JPS6356802B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPS6356802B2 JPS6356802B2 JP56212567A JP21256781A JPS6356802B2 JP S6356802 B2 JPS6356802 B2 JP S6356802B2 JP 56212567 A JP56212567 A JP 56212567A JP 21256781 A JP21256781 A JP 21256781A JP S6356802 B2 JPS6356802 B2 JP S6356802B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hollow fiber
- polysulfone
- fiber membrane
- membrane
- peg
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B01—PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
- B01D—SEPARATION
- B01D69/00—Semi-permeable membranes for separation processes or apparatus characterised by their form, structure or properties; Manufacturing processes specially adapted therefor
- B01D69/08—Hollow fibre membranes
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
Description
本発明はポリスルホン中空繊維膜に関する。
近年、分離操作において選択的な透過性を有す
る膜を用いる技術がめざましく進展しつつあり、
かなりの分野で実用化されつつある。特に膜の形
状が中空繊維であると、占有体積あたりの膜面積
が多くとれ有利であり実用化例が増加しつつあ
る。またこの選択透過性分離膜の膜素材としては
多種類のポリマーが研究開発され、セルロース
系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポ
リビニルアルコール系などのポリマーが使用され
ている。ポリスルホン系ポリマーは耐熱性、耐酸
性、耐アルカリ性、耐酸化性などの物理的及び化
学的性質が優れているため、限外過用の膜素材
として、また逆浸透用や気体分離用複合膜の支持
体として注目され検討されている。限外過用ポ
リスルホン中空繊維としてはアミコン社よりHP
シリーズとして市販されている。この中空繊維は
内表面に緻密なスキン層を有し、外表面には10μ
以上のマクロポアが多数存在し、かつ膜内部はフ
インガーライク構造で空孔率が大きいため、透水
性はかなり高いものもあるが、耐圧性が低く、医
慮用や実験用には使用しうるが、工業用に長期使
用することは困難である。また特開昭54−145379
には内表面及び外表面に10〜100Åの微細孔を有
し、膜内部にいくに従つて徐々に細孔が大きくな
る傾斜型の両面スキンタイプのポリスルホン中空
繊維が記載されている。これは両面にスキン層が
あるためか、または内部構造のポアの連続性が低
いためか、膜厚が100μ以上では透水性が急激に
低下する傾向があり、実質的には膜厚が100μ以
下とならざるを得ず、従つて耐圧性を考慮すると
内径は200μ程度となり、工業用に使用するには
内径が小さく圧力損失が大きい。また特開昭56−
105704、56−115602には膜の両面に顕微鏡的に観
察し得る程度の小孔又は開孔部をもたない両面ス
キンタイプで内部構造が管束状構造、いわゆるフ
インガーライク構造であるポリスルホン中空繊維
が記載されている。これらの膜占有体積あたりの
透水速度はせいぜい500/m2・hr・Kg/cm2であ
り、ある一定の筐体に出来るだけ多く中空繊維を
詰め込んだ場合の筐体あたりの透水性が不十分で
ある。その他各種の中空繊維膜の製造法も知られ
ているが、工業用に使用することができ、透水速
度の大きく、かつ限外過オーダーの分画性を有
する中空繊維膜は知られていないのが現状であ
る。 このような状況に鑑み、鋭意努力の結果本発明
に達した。 すなわち本発明は内表面に平均巾80〜500Åの
スリツト状微細隙を有し、外表面に平均孔径1500
〜3500Åの微孔を開孔率10〜50%の割合で有し、
膜内部が微細多孔構造であり、かつ80Å以上の物
質を実質的に透過させず、透水速度が700〜6000
/m2・hr・Kg/cm2を示すポリスルホン中空繊維
膜である。 本発明のポリスルホン中空繊維膜は後述する実
施例からも明らかなように透水速度が優れている
のみならず、パイロジエン物質を実質的に阻止す
るなど分画性が限外過オーダーと優れており、
さらにまた圧密化指数0.2以下というきわめて耐
圧性、耐熱性の優れたものである。 本発明のポリスルホン中空繊維膜は、その内表
面に平均巾80〜500Åのスリツト状微細隙を有す
る必要がある。ここでスリツト状微細隙とは繊維
の縦方向に細長く存在する微細隙であり、平均巾
とはその微細隙の短径の平均的値である。この微
細隙の繊維の縦方向の長さはとくに限定されるも
のではなく、スリツト巾の3倍以上、好ましくは
10倍以上である。また微細隙の内表面における分
布密度はできるだけ均一で、しかも高い方が好ま
しい。また微細隙の巾もできるだけ均一であるこ
とが、優れた分画性、優れた耐圧性を示すので好
ましい。また微細隙の平均巾は走査型電子顕微鏡
写真により測定されるが、この平均巾が500Åを
こえると分画性が大きくなりすぎて好ましくな
い。平均巾が100〜200Åであると透水性と分画性
のバランスの点でさらに好ましい傾向を示す。ま
た内表面をスリツト状微細隙構造とすることは、
円形状の微細多孔構造とすることにくらべ透水性
が大きいという特長を有する。 次に本発明のポリスルホン中空繊維膜はその外
表面に平均孔径1500〜3500Åの微孔を開孔率10〜
50%の割合で有する必要がある。ここで外表面の
微孔の平均孔径とは、 (ここで:平均孔径 Di;i個目の微孔の実測径 Do:n個の微孔の実測径 なおDi、Doの実測径は微孔が円形に近い場合
はその直径を示し、微孔が円形でない場合には、
その微孔と同一面積の円の直径を示す。) で示されるものである。外表面の平均孔径が1500
Å未満であると透水速度が小さくなり過ぎる。平
均孔径が3500Åを越えると耐圧性が低くなる傾向
があり好ましくない。また外圧過の場合、大き
な滓が膜内部にまで侵入してくることとなり、
透過速度の低下が早いばかりでなく、逆洗あるい
は薬洗によつても膜の再生が十分にはできない傾
向にあり、好ましくない。なお本発明の場合、
500Å以下の微細孔は平均孔径の計算には含まれ
ていない。ただし500Å以下の微細孔が本発明の
目的、効果を損なわない程度に存在していてもよ
い。また外表面の微孔は均一孔径であることが好
ましいが、とくに均一である必要はなく、不均一
であつてもよい。本発明にいう開孔率とは外表面
に開孔している微孔の全孔面積の外表面積に対す
る割合を百分率で示したものである。開孔率が10
%未満であると透水率が低いので好ましくない。
開孔率が50%を越えると表面強度が小さくなり、
取扱い時、膜が損傷し易いので好ましくない。開
孔率が20〜40%であると膜の透過性能と機械的性
能のバランスの点でさらに好ましい。 本発明において、膜内部は微細多孔構造となつ
ており、ここで微細多孔構造とは網目状構造、ハ
ニカム構造、微細間隙構造などのスポンジ構造で
ある。また膜内外表面および膜内部にはフインガ
ーライク状構造あるいはマクロボイド構造があつ
てもよいが10μ以上の巨大空洞は実質的に存在し
ない方が好ましい。このような10μ以上の巨大空
洞のない均一スポンジ構造のものは耐圧性、とく
に長期間使用時における圧密化性が優れ、さらに
強度も優れている。 膜内部の微細多孔構造の孔径はより均一である
ことが好ましいが、とくに均一である必要はな
く、不均一であつてもよい。またその孔径は膜の
外表面の孔径と同じか、あるいはそれより多少大
きめ、あるいは小さめであつてもよい。また膜内
部の数細多孔構造は膜の内表面および外表面を支
持する機能を有するとともに排除率や透水速度に
も影響を及ぼすものである。 本発明にいうポリスルホンとは次の一般式(A)又
は(B)を繰り返しユニツトとするポリマーである。 但しX、X′、Y、Y′はベンゼン環の置換基を
示し、たとえば水素、メチル、ハロゲン、ニト
ロ、スルホン酸(又はその塩)、カルボン酸(又
はその塩)、第4級アンモニウム(又はその塩)
などである。a、b、c、dは0〜4の整数を示
す。Rは二価の有機残基を示し、たとえば
る膜を用いる技術がめざましく進展しつつあり、
かなりの分野で実用化されつつある。特に膜の形
状が中空繊維であると、占有体積あたりの膜面積
が多くとれ有利であり実用化例が増加しつつあ
る。またこの選択透過性分離膜の膜素材としては
多種類のポリマーが研究開発され、セルロース
系、ポリアミド系、ポリアクリロニトリル系、ポ
リビニルアルコール系などのポリマーが使用され
ている。ポリスルホン系ポリマーは耐熱性、耐酸
性、耐アルカリ性、耐酸化性などの物理的及び化
学的性質が優れているため、限外過用の膜素材
として、また逆浸透用や気体分離用複合膜の支持
体として注目され検討されている。限外過用ポ
リスルホン中空繊維としてはアミコン社よりHP
シリーズとして市販されている。この中空繊維は
内表面に緻密なスキン層を有し、外表面には10μ
以上のマクロポアが多数存在し、かつ膜内部はフ
インガーライク構造で空孔率が大きいため、透水
性はかなり高いものもあるが、耐圧性が低く、医
慮用や実験用には使用しうるが、工業用に長期使
用することは困難である。また特開昭54−145379
には内表面及び外表面に10〜100Åの微細孔を有
し、膜内部にいくに従つて徐々に細孔が大きくな
る傾斜型の両面スキンタイプのポリスルホン中空
繊維が記載されている。これは両面にスキン層が
あるためか、または内部構造のポアの連続性が低
いためか、膜厚が100μ以上では透水性が急激に
低下する傾向があり、実質的には膜厚が100μ以
下とならざるを得ず、従つて耐圧性を考慮すると
内径は200μ程度となり、工業用に使用するには
内径が小さく圧力損失が大きい。また特開昭56−
105704、56−115602には膜の両面に顕微鏡的に観
察し得る程度の小孔又は開孔部をもたない両面ス
キンタイプで内部構造が管束状構造、いわゆるフ
インガーライク構造であるポリスルホン中空繊維
が記載されている。これらの膜占有体積あたりの
透水速度はせいぜい500/m2・hr・Kg/cm2であ
り、ある一定の筐体に出来るだけ多く中空繊維を
詰め込んだ場合の筐体あたりの透水性が不十分で
ある。その他各種の中空繊維膜の製造法も知られ
ているが、工業用に使用することができ、透水速
度の大きく、かつ限外過オーダーの分画性を有
する中空繊維膜は知られていないのが現状であ
る。 このような状況に鑑み、鋭意努力の結果本発明
に達した。 すなわち本発明は内表面に平均巾80〜500Åの
スリツト状微細隙を有し、外表面に平均孔径1500
〜3500Åの微孔を開孔率10〜50%の割合で有し、
膜内部が微細多孔構造であり、かつ80Å以上の物
質を実質的に透過させず、透水速度が700〜6000
/m2・hr・Kg/cm2を示すポリスルホン中空繊維
膜である。 本発明のポリスルホン中空繊維膜は後述する実
施例からも明らかなように透水速度が優れている
のみならず、パイロジエン物質を実質的に阻止す
るなど分画性が限外過オーダーと優れており、
さらにまた圧密化指数0.2以下というきわめて耐
圧性、耐熱性の優れたものである。 本発明のポリスルホン中空繊維膜は、その内表
面に平均巾80〜500Åのスリツト状微細隙を有す
る必要がある。ここでスリツト状微細隙とは繊維
の縦方向に細長く存在する微細隙であり、平均巾
とはその微細隙の短径の平均的値である。この微
細隙の繊維の縦方向の長さはとくに限定されるも
のではなく、スリツト巾の3倍以上、好ましくは
10倍以上である。また微細隙の内表面における分
布密度はできるだけ均一で、しかも高い方が好ま
しい。また微細隙の巾もできるだけ均一であるこ
とが、優れた分画性、優れた耐圧性を示すので好
ましい。また微細隙の平均巾は走査型電子顕微鏡
写真により測定されるが、この平均巾が500Åを
こえると分画性が大きくなりすぎて好ましくな
い。平均巾が100〜200Åであると透水性と分画性
のバランスの点でさらに好ましい傾向を示す。ま
た内表面をスリツト状微細隙構造とすることは、
円形状の微細多孔構造とすることにくらべ透水性
が大きいという特長を有する。 次に本発明のポリスルホン中空繊維膜はその外
表面に平均孔径1500〜3500Åの微孔を開孔率10〜
50%の割合で有する必要がある。ここで外表面の
微孔の平均孔径とは、 (ここで:平均孔径 Di;i個目の微孔の実測径 Do:n個の微孔の実測径 なおDi、Doの実測径は微孔が円形に近い場合
はその直径を示し、微孔が円形でない場合には、
その微孔と同一面積の円の直径を示す。) で示されるものである。外表面の平均孔径が1500
Å未満であると透水速度が小さくなり過ぎる。平
均孔径が3500Åを越えると耐圧性が低くなる傾向
があり好ましくない。また外圧過の場合、大き
な滓が膜内部にまで侵入してくることとなり、
透過速度の低下が早いばかりでなく、逆洗あるい
は薬洗によつても膜の再生が十分にはできない傾
向にあり、好ましくない。なお本発明の場合、
500Å以下の微細孔は平均孔径の計算には含まれ
ていない。ただし500Å以下の微細孔が本発明の
目的、効果を損なわない程度に存在していてもよ
い。また外表面の微孔は均一孔径であることが好
ましいが、とくに均一である必要はなく、不均一
であつてもよい。本発明にいう開孔率とは外表面
に開孔している微孔の全孔面積の外表面積に対す
る割合を百分率で示したものである。開孔率が10
%未満であると透水率が低いので好ましくない。
開孔率が50%を越えると表面強度が小さくなり、
取扱い時、膜が損傷し易いので好ましくない。開
孔率が20〜40%であると膜の透過性能と機械的性
能のバランスの点でさらに好ましい。 本発明において、膜内部は微細多孔構造となつ
ており、ここで微細多孔構造とは網目状構造、ハ
ニカム構造、微細間隙構造などのスポンジ構造で
ある。また膜内外表面および膜内部にはフインガ
ーライク状構造あるいはマクロボイド構造があつ
てもよいが10μ以上の巨大空洞は実質的に存在し
ない方が好ましい。このような10μ以上の巨大空
洞のない均一スポンジ構造のものは耐圧性、とく
に長期間使用時における圧密化性が優れ、さらに
強度も優れている。 膜内部の微細多孔構造の孔径はより均一である
ことが好ましいが、とくに均一である必要はな
く、不均一であつてもよい。またその孔径は膜の
外表面の孔径と同じか、あるいはそれより多少大
きめ、あるいは小さめであつてもよい。また膜内
部の数細多孔構造は膜の内表面および外表面を支
持する機能を有するとともに排除率や透水速度に
も影響を及ぼすものである。 本発明にいうポリスルホンとは次の一般式(A)又
は(B)を繰り返しユニツトとするポリマーである。 但しX、X′、Y、Y′はベンゼン環の置換基を
示し、たとえば水素、メチル、ハロゲン、ニト
ロ、スルホン酸(又はその塩)、カルボン酸(又
はその塩)、第4級アンモニウム(又はその塩)
などである。a、b、c、dは0〜4の整数を示
す。Rは二価の有機残基を示し、たとえば
【式】などである。ZはO又はSO2を示す。
一般的には(A)式でa、b、c、dが0、Rが
【式】ZがOで示されるもの、たとえばユニ
オンカーバイド社製の「Udel」が工業的には最
も使い易い。 さらに本発明のポリスルホン中空繊維膜は前述
のような構造を有するとともに、透水率か700〜
6000/m2・hr・Kg/cm2を示すものである。 本発明のポリスルホン中空繊維膜の内径は250
〜1500μ、外径は350〜3000μ、好ましくは内径が
300〜1000μ、外径が400〜2000μ、さらに好まし
くは内径が350〜700μ、外径が500〜1200μである
と、膜面積あたりの透水速度及び耐圧性が優れ、
さらにその他の膜性能のバランスも向上する。 本発明にいう透水速度は中空繊維の膜面積あた
りの透水速度KAをいい、次の方法で測定する。
透水速度KAの測定方法; (i) 中空繊維膜束;中空繊維長20cm、外径基準の
膜面積200cm2の新品の中空繊維膜束。 (ii) 過;温度25℃の純水を外圧全過方式によ
り、圧力1Kg/cm2で過した時の透水速度
(/m2・hr・Kg/cm2)KAを測定する。 本発明のポリスルホン中空繊維膜の透水速度
KAは700〜6000/m2・hr・Kg/cm2である。 なおKAが6000/m2・hr・Kg/cm2以上の中空
繊維膜は現状技術においては後述する排除率Rが
小さいものしか得られないので実際的でない。 また本発明のポリスルホン中空繊維膜は80Å以
上の物質を実質的に透過させないものである。こ
こで80Å以上の物質を実質的に透過させないとは
平均粒径が80Åのコロイダルシリカの排除率Rを
次の条件で測定し、Rが95%以上のものをいう。 排除率の測定方法 (i) 中空繊維膜束;中空糸長20cm、外径基準の膜
面積200cm2の中空繊維膜束を作製し使用。 (ii) 測定液;平均粒径80Åのコロイダルシリカ1
%液{日産化学工業株式会社製スノーテツクス
−S(コロイダルシリカで最小粒径のもの)を
蒸留水にて稀釈}。 (iii) 過条件;外圧全過方式、過圧0.5Kg/
cm2、温度25℃。なお中空繊維膜束は使用前によ
く水をきり、かつ中空糸膜壁内もコロイダルシ
リカ液に置換後、加圧し、過を開始する。 (iv) サンプリング;加圧直前の測定原液及び加圧
後の液の初流より10c.c.毎に5回サンプリング
する。得られた6コのサンプルを100℃×16hr
乾燥し、固型分濃度を測定する。 (v) 排除率Rの算出;測定原液の固型分濃度CD
と5個の液中で最も高い固型分濃度CFmax
より次式によりRを求める。 R=(1−CFmax/CD)×100 なお本測定法の如く、コロイド液を用いると粒
子以外の溶解物質を含有している可能性があり、
Rを重量法で求めるため、Rが97%と出ても、80
Åの粒子が3%透過していることを意味しておら
ず、Rが95%以上であれば80Å以上の粒子は全く
透過していないと考えてよい。 このような排除率を有するポリスルホン中空繊
維膜は分子量16万の球状蛋白質である牛血清γ−
グロブリンを実質的に阻止するようにもできる
し、さらにいかなるバクテリアやウイルスも完全
に阻止することはもちろん、細菌の分泌物で発熱
性の原因物質(パイロジエン)といわれているリ
ポポリサツカライドも完全に阻止することもでき
る。また電気的に中性の線状ポリマーで分子量が
120万の単分散標準ポリエチレンオキサイド(東
洋曹達株式会社製の「SE−150」)を阻止するよ
うにすることもできる。 次に本発明のポリスルホン中空繊維膜は圧密化
指数0.2以下であることも大きな特徴のひとつで
ある。ここで圧密化指数αとは次式で表わされ
る。 α=1−KA4/KA1 KA1:100℃の熱水を外圧方式により過圧1
Kg/cm2で過した時の透水速度(/m2・
hr・Kg/cm2) KA4:100℃の熱水を外圧方式により過圧4
Kg/cm2で過した時の透水速度(/m2・
hr・Kg/cm2) この圧密化指数αが0.2以下、すなわち0〜0.2
を示すということは耐圧性、とくに高温時の耐圧
性が優れ、さらに過速度の経時低下の少ないこ
とを意味している。したがつて、αが0.2より大
きいものは好ましくない。 通常過は100℃で実施されることは稀で、10
〜60℃が通常の過温度であり、従つて100℃で
のαの値は工業的意義が乏しいとも考えられる。
しかし10〜60℃では短期的には圧密化しないもの
で長期的に使用すると、徐々に圧密化し過速度
が低下するものと、ほとんど圧密化せず過速度
が低下しないものもある。この違いを短時間に判
断する評価パラメーターとして100℃の熱水での
αの値が有用である。 以上のとおり本発明のポリスルホン中空繊維膜
は分画性(膜を透過する最大のサイズ)がいわゆ
る限外過オーダーと小さいにもかかわらず、透
水速度が大きく、かつ耐圧性、耐熱性も大きいと
いう優れた性能を有する。 次に本発明のポリスルホン中空繊維膜の製法に
ついて述べる。 従来より膜の透過性能を改善するために製膜原
液に変性剤を添加する方法が行なわれており、ポ
リマーと溶媒の種類により各種のものが報告され
ている。例えば、原液の溶媒和効果を増大させ
る、いわゆる膨潤剤として、ZnCl2の無機塩、ア
ルコール等の有機物がある。その他膨潤剤として
ポリエチレングリコール(PEG)がある。 変性剤としてのPEGは、水溶性であり製膜後
容易に抽出除去できるため取扱い性が良い、各種
の分子量を有したものがあるため種類を選択する
ことにより透過性能をコントロールしうる、ポリ
マーの溶媒に対する溶解度が大であるため高分子
量物であるにもかかわらず比較的添加量を大にす
ることができる、高分子量物であるため原液粘度
を増大させる性質を有している等の多くの利点を
有している。 このうち、原液への添加量を増加することは透
過性能、特に透水性を増大することができ有効で
ある。また原液の粘度に関して、通常透水性はポ
リマー濃度が小の程大となり有利であるが、ポリ
マー濃度が小であると原液粘度が小となり、粘度
が低すぎる場合製膜安定性が劣る場合がある。た
とえば中空繊維の場合、ある粘度以上でなければ
紡糸が困難となること等から、PEG添加による
増粘効果は有利である。 上記のように、PEGは添加剤として優れてお
り、PEGを用いたポリスルホン膜の製法につい
ても特開昭50−89475や54−26283がすでに知られ
ている。 ところで一般に変性剤であるPEGを添加して
製膜する技術において、第1に重要な点は製膜性
にすぐれた原液を調製することである。 透水性等の膜性能を向上させるためには添加量
を多くすることが望ましい。しかしながらPEG
はポリスルホンに対しては非溶媒として働くた
め、原液に必要なポリスルホンの濃度を確保した
上で添加できるPEGの量には自ら限界が生じる
ことになる。PEGの添加量は上述のポリスルホ
ンの濃度の他、PEGの分子量等の各種の因子に
依存し、ポリスルホン濃度やPEGの分子量が大
きいほど、添加量は少なくなる。 従来の技術においては、上述のような条件の範
囲内で、良好な原液として均一で実質的に透明な
溶液を調製して用いていた。 例えば特開昭50−89475の実施例6では、ポリ
スルホン12%の原液においてPEGはポリスルホ
ンと等量、即ち100重量%添加されている。又特
開昭54−26283ではポリスルホン濃度30%までに
おいて、PEGをポリスルホンに対し300重量%ま
での量を添加することが示されている。 しかしながら、該技術においても、原液はポリ
スルホンが析出しない程度で使用されなければな
らないと明示されており、均一で透明な溶液を原
液とする従来技術の範囲内にあることが明らかで
ある。従つてポリスルホンの濃度が10%程度の低
濃度では100%以上のPEG添加も可能であるが、
ポリスルホンの濃度が高くなれば、PEGの添加
量はそれ以下に低下せざるを得ないのである。 本発明者らは、従来技術の限界を打破し、より
多くのPEGを添加し、一層の膜性能の改善を目
的として、種々検討した結果、今まで全く考えら
れなかつた現象を見い出し、該事実に基づいた新
規なポリスルホン中空繊維膜の製法を発明した。 すなわち本発明のポリスルホン中空繊維膜はポ
リスルホン、PEGおよびこれらの共通溶媒とか
らなる紡糸原液を環状ノズルから押出して中空繊
維を製造するに際し、〔1〕ポリスルホンとPEG
をこれらの共通溶媒に溶解するに際し、該溶液を
100℃にした場合に相分離現象を示す量のPEGを
添加して、調製した紡糸原液を用いること、およ
び〔2〕乾湿式紡糸することによつて製造するこ
とができる。 本発明者らは、まず100℃のポリスルホン溶液
にPEGを加えてゆくと、均一溶液の領域から、
PEGおよび/またはポリスルホンの相分離が生
ずることを認めた。従来技術では、相分離領域の
スラリーは、製膜原液としては全く使用できない
ものとされていた。本発明者らも、ミクロ相分離
したスラリーは、そのまゝでは原液に使えないこ
とを確認した。 しかしながら驚くべきことに、該相分離領域の
スラリーを、冷却等により調整すると、均一でか
つ透明な溶液に変化し、この溶液は製膜原液とし
て極めて良好に使用できることを見い出した。溶
解度を向上させるためには、通常は温度を上げる
べきであるが、本現象では、逆に冷却することに
より均一溶液となるのであり、かゝる事実は、全
く予想できないことであつた。本発明により、従
来の添加量の限界を超えた量のPEGを含む原液
を製膜することが可能となり、その結果得られる
膜の性能も格段に改善されたものとなつた。 本発明において相分離現象を示す量とはPEG
を100℃のポリスルホンと溶媒の混合液に添加し
ていつた時、ポリスルホンおよび/またはPEG
が相分離をおこし不均一白濁スラリーとなるが、
該スラリーを後述する冷却攪拌により均一または
ほぼ均一溶液としうる程度の量をいう。冷却攪拌
しても均一溶液としえない程度の量は本発明にお
いては除外される。このような均一溶液としえな
い程度のPEGを添加して得た紡糸原液からは安
定に製膜することができず、さらに得られた膜は
たとえばマクロボイドを含有する不均一なものと
なり、本発明の目的とする膜とはならない。 PEGの最大添加量はポリスルホン濃度、PEG
分子量、溶媒の種類等に依存し、一般にはポリス
ルホン濃度大、PEG分子量大なる程最大添加量
は小となる。 この相分離現象を示すPEGの添加量とは具体
的にはポリスルホンに対し80〜250重量%、好ま
しくは120〜200重量%である。またPEGは分子
量400〜20000、好ましくは600〜2000のものが用
いられる。400未満のものは添加量の増大に見あ
うほどの膜の透過性能の向上が得難く、一方
20000を越えるものは添加量を大とすることがで
きず、十分な透過性能を与えず好ましくない。 ポリスルホン、PEGおよびこれらの共通溶媒
の混合物をポリスルホンとPEGの溶媒に対する
溶解速度を考慮して、通常80℃〜130℃さらには
100℃〜130℃で加熱攪拌すると白濁した相分離ス
ラリーとなる。 そしてこのようにして得られたポリスルホン、
PEGおよびこれらの共通溶媒の相分離スラリー
を調製して紡糸原液とする。ここで調製とは冷却
攪拌等により相分離スラリーを均一透明な、また
はほぼ均一透明な溶液とすることである。またこ
こで冷却温度は主にPEGの添加量および種類等
に依存するが、通常60〜0℃、好ましくは10〜40
℃である。 このように本発明においては相分離現象を示す
量のPEGをポリスルホンおよび溶媒の混合液に
添加し、80〜130℃で加熱攪拌し、白濁相分離ス
ラリーとし、次いで0〜60℃に冷却攪拌して紡糸
原液とするのがもつとも短時間で紡糸原液を調製
できる効率のよい方法であるが、その他の方法、
たとえば100℃において相分離現象を示す量の多
量のPEGをポリスルホンおよび溶媒の混合液に
添加し、低温下で、たとえば0〜60℃下で長時間
攪拌することによつても均一、またはほぼ均一な
紡糸原液を得ることもできる。 本発明のポリスルホン中空繊維膜の製法におい
て、紡糸原液中のポリスルホン濃度は12〜30重量
%、好ましくは15〜22重量%である。12重量%未
満では得られた膜の強度が十分でなく、一方30重
量%を越えるとポリマー濃度が大のため、および
PEGの添加量を大とすることができないため、
十分な透過性能を有する膜が得られず好ましくな
い。 ポリスルホンとPEGの共通溶媒は、ポリスル
ホンおよびPEGを溶解し、かつポリスルホンに
対し凝固能を有する凝固液に対し相溶性のあるも
の、たとえば、N,N′−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等の極性有機溶媒があげら
れる。このうちN,N′−ジメチルホルムアミド
(DMF)が最良である。 このようにして得られた紡糸原液は冷却された
まま、あるいは相分離しない程度に加熱して、環
状ノズルを通して乾湿式紡糸しなければならな
い。通常用いられている湿式紡糸法では外表面に
所望の孔が形成されず、本発明の中空繊維を得る
ことができない。ここにいう乾湿式紡糸とは紡糸
原液を一旦気体(大ていの場合空気)に押し出
し、次いで凝固液中に導入する方式、すなわち、
ノズルが凝固液に浸漬されていない方式をいう。
ノズル吐出面と凝固液表面の距離すなわち気中走
行距離をドライゾーン長と定義すると、ドライゾ
ーン長は0.1〜200cmがよい。0.1cmより短いとわ
ずかな凝固液の波立ちでもノズルが凝固液に浸漬
されてしまうので実質的に乾湿式紡糸することは
できない。200cmを越えると糸揺れが大きく正常
な紡糸ができない。より好適なドライゾーン長は
0.5〜50cmで、1〜30cmが紡糸性の膜性能のバラ
ンス上最もよい。従来中空繊維膜の細径化と紡糸
速度向上の目的で乾湿式紡糸をしたり、ドライゾ
ーン中で溶媒を蒸発させて表面にスキン層を得る
目的で乾湿式紡糸する場合が多いが、本発明の場
合には、表面にスキン層を作らせるのではなく、
むしろ逆に微孔を形成させるものであり、ドライ
ゾーン中に存在する微量の水分により緩徐な凝固
を生起せしめる。従つて従来の乾湿式紡糸の目的
および作用効果とは明らかに異なつている。本発
明の乾湿式紡糸の結果はドライゾーン長が0.1cm
と非常に短くてもドライゾーン長0cmの湿式紡糸
とは明確な違いを示す点でも特徴的である。この
ドライゾーン長やドライゾーンの雰囲気により外
表面の孔径を制御しうる。凝固液はポリスルホン
とPEGの共通溶媒に混和性があり、かつポリス
ルホンの非溶媒であれば特に限定はない。一般に
は水あるいは溶媒(好ましくはジメチルホルムア
ミド)と水の混合液が使用される。さらに界面活
性剤などを添加すると好都合な場合がある。環状
ノズルのニードルに流す内部凝固流体は凝固性液
体、非相溶性液体、気体(空気、窒素)など特に
限定はないが、水などの凝固性液体がよい。その
中でも中空繊維膜内表面にスリツト状微細隙を形
成させるためには溶媒と水の混合液、溶媒/水の
重量比が0/100〜85/15の凝固性液体が優れて
いる。溶媒/水の比率が0/100〜80/20であれ
ば紡糸性と膜性能のバランスの上で最適である。 凝固後、溶媒およびPEGを除去するために洗
浄が行なわれる。 また必要に応じPEGの除去と耐圧性の向上の
ために水を主成分とした浴中で湿熱処理を行なう
ことができる。通常湿潤膜を乾燥すると透水性が
低下するが、湿熱処理により乾燥後も透水性を保
持できる場合があり有効である。 次に本発明のポリスルホン中空繊維膜を用いた
使用方法について述べる。 本発明の中空繊維膜はとくに外圧全過方式に
おいて優れた過性能を示す。たとえば水道水を
本発明の中空繊維膜により注意深く外圧全過す
ると、いかなる微生物も除去することができ、か
つ微生物の分泌物といわれるパイロジエン物質を
も完全に除去することができ、パイロジエンフリ
ー水が容易に得られる。しかも透過速度は従来の
パイロジエンをカツトしうる膜に比べると非常に
高い傾向がある。このように外圧全過方式とい
う簡単なシステムでパイロジエン除去と高透過速
度が同時に得られるのは、本発明の中空繊維膜は
外表面に比較的大きい微孔を有し、内部構造が均
一なスポンジ状で、内表面に緻密なスリツト状構
造のスキン層を有するため、外表面にてサブミク
ロンオーダー以上の粒子が捕捉され、膜内部又は
内表面にてサブミクロン以下の溶解ポリマーを含
む物質が捕捉される。すなわち外表面及び内部構
造プレフイルターの役割を果すため、従来の中空
繊維膜にて得られる透過速度よりはるかに高い値
が得られる。また本発明の中空繊維膜は内表面に
緻密なスリツト状構造のスキン層を有しており、
通常の限外過用中空繊維膜と同じように内圧循
環方式の過にも有効である。たとえばポリマー
を濃縮回収したり、排水中のCOD成分を除去す
ることができるし、また医療用分野とくに体液た
とえば血液、血漿、腹水などの過あるいは濃縮
膜にも使用しうる。 以下実施例により本発明をさらに説明する。 実施例 1 ポリスルホン(UCC製 Udel P−1700)20重
量部、分子量600のポリエチレングリコール(三
洋化成製PEG#600)36重量部(PEG#600の添
加量180重量%/ポリスルホン)およびDMF44重
量部を120℃で加熱攪拌して白濁相分離したスラ
リー状原液を得た。該原液を25℃に冷却しながら
攪拌することにより均一透明な原液を得た。 25℃にて一夜静置脱泡した紡糸原液を6ホール
の環状ノズルを用い、内部凝固液としてDMF/
水が重量比で80/20の混合液を注入しながら、乾
湿式紡糸を行つた。この際紡糸時の原液温度は25
℃、ドライゾーン長は10cm、ドライゾーンの雰囲
気は25℃、相対湿度60%であり、外部凝固液は20
℃の水とした。次いで水洗し、1.2mの平枠に捲
いた後100℃の熱水中に2時間浸漬してポリエチ
レングリコールを除去するとともに熱処理を行つ
た。 得られた中空繊維膜は外径750μ、内径500μで
あり、表面及び断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察した結果、外表面には平均0.3μの微孔が35
%の開孔率で存在し、内表面は平均巾0.04μのス
リツト状微細隙構造であり、内外表面および内部
には10μ以上の巨大空洞は全く存在せず、内部は
ほぼ均一網目状のスポンジ構造をとつていること
がわかつた。また25℃の純水の透水速度KAは
1000/m2・hr・Kg/cm2と優れていた。また0.1
%の牛血清γグロブリンの排除率は99%以上であ
り、分子量120万の標準ポリエチレンオキサイド
(東洋ソーダ製SE−150)の0.1%水溶液の排除率
も99%以上であつた。また100℃での1Kg/cm2と
4Kg/cm2での外圧透水性測定による圧密化指数α
は0.15と小さく良好であつた。 実施例 2 内部凝固液として水単独を用いる以外は実施例
1と同じ条件で中空繊維膜を得た。 得られた中空繊維膜の表面および断面をSEM
で観察した結果、外表面には平均0.18μの微孔が
25%の開孔率でほぼ網目状に存在し、内表面は平
均巾100Åのスリツト状微細隙構造であり、内外
表面および内部には10μ以上のボイドが存在せ
ず、スポンジ構造であることを認めた。またKA
は730/m2・hr・Kg/cm2と優れていた。また牛
血清γグロブリンや分子量120万の標準ポリエチ
レンオキサイドの排除率は98%以上であつた。さ
らにパイロジエンのモデル物質であるエンドトキ
シンE Coli 0127 B8(Difco Labo製)を3.5
mg/溶解した水を外圧全過方式で過した
後、その水は初流はもちろん100/m2過後
もリムラステストはマイナスであり、本中空繊維
膜はパイロジエンを完全に阻止する膜であつた。
また圧密化指数αは0.10と小さく、耐圧、耐熱性
の優れたものであつた。 比較例 1 内部凝固液としてDMF/水が重量比で90/10
の混合液を用いる以外は実施例1と同じ条件で中
空繊維膜を得た。但し、ドライゾーン長は10cmで
は紡糸調子が不安定であつたので1cmとした。 得られた中空繊維膜の表面および断面をSEM
で観察した結果、外表面には平均0.3μの孔が30%
の開孔率で存在し、実施例1、2とあまり変わら
なかつたが、内表面は2μオーダーの凹凸あるい
は微孔が存在し、スリツト状微細隙構造ではなか
つた。内外表面および内部は10μ以上のボイドの
ないスポンジ構造であつた。SEMによる写真を
第1図に示す。またKAは1350/m2・hr・Kg/
cm2と優れていたが、牛血清γ−グロブリンの阻止
率は5%ときわめて低いものであつた。またエン
ドトキシンE Coli 0127 B8の水溶液を過し
た水は、リムラステストでダブルプラスであ
り、パイロジエンを阻止しない膜であつた。 比較例 2 ドライゾーン長を0cm(すなわち湿式紡糸)と
する以外は全て実施例2と同じ条件で中空繊維膜
を得た。 得られた中空繊維膜の外表面をSEMで観察し
た結果、0.1μ以上の微孔は認められなかつた。
SEMによる写真を第2図に示す。この中空繊維
膜のKAは150/m2・hr・Kg/cm2と低いものであ
つた。 実施例 3 ポリスルホン(UCC製 Udel P−1700)4.0
Kg、分子量600のポリエチレングリコール(三洋
化成製PEG#600)6.8Kg(PEG#600の添加量170
重量%/ポリスルホン)、およびDMF9.2Kgを120
℃で450rpmの回転速度で6時間加熱攪拌し、白
濁相分離したスラリー状原液を得た。該原液を攪
拌しながら20℃に冷却すると均一透明原液を得
た。この原液を再び徐々に昇温すると35℃付近の
狭い温度範囲で鋭く白濁した。20℃に冷却すると
再び完全に透明となり、可逆性があることを認め
た。 この原液を20℃で一夜静置し、透明原液を18ホ
ールの環状ノズルを用い、乾湿式紡糸を行つた。
この際紡糸タンクからノズルに至る原液配管のジ
ヤケツト温度を34℃として紡糸原液がノズルより
吐出されるまでに原液が白濁相分離する直前の状
態となるようコントロールした。またドライゾー
ン長は10cmとし、ドライゾーンの雰囲気は25℃、
相対湿度50%となるよう空気を5Nl/min送風し
た。また外部凝固液および内部凝固液ともに20℃
の水とした。次いで水洗と熱水洗を行つた後、枠
に捲き取り、枠巻状でさらに95℃の熱水中に1時
間浸漬した。 得られた中空繊維膜は外径700μ、内径450μで
あり、表面及び断面をSEMで観察した結果、外
表面には平均0.2μの孔が38%の開孔率で存在し、
内表面は平均巾100Åのスリツト状微細隙構造で
あり、内外表面および内部は10μ以上のボイドは
全く存在しないスポンジ構造をとつていることが
わかつた。SEMによる写真を第3〜第6図に示
す。またKAは770/m2・hr・Kg/cm2と優れてい
た。また牛血清γ−グロブリンおよび分子量120
万の標準ポリエチレンオキサイドの排除率は99%
以上であつた。また100℃熱水中での圧密化指数
αは0.12と優れていた。 また得られた中空繊維膜をウレタンにより遠心
接着して有効長26cm、膜面積0.8m2の片端開孔タ
イプの小型モジユール(全長33cm、筒径4cmφ)
を作製した。このモジユール及び水側塩ビホー
スを3%過酸化水素水に一夜浸透し、殺菌とパイ
ロジエン分解を行つた後、倉敷市の水道水の蛇口
に接続し、外圧全過方式で水道水を何ら前処理
することなく、直接過した。過圧は1Kg/cm2
で52日間連続過した。過開始1時間、1日、
3日、7日、14日、21日、32日、49日後に各々
水をとり、リムラステストを行つた所で全てマイ
ナスであつた。なお参考のために水道水そのまま
をリムラステストを行つた所、全てダブルプラス
であつた。従つて本発明中空繊維膜により容易に
パイロジエンフリー水が得られることがわかつ
た。またこの際の水の過速度は平均2.8/
min・モジユールat25℃であつた。きわめて小型
なモジユールで、前処理もなく、ポンプその他の
システムも一切不要の簡単な方法で、しかもかな
りの量のパイロジエンフリー水を連続的に得るこ
とが出来た。水道水を微多孔ポリビニルアルコー
ル系中空繊維膜(クラレ製SF−301膜)で過
後、本発明の中空繊維膜モジユールにより過す
ると本発明中空繊維膜モジユールの過速度はさ
らに大きくなり、もちろんパイロジエンフリーで
あつた。 実施例 4 ポリスルホン(UCC製 Udel P−3500)20重
量部、分子量1000のポリエチレングリコール(三
洋化成製PEG#1000)36重量部(PEG#1000の
添加量180重量%/ポリスルホン)及びDMF44重
量部を25℃で24時間攪拌して均一透明原液を得
た。脱泡後実施例2と同様にして、中空繊維膜を
得た。 得られた中空繊維膜の表面および断面をSEM
で観察した結果、外表面には平均0.3μの孔が35%
の開孔率で存在し、内表面は平均巾200Åのスリ
ツト状微細隙構造であり、断面は10μ以上のボイ
ドが全く存在せず、スポンジ構造となつているこ
とがわかつた。またKAは880/m2・hr・Kg/
cm2、牛血清γ−グロブリンの阻止率は97%で良好
であつた。 実施例 5 ドライゾーン長10cmとしドライゾーンの雰囲気
は40℃、相対湿度95%となる様調湿空気を10/
分送風した以外は実施例3と同じ条件で外型
780μ、内径450μの中空繊維膜を得た。得られた
中空繊維膜の表面及び断面をSEMで観察した結
果、外表面には平均0.35μの微孔が48%の開口率
でほぼ網目状に存在し、内表面は平均巾100Åの
スリツト状、微細隙構造であり、内外表面及び膜
壁内部は10μ以上のボイドは全く存在しないスポ
ンジ構造をとつていることがわかつた。この中空
糸膜のKAは740/m2・hr・Kg/cm2と優れてい
た。また、牛血清γ−グロブリン(IgG)及び分
子量120万の標準ポリエチレンオキサイドの排除
率は99%以上であつた。また、エンドトキシンE
Coli 0127 B8(Difco Labo製)を3.5mg/溶
解した水を外圧全過方式で過した水のパイ
ロジエンをリムラステストでチエツクした結果
0.02ng/ml以下であり、パイロジエンは完全に
阻止されていることを認めた。また、圧密化指数
αは0.11と小さく、耐圧、耐熱性の優れたもので
あつた。
も使い易い。 さらに本発明のポリスルホン中空繊維膜は前述
のような構造を有するとともに、透水率か700〜
6000/m2・hr・Kg/cm2を示すものである。 本発明のポリスルホン中空繊維膜の内径は250
〜1500μ、外径は350〜3000μ、好ましくは内径が
300〜1000μ、外径が400〜2000μ、さらに好まし
くは内径が350〜700μ、外径が500〜1200μである
と、膜面積あたりの透水速度及び耐圧性が優れ、
さらにその他の膜性能のバランスも向上する。 本発明にいう透水速度は中空繊維の膜面積あた
りの透水速度KAをいい、次の方法で測定する。
透水速度KAの測定方法; (i) 中空繊維膜束;中空繊維長20cm、外径基準の
膜面積200cm2の新品の中空繊維膜束。 (ii) 過;温度25℃の純水を外圧全過方式によ
り、圧力1Kg/cm2で過した時の透水速度
(/m2・hr・Kg/cm2)KAを測定する。 本発明のポリスルホン中空繊維膜の透水速度
KAは700〜6000/m2・hr・Kg/cm2である。 なおKAが6000/m2・hr・Kg/cm2以上の中空
繊維膜は現状技術においては後述する排除率Rが
小さいものしか得られないので実際的でない。 また本発明のポリスルホン中空繊維膜は80Å以
上の物質を実質的に透過させないものである。こ
こで80Å以上の物質を実質的に透過させないとは
平均粒径が80Åのコロイダルシリカの排除率Rを
次の条件で測定し、Rが95%以上のものをいう。 排除率の測定方法 (i) 中空繊維膜束;中空糸長20cm、外径基準の膜
面積200cm2の中空繊維膜束を作製し使用。 (ii) 測定液;平均粒径80Åのコロイダルシリカ1
%液{日産化学工業株式会社製スノーテツクス
−S(コロイダルシリカで最小粒径のもの)を
蒸留水にて稀釈}。 (iii) 過条件;外圧全過方式、過圧0.5Kg/
cm2、温度25℃。なお中空繊維膜束は使用前によ
く水をきり、かつ中空糸膜壁内もコロイダルシ
リカ液に置換後、加圧し、過を開始する。 (iv) サンプリング;加圧直前の測定原液及び加圧
後の液の初流より10c.c.毎に5回サンプリング
する。得られた6コのサンプルを100℃×16hr
乾燥し、固型分濃度を測定する。 (v) 排除率Rの算出;測定原液の固型分濃度CD
と5個の液中で最も高い固型分濃度CFmax
より次式によりRを求める。 R=(1−CFmax/CD)×100 なお本測定法の如く、コロイド液を用いると粒
子以外の溶解物質を含有している可能性があり、
Rを重量法で求めるため、Rが97%と出ても、80
Åの粒子が3%透過していることを意味しておら
ず、Rが95%以上であれば80Å以上の粒子は全く
透過していないと考えてよい。 このような排除率を有するポリスルホン中空繊
維膜は分子量16万の球状蛋白質である牛血清γ−
グロブリンを実質的に阻止するようにもできる
し、さらにいかなるバクテリアやウイルスも完全
に阻止することはもちろん、細菌の分泌物で発熱
性の原因物質(パイロジエン)といわれているリ
ポポリサツカライドも完全に阻止することもでき
る。また電気的に中性の線状ポリマーで分子量が
120万の単分散標準ポリエチレンオキサイド(東
洋曹達株式会社製の「SE−150」)を阻止するよ
うにすることもできる。 次に本発明のポリスルホン中空繊維膜は圧密化
指数0.2以下であることも大きな特徴のひとつで
ある。ここで圧密化指数αとは次式で表わされ
る。 α=1−KA4/KA1 KA1:100℃の熱水を外圧方式により過圧1
Kg/cm2で過した時の透水速度(/m2・
hr・Kg/cm2) KA4:100℃の熱水を外圧方式により過圧4
Kg/cm2で過した時の透水速度(/m2・
hr・Kg/cm2) この圧密化指数αが0.2以下、すなわち0〜0.2
を示すということは耐圧性、とくに高温時の耐圧
性が優れ、さらに過速度の経時低下の少ないこ
とを意味している。したがつて、αが0.2より大
きいものは好ましくない。 通常過は100℃で実施されることは稀で、10
〜60℃が通常の過温度であり、従つて100℃で
のαの値は工業的意義が乏しいとも考えられる。
しかし10〜60℃では短期的には圧密化しないもの
で長期的に使用すると、徐々に圧密化し過速度
が低下するものと、ほとんど圧密化せず過速度
が低下しないものもある。この違いを短時間に判
断する評価パラメーターとして100℃の熱水での
αの値が有用である。 以上のとおり本発明のポリスルホン中空繊維膜
は分画性(膜を透過する最大のサイズ)がいわゆ
る限外過オーダーと小さいにもかかわらず、透
水速度が大きく、かつ耐圧性、耐熱性も大きいと
いう優れた性能を有する。 次に本発明のポリスルホン中空繊維膜の製法に
ついて述べる。 従来より膜の透過性能を改善するために製膜原
液に変性剤を添加する方法が行なわれており、ポ
リマーと溶媒の種類により各種のものが報告され
ている。例えば、原液の溶媒和効果を増大させ
る、いわゆる膨潤剤として、ZnCl2の無機塩、ア
ルコール等の有機物がある。その他膨潤剤として
ポリエチレングリコール(PEG)がある。 変性剤としてのPEGは、水溶性であり製膜後
容易に抽出除去できるため取扱い性が良い、各種
の分子量を有したものがあるため種類を選択する
ことにより透過性能をコントロールしうる、ポリ
マーの溶媒に対する溶解度が大であるため高分子
量物であるにもかかわらず比較的添加量を大にす
ることができる、高分子量物であるため原液粘度
を増大させる性質を有している等の多くの利点を
有している。 このうち、原液への添加量を増加することは透
過性能、特に透水性を増大することができ有効で
ある。また原液の粘度に関して、通常透水性はポ
リマー濃度が小の程大となり有利であるが、ポリ
マー濃度が小であると原液粘度が小となり、粘度
が低すぎる場合製膜安定性が劣る場合がある。た
とえば中空繊維の場合、ある粘度以上でなければ
紡糸が困難となること等から、PEG添加による
増粘効果は有利である。 上記のように、PEGは添加剤として優れてお
り、PEGを用いたポリスルホン膜の製法につい
ても特開昭50−89475や54−26283がすでに知られ
ている。 ところで一般に変性剤であるPEGを添加して
製膜する技術において、第1に重要な点は製膜性
にすぐれた原液を調製することである。 透水性等の膜性能を向上させるためには添加量
を多くすることが望ましい。しかしながらPEG
はポリスルホンに対しては非溶媒として働くた
め、原液に必要なポリスルホンの濃度を確保した
上で添加できるPEGの量には自ら限界が生じる
ことになる。PEGの添加量は上述のポリスルホ
ンの濃度の他、PEGの分子量等の各種の因子に
依存し、ポリスルホン濃度やPEGの分子量が大
きいほど、添加量は少なくなる。 従来の技術においては、上述のような条件の範
囲内で、良好な原液として均一で実質的に透明な
溶液を調製して用いていた。 例えば特開昭50−89475の実施例6では、ポリ
スルホン12%の原液においてPEGはポリスルホ
ンと等量、即ち100重量%添加されている。又特
開昭54−26283ではポリスルホン濃度30%までに
おいて、PEGをポリスルホンに対し300重量%ま
での量を添加することが示されている。 しかしながら、該技術においても、原液はポリ
スルホンが析出しない程度で使用されなければな
らないと明示されており、均一で透明な溶液を原
液とする従来技術の範囲内にあることが明らかで
ある。従つてポリスルホンの濃度が10%程度の低
濃度では100%以上のPEG添加も可能であるが、
ポリスルホンの濃度が高くなれば、PEGの添加
量はそれ以下に低下せざるを得ないのである。 本発明者らは、従来技術の限界を打破し、より
多くのPEGを添加し、一層の膜性能の改善を目
的として、種々検討した結果、今まで全く考えら
れなかつた現象を見い出し、該事実に基づいた新
規なポリスルホン中空繊維膜の製法を発明した。 すなわち本発明のポリスルホン中空繊維膜はポ
リスルホン、PEGおよびこれらの共通溶媒とか
らなる紡糸原液を環状ノズルから押出して中空繊
維を製造するに際し、〔1〕ポリスルホンとPEG
をこれらの共通溶媒に溶解するに際し、該溶液を
100℃にした場合に相分離現象を示す量のPEGを
添加して、調製した紡糸原液を用いること、およ
び〔2〕乾湿式紡糸することによつて製造するこ
とができる。 本発明者らは、まず100℃のポリスルホン溶液
にPEGを加えてゆくと、均一溶液の領域から、
PEGおよび/またはポリスルホンの相分離が生
ずることを認めた。従来技術では、相分離領域の
スラリーは、製膜原液としては全く使用できない
ものとされていた。本発明者らも、ミクロ相分離
したスラリーは、そのまゝでは原液に使えないこ
とを確認した。 しかしながら驚くべきことに、該相分離領域の
スラリーを、冷却等により調整すると、均一でか
つ透明な溶液に変化し、この溶液は製膜原液とし
て極めて良好に使用できることを見い出した。溶
解度を向上させるためには、通常は温度を上げる
べきであるが、本現象では、逆に冷却することに
より均一溶液となるのであり、かゝる事実は、全
く予想できないことであつた。本発明により、従
来の添加量の限界を超えた量のPEGを含む原液
を製膜することが可能となり、その結果得られる
膜の性能も格段に改善されたものとなつた。 本発明において相分離現象を示す量とはPEG
を100℃のポリスルホンと溶媒の混合液に添加し
ていつた時、ポリスルホンおよび/またはPEG
が相分離をおこし不均一白濁スラリーとなるが、
該スラリーを後述する冷却攪拌により均一または
ほぼ均一溶液としうる程度の量をいう。冷却攪拌
しても均一溶液としえない程度の量は本発明にお
いては除外される。このような均一溶液としえな
い程度のPEGを添加して得た紡糸原液からは安
定に製膜することができず、さらに得られた膜は
たとえばマクロボイドを含有する不均一なものと
なり、本発明の目的とする膜とはならない。 PEGの最大添加量はポリスルホン濃度、PEG
分子量、溶媒の種類等に依存し、一般にはポリス
ルホン濃度大、PEG分子量大なる程最大添加量
は小となる。 この相分離現象を示すPEGの添加量とは具体
的にはポリスルホンに対し80〜250重量%、好ま
しくは120〜200重量%である。またPEGは分子
量400〜20000、好ましくは600〜2000のものが用
いられる。400未満のものは添加量の増大に見あ
うほどの膜の透過性能の向上が得難く、一方
20000を越えるものは添加量を大とすることがで
きず、十分な透過性能を与えず好ましくない。 ポリスルホン、PEGおよびこれらの共通溶媒
の混合物をポリスルホンとPEGの溶媒に対する
溶解速度を考慮して、通常80℃〜130℃さらには
100℃〜130℃で加熱攪拌すると白濁した相分離ス
ラリーとなる。 そしてこのようにして得られたポリスルホン、
PEGおよびこれらの共通溶媒の相分離スラリー
を調製して紡糸原液とする。ここで調製とは冷却
攪拌等により相分離スラリーを均一透明な、また
はほぼ均一透明な溶液とすることである。またこ
こで冷却温度は主にPEGの添加量および種類等
に依存するが、通常60〜0℃、好ましくは10〜40
℃である。 このように本発明においては相分離現象を示す
量のPEGをポリスルホンおよび溶媒の混合液に
添加し、80〜130℃で加熱攪拌し、白濁相分離ス
ラリーとし、次いで0〜60℃に冷却攪拌して紡糸
原液とするのがもつとも短時間で紡糸原液を調製
できる効率のよい方法であるが、その他の方法、
たとえば100℃において相分離現象を示す量の多
量のPEGをポリスルホンおよび溶媒の混合液に
添加し、低温下で、たとえば0〜60℃下で長時間
攪拌することによつても均一、またはほぼ均一な
紡糸原液を得ることもできる。 本発明のポリスルホン中空繊維膜の製法におい
て、紡糸原液中のポリスルホン濃度は12〜30重量
%、好ましくは15〜22重量%である。12重量%未
満では得られた膜の強度が十分でなく、一方30重
量%を越えるとポリマー濃度が大のため、および
PEGの添加量を大とすることができないため、
十分な透過性能を有する膜が得られず好ましくな
い。 ポリスルホンとPEGの共通溶媒は、ポリスル
ホンおよびPEGを溶解し、かつポリスルホンに
対し凝固能を有する凝固液に対し相溶性のあるも
の、たとえば、N,N′−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等の極性有機溶媒があげら
れる。このうちN,N′−ジメチルホルムアミド
(DMF)が最良である。 このようにして得られた紡糸原液は冷却された
まま、あるいは相分離しない程度に加熱して、環
状ノズルを通して乾湿式紡糸しなければならな
い。通常用いられている湿式紡糸法では外表面に
所望の孔が形成されず、本発明の中空繊維を得る
ことができない。ここにいう乾湿式紡糸とは紡糸
原液を一旦気体(大ていの場合空気)に押し出
し、次いで凝固液中に導入する方式、すなわち、
ノズルが凝固液に浸漬されていない方式をいう。
ノズル吐出面と凝固液表面の距離すなわち気中走
行距離をドライゾーン長と定義すると、ドライゾ
ーン長は0.1〜200cmがよい。0.1cmより短いとわ
ずかな凝固液の波立ちでもノズルが凝固液に浸漬
されてしまうので実質的に乾湿式紡糸することは
できない。200cmを越えると糸揺れが大きく正常
な紡糸ができない。より好適なドライゾーン長は
0.5〜50cmで、1〜30cmが紡糸性の膜性能のバラ
ンス上最もよい。従来中空繊維膜の細径化と紡糸
速度向上の目的で乾湿式紡糸をしたり、ドライゾ
ーン中で溶媒を蒸発させて表面にスキン層を得る
目的で乾湿式紡糸する場合が多いが、本発明の場
合には、表面にスキン層を作らせるのではなく、
むしろ逆に微孔を形成させるものであり、ドライ
ゾーン中に存在する微量の水分により緩徐な凝固
を生起せしめる。従つて従来の乾湿式紡糸の目的
および作用効果とは明らかに異なつている。本発
明の乾湿式紡糸の結果はドライゾーン長が0.1cm
と非常に短くてもドライゾーン長0cmの湿式紡糸
とは明確な違いを示す点でも特徴的である。この
ドライゾーン長やドライゾーンの雰囲気により外
表面の孔径を制御しうる。凝固液はポリスルホン
とPEGの共通溶媒に混和性があり、かつポリス
ルホンの非溶媒であれば特に限定はない。一般に
は水あるいは溶媒(好ましくはジメチルホルムア
ミド)と水の混合液が使用される。さらに界面活
性剤などを添加すると好都合な場合がある。環状
ノズルのニードルに流す内部凝固流体は凝固性液
体、非相溶性液体、気体(空気、窒素)など特に
限定はないが、水などの凝固性液体がよい。その
中でも中空繊維膜内表面にスリツト状微細隙を形
成させるためには溶媒と水の混合液、溶媒/水の
重量比が0/100〜85/15の凝固性液体が優れて
いる。溶媒/水の比率が0/100〜80/20であれ
ば紡糸性と膜性能のバランスの上で最適である。 凝固後、溶媒およびPEGを除去するために洗
浄が行なわれる。 また必要に応じPEGの除去と耐圧性の向上の
ために水を主成分とした浴中で湿熱処理を行なう
ことができる。通常湿潤膜を乾燥すると透水性が
低下するが、湿熱処理により乾燥後も透水性を保
持できる場合があり有効である。 次に本発明のポリスルホン中空繊維膜を用いた
使用方法について述べる。 本発明の中空繊維膜はとくに外圧全過方式に
おいて優れた過性能を示す。たとえば水道水を
本発明の中空繊維膜により注意深く外圧全過す
ると、いかなる微生物も除去することができ、か
つ微生物の分泌物といわれるパイロジエン物質を
も完全に除去することができ、パイロジエンフリ
ー水が容易に得られる。しかも透過速度は従来の
パイロジエンをカツトしうる膜に比べると非常に
高い傾向がある。このように外圧全過方式とい
う簡単なシステムでパイロジエン除去と高透過速
度が同時に得られるのは、本発明の中空繊維膜は
外表面に比較的大きい微孔を有し、内部構造が均
一なスポンジ状で、内表面に緻密なスリツト状構
造のスキン層を有するため、外表面にてサブミク
ロンオーダー以上の粒子が捕捉され、膜内部又は
内表面にてサブミクロン以下の溶解ポリマーを含
む物質が捕捉される。すなわち外表面及び内部構
造プレフイルターの役割を果すため、従来の中空
繊維膜にて得られる透過速度よりはるかに高い値
が得られる。また本発明の中空繊維膜は内表面に
緻密なスリツト状構造のスキン層を有しており、
通常の限外過用中空繊維膜と同じように内圧循
環方式の過にも有効である。たとえばポリマー
を濃縮回収したり、排水中のCOD成分を除去す
ることができるし、また医療用分野とくに体液た
とえば血液、血漿、腹水などの過あるいは濃縮
膜にも使用しうる。 以下実施例により本発明をさらに説明する。 実施例 1 ポリスルホン(UCC製 Udel P−1700)20重
量部、分子量600のポリエチレングリコール(三
洋化成製PEG#600)36重量部(PEG#600の添
加量180重量%/ポリスルホン)およびDMF44重
量部を120℃で加熱攪拌して白濁相分離したスラ
リー状原液を得た。該原液を25℃に冷却しながら
攪拌することにより均一透明な原液を得た。 25℃にて一夜静置脱泡した紡糸原液を6ホール
の環状ノズルを用い、内部凝固液としてDMF/
水が重量比で80/20の混合液を注入しながら、乾
湿式紡糸を行つた。この際紡糸時の原液温度は25
℃、ドライゾーン長は10cm、ドライゾーンの雰囲
気は25℃、相対湿度60%であり、外部凝固液は20
℃の水とした。次いで水洗し、1.2mの平枠に捲
いた後100℃の熱水中に2時間浸漬してポリエチ
レングリコールを除去するとともに熱処理を行つ
た。 得られた中空繊維膜は外径750μ、内径500μで
あり、表面及び断面を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察した結果、外表面には平均0.3μの微孔が35
%の開孔率で存在し、内表面は平均巾0.04μのス
リツト状微細隙構造であり、内外表面および内部
には10μ以上の巨大空洞は全く存在せず、内部は
ほぼ均一網目状のスポンジ構造をとつていること
がわかつた。また25℃の純水の透水速度KAは
1000/m2・hr・Kg/cm2と優れていた。また0.1
%の牛血清γグロブリンの排除率は99%以上であ
り、分子量120万の標準ポリエチレンオキサイド
(東洋ソーダ製SE−150)の0.1%水溶液の排除率
も99%以上であつた。また100℃での1Kg/cm2と
4Kg/cm2での外圧透水性測定による圧密化指数α
は0.15と小さく良好であつた。 実施例 2 内部凝固液として水単独を用いる以外は実施例
1と同じ条件で中空繊維膜を得た。 得られた中空繊維膜の表面および断面をSEM
で観察した結果、外表面には平均0.18μの微孔が
25%の開孔率でほぼ網目状に存在し、内表面は平
均巾100Åのスリツト状微細隙構造であり、内外
表面および内部には10μ以上のボイドが存在せ
ず、スポンジ構造であることを認めた。またKA
は730/m2・hr・Kg/cm2と優れていた。また牛
血清γグロブリンや分子量120万の標準ポリエチ
レンオキサイドの排除率は98%以上であつた。さ
らにパイロジエンのモデル物質であるエンドトキ
シンE Coli 0127 B8(Difco Labo製)を3.5
mg/溶解した水を外圧全過方式で過した
後、その水は初流はもちろん100/m2過後
もリムラステストはマイナスであり、本中空繊維
膜はパイロジエンを完全に阻止する膜であつた。
また圧密化指数αは0.10と小さく、耐圧、耐熱性
の優れたものであつた。 比較例 1 内部凝固液としてDMF/水が重量比で90/10
の混合液を用いる以外は実施例1と同じ条件で中
空繊維膜を得た。但し、ドライゾーン長は10cmで
は紡糸調子が不安定であつたので1cmとした。 得られた中空繊維膜の表面および断面をSEM
で観察した結果、外表面には平均0.3μの孔が30%
の開孔率で存在し、実施例1、2とあまり変わら
なかつたが、内表面は2μオーダーの凹凸あるい
は微孔が存在し、スリツト状微細隙構造ではなか
つた。内外表面および内部は10μ以上のボイドの
ないスポンジ構造であつた。SEMによる写真を
第1図に示す。またKAは1350/m2・hr・Kg/
cm2と優れていたが、牛血清γ−グロブリンの阻止
率は5%ときわめて低いものであつた。またエン
ドトキシンE Coli 0127 B8の水溶液を過し
た水は、リムラステストでダブルプラスであ
り、パイロジエンを阻止しない膜であつた。 比較例 2 ドライゾーン長を0cm(すなわち湿式紡糸)と
する以外は全て実施例2と同じ条件で中空繊維膜
を得た。 得られた中空繊維膜の外表面をSEMで観察し
た結果、0.1μ以上の微孔は認められなかつた。
SEMによる写真を第2図に示す。この中空繊維
膜のKAは150/m2・hr・Kg/cm2と低いものであ
つた。 実施例 3 ポリスルホン(UCC製 Udel P−1700)4.0
Kg、分子量600のポリエチレングリコール(三洋
化成製PEG#600)6.8Kg(PEG#600の添加量170
重量%/ポリスルホン)、およびDMF9.2Kgを120
℃で450rpmの回転速度で6時間加熱攪拌し、白
濁相分離したスラリー状原液を得た。該原液を攪
拌しながら20℃に冷却すると均一透明原液を得
た。この原液を再び徐々に昇温すると35℃付近の
狭い温度範囲で鋭く白濁した。20℃に冷却すると
再び完全に透明となり、可逆性があることを認め
た。 この原液を20℃で一夜静置し、透明原液を18ホ
ールの環状ノズルを用い、乾湿式紡糸を行つた。
この際紡糸タンクからノズルに至る原液配管のジ
ヤケツト温度を34℃として紡糸原液がノズルより
吐出されるまでに原液が白濁相分離する直前の状
態となるようコントロールした。またドライゾー
ン長は10cmとし、ドライゾーンの雰囲気は25℃、
相対湿度50%となるよう空気を5Nl/min送風し
た。また外部凝固液および内部凝固液ともに20℃
の水とした。次いで水洗と熱水洗を行つた後、枠
に捲き取り、枠巻状でさらに95℃の熱水中に1時
間浸漬した。 得られた中空繊維膜は外径700μ、内径450μで
あり、表面及び断面をSEMで観察した結果、外
表面には平均0.2μの孔が38%の開孔率で存在し、
内表面は平均巾100Åのスリツト状微細隙構造で
あり、内外表面および内部は10μ以上のボイドは
全く存在しないスポンジ構造をとつていることが
わかつた。SEMによる写真を第3〜第6図に示
す。またKAは770/m2・hr・Kg/cm2と優れてい
た。また牛血清γ−グロブリンおよび分子量120
万の標準ポリエチレンオキサイドの排除率は99%
以上であつた。また100℃熱水中での圧密化指数
αは0.12と優れていた。 また得られた中空繊維膜をウレタンにより遠心
接着して有効長26cm、膜面積0.8m2の片端開孔タ
イプの小型モジユール(全長33cm、筒径4cmφ)
を作製した。このモジユール及び水側塩ビホー
スを3%過酸化水素水に一夜浸透し、殺菌とパイ
ロジエン分解を行つた後、倉敷市の水道水の蛇口
に接続し、外圧全過方式で水道水を何ら前処理
することなく、直接過した。過圧は1Kg/cm2
で52日間連続過した。過開始1時間、1日、
3日、7日、14日、21日、32日、49日後に各々
水をとり、リムラステストを行つた所で全てマイ
ナスであつた。なお参考のために水道水そのまま
をリムラステストを行つた所、全てダブルプラス
であつた。従つて本発明中空繊維膜により容易に
パイロジエンフリー水が得られることがわかつ
た。またこの際の水の過速度は平均2.8/
min・モジユールat25℃であつた。きわめて小型
なモジユールで、前処理もなく、ポンプその他の
システムも一切不要の簡単な方法で、しかもかな
りの量のパイロジエンフリー水を連続的に得るこ
とが出来た。水道水を微多孔ポリビニルアルコー
ル系中空繊維膜(クラレ製SF−301膜)で過
後、本発明の中空繊維膜モジユールにより過す
ると本発明中空繊維膜モジユールの過速度はさ
らに大きくなり、もちろんパイロジエンフリーで
あつた。 実施例 4 ポリスルホン(UCC製 Udel P−3500)20重
量部、分子量1000のポリエチレングリコール(三
洋化成製PEG#1000)36重量部(PEG#1000の
添加量180重量%/ポリスルホン)及びDMF44重
量部を25℃で24時間攪拌して均一透明原液を得
た。脱泡後実施例2と同様にして、中空繊維膜を
得た。 得られた中空繊維膜の表面および断面をSEM
で観察した結果、外表面には平均0.3μの孔が35%
の開孔率で存在し、内表面は平均巾200Åのスリ
ツト状微細隙構造であり、断面は10μ以上のボイ
ドが全く存在せず、スポンジ構造となつているこ
とがわかつた。またKAは880/m2・hr・Kg/
cm2、牛血清γ−グロブリンの阻止率は97%で良好
であつた。 実施例 5 ドライゾーン長10cmとしドライゾーンの雰囲気
は40℃、相対湿度95%となる様調湿空気を10/
分送風した以外は実施例3と同じ条件で外型
780μ、内径450μの中空繊維膜を得た。得られた
中空繊維膜の表面及び断面をSEMで観察した結
果、外表面には平均0.35μの微孔が48%の開口率
でほぼ網目状に存在し、内表面は平均巾100Åの
スリツト状、微細隙構造であり、内外表面及び膜
壁内部は10μ以上のボイドは全く存在しないスポ
ンジ構造をとつていることがわかつた。この中空
糸膜のKAは740/m2・hr・Kg/cm2と優れてい
た。また、牛血清γ−グロブリン(IgG)及び分
子量120万の標準ポリエチレンオキサイドの排除
率は99%以上であつた。また、エンドトキシンE
Coli 0127 B8(Difco Labo製)を3.5mg/溶
解した水を外圧全過方式で過した水のパイ
ロジエンをリムラステストでチエツクした結果
0.02ng/ml以下であり、パイロジエンは完全に
阻止されていることを認めた。また、圧密化指数
αは0.11と小さく、耐圧、耐熱性の優れたもので
あつた。
第1〜第6図は比較例1〜2および実施例3に
おいて得られたポリスルホン中空繊維膜の走査型
電子顕微鏡写真であり、第1図は比較例1の中空
繊維膜の内表面の構造(倍率10000)、第2図は比
較例2の中空繊維膜の外表面の構造(倍率
20000)、第3図は実施例3の中空繊維膜の断面構
造(倍率500)、第4図は第3図の中空繊維膜の内
表面の構造(倍率20000)、第5図は第3図の中空
繊維膜の外表面の構造(倍率20000)、および第6
図は第3図の中空繊維膜の内部(ほぼ中央部)の
構造(倍率10000)を示す。
おいて得られたポリスルホン中空繊維膜の走査型
電子顕微鏡写真であり、第1図は比較例1の中空
繊維膜の内表面の構造(倍率10000)、第2図は比
較例2の中空繊維膜の外表面の構造(倍率
20000)、第3図は実施例3の中空繊維膜の断面構
造(倍率500)、第4図は第3図の中空繊維膜の内
表面の構造(倍率20000)、第5図は第3図の中空
繊維膜の外表面の構造(倍率20000)、および第6
図は第3図の中空繊維膜の内部(ほぼ中央部)の
構造(倍率10000)を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 内表面に平均巾80〜500Åのスリツト状微細
〓を有し、外表面に平均孔径1500〜3500Åの微孔
を開孔率10〜50%の割合で有し、膜内部が微細多
孔構造であり、かつ80Å以上の物質を実質的に透
過させず、透水速度が700〜6000/m2・hr・
Kg/cm2を示すポリスルホン中空繊維膜。 2 外表面の微孔の開孔率が20〜40%である特許
請求の範囲第1項記載のポリスルホン中空繊維
膜。 3 膜内部がスポンジ構造であり、内外両表面お
よび内部のいずれにおいても10μ以上の巨大空洞
が実質的に存在しない特許請求の範囲第1項また
は第2項記載のポリスルホン中空繊維膜。 4 分子量120万の標準ポリエチレンオキサイド
水溶液の阻止率が98%以上である特許請求の範囲
第1項〜第3項のいずれか1項記載のポリスルホ
ン中空繊維膜。 5 圧密化指数が0.2以下を示す特許請求の範囲
第1項〜第4項のいずれか1項記載のポリスルホ
ン中空繊維膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21256781A JPS58114702A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | ポリスルホン中空繊維膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21256781A JPS58114702A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | ポリスルホン中空繊維膜 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58114702A JPS58114702A (ja) | 1983-07-08 |
| JPS6356802B2 true JPS6356802B2 (ja) | 1988-11-09 |
Family
ID=16624831
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21256781A Granted JPS58114702A (ja) | 1981-12-28 | 1981-12-28 | ポリスルホン中空繊維膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS58114702A (ja) |
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-
1981
- 1981-12-28 JP JP21256781A patent/JPS58114702A/ja active Granted
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO1997034687A1 (fr) * | 1996-03-21 | 1997-09-25 | Kaneka Corporation | Membrane en fils creux utilisee pour l'epuration du sang et epurateur de sang |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS58114702A (ja) | 1983-07-08 |
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