JPH0637424B2 - 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 - Google Patents
2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法Info
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- JPH0637424B2 JPH0637424B2 JP61250776A JP25077686A JPH0637424B2 JP H0637424 B2 JPH0637424 B2 JP H0637424B2 JP 61250776 A JP61250776 A JP 61250776A JP 25077686 A JP25077686 A JP 25077686A JP H0637424 B2 JPH0637424 B2 JP H0637424B2
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は、2,6−ジイソプロピルナフタレンまたはその
酸化誘導体を分子状酸素により酸化して2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を製造する方法に関するものである。更
に詳しくは該酸化を酢酸およびプロピオン酸よりなる群
から選ばれた少なくとも一種の有機モノカルボン酸含有
溶媒中重金属,臭素およびアルカリ金属を含む触媒の存
在下に行つて目的とする2,6−ナフタレンジカルボン酸
を極めて高い収率で得る方法に関するものである。
酸化誘導体を分子状酸素により酸化して2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を製造する方法に関するものである。更
に詳しくは該酸化を酢酸およびプロピオン酸よりなる群
から選ばれた少なくとも一種の有機モノカルボン酸含有
溶媒中重金属,臭素およびアルカリ金属を含む触媒の存
在下に行つて目的とする2,6−ナフタレンジカルボン酸
を極めて高い収率で得る方法に関するものである。
(b)従来技術 2,6−ナフタレンジカルボン酸(以下これを“NDA”
と略称することがある)或いはそのエステル,酸クロラ
イドの如き誘導体は、種々のポリエステル,ポリアミド
などの二塩基酸成分として価値ある化合物であり、殊に
NDAとエチレングリコールとから形成されるポリエチ
レンナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートと較
べて耐熱性,機械的特性がより優れており、フイルムや
繊維製品を与える重合体として有用である。
と略称することがある)或いはそのエステル,酸クロラ
イドの如き誘導体は、種々のポリエステル,ポリアミド
などの二塩基酸成分として価値ある化合物であり、殊に
NDAとエチレングリコールとから形成されるポリエチ
レンナフタレートは、ポリエチレンテレフタレートと較
べて耐熱性,機械的特性がより優れており、フイルムや
繊維製品を与える重合体として有用である。
従来、NDAの製造法としては2,6−ジメチルナフタレ
ンの酸化反応、例えば2,6−ジメチルナフタレンを酢酸
溶媒中コバルト,マンガン及び臭素よりなる触媒の存在
下に分子状酸素と接触酸化せしめる方法が知られてい
る。この方法は2,6−ジメチルナフタレンからNDAへ
の酸化自体は比較的容易であり、目的とするNDAを比較
的高純度且つ高収率で得ることができる。
ンの酸化反応、例えば2,6−ジメチルナフタレンを酢酸
溶媒中コバルト,マンガン及び臭素よりなる触媒の存在
下に分子状酸素と接触酸化せしめる方法が知られてい
る。この方法は2,6−ジメチルナフタレンからNDAへ
の酸化自体は比較的容易であり、目的とするNDAを比較
的高純度且つ高収率で得ることができる。
しかし、この方法における原料である2,6−ジメチルナ
フタレンはその製造法が煩雑であり、大量且つ安価に得
ることは困難である。すなわち、ナフタレンのメチル
化,ジメチルナフタレンの異性化,モノメチルナフタレ
ンの不均化,その他トランス・アルキル化法などが2,6
−ジメチルナフタレンの合成法として知られているが、
これらの方法はいずれも2,6−ジメチルナフタレン以外
の他の異性体、殊に2,7−ジメチルナフタレンの生成を
避けることができず、混合ジメチルナフタレンからの2,
6体の単離は2,7−体と融点,沸点,溶解特性が極めて近
似乃至類似しているため極めて困難であつた。
フタレンはその製造法が煩雑であり、大量且つ安価に得
ることは困難である。すなわち、ナフタレンのメチル
化,ジメチルナフタレンの異性化,モノメチルナフタレ
ンの不均化,その他トランス・アルキル化法などが2,6
−ジメチルナフタレンの合成法として知られているが、
これらの方法はいずれも2,6−ジメチルナフタレン以外
の他の異性体、殊に2,7−ジメチルナフタレンの生成を
避けることができず、混合ジメチルナフタレンからの2,
6体の単離は2,7−体と融点,沸点,溶解特性が極めて近
似乃至類似しているため極めて困難であつた。
一方これに比べて、ジイソプロピルナフタレンは、ナフ
タレンとプロピレンとから容易に合成することが出来、
混合ジイソプロピルナフタレンから2,6−体の分離、そ
の他アルキル化,不均化,異性化,トランス・アルキル
化も比較的容易である。
タレンとプロピレンとから容易に合成することが出来、
混合ジイソプロピルナフタレンから2,6−体の分離、そ
の他アルキル化,不均化,異性化,トランス・アルキル
化も比較的容易である。
しかし乍ら、本発明者らの研究によれば、2,6−ジイソ
プロピルナフタレン(以下これを“DIPN”と略称す
ることがある)の酸化反応は、上記公知方法に従つて酸
化すると、p−キシレンや2,6−ジメチルナフタレンを
酸化するに適した反応条件下ではNDAの収率は50%
以下と極めて低くまた、多量の副生成物が生成するため
に得られるNDAの純度も低く、従つて上記公知方法に
よつて工業的にDIPNからNDAを得ることは到底不
可能であり、従つてこれまでこのような方法によるDI
PNからのNDA製造は工業的に全く顧みられる事がな
かつた。
プロピルナフタレン(以下これを“DIPN”と略称す
ることがある)の酸化反応は、上記公知方法に従つて酸
化すると、p−キシレンや2,6−ジメチルナフタレンを
酸化するに適した反応条件下ではNDAの収率は50%
以下と極めて低くまた、多量の副生成物が生成するため
に得られるNDAの純度も低く、従つて上記公知方法に
よつて工業的にDIPNからNDAを得ることは到底不
可能であり、従つてこれまでこのような方法によるDI
PNからのNDA製造は工業的に全く顧みられる事がな
かつた。
このように前記DIPNの酸化が満足すべき結果が得ら
れなかつた理由は、明確には判らないが本発明者らは多
くの実験から、この酸化反応においては目的生成物ND
Aの生成収率が低い場合にはナフタレン核開裂副生成
物,トリメリツト酸(以下これを“TMA”と略称する
ことがある)の相対収率が高く、特に甚だしい場合には
構造不明のタール状または樹脂状,重縮合生成物が多量
に生成することを見出し、p−キシレンまたはジメチル
ナフタレン等の他のアルキル置換芳香族炭化水素の酸化
の場合と異なり、活性が高く対酸化安定性の低いイソプ
ロピレン基とナフタレン核とを有するDIPNの酸化に
おいては反応初期のイソプロピル基の水素引抜きに伴う
ラジカルおよびヒドロペルオキシドの生成が極めて容易
かつ速やかな一方、これらのラジカルおよびヒドロペル
オキシドの対雰囲気安定性が低く、その分解により酸化
妨害性且つ縮合性の高いフエノール(ナフトール)性化
合物の生成やさらにそれらの分解による核開裂副生成
物、特に触媒金属の活性を阻害するTMAやその誘導体の
生成等が急速に順次進行してそのために目的とする酸化
が充分に進行せずむしろ副反応が促進されるためであろ
うと推察している。
れなかつた理由は、明確には判らないが本発明者らは多
くの実験から、この酸化反応においては目的生成物ND
Aの生成収率が低い場合にはナフタレン核開裂副生成
物,トリメリツト酸(以下これを“TMA”と略称する
ことがある)の相対収率が高く、特に甚だしい場合には
構造不明のタール状または樹脂状,重縮合生成物が多量
に生成することを見出し、p−キシレンまたはジメチル
ナフタレン等の他のアルキル置換芳香族炭化水素の酸化
の場合と異なり、活性が高く対酸化安定性の低いイソプ
ロピレン基とナフタレン核とを有するDIPNの酸化に
おいては反応初期のイソプロピル基の水素引抜きに伴う
ラジカルおよびヒドロペルオキシドの生成が極めて容易
かつ速やかな一方、これらのラジカルおよびヒドロペル
オキシドの対雰囲気安定性が低く、その分解により酸化
妨害性且つ縮合性の高いフエノール(ナフトール)性化
合物の生成やさらにそれらの分解による核開裂副生成
物、特に触媒金属の活性を阻害するTMAやその誘導体の
生成等が急速に順次進行してそのために目的とする酸化
が充分に進行せずむしろ副反応が促進されるためであろ
うと推察している。
先に本発明者らはDIPN又はその酸化誘導体の酸化に
おいて被酸化物に対して従来知られている量よりも遥か
に多量のコバルト、および/またはマンガンを使用する
ことにより前記副反応を抑制し、高収率でNDAを得る
方法を見出し先に提案した(特開昭60−89445号,同
60−89446号および特開昭61-140540号公報参照)。
おいて被酸化物に対して従来知られている量よりも遥か
に多量のコバルト、および/またはマンガンを使用する
ことにより前記副反応を抑制し、高収率でNDAを得る
方法を見出し先に提案した(特開昭60−89445号,同
60−89446号および特開昭61-140540号公報参照)。
これらの方法では、従来知られている如何なる方法によ
るよりも高収率でかつ高純度のNDAが得られるため工業
的に極めて有用である反面高価且つ環境に有害な触媒金
属を多量に使用するためこれらの反応中の取扱操作や回
収,循環,公害防止等に多大の考慮を要するという欠点
があつた。
るよりも高収率でかつ高純度のNDAが得られるため工業
的に極めて有用である反面高価且つ環境に有害な触媒金
属を多量に使用するためこれらの反応中の取扱操作や回
収,循環,公害防止等に多大の考慮を要するという欠点
があつた。
このため、本発明者等はさらに工業的に有利なDIPN
又はその酸化誘導体の酸化法の研究を継続した結果、酢
酸溶媒中触媒として使用する臭素に対しアルカリ金属を
存在せしめる事により極めて優れた効果が得られるこ
と、およびこの際溶媒酢酸の一部または全部をプロピオ
ン酸に置き代えることにより、さらに優れた効果が得ら
れることを見出し先に提案した(特願昭60-86563号、同
60-257800同61-209663号公報参照)。
又はその酸化誘導体の酸化法の研究を継続した結果、酢
酸溶媒中触媒として使用する臭素に対しアルカリ金属を
存在せしめる事により極めて優れた効果が得られるこ
と、およびこの際溶媒酢酸の一部または全部をプロピオ
ン酸に置き代えることにより、さらに優れた効果が得ら
れることを見出し先に提案した(特願昭60-86563号、同
60-257800同61-209663号公報参照)。
これらの方法では単に触媒臭素に対して特定量のアルカ
リ金属を存在せしめることにより、又さらに溶媒酢酸の
一部または全部をプロピオン酸に代替することによりそ
の以前の提案にくらべて、はるかに少量の触媒金属の使
用であつても同等の効果が得られると言う利点がある。
リ金属を存在せしめることにより、又さらに溶媒酢酸の
一部または全部をプロピオン酸に代替することによりそ
の以前の提案にくらべて、はるかに少量の触媒金属の使
用であつても同等の効果が得られると言う利点がある。
(c)発明の構成 本発明者はより工業的に有利なDIPNまたはその酸化
誘導体の酸化法の研究を継続し、その結果、溶媒酢酸ま
たはプロピオン酸の一部を特定の液状エステルに代える
と以前の提案のように多量の触媒金属を使用しなくても
容易に高収率でNDAが得られることを見出して本発明
に到達した。
誘導体の酸化法の研究を継続し、その結果、溶媒酢酸ま
たはプロピオン酸の一部を特定の液状エステルに代える
と以前の提案のように多量の触媒金属を使用しなくても
容易に高収率でNDAが得られることを見出して本発明
に到達した。
すなわち本発明は、2,6−ジイソプロピルナフタレンま
たはその酸化誘導体を (i)コバルトおよび/またはマンガンよりなる重金属 (ii)臭素および (iii)アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、プ
ロピオン酸塩及び臭化物よりなる群より選ばれた少くと
も1種 を含有する触媒の存在下、分子状酸素により酸化して2,
6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法において、
該酸化を、下記 (iv)酢酸およびプロピオン酸よりなる群から選ばれた
少くとも1種の有機モノカルボン酸(a) 及び (v)エチレングリコールアセテートおよびγ−ブチロラ
クトンよりなる群から選ばれた少くとも1種のエステル
類(b) を少くとも50重量%含有する混合溶媒中で行うことを特
徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法であ
る。
たはその酸化誘導体を (i)コバルトおよび/またはマンガンよりなる重金属 (ii)臭素および (iii)アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、プ
ロピオン酸塩及び臭化物よりなる群より選ばれた少くと
も1種 を含有する触媒の存在下、分子状酸素により酸化して2,
6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法において、
該酸化を、下記 (iv)酢酸およびプロピオン酸よりなる群から選ばれた
少くとも1種の有機モノカルボン酸(a) 及び (v)エチレングリコールアセテートおよびγ−ブチロラ
クトンよりなる群から選ばれた少くとも1種のエステル
類(b) を少くとも50重量%含有する混合溶媒中で行うことを特
徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法であ
る。
従来、一般にアルキル置換芳香族炭化水素、特にp−キ
シレンを、コバルト・マンガンの如き重金属と臭素より
なる触媒を使用し、脂肪族モノカルボン酸中で分子状酸
素により酸化する方法において使用する脂肪族モノカル
ボン酸は少くとも工業的には殆んど酢酸に限られていた
が、その反応を酢酸以外の媒体中で行う方法も公知であ
り、その目的のために安息香酸・プロピオン酸・水等が
使用出来るとされていた。
シレンを、コバルト・マンガンの如き重金属と臭素より
なる触媒を使用し、脂肪族モノカルボン酸中で分子状酸
素により酸化する方法において使用する脂肪族モノカル
ボン酸は少くとも工業的には殆んど酢酸に限られていた
が、その反応を酢酸以外の媒体中で行う方法も公知であ
り、その目的のために安息香酸・プロピオン酸・水等が
使用出来るとされていた。
しかし、従来知られている限りでは、このような酢酸以
外の媒体は、酢酸に代えて使用し得ることが知られてい
るに過ぎず、この代替により、その反応が酢酸使用時に
くらべて実質的に促進されたり若しくは実用上の利得が
あるとする記述は見当らず、また工業的にこのような酸
化反応の媒体として酢酸以外の媒体、特に本発明で使用
するような特定のエステル類が用いられている例は見当
らない。
外の媒体は、酢酸に代えて使用し得ることが知られてい
るに過ぎず、この代替により、その反応が酢酸使用時に
くらべて実質的に促進されたり若しくは実用上の利得が
あるとする記述は見当らず、また工業的にこのような酸
化反応の媒体として酢酸以外の媒体、特に本発明で使用
するような特定のエステル類が用いられている例は見当
らない。
殊に、本発明の方法におけるが如きアルカリ金属と酢
酸,プロピオン酸およびエステル類との併用による効果
は、アルキル置換芳香族炭化水素の酸化法において、従
来全く知られていなかつた事実である。
酸,プロピオン酸およびエステル類との併用による効果
は、アルキル置換芳香族炭化水素の酸化法において、従
来全く知られていなかつた事実である。
本発明のDIPNまたはその酸化誘導体の酸化において
は、後述する多くの実施例の結果が示しているようにそ
の反応におけるアルカリ金属および酢酸またはプロピオ
ン酸と特定のエステル類との併用の効果は顕著であり、
これはp−キシレンやジメチルナフタレンのような従来
公知の酸化反応とは異り、DIPNの酸化反応にのみ特
有な効果であると考えられる。
は、後述する多くの実施例の結果が示しているようにそ
の反応におけるアルカリ金属および酢酸またはプロピオ
ン酸と特定のエステル類との併用の効果は顕著であり、
これはp−キシレンやジメチルナフタレンのような従来
公知の酸化反応とは異り、DIPNの酸化反応にのみ特
有な効果であると考えられる。
本発明の方法による第1の効果はNDAの収率向上であ
る。すなわちDIPNおよびその酸化誘導体をコバル
ト,マンガンおよび臭素よりなる触媒の存在下に分子状
酸素で酸化してNDAを得る方法においてその触媒に特定
量のアルカリ金属を添加し、さらに反応溶媒として従来
公知の脂肪族モノカルボン酸、特に酢酸に加えて特定の
エステル類を用いるときは溶媒が酢酸のみから成る場合
にくらべ、同一触媒濃度におけるNDA収率は著るしく
向上しまた、同等NDA収率を得るために使用すべき触媒
濃度は著るしく低下せしめることができる。
る。すなわちDIPNおよびその酸化誘導体をコバル
ト,マンガンおよび臭素よりなる触媒の存在下に分子状
酸素で酸化してNDAを得る方法においてその触媒に特定
量のアルカリ金属を添加し、さらに反応溶媒として従来
公知の脂肪族モノカルボン酸、特に酢酸に加えて特定の
エステル類を用いるときは溶媒が酢酸のみから成る場合
にくらべ、同一触媒濃度におけるNDA収率は著るしく
向上しまた、同等NDA収率を得るために使用すべき触媒
濃度は著るしく低下せしめることができる。
従つて従来p−キシレンやジメチルナフタレン等の公知
の酸化法にくらべ、多量の触媒を用いなければ高収率で
目的生成物を得られなかつたDIPN酸化における欠点
が本発明方法により解消されたと言うことが出来る。
の酸化法にくらべ、多量の触媒を用いなければ高収率で
目的生成物を得られなかつたDIPN酸化における欠点
が本発明方法により解消されたと言うことが出来る。
さらに本発明の方法に従つて、反応溶媒として公知の酢
酸に加えて特定のエステル類を用いた場合副次的な効果
として生成したNDAの着色度が著るしく低下するとい
う利点も見出された。すなわち、p−キシレンやジメチ
ルナフタレンにくらべ酸化安定性の低いDIPNを酸化
する場合、主生成物であるNDAが黄褐色の着色はこれ
まで殆んど避けられない宿命であつたが、本発明の混合
溶媒中の酸化では主生成物であるNDAは、容易に高純
度且つ僅かに帯黄した白色結晶として得られ、この結晶
中への触媒の夾雑も殆んどないため、後処理精製操作が
容易になるという実施前に全く予測し得ない利点も明ら
かになつた。
酸に加えて特定のエステル類を用いた場合副次的な効果
として生成したNDAの着色度が著るしく低下するとい
う利点も見出された。すなわち、p−キシレンやジメチ
ルナフタレンにくらべ酸化安定性の低いDIPNを酸化
する場合、主生成物であるNDAが黄褐色の着色はこれ
まで殆んど避けられない宿命であつたが、本発明の混合
溶媒中の酸化では主生成物であるNDAは、容易に高純
度且つ僅かに帯黄した白色結晶として得られ、この結晶
中への触媒の夾雑も殆んどないため、後処理精製操作が
容易になるという実施前に全く予測し得ない利点も明ら
かになつた。
本発明の方法においてその酸化反応は酢酸および/又は
プロピオン酸からなる有機モノカルボン酸成分(a)と後
記の特定のエステル類成分(b)との混合溶媒中で行われ
る。
プロピオン酸からなる有機モノカルボン酸成分(a)と後
記の特定のエステル類成分(b)との混合溶媒中で行われ
る。
使用する混合溶媒中に酢酸および/又はプロピオン酸が
全く含まれていないと反応の進行は極めて遅く実質的に
NDAの生成は殆んど認められない(後記比較例2参
照)。
全く含まれていないと反応の進行は極めて遅く実質的に
NDAの生成は殆んど認められない(後記比較例2参
照)。
先に本発明者が提案した特願昭60-257800号明細書中に
すでに記したようにDIPN又はその酸化誘導体の酸化
反応の溶媒としては単一使用状態では酢酸よりもプロピ
オン酸の方が優れている。しかし、本発明の方法に従つ
てこれらとエステル類とを混合使用すると、好適な同一
混合比下では酢酸,プロピオン酸の差は殆んど無く略々
同一の反応結果が得られる。このことはエステル類との
混合による反応促進効果は酢酸の場合の方がプロピオン
酸の場合よりも大きいことを示しており、通常価格面で
酢酸の方がプロピオン酸よりも安価に得られることを考
慮すれば本発明方法で使用する混合溶媒の有機モノカル
ボン酸成分としては酢酸の方がプロピオン酸よりも経済
的に優れていると言うことが出来る。
すでに記したようにDIPN又はその酸化誘導体の酸化
反応の溶媒としては単一使用状態では酢酸よりもプロピ
オン酸の方が優れている。しかし、本発明の方法に従つ
てこれらとエステル類とを混合使用すると、好適な同一
混合比下では酢酸,プロピオン酸の差は殆んど無く略々
同一の反応結果が得られる。このことはエステル類との
混合による反応促進効果は酢酸の場合の方がプロピオン
酸の場合よりも大きいことを示しており、通常価格面で
酢酸の方がプロピオン酸よりも安価に得られることを考
慮すれば本発明方法で使用する混合溶媒の有機モノカル
ボン酸成分としては酢酸の方がプロピオン酸よりも経済
的に優れていると言うことが出来る。
本発明の反応に酢酸および/又はプロピオン酸と混合使
用するエステル類は何であつてもよいわけではなく、以
下の如き条件を具備することが必要である。
用するエステル類は何であつてもよいわけではなく、以
下の如き条件を具備することが必要である。
(i)使用条件下で液状であること。
溶媒として使用するかぎりこれが液状を呈することは当
然必要条件であり、また多くの有機エステル類は本発明
方法の反応条件下では液状を呈する。しかし、本発明方
法の反応は後記のように通常反応液中に気体の分子状酸
素(空気)を流通せしめる方法により実施されるので、
例えば蟻酸メチル,蟻酸エチル,酢酸メチル等の如き低
級モノカルボン酸と低級モノアルコールから成る炭素数
3以下の低沸点エステルはその際流通気体に伴って系外
に逸出し易くこれらは溶媒として適当ではない。
然必要条件であり、また多くの有機エステル類は本発明
方法の反応条件下では液状を呈する。しかし、本発明方
法の反応は後記のように通常反応液中に気体の分子状酸
素(空気)を流通せしめる方法により実施されるので、
例えば蟻酸メチル,蟻酸エチル,酢酸メチル等の如き低
級モノカルボン酸と低級モノアルコールから成る炭素数
3以下の低沸点エステルはその際流通気体に伴って系外
に逸出し易くこれらは溶媒として適当ではない。
(ii)使用条件で対酸化安定性を有すること。
末端メチル基を有し炭素数4以上のモノカルボン酸や同
様のモノアルコールから成るエステル又は側鎖を有する
エステル類は対酸化安定性が劣るため、本発明方法の反
応中酸化分解し易く、これらの溶媒としての使用は適当
でない。
様のモノアルコールから成るエステル又は側鎖を有する
エステル類は対酸化安定性が劣るため、本発明方法の反
応中酸化分解し易く、これらの溶媒としての使用は適当
でない。
(iii)使用条件下で化学的に安定性を有すること。
特にメチルアルコール,エチルアルコール,プロピルア
ルコール等の低級アルコールのエステルは、それらが必
ずしも反応促進性を有しないわけではないが、反応条件
下で混合溶媒成分の酢酸またはプロピオン酸とエステル
交換して低沸点のエステル(例えば酢酸メチル,酢酸エ
チル,プロピオン酸メチル等)を生成し、これらは反応
中、流通気体(例えば空気)に伴われて系外に逸出し易
いのでその使用は適当ではない。
ルコール等の低級アルコールのエステルは、それらが必
ずしも反応促進性を有しないわけではないが、反応条件
下で混合溶媒成分の酢酸またはプロピオン酸とエステル
交換して低沸点のエステル(例えば酢酸メチル,酢酸エ
チル,プロピオン酸メチル等)を生成し、これらは反応
中、流通気体(例えば空気)に伴われて系外に逸出し易
いのでその使用は適当ではない。
一方、酢酸又はプロピオン酸のエステルは上記の低級ア
ルコールの場合と異りこの様な酸化反応中のエステル交
換や下記の酸化反応中の加水分解に際してトラブルを生
ずることがないのみならず、むしろ特にエステルを形成
する酸成分と混合溶媒の有機モノカルボン酸成分とが同
種類(例えば酢酸と酢酸エステル又はプロピオン酸とプ
ロピオン酸エステル)であるのは好ましいことである。
ルコールの場合と異りこの様な酸化反応中のエステル交
換や下記の酸化反応中の加水分解に際してトラブルを生
ずることがないのみならず、むしろ特にエステルを形成
する酸成分と混合溶媒の有機モノカルボン酸成分とが同
種類(例えば酢酸と酢酸エステル又はプロピオン酸とプ
ロピオン酸エステル)であるのは好ましいことである。
本発明の方法の如くアルキル置換芳香族炭化水素を液相
で分子状酸素で酸化する場合、一般にその反応系中に遊
離のアルコールが存在すると反応が著るしく阻害される
ことが知られており、事実後記の比較例3および8に示
したようにDIPNの酸化反応においても混合溶媒のエ
ステル成分の代りに遊離のアルコールを使用すると反応
は全く進行しなくなる。
で分子状酸素で酸化する場合、一般にその反応系中に遊
離のアルコールが存在すると反応が著るしく阻害される
ことが知られており、事実後記の比較例3および8に示
したようにDIPNの酸化反応においても混合溶媒のエ
ステル成分の代りに遊離のアルコールを使用すると反応
は全く進行しなくなる。
反応系中には、その媒体として水を特に添加した場合は
勿論、そうでなくても酸化正反応・副反応により必らず
水が生成しこれが多かれ少なかれ系中に蓄積・滞溜す
る。従って、酸化反応の溶媒として対加水分解安定性の
低いエステルを使用すると、このような水の存在下でそ
の一部は加水分解して遊離のアルコールを生成しこれが
酸化反応の進行の阻害乃至抑制を招来し易い。事実、後
記比較例4および5に記した酢酸n−ブチルやプロピオ
ン酸n−ブチル中での反応では反応の進行と共に次第に
その反応速度が低下する現象が明らかに認められた。
勿論、そうでなくても酸化正反応・副反応により必らず
水が生成しこれが多かれ少なかれ系中に蓄積・滞溜す
る。従って、酸化反応の溶媒として対加水分解安定性の
低いエステルを使用すると、このような水の存在下でそ
の一部は加水分解して遊離のアルコールを生成しこれが
酸化反応の進行の阻害乃至抑制を招来し易い。事実、後
記比較例4および5に記した酢酸n−ブチルやプロピオ
ン酸n−ブチル中での反応では反応の進行と共に次第に
その反応速度が低下する現象が明らかに認められた。
従つて、このような対加水分解安定性の低いエステル類
は本発明方法の溶媒として好ましくない。
は本発明方法の溶媒として好ましくない。
また、その他にも本発明方法の条件下で熱分解・重合・
縮合等の種々の化学反応によち自己崩壊したり共存する
原料・触媒・添加物や他の溶媒と反応してこれらの機能
や活性を低下せしめるようなエステル類も当然本発明方
法における混合溶媒成分として好適ではない。
縮合等の種々の化学反応によち自己崩壊したり共存する
原料・触媒・添加物や他の溶媒と反応してこれらの機能
や活性を低下せしめるようなエステル類も当然本発明方
法における混合溶媒成分として好適ではない。
このような観点から、本発明方法の酸化反応において使
用する混合溶媒のエステル成分として最も優れているの
は遊離状態でもこの酸化反応を阻害する能力が低いグリ
コール、特に対酸化安定性にも優れたエチレングリコー
ルの酢酸またはプロピオン酸エステルおよび水の存在下
でも自己縮合エステルとして安定なω−ヒドロキシ酸の
環状ラクトン、特にγ−ブチロラクトン次いでε−カプ
ロラクトンである。
用する混合溶媒のエステル成分として最も優れているの
は遊離状態でもこの酸化反応を阻害する能力が低いグリ
コール、特に対酸化安定性にも優れたエチレングリコー
ルの酢酸またはプロピオン酸エステルおよび水の存在下
でも自己縮合エステルとして安定なω−ヒドロキシ酸の
環状ラクトン、特にγ−ブチロラクトン次いでε−カプ
ロラクトンである。
本発明方法で使用する混合溶媒組成、特にそのエステル
成分がどのような作用によりその酸化反応を促進するの
かについては現時点で明らかでないが、これらが単なる
稀釈剤として作用するのではないことは、これらと沸点
の近い他の多くの有機化合物が同様な使用状態でこの酸
化反応を阻害することはあつても促進する作用を全く有
しないことから明らかである(後記比較例3乃至12参
照)。
成分がどのような作用によりその酸化反応を促進するの
かについては現時点で明らかでないが、これらが単なる
稀釈剤として作用するのではないことは、これらと沸点
の近い他の多くの有機化合物が同様な使用状態でこの酸
化反応を阻害することはあつても促進する作用を全く有
しないことから明らかである(後記比較例3乃至12参
照)。
すなわち、本発明方法におけるエステル成分の作用はD
IPNの酸化反応における特定エステル化合物の個有の
作用であり、本発明以前には全く知られていなかつた事
実である。
IPNの酸化反応における特定エステル化合物の個有の
作用であり、本発明以前には全く知られていなかつた事
実である。
本発明方法において使用する混合溶媒の有機モノカルボ
ン酸成分(a)と特定エステル成分(b)との混合割合は両者
の混合使用により有機モノカルボン酸、特に酢酸を単独
溶媒として使用した場合に対する反応への効果、特にN
DA収率向上効果が示される混合比はある範囲に限定さ
れている。しかし、この範囲はかなり広い。
ン酸成分(a)と特定エステル成分(b)との混合割合は両者
の混合使用により有機モノカルボン酸、特に酢酸を単独
溶媒として使用した場合に対する反応への効果、特にN
DA収率向上効果が示される混合比はある範囲に限定さ
れている。しかし、この範囲はかなり広い。
前記のように溶媒中に有機モノカルボン酸(a)が全く含
まれない場合、すなわち(a):(b)=0:100(重量
比)(以下、(a):(b)比はすべて重量比で示す)では反
応は実質的に進行しない。(a):(b)=20:80〜0:
100の範囲ではかえつてエステル類の存在は有害であ
る。
まれない場合、すなわち(a):(b)=0:100(重量
比)(以下、(a):(b)比はすべて重量比で示す)では反
応は実質的に進行しない。(a):(b)=20:80〜0:
100の範囲ではかえつてエステル類の存在は有害であ
る。
両成分の混合による効果が顕著に表われるのは(a):(b)
=95:5〜30:70、好ましくは(a):(b)=90:
10〜33:67、 両成分の価格差も考慮すれば、より好ましくは(a):(b)
=80:20〜50:50である。
=95:5〜30:70、好ましくは(a):(b)=90:
10〜33:67、 両成分の価格差も考慮すれば、より好ましくは(a):(b)
=80:20〜50:50である。
本発明において出発原料は2,6−ジイソプロピルナフタ
レン(DIPN)又はその酸化誘導体であり、それらは
高純度のものが好ましいが必ずしも純度である必要はな
く、酸化反応に対する影響或いは生成するNDAの純
度、着色に許容される範囲で他の成分を含んでいてもよ
い。DIPNの酸化誘導体とは、DIPNの酸化によつ
て生成し、また反応系内において酸化されることによつ
て最終的に目的とするNDAを与えるものである。そこ
で本発明の出発原料を、具体的に示すと下記一般式(I) 出発原料としては、前記式(I)におけるR1とR2が、同
一もしくは異なり、 かた選ばれるものが好ましい。
レン(DIPN)又はその酸化誘導体であり、それらは
高純度のものが好ましいが必ずしも純度である必要はな
く、酸化反応に対する影響或いは生成するNDAの純
度、着色に許容される範囲で他の成分を含んでいてもよ
い。DIPNの酸化誘導体とは、DIPNの酸化によつ
て生成し、また反応系内において酸化されることによつ
て最終的に目的とするNDAを与えるものである。そこ
で本発明の出発原料を、具体的に示すと下記一般式(I) 出発原料としては、前記式(I)におけるR1とR2が、同
一もしくは異なり、 かた選ばれるものが好ましい。
本発明において、酸化触媒としては前述した通り、下記
(I)〜(III)が使用される。
(I)〜(III)が使用される。
(I)コバルトおよび/またはマンガンよりなる重金属
(A成分) (II)臭素(B成分)および (III)アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、プ
ロピオン酸塩及び臭化物よりなる群から選ばれた少くと
も1種(C成分) A成分およびB成分は共に本発明の酸化反応系中で溶解
しうる形態であれば金属,元素,化合物のいずれであつ
てもよい。
(A成分) (II)臭素(B成分)および (III)アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、プ
ロピオン酸塩及び臭化物よりなる群から選ばれた少くと
も1種(C成分) A成分およびB成分は共に本発明の酸化反応系中で溶解
しうる形態であれば金属,元素,化合物のいずれであつ
てもよい。
A成分を形成するコバルトおよびマンガンとしては例え
ば酸化物,水酸化物,炭酸塩,ハロゲン化物、特に臭化
物等の無機塩の他、酢酸,プロピオン酸、または芳香族
カルボン酸、特にNDA等の有機酸塩が挙げられるが、
これらのうち好ましいのは臭化物および脂肪酸塩特に酢
酸塩およびプロピオン酸塩である。
ば酸化物,水酸化物,炭酸塩,ハロゲン化物、特に臭化
物等の無機塩の他、酢酸,プロピオン酸、または芳香族
カルボン酸、特にNDA等の有機酸塩が挙げられるが、
これらのうち好ましいのは臭化物および脂肪酸塩特に酢
酸塩およびプロピオン酸塩である。
またB成分を形成する臭素としては酸化反応系に溶解し
Brイオンを発生するものであれば有機化合物または無機
化合物のいずれであつてもよい。具体的には、例えば分
子状臭素(Br2),臭化水素,臭化水素酸塩等の無機臭
素化合物または臭化メチル,臭化エチル,ブロモホル
ム,臭化エチレン、その他の臭化アルキル若しくはブロ
モ酢酸,多ブロモ酢酸等の臭素化脂肪酸等の有機臭素化
合物が挙げられるがこれらのうち好ましいのは分子状臭
素,臭化水素,臭化ナトリウム,臭化カリウム,臭化リ
チウム、または臭化コバルト,臭化マンガン等である。
Brイオンを発生するものであれば有機化合物または無機
化合物のいずれであつてもよい。具体的には、例えば分
子状臭素(Br2),臭化水素,臭化水素酸塩等の無機臭
素化合物または臭化メチル,臭化エチル,ブロモホル
ム,臭化エチレン、その他の臭化アルキル若しくはブロ
モ酢酸,多ブロモ酢酸等の臭素化脂肪酸等の有機臭素化
合物が挙げられるがこれらのうち好ましいのは分子状臭
素,臭化水素,臭化ナトリウム,臭化カリウム,臭化リ
チウム、または臭化コバルト,臭化マンガン等である。
これらの酸化触媒は一般にその単塩または錯塩のイオン
として、A成分に対してB成分が配位乃至結合若しくは
イオン対等を形成して反応に関与するものと考えられ、
従つて反応中このようなイオンを形成し難い状態での金
属単体または不溶性の金属化合物あるいは反応温度で分
解して臭素イオンを脱離し難いような有機臭素化合物、
例えば核臭素化芳香族化合物等は触媒として使用しても
その効果は全く無いかまたはあつても小さく得策でな
い。
として、A成分に対してB成分が配位乃至結合若しくは
イオン対等を形成して反応に関与するものと考えられ、
従つて反応中このようなイオンを形成し難い状態での金
属単体または不溶性の金属化合物あるいは反応温度で分
解して臭素イオンを脱離し難いような有機臭素化合物、
例えば核臭素化芳香族化合物等は触媒として使用しても
その効果は全く無いかまたはあつても小さく得策でな
い。
本発明の反応において酸化反応系に加えられた臭素はそ
れがどのような化合物形態で与えられたものであれ、そ
の一部は直接または二次的に被酸化物DIPNまたはそ
の酸化誘導体のイソプロピル側鎖に付加してこれらの側
鎖有機臭素化合物を形成し易い。
れがどのような化合物形態で与えられたものであれ、そ
の一部は直接または二次的に被酸化物DIPNまたはそ
の酸化誘導体のイソプロピル側鎖に付加してこれらの側
鎖有機臭素化合物を形成し易い。
そして、これらは本発明の酸化反応条件下では多かれ少
なかれ分解して臭素イオンを脱離再生する。従つてこの
ような被酸化物の側鎖臭素化合物もまた本発明方法にお
ける触媒B成分源として本発明の反応に有効である。
なかれ分解して臭素イオンを脱離再生する。従つてこの
ような被酸化物の側鎖臭素化合物もまた本発明方法にお
ける触媒B成分源として本発明の反応に有効である。
本発明方法において使用するC成分を形成するアルカリ
金属としては水酸化物の他炭酸塩,酢酸塩,プロピオン
酸塩および臭化物が好ましく、特に硫酸塩,硝酸塩,塩
化物等の(臭化物以外の)無機強酸塩は避けるべきであ
る。アルカリ金属としてはナトリウム,カリウム,リチ
ウムが好ましく、特にカリウムが優れている。
金属としては水酸化物の他炭酸塩,酢酸塩,プロピオン
酸塩および臭化物が好ましく、特に硫酸塩,硝酸塩,塩
化物等の(臭化物以外の)無機強酸塩は避けるべきであ
る。アルカリ金属としてはナトリウム,カリウム,リチ
ウムが好ましく、特にカリウムが優れている。
C成分としてナトリウム,カリウム,リチウムの代りに
アンモニウムやカルシウム,バリウム等のアルカリ土類
金属を用いてもその効果は小さいか或いは実用上は殆ん
ど無効と考えてもよい。
アンモニウムやカルシウム,バリウム等のアルカリ土類
金属を用いてもその効果は小さいか或いは実用上は殆ん
ど無効と考えてもよい。
しかし、これらは前記アルカリ金属と併用しても特に害
は認められない。
は認められない。
本発明の方法で使用するA成分,B成分,C成分はこれ
らを構成するコバルト,マンガン,臭素およびアルカリ
金属の各イオンとして反応を促進し、これら各イオンを
使用する際の化合物を形成する対イオンは化合物の溶解
性、分散性等を保持する副次的効果は有するが、本質的
に本発明の反応に促進効果を示すものではない。
らを構成するコバルト,マンガン,臭素およびアルカリ
金属の各イオンとして反応を促進し、これら各イオンを
使用する際の化合物を形成する対イオンは化合物の溶解
性、分散性等を保持する副次的効果は有するが、本質的
に本発明の反応に促進効果を示すものではない。
従つて、使用するA成分,B成分,C成分は出来るだけ
これらを構成するコバルト,マンガン,臭素およびアル
カリ金属の各イオン相互の塩若しくはこれらと反応に使
用する溶媒との塩を使用することが好ましく、その他の
塩は(例えば炭酸塩、水酸化物、又は遊離酸のように使
用状態で本発明の反応副生成物である炭酸ガスや水等の
無害かつ系内に蓄積しない化合物しか生成しない塩を例
外として)反応系に不必要な他のイオンを持込むので特
に易揮発性乃至非蓄積性のもの以外は、その使用は避け
た方が得策である。
これらを構成するコバルト,マンガン,臭素およびアル
カリ金属の各イオン相互の塩若しくはこれらと反応に使
用する溶媒との塩を使用することが好ましく、その他の
塩は(例えば炭酸塩、水酸化物、又は遊離酸のように使
用状態で本発明の反応副生成物である炭酸ガスや水等の
無害かつ系内に蓄積しない化合物しか生成しない塩を例
外として)反応系に不必要な他のイオンを持込むので特
に易揮発性乃至非蓄積性のもの以外は、その使用は避け
た方が得策である。
本発明者らが前記特開昭60−89445号,同60−89446
号および同61−140540号公報中に記したようにこの酸
化反応においては反応収率面からみる限り原料に対する
A成分の使用割合および溶媒に対するA成分の濃度は何
れも高ければ高い程良くその上限は事実上規定し難い。
号および同61−140540号公報中に記したようにこの酸
化反応においては反応収率面からみる限り原料に対する
A成分の使用割合および溶媒に対するA成分の濃度は何
れも高ければ高い程良くその上限は事実上規定し難い。
しかし、工業的に過度の触媒の使用は生産性の低下を招
来するし、また本発明に示した特定量のアルカリ金属と
酢酸またはプロピオン酸と特定のエステル類との混合溶
媒との使用により上記特許に記されたよりはるかに少量
の触媒の使用で高反応収率が達成出来るので実用上のA
成分の使用量は、使用する溶媒に対しコバルトおよび/
またはマンガンの金属含有量で0.2〜5.0重量%、好まし
くは0.4〜4.0重量%、より好ましくは0.5〜3.0重量%の
範囲である。
来するし、また本発明に示した特定量のアルカリ金属と
酢酸またはプロピオン酸と特定のエステル類との混合溶
媒との使用により上記特許に記されたよりはるかに少量
の触媒の使用で高反応収率が達成出来るので実用上のA
成分の使用量は、使用する溶媒に対しコバルトおよび/
またはマンガンの金属含有量で0.2〜5.0重量%、好まし
くは0.4〜4.0重量%、より好ましくは0.5〜3.0重量%の
範囲である。
またA成分の使用する原料に対する使用割合も、原料2,
6−ジイソプロピルナフタレンまたはその酸化誘導体1
00モルに対してコバルトおよび/またはマンガンより
なる重金属1〜30グラム原子、好ましくは2〜29グ
ラム原子、より好ましくは3〜15グラム原子で充分で
ある。
6−ジイソプロピルナフタレンまたはその酸化誘導体1
00モルに対してコバルトおよび/またはマンガンより
なる重金属1〜30グラム原子、好ましくは2〜29グ
ラム原子、より好ましくは3〜15グラム原子で充分で
ある。
本発明方法におけるA成分としては、コバルトまたはマ
ンガンの何れかまたは両者の混合物が使用される。これ
らは夫々単独で使用する場合には、コバルトよりもマン
ガンの方がより優れた活性を示すので好ましいが、就中
コバルトとマンガンとを混合して使用すると、いずれか
を単独で使用する場合にくらべて極めて高い活性を示す
ので、、本発明の触媒として際も優れている。コバルト
およびマンガンを混合して使用する場合その混合割合
は、例えば反応温度,時間,触媒使用量,溶媒使用量な
どによりその好ましい範囲が左右される。しかし、通常
Co:Mnの原子比で表わして1:99〜99:1、特に1
0:90〜95:5の範囲が好ましい。
ンガンの何れかまたは両者の混合物が使用される。これ
らは夫々単独で使用する場合には、コバルトよりもマン
ガンの方がより優れた活性を示すので好ましいが、就中
コバルトとマンガンとを混合して使用すると、いずれか
を単独で使用する場合にくらべて極めて高い活性を示す
ので、、本発明の触媒として際も優れている。コバルト
およびマンガンを混合して使用する場合その混合割合
は、例えば反応温度,時間,触媒使用量,溶媒使用量な
どによりその好ましい範囲が左右される。しかし、通常
Co:Mnの原子比で表わして1:99〜99:1、特に1
0:90〜95:5の範囲が好ましい。
本発明方法において反応中のDIPNおよびその酸化誘
導体の濃度は前記の急速な反応進行を防ぐために、あま
り高くないように保つ事が望まれる。
導体の濃度は前記の急速な反応進行を防ぐために、あま
り高くないように保つ事が望まれる。
反応中、反応系内のDIPNおよびその酸化誘導体濃度
は系中に存在する触媒中A成分に対し、モル比2.0を越
えない事が好ましく、特に1.0以下、とりわけ0.5以下が
適当である。
は系中に存在する触媒中A成分に対し、モル比2.0を越
えない事が好ましく、特に1.0以下、とりわけ0.5以下が
適当である。
反応系中のDIPNおよびその酸化誘導体の対A成分の
モル比が高いと前記の触媒濃度が如何に好適に保たれて
も、反応の急速な進行による副反応の生起を抑える事が
困難となり、目的生成物NDAの収率が低下する傾向が
認められる。
モル比が高いと前記の触媒濃度が如何に好適に保たれて
も、反応の急速な進行による副反応の生起を抑える事が
困難となり、目的生成物NDAの収率が低下する傾向が
認められる。
しかし、一般には連続反応または少くとも半連続反応の
場合、反応温度と酸素濃度(酸素分圧)とを好適条件範
囲内に保持する限り原料の反応による消失は速かであ
り、反応中の原料濃度を上記規制値以下に保つ事は比較
的容易である。
場合、反応温度と酸素濃度(酸素分圧)とを好適条件範
囲内に保持する限り原料の反応による消失は速かであ
り、反応中の原料濃度を上記規制値以下に保つ事は比較
的容易である。
本発明者の研究によれば、B成分として反応に使用する
臭素の最適濃度は使用するA成分およびC成分濃度のみ
でなく反応温度,原料濃度,溶媒量等の他の反応条件に
も依存する。従つて本発明方法における臭素濃度を一義
的に規制するのは困難であるが、B成分臭素はA成分と
は異つてその濃度が高ければ高い程良いわけではなくあ
る濃度以上では殆んどNDA収率はB成分の濃度に比例
して上昇しなくなるばかりでなく後記のB成分とC成分
との比の如何では、B成分の濃度があまりに高過ぎると
NDAの収率はかえつて低下する傾向がある。実用上の
見地からも無用に多量のB成分を使用することは好まし
くないのでB成分の濃度は使用する溶媒1000gに対して
2.0molを越えない範囲で且つ、使用するA成分に対し原
子比で0.1〜20、好ましくは0.3〜10.0、より好ましく
は0.5〜5.0程度が好ましい。
臭素の最適濃度は使用するA成分およびC成分濃度のみ
でなく反応温度,原料濃度,溶媒量等の他の反応条件に
も依存する。従つて本発明方法における臭素濃度を一義
的に規制するのは困難であるが、B成分臭素はA成分と
は異つてその濃度が高ければ高い程良いわけではなくあ
る濃度以上では殆んどNDA収率はB成分の濃度に比例
して上昇しなくなるばかりでなく後記のB成分とC成分
との比の如何では、B成分の濃度があまりに高過ぎると
NDAの収率はかえつて低下する傾向がある。実用上の
見地からも無用に多量のB成分を使用することは好まし
くないのでB成分の濃度は使用する溶媒1000gに対して
2.0molを越えない範囲で且つ、使用するA成分に対し原
子比で0.1〜20、好ましくは0.3〜10.0、より好ましく
は0.5〜5.0程度が好ましい。
一般的にはA成分濃度が低い場合ほど、この比は高い方
がよい。
がよい。
本発明方法において使用するC成分の最適濃度は他の反
応条件にも依存し必ずしも一義的には決められないが、
少くとも反応系中に存在する臭素1g原子当り0.8g原
子は必要であり、それ以下ではNDAが収率は著しく低
く実用的でない。しかし臭素原子に対するC成分の濃度
は高ければ高いほど良いかけではなく、ある程度以上で
は殆んどNDA収率はC成分の濃度に比例して上昇しな
くなるばかりでなく、B成分とC成分との比の如何では
C成分の濃度が高過ぎるとNDAの収率はかえつて低下
する場合がある。
応条件にも依存し必ずしも一義的には決められないが、
少くとも反応系中に存在する臭素1g原子当り0.8g原
子は必要であり、それ以下ではNDAが収率は著しく低
く実用的でない。しかし臭素原子に対するC成分の濃度
は高ければ高いほど良いかけではなく、ある程度以上で
は殆んどNDA収率はC成分の濃度に比例して上昇しな
くなるばかりでなく、B成分とC成分との比の如何では
C成分の濃度が高過ぎるとNDAの収率はかえつて低下
する場合がある。
又、実用上の見地からも無用に多量のC成分を使用する
事は何ら効用がないのみならず、かえつて有害の場合の
方が多く、この面からもC成分の使用量は臭素1g原子
当り6.0g原子を越えない事が望ましい。
事は何ら効用がないのみならず、かえつて有害の場合の
方が多く、この面からもC成分の使用量は臭素1g原子
当り6.0g原子を越えない事が望ましい。
すなわちC成分の使用量は反応系中に存在する臭素1g
原子当り0.8〜6.0g原子、より好ましくは1.1〜4.0g原
子、更に好ましくは1.5〜3.0g原子である。
原子当り0.8〜6.0g原子、より好ましくは1.1〜4.0g原
子、更に好ましくは1.5〜3.0g原子である。
本発明者の研究によれば、C成分/B成分の割合は約2
/1(g原子比)が最も優れている。
/1(g原子比)が最も優れている。
但し、この比はB成分(臭素)の濃度が低い場合ほどそ
の値が大きい方へ偏る傾向があり、従つてC成分の最適
使用量は上記の範囲が最も実用的である。
の値が大きい方へ偏る傾向があり、従つてC成分の最適
使用量は上記の範囲が最も実用的である。
またC成分の濃度は、その対臭素比が上記範囲内であつ
ても使用する混合溶媒に対して4.0mol/1,000gを越え
ない事が望ましい。
ても使用する混合溶媒に対して4.0mol/1,000gを越え
ない事が望ましい。
本発明方法において使用する溶媒は少くともその50%
以上が酢酸またはプロピオン酸と特定エステル類との混
合物であればよく、その他は特に規制されない。
以上が酢酸またはプロピオン酸と特定エステル類との混
合物であればよく、その他は特に規制されない。
必要に応じて、適宜水,その他の媒体と混合して使用さ
れる。水が含まれる場合、その割合は30重量%以下、
殊に20重量%以下が望ましい。
れる。水が含まれる場合、その割合は30重量%以下、
殊に20重量%以下が望ましい。
水は本発明の反応において副生成物として生成し、従つ
て反応中、反応溶媒中に水の存在を完全に避けることは
事実上困難であるが、DIPNの酸化においてはp−キ
シレンやジメチルナフタレン等の場合よりも水の存在は
反応に悪影響を及ぼす傾向がある。
て反応中、反応溶媒中に水の存在を完全に避けることは
事実上困難であるが、DIPNの酸化においてはp−キ
シレンやジメチルナフタレン等の場合よりも水の存在は
反応に悪影響を及ぼす傾向がある。
溶媒は本質的には原料および触媒の少くとも一部を溶解
し、これらと分子状酸素との接触を助けるために使用さ
れるがその他にも熱の分散,除熱や生成物の流動性,生
成物の結晶成長等を促進,助長し、本発明方法の工業的
実施を容易にする等の目的を有している。
し、これらと分子状酸素との接触を助けるために使用さ
れるがその他にも熱の分散,除熱や生成物の流動性,生
成物の結晶成長等を促進,助長し、本発明方法の工業的
実施を容易にする等の目的を有している。
従つて、使用量はこれらの目的に応じて定められるべき
であり本質的に本発明方法に使用される溶媒量は規制さ
れないが実用上系中の原料および目的NDAの合計重量
に対して1〜10倍、好ましくは2〜5倍程度の使用が
実施に便利である。
であり本質的に本発明方法に使用される溶媒量は規制さ
れないが実用上系中の原料および目的NDAの合計重量
に対して1〜10倍、好ましくは2〜5倍程度の使用が
実施に便利である。
溶媒の使用量が過度に少いと本発明の目的が充分に達成
されず、反応の円滑な進行が妨げられるが、逆に上記の
使用量以上に過度に溶媒を多量に使用しても反応自体が
それより促進される事はなく、かえつて溶媒の酸化燃焼
による損失のみが多くなり得策でない。
されず、反応の円滑な進行が妨げられるが、逆に上記の
使用量以上に過度に溶媒を多量に使用しても反応自体が
それより促進される事はなく、かえつて溶媒の酸化燃焼
による損失のみが多くなり得策でない。
本発明方法において分子状酸素としては純酸素の他、こ
れを他の不活性ガスで稀釈した混合ガスが使用される
が、実用上空気が最も入手し易い分子状酸素含有ガスで
あり、これをそのままあるいは必要に応じて適宜酸素あ
るいは他の不活性ガスで濃縮あるいは稀釈して使用する
ことが出来る。
れを他の不活性ガスで稀釈した混合ガスが使用される
が、実用上空気が最も入手し易い分子状酸素含有ガスで
あり、これをそのままあるいは必要に応じて適宜酸素あ
るいは他の不活性ガスで濃縮あるいは稀釈して使用する
ことが出来る。
本発明方法の酸化反応は常圧でも可能であるが加圧下で
より一層速やかに進行する。
より一層速やかに進行する。
反応は一般には系中の酸素分圧が高ければ高いほど速や
かに進行するが実用上の見地からは酸素分圧0.1kg/cm
2-abs以上、好ましくは0.2kg/cm2-abs以上8kg/cm2-a
bs以下程度で充分であり、これを不活性ガスとの混合状
態で使用した場合の全圧でも30kg/cm2-G以下で反応
は速やかに進行し高収率でNDAを得る事が出来る。従
つて、酸素分圧を8kg/cm2-abs以上にする事による工
業的利点は少い。
かに進行するが実用上の見地からは酸素分圧0.1kg/cm
2-abs以上、好ましくは0.2kg/cm2-abs以上8kg/cm2-a
bs以下程度で充分であり、これを不活性ガスとの混合状
態で使用した場合の全圧でも30kg/cm2-G以下で反応
は速やかに進行し高収率でNDAを得る事が出来る。従
つて、酸素分圧を8kg/cm2-abs以上にする事による工
業的利点は少い。
反応は60℃でも進行するが、このとき反応速度は遅く
必ずしも経済的ではない。また反応速度が240℃を越
えると副生成物の生成比率が増加しNDAの収率は低下
する。
必ずしも経済的ではない。また反応速度が240℃を越
えると副生成物の生成比率が増加しNDAの収率は低下
する。
また高温下では溶媒の燃焼損失も無視出来なくなる。一
般には好ましい反応温度は120〜240℃、より好ま
しくは160〜230℃、特に好ましくは180〜22
0℃の範囲が有利である。
般には好ましい反応温度は120〜240℃、より好ま
しくは160〜230℃、特に好ましくは180〜22
0℃の範囲が有利である。
本発明方法の酸化反応を実施するに当つては触媒および
溶媒と原料とを同時又は別々に反応容器に装入しても
(必要に応じて加温後)これに分子状酸素含有ガスを吹
込み所定の圧力,温度を保持しながらNDAが得られる
までの充分な時間反応を行なう。
溶媒と原料とを同時又は別々に反応容器に装入しても
(必要に応じて加温後)これに分子状酸素含有ガスを吹
込み所定の圧力,温度を保持しながらNDAが得られる
までの充分な時間反応を行なう。
反応の進行に伴い、分子状酸素が吸収されると共に多量
の反応熱を発生するので、通常酸化反応中は外部からの
加温,加熱は不要であるばかりでなく、むしろ除熱して
所定反応温度を維持することが必要である。
の反応熱を発生するので、通常酸化反応中は外部からの
加温,加熱は不要であるばかりでなく、むしろ除熱して
所定反応温度を維持することが必要である。
この際、除熱は反応系媒体の蒸発や吹込みガスの放出に
よる熱の随伴等の内部除熱かあるいは外部から水,水蒸
気等冷媒を用いて冷却するか若しくはこれら双方を併用
するか等の公知の方法により容易に可能である。
よる熱の随伴等の内部除熱かあるいは外部から水,水蒸
気等冷媒を用いて冷却するか若しくはこれら双方を併用
するか等の公知の方法により容易に可能である。
反応系中の原料が消失し、反応の終了が近付くと分子状
酸素の吸収が見掛け上殆んど停止するが、この時点で反
応系内にはまだ完全にNDAに転化していない反応中間体
の存在が認められる場合がある。
酸素の吸収が見掛け上殆んど停止するが、この時点で反
応系内にはまだ完全にNDAに転化していない反応中間体
の存在が認められる場合がある。
このような場合には必要に応じてこれを更に分子状酸素
と接触させるいわゆるポスト・オキシデーションにより
反応を完結させるとNDAの収率が向上すると共に同時
に不要な副生成物やその中間体を酸化分解して生成ND
Aの純度をも向上せしめることが出来る。
と接触させるいわゆるポスト・オキシデーションにより
反応を完結させるとNDAの収率が向上すると共に同時
に不要な副生成物やその中間体を酸化分解して生成ND
Aの純度をも向上せしめることが出来る。
このようなポスト・オキシデーションは主酸化反応に引
続き酸化反応容器内でそのままかまたは主酸化反応後、
一旦別容器に移してこれを所要時間分子状酸素と接触さ
せることにより行われる。
続き酸化反応容器内でそのままかまたは主酸化反応後、
一旦別容器に移してこれを所要時間分子状酸素と接触さ
せることにより行われる。
この際ポスト・オキシデーションの反応圧力,温度は主
反応の場合と同じである必要はなく、これより高くても
低くてもよい。
反応の場合と同じである必要はなく、これより高くても
低くてもよい。
反応終了後反応生成混合物からのNDAの分離・回収お
よびNDAの精製とNDAを除去した反応母液の後処
理,循環,再使用等は他のNDAの製造やテレフタル酸
の製造において公知の常法に従つて行う事が出来る。
よびNDAの精製とNDAを除去した反応母液の後処
理,循環,再使用等は他のNDAの製造やテレフタル酸
の製造において公知の常法に従つて行う事が出来る。
本発明方法はバツチでも連続でも実施出来るがバツチ反
応では前記のように触媒に対する原料濃度を低くする必
要があり、必ずしも実用的ではない。
応では前記のように触媒に対する原料濃度を低くする必
要があり、必ずしも実用的ではない。
可能な限り酸化反応は連続若しくは触媒溶液中に原料を
少量宛回分または連続で添加して反応を行ういわゆる半
連続法の何れかによることが好ましい。
少量宛回分または連続で添加して反応を行ういわゆる半
連続法の何れかによることが好ましい。
以上、本発明方法の実施により従来DIPNまたはその
酸化中間体から低収率でしか得られなかつたNDAが容
易に高収率且つ高純度で得られるようになり工業的に従
来の何れかの方法によるよりも安価で且つ高品質のND
Aの供給が可能になつた。
酸化中間体から低収率でしか得られなかつたNDAが容
易に高収率且つ高純度で得られるようになり工業的に従
来の何れかの方法によるよりも安価で且つ高品質のND
Aの供給が可能になつた。
以下実施例およびその比較例を掲げて本発明方法を詳述
する。
する。
なお、以下例示において部とはすべて重量部を指す。
実施例1 環流冷却器を付したガス排出管,ガス吹込管,原料連続
送入ポンプおよび攪拌機を有するチタン・ライニング加
圧反応容器に 酢酸 50部 γ−ブチロラクトン 100部 酢酸コバルト四水塩(Co(OAc)2・4H2O) 3.11部 酢酸マンガン四水塩(Mn(OAc)2・4H2O) 3.06部 臭化カリウム(KBr) 11.90部 酢酸カリウム(KOAc) 9.81部 を装入して温度200℃,圧力30kg/cm2・Gの条件
下で激しく攪拌しながらこれに2,6−ジイソプロピルナ
フタレン(DIPN)53.08部を溶融状態で連続的に4h
rかけて送入すると共に過剰の圧縮空気を流通して酸化
反応を行つた。
送入ポンプおよび攪拌機を有するチタン・ライニング加
圧反応容器に 酢酸 50部 γ−ブチロラクトン 100部 酢酸コバルト四水塩(Co(OAc)2・4H2O) 3.11部 酢酸マンガン四水塩(Mn(OAc)2・4H2O) 3.06部 臭化カリウム(KBr) 11.90部 酢酸カリウム(KOAc) 9.81部 を装入して温度200℃,圧力30kg/cm2・Gの条件
下で激しく攪拌しながらこれに2,6−ジイソプロピルナ
フタレン(DIPN)53.08部を溶融状態で連続的に4h
rかけて送入すると共に過剰の圧縮空気を流通して酸化
反応を行つた。
DIPNの送入完了後さらにそのまま200℃,30kg
/cm2・Gに保つて空気の流通を1hr継続して反応を完
結させた後、反応生成物を取出して主として2,6−ナフ
タレン・ジカルボン酸(NDA)より成る生成固体沈殿
を分離した。
/cm2・Gに保つて空気の流通を1hr継続して反応を完
結させた後、反応生成物を取出して主として2,6−ナフ
タレン・ジカルボン酸(NDA)より成る生成固体沈殿
を分離した。
これを熱酢酸および熱水で洗浄後乾燥し、NDA純度9
9.94%の帯黄白色微結晶生成物47.87部を得た。これは
使用した原料DIPNに対する収率として88.51モル%
に相当する。
9.94%の帯黄白色微結晶生成物47.87部を得た。これは
使用した原料DIPNに対する収率として88.51モル%
に相当する。
比較例1 実施例1と同様の反応装置で酢酸とγ−ブチロラクトン
との混合物の代りに酢酸150部を用いた以外は実施例
1と同様の反応を行つた。その結果、得られた生成物は
NDA純度98.41%の黄褐色固体42.53部であつた。これ
は使用した原料DIPNに対する収率として77.44モル
%に相当する。
との混合物の代りに酢酸150部を用いた以外は実施例
1と同様の反応を行つた。その結果、得られた生成物は
NDA純度98.41%の黄褐色固体42.53部であつた。これ
は使用した原料DIPNに対する収率として77.44モル
%に相当する。
実施例2〜6,比較例2 実施例1と同様の反応装置で表−1に示した種々の混合
溶媒を用いた以外は、実施例1と同様の反応を行つた。
その結果を表−1に記す。
溶媒を用いた以外は、実施例1と同様の反応を行つた。
その結果を表−1に記す。
実施例7,8 実施例1と同様の反応装置に プロピオン酸 50部 エチレングリコール・ジアセタート 100部 酢酸コバルト四水塩 6.22部 酢酸マンガン四水塩 6.12部 臭化カリウム 11.90部 酢酸カリウム 9.81部 を装入して実施例と同様の条件・操作により酸化反応と
生成物の分離・分析を行つた。
生成物の分離・分析を行つた。
その結果、得られたNDAは微帯黄白色の結晶でその純
度100.00%,収量50.04部で使用原料に対する収率92.58
モル%に相当する。
度100.00%,収量50.04部で使用原料に対する収率92.58
モル%に相当する。
なお、この反応に伴いエチレングリコール・ジアセター
トの一部はプロピオン酸とのエステル交換により、プロ
ピオン酸のエステルに変化し、また一部は生成水に加水
分解されてモノエステルを生成していることが認められ
たが、その量はかずかであり、これらにより酸化反応の
進行状態が左右される微候は全く認められなかつた。
トの一部はプロピオン酸とのエステル交換により、プロ
ピオン酸のエステルに変化し、また一部は生成水に加水
分解されてモノエステルを生成していることが認められ
たが、その量はかずかであり、これらにより酸化反応の
進行状態が左右される微候は全く認められなかつた。
次にエチレングリコール・ジアセタート100部の代りに
γ−ブチロラクトン100部を用いた以外は上記と全く
同様の反応を行つた結果、同様に微帯黄白色のNDA4
8.22部が得られ、その純度99.99%、これは使用原料に
対する収率89.21モル%に相当する。
γ−ブチロラクトン100部を用いた以外は上記と全く
同様の反応を行つた結果、同様に微帯黄白色のNDA4
8.22部が得られ、その純度99.99%、これは使用原料に
対する収率89.21モル%に相当する。
なお、本反応中γ−ブチロラクトンの分解は殆んど認め
られずその実質量が回収された。
られずその実質量が回収された。
また、上記のすべての実施例においてエステルを溶媒と
して使用する事による生成NDAの溶媒とのエステル化
は全く認められず、反応中間体のモノカルボン酸(2−
イソプロピル・ナフトエ酸γ)および副生成物トリメリ
ツト酸の各痕跡量が溶媒エステルによりエステル化して
いる例が散見されたに過ぎない。
して使用する事による生成NDAの溶媒とのエステル化
は全く認められず、反応中間体のモノカルボン酸(2−
イソプロピル・ナフトエ酸γ)および副生成物トリメリ
ツト酸の各痕跡量が溶媒エステルによりエステル化して
いる例が散見されたに過ぎない。
比較例3〜12 次に本発明方法による反応促進が本発明における特定エ
ステルに特有な効果であることを示すため、その他の多
くの混合溶媒による反応例を列記する。
ステルに特有な効果であることを示すため、その他の多
くの混合溶媒による反応例を列記する。
反応は、表−2に示した各種の混合溶媒を酢酸とγ−ブ
チロラクトンとの混合物の代りに使用し、表−2に記し
た反応温度で行つた以外は実施例1と同様の装置・条件
・操作で行つた。
チロラクトンとの混合物の代りに使用し、表−2に記し
た反応温度で行つた以外は実施例1と同様の装置・条件
・操作で行つた。
その結果を表−2に記す。
Claims (2)
- 【請求項1】2,6−ジイソプロピルナフタレンまたはそ
の酸化誘導体を (i)コバルトおよび/またはマンガンよりなる重金属 (ii)臭素および (iii)アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、プ
ロピオン酸塩及び臭化物よりなる群から選ばれた少くと
も1種 を含有する触媒の存在下、分子状酸素により酸化して2,
6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法において、
該酸化を、下記 (iv)酢酸およびプロピオン酸よりなる群から選ばれた
少くとも1種の有機モノカルボン酸(a) 及び (v)エチレングリコールジアセテートおよびγ−ブチロ
ラクトンよりなる群から選ばれた少くとも1種のエステ
ル類(b) を少くとも50重量%含有する混合溶媒中で行うことを特
徴とする2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法。 - 【請求項2】該有機モノカルボン酸(a)と該エステル類
(b)との混合割合が、重量比で (a):(b)=95:5〜30:70 である特許請求の範囲第1項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61250776A JPH0637424B2 (ja) | 1986-10-23 | 1986-10-23 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61250776A JPH0637424B2 (ja) | 1986-10-23 | 1986-10-23 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63104944A JPS63104944A (ja) | 1988-05-10 |
| JPH0637424B2 true JPH0637424B2 (ja) | 1994-05-18 |
Family
ID=17212873
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61250776A Expired - Lifetime JPH0637424B2 (ja) | 1986-10-23 | 1986-10-23 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0637424B2 (ja) |
-
1986
- 1986-10-23 JP JP61250776A patent/JPH0637424B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63104944A (ja) | 1988-05-10 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |