト相
(以下、PE相とする)あるいは針状の新規な結晶相
(以下、PX相とする)のチタン酸鉛微結晶が生成す
る。本発明者等は、実験を重ね、上記反応時のpHと反応
温度を変えて得られるチタン酸鉛微結晶の相図の作成を
試みた。結果を第1図に示す。この第1図から、PY相
は低アルカリ高温域から高アルカリ低温域で安定であ
り、PE相は高アルカリ高温域のみ安定で、さらに、P
X相は特定の範囲内でのみ生成することが判明した。な
お、この第1図において、( )内は副生成物的に若干
生成するものを表し、AMは非晶質(アモルファス)状
態のチタン酸鉛を表す。
すなわち、pH12.1以上、反応温度100〜190℃、好
ましくはpH13.0以上、反応温度110〜175℃に設定
することにより、PY相が選択的に生成する。反応時間
は、1時間以内でも充分であるが、長い程得られPY相
の結晶性が良くなる。ここで得られるPY相のチタン酸
鉛微結晶は極めて化学量論性の高いものであって、ま
た、その粒径が0.2μ以下と従来の固相反応法で得られ
るものより1桁小さいので、コンデンサ材料の母体材料
あるいは添加材、または高純度焼結体の原料として利用
価値が高い。
ましくはpH13.0以上、反応温度110〜175℃に設定
することにより、PY相が選択的に生成する。反応時間
は、1時間以内でも充分であるが、長い程得られPY相
の結晶性が良くなる。ここで得られるPY相のチタン酸
鉛微結晶は極めて化学量論性の高いものであって、ま
た、その粒径が0.2μ以下と従来の固相反応法で得られ
るものより1桁小さいので、コンデンサ材料の母体材料
あるいは添加材、または高純度焼結体の原料として利用
価値が高い。
これに対して、pH12.7以上、好ましくは13.1以上、反応
温度175℃以上、好ましくは190℃以上に設定する
と、PE相のチタン酸鉛微結晶が選択的に生成する。こ
の場合にも反応時間は1時間以内で充分である。ここで
得られるPE相のチタン酸鉛微結晶は、ほとんど水分を
含まない状態の結晶性沈澱であり、また、粒径が6〜8
μ程度の非常に均一なサイコロ状結晶微粒子である。特
に、サイコロ状の結晶面は、(h00)と(00l)の
a面及びc面であり、適当な樹脂結合剤を混合して、い
わゆるキャスティングを行うことにより高配向性シート
を作成することも可能である。また、加圧成形すること
により、a面ディスクを作成することも可能であり、高
配向焼成に適した原料粉体として期待される。さらに、
得られるPE相のチタン酸鉛微結晶の粒径は、反応時の
攪拌速度を変えたり、pHをわずかにずらす等の操作によ
って変化させることが可能であり、また、化学量論性も
高い。さらにまた、ここで得られるPE相は、熱処理を
行うことにより、高温になるにしたがって格子の歪が少
なくなり、特に、c軸の格子歪が極めて少ないので、圧
電・焦電特性の点で有利である。
温度175℃以上、好ましくは190℃以上に設定する
と、PE相のチタン酸鉛微結晶が選択的に生成する。こ
の場合にも反応時間は1時間以内で充分である。ここで
得られるPE相のチタン酸鉛微結晶は、ほとんど水分を
含まない状態の結晶性沈澱であり、また、粒径が6〜8
μ程度の非常に均一なサイコロ状結晶微粒子である。特
に、サイコロ状の結晶面は、(h00)と(00l)の
a面及びc面であり、適当な樹脂結合剤を混合して、い
わゆるキャスティングを行うことにより高配向性シート
を作成することも可能である。また、加圧成形すること
により、a面ディスクを作成することも可能であり、高
配向焼成に適した原料粉体として期待される。さらに、
得られるPE相のチタン酸鉛微結晶の粒径は、反応時の
攪拌速度を変えたり、pHをわずかにずらす等の操作によ
って変化させることが可能であり、また、化学量論性も
高い。さらにまた、ここで得られるPE相は、熱処理を
行うことにより、高温になるにしたがって格子の歪が少
なくなり、特に、c軸の格子歪が極めて少ないので、圧
電・焦電特性の点で有利である。
また、pH11.2〜13.0、反応温度145℃以上とすること
により、PX相のチタン酸鉛微結晶が生成し、特に、pH
11.5〜12.5、反応温度180℃以上とすることにより、
PX相がほとんど単一相として生成する。また、反応時
間は、1時間以内で充分である。このPX相のチタン酸
