JPH083067A - インスリン類似化合物製剤 - Google Patents
インスリン類似化合物製剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ヒトインスリン類似化合物ヘキサマー複合体
およびその非経口製剤を提供する。 【構成】 該ヒトインスリン類似化合物ヘキサマー複合
体は、6分子のヒトインスリン類似化合物、2個の亜鉛
イオン、およびm−クレゾール、フェノール、またはm−
クレゾールとフェノールとの混合物からなる群より選択
される少なくとも3分子のフェノール誘導体を含んでお
り、このヘキサマー複合体は、等張剤および生理学的に
許容し得る緩衝液と共に、安定で、迅速に作用する非経
口製剤に製剤化することができる。
およびその非経口製剤を提供する。 【構成】 該ヒトインスリン類似化合物ヘキサマー複合
体は、6分子のヒトインスリン類似化合物、2個の亜鉛
イオン、およびm−クレゾール、フェノール、またはm−
クレゾールとフェノールとの混合物からなる群より選択
される少なくとも3分子のフェノール誘導体を含んでお
り、このヘキサマー複合体は、等張剤および生理学的に
許容し得る緩衝液と共に、安定で、迅速に作用する非経
口製剤に製剤化することができる。
Description
【0001】本発明は、ヒトインスリンのモノマー類似
化合物に関する。より詳しくは、本発明は、インスリン
類似化合物、亜鉛、およびフェノール誘導体を含むヘキ
サマー複合体に関する。
化合物に関する。より詳しくは、本発明は、インスリン
類似化合物、亜鉛、およびフェノール誘導体を含むヘキ
サマー複合体に関する。
【0002】1920年代にインスリンが導入されて以
来、糖尿病の処置を改良しようと絶え間無い進歩が遂げ
られてきた。インスリンの純度、および有効性において
大きな進歩が遂げられてきた。異なった時間−作用を有
する種々の製剤もまた開発されてきた。こういった改良
がなされてきたにもかかわらず、皮下注射療法は今だ、
患者に好都合な調節や正常化した血糖コントロールを与
えるには至っていない。患者が一生涯にわたり正常な血
糖レベルから頻繁に逸脱すると、高血糖症または低血糖
症、および網膜症、神経障害、腎症、並びに細小血管症
および大血管症(macroangiopathy)を含む長期合併症を
招く。
来、糖尿病の処置を改良しようと絶え間無い進歩が遂げ
られてきた。インスリンの純度、および有効性において
大きな進歩が遂げられてきた。異なった時間−作用を有
する種々の製剤もまた開発されてきた。こういった改良
がなされてきたにもかかわらず、皮下注射療法は今だ、
患者に好都合な調節や正常化した血糖コントロールを与
えるには至っていない。患者が一生涯にわたり正常な血
糖レベルから頻繁に逸脱すると、高血糖症または低血糖
症、および網膜症、神経障害、腎症、並びに細小血管症
および大血管症(macroangiopathy)を含む長期合併症を
招く。
【0003】極端な血糖レベルにならないよう、糖尿病
患者は多数回にわたる注射療法を行うことが多いが、こ
れにより、インスリンを食事毎に投与する。しかし、こ
の治療法はまだ最適であるとは言えない。最も迅速に作
用する市販のインスリンは、注射後、ピークに達するの
が遅すぎて長く持続しすぎるので、グルコースレベルを
最適にコントロールすることができない。近年、皮下吸
収過程の動態を変えるインスリン製剤およびインスリン
類似化合物製剤を作り出そうと、相当な努力がはらわれ
てきた。
患者は多数回にわたる注射療法を行うことが多いが、こ
れにより、インスリンを食事毎に投与する。しかし、こ
の治療法はまだ最適であるとは言えない。最も迅速に作
用する市販のインスリンは、注射後、ピークに達するの
が遅すぎて長く持続しすぎるので、グルコースレベルを
最適にコントロールすることができない。近年、皮下吸
収過程の動態を変えるインスリン製剤およびインスリン
類似化合物製剤を作り出そうと、相当な努力がはらわれ
てきた。
【0004】市販されているインスリンの医薬品製剤は
全て、自己会合した状態で、主に亜鉛−ヘキサマーの形
でインスリンを含有するので、皮下注射貯留部位から血
流へインスリンが吸収されるにあたっての律速段階は、
自己凝集したインスリンヘキサマーの解離であると考え
られている[Brangeら,Diabetes Care 13:92
3−954(1990)]。この吸収過程を促進するた
めに、モノマーインスリン類似化合物が開発されてき
た。これらのモノマー類似化合物は、天然ヒトインスリ
ンの生理学的活性を保持する一方で、インスリンより比
較的迅速な活性発現を有する。モノマー類似化合物は迅
速に吸収されて、インスリンの注射時間や作用ピークを
食事に対する応答に伴う食後のグルコース可動域へより
近似する。種々のモノマー類似化合物の製造は、Chanc
eらのEPO公開第383 472号、およびBrangeら
のEPO公開第214 826号に記載されている。
全て、自己会合した状態で、主に亜鉛−ヘキサマーの形
でインスリンを含有するので、皮下注射貯留部位から血
流へインスリンが吸収されるにあたっての律速段階は、
自己凝集したインスリンヘキサマーの解離であると考え
られている[Brangeら,Diabetes Care 13:92
3−954(1990)]。この吸収過程を促進するた
めに、モノマーインスリン類似化合物が開発されてき
た。これらのモノマー類似化合物は、天然ヒトインスリ
ンの生理学的活性を保持する一方で、インスリンより比
較的迅速な活性発現を有する。モノマー類似化合物は迅
速に吸収されて、インスリンの注射時間や作用ピークを
食事に対する応答に伴う食後のグルコース可動域へより
近似する。種々のモノマー類似化合物の製造は、Chanc
eらのEPO公開第383 472号、およびBrangeら
のEPO公開第214 826号に記載されている。
【0005】あいにく、これらの類似化合物をモノマー
とするインスリンの改質はまた、非経口製剤においてポ
リマー形成率を高める結果にもなる。ポリマーレベルが
1%に達すると、インスリン製剤は期限切れとなる
[U.S.Pharmacopoeia,1990]ので、この種の
分解を最小限に食い止めることが、望ましくない副作用
を減らすのに極めて重要である。従って、類似化合物が
自己会合して、安定な構造を形成するが、その迅速な吸
収を維持するような方法でモノマー類似化合物を製剤化
するのが望ましかった。
とするインスリンの改質はまた、非経口製剤においてポ
リマー形成率を高める結果にもなる。ポリマーレベルが
1%に達すると、インスリン製剤は期限切れとなる
[U.S.Pharmacopoeia,1990]ので、この種の
分解を最小限に食い止めることが、望ましくない副作用
を減らすのに極めて重要である。従って、類似化合物が
自己会合して、安定な構造を形成するが、その迅速な吸
収を維持するような方法でモノマー類似化合物を製剤化
するのが望ましかった。
【0006】ある金属イオン、主に亜鉛を添加すると、
インスリンが会合してヘキサマー、特にZn(II)−T6構
造が形成されることにより、化学安定性が向上する。さ
らに、フェノール系化合物は、インスリンヘキサマーへ
特異的に結合してアロステリックな構造変化を引き起こ
すことが示されているが、これにより、B鎖に属する8
個のN−末端アミノ酸は伸長構造からα−ヘリックス構
造へと転換する[Derewendaら,Nature 338:59
4−596(1989)]。このフェノール系化合物−
結合構造状態は、Zn(II)−R状態として知られてい
る。
インスリンが会合してヘキサマー、特にZn(II)−T6構
造が形成されることにより、化学安定性が向上する。さ
らに、フェノール系化合物は、インスリンヘキサマーへ
特異的に結合してアロステリックな構造変化を引き起こ
すことが示されているが、これにより、B鎖に属する8
個のN−末端アミノ酸は伸長構造からα−ヘリックス構
造へと転換する[Derewendaら,Nature 338:59
4−596(1989)]。このフェノール系化合物−
結合構造状態は、Zn(II)−R状態として知られてい
る。
【0007】亜鉛の存在下、インスリンが容易に会合し
て、はっきりとした、安定なZn−ヘキサマー構造を形
成するという、こういった十分確立されている観察結果
とは全く対照的に、モノマーインスリン類似化合物に関
する初期の研究から、亜鉛とインスリン類似化合物との
間で起こる会合はいずれも、インスリンで見られる会合
とは異なることが明らかにされた[B.H.Frank,イン
スリンに関する会議「Self-Association and Confor
mational Studies on Human Proinsulin and Insul
in Analogs」,ヨーク大学,(1989年8月29日−
9月1日)で提示された講演のテキストおよびスライド
コピー]。さらに、インスリンで見られるような非常に
安定なZn−ヘキサマー複合体は、モノマー類似化合物
では見られない(同上)。BremsらのProtein Engineer
ing 5:6,527−533(1992)では、Lys
B28ProB29−hIモノマーがダイマー化したり、自己会
合したりして、ヒトインスリンより高分子量の形になる
傾向は少ないことを開示している。Bremsらは続けて、
AspB28ProB29−hI、AlaB28ProB29−hI、およびL
ysB28ProB29−hIはZnが引き起こす会合をほとんど、
または全く示さず、またProB29インスリン、LysB28イ
ンスリン、AspB28インスリン、およびAlaB28インスリ
ンはZnが引き起こす会合を示すが、Zn−インスリンほ
どではないとの結論を下している。その後、本発明者ら
による未公開の実験観察結果から、亜鉛で会合が見られ
たが、類似化合物と亜鉛との間で起こるそのような会合
は、インスリンとは異なることが示唆されている。これ
らの類似化合物で見られる会合は、多数のより高分子量
の形のものに対して見られることであり、はっきりとし
た、主なZn−インスリンヘキサマーで見られる会合と
は異なる。従って、モノマーインスリン類似化合物がイ
ンスリンと同じ方法でZn(II)−T6構造を形成しないこ
とは明らかである。
て、はっきりとした、安定なZn−ヘキサマー構造を形
成するという、こういった十分確立されている観察結果
とは全く対照的に、モノマーインスリン類似化合物に関
する初期の研究から、亜鉛とインスリン類似化合物との
間で起こる会合はいずれも、インスリンで見られる会合
とは異なることが明らかにされた[B.H.Frank,イン
スリンに関する会議「Self-Association and Confor
mational Studies on Human Proinsulin and Insul
in Analogs」,ヨーク大学,(1989年8月29日−
9月1日)で提示された講演のテキストおよびスライド
コピー]。さらに、インスリンで見られるような非常に
安定なZn−ヘキサマー複合体は、モノマー類似化合物
では見られない(同上)。BremsらのProtein Engineer
ing 5:6,527−533(1992)では、Lys
B28ProB29−hIモノマーがダイマー化したり、自己会
合したりして、ヒトインスリンより高分子量の形になる
傾向は少ないことを開示している。Bremsらは続けて、
AspB28ProB29−hI、AlaB28ProB29−hI、およびL
ysB28ProB29−hIはZnが引き起こす会合をほとんど、
または全く示さず、またProB29インスリン、LysB28イ
ンスリン、AspB28インスリン、およびAlaB28インスリ
ンはZnが引き起こす会合を示すが、Zn−インスリンほ
どではないとの結論を下している。その後、本発明者ら
による未公開の実験観察結果から、亜鉛で会合が見られ
たが、類似化合物と亜鉛との間で起こるそのような会合
は、インスリンとは異なることが示唆されている。これ
らの類似化合物で見られる会合は、多数のより高分子量
の形のものに対して見られることであり、はっきりとし
た、主なZn−インスリンヘキサマーで見られる会合と
は異なる。従って、モノマーインスリン類似化合物がイ
ンスリンと同じ方法でZn(II)−T6構造を形成しないこ
とは明らかである。
【0008】公開されている文献から考えて、本発明が
モノマーインスリン類似化合物をはっきりとした、安定
な亜鉛−フェノールヘキサマー複合体で提供できること
は驚くべきことである。このヘキサマー複合体は、同一
条件下にインスリンで見られる複合体とは明確に異な
る。亜鉛およびフェノールとのインスリン複合体は、Z
n(II)−R6構造である。本発明のヘキサマー複合体は、
この構造と同じではない。また非常に注目すべきは、イ
ンスリン類似化合物ヘキサマー複合体にはインスリンよ
り解離を好む傾向がずっと高いことである。この解離を
好む傾向が、迅速に作用するという望ましい性質を説明
する。
モノマーインスリン類似化合物をはっきりとした、安定
な亜鉛−フェノールヘキサマー複合体で提供できること
は驚くべきことである。このヘキサマー複合体は、同一
条件下にインスリンで見られる複合体とは明確に異な
る。亜鉛およびフェノールとのインスリン複合体は、Z
n(II)−R6構造である。本発明のヘキサマー複合体は、
この構造と同じではない。また非常に注目すべきは、イ
ンスリン類似化合物ヘキサマー複合体にはインスリンよ
り解離を好む傾向がずっと高いことである。この解離を
好む傾向が、迅速に作用するという望ましい性質を説明
する。
【0009】BrangeらのCurrent Opinion in Struc
tural Biology 1:934−940(1991)で
は、種々の迅速に作用する安定なインスリンモノマーを
開示して、迅速に作用するインスリンを作り出すことが
明らかな経路は、ダイマーまたはヘキサマーの形成を防
ぐことであると述べている。同様に、BrangeらのDiab
etes Care 13:923−954(1990)では、
インスリンをヘキサマーとして投与する場合、皮下に拡
散輸送される間および/または毛細膜を通過する間、ヘ
キサマーはモノマーより自由拡散が遅いことに加えて、
立体的障害を多く受けなくてはならないことを開示して
いる。さらに皮下注射する場合、Zn(II)−R6構造は直
接解離しなくとも、Zn(II)−T6構造に転位しなくては
ならない。こういった構造変化やそこからの解離が活性
発現を遅らせる。従って、発明時のある当業者は、はっ
きりとした、ヘキサマー複合体を形成させることによ
り、亜鉛でモノマーインスリン類似化合物を化学的に安
定化しようとする努力は実らないであろうし、もし上手
くいったとしても、迅速な所望の作用発現は期待できな
いであろうと考えた。
tural Biology 1:934−940(1991)で
は、種々の迅速に作用する安定なインスリンモノマーを
開示して、迅速に作用するインスリンを作り出すことが
明らかな経路は、ダイマーまたはヘキサマーの形成を防
ぐことであると述べている。同様に、BrangeらのDiab
etes Care 13:923−954(1990)では、
インスリンをヘキサマーとして投与する場合、皮下に拡
散輸送される間および/または毛細膜を通過する間、ヘ
キサマーはモノマーより自由拡散が遅いことに加えて、
立体的障害を多く受けなくてはならないことを開示して
いる。さらに皮下注射する場合、Zn(II)−R6構造は直
接解離しなくとも、Zn(II)−T6構造に転位しなくては
ならない。こういった構造変化やそこからの解離が活性
発現を遅らせる。従って、発明時のある当業者は、はっ
きりとした、ヘキサマー複合体を形成させることによ
り、亜鉛でモノマーインスリン類似化合物を化学的に安
定化しようとする努力は実らないであろうし、もし上手
くいったとしても、迅速な所望の作用発現は期待できな
いであろうと考えた。
【0010】本発明の製剤は、亜鉛−フェノール系化合
物がもたらすヘキサマー複合体であって、これは迅速に
吸収される。該ヘキサマー複合体に関する吸収速度は、
インスリンで見られる吸収速度の少なくとも2倍であ
る。さらに、ヘキサマー複合体を製剤化する場合、化学
分解に対しインスリンと比較して、同じくらい安定であ
る。従って、本発明がモノマーインスリン類似化合物を
はっきりとした、安定な亜鉛−フェノールヘキサマー複
合体に転換するものであるということは驚くべきことで
ある。注目すべきは、製剤化した場合でも、このヘキサ
マー複合体は、モノマーインスリン類似化合物の持つ迅
速に作用する性質を保持することである。従って、本発
明は、安定で迅速に作用するインスリン類似化合物ヘキ
サマー複合体の非経口製剤を提供するものである。
物がもたらすヘキサマー複合体であって、これは迅速に
吸収される。該ヘキサマー複合体に関する吸収速度は、
インスリンで見られる吸収速度の少なくとも2倍であ
る。さらに、ヘキサマー複合体を製剤化する場合、化学
分解に対しインスリンと比較して、同じくらい安定であ
る。従って、本発明がモノマーインスリン類似化合物を
はっきりとした、安定な亜鉛−フェノールヘキサマー複
合体に転換するものであるということは驚くべきことで
ある。注目すべきは、製剤化した場合でも、このヘキサ
マー複合体は、モノマーインスリン類似化合物の持つ迅
速に作用する性質を保持することである。従って、本発
明は、安定で迅速に作用するインスリン類似化合物ヘキ
サマー複合体の非経口製剤を提供するものである。
【0011】本発明は、6分子のヒトインスリン類似化
合物、2個の亜鉛イオン、およびm−クレゾール、フェ
ノール、またはm−クレゾールとフェノールとの混合物
からなる群より選択される少なくとも3分子のフェノー
ル誘導体を含むヒトインスリン類似化合物複合体であっ
て、ヘキサマーであるヒトインスリン類似化合物複合体
を提供する。本発明はさらに、ヘキサマー複合体を含む
非経口製剤を提供する。
合物、2個の亜鉛イオン、およびm−クレゾール、フェ
ノール、またはm−クレゾールとフェノールとの混合物
からなる群より選択される少なくとも3分子のフェノー
ル誘導体を含むヒトインスリン類似化合物複合体であっ
て、ヘキサマーであるヒトインスリン類似化合物複合体
を提供する。本発明はさらに、ヘキサマー複合体を含む
非経口製剤を提供する。
【0012】図1は、LysB28ProB29−hIおよびヒト
インスリンの作用概要をグラフで示したものである。グ
ラフは、グルコースを注入した場合の平均応答率であ
る。このグラフは、本発明の有利性を実証している。
インスリンの作用概要をグラフで示したものである。グ
ラフは、グルコースを注入した場合の平均応答率であ
る。このグラフは、本発明の有利性を実証している。
【0013】図2は、LysB28ProB29−ヒトインスリン
の安定性をグラフで示したものである。グラフは、ヘキ
サマー会合におけるインスリン類似化合物のポリマー形
成を測定することにより安定性を表すもので、LysB28
ProB29−ヒトインスリンモノマーおよびインスリンと
比較した。このグラフは、本発明の有利性を実証してい
る。
の安定性をグラフで示したものである。グラフは、ヘキ
サマー会合におけるインスリン類似化合物のポリマー形
成を測定することにより安定性を表すもので、LysB28
ProB29−ヒトインスリンモノマーおよびインスリンと
比較した。このグラフは、本発明の有利性を実証してい
る。
【0014】図3は、ヘキサマー複合体におけるLys
B28ProB29−ヒトインスリンの解離をグラフで示したも
のである。グラフは、製剤化したインスリン(○);ヘ
キサマー複合体として製剤化したLysB28ProB29−hI
(△);製剤化していないインスリン(□);およびL
ysB28ProB29−hIモノマー(*)のインビトロにおけ
る解離であって、90°の角度において488nmで静光
散乱によりモニターした。製剤化した試料は、タンパク
質1molにつきZn 0.5mol、1.25mg/mlのm−クレ
ゾールおよび1.09mg/mlのフェノール、7mMのリン
酸ナトリウム並びに16mg/mlのグリセロールを含有し
ていた。製剤化していない試料およびモノマーの試料
は、さらなる賦形剤を全く含有していなかった。このグ
ラフは、本発明の有利性を実証している。
B28ProB29−ヒトインスリンの解離をグラフで示したも
のである。グラフは、製剤化したインスリン(○);ヘ
キサマー複合体として製剤化したLysB28ProB29−hI
(△);製剤化していないインスリン(□);およびL
ysB28ProB29−hIモノマー(*)のインビトロにおけ
る解離であって、90°の角度において488nmで静光
散乱によりモニターした。製剤化した試料は、タンパク
質1molにつきZn 0.5mol、1.25mg/mlのm−クレ
ゾールおよび1.09mg/mlのフェノール、7mMのリン
酸ナトリウム並びに16mg/mlのグリセロールを含有し
ていた。製剤化していない試料およびモノマーの試料
は、さらなる賦形剤を全く含有していなかった。このグ
ラフは、本発明の有利性を実証している。
【0015】上記のように、本発明は、モノマーヒトイ
ンスリン類似化合物複合体を提供するものである。本明
細書中で使用する「モノマーインスリン類似化合物」ま
たは「ヒトインスリン類似化合物」という用語は、B2
8位のProがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置
換されており、またB29位のLysがリジンであるか、
またはプロリンで置換されているヒトインスリン、デス
(B28−B30)のヒトインスリンもしくはデス(B2
7)のヒトインスリンである。モノマーインスリン類似
化合物は、ChanceらのEPO公開第383 472号、
およびBrangeらのEPO公開第214 826号に記載
されている[このEPO公開に記載された内容は本明細
書の一部をなす]。モノマーインスリン類似化合物がダ
イマー化したり、自己会合する傾向はヒトインスリンよ
り少ない。
ンスリン類似化合物複合体を提供するものである。本明
細書中で使用する「モノマーインスリン類似化合物」ま
たは「ヒトインスリン類似化合物」という用語は、B2
8位のProがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置
換されており、またB29位のLysがリジンであるか、
またはプロリンで置換されているヒトインスリン、デス
(B28−B30)のヒトインスリンもしくはデス(B2
7)のヒトインスリンである。モノマーインスリン類似
化合物は、ChanceらのEPO公開第383 472号、
およびBrangeらのEPO公開第214 826号に記載
されている[このEPO公開に記載された内容は本明細
書の一部をなす]。モノマーインスリン類似化合物がダ
イマー化したり、自己会合する傾向はヒトインスリンよ
り少ない。
【0016】ある当業者には、他にも変更態様が可能で
あることが分かるであろう。これらの変更態様は、当業
界において広く容認されており、これには、B10位の
ヒスチジン残基がアスパラギン酸で置換されているこ
と、B1位のフェニルアラニン残基がアスパラギン酸で
置換されていること、B30位のトレオニン残基がアラ
ニンで置換されていること、B9位のセリン残基がアス
パラギン酸で置換されていること、B1位のアミノ酸だ
けが欠損していること、またはB2位が欠損しているこ
とと合わせてB1位のアミノ酸が欠損していること、お
よびB30位からトレオニンが欠損していることが包含
される。
あることが分かるであろう。これらの変更態様は、当業
界において広く容認されており、これには、B10位の
ヒスチジン残基がアスパラギン酸で置換されているこ
と、B1位のフェニルアラニン残基がアスパラギン酸で
置換されていること、B30位のトレオニン残基がアラ
ニンで置換されていること、B9位のセリン残基がアス
パラギン酸で置換されていること、B1位のアミノ酸だ
けが欠損していること、またはB2位が欠損しているこ
とと合わせてB1位のアミノ酸が欠損していること、お
よびB30位からトレオニンが欠損していることが包含
される。
【0017】本明細書中で使用するアミノ酸の略号は全
て、37 C.F.R. §1.822(b)(2)で詳述されて
いるように、米国特許商標局が認可したものである。特
に好ましいモノマーインスリン類似化合物は、LysB28
ProB29−ヒトインスリン(B28はLys、B29はPr
o)である。
て、37 C.F.R. §1.822(b)(2)で詳述されて
いるように、米国特許商標局が認可したものである。特
に好ましいモノマーインスリン類似化合物は、LysB28
ProB29−ヒトインスリン(B28はLys、B29はPr
o)である。
【0018】本明細書中で使用する「処置する」という
用語は、病気、病態、または障害と闘うことを目的と
し、患者を管理して治療することであると言え、これに
は、症状または合併症の発生を防ぎ、症状または合併症
を軽減し、または病気、病態、もしくは障害を取り除く
ために本発明の化合物を投与することが包含される。
用語は、病気、病態、または障害と闘うことを目的と
し、患者を管理して治療することであると言え、これに
は、症状または合併症の発生を防ぎ、症状または合併症
を軽減し、または病気、病態、もしくは障害を取り除く
ために本発明の化合物を投与することが包含される。
【0019】「等張剤」という用語は、生理学的に許容
し得るものであって、細胞膜を横切って正味の水が流れ
るのを防ぐため、製剤に適当な張度を与える薬剤を示
す。グリセリンのような化合物がそのような目的のため
に既知の濃度で一般に使用されている。
し得るものであって、細胞膜を横切って正味の水が流れ
るのを防ぐため、製剤に適当な張度を与える薬剤を示
す。グリセリンのような化合物がそのような目的のため
に既知の濃度で一般に使用されている。
【0020】「フェノール誘導体」または「フェノール
系化合物」という用語は、m−クレゾール、フェノー
ル、またはm−クレゾールとフェノールとの混合物であ
る。好ましくは、フェノール系化合物はm−クレゾール
である。
系化合物」という用語は、m−クレゾール、フェノー
ル、またはm−クレゾールとフェノールとの混合物であ
る。好ましくは、フェノール系化合物はm−クレゾール
である。
【0021】「生理学的に許容し得る緩衝液」という用
語は、当業界において既知である。生理学的に許容し得
る緩衝液は、リン酸ナトリウムのようなリン酸緩衝液で
あるのが好ましい。他の生理学的に許容し得る緩衝液に
は、トリス(TRIS)、酢酸ナトリウム、またはクエン
酸ナトリウムが包含される。緩衝液の選択と濃度は、当
業界において既知である。
語は、当業界において既知である。生理学的に許容し得
る緩衝液は、リン酸ナトリウムのようなリン酸緩衝液で
あるのが好ましい。他の生理学的に許容し得る緩衝液に
は、トリス(TRIS)、酢酸ナトリウム、またはクエン
酸ナトリウムが包含される。緩衝液の選択と濃度は、当
業界において既知である。
【0022】本発明のインスリン類似化合物は、亜鉛イ
オンおよびフェノール誘導体と複合して、安定なヘキサ
マー構造を形成する。亜鉛およびフェノール誘導体は共
に、安定であり、迅速に解離して作用を発現することの
できる複合体を得るのに重要である。ヘキサマー複合体
は、ヒトインスリン類似化合物1ヘキサマーにつき2個
の亜鉛イオン、およびm−クレゾール、フェノール、ま
たはm−クレゾールとフェノールとの混合物からなる群
より選択される少なくとも3分子のフェノール誘導体か
らなる。
オンおよびフェノール誘導体と複合して、安定なヘキサ
マー構造を形成する。亜鉛およびフェノール誘導体は共
に、安定であり、迅速に解離して作用を発現することの
できる複合体を得るのに重要である。ヘキサマー複合体
は、ヒトインスリン類似化合物1ヘキサマーにつき2個
の亜鉛イオン、およびm−クレゾール、フェノール、ま
たはm−クレゾールとフェノールとの混合物からなる群
より選択される少なくとも3分子のフェノール誘導体か
らなる。
【0023】可溶性のモノマー類似化合物は、フェノー
ル誘導体を含有する希釈剤にモノマー類似化合物をpH
約7.5で溶解して、亜鉛を添加することにより、ヘキ
サマー複合体に転換する。亜鉛は、塩として添加するの
が好ましい。亜鉛塩の典型的な例には、酢酸亜鉛、臭化
亜鉛、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛および硫酸亜
鉛が包含される。当業者には、本発明の製法においてま
た使用することのできる亜鉛塩が他に多く存在すること
が分かるであろう。好ましくは、酢酸亜鉛または塩化亜
鉛を使用するが、これは、これらの塩なら、商業的に許
容し得る製法とするために新たな化学イオンを添加しな
くてよいからである。
ル誘導体を含有する希釈剤にモノマー類似化合物をpH
約7.5で溶解して、亜鉛を添加することにより、ヘキ
サマー複合体に転換する。亜鉛は、塩として添加するの
が好ましい。亜鉛塩の典型的な例には、酢酸亜鉛、臭化
亜鉛、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、ヨウ化亜鉛および硫酸亜
鉛が包含される。当業者には、本発明の製法においてま
た使用することのできる亜鉛塩が他に多く存在すること
が分かるであろう。好ましくは、酢酸亜鉛または塩化亜
鉛を使用するが、これは、これらの塩なら、商業的に許
容し得る製法とするために新たな化学イオンを添加しな
くてよいからである。
【0024】類似化合物の解離は、一般に酸溶解として
知られている方法により、すなわち、生理学的に許容し
得る酸、好ましくはHClを用いてpHを約3.0〜3.5
まで下げ、モノマー類似化合物の溶解を助けることによ
り、助長することができる。他の生理学的に許容し得る
酸には、酢酸、クエン酸、およびリン酸が包含される。
次いで、生理学的に許容し得る塩基、好ましくは水酸化
ナトリウムを用いて、pHを約7.4〜7.5に調節す
る。他の生理学的に許容し得る塩基には、水酸化カリウ
ムおよび水酸化アンモニウムが包含される。
知られている方法により、すなわち、生理学的に許容し
得る酸、好ましくはHClを用いてpHを約3.0〜3.5
まで下げ、モノマー類似化合物の溶解を助けることによ
り、助長することができる。他の生理学的に許容し得る
酸には、酢酸、クエン酸、およびリン酸が包含される。
次いで、生理学的に許容し得る塩基、好ましくは水酸化
ナトリウムを用いて、pHを約7.4〜7.5に調節す
る。他の生理学的に許容し得る塩基には、水酸化カリウ
ムおよび水酸化アンモニウムが包含される。
【0025】ヘキサマー複合体は、安定で、迅速に作用
する非経口製剤に製剤化することができる。製剤中のイ
ンスリン類似化合物濃度は、約0.5mg/ml〜約20mg
/ml、好ましくは約1.2mg/ml〜約17.5mg/ml、最
も好ましくは約3.5mg/mlである。一般に、亜鉛濃度
は、約10μg/ml〜約50μg/mlである。製剤中の最
適な亜鉛濃度は約14μg/ml〜約35μg/mlであり、
この2個の亜鉛イオンは各々のヘキサマーに結合してい
る。製剤化する場合、ヘキサマー複合体は7つものフェ
ノール系化合物と結合する。通例、製剤化する場合は、
6つのフェノール系化合物がヘキサマーに結合する。従
って、過剰のフェノール系化合物を製剤に添加するのが
好ましい。フェノール系化合物はまた、保存剤としても
作用する。従って、その好ましい濃度は、約23mM〜
35mM、最も好ましくは29mMである。フェノール系
化合物は、m−クレゾールであるのが好ましい。
する非経口製剤に製剤化することができる。製剤中のイ
ンスリン類似化合物濃度は、約0.5mg/ml〜約20mg
/ml、好ましくは約1.2mg/ml〜約17.5mg/ml、最
も好ましくは約3.5mg/mlである。一般に、亜鉛濃度
は、約10μg/ml〜約50μg/mlである。製剤中の最
適な亜鉛濃度は約14μg/ml〜約35μg/mlであり、
この2個の亜鉛イオンは各々のヘキサマーに結合してい
る。製剤化する場合、ヘキサマー複合体は7つものフェ
ノール系化合物と結合する。通例、製剤化する場合は、
6つのフェノール系化合物がヘキサマーに結合する。従
って、過剰のフェノール系化合物を製剤に添加するのが
好ましい。フェノール系化合物はまた、保存剤としても
作用する。従って、その好ましい濃度は、約23mM〜
35mM、最も好ましくは29mMである。フェノール系
化合物は、m−クレゾールであるのが好ましい。
【0026】等張剤、好ましくはグリセリンを製剤に添
加することができる。等張剤濃度は、インスリン製剤に
関して当業界において既知の範囲内であり、好ましくは
約16mg/mlである。生理学的に許容し得る緩衝液、好
ましくはリン酸ナトリウムのようなリン酸緩衝液を用い
て製剤のpHを調節することができる。
加することができる。等張剤濃度は、インスリン製剤に
関して当業界において既知の範囲内であり、好ましくは
約16mg/mlである。生理学的に許容し得る緩衝液、好
ましくはリン酸ナトリウムのようなリン酸緩衝液を用い
て製剤のpHを調節することができる。
【0027】発明時、公開された文献では、迅速に吸収
されるよう、ある当業者は凝集をなくす必要があること
を提唱していた。従って、製剤化したヘキサマー類似化
合物が迅速に作用を発現するとは全く驚くべきことであ
る。インスリンとは違って、インスリン類似化合物ヘキ
サマー複合体の形成は、血清インスリン類似化合物濃度
がピークに達するのに必要な時間に悪影響を与えない。
図1は、LysB28ProB29−hIモノマー(亜鉛なしで製
剤化したもの)、製剤化したLysB28ProB29−hIヘキ
サマー、およびヒト標準型インスリンを含有する製剤に
対し、グルコースを注入した場合の平均応答率をヒトの
患者において実証するものである。製剤化したヘキサマ
ー複合体は、LysB28ProB29−hIモノマーの迅速な作
用を保持している。吸収速度は標準型ヒトインスリンよ
り有意に迅速である。従って、図1の結果は、以下のこ
とを示している:第一に、LysB28ProB29−hIヘキサ
マーおよびLysB28ProB29−hIモノマーは同様な吸収
速度を有する;第二に、LysB28ProB29−hIヘキサマ
ーおよびLysB28ProB29−hIモノマーは共に、インス
リンより速い吸収速度を有する。
されるよう、ある当業者は凝集をなくす必要があること
を提唱していた。従って、製剤化したヘキサマー類似化
合物が迅速に作用を発現するとは全く驚くべきことであ
る。インスリンとは違って、インスリン類似化合物ヘキ
サマー複合体の形成は、血清インスリン類似化合物濃度
がピークに達するのに必要な時間に悪影響を与えない。
図1は、LysB28ProB29−hIモノマー(亜鉛なしで製
剤化したもの)、製剤化したLysB28ProB29−hIヘキ
サマー、およびヒト標準型インスリンを含有する製剤に
対し、グルコースを注入した場合の平均応答率をヒトの
患者において実証するものである。製剤化したヘキサマ
ー複合体は、LysB28ProB29−hIモノマーの迅速な作
用を保持している。吸収速度は標準型ヒトインスリンよ
り有意に迅速である。従って、図1の結果は、以下のこ
とを示している:第一に、LysB28ProB29−hIヘキサ
マーおよびLysB28ProB29−hIモノマーは同様な吸収
速度を有する;第二に、LysB28ProB29−hIヘキサマ
ーおよびLysB28ProB29−hIモノマーは共に、インス
リンより速い吸収速度を有する。
【0028】インスリン類似化合物複合体をヘキサマー
として含む製剤が安定である。比較研究では、LysB28
ProB29−hIモノマーが、6週間にわたる研究で、1週
間につき1.63%というポリマー形成の増加を示すと
いう最も大きな分解率を示す。製剤化していないヒトイ
ンスリンは、1週間につき0.61%という、より低い
ポリマー形成率となる。しかし、製剤では、高分子量ポ
リマー形成率がインスリンについて1週間につき0.0
95%まで低下する。ヘキサマー複合体として製剤化し
たLysB28ProB29−hIは、高分子量のポリマー形成率
が1週間につき0.11%という減少した割合を示し、
これは製剤化したインスリンに匹敵するものである。こ
れらの研究を実施例1で示し、図2で説明する。
として含む製剤が安定である。比較研究では、LysB28
ProB29−hIモノマーが、6週間にわたる研究で、1週
間につき1.63%というポリマー形成の増加を示すと
いう最も大きな分解率を示す。製剤化していないヒトイ
ンスリンは、1週間につき0.61%という、より低い
ポリマー形成率となる。しかし、製剤では、高分子量ポ
リマー形成率がインスリンについて1週間につき0.0
95%まで低下する。ヘキサマー複合体として製剤化し
たLysB28ProB29−hIは、高分子量のポリマー形成率
が1週間につき0.11%という減少した割合を示し、
これは製剤化したインスリンに匹敵するものである。こ
れらの研究を実施例1で示し、図2で説明する。
【0029】本発明のインスリン類似化合物は、古典
(溶液)法、固相法、半合成法、およびごく最近では組換
えDNA法を含め、認可されている種々のペプチド合成
法の幾つかにより製造することができる。例えば、Cha
nceらのEPO公開第383 472号、およびBrange
らのEPO公開第214 826号では、種々のモノマ
ー類似化合物の製造を開示している。
(溶液)法、固相法、半合成法、およびごく最近では組換
えDNA法を含め、認可されている種々のペプチド合成
法の幾つかにより製造することができる。例えば、Cha
nceらのEPO公開第383 472号、およびBrange
らのEPO公開第214 826号では、種々のモノマ
ー類似化合物の製造を開示している。
【0030】以下の実施例および製造は、単にインスリ
ン類似化合物の製造および本発明をさらに説明するため
に示すものである。本発明の範囲は、単に以下の実施例
からなるものとして構成されるものではない。
ン類似化合物の製造および本発明をさらに説明するため
に示すものである。本発明の範囲は、単に以下の実施例
からなるものとして構成されるものではない。
【0031】製 剤 例 1 タンパク質原料製剤 行う実験により、1.25mg/mlのm−クレゾール、1.
09mg/mlのフェノールおよび16mg/mlのグリセロー
ルを用いて、または用いないで、7mMのリン酸ナトリ
ウム中、3.5mg/mlの割合でインスリンおよびLysB28
ProB29−hIの製剤化していない試料を製造した。1
9.7μg/mlの亜鉛を添加することを除き、同じ方法
で、LysB28ProB29−hIの試料をヘキサマー複合体と
して製造した。酸除去法により、試料を全てpH3.0に
すると同時に、亜鉛を全ての製剤に添加した。次いで、
pHを7.4に調節した。フェノール系化合物を添加する
前に、AVIV型 14DS 二重光線分光光度計を用い
てUV吸収分光法によりタンパク質濃度を測定した。F
rank,B.H.、Pekar,A.H.およびVeros,A.J.(1
972)のDiabetes 21(追補 2),486−49
1に記載されているように、タンパク質濃度を計算し
た。
09mg/mlのフェノールおよび16mg/mlのグリセロー
ルを用いて、または用いないで、7mMのリン酸ナトリ
ウム中、3.5mg/mlの割合でインスリンおよびLysB28
ProB29−hIの製剤化していない試料を製造した。1
9.7μg/mlの亜鉛を添加することを除き、同じ方法
で、LysB28ProB29−hIの試料をヘキサマー複合体と
して製造した。酸除去法により、試料を全てpH3.0に
すると同時に、亜鉛を全ての製剤に添加した。次いで、
pHを7.4に調節した。フェノール系化合物を添加する
前に、AVIV型 14DS 二重光線分光光度計を用い
てUV吸収分光法によりタンパク質濃度を測定した。F
rank,B.H.、Pekar,A.H.およびVeros,A.J.(1
972)のDiabetes 21(追補 2),486−49
1に記載されているように、タンパク質濃度を計算し
た。
【0032】実 施 例 1 化学安定性 インスリンの製剤化した製剤および製剤化していない製
剤並びにLysB28ProB29−hIモノマーおよびLysB28P
roB29−hIヘキサマーを30℃でインキュベートするこ
とにより、分解が開始する。製剤化したインスリンおよ
びLysB28ProB29−hIヘキサマーは、3.5mg/mlのタ
ンパク質、16mg/mlのグリセロール、7mMの二塩基
性リン酸ナトリウム7水和物、1.25mg/mlのm−クレ
ゾール、1.09mg/mlのフェノール、および0.024
5mg/mlの酸化亜鉛をpH 7.3〜7.4で含有してい
た。製剤化していないインスリンおよびLysB28ProB29
−hIモノマーは、3.5mg/mlのタンパク質、16mg/
mlのグリセロール、7mMの二塩基性リン酸ナトリウム
7水和物、1.25mg/mlのm−クレゾール、および1.
09mg/mlのフェノールをpH 7.3〜7.4で含有して
いた。7日間おきに、30℃でインキュベーションして
いるうちから試料を取り出し、サイズ排除HPLCを用
いて、高分子量種の形成に関してアッセイした。溶離液
として0.4Mの炭酸水素アンモニウムとアセトニトリ
ルとの混合物を用い、Dupont ZorbaxGF−250 S
pecial(9.4×250mm)カラムの中へ試料20μlを注
入することにより、分析を行う(室温で流速 0.5ml/
分、また214nmで検出)。モノマーおよび高分子量ピ
ークの合計領域に対する高分子量ピークの割合から、ポ
リマー形成パーセントを測定する。結果を図2に示す。
剤並びにLysB28ProB29−hIモノマーおよびLysB28P
roB29−hIヘキサマーを30℃でインキュベートするこ
とにより、分解が開始する。製剤化したインスリンおよ
びLysB28ProB29−hIヘキサマーは、3.5mg/mlのタ
ンパク質、16mg/mlのグリセロール、7mMの二塩基
性リン酸ナトリウム7水和物、1.25mg/mlのm−クレ
ゾール、1.09mg/mlのフェノール、および0.024
5mg/mlの酸化亜鉛をpH 7.3〜7.4で含有してい
た。製剤化していないインスリンおよびLysB28ProB29
−hIモノマーは、3.5mg/mlのタンパク質、16mg/
mlのグリセロール、7mMの二塩基性リン酸ナトリウム
7水和物、1.25mg/mlのm−クレゾール、および1.
09mg/mlのフェノールをpH 7.3〜7.4で含有して
いた。7日間おきに、30℃でインキュベーションして
いるうちから試料を取り出し、サイズ排除HPLCを用
いて、高分子量種の形成に関してアッセイした。溶離液
として0.4Mの炭酸水素アンモニウムとアセトニトリ
ルとの混合物を用い、Dupont ZorbaxGF−250 S
pecial(9.4×250mm)カラムの中へ試料20μlを注
入することにより、分析を行う(室温で流速 0.5ml/
分、また214nmで検出)。モノマーおよび高分子量ピ
ークの合計領域に対する高分子量ピークの割合から、ポ
リマー形成パーセントを測定する。結果を図2に示す。
【0033】実 施 例 2 静光散乱 LysB28ProB29−hIモノマー、ヘキサマー複合体とし
てのLysB28ProB29−hI、およびインスリンのインビ
トロにおける解離性を静光散乱を利用して調査する。
てのLysB28ProB29−hI、およびインスリンのインビ
トロにおける解離性を静光散乱を利用して調査する。
【0034】製剤化していないタンパク質原液が亜鉛、
グリセロール、または保存剤を含有していないことを除
き、3つの製剤化したタンパク質原液および製剤化して
いないタンパク質原液を記載されているように製造す
る。これら3.5mg/mlの原料を用いて、3.5mg/ml〜
0.2mg/mlのタンパク質濃度範囲に及び、インスリン
およびLysB28ProB29−hIの両方共に関する一連の希
釈液を調製する。注射する皮下部位に酷似するよう、希
釈液は全て、7mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.
4)で最終体積が10mlとなるように製造する。溶液は
全て、SLS測定を行う前に、0.2μmのドイツ製 低
タンパク質結合フィルターを通して濾過した。逆相HP
LCを用いて、これら試料のタンパク質濃度を測定す
る。
グリセロール、または保存剤を含有していないことを除
き、3つの製剤化したタンパク質原液および製剤化して
いないタンパク質原液を記載されているように製造す
る。これら3.5mg/mlの原料を用いて、3.5mg/ml〜
0.2mg/mlのタンパク質濃度範囲に及び、インスリン
およびLysB28ProB29−hIの両方共に関する一連の希
釈液を調製する。注射する皮下部位に酷似するよう、希
釈液は全て、7mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH 7.
4)で最終体積が10mlとなるように製造する。溶液は
全て、SLS測定を行う前に、0.2μmのドイツ製 低
タンパク質結合フィルターを通して濾過した。逆相HP
LCを用いて、これら試料のタンパク質濃度を測定す
る。
【0035】製剤化した試料の分析には、タンパク質を
含有しない溶媒ブランクを各々のタンパク質試料セット
に対して調製した。これらのブランクは、対応するタン
パク質試料セットと同じ濃度で賦形剤を含有していた。
製剤化していない試料の分析には、7mMのリン酸ナト
リウムが入った1本のブランクを使用する。これらの適
当な溶媒ブランクを使用することにより、データは溶質
散乱のみを反映し、溶媒変更のために付加的に寄与され
たものを反映しないことが保証された。
含有しない溶媒ブランクを各々のタンパク質試料セット
に対して調製した。これらのブランクは、対応するタン
パク質試料セットと同じ濃度で賦形剤を含有していた。
製剤化していない試料の分析には、7mMのリン酸ナト
リウムが入った1本のブランクを使用する。これらの適
当な溶媒ブランクを使用することにより、データは溶質
散乱のみを反映し、溶媒変更のために付加的に寄与され
たものを反映しないことが保証された。
【0036】Brookhaven Instruments 2030AT
自己相関器(autocorrelator)およびゴニオメーターを用
いて、静光散乱(SLS)実験を行う。測定は全て、48
8nmでLexel Model 3500 アルゴンイオンレーザ
ーセットを用い、1mmの小さい穴をあけ、散乱角度 9
0°で行う。温度は、Neslab RTE−110 温度浴
により25℃で維持する。0.1μmの濾過したトルエン
を用い、光電子増倍管で発生するシグナルを校正する。
自己相関器(autocorrelator)およびゴニオメーターを用
いて、静光散乱(SLS)実験を行う。測定は全て、48
8nmでLexel Model 3500 アルゴンイオンレーザ
ーセットを用い、1mmの小さい穴をあけ、散乱角度 9
0°で行う。温度は、Neslab RTE−110 温度浴
により25℃で維持する。0.1μmの濾過したトルエン
を用い、光電子増倍管で発生するシグナルを校正する。
【0037】Cantor,C.R.およびSchimmel,P.R.の
Biophysical Chemistry、W.H.Freeman and Compa
ny、ニューヨーク、838−843頁(1982)に記
載されている式を利用して、重量平均分子量を計算す
る。図3は、光散乱試験の結果を表している。ヘキサマ
ー複合体としてのLysB28ProB29−hIおよびインスリ
ンのインビトロにおける解離概要は全く異なっている。
インスリン類似化合物は結果として、迅速な解離を実証
することから、ヒトインスリンより速い吸収が考慮され
る。たとえ調製物がヘキサマー会合状態を含んでいた
り、製剤が化学分解に対して同じくらい安定であるとし
ても、LysB28ProB29−hIヘキサマーは、インスリン
より多く解離する傾向がある。
Biophysical Chemistry、W.H.Freeman and Compa
ny、ニューヨーク、838−843頁(1982)に記
載されている式を利用して、重量平均分子量を計算す
る。図3は、光散乱試験の結果を表している。ヘキサマ
ー複合体としてのLysB28ProB29−hIおよびインスリ
ンのインビトロにおける解離概要は全く異なっている。
インスリン類似化合物は結果として、迅速な解離を実証
することから、ヒトインスリンより速い吸収が考慮され
る。たとえ調製物がヘキサマー会合状態を含んでいた
り、製剤が化学分解に対して同じくらい安定であるとし
ても、LysB28ProB29−hIヘキサマーは、インスリン
より多く解離する傾向がある。
【図1】 グルコースを注入した場合における、Lys
B28ProB29−hIおよびヒトインスリンの平均応答率。
B28ProB29−hIおよびヒトインスリンの平均応答率。
【図2】 LysB28ProB29−ヒトインスリンの安定性。
【図3】 ヘキサマー複合体におけるLysB28ProB29−
ヒトインスリンの解離。
ヒトインスリンの解離。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デイビッド・ネトルシップ・ブレムス アメリカ合衆国46256インディアナ州イン ディアナポリス、イースト・シェイハン 9909番 (72)発明者 ブルース・ヒル・フランク アメリカ合衆国46260インディアナ州イン ディアナポリス、スプリング・フォレス ト・ドライブ9377番 (72)発明者 ヘンリー・アッケン・ヘイベル アメリカ合衆国46220インディアナ州イン ディアナポリス、ブラムショー・ロード 6156番 (72)発明者 アレン・ハワード・ペッカー アメリカ合衆国46220インディアナ州イン ディアナポリス、ノース・パーク・アベニ ュー5354番
Claims (6)
- 【請求項1】 6分子のヒトインスリン類似化合物、2
個の亜鉛イオン、およびm−クレゾール、フェノール、
またはm−クレゾールとフェノールとの混合物からなる
群より選択される少なくとも3分子のフェノール誘導体
を含むヒトインスリン類似化合物複合体であって、ヘキ
サマーであるヒトインスリン類似化合物複合体。 - 【請求項2】 請求項1に記載のヒトインスリン類似化
合物複合体、等張剤、および生理学的に許容し得る緩衝
液を含む非経口医薬品製剤。 - 【請求項3】 ヒトインスリン類似化合物がLysB28Pr
oB29−ヒトインスリンである、請求項2に記載の非経口
医薬品製剤。 - 【請求項4】 約3.5mg/mlのLysB28ProB29−ヒト
インスリン、約19.7μg/mlの亜鉛、約7mMのリン
酸ナトリウム、約16mg/mlのグリセリン、および約2
9mMのm−クレゾールを含む、請求項3に記載の非経口
医薬品製剤。 - 【請求項5】 ヒトインスリン類似化合物がLysB28Pr
oB29−ヒトインスリンである、請求項1に記載のヒトイ
ンスリン類似化合物複合体。 - 【請求項6】 ヒトインスリン類似化合物がAspB28−
ヒトインスリンである、請求項1に記載のヒトインスリ
ン類似化合物複合体。
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