JPH0782640B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0782640B2
JPH0782640B2 JP62262469A JP26246987A JPH0782640B2 JP H0782640 B2 JPH0782640 B2 JP H0782640B2 JP 62262469 A JP62262469 A JP 62262469A JP 26246987 A JP26246987 A JP 26246987A JP H0782640 B2 JPH0782640 B2 JP H0782640B2
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Description

【発明の詳細な説明】 イ.産業上の利用分野 本発明は磁気テープ、磁気シート、磁気ディスク等の磁
気記録媒体に関するものである。
ロ.従来技術 最近、磁気テープ等の磁気記録媒体に対し、記録時間の
長時間化、記録の高密度化が強く要求されるに至ってい
る。記録の高密度化を達成するには、磁気記録テープの
全厚を薄くして供給リールに、より長く収納する必要が
ある。しかしテープの全厚を薄くする為にはベースフィ
ルムを薄くする必要があるものの、実際にはテープのス
ティフネスが低下して、ローディング時、アンローディ
ング時にテープエッジに傷がつき易くなったり、また瞬
間的に高引張力が加わったときテープが変形して記録に
歪が生じる場合があった。
磁気記録テープのベースフィルムとして、従来から二軸
配向ポリエチレンテレフタレートフィルムが使用されて
きていて、特に長時間記録用として走行方向のヤング率
を高めたいわゆるスーパーテンシライズフィルムが使用
されている。しかしポリエチレンテレフタレートフィル
ムにあっては、走行方向のヤング率はせいぜい800kg/mm
2が限度である。一方、走行方向ヤング率を高めようと
すると横方向のヤング率が必然的に低下する為、テープ
は走行中にエッジ部の損傷を受けやすくなる。他方、フ
ィルムの製造において幅方向ヤング率を高めようとする
と、この場合も必然的に充分な走行方向ヤング率が得ら
れず、磁気ヘッドとのタッチが悪くなり出力変動を生じ
る。
従って、従来は磁気記録媒体の剛性にも限界があり、上
記したように媒体をより薄膜化した場合には媒体の耐久
性、耐傷性、記録の保存性が不充分となっていたため、
長時間記録用の磁気記録媒体として要求される諸特性を
満足できるものではなかった。
一方、近年、磁性材料、特にビデオ、コンピューター用
記録媒体の高密度化、高S/N化に伴い、より粒子径の小
さな磁性粉が用いられるようになっている。
一般に、磁気記録媒体のS/N比は、記録・再生に関係す
る記録材料中の磁性粉の粒子数の平方根に比例すると言
われているため、同一重量の磁性粉を塗布した場合、粒
子径の小さい磁性粉を用いる程S/N向上に有利になる。
また、磁性粉を微粒子化し、そのBET値を高めると、磁
性層の表面がそれだけ平滑となり、スペーシングロスが
少なくなることから、高い電磁変換特性を得る上で有利
である。
又、高密度化のために磁性層表面を平滑とすると却って
磁気テープ等の走行性の劣化を招き、問題となってい
た。即ち、上記のような記録媒体は記録再生時に激しく
磁気ヘッドに摺接するため、表面の平滑化に伴う摺接面
積の増大、摩擦係数の増大により、却って走行性が劣化
するのである。これにより、繰り返し使用時の磁性層の
摩耗や、該層中に含有される磁性粉等の脱落、脱落物に
よる磁気ヘッドの目詰りといった好ましくない結果をも
生じ、ドロップアウトの原因ともなっていた。更に、磁
気テープ自体の薄膜化、磁性層の超平滑化によってもテ
ープガイド等への貼り付きやテープ巻回時、繰り出し時
に貼り付きが生じ易くなり、磁気テープの走行性の劣化
を生じ易くなる。このため、磁気テープ等の走行耐久性
が悪化し、S/N、RF出力等の電磁変換特性に悪影響を及
ぼしていた。
以上の問題は、最近の磁気テープの高品位化、長時間化
の傾向に伴っていよいよ顕著となっており、磁気記録媒
体の高密度化、テープの薄膜化と磁気テープ等の走行
性、耐久性という相反する課題の技術的解決が望まれて
いた。
ハ.発明の目的 本発明の目的は、磁気記録の高密度化、長時間化が可能
で、耐傷性、耐久性、走行性に優れ、磁気ヘッドの目詰
りをなくし、ドロップアウトをも低減できるような磁気
記録媒体を提供することである。
ニ.発明の構成及びその作用効果 本発明は、Fe−Al系金属磁性粉及びカーボンブラックを
含有する磁性層と、 カーボンブラックを含有するバックコート層とを具備
し、 少なくとも媒体走行方向のヤング率が1100kg/mm2以上で
あることを特徴とする磁気記録媒体に係るものである。
本発明においては、まず、少なくとも媒体走行方向のヤ
ング率を1100kg/mm2以上としていることに特徴を有す
る。
即ち、上記のように媒体走行方向のヤング率を大きくし
たことにより、支持体を薄くした場合も、磁気記録媒体
の剛性を充分に保つことができる。従って、磁気記録媒
体を薄型化すると同時に、走行時における磁気記録媒体
のエッジ部の損傷を防止して耐傷性を良好にでき、磁気
記録媒体の耐久性を向上でき、かつ磁気記録媒体の走行
安定性をも保持して出力変動を防止できる。上記媒体走
行方向のヤング率を1300kg/mm2以上とすると更に顕著な
効果を奏することができる。しかし、これは1800kg/mm2
以下とするのが好ましい。
また、磁性材料として金属磁性粉を用いているために高
密度記録が可能で、高性能の媒体を提供できる。
しかしながら、前記した磁気記録媒体の薄型化に伴い、
従来技術の項で述べたように、磁気記録媒体の走行安定
性、走行耐久性が低下するおそれがある。この点、本発
明においては、磁性層にカーボンブラックを含有せし
め、かつカーボンブラックを含有するBC層を設けている
ので、これらの相乗効果によって媒体の走行安定性、走
行耐久性を良好に保つことができるのである。
即ち、バックコート層により媒体裏面側の貼り付きを防
止し、カーボンブラックの潤滑作用と相まって媒体の走
行性を向上させると同時に、磁性層中へとカーボンブラ
ックを含有せしめることにより、高い電磁変換特性を保
持でき、磁性層側の摩擦係数を低くして走行耐久性を向
上せしめることができ、磁気ヘッドの目詰りを減少せし
め、かつドロップアウトを少なくできる。
更に、バックコート層へのカーボンブラック含有によ
り、バックコート層の光遮蔽効果を向上せしめ、磁気記
録媒体の光学濃度を向上せしめる効果もある。これによ
り、磁性層の薄型化等も可能となり、記録の長時間化に
も更に有利となる。
本発明の効果をより顕著に奏する上で、磁性層における
カーボンブラックの添加量は金属磁性粉100重量部に対
して0.1〜10重量部とするのが好ましく、バックコート
層におけるカーボンブラックの添加量はバインダー樹脂
100重量部に対して20〜100重量部の範囲内とするのが好
ましい。
以上述べたように、本発明の構成の採用により、磁気記
録の高密度化、磁気記録媒体の薄型化と磁気記録媒体の
耐久性、走行性の向上、ドロップアウトの防止という、
互いに相反する課題が技術的に解決されるのである。
又、磁気記録媒体の厚みを9μm以下とすれば、更なる
長時間記録が可能となり、有利である。また、磁性層の
厚みを2.5μm以下とすれば、磁気記録媒体の薄型化、
長時間記録に有利である。
支持体の厚みを6.0μm以下とすれば、磁気記録媒体の
薄型化に有利である。但し、支持体の厚みは、媒体の剛
性保持のため3.5μm以上であることが好ましい。
次に、本発明の各構成についてより具体的に述べる。
金属磁性粉としては、Fe、Ni、Coをはじめ、Fe−Al系、
Fe−Al−Ni系、Fe−Al−Co系、Fe−Al−Zn系、Fe−Ni−
Co系、Fe−Mn−Zn系、Fe−Ni系、Fe−Ni−Zn系、Fe−Co
−Ni−Cr系、Fe−Co−Ni−P合金、Co−Ni合金、Fe、N
i、Co等を主成分とするメタル磁性粉等の強磁性粉が挙
げられる。なかでも、耐食性及び分散性の点でFe−Al、
Fe−Al−Ni、Fe−Al−Zn、Fe−Al−Co、Fe−Niの系の金
属磁性粉が好ましい。
更には、鉄−アルミニウム系(Fe−Al系、Fe−Al−Ni
系、Fe−Al−Zn系、Fe−Al−Co系等)金属磁性粉が特に
好ましい。以下、鉄−アルミニウム系を単にFe−Al系と
称す。
即ち、近年のビデオテープの用途は、ポータブル化に伴
い多岐にわたり、その使用条件はさまざまである。従っ
て、ビデオテープには高い耐蝕性が要求されることにな
る。この点、Fe−Al系磁性粉は高耐蝕性を示し、かつ分
散性も良好である。このことは、磁性粉の比表面積を大
きくしても、その分散性を十分とすることができるため
に、高密度記録の実現にとって非常に重要である。
また、上記のFe−Al系金属磁性粉において、磁性粉のAl
含有量を0.5〜20原子%の範囲内とするのが好ましい。
即ち、Alの含有量が0.5原子%以上であれば耐蝕性及び
分散性が良好であり、また20原子%以下であればAlの割
合が増えすぎることもなく、電磁変換特性の劣化も生じ
ない。このAl含有量は更に1〜8原子%の範囲内とする
のがより好ましい。
なお、上記のアルミニウム含有量の「原子%」とは、Fe
を主成分とする磁性粉において、その金属成分の中でAl
原子の占める割合を全磁性粉の全原子に対して表わした
原子比を意味する。従って、例えばAl含有量が1原子%
とは、全磁性粉原子を100としたときに1の原子割合を
占めることを意味する。このFe−Al系金属磁性粉には他
の金属、例えばNi、Co、P、Mn、Zn、Cr等を添加しても
よい。金属磁性粉とは酸化鉄を水素等で還元した乾式還
元法によるものを指し、水素化ホウ素等で湿式還元して
得られる金属粉では本発明の高電気特性、高耐久性は得
られない。
また、本発明においては、使用する金属磁性粉の比表面
積をBET値で40m2/g以上(より好ましくは50m2/g以上)
とすることもでき、この場合には、より高密度に磁性層
中に充填することができる。即ち、これによって磁気記
録の更なる高密度化、磁性層表面の更なる平滑化が可能
となり、より高いS/N比、高出力を得ることができ、本
発明の効果を更に顕著に奏しうる。
なお、上記において、BET値(「比表面積」ともいう)
とは、単位重量あたりの表面積をいい、平均粒子径とは
全く異なった物理量であり、例えば平均粒子径は同一で
あっても、比表面積が大きなものと、比表面積が小さい
ものが存在する。比表面積の測定は、例えばまず、粉末
を250℃前後で30〜60分加熱処理しながら脱気して、該
粉末に吸着されているものを除去し、その後、測定装置
に導入して、窒素の初期圧力を0.5kg/m2に設定し、窒素
により液体窒素温度(−195℃)で吸着測定を行う(一
般にB.E.T法と称されている比表面積の測定方法。詳し
くはJ.Ame.Chem.Soc,60 309(1938)を参照)。この比
表面積(BET値)の測定装置には、湯浅電池(株)なら
びに湯浅アイオニクス(株)の共同製造による「粉粒体
測定装置(カンターソープ)」を使用することができ
る。比表面積ならびにその測定方法についての一般的な
説明は「粒体の測定」(J.M.DALLAVALLE,CLYDEORRJr共
著、弁田その他訳;産業図書社刊)に詳しく述べられて
おり、また「化学便覧」(応用編、1170〜1171頁、日本
化学会編、丸善(株)昭和41年4月30日発行)にも記載
されている(なお前記「化学便覧」では、比表面積を単
に表面積(m2/gr)と記載しているが、本明細書におけ
る比表面積と同一のものである。)。
本発明の磁性層で使用可能なカーボンブラックとして
は、平均粒径が20〜70mμのカーボンブラックが挙げら
れ、コロンビア・カーボン社製のコンダクテックス(Co
nductex)−SC.(BET値〔以下、BETと略す〕220m2/g、D
BP吸油量〔以下DBPと略す〕115ml/100g、粒径20mμ)、
コンダクテックス(Conductex)975(BET250m2/g、DBP1
70ml/100g、粒径24mμ)、ラーベン(Raven)14(BET45
m2/gr、DBP111ml/100gr、粒径59mμ)、キャボット社製
のバルカン(Vulcan)9(BET140m2/g、DBP114ml/100
g、粒径19mμ)、バルカン(Vulcan)P(BET143m2/g、
DBP118ml/100g、粒径20mμ)、旭カーボン社製の#80
(BET117m2/g、DBP113ml/100g、粒径23mμ)、電気化学
社製のHS100(BET32m2/g、DBP180ml/100g、粒径53m
μ)、三菱化成社製の#22B(BET55m2/g、DBP131ml/100
g、粒径40mμ)、#20B(BET56m2/g、DBP115ml/100g、
粒径40mμ)、#3500(BET47m2/g、DBP187ml/100g、粒
径40mμ)が例示できる。なかでも平均粒径が35〜65mμ
のカーボンブラックは走行性改善に著しく効果がある。
その他にも、使用可能な磁性層用のカーボンブラックと
しては三菱化成社製のCF−9、#4000、#40、#30、MA
−600、キャボット社製のブラツク・パールズ(Black P
earls)L、モナーク(Monarck)800、ブラック・パー
ルズ700、ブラック・パールズ1000、ブラック・パール
ズ880、ブラツク・パールズ900、ブラック・パールズ13
00、ブラック・パールズ2000、スターリング(Sterlin
g)V、コロンビアン・カーボン社製のラーベン(Rave
n)410、ラーベン3200、ラーベン420、ラーベン1430、
ラーベン450、ラーベン825、ラーベン1255、ラーベン10
35、ラーベン1000、ラーベン2000、ラーベン5000、コン
ダクテックス40−220、ケッチェンブラックFC等が挙げ
られる。
本発明のバックコート層で使用可能なカーボンブラック
としては、平均粒径が10〜70mμのカーボンブラックが
挙げられ、コロンビアン・カーボン社製のコンダクテッ
クス(Conductex)−SC.(BET値〔以下、BETと略す〕22
0m2/g、DBP吸油量〔以下DBPと略す〕115ml/100g、粒径2
0mμ)、コンダクテックス(Conductex)975(BET250m2
/g、DBP170ml/100g、粒径24mμ)、ラーベン(Raven)1
4(BET45m2/gr、DBP111ml/100gr、粒径59mμ)、キャボ
ット社製のバルカン(Vulcan)9(BET140m2/g、DBP114
ml/100g、粒径19mμ)、バルカン(Vulcan)P(BET143
m2/g、DBP118ml/100g、粒径20mμ)、旭カーボン社製の
#80(BET117m2/g、DBP113ml/100g、粒径23mμ)、電気
化学社製のHS100(BET32m2/g、DBP180ml/100g、粒径53m
μ)、三菱化成社製の#22B(BET55m2/g、DBP131ml/100
g、粒径40mμ)、#20B(BET56m2/g、DEP115ml/100g、
粒径40mμ)、#3500(BET47m2/g、DBP187ml/100g、粒
径40mμ)があり、その他にも、三菱化成社製のCF−
9、#4000、#40、#30、MA−600、キャボット社製の
ブラック・パールズ(Black Pearls)L、モナーク(Mo
narck)800(平均粒径17mμ)、ブラック・パールズ700
(平均粒径18mμ)、ブラック・パールズ1000(平均粒
径16mμ)、ブラック・パールズ880(平均粒径6mμ)、
ブラック・パールズ900(平均粒径15mμ)、ブラック・
パールズ1300、ブラック・パールズ2000(平均粒径15m
μ)、スターリング(Sterling)V、コロンビアン・カ
ーボン社製のラーベン(Raven)410、ラーベン3200、ラ
ーベン420、ラーベン1430、ラーベン450、ラーベン82
5、ラーベン1255、ラーベン1035、ラーベン1000、ラー
ベン2000(平均粒径18mμ)、ラーベン5000(平均粒径1
2mμ)、コンダクテックス40−220、ケッチェンブラッ
クFC等が挙げられ、更に平均粒径が200〜500mμの大粒
径カーボンブラックを先の平均粒径10〜70mμのカーボ
ンブラックに少量添加してバックコート層の走行性改善
に役立たせることもできる。前記大粒径カーボンブラッ
クとしては、コロンビアカーボン社製MT−P(280m
μ)、MT−C1(350mμ)が挙げられる。
次に、媒体走行方向のヤング率を1100kg/mm2以上とする
手段について述べる。
媒体のヤング率向上のためには、例えばベースフィルム
に特定の樹脂を用いることが考えられる。これには、以
下(イ)、(ロ)のものが挙げられる。
(イ):ポリエチレンナフタレート この例としては、ポリエチレン−2,6−ナフ ポリエチレン−2,6−ナフタレートは、その繰り返し構
造単位が実質的にエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート単位から構成されているものであればよく、
共重合されないポリエチレン−2,6−ナフタレンジカル
ボキシレートのみならず繰り返し構造単位の数の10%以
下、好ましくは5%以下が他の成分で変性されたような
共重合体、及び他のポリマーとの混合物、組成物をを含
むものである。
即ち、ポリエチレン−2,6−ナフタレートはナフタリン
−2,6−ジカルボン酸、またはその機能的誘導体、およ
びエチレングリコールまたはその機能的誘導体とを触媒
の存在下で適当な反応条件の下に結合せしめることによ
つて合成されるが、ポリエチレン−2,6−ナフタレート
は、上記ポリエチレン−2,6−ナフタレートの重合完結
前に適当な1種又は2種以上の第三成分(変性剤)を添
加し、共重合または混合ポリエステルとしたものであっ
てもよい。適当な第三成分としては、2価のエステル形
成官能基を有する化合物、例えばシュウ酸、アジピン
酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレ
ン−2,7−ジカルボン酸、コハク酸、ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸等のジカルボン酸、またはその低級アル
キルエステル、P−オキシ安息香酸、P−オキシエトキ
シ安息香酸の如きオキシカルボン酸、またはその低級ア
ルキルエステル、あるいはプロピレングリコール、トリ
メチレングリコールの如き2価アルコール類等の化合物
が挙げられる。ポリエチレン−2,6−ナフタレートまた
はその変性重合体は、例えば安息香酸、ベンゾイル安息
香酸、ベンジルオキシ安息香酸、メトキシポリアルキレ
ングリコールなどの1官能性化合物によって末端の水酸
基及び/又はカルボキシル基を封鎖したものであっても
よく、或いは、例えば極く少量のグリセリン、ペンタエ
リスリトールの如き3官能、4官能エステル形成化合物
で実質的に線状の共重合体が得られる範囲内で変性され
たものでもよい。
また前記基体重合体中には、二酸化チタンなどの艶消
剤、リン酸、亜リン酸及びそれらのエステル、或いはヒ
ンダードフェノールなどの安定剤、微粒状シリカ、チャ
イナクレー等の滑剤等が含まれていてもよい。
支持体をポリエチレンナフタレート製フィルムとした場
合、このフィルムは二軸配向フィルムとすることが良
い。二軸配向フィルムを得る方法として、例えば末延伸
フィルムを走行方向(縦方向)に延伸した後に幅方向
(横方向)に延伸する、いわゆる縦−横逐次延伸法、横
−縦逐次延伸法、通常の二軸延伸フィルムを再延伸する
縦−横−縦、横−縦−横延伸法、同時二軸延伸法等々が
いずれも適用できる。もっとも、これら延伸法のいずれ
かに限定されるものではない。
更に、70℃で1時間無荷重下で熱処理したときのベース
フィルムの熱収縮率は、0.08%以下、好ましくは0.06%
以下とするのが好ましい。この熱収縮率が0.08%より大
きいとき、磁気テープのスキューも大きくなり、受像機
によっては画面に歪が現れ、貴重な記録が台なしになる
場合すらある為、好ましくない。
高ヤング率フィルムの熱収縮率を、このように低減せし
める為には、熱処理後のフィルムを低張力下で加熱し、
走行方向に弛緩することによって行うことができる。走
行方向に弛緩する方法としては、例えば空気力による浮
遊処理方式で加熱低張力下、非接触状態で弛緩する方
法;夫々ニップロールを有する加熱ロールと冷却ロール
間で速度差を与えることによって弛緩する方式;又はテ
ンター内でフィルムを把持したクリップの進行速度を逐
次緩めることによって走行方向に弛緩する方法等がある
が、走行方向に弛緩できる方式であればいずれの方式も
用いることができる。
(ロ)その他 ポリアミド樹脂 高ヤング率を得ることのできるプラスチックであれば、
いずれのものも使用に供することは可能であるが、なか
でも芳香族ポリアミド(アラミド樹脂) は著しく高いヤング率(例えば1200kg/mm2以上)のフィ
ルムを得ることが出来て好ましい。
アラミド樹脂の特長はポリエチレンナフタレートに比べ
て、テープ状にした場合、幅方向に高いヤング率を示す
ことであり、これは、薄手のテープとした場合に走行時
に走行系から受ける幅方向の各種の応力に対して大変有
利である。
例えば、厚さ5.5μmのベースフィルムとした場合、長
手方向/幅方向のヤング率(kg/mm2)を比較すると、以
下のようになる。
ポリエチレンナフタレート 1450/600 アラミド 1490/1300 cf.ポリエチレンテレフタレート 850/450 (ロ) その他のベースフィルム (イ)、(ロ)−のポリエチレンナフタレート、ポリ
アミドにくらべるとベースフィルム適正(例えばヤング
率)としては、やや劣るが、磁性層等でヤング率をカバ
ーすることにより、以下の他のベースフィルム素材を使
用してもよい。
ポリイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエー
テルケトン (イ)、(ロ)の中で特に好ましいのは、ポリエチレン
ナフタレート、ポリアミドであり、高いヤング率を得ら
れ易い点では優れている。
また、磁性層、バックコート層において各種添加剤の料
を減らす方法もある。
支持体の媒体走行方向のヤング率は1200〜1800kg/mm2
好ましく、支持体の幅方向のヤング率は500〜1600kg/mm
2とするのが好ましい。
磁性層中には脂肪酸及び脂肪酸エステルを含有せしめる
ことができる。これにより、両者の各特長を発揮させな
がら、単独使用の場合に生じる欠陥を相殺し、カーボン
ブラックと相まって潤滑効果を向上させ、静止画像耐久
性、走行安定性、S/N比等を高めることができる。この
場合、脂肪酸の添加量は、磁性粉100重量部に対して0.2
〜10重量部がよく、0.5〜8.0重量部が更によい。この範
囲を外れて脂肪酸が少なくなると磁性粉の分散性が低下
し、媒体の走行性も低下し易く、また多くなると脂肪酸
がしみ出したり、出力低下が生じ易くなる。また、脂肪
酸エステルの添加量は、磁性粉100重量部に対して0.1〜
10重量部がよく、0.2〜8.5重量部が更によい。この範囲
を外れてエステルが少なくなると走行性改善の効果が乏
しく、また多くなるとエステルがしみ出したり、出力低
下が生じ易くなる。
また、上記の効果をより良好に奏するうえで、脂肪酸と
脂肪酸エステルの重量比率は脂肪酸/脂肪酸エステル=
10/90〜90/10が好ましい。なお、脂肪酸には分散作用的
効果もあり、脂肪酸の使用によって別の低分子量の分散
剤の使用量を低減させ、その分だけ磁気記録媒体のヤン
グ率を向上せしめることもできると考えられる。
脂肪酸は一塩基性であっても二塩基性であってもよい。
炭素原子数6〜30、更には12〜22の脂肪酸が好ましい。
脂肪酸を例示すると以下の通りである。
(1)カプロン酸 (2)カプリル酸 (3)カプリン酸 (4)ラウリン酸 (5)ミリスチン酸 (6)パルミチン酸 (7)ステアリン酸 (8)イソステアリン酸 (9)リノレン酸 (10)リノール酸 (11)オレイン酸 (12)エライジン酸 (13)ベヘン酸 (14)マロン酸 (15)コハク酸 (16)マレイン酸 (17)グルタル酸 (18)アジピン酸 (19)ピメリン酸 (20)アゼライン酸 (21)セバシン酸 (22)1,12−ドデカンジカルボン酸 (23)オクタンジカルボン酸 上記の脂肪酸エステルの例は次の通りである。
(1)オレイルオレート (2)イソセチルステアレート (3)ジオレイルマレエート (4)ブチルステアレート (5)ブチルパルミテート (6)ブチルミリステート (7)オクチルミリステート (8)オクチルパルミテート (9)アミルステアレート (10)アミルパルミテート (11)イソブチルオレエート (12)ステアリルステアレート (13)ラウリルオレート (14)オクチルオレート (15)イソブチルオレート (16)エチルオレート (17)イソトリデシルオレート (18)2−エチルヘキシルステアレート (19)エチルステアレート (20)2−エチルヘキシルパルミテート (21)イソプロピルパルミテート (22)イソプロピルミリステート (23)ブチルラウレート (24)セチル−2−エチルヘキサレート (25)ジオレイルアジペート (26)ジエチルアジペート (27)ジイソブチルアジペート (28)ジイソデシルアジペート 本発明の磁気記録媒体は、例えば第1図に示すように、
支持体1上に磁性層2を有し、この磁性層2とは反対側
の面にBC層3が設けられている構成のものである。ま
た、第2図に示すように、第1図の磁気記録媒体の磁性
層2上にオーバーコート層(OC層)4を設けてもよい。
また、第1図、第2図の磁気記録媒体は、磁性層2と支
持体1との間に下引き層(図示せず)を設けたものであ
ってよく、或いは下引き層を設けなくてもよい(以下同
様)。また支持体にコロナ放電処理を施してもよい。
磁性層2には、上述した脂肪酸、脂肪酸エステル以外に
も、他の潤滑剤(例えばシリコーンオイル(カルボン酸
変性、エステル変性であってもよい)、グラファイト、
フッ化カーボン、二硫化モリブデン、二硫化タングステ
ン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、α−オレフィンオ
キサイド等)等を添加してよい。また、非磁性研磨材粒
子も添加してよいが、これにはアルミナ、酸化クロム、
酸化チタン、α−酸化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭
化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウ
ム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素等が使用される。こ
の研磨材の含有量は磁性粉100重量部に対して20重量部
以下が好ましく特に3重量部〜12重量部以下が良く、ま
たその平均粒子径は0.4μmがよく、0.3μm以下が更に
よい。
また、磁性層のバインダー樹脂として少なくともポリウ
レタンを使用できるが、これは、ポリオールとポリイソ
シアネートとの反応によって合成できる。ポリウレタン
と共に、フェノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系供重合
体も含有せしめれば、磁性層に適用する場合に磁性粉の
分散性が向上し、その機械的強度が増大する。但、フェ
ノキシ樹脂及び/又は塩化ビニル系共重合体のみでは層
が硬くなりすぎるがこれはポリウレタンの含有によって
防止でき、支持体又は下地層との接着性が良好となる。
また、上記以外にも、バインダー樹脂として繊維素系樹
脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線
照射硬化型樹脂が使用されてもよい。
また、BC層3にも、上記した潤滑剤、非磁性研磨剤粒
子、バインダー樹脂を使用して良い。
第2図において、OC層4は、磁性層2を損傷等から保護
するために設けられるが、そのために滑性が十分である
必要がある。そこで、OC層4のバインダー樹脂として、
上述の磁性層2に使用したウレタン樹脂を(望ましくは
フェノキシ樹脂及び/又は塩基ビニル系共重合体を併用
して)使用できる。
更に、磁性層のバインダー樹脂として、以下(A)〜
(D)のものが好ましく使用される。これらのバインダ
ー樹脂によれば、分子鎖中の極性官能基の作用により、
磁性粉の分散性を向上せしめて塗膜のゲル化等を防止で
き、また低分子量の分散剤の添加量を減らせるので、塗
膜強度の改善、添加剤のブリードアウトに伴うヘッド汚
れの防止を図ることができる。
(A)スルホン酸金属塩基を有するポリウレタン樹脂 ポリウレタン樹脂にスルホン酸金属塩基を導入する方法
としては、例えば次のような方法が挙げられる。
(1)、ポリウレタンの原料である2塩基酸、ポリオー
ル等に上記親水基を予め導入しておく方法。
(2)、2官能若しくは3官能以上の−OH基を有するポ
リウレタン樹脂を変性する方法。例えば、 (a)、ClCH2CH2SO3M(Mは塩基を表わすが、特にアル
カリ金属が好ましい)の如く、分子中に上記親水基及び
塩基を含有する化合物と、多官能−OHを有するポリウレ
タン樹脂とを、両成分が溶解性のあるジメチルホルムア
ミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶剤
に溶解し、ピリジン、ピコリン、トリエチルアミンなど
のアミン類;エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ドなどのエポキシ化合物等の脱塩酸剤の存在下での−OH
基と塩素との脱塩酸反応により上記親水基を導入する方
法。
(a−1) R−OH+ClCH2CH2SO3M→R−OCH2CH2SO3M+HCl (但し、R:ポリウレタン樹脂) 若干の副生成物を生じるが、次の方法でも合成可能であ
る。即ち、 (b)、HOCH2CH2SO3Mと、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の溶剤中で2官
能、イソシアネート化合物、例えば、4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシ
アネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(H
MDI)とを等モル反応させ、ジイソシアネートの一方の
イソシアネート基と上記分子中の−OH基との反応による
反応生成物を得る。次に、ポリウレタン樹脂の−OH基と
残留している−NCO基とを反応させれば、本発明で使用
可能なバインダーが得られる。
(但し、Rはポリウレタン樹脂、R′は炭化水素基) 又、次のような方法でも良い。
(c)、両末端−NCOのウレタンプレポリマーとHOCH2CH
2SO3Mとを反応させる方法。
この樹脂は、数平均分子量10,000から100,000、重合度
が約200から2,000程度であってガラス転移温度が0℃〜
90℃、スルホン酸金属塩基を10〜1,000当量/100g有す
る。また、機械的特性は初期弾性率が20〜200kg/mm2
破断強度2〜10kg/mm2、破断伸度3〜800%を有する。
(B)マレイン酸を含有する塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体樹脂 この樹脂は数平均分子量8,000から100,000、平均重合度
が約250から1,000程度であり、マレイン酸の含有量が0.
2重量%から1.5重量%未満である。具体的には商品名VM
CH、VMCC(U.C.C社製)、商品名MPR−TM(日信化学製)
などがある。
上記の塩ビ−酢ビ−マレイン酸三元共重合体に加えてビ
ニルアルコール、無水マレイン酸、アクリロニトリル、
アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルなどの
モノマーが共重合もしくはグラフト重合されていてもよ
い。これらのモノマーは全体の0.1〜25重量%含有し得
る。
塩化ビニルおよび酢酸ビニルの混合比率は、重量比で60
〜95:40〜5、好ましくは70〜90:30〜10である。
なお、(A)の「スルホン酸金属塩基を有するポリウレ
タン樹脂」と(B)の「マレイン酸を含有する塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体樹脂」とを混合して使用でき
る。
これらのバインダー樹脂の混合比率はマレイン酸を含有
する塩酢ビ系樹脂が好ましくは20〜65重量%、更に好ま
しくは30〜55重量%であり、スルホン酸金属塩基含有ポ
リウレタンが好ましくは35〜80重量%、更に好ましくは
45〜70重量%である。
上記塩酢ビ系樹脂が20重量%未満の場合、磁性粒子の分
散性が不良となり65重量%を越える場合強度の低い磁気
テープが得られ、スクット箇所より磁性層の欠落が生ず
る。
スルホン酸金属塩基含有するポリウレタンの混合比率が
35重量%未満の場合、磁性層と支持体との接着性が劣化
し、80重量%を越す場合、表面性が劣化し、またテープ
粘着がしばしば生じる。
(C)塩化ビニル、エポキシ基を有する単量体及び必要
に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を、硫黄また
はリンを含む強酸根を有するラジカル発生剤の存在下に
重合して得られる塩化ビニル含有量が60重量%以上の共
重合体であって、この共重合体に結合している強酸根が
0.1〜4.0重量%であることを特徴とする磁性塗料用樹脂
が使用可能である。
この樹脂は、塩化ビニル、エポキシ基を有する単量体、
さらに必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体
を、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過リン酸ア
ンモニウム、過リン酸ナトリウムなどの硫黄またはリン
を含む強酸根を有するラジカル発生剤の存在下に重合し
て得られる。このラジカル発生剤の使用量は、単量体に
対して通常は0.3〜9.0重量%、好ましくは、1.0〜5.0重
量%である。
この樹脂は、公知の方法によって製造できるが、硫黄ま
たはリンを含む強酸根を有するラジカル発生剤は水溶性
のものが多いので、乳化重合あるいは、メタノールに代
表される低級アルコールを重合媒体とする懸濁重合によ
るのが好都合である。さらにケトン類を溶媒とする溶液
重合も好適な方法である。
この樹脂の製造に際しては、硫黄またはリンを含む強酸
根を有するラジカル発生剤に加えて通常塩化ビニルの重
合に用いられるラジカル発生剤を使用することも可能で
ある。これらのラジカル発生剤としては、例えばラウロ
イルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、3,5,
5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ジイソプ
ロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキ
シルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチ
ルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピ
パレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエートの如
き有機過酸化物:2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,
4′−アゾビス−4−シアノバレリン酸の如きアゾ化合
物などが挙げられる。また、強酸根を有するラジカル発
生剤に、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、
亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤を
組合せることも可能である。
エポキシ基を有する単量体の例としては、アリルグリシ
ジルエーテル、メタリルグリシジルエーテルなどの不飽
和アルコールのグリシジルエーテル類、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、グリシジル−P
−ビニルベンゾエート、メチルグリシジルイタコネー
ト、グリシジルエチルマレート、グリシジルビニルスル
ホネート、グリシジル(メタ)アリルスルホネートなど
の不飽和酸のグリシジルエステル類、ブタジエンモノオ
キサイド、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、2−
メチル−5,6−エポキシヘキセンなどのエポキシドオレ
フィン類などが挙げられる。この単量体は、一般には共
重合体中のエポキシ基の量が0.5重量%以上となる範囲
で使用される。この割合が0.5重量%未満の場合には、
強酸根導入の条件の選択が難しくなる。
塩化ビニル及びエポキシ基を有する単量体のほかに必要
に応じて使用することのできる単量体の例としては、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのカルボン酸ビニル
エステル、メチルビニルエーテル、イソブチルビニルエ
ーテル、セチルビニルエーテルなどのビニルエーテル:
塩化ビニリデン、弗化ビニリデンなどのビニリデン:マ
レイン酸ジエチル、マレイン酸ブチルベンジル、マレイ
ン酸ジ−2−ヒドロキシエチル、イタコン酸ジメチル、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
−2−ヒドロキシプロピルなどの不飽和カルボン酸エス
テル:エチレン、プロピレンなどのオレフィン:(メ
タ)アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル:スチレ
ン、α−メチルスチレン、P−メチルスチレンなどの芳
香族ビニルなどが挙げられる。これらの単量体は、上記
の樹脂と他の樹脂とを混合したときの両者の相溶性及び
軟化点を調節しつつ樹脂の溶解性を向上させる目的のほ
か、塗膜の特性や塗工工程の改善などの必要性に応じて
適当に選択される。
このようにして得られた本例の樹脂は、平均重合度が10
0〜900、好ましくは200〜500、塩化ビニルの含有量が60
重量%以上のものである。重合度が100未満では磁性層
の耐摩耗性が不充分であり、900を越えると塗料の粘度
が高く、磁性粉の分散が不充分になりやすい。一方、塩
化ビニルの含有量が60重量%より少ないと、可撓性材料
との相溶性が低下したり、塗膜の溶剤離れの低下が著し
くなったりして不都合を生ずる。
また上記の樹脂に結合した強酸根の量は−SO3、−SO4
−PO4等として0.1〜4.0重量%であることが必要であ
る。0.1重量%未満では磁性粉の分散性が不充分とな
り、4.0重量%を越えると強酸根の親水性が強くなり、
溶剤への溶解性が不充分になるばかりか、塗膜の耐湿性
が低下し、さらには磁性粉の凝集が起きてかえって分散
性が悪くなる。
なお、本例の樹脂はエポキシ基を有するので、優れた耐
熱安定性を発揮することができる。従って信頼性に優れ
た、ヘッド腐食をおこしにくい磁気記録媒体の製造が可
能になる。またエポキシ基の反応性を活用して、架橋剤
としてポリアミン化合物やポリカルボン酸化合物による
塗膜の架橋が可能である。しかも、これらの架橋剤を用
いた場合には、強酸根を有しない通常のエポキシ基含有
塩化ビニル共重合体に対するよりも架橋の速度が速く、
極めて効果的に架橋が進む。理由ははっきりしないが、
結合している強酸根の促進作用によるものと思われる。
(D)カルボキシル基、エポキシ基及び水酸基からなる
群より選ばれた一種又は二種以上の官能基を0.1meq/gr
以上含有し、かつ1分子中に平均3個以上(好ましくは
5個以上)の官能基を含有する変性ポリウレタン又は、
スルホン酸を含み、その他にエポキシ基及び/又は水酸
基を含有する変性ポリウレタン 平均分子量としては5,000〜100,000、好ましくは8,000
〜60,000である。これらの変性ポリウレタン樹脂は従来
の熱可塑性ポリウレタン樹脂が分子の末端にだけしか、
水酸基を含まないのに対し分子側の途中に極性官能基を
有する為、特に微粒子磁性粉に良く吸着して濡れを改善
し、磁性粉の分散性に寄与する事が出来る。水酸基含有
の変性ポリウレタン樹脂として特に、エポキシ変性ポリ
ウレタン樹脂のエポキシ基をアミン類及び/又は、カル
ボン酸類で開環させて水酸基を生成せしめた分子鎖中に
水酸基を0.1meq/g以上含有する官能基数が3個以上好ま
しくは5個以上の変性ポリウレタン樹脂であり平均分子
量が5,000〜100,000好ましくは8,000〜60,000のもので
エポキシ樹脂成分が下記一般式〔I〕 (R1、R2はそれぞれ水素又はメチル基、nは0,1以上の
数を示す) で表わされる化合物が本目的に叶っている。
特にビスフェノール骨格構造の作用により塗膜の耐加水
分解性及び磁気テープの塗膜の硬さを適度に調節するこ
とが出来る。官能基が0.1meq/g未満であると微粒子磁性
粉を充分に分散させる事が出来ず本目的を叶える事が出
来ない。
カルボキシル基を含む変性ポリウレタン樹脂としては、
リジンまたはリジン塩(リジンアルカリ塩ほか有機カチ
オンとのリジネート等)による変性体や、一般式〔II〕 (式中R3は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基)2
−ヒドロキシプロパンジオール1,3類またはその塩(カ
ルボキシレート)による変性体等である。リジン変性や
2−カルボキシプロパンジオール類による変性について
は、特公昭46−15517号、特公昭53−38760号に詳しい。
また、その他の変性体については特公昭55−41607号に
記載されている。
(A)や(D)のウレタン樹脂と(C)の塩ビ系又は
(B)の塩酢ビ系を適当に組合わせて使用でき、(A)
/(C)又は(D)/(C)and/or(B)=20/80〜80/
20(wt%)の比がよい。又、従来のウレタンや塩酢ビ系
の樹脂を組合わせて使用できる。
次に、前記の磁性層等の塗布形成時には、試料中に架橋
剤としての多官能イソシアネートを所定量添加しておく
のが磁性層等を強固にできる点で望ましい。こうした架
橋剤としては、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、トリス−(p−イソシアネートフェニル)チオホス
ファイト、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート等
が挙げられる。メチレンジイソシアネート系、トリレン
ジイソシアネート系がよい。なお、磁性層を電子線照射
等で硬化させるときは、イソシアネート化合物の添加は
省略してもよいが添加してあってもよい。
ホ.実施例 以下、本発明の実施例を説明する。
以下に示す成分、割合、操作順序等は、本発明の精神か
ら逸脱しない範囲において種々変更しうる。なお、下記
の実施例において「部」はすべて「重量部」を表わす。
<実験1> まず、下記の要領で支持体上に磁性層をそれぞれ形成
し、更にバックコート層を形成して下記表に示す各磁気
テープ(第1図のもの)を作成した。但し、比較例−2
についてはバックコート層を設けていない。
即ち、まず、支持体である所定厚さのベースフィルムを
下記表に示す各樹脂により成形した。
次に、Fe−Al金属磁性粉を使用し、下記表に示す各成分
を分散させた後、この磁性塗料を1μmフィルターで濾
過し、多官能イソシアネート5部を添加し、支持体上に
2.3μm厚みに塗布してスーパーカレンダーをかけ、下
記表に表示した各種特性、組成を有する磁性層とした。
但し、実施例−4については、Fe−Al−Ni合金磁性粉
(Al6原子%、Ni1原子%、残りはFe)を用いた。
しかる後、次の組成のBC層用塗料を磁性層の反対側の面
に乾燥厚さ0.4μmになるように塗布した。
カーボンブラック 所定量 ニトロセルロース 25部 N−2301(日本ポリウレタン製) 25部 コロネートL( 〃 ) 10部 シクロヘキサノン 400部 メチルエチルケトン 250部 トルエン 250部 このようにして所定厚さの磁性層、BC層を有する幅広の
磁性フィルムを得、これを巻き取った。このフィルムを
8mm幅に断裁し、下記表の各ビデオテープとした(各実
施例、比較例の番号に対応する。)。なお、テープの傷
の発生頻度の試験のみ、1/2インチ(12.65mm)幅に断裁
したテープとした。但し、下記表の第2欄以後の数値は
重量部を表わす。又、Fe−Al系以外の強磁性金属粉末Fe
−Ni(Ni4原子%,Hc1480Oe、比較例6)、Fe−Cr(Cr4
原子%,Hc1480Oe、比較例7)、Fe−Si(Si4原子%,Hc1
480Oe、比較例8)、Fe−Co(Co4原子%,Hc1480Oe、比
較例9)、Fe−Cu(Cu4原子%,Hc1480Oe、比較例10)に
ついても、実施例1と同様に行った。
以上のようにして得られたテープの性能を測定した結果
を下記表に示す。但し、評価項目は次の基準に従って測
定され、表示されている。
ヤング率: 試料を試料巾10mm、長さ15cmに切り、チャック間100mm
にして引張速度10mm/分、チャート速度500mm/粉にイン
ストロンタイプの万能引張試験装置にて引張った。得ら
れた荷重−伸び曲線の1%伸びの点の荷重よりヤング率
(1%)を計算した。
ルミS/N:カラービデオノイズメーター「Shibasoku 925
D/1」により測定した。ハイパスフィルターは4.2MHz、
ローパスフィルターは10KHzで行った。VTRは8mmビデオ
デッキを使用した。比較例−1の値を0dBとしたとの相
対値で示した。
RF出力低下:8mmビデオデッキを用いてRF出力を測定し、
100回再生後の、当初の出力に対して低下している値を
示した。(単位:dB) 静止画像寿命:静止画像が2dB低下するまでの時間を、
分単位で示す。値が大きい程磁気記録媒体の耐久性、耐
摩耗性が高い。
テープの傷の発生頻度: 市販のVHS方式VTRを用い、テープをセットして1分間走
行させた。その後、走行を停止してテープを取り出し、
走行した部分、ローディング、アンローディングに使用
された部分を目視にて検査し、テープ表面に傷が有るか
否かを調査し テープの傷の発生頻度 =傷のあった回数/試験回数×100(%) として求める。試験回数は20回以上行うものとした。
飽和磁化:試料テープの飽和磁化をガウスを単位として
示した。
飽和磁化の残存率:試料テープを60℃、80%RHの雰囲気
中で1週間放置後に測定した飽和磁化が、放置前に測定
した飽和磁化の何%に相当するかをもって示した。
表に示す結果から、本発明に基づいて磁気テープを構成
することによって、テープ性能が著しく向上することが
解る。すなわち、磁性層中に金属磁性粉、カーボンブラ
ックを含有せしめること、BC層にカーボンブラックを含
有せしめること、及び磁気記録媒体の媒体方向のヤング
率を1100kg/mm2以上とすることは、テープ性能の著しい
向上をもたらすことが解る。
更には、金属磁性粉としてFe−Al合金磁性粉を用いれ
ば、保存後の飽和磁化の残存率が高く、媒体の保存性が
向上することが解る。
次に、実施例1の磁気テープと比較例1の磁気テープと
を用いて、下記の試験を行った。
Durability後の粉落ち:常温常湿下でテープを2000回録
再を繰り返した後、デッキ内のテープ走行部の汚れをふ
きとり、その汚れ具合を目視で判定する。
上記試験を行った結果、比較例1の磁気テープにおいて
は明らかに汚れが認められたのに対し、実施例1の磁気
テープにおいては汚れは認められなかった。
<実験2> 実験1において、実施例1の構成及び処方を有するビデ
オテープを使用し、金属磁性粉を種々変化させて、以下
の実験を行った。
即ち、Fe−Al系金属磁性粉において、磁性粉中のAlの含
有率を変化せしめ、ルミS/N及び保存後の飽和磁化の残
存率を調べた結果、第3図、第4図に示すグラフを得
た。
これらの結果から解るとうり、Alの含有量を0.5〜20原
子%とすると好ましく、1〜8原子%の範囲内とすると
更に好ましいと言える。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図はそれぞれ本発明の磁気記録媒体の一例
を示す部分拡大断面図である。第3図、第4図はAl含有
率に対する特性変化を示すグラフである。 なお、図面に示す符号において、 1……非磁性支持体 2……磁性層 3……バックコート層(BC層) 4……オーバーコート層(OC層) である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe−Al系金属磁性粉及びカーボンブラック
    を含有する磁性層と、 カーボンブラックを含有するバックコート層とを具備
    し、 少なくとも媒体走行方向のヤング率が1100kg/mm2以上で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
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