鉛微結晶は、従来知られていない新規な結晶相のもので
あって、その粒子形状は針状である。したがって、この
PX相のチタン酸鉛微結晶は、複合材料として期待され
る。
により、PX相のチタン酸鉛微結晶が生成し、特に、pH
11.5〜12.5、反応温度180℃以上とすることにより、
PX相がほとんど単一相として生成する。また、反応時
間は、1時間以内で充分である。このPX相のチタン酸
鉛微結晶は、従来知られていない新規な結晶相のもので
あって、その粒子形状は針状である。したがって、この
PX相のチタン酸鉛微結晶は、複合材料として期待され
る。
さらに、上記以外の領域では、Pb/Tiモル比がほと
んど1である非晶質状態のチタン酸鉛が生成するが、こ
の場合にもpH7以上のアルカリ側で水熱反応を行うこと
が好ましい。特に、非晶質状態のチタン酸鉛のみを必要
とする場合には、pHが10以下の条件が必要であり、反
応温度は110℃以上であることが好ましく、より好ま
しくは150℃以上である。上記非晶質状態のチタン酸
鉛は、700℃以上の熱処理を施すことによってPE相
に相転移するが、pH7以下で合成した非晶質状態のチタ
ン酸鉛を830℃で熱処理したところ、PbTi3O7が主
に生成した。特に、pH=4ではこのPbTi3O7がほとん
どであり、pHを上げるにしたがってPbTi3O7にPbT
iO3が徐々に混合してくることが分かった。このような
ことからも、上記非晶質状態のチタン酸鉛を添加剤等に
利用するには、pH≧7が好ましいと言える。
んど1である非晶質状態のチタン酸鉛が生成するが、こ
の場合にもpH7以上のアルカリ側で水熱反応を行うこと
が好ましい。特に、非晶質状態のチタン酸鉛のみを必要
とする場合には、pHが10以下の条件が必要であり、反
応温度は110℃以上であることが好ましく、より好ま
しくは150℃以上である。上記非晶質状態のチタン酸
鉛は、700℃以上の熱処理を施すことによってPE相
に相転移するが、pH7以下で合成した非晶質状態のチタ
ン酸鉛を830℃で熱処理したところ、PbTi3O7が主
に生成した。特に、pH=4ではこのPbTi3O7がほとん
どであり、pHを上げるにしたがってPbTi3O7にPbT
iO3が徐々に混合してくることが分かった。このような
ことからも、上記非晶質状態のチタン酸鉛を添加剤等に
利用するには、pH≧7が好ましいと言える。
一方、上記チタン酸鉛微結晶を合成する上で、出発原料
となるTi化合物もしくはその加水分解生成物を得るに
は、TiCl4,Ti(SO4)2のような塩を水に溶解させ
るか、もしくは、その水溶液を、KOH,NaOH,N
H4OH,LiOHのようなアルカリ水溶液で加水分解さ
せればよい。ただし、Ti(SO4)2を用いるときは、こ
れらアルカリ溶液で加水分解してTiO2・nH2O(酸化
チタン水和物)を作成し、デカンテーションや濾過を繰
り返して、SO2 4を除去すればよい。
となるTi化合物もしくはその加水分解生成物を得るに
は、TiCl4,Ti(SO4)2のような塩を水に溶解させ
るか、もしくは、その水溶液を、KOH,NaOH,N
H4OH,LiOHのようなアルカリ水溶液で加水分解さ
せればよい。ただし、Ti(SO4)2を用いるときは、こ
れらアルカリ溶液で加水分解してTiO2・nH2O(酸化
チタン水和物)を作成し、デカンテーションや濾過を繰
り返して、SO2 4を除去すればよい。
また、鉛化合物としては、酢酸鉛Pb(CH3COO)2・3H2O,
硝酸鉛Pb(NO3)2,塩化鉛PbCl2等が使用できる。ただし、
塩化鉛を使用する場合には、あらかじめアルカリ性の熱
水で処理しておくことが好ましい。
硝酸鉛Pb(NO3)2,塩化鉛PbCl2等が使用できる。ただし、
塩化鉛を使用する場合には、あらかじめアルカリ性の熱
水で処理しておくことが好ましい。
これら出発原料のモル比は特に問わないが、1:1の割
合で合成することできる。また、このとき、Pbが過剰
の場合には簡単に洗浄できるが、Tiが過剰の場合には
除去操作が必要である。
合で合成することできる。また、このとき、Pbが過剰
の場合には簡単に洗浄できるが、Tiが過剰の場合には
除去操作が必要である。
上述のように、100℃以上の高温で反応させる場合に
使用される装置としては、いわゆるオートクレーブと称
される装置が使用され、その内容器には、高アルカリ,
高温に耐え得る材料、例えばポリテトラフルオルエチレ
ン(いわゆるテフロン)等を使用することが好ましい。
使用される装置としては、いわゆるオートクレーブと称
される装置が使用され、その内容器には、高アルカリ,
高温に耐え得る材料、例えばポリテトラフルオルエチレ
ン(いわゆるテフロン)等を使用することが好ましい。
このように、チタン酸鉛微結晶の湿式合成法において、
pH及び合成温度を選択することにより、PE相(ペロブ
スカイト相),PY相(パイロクロア相),PX相(新
規な結晶相)の3種類のチタン酸鉛微結晶を合成するこ
とが可能であり、特に、pH12.1以上、温度100℃〜1
90℃に設定することにより、パイロクロア相のチタン
酸鉛微結晶が選択的に合成される。
pH及び合成温度を選択することにより、PE相(ペロブ
スカイト相),PY相(パイロクロア相),PX相(新
規な結晶相)の3種類のチタン酸鉛微結晶を合成するこ
とが可能であり、特に、pH12.1以上、温度100℃〜1
90℃に設定することにより、パイロクロア相のチタン
酸鉛微結晶が選択的に合成される。
以下、本発明を具体的な実験例から説明する。なお、本
発明がこれら実験例に限定されるものでないことは言う
までもない。
発明がこれら実験例に限定されるものでないことは言う
までもない。
実験例1. ビーカに氷水を用意し、これに四塩化チタン液を静かに
少しずつ滴下した。このとき、初期においては白濁した
が、数時間攪拌を続けると、完全に透明な四塩化チタン
水溶液が得られた。これを250mlのメスフラスコに
移し、標準溶液とした。この標準溶液から10mlを正
確に分取し、過剰アンモニア水で加水分解し、TiO2・nH2
Oを濾別した後、1000℃で熱処理して重量法から濃
度を決定した。ここで、四塩化チタンの濃度は1.010mol
/lであった。
少しずつ滴下した。このとき、初期においては白濁した
が、数時間攪拌を続けると、完全に透明な四塩化チタン
水溶液が得られた。これを250mlのメスフラスコに
移し、標準溶液とした。この標準溶液から10mlを正
確に分取し、過剰アンモニア水で加水分解し、TiO2・nH2
Oを濾別した後、1000℃で熱処理して重量法から濃
度を決定した。ここで、四塩化チタンの濃度は1.010mol
/lであった。
一方、酢酸鉛Pb(CH3COO)2・3H2Oの2
2.32gを精秤し、100mlの水に溶解した。
2.32gを精秤し、100mlの水に溶解した。
次いで、この酢酸鉛溶液にPb/Ti=1.000となるよ
うに上記四塩化チタン標準溶液を58.26mlを徐々に
加えた。このとき、PbCl2の白色沈澱が生じるが、こ
れは後の反応において何等支障とならない。
うに上記四塩化チタン標準溶液を58.26mlを徐々に
加えた。このとき、PbCl2の白色沈澱が生じるが、こ
れは後の反応において何等支障とならない。
さらに、あらかじめKOH溶液を作成しておき、これを
加えてpHを調整し、pH=14.0とした。また、このとき全
溶液量は400mlとなるようにした。
加えてpHを調整し、pH=14.0とした。また、このとき全
溶液量は400mlとなるようにした。
これを均一に4等分して100mlずつの試料溶液と
し、各試料溶液をテフロン製のオートクレーブ用容器に
移し、オートクレーブを用い、電気炉により100〜2
30℃の範囲で温度を変えて、反応時間1時間で合成を
行った。
し、各試料溶液をテフロン製のオートクレーブ用容器に
移し、オートクレーブを用い、電気炉により100〜2
30℃の範囲で温度を変えて、反応時間1時間で合成を
行った。
得られた沈澱を温水で充分洗浄し、上澄のpHが7付近に
なるまでデカンテーションを繰り返し、不純物を除去し
た後、これを濾別し、一昼夜乾燥してチタン酸鉛微結晶
を得た。
なるまでデカンテーションを繰り返し、不純物を除去し
た後、これを濾別し、一昼夜乾燥してチタン酸鉛微結晶
を得た。
得られたチタン酸鉛微結晶をX線回折により解析し、含
まれる結晶相の割合を調べた。結果を第2図に示す。な
お、ここでPE相のものは(101)の、またPY相の
ものは(222)の回折X線ピークの高さでそれぞれの
合成量を表した。
まれる結晶相の割合を調べた。結果を第2図に示す。な
