JPH1129702A - ポリアミド樹脂組成物および製造方法 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物および製造方法

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JPH1129702A
JPH1129702A JP10123814A JP12381498A JPH1129702A JP H1129702 A JPH1129702 A JP H1129702A JP 10123814 A JP10123814 A JP 10123814A JP 12381498 A JP12381498 A JP 12381498A JP H1129702 A JPH1129702 A JP H1129702A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐衝撃性、特に低温耐衝撃性、剛性および耐
吸水性に優れたポリアミド樹脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)ポリアミド98〜50重量%、(B)(B-
1)エチレン含有量40〜93モル%、密度0.900g/cm3未満
のエチレン・α−オレフィン共重合体100重量部に、(B-
2)不飽和ジカルボン酸またはその誘導体0.01〜5重量部
をグラフト重合してなるメルトフローレート(MFR(19
0℃))0.05〜50g/10分の変性エチレン・α−オレフィン
共重合体1〜40重量%、ならびに(C)(C-1)Mw/Mn
2.5以下、MFR(190℃)0.05〜50g/10分、α−オレフ
ィン含有量10モル%以下、密度0.970〜0.900g/cm3のエ
チレン・α−オレフィン共重合体、および(C-2)上記エ
チレン・α−オレフィン共重合体(C-1)100重量部に、不
飽和ジカルボン酸またはその誘導体(B-2)0.01〜5重量
部をグラフト重合してなる変性エチレン重合体からなる
群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性共重合体1
〜40重量%を含み、かつ(B)成分/(C)成分の重量比が
20〜0.05であるポリアミド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐衝撃性、剛性およ
び耐吸水性に優れたポリアミド樹脂組成物、ならびにそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は、その優れた物性によ
りエンジニアリングプラスチックとして大きな需要が期
待されている。しかし、耐衝撃強度、特に低温耐衝撃性
が十分とは言えず、その改良が望まれていた。この耐衝
撃性を改良する方法として、例えば特開昭55−966
1号および特開昭55−9662号には、ポリアミド樹
脂に、α,β−不飽和カルボン酸をグラフトしたエチレ
ン・α−オレフィン共重合体をブレンドすると、ポリア
ミド樹脂のアイゾット衝撃強度が改良されることが記載
されている。しかしながら、上記組成物は、アイゾット
衝撃強度を改良すると剛性が大きく低下するという新た
な問題点を生ずる。さらに、低温での落錘衝撃強度に関
しては不十分であり、実成形品の低温衝撃強度が不足す
るという問題点もある。
【0003】また特開昭59−78256号には、ポリ
アミド、変性エチレン・α−オレフィン共重合体および
エチレン重合体を含むポリアミド樹脂組成物が記載さ
れ、耐衝撃性が改善されることが記載されている。しか
し、このポリアミド樹脂組成物は、エチレン重合体とし
て分子量分布(Mw/Mn)の大きなエチレン重合体が
使用されているため、低温耐衝撃性の改善が不十分であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、耐衝
撃性、特に低温耐衝撃性に優れるとともに、剛性および
耐吸水性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供すること
である。本発明の他の課題は、上記のようなポリアミド
樹脂組成物を容易にかつ効率よく製造する方法を提案す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアミ
ド樹脂の剛性低下が少なく、かつ実成形品での低温衝撃
強度を満足すべく、低温での落錘衝撃強度、アイゾット
衝撃強度を向上させる研究を重ねた結果、本発明で特定
する重合体を組合せて配合することにより、低温耐衝撃
性(落錘衝撃強度、アイゾット衝撃強度)および剛性が
優れ、かつ吸水性に起因する耐塩水強度、剛性の低下な
らびに寸法変化が少ないポリアミド樹脂組成物が得られ
ることを見出した。またこれら特定の重合体を予備的に
溶融混合した後にポリアミド樹脂に配合することによ
り、さらに優れた品質のポリアミド樹脂組成物が得られ
ることを見出し本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は次のポリアミド樹脂組成
物および製造方法である。 (1)(A)ポリアミド98〜50重量%、(B)(B
−1)エチレン含有量40〜93モル%、炭素数3以上
のα−オレフィン含有量60〜7モル%、密度0.90
0g/cm3未満のエチレン・α−オレフィン共重合体
100重量部に、(B−2)不飽和ジカルボン酸または
その誘導体0.01〜5重量部をグラフト重合してなる
メルトフローレート(MFR(190℃))0.05〜
50g/10分の変性エチレン・α−オレフィン共重合
体1〜40重量%、ならびに(C)(C−1)重量平均
分子量/数平均分子量(Mw/Mn)2.5以下、メル
トフローレート(MFR(190℃))0.05〜50
g/10分、炭素数3以上のα−オレフィン含有量10
モル%以下、密度0.970〜0.900g/cm3
エチレン・α−オレフィン共重合体、および(C−2)
上記エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)10
0重量部に、不飽和ジカルボン酸またはその誘導体(B
−2)0.01〜5重量部をグラフト重合してなる変性
エチレン・α−オレフィン共重合体からなる群から選ば
れる少なくとも1種のエチレン性共重合体1〜40重量
%(ただし、(A)成分、(B)成分および(C)成分
の合計量に対する重量%である)を含み、かつ前記
(B)成分と(C)成分との比が(B)成分/(C)成
分の重量比で20〜0.05であるポリアミド樹脂組成
物。 (2)エチレン・α−オレフィン共重合体(B−1)の
密度が0.850〜0.890g/cm3である上記
(1)記載のポリアミド樹脂組成物。 (3)エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)が
メタロセン系触媒の存在下に重合された重合体である上
記(1)または(2)記載のポリアミド樹脂組成物。 (4)エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)が
メタロセン系触媒の存在下に重合された線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)である上記(1)または(2)
記載のポリアミド樹脂組成物。 (5)エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)の
密度が0.940〜0.900g/cm3である上記
(1)ないし(4)のいずれかに記載のポリアミド樹脂
組成物。 (6)(B)(B−1)エチレン含有量40〜93モル
%、炭素数3以上のα−オレフィン含有量60〜7モル
%、密度0.900g/cm3未満のエチレン・α−オ
レフィン共重合体100重量部に、(B−2)不飽和ジ
カルボン酸またはその誘導体0.01〜5重量部をグラ
フト重合してなるメルトフローレート(MFR(190
℃))0.05〜50g/10分の変性エチレン・α−
オレフィン共重合体1〜40重量部と、(C)(C−
1)重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)2.
5以下、メルトフローレート(MFR(190℃))
0.05〜50g/10分、炭素数3以上のα−オレフ
ィン含有量10モル%以下、密度0.970〜0.90
0g/cm3のエチレン・α−オレフィン共重合体、お
よび(C−2)上記エチレン・α−オレフィン共重合体
(C−1)100重量部に、不飽和ジカルボン酸または
その誘導体(B−2)0.01〜5重量部をグラフト重
合してなる変性エチレン・α−オレフィン共重合体から
なる群から選ばれる少なくとも1種のエチレン性共重合
体1〜40重量部とを、(B)成分/(C)成分の重量
比で20〜0.05となる範囲で予備的に溶融混合し、
この予備混合物と、(A)ポリアミド98〜50重量部
(ただし、(A)成分、(B)成分および(C)成分の
合計は100重量部である)とを、溶融混合するポリア
ミド樹脂組成物の製造方法。 (7)エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)が
メタロセン系触媒の存在下に重合された重合体である上
記(6)記載の製造方法。 (8)エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)が
メタロセン系触媒の存在下に重合された線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)である上記(6)記載の製造方
法。
【0007】本発明において使用されるポリアミド
(A)は、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有す
る重合体であり、現在の技術でよく知られている公知の
ポリアミドが制限なく使用できる。これらのものは成形
品を生成するに充分な分子量のものである。ポリアミド
(A)は、例えば4〜12個の炭素原子を含有する飽和
有機ジカルボン酸を、2〜13個の炭素原子を含有する
有機ジアミンと縮合させることにより製造することがで
きる。この場合、有機ジアミンは、ポリアミド(A)中
でカルボキシル末端基よりもアミン末端基が過剰となる
ように使用するのが好ましい。逆に、酸基が過剰となる
ようにジカルボン酸を使用することもできる。
【0008】ポリアミド(A)を製造するのに使用され
る代表的なジカルボン酸としてはアジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸およびドデ
カンジカルボン酸などがあげられる。またこれらの誘導
体、例えばエステル、酸塩化物またはアミン塩などを使
用することもできる。これらは1種単独で使用すること
もできるし、2種以上を組み合せて使用することもでき
る。
【0009】一方、代表的なジアミンとしてはヘキサメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミンおよびこれら
の誘導体などがあげられる。これらは1種単独で使用す
ることもできるし、2種以上を組み合せて使用すること
もできる。またポリアミド(A)は、ジカルボン酸とジ
アミンとの重縮合以外に、ラクタムの開環重合によって
も製造することができる。
【0010】ジカルボン酸とジアミンとの重縮合によっ
て製造されるポリアミド(A)としては、ポリヘキサメ
チレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレ
ンアゼラアミド(ナイロン69)、ポリヘキサメチレン
セバサミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンド
デカノアミド(ナイロン612)、ポリビス(4−アミ
ノシクロヘキシル)メタンドデカノアミドなどがあげら
れる。ラクタム類の開環重合によって製造されるポリア
ミド(A)としては、ポリカプロラクタム(ナイロン
6)およびポリラウリックラクタムなどがあげられる。
【0011】ポリアミド(A)は1種単独で使用するこ
ともできるし、2種以上を組み合せて使用することもで
きる。本発明において使用される好ましいポリアミド
(A)としては、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイ
ロン66)、またはポリヘキサメチレンアジパミド(ナ
イロン66)とポリカプロラクタム(ナイロン6)との
混合物などがあげられる。
【0012】本発明で使用される変性エチレン・α−オ
レフィン共重合体(B)はエチレン・α−オレフィン共
重合体(B−1)に特定量の不飽和ジカルボン酸または
その誘導体(B−2)から選ばれるグラフトモノマーが
グラフト共重合した変性エチレン・α−オレフィン共重
合体である。
【0013】変性前のエチレン・α−オレフィン共重合
体(B−1)は、エチレン含有量が40〜93モル%、
好ましくは60〜85モル%、さらに好ましくは75〜
85モル%、炭素数3以上のα−オレフィン含有量が6
0〜7モル%、好ましくは40〜15モル%、さらに好
ましくは25〜15モル%である。エチレン・α−オレ
フィン共重合体(B−1)のエチレン含有量が93モル
%より大きくなっても、また40モル%より小さくなっ
てもエチレン・α−オレフィン共重合体(B−1)は高
結晶性となり、共重合体(B−1)のグラフト変性物を
後述のエチレン性共重合体(C)と組合せてポリアミド
(A)に配合しても、ポリアミド樹脂組成物の耐衝撃性
の改良効果が十分とはいえない。
【0014】またエチレン・α−オレフィン共重合体
(B−1)は、密度が0.900g/cm3未満、好ま
しくは0.850〜0.890g/cm3である。そし
てα−オレフィンがプロピレンの場合、密度は0.85
0〜0.870g/cm3であることが特に好ましく、
α−オレフィンが炭素数4〜18のものである場合、密
度は0.850〜0.875g/cm3であることが特
に好ましい。
【0015】またエチレン・α−オレフィン共重合体
(B−1)は、190℃におけるメルトフローレート
〔MFR、荷重2160gで190℃で測定した値(A
STMD 1238Eによる方法)〕が0.05〜50
g/10分、好ましくは0.1〜20g/10分である
ことが望ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体
(B−1)のMFRが0.05g/10分より小さくて
も、また50g/10分より大きくても、共重合体(B
−1)から得られるグラフト変性エチレン・α−オレフ
ィン共重合体(B)とポリアミド(A)との溶融粘度の
差が大きくなる傾向にあり、グラフト変性物(B)のポ
リアミド(A)への分散効果も必ずしも充分とはいえ
ず、後記するエチレン性共重合体(C)と組合せても耐
衝撃性を改良する効果が低下する傾向にある。さらにエ
チレン・α−オレフィン共重合体(B−1)は低結晶性
ないし非晶性のものが好適であり、その結晶化度は通常
0〜50%、好ましくは0〜20%であるのが望まし
い。
【0016】エチレン・α−オレフィン共重合体(B−
1)を構成するα−オレフィン成分単位としては、炭素
数3以上、好ましくは3〜18程度のα−オレフィンが
あげられ、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンな
どを例示することができる。これらは1種単独で、また
は2種以上の混合物として使用できる。
【0017】エチレン・α−オレフィン共重合体(B−
1)は通常エチレン成分とα−オレフィン成分との共重
合体であるが、場合によっては微量、例えば0.5モル
%以下の範囲でジエン成分などを含有していても差しつ
かえない。ジエン成分の含有量が0.5モル%を超える
と、架橋によりエチレン性共重合体(C)との混合が悪
くなり、ポリアミド(A)への分散が悪くなる。
【0018】エチレン・α−オレフィン共重合体(B−
1)は、チーグラー・ナッタ触媒またはメタロセン系触
媒を用いた方法、その他ICI法、BASF法、フィリ
ップス法、スタンダード法などの公知の方法により製造
することができる。
【0019】グラフトモノマーとして用いる不飽和ジカ
ルボン酸(B−2)としては、マレイン酸、テトラヒド
ロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、
イソクロトン酸、ナジック酸(エンドシス−ビシクロ
〔2.2.1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン
酸)などの不飽和ジカルボン酸があげられる。これらの
誘導体(B−2)としては、例えば酸ハライド、アミ
ド、イミド、無水物、エステルなどがあげられ、具体的
には塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水
シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメ
チル、グリシジルマレエートなどが例示される。これら
の中では無水物が好適であり、特に無水マレイン酸、無
水ナジック酸が好適である。これらは1種単独で使用す
ることもできるし、2種以上を組み合せて使用すること
もできる。
【0020】本発明で使用される変性エチレン・α−オ
レフィン共重合体(B)の不飽和ジカルボン酸またはそ
の誘導体(B−2)のグラフト割合は、エチレン・α−
オレフィン共重合体(B−1)100重量部に対して
0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部であ
る。グラフトモノマーのグラフト割合が0.01重量部
より少なくなると、ポリアミド(A)に対する相容性が
悪くなって層状剥離が起り、かつ耐衝撃性改良効果が小
さくなる。また、グラフト割合が5重量部より多くなる
とグラフト変性物(B)の架橋度が増大して、ポリアミ
ド(A)に配合しても、その耐衝撃性を改良する効果は
低下する。
【0021】グラフト変性エチレン・α−オレフィン共
重合体(B)は、メルトフローレート〔MFR、荷重
2,160g、190℃で測定した値〕が0.05〜5
0g/10分、好ましくは0.1〜20g/10分であ
る。
【0022】グラフト変性エチレン・α−オレフィン共
重合体(B)の密度は通常0.902g/cm3未満、
好ましくは0.852〜0.892g/cm3であるの
が望ましい。そしてα−オレフィンがプロピレンの場
合、密度は0.852〜0.872g/cm3であるこ
とが特に好ましく、α−オレフィンが炭素数4〜18の
ものである場合、密度は0.852〜0.877g/c
3であることが特に好ましい。
【0023】不飽和ジカルボン酸またはその誘導体(B
−2)から選ばれるグラフトモノマーをエチレン・α−
オレフィン共重合体(B−1)にグラフト共重合するに
は、従来公知の種々の方法を採用することができる。例
えばエチレン・α−オレフィン共重合体(B−1)を溶
融させ、あるいは溶媒に溶解させ、グラフトモノマーを
添加してグラフト重合する方法などがある。グラフト重
合に際しては、他のビニルモノマー例えばスチレン等を
併存させてもよい。特にラジカル発生剤を使用してグラ
フト重合を効率よく行うことにより得られる変性エチレ
ン・α−オレフィン共重合体(B)は、原料であるエチ
レン・α−オレフィン共重合体(B−1)の酸化による
分解も少なく、本発明において好適に使用される。
【0024】上記ラジカル発生剤としては有機ペルオキ
シド、有機ペルエステルおよびアゾ化合物などがあげら
れる。具体的なものとしては、例えばベンゾイルペルオ
キシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペ
ルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)
ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシ
ド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシ
ン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベン
ゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、
tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチ
ルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペル
ピバレート、クミルペルピバレート、tert−ブチル
ペルジエチルアセテート、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジメチルアゾイソブチレートなどがあげられる。こ
れらの中ではジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブ
チルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
ert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘ
キサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが
好ましい。
【0025】変性エチレン・α−オレフィン共重合体
(B)は1種単独で使用することもできるし、2種以上
を組み合せて使用することもできる。
【0026】本発明で使用されるエチレン性共重合体
(C)は、(C−1)重量平均分子量/数平均分子量
(Mw/Mn)2.5以下、好ましくは1.5〜2.
3、メルトフローレート(MFR(190℃))0.0
5〜50g/10分、好ましくは0.1〜20g/10
分であり、炭素数3以上、好ましくは3〜18のα−オ
レフィン含有量10モル%以下、好ましくは3〜10モ
ル%であり、密度0.970〜0.900g/cm3
好ましくは0.940〜0.900g/cm3であるエ
チレン・α−オレフィン共重合体、および(C−2)上
記エチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)100
重量部に、不飽和ジカルボン酸またはその誘導体(B−
2)0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜4重量部
をグラフト重合してなる変性エチレン・α−オレフィン
共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチ
レン性共重合体である。なお、上記メルトフローレート
(MFR(190℃))は、190℃、荷重2160g
で190℃で測定(ASTM D 1238Eによる方
法)した値である。
【0027】エチレン・α−オレフィン共重合体(C−
1)においてエチレンと共重合するα−オレフィンとし
ては、例えばプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1
−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテンなどがあげられる。
【0028】前記エチレン・α−オレフィン共重合体
(C−1)の結晶化度は90〜20%、好ましくは約7
0〜約30%であるのが望ましい。またエチレン・α−
オレフィン共重合体(C−1)としては、線状低密度ポ
リエチレン(LLDPE)が特に好ましい。変性エチレ
ン・α−オレフィン共重合体(C−2)の密度は通常
0.972〜0.902g/cm3、好ましくは0.9
42〜0.902g/cm3であるのが望ましい。
【0029】エチレン性共重合体(C)としてはエチレ
ン・α−オレフィン共重合体(C−1)が好ましく、特
に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)が好ましい。
エチレン性共重合体(C)は1種単独で使用することも
できるし、2種以上を組み合せて使用することもでき
る。
【0030】エチレン性共重合体(C)として用いるエ
チレン・α−オレフィン共重合体(C−1)、あるいは
変性エチレン・α−オレフィン共重合体(C−2)に用
いるエチレン・α−オレフィン共重合体(C−1)とし
ては、メタロセン系触媒の存在下に重合されたものが好
ましい。メタロセン系触媒を用いると分子量分布の狭い
ポリエチレンを製造することができるので、本発明で使
用するMw/Mnが2.5以下の分子量分布の狭いエチ
レン・α−オレフィン共重合体(C−1)も容易に製造
することができる。
【0031】エチレン・α−オレフィン共重合体(C−
1)の製造に好適に用いられるシングルサイト触媒とし
てのメタロセン系触媒としては、従来から使用されてい
る公知のメタロセン系触媒が制限なく使用でき、例えば
チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの遷移金属を有
するメタロセン化合物(d)と有機アルミニウムオキシ
化合物(e)とからなる触媒、およびメタロセン化合物
(d)とイオン化イオン性化合物(f)とからなる触媒
等があげられる。
【0032】上記メタロセン化合物(d)の具体的なも
のとしては、下記式(1)で表される遷移金属化合物な
どがあげられる。 MLx …(1) 式(1)中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金
属原子であり、具体的にはジルコニウム、チタンまたは
ハフニウムであり、xは遷移金属の原子価である。
【0033】式(1)中、Lは遷移金属に配位する配位
子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシ
クロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有し
ていてもよい。シクロペンタジエニル骨格を有する配位
子としては、例えばシクロペンタジエニル基;メチルシ
クロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル
基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブ
チルシクロペンタジエニル基、メチルヘキシルシクロペ
ンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル
基、エチルブチルシクロペンタジエニル基、エチルヘキ
シルシクロペンタジエニル基、メチルシクロヘキシルシ
クロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキ
ル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、
4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレ
ニル基などがあげられる。これらの基は、ハロゲン原
子、トリアルキルシリル基などで置換されていてもよ
い。
【0034】式(1)で示される化合物が配位子Lとし
てシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有す
る場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格
を有する基同士は、エチレン、プロピレン等のアルキレ
ン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換
アルキレン基;シリレン基;ジメチルシリレン基、ジフ
ェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換
シリレン基などを介して結合されていることが望まし
い。
【0035】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
以外のLとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アル
コキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO
31)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、R1
アルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、ア
リール基またはハロゲン原子もしくはアルキル基で置換
されたアリール基である。)などがあげられる。
【0036】式(1)で表されるメタロセン化合物
(d)は、例えば遷移金属の原子価が4である場合、よ
り具体的には下記式(2)で表される。 R2pR3qR4rR5sM …(2) 式(2)中、Mは式(1)と同じ遷移金属であり、R2
はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であ
り、R3、R4およびR5は、それぞれ独立にシクロペン
タジエニル骨格を有する基または式(1)中のシクロペ
ンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと同じであ
る。pは1以上の整数であり、p+q+r+s=4であ
る。
【0037】メタロセン化合物(d)とともに用いられ
る有機アルミニウムオキシ化合物(e)としては、メチ
ルアルミノオキサン等のアルミノキサンがあげられる。
【0038】メタロセン化合物(d)とともに用いられ
るイオン化イオン性化合物(f)としては、ルイス酸、
イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物
などを例示することができる。上記ルイス酸としては、
BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル
基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフ
ッ素である。)で示される化合物等があげられ、例えば
トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4
−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフル
オロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフ
ェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボ
ロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリ
ル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロ
ンなどがあげられる。
【0039】上記イオン性化合物としては、トリアルキ
ル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウ
ム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフ
ォニウム塩、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルア
ニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートなどをあげることができる。上記ボラン化
合物としては、デカボラン(14)、ビス〔トリ(n−
ブチル)アンモニウム〕ノナボレートなどをあげること
ができる。メタロセン系触媒はさらに有機アルミニウム
化合物を組み合せて使用することもできる。
【0040】本発明の樹脂組成物の各成分の配合割合
は、ポリアミド(A)98〜50重量%、好ましくは9
6〜60重量%、変性エチレン・α−オレフィン共重合
体(B)1〜40重量%、好ましくは3〜30重量%、
エチレン性共重合体(C)1〜40重量%、好ましくは
3〜30重量%(ただし、(A)成分、(B)成分およ
び(C)成分の合計量に対する重量%である)であっ
て、かつ(B)成分と(C)成分との比が(B)成分/
(C)成分の重量比で20〜0.05、好ましくは10
〜0.1である。
【0041】各成分の割合が上記の条件を満たさない場
合は、衝撃性の改良効果が不十分である。特に(B)ま
たは(C)成分が多量に配合される場合は、ポリアミド
(A)の優れた剛性が損われるので好ましくない。
【0042】本発明の樹脂組成物には(A)〜(C)の
必須成分に加えて、従来からポリアミド、ポリオレフィ
ン樹脂または変性ポリオレフィン樹脂などに配合されて
いる添加剤を、他の成分として1種類以上配合すること
もできる。このような他の成分としては、例えばフェノ
ールもしくはアミン系の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光
保護剤、金属不活性剤、亜リン酸塩安定剤、過酸化物分
解剤、ポリアミド安定剤、塩基性補助安定剤、塩化ポリ
ビニル安定剤、増核剤、可塑剤、潤滑剤、乳化剤、帯電
防止剤、炎保護剤、顔料、カーボンブラック、アスベス
ト、ガラス繊維、カオリンまたはタルクなどがあげられ
る。従って、本発明の樹脂組成物は1種またはそれ以上
の添加剤を必須成分とともに含有する多構成成分樹脂組
成物を含む。適当な上記添加剤の例は以下の群から選択
される。特に以下に例示する酸化防止剤、また以下に例
示する酸化防止剤および紫外線吸収剤を配合した本発明
の樹脂組成物は非常に効果的な安定性を与える。
【0043】これらの添加剤は例えば特開昭50−11
1140号(対応米国特許第3975357号)に記載
された化合物があり、酸化防止剤としては2,6−ジア
ルキルフェノール、例えば2,6−ジ−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノール;アルキル化ヒドロキノン誘
導体、例えば2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキ
ノン;ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば
2,2−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール);アルキリデン−ビスフェノール、例え
ば2,2′−メチレン−ビス(6−tert−ブチル−
4−メチルフェノール);O−、N−およびS−ベンジ
ル化合物、例えば3,5,3′,5′−テトラ−ter
t−ブチル−4,4′−ジヒドロキシベンジルエーテ
ル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジル−メル
カプト酢酸オクタデシルエステル;ヒドロキシベンジル
化マロン酸エステル、例えば2,2−ビス(3,5−ジ
−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)−マロ
ン酸ジオクタデシルエステル、2−(3−tert−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−マロン
酸ジオクタデシルエステル;ヒドロキシベンジル−芳香
族炭化水素、例えば1,3,5−トリ(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,
6−トリメチルベンゼン;s−トリアジン化合物、例え
ば2,4−ビスオクチルメルカプト−6−(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−s−
トリアジン;3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル−プロピオン酸のアミド、例えば1,
3,5−トリ(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル−プロピオニル)−ヘキサヒドロ−s
−トリアジン;3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル−プロピオン酸と1価または多価アル
コールとのエステル、例えばそのようなアルコールとし
てはメタノール、エタノール、オクタデカノール、1,
6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、ジエチレ
ングリコール、チオジエチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロール
プロパン;5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニルプロピオン酸と1価または多価アルコ
ールとのエステル、例えばそのようなアルコールとして
はメタノール、エタノール、オクタデカノール、1,6
−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレ
ングリコール、1,2−プロパンジオール、ジエチレン
グリコール、チオジエチレングリコール、ネオペンチル
グリコール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプ
ロパン;3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル酢酸と1価または多価アルコールとのエステ
ル、例えばそのようなアルコールとしてはメタノール、
エタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、
1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、チ
オジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ペ
ンタエリスリトール、トリメチロールプロパン;アミノ
アリール誘導体、例えばフェニル−1−ナフチルアミ
ン、フェニル−2−ナフチルアミンなどがあげられる。
【0044】前記紫外線吸収剤または光保護剤としては
2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンズトリアゾール
の誘導体;2,4−ビス(2′−ヒドロキシフェニル)
−6−アルキル−s−トリアジンの誘導体;2−ヒドロ
キシ−ベンゾフェノン誘導体;1,3−ビス(2′−ヒ
ドロキシ−ベンゾイル)−ベンゼン;置換安息香酸のエ
ステル、例えばフェニルサリシレート;アクリレート、
例えばα−シアノ−β,β−ジフェニルアクリル酸エチ
ルエステルまたはイソオクチルエステル;ニッケル化合
物、例えば2,2′−チオビス−(4−tert−オク
チルフェノール)とニッケルの錯体1:1および1:2
のような錯体、ニッケルジブチルジチオカーバメート、
2−ヒドロキシ−4−メチル−フェニル−ウンデシル−
ケトンオキシムのニッケル錯体;シュウ酸ジアミド、例
えば4,4′−ジオクチルオキシオキサニリドなどがあ
げられる。
【0045】前記金属不活性剤としては、例えばオキサ
ニリド等;亜リン酸塩(phosphite)安定剤と
しては、例えばトリフェニルホスフィト等;過酸化物分
解剤としては、2−メルカプトベンズイミダゾールの
塩、例えば亜鉛塩、ジフェニルチオ尿素等;ポリアミド
安定剤としては、例えばヨウ素および/またはリン化合
物と結合している銅塩等;塩基性補助安定剤としては、
例えばポリビニルピロリドン、ポリウレタン等のほか高
級飽和または不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩およびアル
カリ土類金属塩、例えばカルシウムステアレート等;ポ
リ塩化ビニル安定剤としては、例えば有機スズ化合物、
脂肪酸のバリウムまたはカドミウム塩等;増核剤として
は、例えば4−tert−ブチル安息香酸などが例示さ
れる。
【0046】本発明の樹脂組成物に対するこれらの添加
剤の配合量は広い範囲で変えることができる。本発明に
おいては、酸化防止剤特にフェノール系酸化防止剤を用
いることが望ましく、その配合量は、ポリアミド樹脂組
成物全体に対して約0.01〜約3重量%が好適であ
る。
【0047】本発明の樹脂組成物は、種々の方法で溶融
混合されて調製される。例えば任意の2成分を予備混合
した後、残りの他の成分と混合したり、同時に3成分を
混合する方法などがあげられる。またこれらの任意の段
階で必要に応じて追加量の添加剤、例えば酸化防止剤な
どを添加することもできる。
【0048】本発明の樹脂組成物は(B)成分と(C)
成分とを予備的に溶融混合し、この予備混合物とポリア
ミド(A)成分とを溶融混合して製造するのが好まし
い。この場合、(B)成分と(C)成分とは、(B)成
分/(C)成分の重量比で20〜0.05、好ましくは
10〜0.1となる範囲で予備的に溶融混合し、この予
備混合物と、ポリアミド(A)98〜50重量部、好ま
しくは96〜60重量部(ただし、(A)成分、(B)
成分および(C)成分の合計は100重量部である)と
を溶融混合する。このようにして製造されたポリアミド
樹脂組成物は、耐衝撃性、剛性および耐吸水性などの諸
性質に特に優れている。
【0049】さらに好ましくは、上記予備混合物を調製
する際には、酸化防止剤を混合して調製することが望ま
しい。予備混合物を調製する際に配合する酸化防止剤と
しては、フェノール系酸化防止剤が特に好適であり、予
備混合物100重量部に対して約0.01〜約3重量
部、好ましくは約0.02〜約0.5重量部とすること
が望ましい。
【0050】本発明の樹脂組成物は、高剛性を保ち、耐
衝撃性特に低温耐衝撃性、耐吸湿性、耐塩水強度などの
性質が改良されている。本発明の樹脂組成物は、従来公
知の種々の溶融成形法により、種々の形状に成形され
る。例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、発泡成形
などの方法があげられ、自動車用部品、電機器具、電機
部品をはじめとする広い用途に利用される。
【0051】
【発明の効果】以上の通り、本発明のポリアミド樹脂組
成物は、ポリアミド(A)と、特定の変性エチレン・α
−オレフィン共重合体(B)と、特定のエチレン性共重
合体(C)とを特定量含有しているので、耐衝撃性、特
に低温耐衝撃性、剛性および耐吸水性に優れている。本
発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法は、変性エチレ
ン・α−オレフィン共重合体(B)とエチレン性共重合
体(C)とを溶融混合した後、この予備混合物とポリア
ミド(A)とを溶融混合するようにしているので、耐衝
撃性、特に低温耐衝撃性、剛性および耐吸水性に優れた
ポリアミド樹脂組成物を容易にかつ効率よく製造するこ
とができる。
【0052】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について説明
する。 製造例1 《(C)成分として用いるエチレン・α−オレフィン共
重合体の製造》 [メタロセン系触媒の調製]250℃で10時間乾燥し
たシリカ10.0kgを154 literのトルエンで懸濁
状にした後、0℃まで冷却した。その後、メチルアルミ
ノオキサンのトルエン溶液(Al=1.33mol/li
ter)57.5 literを1時間で滴下した。この際、系
内の温度を0℃に保った。引続き0℃で30分間反応さ
せ、次いで1.5時間かけて95℃まで昇温し、その温
度で20時間反応させた。その後60℃まで降温し、上
澄液をデカンテーション法により除去した。このように
して得られた固体成分をトルエンで2回洗浄した後、ト
ルエン100 literで再懸濁化した。この系内にビス
(1−メチル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr=27.
0mmol/liter)16.8 literを80℃で30分
間かけて滴下し、さらに80℃で2時間反応させた。そ
の後、上澄液を除去し、ヘキサンで2回洗浄することに
より、1g当り3.5mgのジルコニウムを含有するメ
タロセン系固体触媒を得た。
【0053】[予備重合触媒の調製]2.5molのト
リイソブチルアルミニウムを含有する87 literのヘキ
サンに、上記で得られたメタロセン系固体触媒870g
および1−ヘキセン260gを加え、35℃で5時間エ
チレンの予備重合を行うことにより、固体触媒1g当り
10gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒を
得た。
【0054】[重合]連続式流動床気相重合装置を用
い、全圧2.0MPa(20kgf/cm2,ゲージ
圧)、重合温度70℃でエチレンと1−ヘキセンとの共
重合を行った。上記で調製した予備重合触媒をジルコニ
ウム原子換算で0.03mmol/h、およびトリイソ
ブチルアルミニウムを5.0mmol/hの割合で連続
的に供給し、重合の間一定のガス組成を維持するために
エチレン、1−ヘキセン、水素、窒素を連続的に供給し
た(ガス組成(モル比);1−ヘキセン/エチレン=
0.035、水素/エチレン=4.5×10-4、エチレ
ン濃度=70モル%)。
【0055】得られたエチレン・α−オレフィン共重合
体(LLDPE)の収量は、6.0kg/hであり、密
度は0.905g/cm3であり、MFRは4.0g/
10分であり、Mw/Mnは2.2であり、示差走査型
熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線の最大ピーク
位置の温度が106.8℃であり、23℃におけるデカ
ン可溶分含有量が0.22重量%であり、不飽和結合の
数が炭素数1000個当り0.09個で、かつ重合体1
分子当り0.70個あった。
【0056】製造例2 《比較例で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体の
製造》 [触媒成分の調製]窒素雰囲気下、無水塩化マグネシウ
ム(市販品)1モルを脱水精製したヘキサン2 literに
懸濁させ、攪拌しながらエタノール6モルを1時間かけ
て滴下後、室温にて1時間反応させた。反応後、これに
2.6モルのジエチルアルミニウムクロリドを室温で滴
下し、2時間攪拌を続けた。次に四塩化チタン6モルを
さらに加えた後、系を80℃に昇温して3時間攪拌しな
がら反応を行った。反応後、得られた固体を分離し、精
製ヘキサンを用いて繰り返し洗浄した。この固体(以
下、α−1という)の組成を調べたところ、その組成は
以下の通りであった。 Ti:3.6重量% Cl:66.8重量% Mg:20.0重量% Al:0.4重量% OC25:4.7重量% なお上記OC25は、生成した固体をH2O−アセトン
で分解抽出後、ガスクロマトグラフィーによりエタノー
ルとして定量した。
【0057】次に精製ヘキサンに懸濁したTiに換算し
て50ミリモルの量のα−1に対し、500ミリモルの
エタノールを室温で加え、50℃に昇温して1.5時間
反応させた。反応後、得られた固体部を精製ヘキサンに
て繰り返し洗浄した。このようにして得られた触媒(以
下、β−1という)の組成は以下の通りであった。 Ti:1.2重量% Cl:52.8重量% Mg:15.9重量% Al:0.7重量% OC25:22.7重量% 上記OC25は前記と同様にして求めた。
【0058】[重合]内容積200 literの連続反応器
を用い、脱水精製したヘキサンを85 liter/hr、ジ
エチルアルミニウムクロリドを6ミリモル/hr、エチ
ルアルミニウムセスキクロリドを6ミリモル/hrおよ
び上記で得られた触媒(β−1)をTiに換算して0.
42ミリモル/hrの割合で連続的に供給し、原料とし
てエチレンを13kg/hr、1−ブテンを9kg/h
r、水素を8.0 liter/hrの割合で重合器内に連続
的に供給し、重合温度170℃、全圧3.1MPa(3
0kgf/cm2,ゲージ圧)、平均滞留時間1.3時
間、溶媒ヘキサンに対する共重合体濃度が130g/l
となる条件下で共重合反応を行った。触媒活性は221
00g−共重合体/mmol−Tiであった。
【0059】実施例1 ナイロン6(東レ株式会社、CM1017、商標)と、
エチレン・1−ブテン共重合体〔エチレン含有量=81
モル%、MFR=0.5g/10分、密度=0.860
g/cm3、結晶化度=0%〕100重量部に無水マレ
イン酸を1.0重量部グラフト共重合した無水マレイン
酸グラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体〔MFR
(190℃)=1.5g/10分〕と、製造例1のポリ
エチレン(エチレン含有量=94.3モル%、MFR
(190℃)=4.0g/10分、密度=0.905g
/cm3、Mw/Mn=2.2)とを、表1に示す割合
でブレンダーを用いて混合し、ドライブレンド品を調製
した。
【0060】このドライブレンド樹脂組成物をL/D=
40、30mmφ二軸押出機に供給し、245℃、50
rpmで1回通過させて混練し、造粒した。造粒したペ
レット試料を80℃で24時間乾燥後、下記条件で日本
製鋼所製M50AII−DM射出成形機にて物性試験片を
作成した。 シリンダー温度:245℃ 射出圧力:61MPa(600kgf/cm2) 金型温度:80℃
【0061】続いて、下記の方法により物性評価を行っ
た。結果を表2に示す。 《曲げ試験》1/8インチ厚みの試験片を用い、AST
M D−790−80により曲げ弾性率、曲げ降伏点応
力を測定した。 《引張り試験》1/8インチ厚みの試験片を用い、AS
TM D638により降伏点応力、破断点応力、破断点
伸びを測定した。 《アイゾット衝撃強度》1/8インチ厚みの試験片を用
い、ASTM D256により、23℃、−20℃、−
40℃でノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定した。
【0062】実施例2 エチレン性共重合体(C)として表1に示すエチレン・
1−ヘキセン共重合体を用いた以外は実施例1と同様に
行った。結果を表2に示す。
【0063】実施例3 実施例1において、(B)成分である無水マレイン酸グ
ラフト変性エチレン・1−ブテン共重合体の代わりに、
無水マレイン酸グラフト変性エチレン・1−オクテン共
重合体〔MFR(190℃)=0.6g/10分〕を用
いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表2に示
す。
【0064】比較例1 ポリアミド(A)を単独で用いて、実施例1と同様に物
性を測定した。結果を表2に示す。
【0065】比較例2 実施例1において、製造例1のエチレン・α−オレフィ
ン共重合体(C)の代わりに製造例2のエチレン・α−
オレフィン共重合体を用いた以外は実施例1と同様に行
った。結果を表2に示す。
【0066】比較例3〜4 表1に示す樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に物性
を測定した。結果を表2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23:26)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミド98〜50重量%、 (B)(B−1)エチレン含有量40〜93モル%、炭
    素数3以上のα−オレフィン含有量60〜7モル%、密
    度0.900g/cm3未満のエチレン・α−オレフィ
    ン共重合体100重量部に、 (B−2)不飽和ジカルボン酸またはその誘導体0.0
    1〜5重量部をグラフト重合してなるメルトフローレー
    ト(MFR(190℃))0.05〜50g/10分の
    変性エチレン・α−オレフィン共重合体1〜40重量
    %、ならびに (C)(C−1)重量平均分子量/数平均分子量(Mw
    /Mn)2.5以下、メルトフローレート(MFR(1
    90℃))0.05〜50g/10分、炭素数3以上の
    α−オレフィン含有量10モル%以下、密度0.970
    〜0.900g/cm3のエチレン・α−オレフィン共
    重合体、および(C−2)上記エチレン・α−オレフィ
    ン共重合体(C−1)100重量部に、不飽和ジカルボ
    ン酸またはその誘導体(B−2)0.01〜5重量部を
    グラフト重合してなる変性エチレン・α−オレフィン共
    重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレ
    ン性共重合体1〜40重量%(ただし、(A)成分、
    (B)成分および(C)成分の合計量に対する重量%で
    ある)を含み、かつ前記(B)成分と(C)成分との比
    が(B)成分/(C)成分の重量比で20〜0.05で
    あるポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン・α−オレフィン共重合体(B
    −1)の密度が0.850〜0.890g/cm3であ
    る請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 エチレン・α−オレフィン共重合体(C
    −1)がメタロセン系触媒の存在下に重合された重合体
    である請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 エチレン・α−オレフィン共重合体(C
    −1)がメタロセン系触媒の存在下に重合された線状低
    密度ポリエチレン(LLDPE)である請求項1または
    2記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 エチレン・α−オレフィン共重合体(C
    −1)の密度が0.940〜0.900g/cm3であ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載のポリアミド樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 (B)(B−1)エチレン含有量40〜
    93モル%、炭素数3以上のα−オレフィン含有量60
    〜7モル%、密度0.900g/cm3未満のエチレン
    ・α−オレフィン共重合体100重量部に、 (B−2)不飽和ジカルボン酸またはその誘導体0.0
    1〜5重量部をグラフト重合してなるメルトフローレー
    ト(MFR(190℃))0.05〜50g/10分の
    変性エチレン・α−オレフィン共重合体1〜40重量部
    と、 (C)(C−1)重量平均分子量/数平均分子量(Mw
    /Mn)2.5以下、メルトフローレート(MFR(1
    90℃))0.05〜50g/10分、炭素数3以上の
    α−オレフィン含有量10モル%以下、密度0.970
    〜0.900g/cm3のエチレン・α−オレフィン共
    重合体、および(C−2)上記エチレン・α−オレフィ
    ン共重合体(C−1)100重量部に、不飽和ジカルボ
    ン酸またはその誘導体(B−2)0.01〜5重量部を
    グラフト重合してなる変性エチレン・α−オレフィン共
    重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のエチレ
    ン性共重合体1〜40重量部とを、 (B)成分/(C)成分の重量比で20〜0.05とな
    る範囲で予備的に溶融混合し、この予備混合物と、 (A)ポリアミド98〜50重量部(ただし、(A)成
    分、(B)成分および(C)成分の合計は100重量部
    である)とを、溶融混合するポリアミド樹脂組成物の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 エチレン・α−オレフィン共重合体(C
    −1)がメタロセン系触媒の存在下に重合された重合体
    である請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 エチレン・α−オレフィン共重合体(C
    −1)がメタロセン系触媒の存在下に重合された線状低
    密度ポリエチレン(LLDPE)である請求項6記載の
    製造方法。
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