JPH10291334A - 感熱記録装置 - Google Patents

感熱記録装置

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JPH10291334A
JPH10291334A JP10358797A JP10358797A JPH10291334A JP H10291334 A JPH10291334 A JP H10291334A JP 10358797 A JP10358797 A JP 10358797A JP 10358797 A JP10358797 A JP 10358797A JP H10291334 A JPH10291334 A JP H10291334A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】サーマルヘッド内の配線パターンのパターン抵
抗による電圧降下が大きい場合であっても、黒比率むら
のない高画質な記録画像を形成することができる感熱記
録装置を提供すること。 【解決手段】画像処理部において、画像データに応じ
て、発熱抵抗体の配列方向の各位置における配線パター
ン内の電流分布を求め、この配線パターン内の電流分布
に応じて、発熱抵抗体の配列方向の各位置における配線
パターンのパターン抵抗による電圧降下量を求めた後、
この発熱抵抗体の配列方向の各位置における配線パター
ンのパターン抵抗による電圧降下量、および、発熱抵抗
体の配列方向の位置に依存しない抵抗による電圧降下量
に基づいて、画像データに応じて発生する濃度むらを補
正することにより、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドに
供給される電源電圧が、画像データに応じて降下するこ
とにより、主走査方向(発熱抵抗体の配列方向)に発生
する濃度むらである黒比率むらを補正する感熱記録装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超音波診断画像の記録に、フィルムや紙
等の支持体の片面に感熱記録層を形成した感熱記録材料
(以下、感熱材料とする)を用いる感熱記録が利用され
ている。また、感熱記録は湿式の現像処理が不要であ
り、取り扱いが簡単である等の利点を有することから、
近年では、超音波診断のような小型の画像記録のみなら
ず、MRI診断やX線診断等の大型かつ高画質な画像が
要求される用途において、医療診断のための画像記録へ
の利用も検討されている。
【0003】感熱記録装置においては、1ライン分の画
素数に相当する個数の発熱抵抗体を主走査方向に配列し
たグレーズが形成されたサーマルヘッドを用い、グレー
ズを感熱材料の感熱記録層に若干押し当てた状態で、両
者を主走査方向とほぼ直交する副走査方向に相対的に移
動させながら、グレーズの各発熱抵抗体を記録画像の画
像データに応じて加熱することにより、感熱材料の感熱
記録層を加熱して画像記録が行われている。
【0004】上述するグレーズは、一般的に、複数の発
熱抵抗体がそれぞれ1対1に対応したスイッチ素子を介
して、配線パターンにより電源とグランドとの間に並列
接続された構成を有しており、例えば各画素の画像デー
タ値(濃度データ値)をパルス幅変調した信号によって
各スイッチ素子のオンオフを制御し、それぞれ対応する
発熱抵抗体をパルス幅変調した信号のパルス幅に相当す
る時間通電することにより、個々の発熱抵抗体を所定の
温度に制御している。
【0005】ところで、感熱記録装置では、サーマルヘ
ッドで記録を行うときに、例えば電源の内部抵抗や、電
源からサーマルヘッドまでの電源ケーブル等の配線抵
抗、さらには、上記サーマルヘッド内の配線パターンの
パターン抵抗等によって、サーマルヘッドに流れる電流
量に応じて電圧降下が発生する。また、サーマルヘッド
に流れる電流量は画像データに応じて変化してしまうた
め、電圧降下量は記録しようとする画像データに応じて
変化する。
【0006】例えば、図6(a)に示されるように、均
一な記録濃度の画像の中に、低濃度および高濃度の領域
が存在する画像を記録しようとした場合、図6(b)に
示されるように、低濃度の領域では、電流量が減少して
電圧降下量も少なくなるため、低濃度の領域の両側の記
録濃度が比較的高くなり、これとは逆に、高濃度の領域
では、電流量が増加して電圧降下量も多くなるため、高
濃度の領域の両側の記録濃度が比較的低くなる濃度むら
が発生する。
【0007】このように、感熱記録装置においては、画
像データに応じてサーマルヘッドに流れる電流量が変化
し、これにより、電源の内部抵抗、電源ケーブル等の配
線抵抗、サーマルヘッド内の配線パターンのパターン抵
抗等に応じて、サーマルヘッドに供給される電源電圧が
変動してしまうため、画像データの値は同じであっても
実際の記録画像には濃度差が生じるという、いわゆる黒
比率むらが発生するという問題点があった。
【0008】この問題点を解決するために、従来の感熱
記録装置においては、サーマルヘッド内の配線パターン
のパターン抵抗による電圧降下については何ら考慮して
おらず、電源の内部抵抗や電源ケーブル等の配線抵抗に
よる電圧降下だけを考慮して、例えば1ラインの平均電
圧降下量、あるいは、各画素毎の電圧降下量を算出し、
各画素の画像データの電圧降下による熱エネルギーの損
失分を補正することにより、各画素の画像データに応じ
た黒比率むらを補正していた。
【0009】しかしながら、従来の感熱記録装置におい
ては、サーマルヘッド内の発熱抵抗体の配列方向(主走
査方向)の各位置における配線パターンのパターン抵抗
による電圧降下量の違いまでは考慮していないため、配
線パターンのパターン抵抗による電圧降下が大きい場
合、サーマルヘッドの主走査方向の各位置における配線
パターンのパターン抵抗による電圧降下量の違いを無視
することができず、黒比率むらの発生を防ぐことができ
ないという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術に基づく種々の問題点をかえりみて、サーマル
ヘッド内の配線パターンのパターン抵抗による電圧降下
が大きい場合であっても、黒比率むらのない高画質な記
録画像を形成することができる感熱記録装置を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、配線パターンによって、電源とグランド
との間に複数個の発熱抵抗体を並列に配列したサーマル
ヘッドを用いて、画像データに応じた記録画像を感熱記
録材料に形成する感熱記録装置であって、前記画像デー
タに応じて、前記発熱抵抗体の配列方向の各位置におけ
る前記配線パターン内の電流分布を求め、この配線パタ
ーン内の電流分布に応じて、前記発熱抵抗体の配列方向
の各位置における前記配線パターンのパターン抵抗によ
る電圧降下量を求めた後、この発熱抵抗体の配列方向の
各位置における前記配線パターンのパターン抵抗による
電圧降下量、および、前記発熱抵抗体の配列方向の位置
に依存しない抵抗による電圧降下量に基づいて、前記画
像データに応じて発生する濃度むらを補正する画像処理
部を有することを特徴とする感熱記録装置を提供するも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、添付の図面に示す好適実
施例に基づいて、本発明の感熱記録装置を詳細に説明す
る。図1は、本発明の感熱記録装置の一実施例の概略図
である。図示例の感熱記録装置10は、例えば感熱フィ
ルム等のような感熱材料に感熱記録を行うもので、基本
的に、マガジン24、装填部14、供給搬送部16、記
録部20および排出部22を有する。
【0013】図示例の感熱記録装置10において、ま
ず、マガジン24は、例えば100枚のように、所定枚
数の感熱材料Aを収容するための筺体であって、この筺
体には、感熱材料Aの取出口となる開閉自在な蓋体26
が設けられている。また、装填部14は、上述するマガ
ジン24が装填される部分であって、感熱記録装置10
の筺体28に形成された挿入口30、案内板32、案内
ロール34、停止部材36等を有する。
【0014】ここで、マガジン24は、蓋体26側を先
頭にして装填部14の挿入口30から挿入され、案内板
32や案内ロール34に案内されつつ、停止部材36に
当接する位置まで押し込まれて、装填部14に装填され
る。また、感熱材料Aは、ポリエチレンテレフタレート
(PET)等の樹脂フィルムや紙等の支持体の片面に感
熱記録層が形成されたもので、所定単位の積層体(束)
とされてマガジン24の内部に収容され、マガジン24
から一枚ずつ取り出されて感熱記録に供される。
【0015】供給搬送部16は、装填部14に装填され
たマガジン24から感熱材料Aを1枚ずつ取り出し、こ
れを記録部20まで順次搬送するもので、吸盤40を用
いてマガジン24から感熱材料Aを1枚ずつ取り出す枚
葉機構、この枚葉機構によって取り出された感熱材料A
を記録部20まで搬送する搬送手段42、搬送ガイド4
4、この搬送ガイド44の出口に位置する規制ローラ対
52等を有する。
【0016】ここで、搬送手段42は、図示例において
は、搬送ローラ46、この搬送ローラ46と同軸のプー
リ47a、回転駆動源に接続されたプーリ47bおよび
テンションプーリ47c、これら3つのプーリ47a,
47b,47cに張架されたエンドレスベルト48、搬
送ローラ46に押圧されたニップローラ50等を有して
おり、吸盤40によって枚葉された感熱材料Aの先端を
搬送ローラ46とニップローラ50との間に挟持して感
熱材料Aを搬送する。
【0017】続いて、記録部20は、供給搬送部16に
よって、装填部14に装填されたマガジン24から取り
出されて搬送されてきた感熱材料Aに対して、サーマル
ヘッドを用いた感熱記録を行う部分であって、感熱記録
を行うためのサーマルヘッド66の他、クリーニングロ
ーラ対56、搬送ガイド58、プラテンローラ60、搬
送ガイド62、搬送ローラ対63、サーマルヘッド66
を冷却するための冷却ファン76等を有する。
【0018】ここで、サーマルヘッド66は、例えば最
大B4サイズまでの感熱材料に対して、例えば300d
piまでの記録密度の感熱記録を行うもので、感熱材料
Aに1ライン分の感熱記録を行うための、例えば307
2個の発熱抵抗体を一列に配列したグレーズが形成され
たサーマルヘッド本体と、サーマルヘッド本体に固定さ
れたヒートシンクとを有する。なお、サーマルヘッド6
6は、支点68aを中心に矢印a方向および逆方向に回
動自在な支持部材68に支持されている。
【0019】また、プラテンローラ60は、感熱材料A
を所定位置に保持しつつ所定の記録速度で回転すること
により、主走査方向(グレーズの延在方向)とほぼ直交
する副走査方向に感熱材料Aを搬送するものである。ク
リーニングローラ対56は、弾性体の粘着ゴムローラ
と、通常のローラとからなるローラ対であって、粘着ゴ
ムローラにより、感熱材料Aの感熱記録層に付着したゴ
ミやほこり等を除去する。
【0020】最後に、排出部22は、記録部20によっ
て、感熱画像が記録された感熱材料Aが排出される部分
であって、この感熱記録装置10の筺体28に形成され
た排出口74と、この排出口74を経て、感熱記録装置
10の外部にまで突出するトレイ72とを有する。感熱
記録装置10は、基本的に、以上のような構成を有す
る。次に、感熱記録装置10の動作について説明する。
【0021】感熱記録装置10において、記録開始が指
示されると、図示していない開閉機構によってマガジン
24の蓋体26が開放され、感熱材料Aは、枚葉機構に
よって吸盤40を用いてマガジン24から一枚取り出さ
れ、その先端は搬送手段42の搬送ローラ46とニップ
ローラ50との間に供給される。感光材料Aがローラ4
6,50の間に挟持された時点で吸盤40による吸引は
開放され、供給された感熱材料Aは搬送ガイド44に沿
って搬送される。
【0022】なお、記録に供される感熱材料Aがマガジ
ン24から完全に排出された時点で、前記開閉手段によ
って蓋体26が閉塞される。搬送ガイド44によって規
定される搬送手段42から規制ローラ対52に至るまで
の距離は、感熱材料Aの搬送方向の長さより若干短く設
定されており、搬送手段42による搬送で感熱材料Aの
先端が規制ローラ対52に至るが、規制ローラ対52は
最初は停止されており、感熱材料Aの先端はここで停止
する。
【0023】感熱材料Aの先端が規制ローラ対52に至
った時点で、サーマルヘッド66の温度が確認され、サ
ーマルヘッド66の温度が所定の温度範囲以内であれ
ば、規制ローラ対52による感熱材料Aの搬送が開始さ
れ、感熱材料Aは記録部20に搬送される。感熱材料A
が搬送される前は、支持部材68は上方(矢印a方向と
逆の方向)に回動されており、サーマルヘッド66のグ
レーズとプラテンローラ60とは接触していない。前述
の規制ローラ対52によって搬送が開始されると、感熱
材料Aはクリーニングローラ対56によってクリーニン
グされ、搬送ガイド58によって案内されつつ搬送され
る。
【0024】感熱材料Aの先端が記録開始位置(グレー
ズに対応する位置)に搬送されると、支持部材68が矢
印a方向に回動され、感熱材料Aがサーマルヘッド66
のグレーズとプラテンローラ60との間に挟持され、グ
レーズが感熱記録層に押圧された状態となる。感熱材料
Aは、プラテンローラ60によって所定位置に保持され
つつ、プラテンローラ60、規制ローラ対52および搬
送ローラ対63等によって搬送される。
【0025】この搬送に伴い、画像データに応じてグレ
ーズの各発熱抵抗体を加熱することにより、感熱材料A
に画像データに応じた感熱記録が行われる。ここで、図
示例の感熱記録装置10において、この画像データに応
じた感熱記録の制御は、次に述べる画像データの処理系
により行われる。以下に、本発明の画像記録装置の最も
特徴的な部分である画像データの処理系について説明す
る。
【0026】図2は、画像データの処理系の一実施例の
概念図である。図示例の画像データの処理系は、画像デ
ータに対する各種の補正データを保持する補正データ記
憶部78と、画像データに対して黒比率補正等の補正処
理を含む各種の画像処理を行う画像処理部80と、画像
処理後の画像データを保持する画像メモリ82と、この
画像メモリ82に保持されている画像データに基づいて
サーマルヘッド66を制御する記録制御部84とを有す
る。
【0027】画像データの処理系において、補正データ
記憶部78には、画像データに応じた黒比率むらを補正
する黒比率補正のための補正データの他、例えばサーマ
ルヘッド66に起因する濃度むらを補正するシェーディ
ング補正、画像の輪郭を強調する鮮鋭度補正、感熱材料
Aのγ値等に応じて補正を行う階調補正、発熱抵抗体の
温度に応じて発熱エネルギーを調整する温度補正、各発
熱抵抗体の抵抗値の差を補正する抵抗補正等のための各
種の補正データが保持されている。
【0028】画像記録に用いられる画像データは、例え
ばCTやMRI等の図示していない画像入力装置から、
図示例の画像データの処理系の画像処理部80に供給さ
れ、画像処理部80において、上述する補正データ記憶
部78に保持された各種の補正データ等に基づいて、黒
比率補正の他、例えば上述するシェーディング補正、鮮
鋭度補正、階調補正、温度補正および抵抗補正等の補正
処理を含む各種の画像処理が施される。
【0029】ここで、画像処理部80における黒比率補
正は、以下のようにして行われる。本発明の感熱記録装
置では、電源の内部抵抗や電源ケーブルの配線抵抗等の
ように、サーマルヘッド内の発熱抵抗体の配列方向(以
下、主走査方向という)の位置に依存しない抵抗による
電圧降下はもちろん、配線パターンのパターン抵抗によ
る電圧降下に応じた熱エネルギーの減少を補償するため
に、主走査方向の各位置における電流分布から、主走査
方向の各位置における電圧降下量を求め、この電圧降下
量に基づいて、画像データに応じて発生する黒比率むら
を補正する。
【0030】まず、電源電圧V、電圧降下Vd 、発熱素
子の抵抗値Rとすると、電圧降下V d によるサーマルヘ
ッドの発熱エネルギー変化量Ed は、 Ed =V2 /R−(V−Vd 2 /R =(2VVd −Vd 2 )/R となる。ここで、電源電圧V≫電圧降下Vd の場合、 Ed =(2V/R)×Vd …(1) と書ける。従って、電圧降下Vd を求めることにより、
発熱エネルギー変化量E d を補正することができるとい
うことが分かる。
【0031】続いて、画像データをパルス幅(またはパ
ルス数)変調し、画像データに応じたパルス幅(または
パルス数)に相当する時間発熱抵抗体を通電することに
より多階調記録を行う感熱記録装置において、例えば3
画素のサーマルヘッドで、それぞれの画素のデータ値が
1、2、3である場合、各画素におけるパルス印加は図
3(a)のようになる。また、サーマルヘッドに流れる
全電流は図3(b)のようになり、電圧降下量は図3
(c)のようになる。
【0032】ここで、各画素位置における電圧降下量
は、注目画素に印加されるパルス幅以上で生じる電圧降
下には影響されないため、図3(d)のようになる。す
なわち、各画素位置における電圧降下量は、注目画素の
データ値よりも小さい注目画素以外のデータ値をそのま
まのデータ値とし、かつ、注目画素のデータ値以上の注
目画素以外のデータ値を、注目画素のデータ値と同じデ
ータ値として、1ラインの全画素のデータ値の総和を取
った値に比例することが分かる。
【0033】例えば、図3(a)に示されるデータ値の
場合、画素1の位置における電圧降下量は、画素2およ
び3のデータ値を画素1のデータ値と同じ1として、1
ラインの全画素1、2および3のデータ値の総和を取っ
た値=3に比例する。同様に、画素2の位置における電
圧降下量は、画素1のデータ値をそのままの1とし、か
つ、画素3のデータ値を画素2のデータ値と同じ2とし
て、全画素1、2および3のデータ値の総和を取った値
=5に比例する。
【0034】また、画素3の位置における電圧降下量
は、画素1および2のデータ値をそのままの1および2
として、全画素1、2および3のデータ値の総和を取っ
た値=6に比例する。以上のことから、パルス幅(また
はパルス数)変調の場合、各画素位置における電圧降下
量は、1ライン中常に一定であるというわけではなく、
1階調に相当する単位時間毎に時間変化(経時変化)す
るため、電流量および電圧降下量も時間変化することを
考慮すべきであるということが分かる。
【0035】ここで、図4に、サーマルヘッドの記録部
の等価回路図を示す。同図においては、例えば電源の内
部抵抗や電源ケーブルの配線抵抗等のように、主走査方
向の位置に依存しない抵抗の抵抗値をrl 、各発熱抵抗
体の抵抗値をそれぞれR(1),R(2),…,R(M
−1),R(M)、サーマルヘッド内の主走査方向の各
位置におけるパターン抵抗値をr(x)としている。な
お、Mは発熱抵抗体の総数である。
【0036】サーマルヘッドは、例えば接続ケーブルに
よって、図示していない電源装置に接続される。サーマ
ルヘッド内では、配線パターンによって、各発熱抵抗体
が、電源装置からサーマルヘッドに供給された電源とグ
ランドとの間に並列に接続されている。また、各発熱抵
抗体の間は配線パターンで接続され、左端および右端の
発熱抵抗体R(1)およびR(M)も、配線パターンに
よる電圧降下量を小さくするために配線パターンで接続
されている。
【0037】ここで、サーマルヘッドの各発熱抵抗体に
電流が全て片側、同図においては、右側から供給される
とする。
【0038】このとき、例えば図5(a)に示されるよ
うに、主走査方向の位置xの発熱抵抗体R(x)に流れ
る電流をIh (x)とすれば、同図(b)に示されるよ
うに、主走査方向の位置xで配線パターンに流れる電流
p (x)は次式により求められる。
【数1】
【0039】また、例えば図5(c)に示されるよう
に、主走査方向の位置xにおける配線パターンのパター
ン抵抗r(x)による電圧降下Vp (x)は次式により
求められる。
【数2】
【0040】ここで、図4の等価回路図に示されるよう
に、サーマルヘッドの左端および右端の発熱抵抗体R
(1)およびR(M)は接続されており、すなわち、左
端および右端の発熱抵抗体R(1)およびR(M)位置
での電位差は0であり、電流は左右両側から供給される
ため、図5(b)に示される電流Ih (x)は、実際に
は、同図(d)に示されるように、同図(b)を定数b
だけマイナス側にシフトしたものとなる(マイナスは、
左側から電流が供給されることを意味する)。
【0041】以上のことから、サーマルヘッド内の配線
パターンの全長をXとすると、上記定数bは次式により
求められる。
【数3】
【0042】従って、主走査方向の位置xにおける配線
パターンのパターン抵抗r(x)による電圧降下V
p (x)は、xの正の方向を電流Ip (x)の正の方向
とするために、電流Ip (x)の符号の向きを逆にし
て、次式により求められる。
【数4】
【0043】一方、電源の内部抵抗や配線抵抗等のよう
な主走査方向の位置xに依存しない抵抗rl による電圧
降下Vl は次式により求められる。 Vl =rl ×Ip (X) …(5) 本発明の感熱記録装置においては、上記式(1)に基づ
いて、以上の計算で求められた電圧降下量(Vl +Vp
(x))に補正定数kをかけた値を補正前の画像データ
に加えることにより黒比率補正を行う。
【0044】以下に、具体的な補正手順の一例を示す。
ここで、主走査方向の位置xにおける補正前の画像デー
タをD(x)、補正後の画像データをDh (x)、各発
熱抵抗体の抵抗値をR(x)、主走査方向の位置xにお
ける配線パターンのパターン抵抗値をr(x)、電源の
内部抵抗や配線抵抗の抵抗値等の主走査方向の位置xに
依存しない抵抗の抵抗値をrl 、発熱抵抗体の総画素数
をX、補正定数をkとし、電流の時間変化(経時変化)
を追従するためのダミーの画像データをd(x)、電圧
降下量をC(x)、補正量に対しても黒比率補正するた
めのダミー変数をC’(x)とする。
【0045】・ステップ1 まず、下記式に示されるように、初期値として、ダミー
の画像データd(x)に補正前の各画像データD(x)
を代入し、ダミー変数C’(x)を0とする。 d(x)=D(x) C’(x)=0 ここで、xは、1≦x≦Xの整数である。
【0046】・ステップ2 各発熱抵抗体R(x)に流れる電流Ih (x)は、 Ih (x)=1/R(x) に比例するから、上記式(2)および式(3)に基づい
て、例えばパルス幅変調で、1階調のパルス幅に相当す
る単位時間当たりの、主走査方向の各位置xにおける電
流(主走査方向の各位置における配線パターン内の電流
分布)および電圧降下を求め、その後、電流の単位時間
毎の時間変化を追従するために、d(x)から1を引い
ておく。
【0047】
【数5】
【0048】ここで、δ(i)は、ダミーの画像データ
d(i)が1以上であり、発熱抵抗体R(i)に電流が
流れるときには1とし、すなわち、発熱抵抗体R(i)
に流れる電流Ih (i)を累積加算することを意味し、
これとは逆に、ダミーの画像データd(i)が0以下で
あり、発熱抵抗体R(i)に電流が流れないときには0
とし、すなわち、発熱抵抗体R(i)に流れない電流I
h (i)は累積加算しないことを意味する。
【0049】なお、感熱記録装置によって、各発熱抵抗
体の抵抗値R(x)のばらつきや、配線パターンのパタ
ーン抵抗値r(x)のばらつきが無視できるほど小さい
場合、これらを一定の抵抗値R、rとして補正を行うよ
うにしてもよい。
【0050】・ステップ3 上記式(4)および式(5)に基づいて、下記式により
電圧降下量C(x)を求める。 C(x)=−V(x)+(V(X)/rx (X))×r
x (x)+rl ×I(X)
【0051】・ステップ4 上記ステップ2で、いずれかのd(x)が0になったと
き、すなわち、発熱抵抗体R(x)への通電が終了し、
主走査方向の位置xにおける電圧降下がなくなったとき
に、下記算出式を用いて、ダミーの画像データd(x)
およびダミー変数C’(x)を更新する。これにより、
補正量となる電圧降下量C(x)に対しても黒比率補正
を行うことができる。 d(x)←d(x)+k×(C(x)−C’(x)) C’(x)=C(x)
【0052】・ステップ5 上記ステップ2、3、4を全てのd(x)が0以下にな
るまで行って、最終的に、主走査方向の各位置xにおけ
る画像データに応じた電圧降下量C(x)を求めた後、
最後に、次式を用いて画像データを補正する。 Dh (x)=D(x)+k×C(x)
【0053】ところで、以上の計算は、(階調数N×総
画素数X)の計算量となり、非常に長い計算時間を必要
とする。これに対し、例えば電流分布Ip (x)の時間
変化を無視し、以下の様に計算することにより、大幅に
計算量を削減して計算時間を短縮することができる。こ
こで、各画素の階調数N、総画素数X、主走査方向の位
置xにおける補正前の画像データ値D(x)、補正後の
画像データ値Dh (x)、各階調jでの電圧降下補正係
数C(j)、補正定数k、主走査方向の位置xにおける
電流I(x)および電圧降下V(x)、1ライン中の画
像データ値がjである画素の個数 hst(j)とする。
【0054】・ステップ1 まず、下記式に示されるように、初期値として、主走査
方向の位置xにおける電流I(x)、電圧降下V
(x)、および、1ライン中の画像データ値がjである
画素の個数 hst(j)を0とする。 I(x)=0 V(x)=0 hst (j)=0 ここで、xは1≦x≦Xの整数、jは0≦j≦N(階調
数)の整数である。
【0055】・ステップ2 下記算出式により、主走査方向の位置xにおける電流I
(x)、電圧降下V(x)、および、1ライン中の画像
データ値がjである画素の個数 hst(j)を求める。な
お、δ(j,D(i))は、画像データ値D(i)が、
画像データ値jに等しい場合に1となり、等しくない場
合に0となる。これにより、 hst(j)として、画像デ
ータ値がjである画素の個数を累積加算して求める。
【0056】
【数6】
【0057】なお、感熱記録装置によって、各発熱抵抗
体の抵抗値R(x)のばらつきや、配線パターンのパタ
ーン抵抗値r(x)のばらつきが無視できるほど小さい
場合、これらを一定の抵抗値R、rとして補正を行うよ
うにしてもよい。
【0058】・ステップ3 各画像データ値に対応する補正値を以下のようにして求
める。 S(N)=0 C(N)=I(x) S(N−1)=S(N)+ hst(N) C(N−1)=C(N)−S(N−1) S(N−2)=S(N−1)+ hst(N−1) C(N−2)=C(N−1)−S(N−2) … S(1)=S(2)+ hst(2) C(1)=C(2)−S(1)
【0059】・ステップ4 下記式により、主走査方向の位置xにおけるサーマルヘ
ッド内の配線パターンのパターン抵抗による電圧降下量
V(x)を計算する。 V(x)=−V(x)+(V(X)/rx (X))×r
x (x)
【0060】・ステップ5 最後に、電源の内部抵抗や配線抵抗等の主走査方向の位
置xに依存しない抵抗に対するサーマルヘッド内の配線
パターンのパターン抵抗の比率をkp とし、 Dh (x)=Dh (x)+C(D(x))×k×(kp
×V(x)+1) と補正する。さらに、補正量が大きく、補正量に対する
電圧降下も考慮する必要がある時、ステップ3で求めた
補正値C(j)に対する補正が補正前の画像データ値に
対する補正量と同じ割合で発生するとして、1ラインの
各画像データを以下のように補正する。 Dh (x)=Dh (x)+C(D(x))×k×(kp
×V(x)+1)×(1+(C(D(x))×k×(k
p ×V(x)+1))/Dh (x))
【0061】本発明の感熱記録装置では、画像処理部8
0において、電源の内部抵抗や配線抵抗等の主走査方向
の位置に依存しない抵抗による電圧降下、さらにはサー
マルヘッド内の配線パターンのパターン抵抗による電圧
降下に基づいて、各画像データに応じた黒比率むらの補
正が行われる。従って、本発明の感熱記録装置によれ
ば、サーマルヘッド内の配線パターンのパターン抵抗に
よる電圧降下が大きい場合であっても、適切に黒比率補
正を行うことができ、黒比率むらのない、高画質な記録
画像を形成することができる。
【0062】画像データは、画像処理部80において、
上述する黒比率補正を含む各種の画像処理が施された
後、画像メモリ82に格納される。画像メモリ82に格
納された画像処理後の画像データは記録制御部84に読
み出され、記録制御部84において、画像メモリ84に
格納された画像データに基づいて、サーマルヘッド66
のグレーズを構成する個々の発熱抵抗体の発熱が制御さ
れ、記録画像が形成される。
【0063】このようにして、感熱記録が終了した感熱
材料Aは、搬送ガイド62に案内されつつ、プラテンロ
ーラ60および搬送ローラ対63によって搬送され、排
出部22のトレイ72に排出される。トレイ72に排出
された感熱材料Aは、排出口74を経て、この感熱記録
装置10の外部に排出され、取り出される。本発明の感
熱記録装置10は、基本的に、以上のように動作する。
【0064】なお、本発明の感熱記録装置に適用される
黒比率補正は、パルス幅変調やパルス数変調を用いて画
像データを変調する装置に対して適用可能である。ま
た、上記実施例の感熱記録装置に限定されず、電源の電
圧降下が問題となる装置において、これをデータで補正
可能なもの一般に適用可能であり、例えば複数のレーザ
ダイオードを並べて記録する装置等においても応用でき
る。
【0065】以上、本発明の感熱記録装置について詳細
に説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発
明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更
をしてもよいのはもちろんである。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の感熱
記録装置は、画像処理部において、画像データに応じ
て、発熱抵抗体の配列方向の各位置における配線パター
ン内の電流分布を求め、この配線パターン内の電流分布
に応じて、発熱抵抗体の配列方向の各位置における配線
パターンのパターン抵抗による電圧降下量を求めた後、
この発熱抵抗体の配列方向の各位置における配線パター
ンのパターン抵抗による電圧降下量、および、発熱抵抗
体の配列方向の位置に依存しない抵抗による電圧降下量
に基づいて、画像データに応じて発生する濃度むらを補
正するものである。本発明の感熱記録装置によれば、電
源の内部抵抗や配線抵抗等の発熱抵抗体の配列方向の位
置に依存しない抵抗による電圧降下はもちろん、さらに
サーマルヘッド内の配線パターンのパターン抵抗による
電圧降下をも考慮し、画像データに対して電圧降下の影
響による発熱エネルギーの低下分を補正することができ
るため、どのような記録パターンの画像であっても、常
に安定した濃度で記録画像を形成することができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の感熱記録装置の一実施例の概念図で
ある。
【図2】 本発明の感熱記録装置における画像データの
処理系の一実施例の概念図である。
【図3】 (a),(b),(c)および(d)は、画
像データと電圧降下との関係を示す一実施例のグラフで
ある。
【図4】 サーマルヘッドの記録部の一実施例の等価回
路図である。
【図5】 (a),(b),(c),(d)および
(e)は、本発明の感熱記録装置に適用される黒比率補
正の概念を示す一実施例のグラフである。
【図6】 (a)および(b)は、記録画像の一例の概
念図である。
【符号の説明】
10 感熱記録装置 14 装填部 16 供給搬送部 20 記録部 22 排出部 24 マガジン 26 蓋体 28 筺体 30 挿入口 32 案内板 34 案内ロール 36 停止部材 40 吸盤 42 搬送手段 44,58,62 搬送ガイド 46 搬送ローラ 47a,47b プーリ 47c テンションプーリ 48 エンドレスベルト 50 ニップローラ 52 規制ローラ対 56 クリーニングローラ対 60 プラテンローラ 63 搬送ローラ対 66 サーマルヘッド 68 支持部材 68a 支点 72 トレイ 74 排出口 76 冷却ファン 78 補正データ記憶部 80 画像処理部 82 画像メモリ 84 記録制御部 A 感熱材料

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配線パターンによって、電源とグランドと
    の間に複数個の発熱抵抗体を並列に配列したサーマルヘ
    ッドを用いて、画像データに応じた記録画像を感熱記録
    材料に形成する感熱記録装置であって、 前記画像データに応じて、前記発熱抵抗体の配列方向の
    各位置における前記配線パターン内の電流分布を求め、
    この配線パターン内の電流分布に応じて、前記発熱抵抗
    体の配列方向の各位置における前記配線パターンのパタ
    ーン抵抗による電圧降下量を求めた後、この発熱抵抗体
    の配列方向の各位置における前記配線パターンのパター
    ン抵抗による電圧降下量、および、前記発熱抵抗体の配
    列方向の位置に依存しない抵抗による電圧降下量に基づ
    いて、前記画像データに応じて発生する濃度むらを補正
    する画像処理部を有することを特徴とする感熱記録装
    置。
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JP6625309B1 (ja) * 2019-06-03 2019-12-25 三菱電機株式会社 サーマルプリンタ及び印画方法

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