お、ここでPE相のものは(101)の、またPY相の
ものは(222)の回折X線ピークの高さでそれぞれの
合成量を表した。
この第2図より、175℃付近を境に、合成相がPY相
からPE相に急激に変わることがわかる。
からPE相に急激に変わることがわかる。
特に、反応温度を110℃〜160℃に設定することに
より、PY相のチタン酸鉛微結晶がほぼ単相として生成
する。第3図にpH=13.1,反応温度148℃,反応時間
1時間で合成されたPY相のチタン酸鉛微結晶の回折X
線スペクトル(Cuタ−ゲット,Niフィルターによ
る)を示す。この回折X線スペクトルは、JCPDSカ
ード〔26−142〕と一致し、パイロクロア相である
ことが確認された。また、格子定数は10.37Åの立方晶
であることが確認された。
より、PY相のチタン酸鉛微結晶がほぼ単相として生成
する。第3図にpH=13.1,反応温度148℃,反応時間
1時間で合成されたPY相のチタン酸鉛微結晶の回折X
線スペクトル(Cuタ−ゲット,Niフィルターによ
る)を示す。この回折X線スペクトルは、JCPDSカ
ード〔26−142〕と一致し、パイロクロア相である
ことが確認された。また、格子定数は10.37Åの立方晶
であることが確認された。
さらに、第4図に示す走査電子顕微鏡写真(SEM)か
ら、この実験例で得られたPY相のチタン酸鉛微結晶
は、粒径約0.2μの球状粒子であることが観察された。
なお、本実験例で合成されたPY相のチタン酸鉛微結晶
の組成分析を行ったところ、非常に化学量論性に富んだ
ものであることが確認された。
ら、この実験例で得られたPY相のチタン酸鉛微結晶
は、粒径約0.2μの球状粒子であることが観察された。
なお、本実験例で合成されたPY相のチタン酸鉛微結晶
の組成分析を行ったところ、非常に化学量論性に富んだ
ものであることが確認された。
上記PY相のチタン酸鉛微結晶は、熱処理によりPE相
に相転移するが、得られたPY相のチタン酸鉛微結晶に
対して熱処理を行い、相転移の状態を調べたところ、第
5図に示すように、550℃付近からPE相への相転移
が始まり、650℃以上でほぼ完全にPE相に相転移す
ることがわかった。なお、ここでPY相とPE相の割合
は、PY相の(222)の回折X線ピーク高さ及びPE
相の(110)の回折X線ピーク高さにより求めた。
に相転移するが、得られたPY相のチタン酸鉛微結晶に
対して熱処理を行い、相転移の状態を調べたところ、第
5図に示すように、550℃付近からPE相への相転移
が始まり、650℃以上でほぼ完全にPE相に相転移す
ることがわかった。なお、ここでPY相とPE相の割合
は、PY相の(222)の回折X線ピーク高さ及びPE
相の(110)の回折X線ピーク高さにより求めた。
一方、200℃以上の反応温度で得られたチタン酸鉛微
結晶は、ほぼPE相単一で、その回折X線スペクトル
(Cuターゲット,Niフィルターによる)は第6図に
示すようなものであり、ASTMカード〔6−045
2〕のピーク位置と一致し、ペロブスカイト相単相であ
ることが確認された。また、このPE相のチタン酸鉛微
結晶の格子定数をNelson-Rileyの外挿関数より求める
と、aD=3.901Å,cD=4.150Åの正方晶であることが確認
された。しかしながら、上記PE相の各回折X線ピーク
の相対強度は、ASTMカードのそれとは大きく異な
り、例えば第7図に示す通常の1055℃での固相反応
で得られたものの回折X線スペクトルと比べて、(10
0),(001)及び(200),(002)の回折X
線ピークが非常に大きいことがわかった。このことか
ら、上記PE相のチタン酸鉛微結晶は、粉末法によるガ
ラス試料板充填時に、加圧方向に優位配向することがわ
かる。
結晶は、ほぼPE相単一で、その回折X線スペクトル
(Cuターゲット,Niフィルターによる)は第6図に
示すようなものであり、ASTMカード〔6−045
2〕のピーク位置と一致し、ペロブスカイト相単相であ
ることが確認された。また、このPE相のチタン酸鉛微
結晶の格子定数をNelson-Rileyの外挿関数より求める
と、aD=3.901Å,cD=4.150Åの正方晶であることが確認
された。しかしながら、上記PE相の各回折X線ピーク
の相対強度は、ASTMカードのそれとは大きく異な
