JPH0529022B2 - - Google Patents
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- JPH0529022B2 JPH0529022B2 JP60086563A JP8656385A JPH0529022B2 JP H0529022 B2 JPH0529022 B2 JP H0529022B2 JP 60086563 A JP60086563 A JP 60086563A JP 8656385 A JP8656385 A JP 8656385A JP H0529022 B2 JPH0529022 B2 JP H0529022B2
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- Prior art keywords
- reaction
- oxidation
- nda
- parts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
(a) 産業上の利用分野
本発明は、2,6−ジイソプロピルナフタレン
又はその酸化誘導体を分子状酸素により酸化し
て、2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する
方法に関するものである。更に詳しくは該酸化を
酢酸含有溶媒中重金属及び臭素を含む触媒の存在
下に行つて目的とする2,6−ナフタレンジカル
ボン酸を極めて高い収率で得る方法に関するもの
である。 (b) 従来技術 2,6−ナフタレンジカルボン酸(以下これを
“NDA”と略称することがある)或いはそのエス
テル、酸クロライドの如き誘導体は、種々のポリ
エステル、ポリアミドなどの二塩基酸成分として
価値ある化合物であり、殊にNDAとエチレング
リコールとから形成されるポリエチレンナフタレ
ートは、ポリエチレンテレフタレートと較べて耐
熱性、機械的特性がより優れており、フイルムや
繊維製品を与える重合体として有用である。 従来、NDAの製造法としては、2,6−ジメ
チルナフタレンの酸化反応、例えば2,6−ジメ
チルナフタレンを酢酸溶媒中コバルト、マンガン
及び臭素よりなる触媒の存在下に分子状酸素と接
触酸化せしめる方法が知られている。この方法は
2,6−ジメチルナフタレンからNDAへの酸化
自体は比較的容易であり、目的とするNDAを比
較的高純度且つ高収率で得ることができる。 しかしこの方法における原料である2,6−ジ
メチルナフタレンはその製造法が煩雑であり、大
量且つ安価に得ることは困難である。すなわち、
ナフタレンのメチル化、ジメチルナフタレンの異
性化、モノメチルナフタレンの不均化、その他ト
ランス・アルキル化法などが2,6−ジメチルナ
フタレンの合成法として知られているが、これら
の方法はいずれも、2,6−ジメチルナフタレン
以外の他の異性体、殊に2,7−ジメチルナフタ
レンの生成を避けることができず、混合ジメチル
ナフタレンからの2,6体の単離は2,7−体と
融点、沸点、溶解特性が極めて近似乃至類似して
いるため極めて困難であつた。 一方これに比べて、ジイソプロピルナフタレン
は、ナフタレンとプロピレンとから容易に合成す
ることが出来、混合ジイソプロピルナフタレンか
ら、2,6−体の分離、その他アルキル化、不均
化、異性化、トランス・アルキル化も比較的容易
である。 しかし乍ら、本発明者らの研究によれば、2,
6−ジイソプロピルナフタレン(以下これを
“DIPN”と略称することがある)の酸化反応は、
上記公知に従つて酸化すると、p−キシレンや
2,6−ジメチルナフタレンを酸化するに適した
反応条件下では、NDAの収率は50%以下と極め
て低くまた、多量の副生成物が生成するために得
られるNDAの純度も低く、従つて上記公知方法
によつて工業的にDIPNからNDAを得ることは
到底不可能であり、従つてこれまでのこのような
方法によるDIPNからのNDA製造は工業的に全
く顧みられる事がなかつた。 このように前記DIPNの酸化が満足すべき結果
が得られなかつた理由は、明確には判らないが本
発明者らは多くの実験から、その他のアルキル置
換芳香族炭化水素の酸化の場合と異なり、活性が
高く対酸化安定性の低いイソプロピル基とナフタ
レン核とを有するDIPNの酸化においては反応初
期のイソプロピル基の水素引抜きに伴うラジカル
およびヒドロペルオキシドの生成が極めて容易か
つ速やかな一方触媒臭素のイソフロピルラジカル
への付加、それに伴う触媒の活性低下、その結果
によるナフタレン核開裂の促進、さらに触媒の安
定錯体(例えばオルソ−ベンゼンカルボン酸錯体
等)形成による不活性化等が急速に順次進行して
そのために目的とする酸化が充分に進行せずむし
も副反応が促進されるためであろうと推察してい
る。 先に本発明者らはDIPN又はその酸化誘導体の
酸化において被酸化物に対して従来知られている
量よりも遥かに多量のコバルト、および/又はマ
ンガンを使用する事により前記副反応を抑制し、
高収率でNDAを得る方法を見出し先に提案した
(特願昭58−197558、同58−197559及び同59−
261765号明細書参照)。 これらの方法では、従来知られている如何なる
方法によるよりも高収率でかつ高純度のNDAが
得られるため工業的に極めて有用である反面高価
且つ環境に有害な触媒金属を多量に使用するため
これらの反応中の取扱操作や回収、循環、公害防
止等に多大の考慮を要するという欠点があつた。 (c) 発明の構成 このため、本発明者等はさらに工業的に有利な
DIPN又はその酸化誘導体の酸化法の研究を継続
した結果、触媒として使用する臭素に対しアルカ
リ金属を存在せしめる事により極めて優れた効果
が得られることを見出し本発明に到達した。 すなわち、本発明は、2,6−ジイソプロピル
ナフタレン又はその酸化誘導体を、酢酸を少くと
も50重量%含有する溶媒中で、 (i) ゴバルト及び/又はマンガンよりなる重金属
及び (ii) 臭素 よりなる触媒の存在下分子状酸素により酸化し
2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法
において、該酸化を、特定のアルカリ金属化合物
の存在下で所定の濃度において行うことを特徴と
する2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法で
ある。 従来、一般にアルキル置換芳香族炭化水素、特
にp−キシレンを、コバルト・マンガンの如き重
金属と臭素よりなる触媒を使用し、脂肪族モノカ
ルボン酸中で分子状酸素により酸化する方法にお
いて、その反応をナトリウム・カリウム等のアル
カリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属やア
ンモニウムの共存下、行う方法は公知であり、そ
の目的のためにNaBr、KBr、CaBr2、NH4Br等
の臭化物やNaOH、KOH等の水酸化物がHBr、
CoBr2、MnBr2と併用して使用されている。 しかし従来知られている限りでは、このような
アルカリ金属等の反応系への添加効果は反応の本
質に対しては極めて小さく例えば特公昭49−
25936号公報実施例10および比較例6〜8中には
触媒として酢酸コバルト、酢酸マンガン、臭化水
素酸を用いてp−キシレンを酸化した場合より臭
化水素酸の代りに臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化アンモニウムを用いた場合の方が得られ
たテレフタル酸の収率は、わずかではあるが低い
(前者が97モル%に対し後者は96〜94モル%)事
が示されている。 また特公昭59−8252号公報には同様にp−キシ
レンの酸化において臭素原子に対して特定量(7/
9以下)のアルカリ金属原子を添加する方法が示
されているが、これによるテレフタル酸の収率の
増減については言及されておらず、生成物の性状
の変化のみが示されている。 特公昭56−3337号公報にはジメチルナフタレン
を酸化する場合アンモニウムを添加した例(実施
例1〜3)および添加しない例(実施例6)が示
されているが、生成ナフタレンジカルボン酸の収
率は殆んど94〜96モル%である。 このように従来公知の文献特許明細書等中に
は、このような酸化反応にアルカリ金属等の添加
されている例は多いが、これにより、特に著しい
収率上の効果の発現が記載されている例は見当ら
ず、むしろかえつて生成物の性状に対して好まし
くないとする記載(例えば特開昭51−127037号公
報および特公昭49−25936号公報等)もあり、こ
れらの記載からみても、この酸化反応に対してア
ルカリ金属の添加が本質的に必須なものとは考え
難い。 事実本発明者の実験においてもp−キシレンや
ジメチルナフタレン等の従来公知の酸化反応にお
いて、アルカリ金属やアンモニウム等の添加効果
は高々5%の収率向上すら認められず、殆んど同
等乃至むしろ低下を示す場合が多かつた。 これに反して、本発明のDIPN又はその酸化誘
導体の酸化においては、後述する多くの実施例の
結果が示しているように、その反応におけるアル
カリ金属の添加効果は顕著であり、従つて本発明
では、アルカリ金属の添加は本質的に不可欠な要
素であることがわかる。 本発明において出発原料は2,6−ジイソプロ
ピルナフタレン(DIPN)又はその酸化誘導体で
あり、それらは高純度のものが好ましいが必ずし
も純粋である必要はなく、酸化反応に対する影響
或いは生成するNDAの純度、着色に許容される
範囲で他の成分を含んでいてもよい。DIPNの酸
化誘導体とは、DIPNの酸化によつて生成し、ま
た反応系内において酸化されることによつて最終
的に目的とするNDAを与えるものである。そこ
で本発明の出発原料を、具体的に示すと下記一般
式()で表わされる。 [但し式中R1は
又はその酸化誘導体を分子状酸素により酸化し
て、2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する
方法に関するものである。更に詳しくは該酸化を
酢酸含有溶媒中重金属及び臭素を含む触媒の存在
下に行つて目的とする2,6−ナフタレンジカル
ボン酸を極めて高い収率で得る方法に関するもの
である。 (b) 従来技術 2,6−ナフタレンジカルボン酸(以下これを
“NDA”と略称することがある)或いはそのエス
テル、酸クロライドの如き誘導体は、種々のポリ
エステル、ポリアミドなどの二塩基酸成分として
価値ある化合物であり、殊にNDAとエチレング
リコールとから形成されるポリエチレンナフタレ
ートは、ポリエチレンテレフタレートと較べて耐
熱性、機械的特性がより優れており、フイルムや
繊維製品を与える重合体として有用である。 従来、NDAの製造法としては、2,6−ジメ
チルナフタレンの酸化反応、例えば2,6−ジメ
チルナフタレンを酢酸溶媒中コバルト、マンガン
及び臭素よりなる触媒の存在下に分子状酸素と接
触酸化せしめる方法が知られている。この方法は
2,6−ジメチルナフタレンからNDAへの酸化
自体は比較的容易であり、目的とするNDAを比
較的高純度且つ高収率で得ることができる。 しかしこの方法における原料である2,6−ジ
メチルナフタレンはその製造法が煩雑であり、大
量且つ安価に得ることは困難である。すなわち、
ナフタレンのメチル化、ジメチルナフタレンの異
性化、モノメチルナフタレンの不均化、その他ト
ランス・アルキル化法などが2,6−ジメチルナ
フタレンの合成法として知られているが、これら
の方法はいずれも、2,6−ジメチルナフタレン
以外の他の異性体、殊に2,7−ジメチルナフタ
レンの生成を避けることができず、混合ジメチル
ナフタレンからの2,6体の単離は2,7−体と
融点、沸点、溶解特性が極めて近似乃至類似して
いるため極めて困難であつた。 一方これに比べて、ジイソプロピルナフタレン
は、ナフタレンとプロピレンとから容易に合成す
ることが出来、混合ジイソプロピルナフタレンか
ら、2,6−体の分離、その他アルキル化、不均
化、異性化、トランス・アルキル化も比較的容易
である。 しかし乍ら、本発明者らの研究によれば、2,
6−ジイソプロピルナフタレン(以下これを
“DIPN”と略称することがある)の酸化反応は、
上記公知に従つて酸化すると、p−キシレンや
2,6−ジメチルナフタレンを酸化するに適した
反応条件下では、NDAの収率は50%以下と極め
て低くまた、多量の副生成物が生成するために得
られるNDAの純度も低く、従つて上記公知方法
によつて工業的にDIPNからNDAを得ることは
到底不可能であり、従つてこれまでのこのような
方法によるDIPNからのNDA製造は工業的に全
く顧みられる事がなかつた。 このように前記DIPNの酸化が満足すべき結果
が得られなかつた理由は、明確には判らないが本
発明者らは多くの実験から、その他のアルキル置
換芳香族炭化水素の酸化の場合と異なり、活性が
高く対酸化安定性の低いイソプロピル基とナフタ
レン核とを有するDIPNの酸化においては反応初
期のイソプロピル基の水素引抜きに伴うラジカル
およびヒドロペルオキシドの生成が極めて容易か
つ速やかな一方触媒臭素のイソフロピルラジカル
への付加、それに伴う触媒の活性低下、その結果
によるナフタレン核開裂の促進、さらに触媒の安
定錯体(例えばオルソ−ベンゼンカルボン酸錯体
等)形成による不活性化等が急速に順次進行して
そのために目的とする酸化が充分に進行せずむし
も副反応が促進されるためであろうと推察してい
る。 先に本発明者らはDIPN又はその酸化誘導体の
酸化において被酸化物に対して従来知られている
量よりも遥かに多量のコバルト、および/又はマ
ンガンを使用する事により前記副反応を抑制し、
高収率でNDAを得る方法を見出し先に提案した
(特願昭58−197558、同58−197559及び同59−
261765号明細書参照)。 これらの方法では、従来知られている如何なる
方法によるよりも高収率でかつ高純度のNDAが
得られるため工業的に極めて有用である反面高価
且つ環境に有害な触媒金属を多量に使用するため
これらの反応中の取扱操作や回収、循環、公害防
止等に多大の考慮を要するという欠点があつた。 (c) 発明の構成 このため、本発明者等はさらに工業的に有利な
DIPN又はその酸化誘導体の酸化法の研究を継続
した結果、触媒として使用する臭素に対しアルカ
リ金属を存在せしめる事により極めて優れた効果
が得られることを見出し本発明に到達した。 すなわち、本発明は、2,6−ジイソプロピル
ナフタレン又はその酸化誘導体を、酢酸を少くと
も50重量%含有する溶媒中で、 (i) ゴバルト及び/又はマンガンよりなる重金属
及び (ii) 臭素 よりなる触媒の存在下分子状酸素により酸化し
2,6−ナフタレンジカルボン酸を製造する方法
において、該酸化を、特定のアルカリ金属化合物
の存在下で所定の濃度において行うことを特徴と
する2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法で
ある。 従来、一般にアルキル置換芳香族炭化水素、特
にp−キシレンを、コバルト・マンガンの如き重
金属と臭素よりなる触媒を使用し、脂肪族モノカ
ルボン酸中で分子状酸素により酸化する方法にお
いて、その反応をナトリウム・カリウム等のアル
カリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属やア
ンモニウムの共存下、行う方法は公知であり、そ
の目的のためにNaBr、KBr、CaBr2、NH4Br等
の臭化物やNaOH、KOH等の水酸化物がHBr、
CoBr2、MnBr2と併用して使用されている。 しかし従来知られている限りでは、このような
アルカリ金属等の反応系への添加効果は反応の本
質に対しては極めて小さく例えば特公昭49−
25936号公報実施例10および比較例6〜8中には
触媒として酢酸コバルト、酢酸マンガン、臭化水
素酸を用いてp−キシレンを酸化した場合より臭
化水素酸の代りに臭化ナトリウム、臭化カリウ
ム、臭化アンモニウムを用いた場合の方が得られ
たテレフタル酸の収率は、わずかではあるが低い
(前者が97モル%に対し後者は96〜94モル%)事
が示されている。 また特公昭59−8252号公報には同様にp−キシ
レンの酸化において臭素原子に対して特定量(7/
9以下)のアルカリ金属原子を添加する方法が示
されているが、これによるテレフタル酸の収率の
増減については言及されておらず、生成物の性状
の変化のみが示されている。 特公昭56−3337号公報にはジメチルナフタレン
を酸化する場合アンモニウムを添加した例(実施
例1〜3)および添加しない例(実施例6)が示
されているが、生成ナフタレンジカルボン酸の収
率は殆んど94〜96モル%である。 このように従来公知の文献特許明細書等中に
は、このような酸化反応にアルカリ金属等の添加
されている例は多いが、これにより、特に著しい
収率上の効果の発現が記載されている例は見当ら
ず、むしろかえつて生成物の性状に対して好まし
くないとする記載(例えば特開昭51−127037号公
報および特公昭49−25936号公報等)もあり、こ
れらの記載からみても、この酸化反応に対してア
ルカリ金属の添加が本質的に必須なものとは考え
難い。 事実本発明者の実験においてもp−キシレンや
ジメチルナフタレン等の従来公知の酸化反応にお
いて、アルカリ金属やアンモニウム等の添加効果
は高々5%の収率向上すら認められず、殆んど同
等乃至むしろ低下を示す場合が多かつた。 これに反して、本発明のDIPN又はその酸化誘
導体の酸化においては、後述する多くの実施例の
結果が示しているように、その反応におけるアル
カリ金属の添加効果は顕著であり、従つて本発明
では、アルカリ金属の添加は本質的に不可欠な要
素であることがわかる。 本発明において出発原料は2,6−ジイソプロ
ピルナフタレン(DIPN)又はその酸化誘導体で
あり、それらは高純度のものが好ましいが必ずし
も純粋である必要はなく、酸化反応に対する影響
或いは生成するNDAの純度、着色に許容される
範囲で他の成分を含んでいてもよい。DIPNの酸
化誘導体とは、DIPNの酸化によつて生成し、ま
た反応系内において酸化されることによつて最終
的に目的とするNDAを与えるものである。そこ
で本発明の出発原料を、具体的に示すと下記一般
式()で表わされる。 [但し式中R1は
【式】
【式】よりなる群から選ばれた基、R2は前
記R1で示された基及び
【式】−COOHと
−CHOよりなる群から選ばれた基であつてR1と
同一であつても或いは異なつていてもよい。] 出発原料としては、前記式()におけるR1
とR2が、同一もしくは異なり、
同一であつても或いは異なつていてもよい。] 出発原料としては、前記式()におけるR1
とR2が、同一もしくは異なり、
【式】及び
【式】から選ばれるもの
が好ましい。
本発明において、酸化触媒としては前述した通
り、下記()〜()が使用される。 () コバルト及び/又はマンガンよりなる重金
属(A成分) () 臭素(B成分)及び () アルカリ金属(C成分) A成分及びB成分は共に本発明の酸化反応系中
で溶解しうる形態であれば金属、元素、化合物の
いずれであつてもよい。 A成分を形成するコバルト及びマンガンとして
は例えば酸化物、水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化
物特に臭化物等の無機塩の他、酢酸その他の脂肪
族モノカルボン酸または芳香族カルボン酸特に
NDA等の有機酸塩が挙げられるが、これらのう
ち好ましいのは臭化物および脂肪酸塩特に酢酸塩
である。 またB成分を形成する臭素としては酸化反応系
に溶解しBrイオンを発生するものであれば有機
化合物又は無機化合物のいずれであつてもよい。
具体的には、例えば分子状臭素(Br2)、臭化水
素、臭化水素酸塩等の無機臭素化合物又は臭化メ
チル、臭化エチル、ブロモホルム、臭化エチレン
その他の臭化アルキル若しくはブロモ酢酸、多ブ
ロモ酢酸等の臭素化脂肪酸等の有機臭素化合物が
挙げられるがこれらのうち好ましいのは分子状臭
素、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、
臭化リチウム、または臭化コバルト、臭化マンガ
ン等である。 これらの酸化触媒は一般にその単塩又は錯塩の
イオンとして、A成分に対してB成分が配位乃至
結合若しくはイオン対等を形成して反応に関与す
るものと考えられ、従つて反応中このようなイオ
ンを形成し難い状態での金属単体又は不溶性の金
属化合物あるいは反応温度で分解して臭素イオン
を脱離し難いような有機臭素化合物、例えば核臭
素化芳香族化合物等は触媒として使用してもその
効果は小さく得策でない。 本発明の反応において酸化反応系に加えられた
臭素はそれがどのような化合物形態で与えられた
ものであれ、その一部は直接または二次的に被酸
化物DIPN又はその酸化誘導体のイソプロピル側
鎖に付加してこれらの側鎖有機臭素化合物を形成
し易い。 そして、これらは本発明の酸化反応条件下では
多かれ少なかれ分解して臭素イオンを脱離再生す
る。従つてこのような被酸化物の側鎖臭素化合物
もまた本発明方法における触媒B成分源として有
効である。本発明の重要な構成因子であるC成分
を形成するアルカリ金属としては水酸化物の他炭
酸塩、酢酸塩、および臭化物が好ましく、その他
の塩は反応系に不必要な他のイオンを持込むので
このましくない。 特に硫酸塩、硝酸塩、塩化物等の(臭化物以外
の)無機強酸塩は避けるべきである。アルカリ金
属としてはナトリウム、カリウム、リチウムが好
ましい。 C成分としてナトリウム、カリウム、リチウム
の代りにアンモニウムやカルシウム、バリウム等
のアルカリ土類金属を用いてもその効果は小さい
か或いは実用上は殆ど無効と考えてもよい。 本発明者らが前記特願昭58−197558、58−
197559及び59−261765号明細書中に記したように
この酸化反応においては反応収率面からみる限り
原料に対するA成分の使用割合及び溶媒に対する
A成分の濃度は何れも高ければ高い程良くその上
限は事実上規定し難い。 しかし工業的に過度の触媒の使用は生産性の低
下を招来するし、また本発明に示した特定量のア
ルカリ金属の使用により上記特許に記されたより
はるかに少量の触媒の使用で高反応収率が達成出
来るので実用上のA成分の使用量は、使用する脂
肪族モノカルボン酸溶媒に対しコバルト及び/又
はマンガンの金属含有量で0.2〜6.0重量%、好ま
しくは0.5〜4.0重量%の範囲である。 A成分はコバルト、マンガンの何れか又は両者
の混合物が使われるが、コバルト及びマンガンを
混合して使用する場合その混合割合は、例えば反
応温度、時間、触媒使用量、溶媒使用量などによ
りその好ましい範囲が左右される。しかし、通常
Co:Mnの原子比で表わして1:99〜99:1、特
に10:90〜95:5の範囲が好ましい。 本発明者らの観測によれば、反応に使用する臭
素の最適濃度は使用するA成分濃度のみでなく反
応温度、原料濃度、溶媒量等の他の反応条件にも
依存する。 従つて本発明方法における臭素濃度を一義的に
規制するのは困難であるが一般には使用するA成
分に対し原子比で0.1〜5.0、好ましくは0.2〜2.5
程度が好ましい。 一般的には、A成分濃度が低い程この比は高い
方がよい。 本発明方法において反応中のDIPNおよびその
酸化誘導体の濃度は前記の急速な反応進行を防ぐ
ために、あまり高くないように保つ事が望まれ
る。 反応中、反応系内のDIPNおよびその酸化誘導
体濃度は系中に存在する触媒中A成分に対し、モ
ル比2.0を越えない事が好ましく特に1.0以下、と
りわけ0.5以下が適当である。 反応系中のDIPNおよびその酸化誘導体の対A
成分のモル比が高いと前記の触媒濃度が如何に好
適に保たれても、反応の急速な進行による副反応
の生起を抑える事が困難となり、目的生成物
NDAの収率が低下する傾向が認められる。 しかし、一般には連続反応または少くとも半連
続反応の場合、反応温度と酸素濃度(酸素分圧)
とを好適条件範囲内に保持する限り原料の反応に
よる消失は速かであり、反応中の原料濃度を上記
規制値以下に保つ事は比較的容易である。 本発明方法において使用するC成分の最適濃度
は他の反応条件にも依存し必ずしも一義的には決
められないが、少くとも反応系中に存在する臭素
1g原子当り0.8g原子は必要であり、それ以下
ではNDAの収率は著しく低く実用的でない。し
かし臭素原子に対するC成分の濃度は高ければ高
いほど良いわけではなく、あまり高すぎると
NDAの収率はB成分とC成分との比の如何では
かえつて低下する場合がある。又実用上の見地か
らも無用に多量のC成分を使用する事は何ら効用
がないのみならず、かえつて有害の場合の方が多
く、この面からもC成分の使用量は臭素1g原子
当り15.0g原子を越えない事が望ましい。 すなわちC成分の使用量は反応系中に存在する
臭素1g原子当り0.8〜15.0g原子、より好まし
くは1.1〜8.0g原子、更に好ましくは1.5〜4.0g
原子である。 本発明の反応にC成分を使用する場合、最も重
要な因子はB成分とC成分との比であり、本発明
者の実験によれば C成分/B成分=2/1(g原子比) がNDAの収率に対して最も優れている。 但し、この比はB成分(臭素)の濃度が低い場
合ほどその値が大きい方へ偏る傾向があり、従つ
て、C成分の最適使用量は上記の範囲が最も実用
的である。 またC成分の濃度は、その対臭素比が上記範囲
内であつても使用する酢酸溶媒に対して
4.0mol/1000gを越えない事が望ましい。 本発明方法において使用する溶媒は少くともそ
の50%以上が酢酸であればよく、その他は特に規
制されない。 必要に応じて、適宜水、その他の媒体と混合し
て使用される。水が含まれる場合、その割合は30
重量%以下、殊に20重量%以下が望ましい。 溶媒は本質的には原料および触媒の少くとも一
部を溶解し、これらと分子状酸素との接触を助け
るために使用されるがその他にも熱の分散、除熱
や生成物の流動性、生成物の結晶成長等の促進、
助長し、本発明方法の工業的実施を容易にする等
の目的を有している。 従つて、その使用量はこれらの目的に応じて定
められるべきであり本質的に本発明方法に使用さ
れる溶媒量は規制されないが実用上系中の原料お
よび目的NDAの合計重量に対して1〜10倍、好
ましくは2〜5倍程度の使用が実施に便利であ
る。 溶媒の使用量が過度に少いと本発明の目的が充
分に達成されず、反応の円滑な進行が妨げられる
が、逆に上記の使用量以上に過度に溶媒を多量に
使用しても反応自体がそれにより促進される事は
なく、かえつて溶媒の酸化燃焼による損失のみが
多くなり得策ではない。 本発明方法において分子状酸素としては純酸素
の他、これを他の不活性ガスで稀釈した混合ガス
が使用されるが、実用上空気が最も入手し易い分
子状酸素含有ガスであり、これをそのままあるい
は必要に応じて適宜酸素あるいは他の不活性ガス
で濃縮あるいは稀釈して使用する事が出来る。 本発明方法の酸化反応は常圧でも可能であるが
加圧下でより一層速やかに進行する。 反応は一般には系中の酸素分圧が高ければ高い
ほど速やかに進行するが実用上の見地からは酸素
分圧0.1Kg/cm2−abs以上、好ましくは0.2Kg/cm2
−abs以上8Kg/cm2−abs以下程度で充分であり、
これを不活性ガスとの混合状態で使用した場合の
全圧でも30Kg/cm2−G以下で反応は速やかに進行
し高収率でNDAを得る事が出来る。従つて、酸
素分圧を8Kg/cm2−abs以上にする事による工業
的利点は少い。 反応は60℃でも進行するが、このとき反応速度
は遅く必ずしも経済的ではない。また反応温度が
240℃を越えると副生成物の生成比率が増加し
NDAの収率は低下する。 また高温下では酢酸等の溶媒の燃焼損失も無視
出来なくなる。一般には好ましい反応温度は120
〜240℃、より好ましくは160〜230℃、特に好ま
しくは180〜220℃の範囲が有利である。 本発明方法の酸化反応を実施するに当つては触
媒および溶媒と原料とを同時又は別々に反応容器
に装入して(必要に応じて加温後)これに分子状
酸素含有ガスを吹込み所定の圧力、温度を保持し
ながらNDAが得られるまでの充分な時間反応を
行なう。 反応の進行に伴い、分子状酸素が吸収されると
共に多量の反応熱を発生するので、通常酸化反応
中は外部からの加温、加熱は不要であるばかりで
なく、むしろ除熱して所定反応温度を維持するこ
とが必要である。 この際、除熱は酢酸、水等の反応系媒体の蒸発
や吹込みガスの放出による熱の随伴等の内部除熱
かあるいは外部から水、水蒸気等冷媒を用いて冷
却するか若しくはこれら双方を併用するか等の公
知の方法により容易に可能である。 反応系中の原料が消失し、反応の終了が近付く
と分子状酸素の吸収が見掛け上殆んど停止する
が、この時点で反応系内にはまだ完全にNDAに
転化していない反応中間体の存在が認められる場
合がある。 このような場合には必要に応じてこれを更に分
子状酸素と接触させるいわゆるポスト・オキシデ
ーシヨンにより反応を完結させるとNDAの収率
が向上すると共に同時に不要な副生成物やその中
間体を酸化分解して生成NDAの純度をも向上せ
しめる事が出来る。 このようなポスト・オキシデーシヨンは主酸化
反応に引続き酸化反応容器内でそのままかまたは
主酸化反応後、一旦別容器に移してこれを所要時
間分子状酸素と接触させる事により行われる。 この際ポスト・オキシデーシヨンの反応圧力、
温度は主反応の場合と同じである必要はなく、こ
れより高くても低くてもよい。 反応終了後反応生成混合物からのNDAの分
離・回収およびNDAの精製とNDAを除去した反
応母液の後処理、循環、再使用等は他のNDAの
製造やテレフタル酸の製造において公知の常法に
従つて行う事が出来る。 本発明方法はバツチでも連続でも実施出来るが
バツチ反応では触媒に対する原料濃度が低く必ず
しも実用的ではない。 可能な限り酸化反応は連続若しくは触媒溶液中
に原料を少量宛回分または連続で添加して反応を
行ういわゆる半連続法の何れかによる事が好まし
い。 以上、本発明方法の実施により従来DIPN又は
その酸化中間体から低収縮でしか得られなかつた
NDAが容易に高収率且つ高純度で得られるよう
になり工業的に従来の何れの方法によるよりも安
価で且つ高品質のNDAの供給が可能になつた。 以下実施例およびその比較例を掲げて本発明方
法を詳述する。 なお、以下例示において部とはすべて重量部を
指す。 実施例 1 還流冷却器、ガス吹込管・排出管、原料連続送
入ポンプおよび攪拌機を有するチタン・ライニン
グ加圧・反応容器に 氷酢酸 150部 酢酸コバルト・4水塩(Co(OAc)2・4H2O6.23部 酢酸マンガン・4水塩(Mn(OAc)2・4H2O
6.13部 臭化カリウム(KBr) 2.98部 酢酸カリウム(KOAc) 7.36部 を装入して温度200℃、圧力30Kg/cm2−Gの条件
下ではげしく撹拌しながらこれに、 2,6−ジイソプロピル・ナフタレン(DIPN)
53.08部 を連続的に4時間かけて送入すると共に過剰の圧
縮空気を流通して酸化反応を行つた。 DIPNの送入完了後さらにそのまま200℃、30
Kg/cm2−Gに保つて空気の流通を1時間継続して
反応を完結させた後反応生成物を取出して、主と
して2,6−ナフタレン・ジカルボン酸(NDA)
より成る生成固体沈澱を分離した。 これを洗浄・乾燥して分析した結果NDAの収
量は45.55部であり、これのDIPNに対する収率は
85.08モル%であつた。 実施例 2〜4 実施例1と同様の反応装置に 氷酢酸 150部 酢酸コバルト・4水塩 6.23部 酢酸マンガン・4水塩 6.13部 臭化カリウム 11.90部 および 酢酸カリウム 実施例2では0.98部 実施例3では9.81部 実施例4では29.44部 を装入して温度200℃、圧力30Kg/cm2−Gの条件
下ではげしく攪拌しながらこれに、 2,6−ジイソプロピル・ナフタレン 53.08部 を連続的に4時間かけて送入すると共に過剰の圧
縮空気を流通して酸化反応を行つた。 DIPNの送入完了後さらにそのまま200℃、30
Kg/cm2−Gに保つて空気の流通を1時間継続して
反応を完結させた後、以後の操作を実施例1と同
様に行い、得られた2,6−ナフタレン・ジカル
ボン酸の収率を下記表−1に示した。
り、下記()〜()が使用される。 () コバルト及び/又はマンガンよりなる重金
属(A成分) () 臭素(B成分)及び () アルカリ金属(C成分) A成分及びB成分は共に本発明の酸化反応系中
で溶解しうる形態であれば金属、元素、化合物の
いずれであつてもよい。 A成分を形成するコバルト及びマンガンとして
は例えば酸化物、水酸化物、炭酸塩、ハロゲン化
物特に臭化物等の無機塩の他、酢酸その他の脂肪
族モノカルボン酸または芳香族カルボン酸特に
NDA等の有機酸塩が挙げられるが、これらのう
ち好ましいのは臭化物および脂肪酸塩特に酢酸塩
である。 またB成分を形成する臭素としては酸化反応系
に溶解しBrイオンを発生するものであれば有機
化合物又は無機化合物のいずれであつてもよい。
具体的には、例えば分子状臭素(Br2)、臭化水
素、臭化水素酸塩等の無機臭素化合物又は臭化メ
チル、臭化エチル、ブロモホルム、臭化エチレン
その他の臭化アルキル若しくはブロモ酢酸、多ブ
ロモ酢酸等の臭素化脂肪酸等の有機臭素化合物が
挙げられるがこれらのうち好ましいのは分子状臭
素、臭化水素、臭化ナトリウム、臭化カリウム、
臭化リチウム、または臭化コバルト、臭化マンガ
ン等である。 これらの酸化触媒は一般にその単塩又は錯塩の
イオンとして、A成分に対してB成分が配位乃至
結合若しくはイオン対等を形成して反応に関与す
るものと考えられ、従つて反応中このようなイオ
ンを形成し難い状態での金属単体又は不溶性の金
属化合物あるいは反応温度で分解して臭素イオン
を脱離し難いような有機臭素化合物、例えば核臭
素化芳香族化合物等は触媒として使用してもその
効果は小さく得策でない。 本発明の反応において酸化反応系に加えられた
臭素はそれがどのような化合物形態で与えられた
ものであれ、その一部は直接または二次的に被酸
化物DIPN又はその酸化誘導体のイソプロピル側
鎖に付加してこれらの側鎖有機臭素化合物を形成
し易い。 そして、これらは本発明の酸化反応条件下では
多かれ少なかれ分解して臭素イオンを脱離再生す
る。従つてこのような被酸化物の側鎖臭素化合物
もまた本発明方法における触媒B成分源として有
効である。本発明の重要な構成因子であるC成分
を形成するアルカリ金属としては水酸化物の他炭
酸塩、酢酸塩、および臭化物が好ましく、その他
の塩は反応系に不必要な他のイオンを持込むので
このましくない。 特に硫酸塩、硝酸塩、塩化物等の(臭化物以外
の)無機強酸塩は避けるべきである。アルカリ金
属としてはナトリウム、カリウム、リチウムが好
ましい。 C成分としてナトリウム、カリウム、リチウム
の代りにアンモニウムやカルシウム、バリウム等
のアルカリ土類金属を用いてもその効果は小さい
か或いは実用上は殆ど無効と考えてもよい。 本発明者らが前記特願昭58−197558、58−
197559及び59−261765号明細書中に記したように
この酸化反応においては反応収率面からみる限り
原料に対するA成分の使用割合及び溶媒に対する
A成分の濃度は何れも高ければ高い程良くその上
限は事実上規定し難い。 しかし工業的に過度の触媒の使用は生産性の低
下を招来するし、また本発明に示した特定量のア
ルカリ金属の使用により上記特許に記されたより
はるかに少量の触媒の使用で高反応収率が達成出
来るので実用上のA成分の使用量は、使用する脂
肪族モノカルボン酸溶媒に対しコバルト及び/又
はマンガンの金属含有量で0.2〜6.0重量%、好ま
しくは0.5〜4.0重量%の範囲である。 A成分はコバルト、マンガンの何れか又は両者
の混合物が使われるが、コバルト及びマンガンを
混合して使用する場合その混合割合は、例えば反
応温度、時間、触媒使用量、溶媒使用量などによ
りその好ましい範囲が左右される。しかし、通常
Co:Mnの原子比で表わして1:99〜99:1、特
に10:90〜95:5の範囲が好ましい。 本発明者らの観測によれば、反応に使用する臭
素の最適濃度は使用するA成分濃度のみでなく反
応温度、原料濃度、溶媒量等の他の反応条件にも
依存する。 従つて本発明方法における臭素濃度を一義的に
規制するのは困難であるが一般には使用するA成
分に対し原子比で0.1〜5.0、好ましくは0.2〜2.5
程度が好ましい。 一般的には、A成分濃度が低い程この比は高い
方がよい。 本発明方法において反応中のDIPNおよびその
酸化誘導体の濃度は前記の急速な反応進行を防ぐ
ために、あまり高くないように保つ事が望まれ
る。 反応中、反応系内のDIPNおよびその酸化誘導
体濃度は系中に存在する触媒中A成分に対し、モ
ル比2.0を越えない事が好ましく特に1.0以下、と
りわけ0.5以下が適当である。 反応系中のDIPNおよびその酸化誘導体の対A
成分のモル比が高いと前記の触媒濃度が如何に好
適に保たれても、反応の急速な進行による副反応
の生起を抑える事が困難となり、目的生成物
NDAの収率が低下する傾向が認められる。 しかし、一般には連続反応または少くとも半連
続反応の場合、反応温度と酸素濃度(酸素分圧)
とを好適条件範囲内に保持する限り原料の反応に
よる消失は速かであり、反応中の原料濃度を上記
規制値以下に保つ事は比較的容易である。 本発明方法において使用するC成分の最適濃度
は他の反応条件にも依存し必ずしも一義的には決
められないが、少くとも反応系中に存在する臭素
1g原子当り0.8g原子は必要であり、それ以下
ではNDAの収率は著しく低く実用的でない。し
かし臭素原子に対するC成分の濃度は高ければ高
いほど良いわけではなく、あまり高すぎると
NDAの収率はB成分とC成分との比の如何では
かえつて低下する場合がある。又実用上の見地か
らも無用に多量のC成分を使用する事は何ら効用
がないのみならず、かえつて有害の場合の方が多
く、この面からもC成分の使用量は臭素1g原子
当り15.0g原子を越えない事が望ましい。 すなわちC成分の使用量は反応系中に存在する
臭素1g原子当り0.8〜15.0g原子、より好まし
くは1.1〜8.0g原子、更に好ましくは1.5〜4.0g
原子である。 本発明の反応にC成分を使用する場合、最も重
要な因子はB成分とC成分との比であり、本発明
者の実験によれば C成分/B成分=2/1(g原子比) がNDAの収率に対して最も優れている。 但し、この比はB成分(臭素)の濃度が低い場
合ほどその値が大きい方へ偏る傾向があり、従つ
て、C成分の最適使用量は上記の範囲が最も実用
的である。 またC成分の濃度は、その対臭素比が上記範囲
内であつても使用する酢酸溶媒に対して
4.0mol/1000gを越えない事が望ましい。 本発明方法において使用する溶媒は少くともそ
の50%以上が酢酸であればよく、その他は特に規
制されない。 必要に応じて、適宜水、その他の媒体と混合し
て使用される。水が含まれる場合、その割合は30
重量%以下、殊に20重量%以下が望ましい。 溶媒は本質的には原料および触媒の少くとも一
部を溶解し、これらと分子状酸素との接触を助け
るために使用されるがその他にも熱の分散、除熱
や生成物の流動性、生成物の結晶成長等の促進、
助長し、本発明方法の工業的実施を容易にする等
の目的を有している。 従つて、その使用量はこれらの目的に応じて定
められるべきであり本質的に本発明方法に使用さ
れる溶媒量は規制されないが実用上系中の原料お
よび目的NDAの合計重量に対して1〜10倍、好
ましくは2〜5倍程度の使用が実施に便利であ
る。 溶媒の使用量が過度に少いと本発明の目的が充
分に達成されず、反応の円滑な進行が妨げられる
が、逆に上記の使用量以上に過度に溶媒を多量に
使用しても反応自体がそれにより促進される事は
なく、かえつて溶媒の酸化燃焼による損失のみが
多くなり得策ではない。 本発明方法において分子状酸素としては純酸素
の他、これを他の不活性ガスで稀釈した混合ガス
が使用されるが、実用上空気が最も入手し易い分
子状酸素含有ガスであり、これをそのままあるい
は必要に応じて適宜酸素あるいは他の不活性ガス
で濃縮あるいは稀釈して使用する事が出来る。 本発明方法の酸化反応は常圧でも可能であるが
加圧下でより一層速やかに進行する。 反応は一般には系中の酸素分圧が高ければ高い
ほど速やかに進行するが実用上の見地からは酸素
分圧0.1Kg/cm2−abs以上、好ましくは0.2Kg/cm2
−abs以上8Kg/cm2−abs以下程度で充分であり、
これを不活性ガスとの混合状態で使用した場合の
全圧でも30Kg/cm2−G以下で反応は速やかに進行
し高収率でNDAを得る事が出来る。従つて、酸
素分圧を8Kg/cm2−abs以上にする事による工業
的利点は少い。 反応は60℃でも進行するが、このとき反応速度
は遅く必ずしも経済的ではない。また反応温度が
240℃を越えると副生成物の生成比率が増加し
NDAの収率は低下する。 また高温下では酢酸等の溶媒の燃焼損失も無視
出来なくなる。一般には好ましい反応温度は120
〜240℃、より好ましくは160〜230℃、特に好ま
しくは180〜220℃の範囲が有利である。 本発明方法の酸化反応を実施するに当つては触
媒および溶媒と原料とを同時又は別々に反応容器
に装入して(必要に応じて加温後)これに分子状
酸素含有ガスを吹込み所定の圧力、温度を保持し
ながらNDAが得られるまでの充分な時間反応を
行なう。 反応の進行に伴い、分子状酸素が吸収されると
共に多量の反応熱を発生するので、通常酸化反応
中は外部からの加温、加熱は不要であるばかりで
なく、むしろ除熱して所定反応温度を維持するこ
とが必要である。 この際、除熱は酢酸、水等の反応系媒体の蒸発
や吹込みガスの放出による熱の随伴等の内部除熱
かあるいは外部から水、水蒸気等冷媒を用いて冷
却するか若しくはこれら双方を併用するか等の公
知の方法により容易に可能である。 反応系中の原料が消失し、反応の終了が近付く
と分子状酸素の吸収が見掛け上殆んど停止する
が、この時点で反応系内にはまだ完全にNDAに
転化していない反応中間体の存在が認められる場
合がある。 このような場合には必要に応じてこれを更に分
子状酸素と接触させるいわゆるポスト・オキシデ
ーシヨンにより反応を完結させるとNDAの収率
が向上すると共に同時に不要な副生成物やその中
間体を酸化分解して生成NDAの純度をも向上せ
しめる事が出来る。 このようなポスト・オキシデーシヨンは主酸化
反応に引続き酸化反応容器内でそのままかまたは
主酸化反応後、一旦別容器に移してこれを所要時
間分子状酸素と接触させる事により行われる。 この際ポスト・オキシデーシヨンの反応圧力、
温度は主反応の場合と同じである必要はなく、こ
れより高くても低くてもよい。 反応終了後反応生成混合物からのNDAの分
離・回収およびNDAの精製とNDAを除去した反
応母液の後処理、循環、再使用等は他のNDAの
製造やテレフタル酸の製造において公知の常法に
従つて行う事が出来る。 本発明方法はバツチでも連続でも実施出来るが
バツチ反応では触媒に対する原料濃度が低く必ず
しも実用的ではない。 可能な限り酸化反応は連続若しくは触媒溶液中
に原料を少量宛回分または連続で添加して反応を
行ういわゆる半連続法の何れかによる事が好まし
い。 以上、本発明方法の実施により従来DIPN又は
その酸化中間体から低収縮でしか得られなかつた
NDAが容易に高収率且つ高純度で得られるよう
になり工業的に従来の何れの方法によるよりも安
価で且つ高品質のNDAの供給が可能になつた。 以下実施例およびその比較例を掲げて本発明方
法を詳述する。 なお、以下例示において部とはすべて重量部を
指す。 実施例 1 還流冷却器、ガス吹込管・排出管、原料連続送
入ポンプおよび攪拌機を有するチタン・ライニン
グ加圧・反応容器に 氷酢酸 150部 酢酸コバルト・4水塩(Co(OAc)2・4H2O6.23部 酢酸マンガン・4水塩(Mn(OAc)2・4H2O
6.13部 臭化カリウム(KBr) 2.98部 酢酸カリウム(KOAc) 7.36部 を装入して温度200℃、圧力30Kg/cm2−Gの条件
下ではげしく撹拌しながらこれに、 2,6−ジイソプロピル・ナフタレン(DIPN)
53.08部 を連続的に4時間かけて送入すると共に過剰の圧
縮空気を流通して酸化反応を行つた。 DIPNの送入完了後さらにそのまま200℃、30
Kg/cm2−Gに保つて空気の流通を1時間継続して
反応を完結させた後反応生成物を取出して、主と
して2,6−ナフタレン・ジカルボン酸(NDA)
より成る生成固体沈澱を分離した。 これを洗浄・乾燥して分析した結果NDAの収
量は45.55部であり、これのDIPNに対する収率は
85.08モル%であつた。 実施例 2〜4 実施例1と同様の反応装置に 氷酢酸 150部 酢酸コバルト・4水塩 6.23部 酢酸マンガン・4水塩 6.13部 臭化カリウム 11.90部 および 酢酸カリウム 実施例2では0.98部 実施例3では9.81部 実施例4では29.44部 を装入して温度200℃、圧力30Kg/cm2−Gの条件
下ではげしく攪拌しながらこれに、 2,6−ジイソプロピル・ナフタレン 53.08部 を連続的に4時間かけて送入すると共に過剰の圧
縮空気を流通して酸化反応を行つた。 DIPNの送入完了後さらにそのまま200℃、30
Kg/cm2−Gに保つて空気の流通を1時間継続して
反応を完結させた後、以後の操作を実施例1と同
様に行い、得られた2,6−ナフタレン・ジカル
ボン酸の収率を下記表−1に示した。
【表】
【表】
比較例 1
実施例1と同様の反応装置で酢酸コバルト・4
水塩、酢酸マンガン4水塩および臭化カリウムの
代りに 臭化コバルト・6水塩(CoBr2・6H2O) 8.17部 臭化マンガン・4水塩(MnBr2・4H2O) 7.17部 酢酸カリウム 0部 を用いた以外は実施例1と同様の反応を行つた。 その結果を表−1に示した。 比較例 2 実施例1と同様の反応装置で酢酸マンガン・4
水塩の代りに 臭化マンガン・4水塩 7.17部 とし、またさらに 臭化カリウム 5.95部 酢酸カリウム 0部 (酢酸コバルト・4水塩は不変 6.23部) した以外は実施例1と同様の反応を行つた。 その結果を表−1に示した。 実施例 5 実施例2〜4と同様の反応装置で臭化カリウム
および酢酸カリウムの代りに 臭化ナトリウム(NaBr) 10.29部 酢酸ナトリウム(NaOAc) 8.20部 を用いた以外は実施例2〜4と同様の反応を行つ
た。 得られた2,6−ナフタレン・ジカルボン酸の
収量は44.68部、DIPNに対する収率は82.61モル
%であつた。 比較例 3 比較例1に示した反応系にさらに 酢酸カルシウム・1水塩(Ca(OAc)2・H2O8.8部 を加えた以外は比較例1と同様の反応を行つた。 得られた生成固体は濃褐色で多量のタール状生
成物を含み乾燥重量33.62部であつたが分析の結
果、そのNDA含有率は52.14重量%(17.53部に相
当)に過ぎずNDA収率は32.75モル%であつた。 実施例 6 実施例2〜4と同様の反応装置で臭化カリウム
および酢酸カリウムの代りに、 臭化リチウム(LiBr・H2O) 10.49部 酢酸リチウム(LiOAc) 6.60部 を用いた以外は実施例2〜4と同様の反応を行つ
た。 得られた2,6−ナフタレン・ジカルボン酸の
収量は40.63部、DIPNに対する収率は75.18モル
%であつた。 比較例 4 実施例2〜4と同様の反応装置で臭化カリウム
および酢酸カリウムの代りに、 臭化アンモニウム(NH4Br) 9.79部 酢酸アンモニウム(NH4OAc) 7.71部 用いた以外は実施例2〜4と同様の反応を行つ
た。 得られた2,6−ナフタレン・ジカルボン酸は
褐色の固体でその乾燥重量は42.95部であつたが、
分析の結果その純度が低くNDA収率は54.22モル
%に過ぎなかつた。
水塩、酢酸マンガン4水塩および臭化カリウムの
代りに 臭化コバルト・6水塩(CoBr2・6H2O) 8.17部 臭化マンガン・4水塩(MnBr2・4H2O) 7.17部 酢酸カリウム 0部 を用いた以外は実施例1と同様の反応を行つた。 その結果を表−1に示した。 比較例 2 実施例1と同様の反応装置で酢酸マンガン・4
水塩の代りに 臭化マンガン・4水塩 7.17部 とし、またさらに 臭化カリウム 5.95部 酢酸カリウム 0部 (酢酸コバルト・4水塩は不変 6.23部) した以外は実施例1と同様の反応を行つた。 その結果を表−1に示した。 実施例 5 実施例2〜4と同様の反応装置で臭化カリウム
および酢酸カリウムの代りに 臭化ナトリウム(NaBr) 10.29部 酢酸ナトリウム(NaOAc) 8.20部 を用いた以外は実施例2〜4と同様の反応を行つ
た。 得られた2,6−ナフタレン・ジカルボン酸の
収量は44.68部、DIPNに対する収率は82.61モル
%であつた。 比較例 3 比較例1に示した反応系にさらに 酢酸カルシウム・1水塩(Ca(OAc)2・H2O8.8部 を加えた以外は比較例1と同様の反応を行つた。 得られた生成固体は濃褐色で多量のタール状生
成物を含み乾燥重量33.62部であつたが分析の結
果、そのNDA含有率は52.14重量%(17.53部に相
当)に過ぎずNDA収率は32.75モル%であつた。 実施例 6 実施例2〜4と同様の反応装置で臭化カリウム
および酢酸カリウムの代りに、 臭化リチウム(LiBr・H2O) 10.49部 酢酸リチウム(LiOAc) 6.60部 を用いた以外は実施例2〜4と同様の反応を行つ
た。 得られた2,6−ナフタレン・ジカルボン酸の
収量は40.63部、DIPNに対する収率は75.18モル
%であつた。 比較例 4 実施例2〜4と同様の反応装置で臭化カリウム
および酢酸カリウムの代りに、 臭化アンモニウム(NH4Br) 9.79部 酢酸アンモニウム(NH4OAc) 7.71部 用いた以外は実施例2〜4と同様の反応を行つ
た。 得られた2,6−ナフタレン・ジカルボン酸は
褐色の固体でその乾燥重量は42.95部であつたが、
分析の結果その純度が低くNDA収率は54.22モル
%に過ぎなかつた。
1 次式
(式中、Rはアルキレンである)のジエステルの
製造方法において、水性相−有機相の二相反応媒
質中で、次式 (式中、M+はアルカリ金属である)の反応体塩
を、次式 X1−RX2 (式中、Rはアルキレンで、X1及びX2の各々は
ハロである)のジハロアルカン反応体の実質的に
当量と反応させること;上述の水性相−有機相の
二相反応媒質は水、上述の反応体塩及び上述のジ
製造方法において、水性相−有機相の二相反応媒
質中で、次式 (式中、M+はアルカリ金属である)の反応体塩
を、次式 X1−RX2 (式中、Rはアルキレンで、X1及びX2の各々は
ハロである)のジハロアルカン反応体の実質的に
当量と反応させること;上述の水性相−有機相の
二相反応媒質は水、上述の反応体塩及び上述のジ
Claims (1)
- 5 酸化を160〜230℃の範囲の温度で行う特許請
求の範囲第1項記載の2,6−ナフタレンジカル
ボン酸の製造法。 6 酸化を0.1〜8.0Kg/cm2の酸素分圧下で行う特
許請求の範囲第1項記載の2,6−ナフタレンジ
カルボン酸の製造法。 7 溶媒を、酸化反応混合物に存在する2,6−
ジイソプロピルナフタレン、その酸化中間体及び
2,6−ナフタレンジカルボン酸の合計重量の1
重量部当り少くとも1重量部使用する特許請求の
範囲第1項記載の2,6−ナフタレンジカルボン
酸の製造法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8656385A JPS61246143A (ja) | 1985-04-24 | 1985-04-24 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
| US06/853,693 US4716245A (en) | 1985-04-24 | 1986-04-18 | Process for producing 2,6-naphthalenedicarboxylic acid |
| EP86105535A EP0204119B1 (en) | 1985-04-24 | 1986-04-22 | Process for producing 2,6-naphthalenedicarboxylic acid |
| DE8686105535T DE3665859D1 (en) | 1985-04-24 | 1986-04-22 | Process for producing 2,6-naphthalenedicarboxylic acid |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8656385A JPS61246143A (ja) | 1985-04-24 | 1985-04-24 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61246143A JPS61246143A (ja) | 1986-11-01 |
| JPH0529022B2 true JPH0529022B2 (ja) | 1993-04-28 |
Family
ID=13890479
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8656385A Granted JPS61246143A (ja) | 1985-04-24 | 1985-04-24 | 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61246143A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JPS582223B2 (ja) * | 1974-07-02 | 1983-01-14 | 三菱化学株式会社 | 2.6− ナフタレンジカルボンサンノ セイゾウホウ |
-
1985
- 1985-04-24 JP JP8656385A patent/JPS61246143A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61246143A (ja) | 1986-11-01 |
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