り、例えば第7図に示す通常の1055℃での固相反応
で得られたものの回折X線スペクトルと比べて、(10
0),(001)及び(200),(002)の回折X
線ピークが非常に大きいことがわかった。このことか
ら、上記PE相のチタン酸鉛微結晶は、粉末法によるガ
ラス試料板充填時に、加圧方向に優位配向することがわ
かる。
また、走査電子顕微鏡写真(SEM)から、この実験例
で得られたPE相のチタン酸鉛微結晶は、一辺が7〜8
μの立方体状(サイコロ状)のもので、角張った表面を
していることが観察された。
で得られたPE相のチタン酸鉛微結晶は、一辺が7〜8
μの立方体状(サイコロ状)のもので、角張った表面を
していることが観察された。
実験例2. 先の実験例1と同様に、濃度0.9681mol/l四塩化チタン
標準溶液を調製した。
標準溶液を調製した。
一方、硝酸鉛Pb(NO3)2・3H2Oを19.49gを精秤し、こ
れを100mlの水に溶解した後、Pb/Ti=1.00
0となるように上記四塩化チタン標準溶液60.79mlを
加え、さらにKOH水溶液でpHを調節しながら、全溶液
量400ml,pH=12.9とした。
れを100mlの水に溶解した後、Pb/Ti=1.00
0となるように上記四塩化チタン標準溶液60.79mlを
加え、さらにKOH水溶液でpHを調節しながら、全溶液
量400ml,pH=12.9とした。
次いで、これを均等に5等分し、実験例1と同様の方法
により、80mlずつの各試料溶液をオートクレーブを
用いて130〜230℃の範囲で反応させてチタン酸鉛
微結晶を得た。
により、80mlずつの各試料溶液をオートクレーブを
用いて130〜230℃の範囲で反応させてチタン酸鉛
微結晶を得た。
得られたチタン酸鉛微結晶をX線回折(Cuターゲッ
ト,Niフィルター)により解析し、含まれる結晶相の
割合を調べた。結果を第8図に示す。なお、ここでPE
相のものは(101)の、PY相のものは(222)
の、またPX相のものは(330)の回折X線ピークの
高さでそれぞれの合成量を表した。
ト,Niフィルター)により解析し、含まれる結晶相の
割合を調べた。結果を第8図に示す。なお、ここでPE
相のものは(101)の、PY相のものは(222)
の、またPX相のものは(330)の回折X線ピークの
高さでそれぞれの合成量を表した。
この第8図から、反応温度が130℃以下では非晶質状
態であるのに対し、反応温度が140℃を越えると急激
にPY相が析出し始め、さらに高温にするにしたがって
PX相が徐々に析出し、195℃を境にPE相が急に析
出してくることが確認された。
態であるのに対し、反応温度が140℃を越えると急激
にPY相が析出し始め、さらに高温にするにしたがって
PX相が徐々に析出し、195℃を境にPE相が急に析
出してくることが確認された。
実験例3. 先の実験例1と同様に、濃度0.9681mol/lの四塩化チタ
ン標準溶液を調製した。
ン標準溶液を調製した。
一方、酢酸鉛Pb(CH3COO)2・3H2Oを22.32gを精秤し、こ
れを100mlの水に溶解した後、Pb/Ti=1.000
となるように上記四塩化チタン標準溶液60.79ml
を加え、さらにKOH水溶液でpHを調節しながら、全溶
液量400ml,pH=12.0とした。
れを100mlの水に溶解した後、Pb/Ti=1.000
となるように上記四塩化チタン標準溶液60.79ml
を加え、さらにKOH水溶液でpHを調節しながら、全溶
液量400ml,pH=12.0とした。
次いで、これを均等に4等分し、実験例1と同様の方法
により、100mlずつの各試料溶液をオートクレーブ
を用いて150〜220℃の範囲で反応させてチタン酸
鉛微結晶を得た。
により、100mlずつの各試料溶液をオートクレーブ
を用いて150〜220℃の範囲で反応させてチタン酸
鉛微結晶を得た。
得られたチタン酸鉛微結晶をX線回折(Cuターゲッ
ト,Niフィルター)により解析し、含まれる結晶相の
割合を調べた。結果を第9図に示す。なお、ここでPY
相のものは(222)の、またPX相のものは(33
0)の回折X線ピークの高さでそれぞれの合成量を表し
た。
ト,Niフィルター)により解析し、含まれる結晶相の
割合を調べた。結果を第9図に示す。なお、ここでPY
相のものは(222)の、またPX相のものは(33
0)の回折X線ピークの高さでそれぞれの合成量を表し
た。
この第9図から、反応温度が140℃以下では非晶質状
態であるのに対し、反応温度を上昇していくと、徐々に
PX相が増え、また、PY相もわずかながら増加するこ
とがわかった。
態であるのに対し、反応温度を上昇していくと、徐々に
PX相が増え、また、PY相もわずかながら増加するこ
とがわかった。
また、走査型電子顕微鏡写真(SEM)より、得られる
PX相のチタン酸鉛微結晶は、太さ0.1〜0.2μで長さが
10μ以上の針状粒子であることがわかった。
PX相のチタン酸鉛微結晶は、太さ0.1〜0.2μで長さが
10μ以上の針状粒子であることがわかった。
実験例4. 先の実験例と同様の方法により、pH=14.0,反応温度1
18℃,反応時間1時間の条件で、PY相のチタン酸鉛
微結晶を合成し、熱分析測定を行った。
18℃,反応時間1時間の条件で、PY相のチタン酸鉛
微結晶を合成し、熱分析測定を行った。
また、熱分析条件は、20℃/minの昇温速度で、リファ
レンス標準試料に熱容量がPbTiO3に近いと考えられるPb
1/2L1/3TiO3を用いた。これは、市販のPbO,La
2O3,TiO2を所定のモル比で混合し、固相反応させた
もので、キュリー点が室温以下であるので問題はない。
レンス標準試料に熱容量がPbTiO3に近いと考えられるPb
1/2L1/3TiO3を用いた。これは、市販のPbO,La
2O3,TiO2を所定のモル比で混合し、固相反応させた
もので、キュリー点が室温以下であるので問題はない。
結果を第10図に示す。なお、この第10図において、
TGは熱重量分析の結果、DTAは示差熱分析の結果を
示す。さらに、示差熱分析において、Exoは発熱、E
ndoは吸熱を表す。
TGは熱重量分析の結果、DTAは示差熱分析の結果を
示す。さらに、示差熱分析において、Exoは発熱、E
ndoは吸熱を表す。
この第10図から、PY相のチタン酸鉛微結晶では、初
期に吸着水の脱着があり、625℃付近でパイロクロア
−ペロブスカイト相転移による発熱が認められた。
期に吸着水の脱着があり、625℃付近でパイロクロア
−ペロブスカイト相転移による発熱が認められた。
以上の説明からも明らかなように、アルカリ水溶液中で
の湿式合成において、pH及び反応温度を選択すことによ
り、ペロブスカイト型、パイロクロア型、新規な結晶相
を有し針状のもの、がそれぞれ合成されるが、特に、pH
12.1以上、反応温度100℃〜190℃に設定すること
により、パイロクロア相のチタン酸鉛微結晶が選択的に
合成される。
の湿式合成において、pH及び反応温度を選択すことによ
り、ペロブスカイト型、パイロクロア型、新規な結晶相
を有し針状のもの、がそれぞれ合成されるが、特に、pH
12.1以上、反応温度100℃〜190℃に設定すること
により、パイロクロア相のチタン酸鉛微結晶が選択的に
合成される。
得られるパイロクロア相のチタン酸鉛微結晶は、高純度
で化学量論性も高いことから、不純物の影響が少なく、
圧電素子等の特性改善が可能である。また、このチタン
酸鉛微結晶は、その粒径が0.2μ以下と従来の固相反応
で得られるものより1桁程度小さく、その活性度も高い
ので、コンデンサ材料の母体材料として、あるいは添加
材、または均一であることから高密度焼結体の原料とし
て有用なものとなる。
で化学量論性も高いことから、不純物の影響が少なく、
圧電素子等の特性改善が可能である。また、このチタン
酸鉛微結晶は、その粒径が0.2μ以下と従来の固相反応
で得られるものより1桁程度小さく、その活性度も高い
ので、コンデンサ材料の母体材料として、あるいは添加
材、または均一であることから高密度焼結体の原料とし
て有用なものとなる。
第1図は湿式合成法におけるpH−温度による相図であ
る。 第2図はpH14.0におけるPE相,PY相の温度依存性を
示す特性図であり、第3図はpH13.1,反応温度148℃
で合成されるPY相のチタン酸鉛微結晶の回折X線スペ
クトルであり、第4図はPY相のチタン酸鉛微結晶の走
査電子顕微鏡写真、第5図はPY相からPE相への相転
移状態を示す特性図である。 第6図は得られるPE相のチタン酸鉛微結晶の回折X線
スペクトル、第7図は通常の固相反応法により得られる
ペロブスカイト型チタン酸鉛微結晶の回折X線スペクト
ルである。 第8図はpH12.9におけるPE相,PY相,PX相の温度
依存性を示す特性図であり、第9図はpH12.0におけるP
X相,PY相の温度依存性を示す特性図である。 第10図はPY相のチタン酸鉛微結晶の熱分析の結果を
示す特性図である。
る。 第2図はpH14.0におけるPE相,PY相の温度依存性を
示す特性図であり、第3図はpH13.1,反応温度148℃
で合成されるPY相のチタン酸鉛微結晶の回折X線スペ
クトルであり、第4図はPY相のチタン酸鉛微結晶の走
査電子顕微鏡写真、第5図はPY相からPE相への相転
移状態を示す特性図である。 第6図は得られるPE相のチタン酸鉛微結晶の回折X線
スペクトル、第7図は通常の固相反応法により得られる
ペロブスカイト型チタン酸鉛微結晶の回折X線スペクト
ルである。 第8図はpH12.9におけるPE相,PY相,PX相の温度
依存性を示す特性図であり、第9図はpH12.0におけるP
X相,PY相の温度依存性を示す特性図である。 第10図はPY相のチタン酸鉛微結晶の熱分析の結果を
示す特性図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田村 英雅 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−106524(JP,A) 特開 昭57−191232(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】可溶性チタン化合物もしくはその加水分解
生成物と鉛化合物とを水溶液中でpH12.1以上、温度
100℃〜190℃で、且つ添付第1図においてパイロ
クロア型のチタン酸鉛微結晶PYが主に生成する領域内
のpH及び温度条件で反応させることを特徴とするチタン
酸鉛微結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59275620A JPH062586B2 (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | チタン酸鉛微結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59275620A JPH062586B2 (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | チタン酸鉛微結晶の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61158822A JPS61158822A (ja) | 1986-07-18 |
| JPH062586B2 true JPH062586B2 (ja) | 1994-01-12 |
Family
ID=17557986
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59275620A Expired - Fee Related JPH062586B2 (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | チタン酸鉛微結晶の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH062586B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6016373B2 (ja) * | 1980-12-23 | 1985-04-25 | 水澤化学工業株式会社 | ペロブスカイト型鉛含有複合酸化物の製造方法 |
| JPS6052092B2 (ja) * | 1981-05-19 | 1985-11-18 | 水澤化学工業株式会社 | ペロブスカイト型鉛含有複合酸化物の製法 |
-
1984
- 1984-12-28 JP JP59275620A patent/JPH062586B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61158822A (ja) | 1986-07-18 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |